JP2003253177A - インクジェット印刷用インク及びこれを用いた印刷物 - Google Patents

インクジェット印刷用インク及びこれを用いた印刷物

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 光沢紙や光沢フィルムシート等の特殊印刷媒
体においても、光沢性や耐摩擦性が良好で、かつにじみ
の少ない、鮮明な印刷画像が得られる、インクジェット
用インクを提供する。 【解決手段】 少なくとも、硫黄含有分散性付与基を表
面に有する顔料粒子、浸透剤、硫黄含有分散性付与基を
表面に有する樹脂エマルジョン(樹脂の分子骨格が、ス
チレン−(メタ)アクリル酸共重合体またはジエン系
(共)重合体である樹脂エマルジョン)及び水を含む、
インクジェット印刷用インク。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、インクジェット方
式に用いられるインクとして好適な水性のインク及びこ
れを用いた印刷物に関する。
【0002】
【従来の技術】近年来、インクジェットプリンタ用イン
クに求められる特性としては、印刷画像の耐水性や耐光
性等の堅牢性が良好であること、また、印刷媒体種によ
らずに不規則なインクの流れや付着したインク小滴より
大きく広がること(以下これを"にじみ"とする)等の不
具合が無いことが挙げられる。
【0003】こうした目的に対して、印刷画像の堅牢性
を確保するために、染料の代わりに堅牢性に優れる顔料
を利用することが検討されてきている。顔料は、染料と
異なり水への溶解性がないため、顔料を水中に微粒子状
態で分散することが必要であるが、この分散状態を安定
して保つことが非常に困難である。そのために、顔料を
水中に安定して分散させる技術が種々提案されており、
その1つの手段として、顔料微粒子の表面にスルホン酸
基を導入する技術が知られている。例えば、特開平10
−110129号公報には、活性プロトンを有さない溶
剤中に分散させた有機顔料をスルホン化剤で処理して得
られる"スルホン化表面処理有機顔料"を含むインクジェ
ット用インクが記載されている。同公報の記載によれ
ば、前記のインクジェット用インクは、安定な分散性を
有し、ノズルでの吐出安定性が良好であるとされてい
る。また、特開平11−49974号公報には、スルホ
ン酸基を導入した有機顔料塊状体を1価金属イオンで処
理することにより、表面を正帯電させる有機顔料塊状体
を調製することが記載されており、更に、その表面正帯
電有機顔料塊状体から調製された顔料エマルジョン、分
散剤及び水を含み、貯蔵安定性に優れた水系インク組成
物が記載されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】以上挙げた従来例で
は、以下に挙げる問題点が生じるものであった。
【0005】すなわち、前記特開平10−110129
号公報及び特開平11−49974号公報に記載のスル
ホン酸基導入顔料は、顔料表面に定着成分がないため、
印刷画像の耐摩擦性に乏しいという問題点があった。そ
のため、特開平10−110129号公報には、水溶性
樹脂を添加することにより定着性を改善する旨が記載さ
れている。しかし、特開平10−110129号公報に
記載の組成インクでは、カラー写真と同等以上の高品質
な印刷画像を要求される特殊印刷媒体(例えば、光沢
紙、光沢フィルムシート等)上に画像を形成した場合、
インクの浸透性に乏しい。その結果、インク中液性成分
の印刷媒体中への浸透が少なく、顔料粒子が印刷媒体表
面に残る状態となる為、画像表面の平滑性が失われて光
沢性が欠如し、印刷品質が損なわれるという問題点、及
び、耐摩擦性に乏しいという問題点があった。更に、特
にフルカラー印刷時において、2色以上インクが重なっ
たり接したりする部分で、にじみが発生するという問題
点があった。
【0006】そこで、本発明者等は、上述した従来技術
の問題点についての解決を図るべく鋭意検討した結果、
硫黄含有分散性付与基を表面に有する顔料粒子を含むイ
ンクに特定の浸透剤と特定の樹脂エマルジョン(実質的
にインク中で溶解しない樹脂エマルジョン)を添加する
ことで、上述した従来技術の問題点を解決するインクジ
ェット印刷用インクを実現できることを見出し、本発明
を提案するに至った。
【0007】従って、本発明は、上述した従来技術の問
題点を解決するインクジェット印刷用インクを実現する
ことを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明のインクジェット
印刷用インクは、少なくとも、硫黄含有分散性付与基を
表面に有する顔料粒子、浸透剤、硫黄含有分散性付与基
を表面に有する樹脂エマルジョン及び水を含むことを特
徴とする。そして、本発明のインクジェット印刷用イン
クにおいて好ましい態様によれば、前記樹脂エマルジョ
ンを構成する樹脂の分子骨格が、(A)スチレン−(メタ)
アクリル酸共重合体、または、(B)ジエン系(共)重合
体である。
【0009】また、本発明のインクジェット印刷用イン
クにおいて好ましい態様によれば、前記樹脂エマルジョ
ンの粒子表面に、−SO3M及び/又は−RSO2M(M
は対イオンであって、水素イオン、アルカリ金属イオ
ン、アンモニウムイオン、又は、有機アンモニウムイオ
ンを示す)が化学結合しており、水に分散可能なものと
されたものである。
【0010】また、本発明のインクジェット印刷用イン
クにおいて好ましい態様によれば、前記樹脂エマルジョ
ンの最低造膜温度が30℃以下である。
【0011】また、本発明のインクジェット印刷用イン
クにおいて好ましい態様によれば、前記顔料が、カーボ
ンブラック顔料及び/又は有機顔料であり、また、前記
顔料粒子が、硫黄を含む処理剤によりその粒子表面に−
SO3M及び/又は−RSO2M(Mは対イオンであっ
て、水素イオン、アルカリ金属イオン、アンモニウムイ
オン、又は、有機アンモニウムイオンを示す)が化学結
合するように表面処理され、水に分散及び/又は溶解が
可能なものとされたものである。
【0012】また、本発明のインクジェット印刷用イン
クにおいて好ましい態様によれば、前記浸透剤が、アセ
チレングリコール系界面活性剤、アセチレンアルコール
系界面活性剤、グリコールエーテル類、1,2−アルキ
レングリコール、及び、下記式(I)で示す構造の物質
からなる群から選ばれた一つ又は二つ以上の物質であ
る。 R−EOn−POm−X (I) (式中Rは炭素数1〜12のアルキル基を示し、その構
造は直鎖状であっても分岐していてもよい。Xは、−H
又は−SO3M(Mは対イオンであって、水素イオン、
アルカリ金属イオン、アンモニウムイオン、又は、有機
アンモニウムイオンを示す)を示す。EOはエチレンオ
キシ基、POはプロピレンオキシ基を示し、n及びm
は、繰り返し単位であって系全体での平均値を示す。E
OとPOは分子中に存在することを示していて順序は関
係ない。)
【0013】また、本発明のインクジェット印刷用イン
クにおいて好ましい態様によれば、前記式(I)に示す
物質の重量平均分子量が、2,000以下であり、ま
た、前記式(I)に示すRが、炭素数4〜10のアルキ
ル基である。
【0014】さらに、本発明の印刷物は、前記のインク
ジェット印刷用インクで印刷されたものである。
【0015】本明細書において、インクの「液性成分」
とは、インクジェット印刷用インクに関して、それを顔
料粒子等の固形部分と、それらの固形部分を分散して保
持する液状部分とに分けた場合の液状部分を意味する。
【0016】
【発明の実施の形態】<インクジェット印刷用インク>
本発明のインクジェット印刷用インクは、少なくとも硫
黄を含有する分散性付与基を表面に有する顔料粒子(以
下、単に"表面処理顔料粒子"と記載する場合がある)、
浸透剤、硫黄を含有する分散性付与基を表面に有する樹
脂エマルジョン及び水からなる。このようなインクで印
刷することにより、印刷媒体種によらずににじみの少な
い、定着性と光沢性に優れた印刷画像を実現できる。そ
の理由としては未だ明確ではないが、以下のように推定
している。
【0017】すなわち、表面処理顔料粒子は、インク中
では硫黄含有分散性付与基がイオン解離することで粒子
間に静電反発力が働くため安定的に分散しているが、イ
ンクが印刷媒体に付着した時に印刷媒体中のイオン性物
質、例えばマグネシウムやカルシウム等のアルカリ土類
金属イオンがインク中に溶け出し、それによって前記硫
黄含有分散性付与基(特には、スルフィン酸基又はスル
ホン酸基)と前記イオン性物質とが塩析反応により結合
して、顔料粒子が凝集することにより、インク中の液性
成分との分離が生じる。その結果、顔料凝集物がまず印
刷媒体表面に沈降吸着して、その後に液性成分が印刷媒
体表面や中へ浸透拡散する。そのため、にじみの少ない
印刷画像が得られるものと思われる。更に、こうして得
られた印刷物の耐水性は、硫酸塩の水溶性に近い難溶性
を示し、通常の分散剤(例えば、界面活性剤型、アルカ
リ中和樹脂分散剤型)を使用するタイプの顔料インクと
比較して、それよりも強固な耐水性が得られる。
【0018】その際、表面処理顔料粒子は、顔料粒子表
面に印刷媒体に対しての定着成分がないため、特に特殊
印刷媒体(例えば、光沢紙、光沢フィルムシート等)に
印刷した場合、顔料粒子が表面に残り、耐摩擦性に乏し
くなってしまう。また、印刷物の表面が顔料粒子の凝集
体で形成される為、平滑性に乏しく、画像の光沢性が欠
如してしまう。そこで、本発明者等が鋭意検討した結
果、インク(液性成分)に浸透剤としてアセチレングリ
コール系界面活性剤、アセチレンアルコール系界面活性
剤、グリコールエーテル類、1,2−アルキレングリコ
ール、及び特定構造の物質からなる群から選ばれた一つ
又は二つ以上の物質と、硫黄を含有する分散性付与基を
表面に有する樹脂エマルジョンを添加することで、上記
耐摩擦性および光沢性が改善できることを見出した。
【0019】上記のような樹脂エマルジョンは、前記の
顔料粒子と同様に粒子表面に硫黄含有分散性付与基を有
しており、インク中ではこれのイオン解離による静電反
発力のために、また、顔料粒子の分散性付与基と同様な
ものであるため、顔料粒子との相互作用が殆どない状態
で、安定的に分散している。このインクの分散安定性
は、表面に例えばカルボキシル基を有する樹脂エマルジ
ョンを用いた場合と比較して優れていることを本発明者
等は確認した。具体的には、ある条件下(例えば高温放
置時)において、カルボキシル基含有樹脂エマルジョン
を用いたインクでは、増粘・増粒等が生じる場合があっ
た。その理由は、詳細は不明であるが、顔料粒子の分散
性付与基と樹脂エマルジョンのそれとが異なっている場
合、各々の解離定数が違っていることにより、互いに何
らかの相互作用を生じ易くなっているためと推定してい
る。
【0020】このインクを印刷媒体上に付着した場合、
樹脂エマルジョンは、前記の顔料粒子と同様に印刷媒体
中のイオン物質と塩析反応を生じて、顔料粒子と共に凝
集沈降して顔料粒子間に存在し、分離した液性成分は印
