JP2003252681A - 圧電磁器組成物 - Google Patents
圧電磁器組成物Info
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- JP2003252681A JP2003252681A JP2002058497A JP2002058497A JP2003252681A JP 2003252681 A JP2003252681 A JP 2003252681A JP 2002058497 A JP2002058497 A JP 2002058497A JP 2002058497 A JP2002058497 A JP 2002058497A JP 2003252681 A JP2003252681 A JP 2003252681A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 鉛成分を含有しない安価な材料で、優れた圧
電特性を有する圧電磁器組成物を得る。 【解決手段】 ｘ（Ｂａ1-aＣａa）ＴｉＯ3−ｙＫＮｂ
Ｏ3−ｚＮａＮｂＯ3の化学式で表される圧電磁器組成物
において、ｘが０.０５０ｍｏｌ％以上０.２０ｍｏｌ％
以下の範囲であり、ｙが０.３２ｍｏｌ％以上０.５７ｍ
ｏｌ％以下の範囲であり、ｚが０.３２ｍｏｌ％以上０.
５７ｍｏｌ％以下の範囲であり、かつ０≦ａ≦０.２で
ある圧電磁器組成物とする。
電特性を有する圧電磁器組成物を得る。 【解決手段】 ｘ（Ｂａ1-aＣａa）ＴｉＯ3−ｙＫＮｂ
Ｏ3−ｚＮａＮｂＯ3の化学式で表される圧電磁器組成物
において、ｘが０.０５０ｍｏｌ％以上０.２０ｍｏｌ％
以下の範囲であり、ｙが０.３２ｍｏｌ％以上０.５７ｍ
ｏｌ％以下の範囲であり、ｚが０.３２ｍｏｌ％以上０.
５７ｍｏｌ％以下の範囲であり、かつ０≦ａ≦０.２で
ある圧電磁器組成物とする。
Description
【発明の詳細な説明】
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は、振動子、アクチュ
エータ、センサ等の圧電デバイスに使用される圧電磁器
組成物に関する。 【０００２】 【従来の技術】従来、圧電デバイスに用いられるセラミ
ックス材料は、ＰＴ（ＰｂＴｉＯ3）、ＰＺＴ［Ｐｂ
（Ｔｉ，Ｚｒ）Ｏ3］に代表されるように鉛を含有する
ものがほとんどである。 【０００３】 【発明が解決しようとする課題】しかし、これらの鉛を
含有するセラミックスは、製造プロセスにおいて鉛成分
の揮発が免れ得ない。また、産業廃棄物中にこれらの鉛
を含有するセラミックスが含まれている場合、焼却灰や
溶出による環境汚染が考えられる。そのため、鉛成分を
外部環境に排出させない対策が必要となり、膨大なコス
トが発生する。これらのことから、無鉛圧電材料を供す
ることは、環境対策だけではなく製造コストの面からも
きわめて有用である。 【０００４】従って、本発明の目的は、鉛成分を含有し
ない安価な材料で、優れた圧電特性を有する圧電磁器組
成物を提供することである。 【０００５】 【課題を解決するための手段】本発明によれば、ｘ（Ｂ
ａ1-aＣａa）ＴｉＯ3−ｙＫＮｂＯ3−ｚＮａＮｂＯ3の
化学式で表される圧電磁器組成物において、ｘが０.０
５０ｍｏｌ％以上０.２０ｍｏｌ％以下の範囲であり、
ｙが０.３２ｍｏｌ％以上０.５７ｍｏｌ％以下の範囲で
あり、ｚが０.３２ｍｏｌ％以上０.５７ｍｏｌ％以下の
範囲であり、かつ０≦ａ≦０.２であることを特徴とす
る圧電磁器組成物を提供する。 【０００６】 【作用】本発明では、ＢａＴｉＯ3、ＫＮｂＯ3、ＮａＮ
ｂＯ3を所定の割合で固溶させることで、高い電気機械
結合係数（径方向：ｋｐ、厚み方向：ｋｔ）と高いキュ
リー温度（Ｔｃ）を両立させることができる。さらに、
