JP2003252627A - 微粒子の製造方法および微粒子製造装置 - Google Patents
微粒子の製造方法および微粒子製造装置Info
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- JP2003252627A JP2003252627A JP2002051517A JP2002051517A JP2003252627A JP 2003252627 A JP2003252627 A JP 2003252627A JP 2002051517 A JP2002051517 A JP 2002051517A JP 2002051517 A JP2002051517 A JP 2002051517A JP 2003252627 A JP2003252627 A JP 2003252627A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 球状凝集微粒子等の高機能微粒子をプロセス
の負担なく製造する。 【解決手段】 微粒子原料ガスもしくは微粒子原料を含
む液滴を加熱し、微粒子の生成と凝集を行った後、希釈
ガスを供給し微粒子の凝集を抑制して得られた、直鎖状
凝集微粒子を再加熱し、凝集微粒子を球状化する。
の負担なく製造する。 【解決手段】 微粒子原料ガスもしくは微粒子原料を含
む液滴を加熱し、微粒子の生成と凝集を行った後、希釈
ガスを供給し微粒子の凝集を抑制して得られた、直鎖状
凝集微粒子を再加熱し、凝集微粒子を球状化する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、微粒子の製造方法
および微粒子製造装置に係り、高機能性を備えた球状凝
集微粒子あるいは多層構造型微粒子を調製する微粒子の
製造方法および微粒子製造装置に関する。
および微粒子製造装置に係り、高機能性を備えた球状凝
集微粒子あるいは多層構造型微粒子を調製する微粒子の
製造方法および微粒子製造装置に関する。
【0002】
【従来の技術】ナノメートルサイズの微粒子は単位体積
あたりの表面積すなわち比表面積が大きいため、従来に
ない機能を有し、新しい形態の物質として近年注目され
つつある。このナノメートルサイズの微粒子は、粒子の
種類によって、触媒、電池電極、可視光LED素子やデ
ィスプレイの蛍光体などに応用されている。
あたりの表面積すなわち比表面積が大きいため、従来に
ない機能を有し、新しい形態の物質として近年注目され
つつある。このナノメートルサイズの微粒子は、粒子の
種類によって、触媒、電池電極、可視光LED素子やデ
ィスプレイの蛍光体などに応用されている。
【0003】これらの微粒子は、主に気相成長法等によ
って製造されている(Seto et al.Aerosol Science an
d Technology,27, 423 (1997))。図6に、従来の気
相成長法を用いた微粒子製造装置の構成を示す。例えば
酸化チタン(TiO2)微粒子を製造する場合は、原料
であるTTIP(Titanium Tetra Iso Propoxide)をガス
化し、窒素ガスなどのキャリヤガスとともに反応容器1
01内に導入し、反応容器101に設けられたヒータ1
02により600℃〜700℃に加熱し、TTIPを熱
分解することにより、数nm〜5nm程度の径のTiO
2微粒子を製造している。
って製造されている(Seto et al.Aerosol Science an
d Technology,27, 423 (1997))。図6に、従来の気
相成長法を用いた微粒子製造装置の構成を示す。例えば
酸化チタン(TiO2)微粒子を製造する場合は、原料
であるTTIP(Titanium Tetra Iso Propoxide)をガス
化し、窒素ガスなどのキャリヤガスとともに反応容器1
01内に導入し、反応容器101に設けられたヒータ1
02により600℃〜700℃に加熱し、TTIPを熱
分解することにより、数nm〜5nm程度の径のTiO
2微粒子を製造している。
【0004】得られたTiO2微粒子は、他のガスとと
もに反応容器101から排出され、クーラ103を通過
する過程で室温程度に冷却される。
もに反応容器101から排出され、クーラ103を通過
する過程で室温程度に冷却される。
【0005】冷却された生成微粒子を含むガスは、界面
活性剤を含む溶液が入った回収装置104に通気され、
生成微粒子のみが溶液中に捕集され、分散状態を保って
保存される。
活性剤を含む溶液が入った回収装置104に通気され、
生成微粒子のみが溶液中に捕集され、分散状態を保って
保存される。
【0006】ナノメートルサイズの微粒子は比表面積が
大きいという利点を有する反面、粒子同士が凝集しやす
いという欠点がある。従って、上述の気相成長法を用い
て製造する場合も、反応容器101内では微粒子の生成
とともに微粒子同士の凝集が進行する。通常、上述する