刷媒体中に浸透拡散する。樹脂エマルジョンが顔料粒子
間に存在しているため、樹脂エマルジョンの皮膜化に伴
い、樹脂を仲立ちとして顔料同士が強固に接着する。ま
た、インクが乾燥するのに伴い、液性成分中の前記浸透
剤が樹脂エマルジョンの一部を伴って印刷媒体中に浸透
拡散していく為、顔料粒子が樹脂を仲立ちとして印刷媒
体に対して強固に接着する。その為、画像の耐摩擦性に
優れるものと思われる。また、画像の平滑性が、顔料粒
子の周りに樹脂エマルジョンが皮膜化することによって
発現する為、光沢性に優れた画像が実現できるものと思
われる。
【0021】また、本発明のインクジェット印刷用イン
クに用いられる顔料粒子は、硫黄含有分散性付与基が顔
料表面から脱離しない為、分散安定性に優れている。そ
の為、従来用いられてきた樹脂分散剤型顔料では、その
分散安定性保持の為に添加量が制限されていた、上述の
ような浸透剤を、所望の浸透性が発現できるだけの量を
添加する事ができる。従って、特にフルカラー印刷にお
いて、2色以上インクが重なったり接したりする画像部
分においても、にじみが少ない為、鮮明な画像が得られ
るものと思われる。
【0022】次に、本発明のインクジェット印刷用イン
クの構成要素について、説明する。
【0023】<顔料粒子>本発明のインクジェット印刷
用インクには、硫黄を含有する分散性付与基を表面に有
する顔料粒子が用いられる。この顔料粒子を構成する顔
料としては、硫黄含有分散性付与基を粒子表面に担持す
ることのできる顔料であり、分散性付与基の導入時に使
用する硫黄含有処理剤に溶解しない顔料であれば特に限
定されない。このような観点から、特に本発明のインク
ジェット印刷用インクにおいて好ましい顔料としては、
以下の顔料を例示することができる。
【0024】ブラックインク用の無機顔料としては、フ
ァーネスブラック、ランブブラック、アセチレンブラッ
ク、若しくはチャネルブラック等のカーボンブラック
(C.l.ピグメントブラック7)類、あるいは酸化鉄
顔料等を挙げることができる。
【0025】また、イエローインク用顔料としては、
C.l.ピグメントイエロー1(ハンザイエロー)、3
(ハンザイエロー10G)、12、13、14、17、
24(フラバントロンイエロー)、34、35、37、
53、55、65、73、74、81、83、93、9
4、95、97、98、99、108(アントラピリミ
ジンイエロー)、109、110、113、117(銅
錯塩顔料)、120、128、133(キノフタロ
ン)、138、139(イソインドリノン)、147、
151、153(ニッケル錯体顔料)、154、16
7、172、180等を挙げることができる。
【0026】更に、マゼンタインク用の顔料としては、
C.l.ピグメントレッド1(パラレッド)、2、3
(トルイジンレッド)、5(lTR Red)、7、
9、10、11、12、17、30、31、38(ピラ
ゾロンレッド)、42、88(チオインジゴ)、112
(ナフトールAS系)、114(ナフトールAS系)、
122(ジメチルキナクリドン)、123、144、1
49、150、166、168(アントアントロンオレ
ンジ)、170(ナフトールAS系)、171、17
5、176、177、178、179(ベリレンマルー
ン)、185、187、202(キナクリドンマゼン
タ)、209(ジクロロキナクリドン)、219、22
4(ベリレン系)、245(ナフトールAS糸)、又
は、C.I.ピグメントバイオレット19(キナクリド
ン)、23(ジオキサジンバイオレット)、32、3
3、36、38、43、50等を挙げることができる。
【0027】更にまた、シアンインク用の顔料として
は、C.l.ピグメントブルー15、15:1、15:
2、15:3、15:4、15:5、15:6、16
(無金属フタロシアニン)、18(アルカリブルートナ
ー)、25、60(スレンブルー)、65(ビオラント
ロン)、66(インジゴ)等を挙げることができる。
【0028】また、ブラックインク用の有機顔料として
は、アニリンブラック(C.l.ピグメントブラック
1)等の黒色有機顔料を用いることができる。
【0029】更にまた、マゼンタ、シアン、又はイエロ
ーインク以外のカラーインクに用いる有機顔料として、
C.I.ピグメントグリーン7(フタロシアニングリー
ン)、10(グリーンゴールド)、36、37;C.
I.ピグメントブラウン3、5、25、26;あるいは
C.I.ピグメントオレンジ1、2、5、7、13、1
4、15、16、34、36、38等を用いることがで
きる。
【0030】本発明のインクジェット印刷用インクにお
いては、前記の顔料を1種で又は2種以上を組み合わせ
て使用することができる。
【0031】本発明のインクジェット印刷用インクに含
まれる顔料粒子の表面上に担持されている硫黄含有分散
性付与基としては、硫黄原子を含有し、しかも水中分散
性を付与する官能基であれば特に限定されないが、好ま
しくは、スルフィン酸(−RSO2 -)基又はスルホン酸
(−SO3 -)基を挙げることができる。本発明のインクジ
ェット印刷用インクに含まれる顔料粒子においては、前
記の分散性付与基が、少なくとも粒子表面上に存在すれ
ばよく、粒子内部に含まれていてもよい。
【0032】本発明のインクジェット印刷用インクに含
まれる硫黄含有分散性付与基を表面に有する顔料粒子
は、前記の顔料化合物から、公知の方法によって調製す
ることができる。例えば、特開平8−283596号、
特開平10−110110号、特開平10−11011
1号、又は特開平10−110114号の各公報に記載
の方法で調製される水系分散液の形で、前記の硫黄含有
分散性付与基を表面に有する顔料粒子を得ることができ
る。
【0033】硫黄含有分散性付与基を表面に有する顔料
粒子を含む水系分散液の調製方法の一例を示せば、以下
のとおりである。
【0034】微細な粒子状の顔料を、顔料の3〜200
重量倍量の非プロトン性溶媒(例えば、N−メチル−2
−ピロリドン又はスルホラン)中に入れ、顔料の分散処
理を行いながら、スルホン化剤で処理する。スルホン化
剤としては、例えば、スルホン化ピリジン塩、スルファ
ミン酸、アミド硫酸、フルオロ硫酸、クロロ硫酸、三酸
化硫黄、発煙硫酸、又は硫酸等を、単独で又は2種以上
を組み合わせて用いることができる。スルホン化剤によ
る処理は、加熱(約60〜200℃)下及び撹拌下で行
うことができ、加熱は、スルホン化剤の添加前又は添加
後に行うことができる。
【0035】スルホン化処理の後、得られた顔料スラリ
ーから、非プロトン性溶媒と残留するスルホン化剤とを
除去する。除去処理は、水洗、限外濾過、逆浸透、遠心
分離、及び/又は濾過等を繰り返して実施することがで
きる。
【0036】続いて、スルホン化処理顔料を、10〜4
0重量%程度の濃度になるように水性液体(特に、イオ
ン交換水又は蒸留水)中に添加し、更に場合により通常
の分散処理を短時間行うことにより、顔料の乾燥工程を
経ずに、顔料水性分散液を得ることができる。
【0037】本発明のインクジェット印刷用インクに含
まれる前記顔料粒子における前記分散性付与基の導入量
は、顔料粒子1g当たり、好ましくは10×10-6当量
以上である。分散性付与基の導入量が、顔料粒子1g当
たり10×10-6当量未満であると、インクの保存安定
性が低下するだけでなく、印刷濃度が低くにじみの多い
画像となる場合がある。前記分散性付与基の導入量は、
顔料水性分散体を酸素フラスコ燃焼法で処理し、過酸化
水素水溶液に吸収させた後、イオンクロマトグラフ法で
硫酸イオン(2価)を定量し、スルホン酸基及びスルフ
ィン基に換算することによって測定することができる。
【0038】本発明のインクジェット印刷用インクに含
まれる顔料粒子の平均粒径は、好ましくは10〜300
nmである。平均粒径が10nm未満になると、耐光性
がなくなることがあり、300nmを超えると、沈降し
て安定吐出しなくなることがある。
【0039】本発明のインクジェット印刷用インクにお
いて、前記の硫黄含有分散性付与基を表面に有する顔料
粒子の含有量は、好ましくは0.5〜30重量%であ
る。前記の顔料粒子の含有量が0.5重量%未満になる
と、印刷濃度が不充分となることがあり、30重量%を
超えると、インク中に有機溶剤等を添加する量が制限さ
れ、ノズル目詰まりが発生しやすくなったり、インクの
粘度が高くなり、インク吐出ノズルからの安定吐出が得
られないことがある。
【0040】<樹脂エマルジョン>本発明のインクジェ
ット印刷用インクに用いられる、硫黄含有分散性付与基
を表面に有する樹脂エマルジョンは、連続相が水等の液
性成分であり、分散相が以下に示す樹脂から成る微粒子
(実質的にインクの液性成分に溶解しない微粒子)のこ
とを差す。この樹脂エマルジョンは、インク中では安定
的に分散し、印刷物においては顔料粒子同士及び顔料粒
子と印刷媒体とを強固に接着する作用を示す。そのよう
な特性を示す、樹脂エマルジョンを構成する樹脂構造
(樹脂の分子骨格)としては、「(A):スチレン−
(メタ)アクリル酸共重合体」または「(B):ジエン
系(共)重合体」である。
【0041】(A):スチレン−(メタ)アクリル酸共重合
体 前記特性を示す、樹脂エマルジョンを構成する樹脂構造
としては、具体的には、スチレン−(メタ)アクリル酸
共重合体、スチレン−(メタ)アクリル酸エステル−
(メタ)アクリル酸共重合体、ポリ(メタ)アクリル酸
エステル、スチレン−ブタジエン共重合体、ポリイソプ
レン、スチレン−イソプレン共重合体、ポリブタジエ
ン、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、クロロプ
レン共重合体、ポリオレフィン、ポリスチレン、ポリ酢
酸ビニル、ポリアミド、エチレン−酢酸ビニル共重合
体、酢酸ビニル−アクリル酸エステル共重合体、ポリウ
レタン等が挙げられる。その中でも、その樹脂構造がス
チレン−(メタ)アクリル酸共重合体のものは、後述す
る浸透剤に対しての親和性が良好である為、印刷媒体上
に印刷したインクが乾燥するのに伴い、樹脂エマルジョ
ンが迅速にかつ充分に皮膜化できる。その為、印刷画像
に充分な耐摩擦性や光沢性が付与できるので好ましい。
【0042】本発明のインクジェット印刷用インクに用
いられる、上記(A)の"スチレン−(メタ)アクリル
酸共重合体"を樹脂の分子骨格とする樹脂エマルジョン
は、後記する(B)の"ジエン系(共)重合体"を樹脂の
分子骨格とする樹脂エマルジョンにおいても同様である
が、その表面に硫黄含有分散性付与基を有する。硫黄含
有分散性付与基としては、硫黄原子を含有し、しかも水
中分散性を付与する官能基であれば特に限定されない
が、好ましくは、スルフィン酸(−RSO 2 -)基又はス
ルホン酸(−SO3 -)基を挙げることができる。
【0043】本発明のインクジェット印刷用インクに用
いられる、上記スチレン−(メタ)アクリル酸共重合体
を樹脂の分子骨格とする樹脂エマルジョンにおいては、
後記するジエン系(共)重合体の場合も同様であるが、
前記の分散性付与基が、少なくとも粒子表面上に存在す