Ｂａの一部をＣａで置換することにより、Ｔｃを向上さ
せることができる。 【０００７】 【実施例】本発明の実施例による圧電磁器組成物につい
て、以下に説明する。 【０００８】本発明の圧電磁器組成物は、以下の製造工
程にて作製した。化学的に高純度のＢａＣＯ3、ＣａＣ
Ｏ3、Ｎａ2ＣＯ3、Ｋ2ＣＯ3、ＴｉＯ2、Ｎｂ2Ｏ5を用
い、ｘ（Ｂａ1-aＣａa）ＴｉＯ3−ｙＫＮｂＯ3−ｚＮａ
Ｎｂ０3の化学式において、ｘ、ｙ、ｚ、ａが表１に示
す発明品、比較品の組成となるように配合し、アルコー
ルを用いてボールミルで４０時間混合した。 【０００９】 【表１】 【００１０】これを乾燥し、大気中で９００〜１１００
℃で１時間仮焼した。次に、ボールミルで２０時間湿式
混合を行った。乾燥して得られた粉末をポリビニルアル
コールをバインダーとして造粒し、圧力１.０〜１.５ｔ
ｏｎ／ｃｍ2の一軸加圧成形により、直径２０ｍｍ、厚
さ１ｍｍの円板状に成形した。焼成は、１１００〜１３
００℃で２時間行った。得られた焼結体の上下面を平行
研磨し、研磨面に銀電極を塗布、焼き付けし、１００〜
１８０℃のシリコーンオイル中で３〜７ｋＶ／ｍｍの直
流電流を１５〜３０分間印加し厚み方向に分極した。 【００１１】ここで、表１に示すように、ｘ、ｙ、ｚ、
ａの値は、ｘが０.０５０ｍｏｌ％以上から０.２０ｍｏ
ｌ％以下の範囲とし、ｙが０.３２ｍｏｌ％以上から０.
５７ｍｏｌ％以下の範囲とし、ｚが０.３２ｍｏｌ％以
上から０.５７ｍｏｌ％以下の範囲とし、かつ０≦ａ≦
０.２としている。 【００１２】ｘが０.０５０ｍｏｌ％未満である場合、
またｘが０.２０ｍｏｌ％を超える場合は、電気機械結
合係数（径方向：ｋｐ、厚み方向：ｋｔ）が低下する不
具合が生じ、また、ｙが０.３２ｍｏｌ％未満である場
合、またｙが０.５７ｏｌ％以下を超える場合は、 電気
機械結合係数（径方向：ｋｐ、厚み方向：ｋｔ）が低下
する不具合が生じ、また、ｚが０.３２ｍｏｌ％未満で
ある場合、またｚが０.５７ｍｏｌ％以下を超える場合
は、電気機械結合係数（径方向：ｋｐ、厚み方向：ｋ
ｔ）が低下する不具合が生じる。 【００１３】表２に、発明品と比較品のｋｐ，ｋｔ、Ｔ
ｃを示す。 【００１４】 【表２】 【００１５】表２より、発明品は圧電特性が改善されて
いることがわかる。 【００１６】また、表３に、Ｃａ置換量とＴｃの関係を
示す。特性は、インピーダンスアナライザーを用い共振
−反共振法により算出した。 【００１７】 【表３】 【００１８】表３より、請求範囲外ではＴｃが低減して
いることがわかる。 【００１９】 【発明の効果】以上、本発明によれば、鉛成分を含有し
ない安価な材料で、優れた圧電特性を有する圧電磁器組
成物を提供できる。
エータ、センサ等の圧電デバイスに使用される圧電磁器
組成物に関する。 【０００２】 【従来の技術】従来、圧電デバイスに用いられるセラミ
ックス材料は、ＰＴ（ＰｂＴｉＯ3）、ＰＺＴ［Ｐｂ
（Ｔｉ，Ｚｒ）Ｏ3］に代表されるように鉛を含有する
ものがほとんどである。 【０００３】 【発明が解決しようとする課題】しかし、これらの鉛を
含有するセラミックスは、製造プロセスにおいて鉛成分
の揮発が免れ得ない。また、産業廃棄物中にこれらの鉛
を含有するセラミックスが含まれている場合、焼却灰や
溶出による環境汚染が考えられる。そのため、鉛成分を
外部環境に排出させない対策が必要となり、膨大なコス
トが発生する。これらのことから、無鉛圧電材料を供す
ることは、環境対策だけではなく製造コストの面からも
きわめて有用である。 【０００４】従って、本発明の目的は、鉛成分を含有し
ない安価な材料で、優れた圧電特性を有する圧電磁器組
成物を提供することである。 【０００５】 【課題を解決するための手段】本発明によれば、ｘ（Ｂ
