JP2003253098A - 液晶性ポリマー組成物及びそれを用いた成形品 - Google Patents
液晶性ポリマー組成物及びそれを用いた成形品Info
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Abstract
ー組成物と比較して、液晶性ポリマー組成物が具備する
他の優れた特性とバランスし、機械的特性を改善するこ
とができる液晶性ポリマー組成物を提供する。 【解決手段】 融点が365℃を越えない液晶性ポリエ
ステル94.0〜7.5重量%と、無機充填材 5.0
〜90.0重量%と、融点が280〜320℃であり、
ポリアミド1.0〜12.0重量%とを含むことを特徴
とする液晶性ポリマー組成物。
Description
性、耐薬品性及び物理的特性に優れた液晶性ポリマー組
成物に関し、特に無機充填材を添加することによって更
に特性を改良し、射出成形または押出成形によりフイル
ム、繊維、成型製品及び成形製品に用いられる液晶ポリ
エステル組成物に関する。
く、加熱して液晶状態で分子鎖を一方向に配向させて成
形を行うと、その配向性と分子の剛直性から高強度、高
弾性率、寸法安定性の良い、耐熱性および耐薬品性に優
れた成形品を得ることができる。しかも、その強い配向
性のために、射出成形または押出成形などによってより
薄肉の成形品を製造することができることが知られてい
る。しかし、用途においては、液晶性ポリマー組成物特
有の強い配向から生じる問題解決が必要になったり、ま
た液晶性ポリマー組成物の特定の特性を改良することが
要求される場合がある。
光ファイバー用コネクター等の液晶性ポリマー組成物の
成形品において、良好な表面平滑性、真円度を得るた
め、最大径60μm以下であり且つアスペクト比が1.
5以下の実質球状の無機粒子を充填したポリエステル系
サーモトロピック液晶性ポリマー組成物が記載されてい
る。
ポリマー組成物の優れた前記特性に悪影響を及ぼすこと
なく、液晶性ポリマー組成物の異方性を効果的に低減す
る目的で、無機充填剤を配合する必要性はよく知られて
いる。すなわち、所望の特性改良のために、無機充填剤
の充填量が大きくなると、前記の液晶性ポリマー組成物
の優れた特性、特に機械的強度の面で不都合が生じる問
題があった。前記のように液晶性ポリマー組成物の優れ
た特性を活用しながら、用途において要求される、無機
添加剤の充填による特性の改善を効果的に、且つ他の特
性とバランスして達成することが強く望まれていた。本
発明の課題は、従来の無機充填剤が添加された液晶性ポ
リマー組成物と比較して、液晶性ポリマー組成物が具備
する他の優れた特性とバランスし、機械的特性を改善す
ることができる液晶性ポリマー組成物を提供することに
ある。
な課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、液晶性
ポリマー組成物に、特定の高融点を有する芳香族ポリア
ミドと無機充填材とを配合することにより、ポリアミド
の介在による無機充填材と液晶性ポリマー組成物との接
着性を向上させ、その結果、前記問題を解決することが
できることを見出した。
性ポリマー組成物は、融点が365℃を越えない液晶性
ポリエステル94.0〜7.5重量%と、無機充填材
5.0〜90.0重量%と、ポリアミド1.0〜12.