ればよく、粒子内部に含まれていてもよい。前記の分散
性付与基の樹脂エマルジョン表面への導入方法は、構成
する樹脂のモノマー構造中に存在させていてもよく、ま
た樹脂エマルジョンを調製する際に分散性付与基を含む
試薬等を添加してもよい。更に、樹脂エマルジョンを調
製した後にその表面にグラフト重合等によって付加させ
てもよい。硫黄含有分散性付与基を樹脂エマルジョン表
面に担持させることで、上述したようにインクの保存安
定性が良好となる。
【0044】(B):ジエン系(共)重合体 ジエン系(共)重合体は、後述する浸透剤に対しての親
和性が良好である為好ましい。この樹脂構造である樹脂
エマルジョンを用いた場合、印刷媒体上に印刷したイン
クが乾燥するのに伴い、樹脂エマルジョンが迅速にかつ
充分に皮膜化できる。その為、印刷画像に充分な耐摩擦
性や光沢性が付与できる。以下に、この樹脂エマルジョ
ンについて詳細に述べる。
【0045】ジエン系(共)重合体としては、ジエン系
(共)重合体に、あるいはその水素添加物(以下"水添
物"ともいう)に、硫黄含有分散性付与基を置換した物
を用いることができ、それらは、ジエンモノマーを必須
成分とするジエン系(共)重合体(以下"ベースポリマ
ー"ともいう)、あるいは、その水添物に硫黄含有分散
性付与基を置換することによって得られる。ベースポリ
マーに使用されるジエンモノマーとしては、炭素数4〜
10のジエン系化合物が好ましく、より好ましくは炭素
数4〜8、更に好ましくは炭素数4〜6のジエン系化合
物である。
【0046】ジエンモノマーの具体例としては、例え
ば、1,3−ブタジエン、1,2−ブタジエン、1,2
−ペンタジエン、1,3−ペンタジエン、2,3−ペン
タジエン、イソプレン、1,2−ヘキサジエン、1,3
−ヘキサジエン、1,4−ヘキサジエン、1,5−ヘキ
サジエン、2,3−ヘキサジエン、2,4−ヘキサジエ
ン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、2−エチ
ル−1,3−ブタジエン、1,2−ヘプタジエン、1,
3−ヘプタジエン、1,4−ヘプタジエン、1,5−ヘ
プタジエン、1,6−ヘプタジエン、2,3−ヘプタジ
エン、2,5−ヘプタジエン、3,4−ヘプタジエン、
3,5−ヘプタジエン、シクロペンタジエン、ジシクロ
ペンタジエン、エチリデンノルボルネンなどのほか、分
岐した炭素数4〜7の各種脂肪族あるいは脂環族ジエン
類が挙げられる。これらのジエンモノマーを、1種また
は2種以上を併用して用いることができる。
【0047】上記のジエンモノマーと併用できる他のモ
ノマーとしては、例えば、スチレン、α−メチルスチレ
ン、o−メチルスチレン、p−メチルスチレン、m−メ
チルスチレン、ビニルナフタレンなどの芳香族モノマ
ー、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エ
チル、(メタ)アクリルブチルなどの(メタ)アクリル
酸アルキルエステル、(メタ)アクリル酸、クロトン
酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸などのモノある
いはジカルボン酸またはジカルボン酸の無水物、(メ
タ)アクリロニトリルなどのビニルシアン化合物、塩化
ビニル、塩化ビニリデン、ビニルメチルエチルケトン、
酢酸ビニル、(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリ
ル酸グリシジルなどの不飽和化合物が挙げられる。これ
ら他のモノマーは、1種または2種以上併用して用いる
ことができる。これら他のモノマーを併用する場合に
は、ジエンモノマーの使用量は、好ましくは0.5重量
%以上、さらに好ましくは1重量%以上、特に好ましく
は5重量%以上である。
【0048】ベースポリマーは、ジエンモノマーおよび
必要に応じて他のモノマーを、過酸化水素、ベンゾイル
パーオキサイド、アゾビスイソブチロニトリルなどのラ
ジカル重合開始剤、あるいはn−ブチルリチウム、ナト
リウムナフタレン、金属ナトリウムなどのアニオン重合
開始剤の存在下、必要に応じて公知の溶剤を使用して、
通常、−100〜150℃、好ましくは0〜130℃
で、(共)重合を行うことにより得られる。
【0049】また、べースポリマーとしては、ジエン系
(共)重合体−硫黄含有分散性付与基置換物の前駆体で
あるベースポリマーのジエンモノマーに基づく残存二重
結合の一部あるいは全部を水添して使用することもでき
る。この場合、公知の水添触媒が使用可能で、例えば、
特開平5−222115号公報に記載されているような
触媒、方法が挙げられる。ベースポリマーを水添後、後
述する方法で硫黄含有分散性付与基を置換することもで
きるが、該(共)重合体に硫黄含有分散性付与基を置換
したのち、水添してもよい。
【0050】本発明のインクジェット印刷用インクに使
用される樹脂エマルジョンの上記ベースポリマーは、ラ
ンダム型でもブロック型の共重合体でも特に制限なく用
いることができる。好ましいベースポリマーとしては、
例えば、イソプレン単独重合体、ブタジエン単独重合
体、イソプレン−スチレンランダム共重合体、イソプレ
ン−スチレンブロック共重合体、スチレン−イソプレン
−スチレン三元ブロック共重合体、ブタジエン−スチレ
ンランダム共重合体、ブタジエン−スチレンブロック共
重合体、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重
合体、ブタジエン−スチレン−ブタジエン三元ブロック
共重合体およびこれら(共)重合体の水添物、エチレン
−プロピレン−ジエン三元共重合体などが挙げられる。
【0051】本発明のインクジェット印刷用インクに用
いるジエン系(共)重合体−硫黄含有分散性付与基置換
物は、上記べースポリマーを、公知の方法、例えば、日
本科学会編集、新実験講座(14巻III、1773
頁)、あるいは、特開平2−227403号公報などに
記載された方法で得られる。例えば、硫黄含有分散性付
与基としてスルホン酸を置換する時にスルホン化剤を用
いるが、その場合には、上記ベースポリマー中のジエン
ユニットの二重結合部分をスルホン化することができ
る。このスルホン化の際、二重合は開環して単結合にな
るか、あるいは二重結合は残ったまま、水素原子がスル
ホン酸(塩)と置換することになる。なお、他のモノマ
ーを使用した場合には、二重結合部分がジエンユニット
部分以外にも、芳香族ユニットがスルホン化されてもよ
い。この場合のスルホン化剤としては、好ましくは無水
硫酸、無水硫酸と電子供与性化合物との錯体のほか、硫
酸、クロロスルホン酸、発煙硫酸、亜硫酸水素塩(Na
塩、K塩、Li塩など)などが使用される。
【0052】ここで電子供与性化合物としては、N,N
−ジメチルホルムアミド、ジオキサン、ジブチルエーテ
ル、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテルなどのエー
テル類;ピリジン、ピペラジン、トリメチルアミン、ト
リエチルアミン、トリブチルアミンなどのアミン類;ジ
メチルスルフィド、ジエチルスルフィドなどのスルフィ
ド類;アセトニトリル、エチルニトリル、プロピルニト
リルなどのニトリル化合物などが挙げられ、このうちで
もN,N−ジメチルホルムアミド、ジオキサンが好まし
い。
【0053】硫黄含有分散性付与基を置換する際にスル
ホン化剤を用いる場合の添加量は、ベースポリマー中の
ジエンユニットと芳香族ユニットのトータル1モルに対
して、通常、無水硫酸換算で0.005〜1.5モル、
好ましくは0.01〜1.0モルである。0.005モ
ル未満では、樹脂エマルジョンの分散安定性が得られな
い場合があり、一方、1.5モルを超えると、未反応の
無水硫酸が多くなり、アルカリで中和したのち、多量の
硫酸塩を生じ、純度が低下する。
【0054】このスルホン化の際には、無水硫酸などの
スルホン化剤に不活性な溶媒を使用することもでき、こ
の溶媒としては、例えば、クロロホルム、ジクロロエタ
ン、テトラクロロエタン、テトラクロロエチレン、ジク
ロロメタンなどのハロゲン化炭化水素、ニトロメタン、
ニトロベンゼンなどのニトロ化合物;液体二酸化イオ
ウ、プロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン、シクロヘ
キサンなどの脂肪族炭化水素、ジオキサン、テトラヒド
ロフランなどのエーテル系溶剤が挙げられる。これらの
溶媒は、適宜2種以上混合して使用することができる。
このスルホン化の反応温度は、通常−70〜200℃、
好ましくは−30〜50℃である。−70℃未満では、
スルホン化反応が遅くなり経済的でなく、一方、200
℃を超えると、副反応を起こし、生成物が黒色化あるい
は不溶化する場合がある。
【0055】このようにして合成されたジエン系(共)
重合体−硫黄含有分散性付与基置換物は、水に乳化させ
たもの(以下、乳化過程を"再乳化"ともいう)を使用す
る。再乳化の方法は、前記置換物あるいは、中和前の生
成物の有機溶剤溶液を、水あるいは後述する硫黄含有分
散性付与基と塩を形成する添加剤と攪拌・混合し、乳化
させたのち、水を残したまま有機溶剤を除去することに
より得られる。この再乳化は、一般的な方法が採用で
き、前記置換物の有機溶剤溶液中に攪拌しながら水を添
加する方法、攪拌しながら前記置換物の有機溶剤溶液を
水中に添加する方法、水と前記置換物の有機溶剤溶液を
同時に添加して攪拌する方法など、特に制限はない。
【0056】ここで、再乳化に使用する有機溶剤として
は、例えば、トルエン、キシレンなどの芳香族系溶媒、
ヘキサン、ヘプタンなどの脂肪族系溶剤、アセトン、メ
チルエチルケトンなどのケトン系溶剤、テトラヒドロフ
ラン、ジオキサンなどのエーテル系溶剤、酢酸エチル、
酢酸ブチルなどのエステル系溶剤、メタノール、エタノ
ール、イソプロピルアルコールなどのアルコール系溶剤
などが使用される。これら溶剤は、1種で使用しても、
2種以上併用して使用してもよい。
【0057】なお、再乳化に際しては、界面活性剤を併
用することもできる。この界面活性剤としては、ポリオ
キシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシソルビタン
エステル、ポリオキシエチレンアルキルアミンエーテル
などの非イオン系界面活性剤、オレイン酸塩、ラウリン
酸塩、ロジン酸塩、ドデシルベンゼンスルホン酸塩、ポ
リオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩など
のアニオン系界面活性剤、オクチルトリメチルアンモニ
ウムブロマイド、ジオクチルジメチルアンモニウムクロ
ライド、ドデシルピリジニウムクロライドなどのカチオ
ン系界面活性剤などが挙げられる。これらの界面活性剤
は、1種で使用することも、あるいは2種以上を混合し
て用いることもできる。上記界面活性剤は、前記置換物
の有機溶剤溶液中に溶解あるいは分散させて使用して
も、水に溶解あるいは分散させて使用してもかまわな
い。
【0058】本発明のインクジェット印刷用インクに用