気相成長法で得られた微粒子は、単一組成の球形微粒子
が直鎖状に凝集した凝集微粒子となる。従って微粒子単
体を得るためには、さらに、ボールミル等を用いた機械
的な分散工程を必要とする。
大きいという利点を有する反面、粒子同士が凝集しやす
いという欠点がある。従って、上述の気相成長法を用い
て製造する場合も、反応容器101内では微粒子の生成
とともに微粒子同士の凝集が進行する。通常、上述する
気相成長法で得られた微粒子は、単一組成の球形微粒子
が直鎖状に凝集した凝集微粒子となる。従って微粒子単
体を得るためには、さらに、ボールミル等を用いた機械
的な分散工程を必要とする。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】最近、微粒子の高機能
化を図るため、微粒子単体ではなく、微粒子を球状凝集
体構造の状態として利用することが検討されている。
化を図るため、微粒子単体ではなく、微粒子を球状凝集
体構造の状態として利用することが検討されている。
【0008】微粒子を種々のデバイスに利用する場合、
通常三次元的に微粒子を積層して薄膜形状に加工して利
用することが多い。例えば、ナノメートルサイズの微粒
子を直径100nm程度の球形に緩く凝集させた球状凝
集体を利用すれば、高い比表面積を保持したまま適度な
稠密性と間隙を持つ薄膜層を形成することが可能にな
る。このような薄膜層は、電解液等を浸漬させる必要が
ある電池電極等の用途に適している。また、球状凝集体
は、比較的安定しており、それ以上の凝集が進行しにく
く、たとえ凝集しても比較的簡易な方法で個々の球状凝
集体に分離できるので、取り扱いも容易である。
通常三次元的に微粒子を積層して薄膜形状に加工して利
用することが多い。例えば、ナノメートルサイズの微粒
子を直径100nm程度の球形に緩く凝集させた球状凝
集体を利用すれば、高い比表面積を保持したまま適度な
稠密性と間隙を持つ薄膜層を形成することが可能にな
る。このような薄膜層は、電解液等を浸漬させる必要が
ある電池電極等の用途に適している。また、球状凝集体
は、比較的安定しており、それ以上の凝集が進行しにく
く、たとえ凝集しても比較的簡易な方法で個々の球状凝
集体に分離できるので、取り扱いも容易である。
【0009】しかしながら、上述するように従来の気相
成長方法を利用して得られる凝集微粒子は、一般に直鎖
状の凝集体であり、球状の凝集体を得ることはできな
い。
成長方法を利用して得られる凝集微粒子は、一般に直鎖
状の凝集体であり、球状の凝集体を得ることはできな
い。
【0010】また、微粒子単体として利用する場合に
も、微粒子の高機能化を図るため、従来の単一組成の球
状微粒子ではなく、コア微粒子の周囲にコーティング膜
を備えたコア・シェル構造や、コア微粒子の周囲により
微小の微粒子層を備えた二重構造を持つ微粒子を使用す
ることが提案されている。
も、微粒子の高機能化を図るため、従来の単一組成の球
状微粒子ではなく、コア微粒子の周囲にコーティング膜
を備えたコア・シェル構造や、コア微粒子の周囲により
微小の微粒子層を備えた二重構造を持つ微粒子を使用す
ることが提案されている。
【0011】しかしながら、二重構造の微粒子を作製す
るためには、上述する従来の気相成長法を用いて微粒子
を作製した後、作製した微粒子の中からコア微粒子とな
るべき微粒子径のものと、コア微粒子の周囲に付着させ
る微粒子となるべきものを分級により選別し、さらにこ
の径の異なる二種類の粒子を混合し、焼結させる工程を
経て作製する方法が考えられているが、この方法では、
微粒子生成工程のほかに分級工程や焼結工程が別途必要
になるため、工程の負担が大きく、実用に至っていな
い。コア・シェル構造の微粒子についても同様である。
るためには、上述する従来の気相成長法を用いて微粒子
を作製した後、作製した微粒子の中からコア微粒子とな
るべき微粒子径のものと、コア微粒子の周囲に付着させ
る微粒子となるべきものを分級により選別し、さらにこ
の径の異なる二種類の粒子を混合し、焼結させる工程を
経て作製する方法が考えられているが、この方法では、
微粒子生成工程のほかに分級工程や焼結工程が別途必要
になるため、工程の負担が大きく、実用に至っていな
い。コア・シェル構造の微粒子についても同様である。
【0012】本発明の目的は、上述する従来の課題に鑑
み、球状凝集微粒子をより簡易な方法で製造する方法お
よびこの方法に使用する微粒子製造装置を提供すること
である。
み、球状凝集微粒子をより簡易な方法で製造する方法お
よびこの方法に使用する微粒子製造装置を提供すること
である。
【0013】本発明の別の目的は、コア・シェル構造の
微粒子を製造する方法およびこの方法に使用される微粒
子製造装置を提供することである。
微粒子を製造する方法およびこの方法に使用される微粒
子製造装置を提供することである。
【0014】本発明のさらに別の目的は、多重構造の微