0重量%とを含むことを特徴とする。
組成物は、前記第1の態様に従う液晶性ポリマー組成物
において、前記ポリアミドが、融点280〜320℃の
芳香族ポリアミドであることを特徴とする。
組成物は、前記第1または2の態様に従う液晶性ポリマ
ー組成物において、ガラス、シリカ、ウォラストナイト
及びアルミナから成る群より選択される無機充填材を含
むことを特徴とする。
組成物は、前記第1または2の態様に従う液晶性ポリマ
ー組成物において、前記無機充填材が平均粒子径1μm
〜30μmの球状非晶質シリカであることを特徴とす
る。
組成物は、前記第3または4の態様に従う液晶性ポリマ
ー組成物において、シランカップリング剤によって表面
処理された無機充填剤を含むことを特徴とする。
組成物は、前記第1乃至3の態様のいずれかに従う液晶
性ポリマー組成物において、前記芳香族ポリアミドが、
ポリアミドを構成するモノマー成分中の芳香族モノマー
が15モル%以上であり、ジカルボン酸成分が、テレフ
タル酸、テレフタル酸とイソフタル酸との混合物(ただ
し、ジカルボン酸成分中イソフタル酸が40モル%以
下)、テレフタル酸とアジピン酸との混合物、および、
テレフタル酸とイソフタル酸とアジピン酸との混合物
(ただし、ジカルボン酸成分中イソフタル酸とアジピン
酸とが併せて40モル%以下)から成る群より選択さ
れ、ジアミン成分が、ヘキサメチレンジアミン、および
ヘキサメチレンジアミンと2−メチルペンタメチレンジ
アミンとの混合物から成る群より選択される半芳香族ポ
リアミドであることを特徴とする。
第1乃至6の態様のいずれかに従う液晶性ポリマー組成
物を含むことを特徴とする。
(A)は、異方性溶融相を形成しうる溶融加工性ポリエ
ステルまたはポリエステルアミドであり、一般にサーモ
トロピック液晶性ポリマーと呼ばれるものである。この
ようなポリマーの構成成分は、芳香族ヒドロキシカルボ
ン酸、芳香族ジカルボン酸、脂肪族ジカルボン酸、芳香
族ジオール、脂肪族ジオール、芳香族ヒドロキシアミ
ン、および芳香族ジアミンであり、異方性溶融相を形成
しうる溶融加工性ポリエステルまたはポリエステルアミ
ドは、これらの構成成分の1種を重合するか、2種以上
の成分を共重合して得られる。
ヒドロキシカルボン酸を重合させて得られる芳香族ポリ
エステル、芳香族ジカルボン酸と、1種または2種以上
の脂肪族ジカルボン酸と、芳香族ジオールと、1種また
は2種以上の脂肪族ジオールとを重合させて得られる芳
香族ポリエステル、芳香族ヒドロキシカルボン酸を主成
分とし、芳香族ジカルボン酸、脂肪族ジカルボン酸、芳
香族ジオールおよび脂肪族ジオールから成る群から選ば
れる1種または2種以上の成分を重合させて得られる芳
香族ポリエステル、芳香族ヒドロキシアミンと、1種ま
たは2種以上の芳香族ジアミンと、1種または2種以上
の芳香族ヒドロキシカルボン酸を重合して得られる芳香
族ポリエステルアミド、芳香族ヒドロキシアミンと、1
種または2種以上の芳香族ジアミンと、1種または2種
以上の芳香族ヒドロキシカルボン酸と、芳香族ジカルボ
ン酸と、1種または2種以上の脂肪族カルボン酸とを重
合して選られる芳香族ポリエステルアミド、芳香族ヒド
ロキシアミンと、1種または2種以上の芳香族ジアミン
と、1種または2種以上の芳香族ヒドロキシカルボン酸
と、芳香族ジカルボン酸と、1種または2種以上の脂肪
族カルボン酸と、芳香族ジオールと、1種または2種以
上の脂肪族ジオールとを重合して得られる芳香族ポリエ
ステルアミドなどが挙げられる。
えば4−ヒドロキシ安息香酸、3−ヒドロキシ安息香
酸、2−ヒドロキシ安息香酸、6−ヒドロキシ−2−ナ
フトエ酸、5−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸、並びにヒ
ドロキシ安息香酸のハロゲン、アルキル、およびアリル
置換体などが挙げられる。
酸、イソフタル酸、3,3′−ジフェニルジカルボン
酸、4,4′−ジフェニルジカルボン酸、1,4−ナフ
タレンジカルボン酸、1,5−ナフタレンジカルボン
酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、並びにt−ブチ
ルテレフタル酸やクロロテレフタル酸などのアルキルお
よびハロゲン置換芳香族ジカルボン酸などが挙げられ
る。
1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、シス−1,4−
シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−シクロヘキサン
ジカルボン酸などの環状脂肪族ジカルボン酸およびそれ
らの置換誘導体などが挙げられる。
ビフェノール、4,4′−ジヒドロキシジフェニルエー
テル、3,4′−ジヒドロキシジフェニルエーテル、ビ
スフェノール−A、3,4′−ジヒドロキシジフェニル
メタン、3,3′−ジヒドロキシジフェニルメタン、
4,4′−ジヒドロキシジフェニルスルホン、3,4′
−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4,4′−ジヒド
ロキシジフェニルスルフィド、3,4′−ジヒドロキシ
ジフェニルスルフィド、2,6′−ナフタレンジオー
ル、1,6′−ナフタレンジオール、4,4′−ジヒド
ロキシベンゾフェノン、3,4′−ジヒドロキシベンゾ
フェノン、3,3′−ジヒドロキシベンゾフェノン、
4,4′−ジヒドロキシジフェニルジメチルシラン、並
びにそれらのアルキルおよびハロゲン置換誘導体などが
挙げられる。
4−ヘキサンジオール、シス−1,4−ヘキサンジオー
ル、トランス−1,3−シクロヘキサンジオール、シス
−1,2−シクロヘキサンジオール、エチレングリコー
ル、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオー
ル、1,8−オクタンジオール、トランス−1,4−シ
クロヘキサンジメタノール、シス−1,4−シクロヘキ
サンジメタノールなどの環状、直鎖状、および分岐状の
脂肪族ジオール並びにそれらの置換誘導体などが挙げら
れる。
ミンとしては、例えば4−アミノフェノール、3−アミ
ノフェノール、p−フェニレンジアミン、m−フェニレ
ンジアミンおよびそれらの置換誘導体などが挙げられ
る。
定はなく、標準的な重縮合技術(溶融重合、溶液重合、
および固相重合)により製造することができる。好まし
くは無水条件下不活性雰囲気中で製造する。例えば、溶
融アシドリシス法において、必要量の無水酢酸、4−ヒ
ドロキシ安息香酸、ジオールおよびテレフタル酸を攪拌
後、窒素導入管、および蒸留ヘッドまたは冷却器の組み
合わせを備えた反応容器中で加熱し、反応中に生じる酢
酸などの副生成物を蒸留ヘッドまたは冷却器を介して除
去した後に捕集する。捕集された副生成物が一定にな
り、重合がほぼ完了した後、溶融した塊を減圧下(通
常、10mmHgまたはそれ以下)で加熱し、残留した
副生成物を除去し、重合を完了させる。
数平均分子量が約2,000〜200,000であり、
好ましくは5,000〜50,000であり、さらに好
ましくは10,000〜20,000である。
ン、4,4′−ジヒドロキシビフェニル、テレフタル
酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸および4−ヒドロ
キシ安息香酸から誘導される反復単位を含むポリエステ
ルは、本発明において好適に用いられる。詳しくは、本
質的に
I)のモル比が65:35〜40:60の範囲であり、
(III):(IV)のモル比が85:15〜50:50の
範囲であり、(III)および(IV)の合計に対する
(I)および(II)の合計のモル比が実質的に1:1で
あり、そして更に(I)+(II)100モル当たり20
0〜600モルの(V)が存在する液晶性ポリエステル
である。
性ポリエステルに慣用的に用いられるすべての無機充填
材であり、例えば、ガラス繊維、炭素繊維、チタン酸カ
リウム、ホウ酸アルミニウム、ミルドガラス、アルミニ
ウム、珪素、スズ、鉛、アンチモン、ビスマスの元素お
よびその酸化物、並びに周期律表II族元素およびその酸
化物、硫酸塩、リン酸塩、珪酸塩、炭酸塩などである。
周期律表II族元素の酸化物とは、例えば酸化カルシウ
ム、酸化バリウム、酸化亜鉛であり、硫酸塩とは、例え
ば硫酸マグネシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウムで
あり、リン酸塩とは、例えばリン酸マグネシウム、リン
酸カルシウム、リン酸バリウム、リン酸亜鉛、ピロリン
酸マグネシウムであり、珪酸塩とは、例えば珪酸マグネ
シウム、珪酸カルシウム、珪酸アルミニウム、カオリ
ン、タルク、クレー、珪藻土、ウォラストナイト、コー
ディエライト、β−スポジュ−メン、ユークリプタイト
であり、炭酸塩とは、例えば炭酸カルシウム、炭酸マグ
ネシウム、炭酸バリウム、炭酸亜鉛などである。好まし
くは、ガラス繊維、ミルドガラス、硫酸バリウム、およ