いられる樹脂エマルジョンは、上記(A)または(B)の樹
脂構造及び硫黄含有分散性付与基を表面に有しているも
のであれば特に限定されずに用いることが出来るが、そ
の樹脂エマルジョンの最低造膜温度が30℃以下である
ものが好ましい。その理由は、樹脂エマルジョンの成膜
温度が上記の範囲であれば、印刷された印刷媒体を加熱
等の処理を改めて行うことなく、室温以下において印刷
面の成膜化が自動的に進行し、着色剤である顔料粒子が
強固に定着するためである。
【0059】ここで、「最低造膜温度」とは、水等の液
性成分に分散させた樹脂エマルジョンをアルミニウム等
の金属板の上に薄く塗り延ばし、温度を上げていった時
に透明な連続フィルムを形成する最低温度をいう。最低
造膜温度未満の温度領域では、白色粉末状となる。
【0060】「成膜性」とは、樹脂エマルジョンの連続
相である水等の液性成分を蒸発・浸透等により除去した
場合、樹脂皮膜が形成されることを意味する。樹脂皮膜
が形成されることにより、顔料粒子同士及び顔料粒子と
印刷媒体とが強固に定着でき、そのため耐摩擦性、光沢
性に優れた印刷画像を得ることができる。
【0061】本発明のインクジェット印刷用インクに用
いられる樹脂エマルジョンは、インク中の顔料に対して
固形分換算で10〜200重量%の範囲で添加すること
が好ましい。10重量%より少ないと、印刷画像に所望
の耐摩擦性及び光沢性を付与できない場合がある。20
0重量%より多く添加すると、インク粘度が高くなっ
て、印刷ヘッドから安定して吐出できない場合がある。
【0062】本発明のインクジェット印刷用インクに用
いられる樹脂エマルジョンを、インク中に更に安定的に
分散するために、硫黄含有分散性付与基と塩を形成する
添加剤を加えることもできる。このような添加剤として
は、具体的には、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、
水酸化リチウムなどのアルカリ金属水酸化物;ナトリウ
ムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウムメトキ
シド、ナトリウム−t−ブトキシド、カリウム−t−ブ
トキシドなどのアルカリ金属アルコキシド;炭酸ナトリ
ウム、炭酸カリウム、炭酸リチウムなどの炭酸塩;メチ
ルリチウム、エチルリチウム、n−ブチルリチウム、s
ec−ブチルリチウム、アミルリチウム、プロピルナト
リウムなどの有機金属化合物;アンモニア水、アミノメ
チルプロパノール、2−アミノイソプロパノール、モノ
エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノー
ルアミン、トリイソプロパノールアミン、トリメチルア
ミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブ
チルアミン、ピリジン、アニリン、ジメチルエタノール
アミン、ピペラジンなどのアミン類;ナトリウム、リチ
ウム、カリウムなどの金属化合物を挙げることができ
る。これら添加剤は、1種で使用することも、また、2
種以上を併用することもできる。
【0063】<浸透剤>本発明のインクジェット印刷用
インクには、インクの浸透性を高めることで、耐摩擦性
と光沢性が良好な印刷画像を得ること、及び特にフルカ
ラー印刷時の2色以上インクが重なったり接したりする
部分のにじみを少なくすることを目的として、アセチレ
ングリコール系界面活性剤、アセチレンアルコール系界
面活性剤、グリコールエーテル類、1,2−アルキレン
グリコール類及び下記式(I)で示す構造の物質からな
る群から選ばれた一つ又は二つ以上の物質を含む。 R−EOn−POm−X (I) (式中Rは炭素数1〜12のアルキル基を示し、その構
造は直鎖状であっても分岐していてもよい。Xは、−H
又は−SO3M(Mは対イオンであって、水素イオン、
アルカリ金属イオン、アンモニウムイオン、又は、有機
アンモニウムイオンを示す)を示す。EOはエチレンオ
キシ基、POはプロピレンオキシ基を示し、n及びm
は、繰り返し単位であって系全体での平均値を示す。E
OとPOは、分子中に存在することを示していて順序は
関係ない。)
【0064】具体的に、アセチレングリコール系界面活
性剤の好ましい例としては、次の一般式で表される化合
物、例えば、サーフィノールTG、サーフィノール42
0、サーフィノール440、サーフィノール465(以
上いずれもエアプロダクツ・アンド・ケミカルズ社製)
等を挙げることができる。
【0065】
【化1】
【0066】上記式中、Rl、R2、R3及びR4は、
それぞれ独立してアルキル基を示し、nとmとの和は0
〜30である。
【0067】また、アセチレンアルコール系界面活性剤
としては、2,4−ジメチル−5−ヘキシン−3−オー
ル、2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,
7−ジオール、3,6−ジメチル−4−オクチン−3,
6−ジオール、及び/又は前記2,4−ジメチル−5−
ヘキシン−3−オール、2,4,7,9−テトラメチル
−5−デシン−4,7−ジオール、3,6−ジメチル−
4−オクチン−3,6−ジオールにエチレンオキシ基及
び/又はプロピレンオキシ基が平均で30個以下付加し
たものが好ましいが、これに限定するものではない。こ
のようなアセチレンアルコール系界面活性剤の好ましい
例としては、サーフィノール61(エアプロダクツ・ア
ンド・ケミカルズ社製)が挙げられる。
【0068】前述のような界面活性剤のインクに対する
添加量は、0.1〜5重量%が好ましい。0.1重量%
より少ないと、インクの浸透力が不足し、特にフルカラ
ー印刷時において2色以上インクが重なったり接したり
する部分で、にじみが発生する場合がある。また、前記
樹脂エマルジョンの印刷媒体上での皮膜化が不充分とな
り、印刷画像に所望の耐摩擦性及び光沢性を付与できな
い場合がある。一方、5重量%より多くなると、印刷ヘ
ッドのノズル周りを不均一に濡らし、インクの安定吐出
ができにくくなる。
【0069】本発明のインクジェット印刷用インクにお
いては、浸透剤として、前記アセチレングリコール系,
アセチレンアルコール系界面活性剤以外に、グリコール
エーテル類を単独で、又は、上記界面活性剤と併用して
使用することもできる。グリコールエーテル類の具体例
としては、エチレングリコールモノメチルエーテル、エ
チレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコ
ールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノメチ
ルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノメチ
ルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテ
ル、ジエチレングリコールモノ−n−プロピルエーテ
ル、エチレングリコールモノ−iso−プロピルエーテ
ル、ジエチレングリコールモノ−iso−プロピルエー
テル、エチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、
ジエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、トリ
エチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、エチレ
ングリコールモノ−t−ブチルエーテル、ジエチレング
リコールモノ−t−ブチルエーテル、1−メチル−1−
メトキシブタノール、プロピレングリコールモノメチル
エーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、
プロピレングリコールモノ−t−ブチルエーテル、プロ
ピレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、プロピ
レングリコールモノ−iso−プロピルエーテル、ジプ
ロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレン
グリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコー
ルモノ−n−プロピルエーテル、ジプロピレングリコー
ルモノ−iso−プロピルエーテル、プロピレングリコ
ールモノ−n−ブチルエーテル、ジプロピレングリコー
ルモノ−n−ブチルエーテル等を挙げることができる。
【0070】また、1,2−アルキレングリコールの好
ましい例としては、1,2−ペンタンジオール、1,2
−ヘキサンジオールを挙げることができる。
【0071】以上述べたグリコールエーテル類及び1,
2−アルキレングリコールのインクに対する添加量は、
0〜30重量%が好ましい。添加量が30重量%を超え
ると、印刷ヘッドのノズル周りを不均一に濡らし、安定
吐出ができにくくなる。
【0072】本発明のインクジェット印刷用インクにお
いては、浸透剤として、以上述べたアセチレングリコー
ル系界面活性剤、アセチレンアルコール系界面活性剤、
グリコールエーテル類、1,2−アルキレングリコール
類の他に、下記式(I)で示す構造の物質を単独で、又は
前述の浸透剤と併用して含むことができる。R−EOn
−POm−X (I)(式中、Rは、炭
素数1〜12のアルキル基を示し、その構造は直鎖状で
あっても分岐していてもよい。Xは、−H又は−SO3
M(Mは対イオンであって、水素イオン、アルカリ金属
イオン、アンモニウムイオン、又は有機アンモニウムイ
オンを示す)を示す。EOはエチレンオキシ基、POは
プロピレンオキシ基を示し、n及びmは繰り返し単位で
あって系全体での平均値を示す。EOとPOは分子中に
存在することを示していて順序は関係ない。)
【0073】本発明のインクジェット印刷用インクにお
いては、前記式(I)に示すRの炭素数が4〜10のアル
キル基であることが好ましい。Rの炭素数が3以下では
浸透性を向上させる効果が低下する。具体的には、前記
式(I)に示す物質において、Rは、炭素数C4(ブチル
基)、C5(ペンチル基)、C6(ヘキシル基)、C7
(ヘプチル基)、C8(オクチル基)、C9(ノニル
基)、又はC10(デシル基)であることが好ましい。
RがC3(プロピル基)以下では浸透性を向上させる効
果が低下する。より好ましい形態によれば炭素数が4〜
8であり、さらに好ましくは炭素数が4〜6である。ま
た、Rの構造は直鎖状のものでも分岐構造をしたもので
もよいが、同じ炭素数で比較した場合、分岐構造をした
もののほうが浸透性を向上させる効果が高いため、好ま
しい。
【0074】また、前記式(I)に示す構造の物質におい
て、Xが−SO3Mである(Mは、対イオンであって、
水素イオン、アルカリ金属イオン、アンモニウムイオ
ン、又は有機アンモニウムイオンを示す)ときのアルカ
リ金属としては、Li、Na、Kが挙げられ、また有機
アンモニウムとしては、例えば、アルキルアンモニウ