ａ1-aＣａa）ＴｉＯ3−ｙＫＮｂＯ3−ｚＮａＮｂＯ3の
化学式で表される圧電磁器組成物において、ｘが０.０
５０ｍｏｌ％以上０.２０ｍｏｌ％以下の範囲であり、
ｙが０.３２ｍｏｌ％以上０.５７ｍｏｌ％以下の範囲で
あり、ｚが０.３２ｍｏｌ％以上０.５７ｍｏｌ％以下の
範囲であり、かつ０≦ａ≦０.２であることを特徴とす
る圧電磁器組成物を提供する。 【０００６】 【作用】本発明では、ＢａＴｉＯ3、ＫＮｂＯ3、ＮａＮ
ｂＯ3を所定の割合で固溶させることで、高い電気機械
結合係数（径方向：ｋｐ、厚み方向：ｋｔ）と高いキュ
リー温度（Ｔｃ）を両立させることができる。さらに、
Ｂａの一部をＣａで置換することにより、Ｔｃを向上さ
せることができる。 【０００７】 【実施例】本発明の実施例による圧電磁器組成物につい
て、以下に説明する。 【０００８】本発明の圧電磁器組成物は、以下の製造工
程にて作製した。化学的に高純度のＢａＣＯ3、ＣａＣ
Ｏ3、Ｎａ2ＣＯ3、Ｋ2ＣＯ3、ＴｉＯ2、Ｎｂ2Ｏ5を用
い、ｘ（Ｂａ1-aＣａa）ＴｉＯ3−ｙＫＮｂＯ3−ｚＮａ
Ｎｂ０3の化学式において、ｘ、ｙ、ｚ、ａが表１に示
す発明品、比較品の組成となるように配合し、アルコー
ルを用いてボールミルで４０時間混合した。 【０００９】 【表１】 【００１０】これを乾燥し、大気中で９００〜１１００
℃で１時間仮焼した。次に、ボールミルで２０時間湿式
混合を行った。乾燥して得られた粉末をポリビニルアル
コールをバインダーとして造粒し、圧力１.０〜１.５ｔ
ｏｎ／ｃｍ2の一軸加圧成形により、直径２０ｍｍ、厚
さ１ｍｍの円板状に成形した。焼成は、１１００〜１３
００℃で２時間行った。得られた焼結体の上下面を平行
研磨し、研磨面に銀電極を塗布、焼き付けし、１００〜
１８０℃のシリコーンオイル中で３〜７ｋＶ／ｍｍの直
流電流を１５〜３０分間印加し厚み方向に分極した。 【００１１】ここで、表１に示すように、ｘ、ｙ、ｚ、
ａの値は、ｘが０.０５０ｍｏｌ％以上から０.２０ｍｏ
ｌ％以下の範囲とし、ｙが０.３２ｍｏｌ％以上から０.
５７ｍｏｌ％以下の範囲とし、ｚが０.３２ｍｏｌ％以
上から０.５７ｍｏｌ％以下の範囲とし、かつ０≦ａ≦
０.２としている。 【００１２】ｘが０.０５０ｍｏｌ％未満である場合、
またｘが０.２０ｍｏｌ％を超える場合は、電気機械結
合係数（径方向：ｋｐ、厚み方向：ｋｔ）が低下する不
具合が生じ、また、ｙが０.３２ｍｏｌ％未満である場
合、またｙが０.５７ｏｌ％以下を超える場合は、 電気
機械結合係数（径方向：ｋｐ、厚み方向：ｋｔ）が低下
する不具合が生じ、また、ｚが０.３２ｍｏｌ％未満で
ある場合、またｚが０.５７ｍｏｌ％以下を超える場合
は、電気機械結合係数（径方向：ｋｐ、厚み方向：ｋ
ｔ）が低下する不具合が生じる。 【００１３】表２に、発明品と比較品のｋｐ，ｋｔ、Ｔ
ｃを示す。 【００１４】 【表２】 【００１５】表２より、発明品は圧電特性が改善されて
いることがわかる。 【００１６】また、表３に、Ｃａ置換量とＴｃの関係を
示す。特性は、インピーダンスアナライザーを用い共振
−反共振法により算出した。 【００１７】 【表３】 【００１８】表３より、請求範囲外ではＴｃが低減して
いることがわかる。 【００１９】 【発明の効果】以上、本発明によれば、鉛成分を含有し
ない安価な材料で、優れた圧電特性を有する圧電磁器組
成物を提供できる。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 【請求項１】 ｘ（Ｂａ1-aＣａa）ＴｉＯ3−ｙＫＮｂ
Ｏ3−ｚＮａＮｂＯ3の化学式で表される圧電磁器組成物
において、ｘが０.０５０ｍｏｌ％以上０.２０ｍｏｌ％
以下の範囲であり、ｙが０.３２ｍｏｌ％以上０.５７ｍ
ｏｌ％以下の範囲であり、ｚが０.３２ｍｏｌ％以上０.