びタルクが用いられ、さらに好ましいのは、ミルドガラ
スおよびタルクである。無機充填材は、2種以上を組み
合わせて用いてもよい。
の中でも、特に熱膨張係数を小さくする場合、無機充填
材として、非晶質シリカを用いることが好ましい。非晶
質シリカは、熱膨張係数が0.5×10-6/℃であり、
液晶性ポリマー組成物成形品の熱膨張係数が成形流動方
向に対して垂直な方向に対しては20〜60×10-6/
℃であることに比べ十分小さく、重量比で60%以上
(体積比50%以上)とすると流動方向、流れ垂直方向
共に熱膨張係数30×10-6/℃を得ることが出来る。
量増加と共に小さくなることから、さらに含有量を増や
せば、さらに熱膨張係数を小さくすることが出来、且
つ、液晶性ポリマー組成物成形品の特徴である熱膨張係
数の異方性を大きく低減する事が出来る。
形状は球状であることが好ましく、更に粒度分布が、例
えば50μm付近と2μm付近にピークを持つ2山分布
をしていると好都合である。平均粒径では、2山分布の
有無に関わらず1〜50μm、好ましくは5〜30μm
であると充填しやすい。
に対して5.0〜90.0重量%であり、好ましくは3
0.0〜85.0重量%である。5重量%より少ないと
異方性の低減をはかるのに不十分であり、また機械的強
度も不十分となり、90.0重量%より多いと、適度な
流動性が損なわれてしまう。
は、ポリアミドを構成するモノマー成分中の芳香族モノ
マーが15モル%以上であり、ジカルボン酸成分が、テ
レフタル酸、テレフタル酸とイソフタル酸との混合物
(ただし、ジカルボン酸成分中イソフタル酸が40モル
%以下)、テレフタル酸とアジピン酸との混合物、およ
び、テレフタル酸とイソフタル酸とアジピン酸との混合
物(ただし、ジカルボン酸成分中イソフタル酸とアジピ
ン酸とが併せて40モル%以下)から成る群より選択さ
れ、ジアミン成分が、ヘキサメチレンジアミン、および
ヘキサメチレンジアミンと2−メチルペンタメチレンジ
アミンとの混合物から成る群より選択れる。
アミン、芳香族カルボン酸、芳香族アミノカルボン酸が
挙げられる。芳香族ジアミンとしては、例えば、パラフ
ェニレンジアミン、オルトフェニレンジアミン、メタフ
ェニレンジアミン、パラキシレンジアミン、メタキシレ
ンジアミンなどが、芳香族ジカルボン酸としては、例え
ば、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、2−メチ
ルテレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸などが、また
芳香族アミノカルボン酸としては、例えば、パラアミノ
安息香酸などが挙げられ、これらの芳香族モノマーは単
独でもまた二種類以上を組み合わせて用いることができ
る。中でも、テレフタル酸またはテレフタル酸とイソフ
タル酸との混合物が好適に用いられる。
肪族ジカルボン酸、脂肪族アルキレンジアミン、脂環式
アルキレンジアミン、脂肪族アミノカルボン酸などであ
る。
ン酸、セバシン酸、アゼライン酸、ドデカン二酸などを
挙げることができ、これらは単独でも、二種類以上を組
み合わせて用いてもよい。アジピン酸が好適に使用され
る。
であっても分岐鎖状であってもよい。具体的には、エチ
レンジアミン、トリメチレンジアミン、テトラメチレン
ジアミン、ペンタメチレンジアミン、ヘキサメチレンジ
アミン、1,7−ジアミノヘプタン、1,8−ジアミノ
オクタン、1,9−ジアミノノナン、1,10−ジアミ
ノデカン、2−メチルペンタメチレンジアミン、2−エ
チルテトラメチレンジアミンなどを挙げることができ、
これらは単独でも、二種類以上を組み合わせて用いても
よい。
1,3−ジアミノシクロヘキサン、1,4−ジアミノシ
クロヘキサン、1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘ
キサン、ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、ビス
(4−アミノシクロヘキシル)メタン、4,4´−ジア
ミノ−3,3´−ジメチルジシクロヘキシルメタン、イ
ソフォロンジアミン、ピペラジンなどを挙げることがで
き、これらは単独でも、二種類以上を組み合わせて用い
てもよい。
−アミノカプロン酸、11−アミノウンデカン酸、12
−アミノドデカン酸などを挙げることができ、これらの
原料としてはそれぞれ対応する環状のラクタムを用いて
もよい。また、これらは単独でも、二種類以上を組み合