ム、アルカノールアンモニウムを指し、具体的には、モ
ノメチルアンモニウム、ジエチルアンモニウム、トリプ
ロピルアンモニウム、モノエタノールアンモニウム、ジ
エタノールアンモニウム、トリエタノールアンモニウ
ム、モノイソプロパノールアンモニウム、トリプロパノ
ールアンモニウム、N−イソブチルアルコールアンモニ
ウム、N,N−ジメチルエタノールアンモニウム、N,
N−ジエチルエタノールアンモニウム等を挙げることが
できる。また、Xが水素の場合は、RやPOの分子量が
EOと比較して大きいと、前記式(I)で示す構造の物質
全体の疎水性が増すため、水への溶解性が低下する傾向
にある。一方で、Xが−SO3Mである場合には、水へ
の溶解性が得られやすい。
【0075】また、本発明のインクジェット印刷用イン
クにおいては、前記式(I)で示す構造の物質は、nが0
〜10の範囲であり、mが1〜5の範囲であることが好
ましい。
【0076】また、前記式(I)に示す構造の物質の重量
平均分子量は2,000以下が好ましい。重量平均分子
量が2,000を超えると、浸透性を向上させる効果が
低下する。より好ましくは1,000以下、さらに好ま
しくは500以下である。
【0077】以上述べた前記式(I)に示す構造の物質の
インクに対する添加量は、0〜15重量%が好ましい。
添加量が15重量%を超えると、印刷ヘッドのノズル周
りを不均一に濡らし、安定吐出ができにくくなる。
【0078】本発明で用いるインクにおいては、前記の
浸透剤を、1種で又は2種以上を組み合わせて、使用す
ることができる。
【0079】以上述べた浸透剤をインク中に含むことに
より、印刷媒体種によらずにインクの良好な浸透性を示
し、更に前述した樹脂エマルジョンに対して良好な親和
性を示す。その為、特にフルカラー印刷時においても、
にじみの少ない、耐摩擦性・光沢性に優れた、鮮明な印
刷画像が実現できる。
【0080】<その他の添加剤>本発明のインクジェッ
ト印刷用インクにおいては、前記浸透剤の助剤として、
インクの浸透性を制御し、更にノズルの耐目詰まり性、
インクの保湿性、あるいは浸透剤の溶解性を向上する目
的で、他のアニオン性又はノニオン性の界面活性剤、並
びに、高沸点低揮発性の多価アルコール類、あるいはそ
れらのモノエーテル化物、ジエーテル化物、若しくはエ
ステル化物等の親水性高沸点低揮発性溶媒等を、1種で
又は2種以上を組み合わせて、使用することができる。
【0081】ノニオン界面活性剤としては、例えば、フ
ッ素系共重合物、シリコーン系共重合物、アクリル酸共
重合物、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオ
キシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエ
チレン2級アルコールエーテル、ポリオキシエチレンス
テロールエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテ
ル、ポリオキシエチレンラノリン誘導体、アルキルフェ
ノールホルマリン縮合物の酸化エチレン誘導体、ポリオ
キシエチレンポリオキシプロピレンブロックコポリマ
ー、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキル
エーテル、ポリオキシエチレン化合物の脂肪酸エステル
型、ポリエチレンオキサイド縮合型ポリエチレングリコ
ール脂肪酸エステル、脂肪酸モノグリセリド、ポリグリ
セリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、プ
ロピレングリコール脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エス
テル、脂肪酸アルカノールアミド、ポリオキシエチレン
脂肪酸アミド、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ア
ルキルアミンオキサイド等を挙げることができるが、こ
れらに限定されるものではない。
【0082】アニオン界面活性剤としては、例えば、高
級脂肪酸塩、高級アルキルシカルボン酸塩、高級アルコ
ール硫酸エステル塩、高級アルキルスルホン酸塩、アル
キルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホ
ン酸塩、ナフタレンスルホン酸の塩、ホルマリン重縮合
物、高級脂肪酸とアミノ酸の縮合物、ジアルキルスルホ
コハク酸エステル塩、アルキルスルホコハク酸塩、ナフ
テン酸塩等、アルキルエーテルカルボン酸塩、アシル化
ペプチド、α−オレフィンスルホン酸塩、N−アシルメ
チルタウリン、アルキルエーテル硫酸塩、第二級高級ア
ルコールエトキシサルフェート、ポリオキシエチレンア
ルキルフェニルエーテル硫酸ナトリウム塩、ポリオキシ
エチレンアルキルフェニルエーテル硫酸アンモニウム
塩、モノグリサルフェート、アルキルエーテル燐酸エス
テル塩、アルキル燐酸エステル塩等を挙げることができ
るが、これらに限定されるものではない。前記の塩は、
例えば、ナトリウム、カリウム又はリチウムの塩であ
る。
【0083】高沸点低揮発性の多価アルコール類として
は、例えば、グリセリン、エチレングリコール、ジエチ
レングリコール、トリエチレングリコール、プロピレン
グリコール、ジプロピレングリコール、ヘキシレングリ
コール、ポリエチレングリコール、若しくはポリプロピ
レングリコールや1,5−ペンタンジオール、1,2−
ヘキサンジオール類等を用いることができ、またそれら
のモノエーテル化物、ジエーテル化物、若しくはエステ
ル化物等を用いることができ、更に、その他にも含窒素
有機溶剤としてN−メチル−2−ピロリドン、1,3−
ジメチルイミダゾリジノン、モノエタノールアミン、
N,N−ジメチルエタノールアミン、N,N−ジエチル
エタノールアミン、ジエタノールアミン、N−n−ブチ
ルジエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、
若しくはトリエタノールアミン等、含硫黄有機溶剤とし
て2,2'−チオジエタノール等の親水性高沸点低揮発
性溶媒を用いることもできる。
【0084】また、本発明のインクジェット印刷用イン
クにおいては、主溶媒である水に加えて、乾燥性の向上
を目的として、エタノール、プロパノール、イソプロパ
ノール、若しくはブタノール等の高揮発性の一価アルコ
ール類の少量を含有することができる。
【0085】また、本発明のインクジェット印刷用イン
クにおいては、インクを最適なpH値に調節するため
に、pH緩衝液を使用することができる。pH緩衝液と
しては、例えば、フタル酸水素カリウム、リン酸二水素
カリウム、リン酸水素二ナトリウム、四ホウ酸ナトリウ
ム、酒石酸水素カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナ
トリウム、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン、
又はトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン塩酸塩等
を挙げることができる。pH緩衝液の含有量は、ヘッド
部材の耐久性とインクの安定性の観点から、インクのp
H値が約7〜10になる量であることが好ましい。
【0086】また、本発明のインクジェット印刷用イン
クは、必要に応じて、その他の添加剤、例えば、防カビ
剤、防腐剤、又は防錆剤として、安息香酸、ジクロロフ
ェン、ヘキサクロロフェン、ソルビン酸、p−ヒドロキ
シ安息香酸エステル、エチレンジアミン四酢酸(EDT
A)、デヒドロ酢酸ナトリウム、1,2−ベンゾチアゾ
リン−3−オン、若しくは3,4−イソチアゾリン−3
−オン等を含むことができる。更に、ノズル乾燥防止の
目的で、尿素、チオ尿素、及び/又はエチレン尿素等を
含むこともできる。
【0087】<インクの諸物性値>本発明のインクジェ
ット印刷用インクの諸物性は適宜制御することができる
が、好ましい態様によれば、インクの粘度は10mPa
・s以下(20℃)であるのが好ましく、より好ましく
は5mPa・s以下(20℃)である。この粘度範囲の
インクは、印刷ヘッドから安定して吐出することができ
る。また、インクの表面張力も適宜制御することができ
るが、25〜50mN/m(20℃)であるのが好まし
く、より好ましくは30〜40mN/m(20℃)であ
る。この表面張力範囲であれば、インク(特に液性成
分)の印刷媒体に対する適度な浸透速度が、印刷媒体種
によらずに得られる。その為、特にフルカラー印刷時に
おいてにじみの少ない印刷画像が得られる。また、耐摩
擦性や光沢性に優れた、鮮明な印刷画像が実現できる。
【0088】
【実施例】次に、実施例によって本発明を具体的に説明
するが、これらは本発明の範囲を限定するものではな
い。また、以下の実施例の説明において、"硫黄含有分
散性付与基を表面に有する顔料粒子"を単に"表面処理顔
料"と称する。更に、以下の実施例及び比較例におい
て、部及び%は、特に断らない限り、重量による。ここ
で、以下の実施例で用いる"樹脂エマルジョン1〜6"
を、その作製例について、まとめて説明する。
【0089】<樹脂エマルジョン1の作製>攪拌機、温
度計、還流冷却器及び滴下漏斗を備えた反応容器に、イ
オン交換水900g及びラウリル硫酸ナトリウム4gを
仕込み、攪拌下に窒素置換しながら、内温を70℃に保
持し、重合開始剤として過硫酸カリウム2gを添加し溶
解した。次いで、予めイオン交換水450g、ラウリル
硫酸ナトリウム3g、スチレン435g、ブチルアクリ
レート475g、及び、2−アクリロイルアミノ−2−
メチルプロパンスルホン酸30g、ジエチレングリコー
ルジメタクリレート4gを攪拌下に加えて調製した乳化
物を、反応容器内に4時間かけて一定速度で滴下した。
滴下終了後、3時間の熟成を行った。得られた樹脂エマ
ルジョンを常温まで冷却した後、イオン交換水と水酸化
ナトリウムとを添加して「固形分35重量%,pH8」
に調製して、0.4μmフィルターにて濾過した。以上
の操作で得た樹脂エマルジョン1の最低成膜温度は、2
0℃であった。
【0090】<樹脂エマルジョン2の作製>スチレンを
545g、ブチルアクリレートを340gとした以外
は、前記樹脂エマルジョン1の作製と同様な組成および
方法にて、固形分35重量%、pH8の樹脂エマルジョ
ン2を得た。以上の操作で得た樹脂エマルジョン2の最
低造膜温度は30℃であった。
【0091】<樹脂エマルジョン3の作製>スチレンを
350g、ブチルアクリレートを580gとした以外
は、前記樹脂エマルジョン1の作製と同様な組成および
方法にて、固形分35重量%、pH8の樹脂エマルジョ
ン3を得た。以上の操作で得た樹脂エマルジョン3の最
低造膜温度は10℃であった。
【0092】<樹脂エマルジョン4の作製>ガラス製反
応容器にジオキサン100gを入れ、これに無水硫酸1
1.8gを内温を25℃に保ちながら添加し、2時間攪
拌して、無水硫酸−ジオキサン錯体を得た。次いで、ス