５７ｍｏｌ％以下の範囲であり、かつ０≦ａ≦０.２で
あることを特徴とする圧電磁器組成物。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2002058497A JP2003252681A (ja) | 2002-03-05 | 2002-03-05 | 圧電磁器組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2002058497A JP2003252681A (ja) | 2002-03-05 | 2002-03-05 | 圧電磁器組成物 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2003252681A true JP2003252681A (ja) | 2003-09-10 |
Family
ID=28668455
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP2002058497A Pending JP2003252681A (ja) | 2002-03-05 | 2002-03-05 | 圧電磁器組成物 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2003252681A (ja) |
Cited By (6)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2006206429A (ja) * | 2004-12-28 | 2006-08-10 | National Institute Of Advanced Industrial & Technology | 圧電性固溶体組成物及びこれを焼結した圧電セラミックス並びにこの圧電セラミックスを用いた圧電・誘電素子 |
| US7477004B2 (en) | 2004-09-29 | 2009-01-13 | Ngk Insulators, Ltd. | Piezoelectric/electrostrictive porcelain composition, piezoelectric/electrostrictive article, and piezoelectric/electrostrictive film type element |
| EP2104152A2 (en) | 2008-03-19 | 2009-09-23 | TDK Corporation | Piezoelectric ceramic and piezoelectric element employing it |
| JP2013028478A (ja) * | 2011-07-27 | 2013-02-07 | Tdk Corp | 誘電体磁器組成物、および電子部品 |
| JP2013063874A (ja) * | 2011-09-16 | 2013-04-11 | Tdk Corp | 誘電体磁器組成物および電子部品 |
| US10003009B2 (en) | 2014-03-03 | 2018-06-19 | Tdk Corporation | Composite piezoelectric ceramic and piezoelectric device |
-
2002
- 2002-03-05 JP JP2002058497A patent/JP2003252681A/ja active Pending
Cited By (9)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US7477004B2 (en) | 2004-09-29 | 2009-01-13 | Ngk Insulators, Ltd. | Piezoelectric/electrostrictive porcelain composition, piezoelectric/electrostrictive article, and piezoelectric/electrostrictive film type element |
| JP2006206429A (ja) * | 2004-12-28 | 2006-08-10 | National Institute Of Advanced Industrial & Technology | 圧電性固溶体組成物及びこれを焼結した圧電セラミックス並びにこの圧電セラミックスを用いた圧電・誘電素子 |
| EP2104152A2 (en) | 2008-03-19 | 2009-09-23 | TDK Corporation | Piezoelectric ceramic and piezoelectric element employing it |
| JP2009227482A (ja) * | 2008-03-19 | 2009-10-08 | Tdk Corp | 圧電磁器及びそれを用いた圧電素子 |
| US7973456B2 (en) | 2008-03-19 | 2011-07-05 | Tdk Corporation | Piezoelectric ceramic and piezoelectric element employing it |
| EP2104152B1 (en) * | 2008-03-19 | 2020-09-16 | TDK Corporation | Piezoelectric ceramic and piezoelectric element employing it |
| JP2013028478A (ja) * | 2011-07-27 | 2013-02-07 | Tdk Corp | 誘電体磁器組成物、および電子部品 |
| JP2013063874A (ja) * | 2011-09-16 | 2013-04-11 | Tdk Corp | 誘電体磁器組成物および電子部品 |
| US10003009B2 (en) | 2014-03-03 | 2018-06-19 | Tdk Corporation | Composite piezoelectric ceramic and piezoelectric device |
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