わせて用いてもよい。
A.ポリアミドを構成するモノマー成分中の芳香族モノ
マーが15モル%以上であり、ジカルボン酸成分が、テ
レフタル酸、テレフタル酸とイソフタル酸との混合物
(ただし、ジカルボン酸成分中イソフタル酸が40モル
%以下)、テレフタル酸とアジピン酸との混合物、およ
び、テレフタル酸とイソフタル酸とアジピン酸との混合
物(ただし、ジカルボン酸成分中イソフタル酸とアジピ
ン酸とが併せて40モル%以下)から成る群より選択さ
れ、ジアミン成分が、ヘキサメチレンジアミン、および
ヘキサメチレンジアミンと2−メチルペンタメチレンジ
アミンとの混合物から成る群より選択されるポリアミド
を挙げることができる。芳香族モノマーとしてテレフタ
ル酸とイソフタル酸とを併用する場合には、イソフタル
酸は、ジカルボン酸成分中30モル%以下であることが
好ましい。
と反応する加水分解基と前記芳香族ポリアミド樹脂と化
学的に反応する官能基を含む2個以上の異なった反応基
を有するカップリング剤を用いて無機充填剤を表面処理
することが望ましい。かかる2個以上の異なった反応基
を有する限り、その分子構造、分子量などに特に制限は
ない。芳香族ポリアミド樹脂と化学的に結合する官能基
としては、ビニル基、エポキシ基、メタクリル基、アミ
ノ基、メルカプト基などがあり、無機充填剤と反応する
加水分解基としては、メトキシ基、エトキシ基などが挙
げられる。このカップリング剤は無機充填剤の種類及び
芳香族ポリアミド樹脂の種類に応じて選択することがで
きる。
用いるカップリング剤(D)として好ましいのはシラン
カップリング剤である。シランカップリング剤は、一般
式R-Si(OR1)3で表される化合物である。式中、Rは
OCH3)3 等を表わす。特に、 H2NC3H6 Si(OC2H5)3 が好ましい。
重量部に対して0.1〜5.0とする。好ましくは、
0.3〜3.0、更に好ましくは0.5〜1.5であ
る。
って表面処理する方法については特に制限がなく、公知
のいずれの方法も使用することができる。具体的には、
水とエチルアルコールの混合溶媒にカップリング剤を5
0重量%となるよう混合し、無機充填材とヘンシェルミ
キサー中で混合する方法などが挙げられる。
ミド(C)の合計重量は、組成物の重量に対して6.0
〜92.5重量%である。(B)と(C)との合計重量
が6.0重量%より少ないと機械的強度の改良が不十分
であり、一方、92.5重量%より多く添加すると適度
な流動性が損なわれるために結果的に機械的強度も不十
分になってしまう。
程度で前記成分に加えて、難燃剤、耐衝撃剤、熱安定
剤、可塑剤、酸化防止剤、核剤、染料、顔料、離型剤な
どの添加剤を配合してもよい。
いかなる方法によっても行うことができる。例えば、す
べての成分を混合し、二軸押出機または他の溶融混練機
を用いて混練し押し出しペレット化する方法などが挙げ
られる。また、射出成形機を用いて溶融混練および成形
を一緒に行ってもよい。
は本実施例にのみ限定されるものではない。
2〜4に示す各成分をドライブレンドし、二軸押出機
(東芝機械株式会社製TEM35)により340℃で溶
融混練し、水冷後、ペレットを製造した。得られたペレ
ットを射出成形機(住友ネスタール株式会社製SYCA
P165/75)を用いて、シリンダー温度345℃、
金型温度80℃にて試験片(ASTM3.2mm厚タイ
プ4試験片)を成形した。
次の通りである。
ヒドロキシビフェニル、テレフタル酸、2,6−ナフタ
レンジカルボン酸および4−ヒドロキシ安息香酸から誘
導される反復単位から本質的に成る数平均分子量約1
0,000〜20,000の光学的に異方性溶融相を形
成しうる芳香族ポリエステル(デュポン社製ゼナイト6
000(商品名))
0μmであり、且つ粒径分布に2つをピークを有する最
充填用シリカ(アドマテックス社製)
ルHTN(商品名)、以下HTNと略称する) ガラス繊維:重量平均径13μm、重量平均長3mmの
チョップドストランド(日本板硝子株式会社製TP−6
4(商品名))
(A-186、日本ユニカー株式会社製) シランカップリング剤B:エポキシシラン(A-187、日本
ユニカー株式会社製) シランカップリング剤C:アミノシラン(A-1100、日本
ユニカー株式界社製)
00、大八化学化学株式会社製) 比重及び機械的物性の測定方法を表1に示す。測定結果
は表2および表3に示す。
カップリング剤Dにて表面処理したシリカを60重量%
含有した例である。HTNの増加に伴い、引っ張り強