チレン/イソプレン/スチレン3元ブロック共重合体
(10/80/10重量比、重量平均分子量=100,
000)100gのTHF溶液(濃度=15%)中に上
記で得られた錯体全量を、内温を25℃に保ちながら添
加し、さらに2時間攪拌を続けた。水1,200g、水
酸化ナトリウム7.1g、ドデシルベンゼンスルホン酸
ナトリム1gをフラスコに入れ、内温を40℃に保っ
た。この中に、前記の溶液全量を、40℃に内温を保ち
つつ1時間で滴下した。滴下後、40℃で2時間攪拌し
た後、減圧蒸留により、水を残しつつ溶剤を除去し、濃
度15%のスルホン化ポリマー乳化物(樹脂エマルジョ
ン4)を得た。この乳化物の粒径は30nmであった。
また、この樹脂エマルジョン4の最低造膜温度は20℃
であった。
【0093】<樹脂エマルジョン5の作製>ガラス製反
応容器に1,2−ジクロロエタン100gを入れ、これ
に無水硫酸11.8gを内温を25℃に保ちながら添加
し、無水硫酸の1,2−ジクロロエタン溶液を得た。次
いで、ブタジエン/スチレン/ブタジエン共重合体(3
0/40/30、重量比、重量平均分子量=50,00
0)のジエンユニットの水素添加物(水添率99%)1
00gの1,2−ジクロロエタン溶液(濃度=15%)
中に上記で得られた無水硫酸溶液全量を、内温を25℃
に保ちながら、1時間かけて添加し、さらに2時間攪拌
を続けた。攪拌後、1,2−ジクロロエタンを減圧下で
500g程度除去した後、THF500gを添加した。
水1,200g、水酸化ナトリウム7.1g、ドデシル
ベンゼンスルホン酸ナトリウム1gをフラスコに入れ、
内温を40℃に保った。この中に、前記の溶液全量を、
40℃に内温を保ちつつ1時間で滴下した。滴下後、4
0℃で2時間攪拌した後、減圧蒸留により、水を残しつ
つ溶剤を除去し、濃度15%のスルホン化ポリマー乳化
物(樹脂エマルジョン5)を得た。この乳化物の粒径は
40nmであった。また、この樹脂エマルジョン5の最
低造膜温度は30℃であった。
【0094】<樹脂エマルジョン6の作製>ガラス製反
応容器にジオキサン200gを入れ、これに無水硫酸2
3.6gを、内温を25℃に保ちながら添加し、2時間
攪拌して、無水硫酸−ジオキサン錯体を得た。次いで、
スチレン/イソプレン/スチレン3元ブロック共重合体
(10/80/10重量比、重量平均分子量=100,
000)100gのTHF溶液(濃度=15%)中に上
記で得られた錯体全量を、内温を25℃に保ちながら添
加し、さらに2時間攪拌を続けた。水1,200g、水
酸化ナトリウム7.1g、ドデシルベンゼンスルホン酸
ナトリウム1gをフラスコに入れ、内温を40℃に保っ
た。この中に、前記の溶液全量を、40℃に内温を保ち
つつ1時間で滴下した。滴下後、40℃で2時間攪拌し
た後、減圧蒸留により、水を残しつつ溶剤を除去し、濃
度15%のスルホン化ポリマー乳化物(樹脂エマルジョ
ン6)を得た。この乳化物の粒径は40nmであった。
また、この樹脂エマルジョン6の最低造膜温度は15℃
であった。
【0095】(実施例1:実施例1−1,実施例1−
2) (1) 表面処理顔料の作製:カーボンブラック カーボンブラック(三菱化学社製「MA−7」)15部
をスルホラン200部中に混合し、アイガーモーターミ
ルM250型(アイガージャパン社製)で、ビーズ充填
率70%及び回転数5000rpmの条件下で1時間分
散し、分散した顔料ペーストと溶剤の混合液をエバポレ
ーターに移し、30mmHg以下に減圧しながら、12
0℃に加熱して、系内に含まれる水分をできるだけ留去
したのち、150℃に温度制御した。次いで、三酸化硫
黄25部を加えて6時間反応させ、反応終了後、過剰な
スルホランで数回洗浄した後、水中に注ぎ濾過すること
で表面処理カーボンブラック分散液を得た。
【0096】(2) 分散性付与基の導入量の定量 前記実施例1(1)で得た表面処理カーボンブラック分
散液を酸素フラスコ燃焼法で処理し、0.3%過酸化水
素水溶液に吸収させた後、イオンクロマトグラフ法(ダ
イオネクス社;2000i)で硫酸イオン(2価)を定
量し、スルホン酸基に換算したところ、分散性付与基の
導入量は顔料1g当たり、50×10-6当量であった。
【0097】(3) インクジェット用インクの調製 本実施例1では、前記実施例1(1)で得たカーボンブ
ラックと、樹脂エマルジョンとして前記樹脂エマルジョ
ン1(実施例1−1)または前記樹脂エマルジョン4
(実施例1−2)と、浸透剤としてアセチレングリコー
ル系界面活性剤であるサーフィノール465(エアプロ
ダクツ・アンド・ケミカルズ社製)とグリコールエーテ
ル類であるトリエチレングリコールモノ−n−ブチルエ
ーテルを使用した。具体的な組成を以下に示す。
【0098】 実施例1(1)の表面処理カーボンブラック顔料(固形分として)・・8.0% 樹脂エマルジョン1または4(固形分として)・・・・・・・・・・・・・・・・4.0% サーフィノール465・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1.0% トリエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル・・・・・・・・・・10.0% グリセリン・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・15.0% 1,5−ペンタンジオール・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・2.5% トリエタノールアミン・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・5.0% イオン交換水・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・残量 調製操作は以下のとおりに行った。
【0099】前記実施例1(1)で得た表面処理カーボ
ンブラック顔料にイオン交換水とトリエタノールアミン
を加えて攪拌混合し、表面処理カーボンブラック顔料液
を調製した。その後、別の容器にて混合した樹脂エマル
ジョン1または4、サーフィノール465、トリエチレ
ングリコールモノ−n−ブチルエーテル、グリセリン、
及び1,5−ペンタンジオールの混合液を、先に調製し
た表面処理カーボンブラック顔料液に攪拌しながら徐々
に加えることにより、本実施例1(実施例1−1,実施
例1−2)のブラックインクを得た。
【0100】(実施例2:実施例2−1,実施例2−
2)本実施例2では、樹脂エマルジョンとして、樹脂エ
マルジョン1または4の代わりに前記樹脂エマルジョン
2(実施例2−1)または前記樹脂エマルジョン5(実
施例2−2)を用いた以外は、前記実施例1と同様な組
成および方法で、本実施例2(実施例2−1,実施例2
−2)のブラックインクを得た。
【0101】(実施例3:実施例3−1,実施例3−
2)本実施例3では、樹脂エマルジョンとして、樹脂エ
マルジョン1または4の代わりに前記樹脂エマルジョン
3(実施例3−1)または前記樹脂エマルジョン6(実
施例3−2)を用い、サーフィノール465の代わりに
前記式(I)に示す物質(1)を用いた以外は、前記実
施例1と同様な組成および方法で、本実施例3(実施例
3−1,実施例3−2)のブラックインクを得た。な
お、式(I)に示す物質(1)は、Rがネオペンチル基
で、Xが水素であり、nが3.0で、mが1.5であ
る。
【0102】(実施例4:実施例4−1,実施例4−
2) (1) 表面処理顔料の作製:C.I.ピグメントブルー
15:3 フタロシアニン顔料(C.I.ピグメントブルー15:
3)20部をキノリン500部と混合し、アイガーモー
ターミルM250型(アイガージャパン社製)でビーズ
充填率70%及び回転数5000rpmの条件下で2時
間分散し、分散した顔料ペーストと溶剤の混合液をエバ
ポレーターに移し、30mmHg以下に減圧しながら1
20℃に加熱し、系内に含まれる水分をできるだけ留去
した後、160℃に温度制御した。次いで、スルホン化
ピリジン錯体20部を加えて8時間反応させ、反応終了
後に過剰なキノリンで数回洗浄した後に水中に注ぎ、濾
過することで表面処理フタロシアニンブルー顔料粒子を
得た。
【0103】(2) 分散性付与基の導入量の定量 前記実施例4(1)で調製した表面処理フタロシアニン
顔料分散液を酸素フラスコ燃焼法で処理し、0.3%過
酸化水素水溶液に吸収させた後、イオンクロマトグラフ
法(ダイオネクス社;2000i)で硫酸イオン(2
価)を定量し、スルホン酸基に換算したところ、分散性
付与基の導入量は顔料1g当たり、58×10-6当量で
あった。
【0104】(3) インクジェット用インクの調製 本実施例4では、前記実施例4(1)で調製した表面処
理フタロシアニンブルー顔料と、樹脂エマルジョンとし
て前記樹脂エマルジョン1(実施例4−1)または前記
樹脂エマルジョン4(実施例4−2)と、浸透剤として
アセチレングリコール類であるサーフィノール465と
グリコールエーテル類であるジエチレングリコールモノ
−n−ブチルエーテルと1,2−アルキレングリコール
である1,2−ヘキサンジオールを使用した。具体的な
組成を以下に示す。
【0105】 実施例4(1)の表面処理フタロシアニンブルー顔料(固形分として) ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・6.0% 樹脂エマルジョン1または4(固形分として)・・・・・・・・・・・・・・・1.5% サーフィノール465・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・0.8% ジエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル・・・・・・・・・・・・・7.5% グリセリン・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・10.0% 1,2−ヘキサンジオール・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・5.0% モノエタノールアミン・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・2.0% トリスヒドロキシメチルアミノメタン・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・0.2% ヘキサクロロフェン・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・0.03% イオン交換水・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・残量 調製操作は以下のとおりに行った。
【0106】前記実施例4(1)で得た表面処理フタロ
シアニンブルー顔料にイオン交換水とモノエタノールア
ミンを加えて攪拌混合し、表面処理フタロシアニンブル
ー顔料液を調製した。その後、別の容器にて混合した樹