度、曲げ強度共に増し、シリカと樹脂マトリックスの密
着性が向上していることがわかる。
と比較例6における試験片破断面を示す電子顕微鏡写真
を示すが、図2の比較例6では全くシリカ表面に接着し
た樹脂が見られないのに対し、図1の実施例3ではシリ
カ表面が樹脂で覆われていることがわかる。この様に本
発明により、充填剤が添加された液晶性ポリマー組成物
と比較して、ポリアミドを更に添加することにより無機
充填剤と樹脂マトリックスとの接着性を向上させ、機械
的特性を向上させることが出来る。
機充填材のみを添加したのに対し、アスペクト比の大き
なガラスファイバーを共に添加することにより実施例6
〜9に示すように機械的的強度は向上させることができ
る。この際にも、ポリアミドの添加量の増加に伴い、よ
り機械的強度の向上が得られる。また、ポリアミドを添
加することにより、液晶性ポリマー組成物の持つ自己消
火性は阻害されるが、これは実施例9,10に示すよう
に難燃剤を添加して解決する事ができる。その際、添加
量も少なくて済むので、機械的強度の低下もほとんど無
い。
面処理したシリカをPBT、PET、ポリアミドに添加
した場合である。比較例1と2、3と4はいずれもPB
T、PETにシリカ添加量を増加させた場合であるが、
液晶性ポリマー組成物中に添加した場合と同様に強度低
下は著しく、シリカと樹脂マトリックスのぬれ性が乏し
いことを示している。一方、比較例2,4,5,6は同
量の表面処理シリカをPBT,PET,ポリアミド、液
晶性ポリマー組成物に添加した場合である。引っ張り強
度、曲げ強度において、ポリアミドにシリカを添加した
比較例5が秀でていることがわかる。表面処理を施した
シリカとポリアミドにおいて、樹脂と無機充填材の接着
性が良いことがわかる。
リマー組成物と比較して、液晶性ポリマー組成物が具備
する他の優れた特性とバランスし、機械的特性を改善す
ることができる液晶性ポリマー組成物を提供することが
できる。
電子顕微鏡写真である。
鏡写真である。
Claims (8)
- 【請求項1】 融点が365℃を越えない液晶性ポリエ
ステル94.0〜7.5重量%と、無機充填材5.0〜
90.0重量%と、融点が280〜320℃であり、ポ
リアミド1.0〜12.0重量%とを含むことを特徴と
する液晶性ポリマー組成物。 - 【請求項2】 前記ポリアミドが、融点280〜320
℃の芳香族ポリアミドであることを特徴とする請求項1
記載の液晶性ポリマー組成物。 - 【請求項3】 前記無機充填材が、ガラス、シリカ、ウ
ォラストナイト及びアルミナから成る群より選択される
ことを特徴とする請求項1または2に記載の液晶性ポリ
マー組成物。 - 【請求項4】 前記無機充填材が平均粒子径1μm〜3
0μmの球状非晶質シリカであることを特徴とする請求
項1または2に記載の液晶性ポリマー組成物。 - 【請求項5】 前記無機充填材が、シランカップリング
剤によって表面処理されていることを特徴とする請求項
3または4に記載の液晶性ポリマー組成物。 - 【請求項6】 前記芳香族ポリアミドが、 ポリアミドを構成するモノマー成分中の芳香族モノマー
が15モル%以上であり、 ジカルボン酸成分が、テレフタル酸、テレフタル酸とイ
ソフタル酸との混合物(ただし、ジカルボン酸成分中イ
ソフタル酸が40モル%以下)、テレフタル酸とアジピ
ン酸との混合物、および、テレフタル酸とイソフタル酸
とアジピン酸との混合物(ただし、ジカルボン酸成分中
イソフタル酸とアジピン酸とが併せて40モル%以下)
から成る群より選択され、 ジアミン成分が、ヘキサメチレンジアミン、およびヘキ
サメチレンジアミンと2−メチルペンタメチレンジアミ
ンとの混合物から成る群より選択される、半芳香族ポリ
アミドであることを特徴とする請求項1乃至5のいずれ
か1項に記載の液晶性ポリマー組成物。 - 【請求項7】 請求項1乃至5のいずれか1項に記載の
液晶性ポリマー組成物に難燃剤を添加したことを特徴と
する液晶性ポリマー組成物。 - 【請求項8】 請求項1乃至6のいずれか1項に記載の
液晶性ポリマー組成物を含むことを特徴とする成形品。
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- 2002-03-01 JP JP2002056516A patent/JP2003253098A/ja active Pending
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