脂エマルジョン1または4、サーフィノール465、ジ
エチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、グリセ
リン、1,2−ヘキサンジオール、トリスヒドロキシメ
チルアミノメタン、及びヘキサクロロフェンの混合液
を、先に調製した表面処理フタロシアニンブルー顔料液
に攪拌しながら徐々に加えることにより、本実施例4
(実施例4−1,実施例4−2)のシアンインクを得
た。
【0107】(実施例5:実施例5−1,実施例5−
2)本実施例5では、樹脂エマルジョンとして、樹脂エ
マルジョン1または4の代わりに前記樹脂エマルジョン
3(実施例5−1)または前記樹脂エマルジョン6(実
施例5−2)を用いた以外は、前記実施例4と同様な組
成および方法で、本実施例5(実施例5−1,実施例5
−2)のシアンインクを得た。
【0108】(実施例6:実施例6−1,実施例6−
2) (1) 表面処理顔料の作製:C.I.ピグメントイエロ
ー110 イソインドリノン顔料(C.I.ピグメンイエロー11
0)20部をキノリン500部と混合し、アイガーモー
ターミルM250型(アイガージャパン社製)でビーズ
充填率70%及び回転数5000rpmの条件下で2時
間分散させ、分散終了した顔料ペーストと溶剤の混合液
をエバポレーターに移し、30mmHg以下に減圧しな
がら、120℃に加熱し系内に含まれる水分をできるだ
け留去した後、160℃に温度制御した。次いで、反応
剤としてスルホン化ピリジン錯体20部を加えて4時間
反応させ、反応終了後に過剰なキノリンで数回洗浄して
から水中に注ぎ、濾過することにより表面処理イソイン
ドリノン顔料粒子を得た。
【0109】(2) 分散性付与基の導入量の定量 前記実施例6(1)で調製した表面処理イソインドリノ
ン顔料分散液を酸素フラスコ燃焼法で処理し、0.3%
過酸化水素水溶液に吸収させた後、イオンクロマトグラ
フ法(ダイオネクス社;2000i)で硫酸イオン(2
価)を定量し、スルホン酸基に換算したところ、分散性
付与基の導入量は顔料1g当たり、49×10-6当量で
あった。
【0110】(3) インクジェット用インクの調製 本実施例6では、前記実施例6(1)で調製した表面処
理イソインドリノン顔料粒子と、樹脂エマルジョンとし
て前記樹脂エマルジョン1(実施例6−1)または前記
樹脂エマルジョン4(実施例6−2)と、浸透剤として
グリコールエーテル類であるジエチレングリコールモノ
−n−ブチルエーテルを使用した。具体的な組成を以下
に示す。
【0111】 実施例6(1)の表面処理イソインドリノン顔料(固形分として)・・4.5% 樹脂エマルジョン1または4(固形分として)・・・・・・・・・・・・・・・・9.0% ジエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル・・・・・・・・・・・・10.0% グリセリン・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・12.0% ポリオキシエチレン(EO=8)ノニルフェニルエーテル・・・・・・0.2% 1,5−ペンタンジオール・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・5.0% プロパノール・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・3.0% アンモニア(28%水溶液)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・2.3% 尿素・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・3.0% イオン交換水・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・残量 調製操作は以下のとおりに行った。
【0112】前記実施例6(1)で調製した表面処理イ
ソインドリノン顔料にイオン交換水とアンモニアを加え
て攪拌混合し、表面処理イソインドリノン顔料液を調製
した。その後、別の容器にて混合した樹脂エマルジョン
1または4、ジエチレングリコールモノ−n−ブチルエ
ーテル、グリセリン、ポリオキシエチレン(EO=8)
ノニルフェニルエーテル、1,5−ペンタンジオール、
プロパノール、及び尿素の混合液を、先に調製した表面
処理イソインドリノン顔料液に攪拌しながら徐々に加え
ることにより、本実施例6(実施例6−1,実施例6−
2)のイエローインクを得た。
【0113】(実施例7:実施例7−1,実施例7−
2)本実施例7では、樹脂エマルジョンとして、樹脂エ
マルジョン1または4の代わりに前記樹脂エマルジョン
3(実施例7−1)または前記樹脂エマルジョン6(実
施例7−2)を用いた以外は、前記実施例6と同様な組
成および方法で、本実施例7(実施例7−1,実施例7
−2)のイエローインクを得た。
【0114】(実施例8:実施例8−1,実施例8−
2) (1) 表面処理顔料の作製:C.I.ピグメントレッド
122 ジメチルキナクリドン顔料(C.I.ピグメントレッド
122)20部をキノリン500部と混合し、アイガー
モーターミルM250型(アイガージャパン社製)でビ
ーズ充填率70%及び回転数5000rpmの条件下で
2時間分散させ、分散終了した顔料ペーストと溶剤の混
合液をエバポレーターに移し、30mmHg以下に減圧
しながら、120℃に加熱し系内に含まれる水分をでき
るだけ留去した後、160℃に温度制御した。次いで、
反応剤としてスルホン化ピリジン錯体20部を加えて4
時間反応させ、反応終了後に過剰なキノリンで数回洗浄
してから水中に注ぎ、濾過することにより表面処理ジメ
チルキナクリドン顔料粒子を得た。本実施例8(1)
は、前記実施例6(1)のイソインドリノン顔料をジメ
チルキナクリドン顔料(C.I.ピグメントレッド12
2)に代えたこと以外は、前記実施例6(1)と同様な
処理方法である。
【0115】(2) 分散性付与基の導入量の定量 前記実施例8(1)で調製した表面処理ジメチルキナク
リドン顔料分散液を酸素フラスコ燃焼法で処理し、0.
3%過酸化水素水溶液に吸収させた後、イオンクロマト
グラフ法(ダイオネクス社;2000i)で硫酸イオン
(2価)を定量し、スルホン酸基に換算したところ、分
散性付与基の導入量は顔料1g当たり、35×10-6
量であった。
【0116】(3) インクジェット用インクの調製 本実施例8では、前記実施例8(1)で調製した表面処
理ジメチルキナクリドン顔料と、樹脂エマルジョンとし
て前記樹脂エマルジョン1(実施例8−1)または前記
樹脂エマルジョン4(実施例8−2)と、浸透剤として
アセチレングリコール類であるサーフィノール465を
使用した。具体的な組成を以下に示す。
【0117】 実施例8(1)の表面処理ジメチルキナクリドン顔料(固形分として) ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・7.0% 樹脂エマルジョン1または4(固形分として)・・・・・・・・・・・・・・・0.7% サーフィノール465・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・2.0% グリセリン・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・12.0% ポリオキシエチレン(EO=8)ノニルフェニルエーテル・・・・・0.2% 1,5−ペンタンジオール・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・5.0% プロパノール・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・3.0% アンモニア(28%水溶液)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・0.4% 尿素・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・3.0% イオン交換水・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・残量 調製操作は以下のとおりに行った。
【0118】前記実施例8(1)で調製した表面処理ジ
メチルキナクリドン顔料にイオン交換水とアンモニアを
加えて攪拌混合し、表面処理ジメチルキナクリドン顔料
液を調製した。その後、別の容器にて混合した樹脂エマ
ルジョン1または4、サーフィノール465、グリセリ
ン、ポリオキシエチレン(EO=8)ノニルフェニルエ
ーテル、1,5−ペンタンジオール、プロパノール、及
び尿素の混合液を、先に調製した表面処理ジメチルキナ
クリドン顔料液に攪拌しながら徐々に加えることによ
り、本実施例8(実施例8−1,実施例8−2)のマゼ
ンタインクを得た。
【0119】(実施例9:実施例9−1,実施例9−
2)本実施例9では、樹脂エマルジョンとして前記樹脂
エマルジョン3(実施例9−1)または前記樹脂エマル
ジョン6(実施例9−2)を用い、ポリオキシエチレン
(EO=8)ノニルフェニルエーテルの代わりに前記式
(I)に示す物質(2)を用いた以外は、前記実施例8
と同様な組成および方法で、本実施例9(実施例9−
1,実施例9−2)のマゼンタインクを得た。なお、式
(I)に示す物質(2)は、Rがイソブチル基であり、
Xが−SO3Mで、Mがカリウムイオンであり、nが
3.0で、mが3.0である。
【0120】(比較例1)本比較例1では、樹脂エマル
ジョン1,4を添加しなかった以外は、前記実施例1と
同様な組成および方法にて、本比較例1のブラックイン
クを得た。
【0121】(比較例2)本比較例2では、樹脂エマル
ジョンとして樹脂エマルジョン1,4の代わりにジョン
クリルエマルジョン780(分散性付与基:カルボキシ
ル基、最低造膜温度:50℃以上、ジョンソンポリマー
株式会社製)を用いた以外は、前記実施例1と同様な組
成および方法にて、本比較例2のブラックインクを得
た。
【0122】(比較例3)本比較例3では、特開平10
−110129号公報に記載と同じ組成および方法を用
いて、シアン色のインクを調製した。 インクジェット用インクの調製 具体的な組成を以下に示す。 実施例4(1)の表面処理フタロシアニンブルー顔料(固形分として) ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・3.0% W−251(日本ポリマー社製、分散性付与基:カルボキシル基、 固形分40%)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・0.2% エマルゲン420(花王社製、ノニオン系界面活性剤)・・・・・・1.0% ジエチルアミノエタノール・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・0.1% グリセリン・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・10.0% エタノール・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1.0% 1,2−ベンゾチアゾリン−3−オン・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・0.3% エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム塩・・・・・・・・・・・・・・・・・・0.03% イオン交換水・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・残量 調製操作は以下のとおりに行った。
【0123】前記実施例4(1)で得た表面処理フタロ
シアニンブルー顔料にイオン交換水とジエチルアミノエ
タノールを加えて攪拌混合し、表面処理フタロシアニン
ブルー顔料液を調製した。その後、別の容器にて混合し
たW−251、エマルゲン420、グリセリン、エタノ
ール、1,2−ベンゾチアゾリン−3−オン、及びエチ
レンジアミン四酢酸二ナトリウム塩の混合液を、先に調
製した表面処理フタロシアニンブルー顔料液に攪拌しな
がら徐々に加えることにより、本比較例3のシアンイン
クを得た。
【0124】(実施例10:実施例10−1,実施例1
0−2)本実施例10では、前記実施例1のブラックイ
ンク、前記実施例4のシアンインク、前記実施例6のイ
エローインク、及び実施例8のマゼンタインクを用い
て、以下に述べるインクの評価と同様なプリンタを用い
て、フルカラー画像を印刷した。
【0125】(比較例4)本比較例4では、前記実施例
1のブラックインク、前記比較例3のシアンインク、前
記実施例6のイエローインク、及び実施例8のマゼンタ
インクを用いて、以下に述べるインクの評価と同様なプ
リンタを用いて、フルカラー画像を印刷した。
【0126】<インクの評価>前記実施例1〜9及び前
記比較例1〜3で調製したインクジェット用インクを用
い、以下に示した評価を行った。
【0127】(印刷画像の光沢性)インクジェット印刷
方式のプリンタとして、MJ−5000C(セイコーエ
プソン社製)に、予めインクパックに脱気充填した前記
実施例1〜9及び前記比較例1〜3で調製したインクを
各々別途に充填し、専用光沢紙(商品名、セイコーエプ
ソン株式会社製)と専用光沢フィルム(商品名、セイコ
ーエプソン株式会社製)に印刷を行い、得られた印刷画
像を用いて、目視にて光沢性の評価を行った。前記実施
例10及び比較例4は、前述した4色のインクセットを
用いて、フルカラー画像を印刷し、得られた印刷画像を
用いて評価した。判断基準は、以下に示す通りである。
評価結果は表1に示した。
【0128】評価A:画像の全領域において一様な光沢
感。 評価B:単色、あるいは2色以上インクが重なるフルベ
タ部分で一部ざらつきがある。 評価C:単色、あるいは2色以上インクが重なる濃色部
で少しざらつきがある。 評価D:淡色画像部でもざらつきが目立つ。
【0129】(印刷画像の耐摩擦性)上述した印刷画像
の光沢性評価と同様なプリンタと印刷媒体を用いて、前
記実施例1〜9及び前記比較例1〜3で調製したインク
を印刷した。前記実施例10及び比較例4は、前述した
4色のインクセットを用いて、フルカラー画像を印刷
し、得られた印刷画像を用いて評価した。得られた印刷
画像を印刷後室温にて10分間放置して、耐摩擦性の評
価を行った。評価方法は、印刷画像を指で擦った時の画
像の乱れを、目視で確認することにより行った。判断基
準は、以下に示す通りである。評価結果は表1に示し
た。
【0130】評価A:乱れが認められない。 評価B:単色、あるいは2色以上インクが重なるフルベ
タ部分で乱れる部分がある。 評価C:単色或いは2色以上インクが重なる濃色部で乱
れる部分がある。 評価D:淡色部でも乱れが目立つ。
【0131】(印刷画像のにじみ)上述した印刷画像の
光沢性評価と同様なプリンタと印刷媒体を用いて、前記
実施例1〜9及び前記比較例1〜3で調製したインクを
印刷した。前記実施例10及び比較例4は、前述した4
色のインクセットを用いて、フルカラー画像を印刷し、
得られた印刷画像を用いて評価した。得られた印刷画像
のにじみを、目視にて評価した。判断基準は、以下に示
す通りである。評価結果は表1に示した。
【0132】評価A:にじみが認められない。 評価B:単色、あるいは2色以上インクが重なったり接
したりするフルベタ部でにじんでいる部分がある。 評価C:単色、あるいは2色以上インクが重なったり接
したりする濃色部でにじんでいる部分がある。 評価D:淡色部でもにじみが目立つ。
【0133】(インクの保存安定性)前記実施例1−2
〜9−2及び前記比較例1〜3で調製したインクジェッ
ト用インクをそれぞれ各々ガラス製のサンプルビンに入
れ、70℃で2週間放置して、放置前後におけるインク
の発生異物と物性値(粘度,平均粒子径,表面張力)に
ついて調べた。異物の評価は25μm綾畳みフィルター
でインクを濾過後、顕微鏡によりフィルター上に残って
いる異物量を観察することで行い、各物性値は前述の装
置及び測定方法で測定した。判断基準は、以下に示す通
りである。評価結果は表1に示した。
【0134】評価A:異物の発生、物性値変化共に殆ど
無し。良好な保存安定性。 評価B:異物発生、もしくは物性値変化があるが、共に
変化はわずかであり、実用上問題ないレベルである。 評価C:異物発生、もしくは物性値の変化があり、少な
くともそのいずれかが実用上問題のあるレベルである。
【0135】
【表1】
【0136】表1に示したように、実施例1〜9のイン
ク及び実施例10のフルカラー印刷においては、印刷媒
体種によらずに印刷画像の光沢性及び耐摩擦性が良好
な、にじみのない画像が得られた。それに対して、比較
例1では、画像にざらつきが発生し、耐摩擦性において
も画像の乱れが発生した。また、比較例2では、耐摩擦
性において画像の乱れが発生した。また、比較例3で
は、画像にざらつきが発生し、耐摩擦性においても画像
の乱れが発生した。更に、比較例4のフルカラー印刷で
は、シアンインクが印刷された画像部分で、画像にざら
つきとにじみが発生し、耐摩擦性においても画像の乱れ
が発生した。また、実施例1−1〜9−2のインクで
は、異物の発生や物性値の変化が殆どなく、良好なイン
ク保存安定性が得られた。
【0137】
【発明の効果】本発明によれば、硫黄含有分散性付与基
を表面に有する顔料粒子、グリコールエーテル類やアセ
チレングリコール系界面活性剤のような浸透剤、及び硫
黄含有分散性付与基を表面に有する樹脂エマルジョンを
添加したインクを用いて、印刷媒体上に画像を印刷する
ことにより、光沢紙や光沢フィルムシート等の特殊印刷
媒体においても、従来の技術が抱える課題である光沢性
や耐摩擦性の欠如が解決でき、にじみの少ない、鮮明な
画像が得られる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 矢竹 正弘 長野県諏訪市大和3丁目3番5号 セイコ ーエプソン株式会社内 (72)発明者 原 和彦 長野県諏訪市大和3丁目3番5号 セイコ ーエプソン株式会社内 Fターム(参考) 2C056 EA13 FC01 2H086 BA53 BA55 BA59 BA60 4J039 AD03 AD09 AD15 BA04 BE01 BE22 GA24

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも、硫黄含有分散性付与基を表
    面に有する顔料粒子、浸透剤、硫黄含有分散性付与基を
    表面に有する樹脂エマルジョン及び水を含む、インクジ
    ェット印刷用インク。
  2. 【請求項2】 前記樹脂エマルジョンを構成する樹脂の
    分子骨格が、スチレン−(メタ)アクリル酸共重合体で
    ある、請求項1に記載のインクジェット印刷用インク。
  3. 【請求項3】 前記樹脂エマルジョンを構成する樹脂の
    分子骨格が、ジエン系(共)重合体である、請求項1に
    記載のインクジェット印刷用インク。
  4. 【請求項4】 前記樹脂エマルジョンの粒子表面に、−
    SO3M及び/又は−RSO2M(Mは対イオンであっ
    て、水素イオン、アルカリ金属イオン、アンモニウムイ
    オン、又は、有機アンモニウムイオンを示す)が化学結
    合しており、水に分散可能なものとされたものである、
    請求項1〜3のいずれか一項に記載のインクジェット印
    刷用インク。
  5. 【請求項5】 前記樹脂エマルジョンの最低造膜温度
    が、30℃以下である、請求項1〜4のいずれか一項に
    記載のインクジェット印刷用インク。
  6. 【請求項6】 前記顔料が、カーボンブラック顔料及び
    /又は有機顔料である、請求項1〜5のいずれか一項に
    記載のインクジェット印刷用インク。
  7. 【請求項7】 前記顔料粒子が、硫黄を含む処理剤によ
    りその粒子表面に−SO3M及び/又は−RSO2M(M
    は対イオンであって、水素イオン、アルカリ金属イオ
    ン、アンモニウムイオン、又は、有機アンモニウムイオ
    ンを示す)が化学結合するように表面処理され、水に分
    散及び/又は溶解が可能なものとされたものである、請
    求項1〜6のいずれか一項に記載のインクジェット印刷
    用インク。
  8. 【請求項8】 前記浸透剤が、アセチレングリコール系
    界面活性剤、アセチレンアルコール系界面活性剤、グリ
    コールエーテル類、1,2−アルキレングリコール、及
    び下記式(I)で示す構造の物質からなる群から選ばれ
    た一つ又は二つ以上の物質である、請求項1〜7のいず
    れか一項に記載のインクジェット印刷用インク。 R−EOn−POm−X (I) (式中Rは炭素数1〜12のアルキル基を示し、その構
    造は直鎖状であっても分岐していてもよい。Xは、−H
    又は−SO3M(Mは対イオンであって、水素イオン、
    アルカリ金属イオン、アンモニウムイオン、又は、有機
    アンモニウムイオンを示す)を示す。EOはエチレンオ
    キシ基、POはプロピレンオキシ基を示し、n及びm
    は、繰り返し単位であって系全体での平均値を示す。E
    OとPOは、分子中に存在することを示していて順序は
    関係ない。)
  9. 【請求項9】 前記式(I)に示す物質の重量平均分子
    量が、2,000以下である、請求項8に記載のインク
    ジェット印刷用インク。
  10. 【請求項10】 前記式(I)に示すRが、炭素数4〜
    10のアルキル基である、請求項8に記載のインクジェ
    ット印刷用インク。
  11. 【請求項11】 請求項1〜10のいずれか一項に記載
    のインクジェット印刷用インクで印刷された印刷物。
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