粒子を作製する方法およびこの方法に使用される微粒子
製造装置を提供することである。
粒子を作製する方法およびこの方法に使用される微粒子
製造装置を提供することである。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明の微粒子製造方法
の第1の特徴は、微粒子原料ガスもしくは微粒子原料を
含む液滴を加熱し、微粒子の生成と微粒子の凝集を行う
工程と、希釈ガスを供給し、微粒子の凝集を抑制する工
程と、凝集抑制して得られた凝集微粒子を再加熱し、球
状化する工程とを有することである。
の第1の特徴は、微粒子原料ガスもしくは微粒子原料を
含む液滴を加熱し、微粒子の生成と微粒子の凝集を行う
工程と、希釈ガスを供給し、微粒子の凝集を抑制する工
程と、凝集抑制して得られた凝集微粒子を再加熱し、球
状化する工程とを有することである。
【0016】上記本発明の第1の微粒子製造方法によれ
ば、微粒子原料ガスもしくは微粒子原料を含む液滴を加
熱し、微粒子の生成と凝集成長をさせた後、凝集成長を
抑制する。この段階の凝集微粒子は、主に直鎖状、ある
いは直鎖状の微粒子が放射状に広がった形状であるが、
さらに凝集微粒子の表面溶融温度以上で再加熱すること
により、直鎖状の凝集体をエネルギー的により安定な、
ほぼ球状の凝集微粒子を得ることができる。
ば、微粒子原料ガスもしくは微粒子原料を含む液滴を加
熱し、微粒子の生成と凝集成長をさせた後、凝集成長を
抑制する。この段階の凝集微粒子は、主に直鎖状、ある
いは直鎖状の微粒子が放射状に広がった形状であるが、
さらに凝集微粒子の表面溶融温度以上で再加熱すること
により、直鎖状の凝集体をエネルギー的により安定な、
ほぼ球状の凝集微粒子を得ることができる。
【0017】なお、上記希釈ガスとして、微粒子原料ガ
スから微粒子を生成する反応によって微粒子とともに生
成されるガスであり、微粒子原料ガスとの間で微粒子生
成反応を生じないガスを使用してもよい。この場合は、
化学反応平衡により微粒子生成反応が抑制されるため、
効果的に微粒子の抑制を行うことができる。
スから微粒子を生成する反応によって微粒子とともに生
成されるガスであり、微粒子原料ガスとの間で微粒子生
成反応を生じないガスを使用してもよい。この場合は、
化学反応平衡により微粒子生成反応が抑制されるため、
効果的に微粒子の抑制を行うことができる。
【0018】また、本発明の微粒子製造装置の第1の特
徴は、反応容器と、反応容器に設けられ、微粒子原料ガ
スもしくは微粒子原料を含む液滴を反応容器内に導入す
る原料導入手段と、反応容器に設けられた排気手段と、
反応容器内の微粒子原料ガスもしくは微粒子原料を含む
液滴を加熱する第1の加熱手段と、加熱により微粒子が
生成される領域又はその下流域の反応容器に設置され
た、反応容器内に希釈ガスを導入する希釈ガス導入手段
と、反応容器内の凝集された微粒子を再加熱する第2の
加熱手段とを有することである。
徴は、反応容器と、反応容器に設けられ、微粒子原料ガ
スもしくは微粒子原料を含む液滴を反応容器内に導入す
る原料導入手段と、反応容器に設けられた排気手段と、
反応容器内の微粒子原料ガスもしくは微粒子原料を含む
液滴を加熱する第1の加熱手段と、加熱により微粒子が
生成される領域又はその下流域の反応容器に設置され
た、反応容器内に希釈ガスを導入する希釈ガス導入手段
と、反応容器内の凝集された微粒子を再加熱する第2の
加熱手段とを有することである。
【0019】上記本発明の第1の微粒子製造装置によれ
ば、反応容器内において、第1の加熱手段により微粒子
原料が加熱され生成された微粒子は、主に直鎖状に凝集
成長するが、希釈ガス導入手段より導入された希釈ガス
により、凝集成長を抑制される。さらに、凝集した直鎖
状の微粒子は、第2の加熱手段により再加熱されること
により、凝集体形状を球状化できる。この結果、球状凝
集微粒子を得ることができる。
ば、反応容器内において、第1の加熱手段により微粒子
原料が加熱され生成された微粒子は、主に直鎖状に凝集
成長するが、希釈ガス導入手段より導入された希釈ガス
により、凝集成長を抑制される。さらに、凝集した直鎖
状の微粒子は、第2の加熱手段により再加熱されること
により、凝集体形状を球状化できる。この結果、球状凝
集微粒子を得ることができる。
【0020】本発明の微粒子製造方法の第2の特徴は、
反応容器内に、微粒子原料を含有する液滴と微粒子原料
ガスとを導入し、反応容器内で、この液滴と微粒子原料
ガスとを加熱し、液滴中の微粒子原料から第1微粒子を
生成するとともに微粒子原料ガスから第2微粒子を生成
し、第1微粒子と第2微粒子とを混合することである。
反応容器内に、微粒子原料を含有する液滴と微粒子原料
ガスとを導入し、反応容器内で、この液滴と微粒子原料
ガスとを加熱し、液滴中の微粒子原料から第1微粒子を
生成するとともに微粒子原料ガスから第2微粒子を生成
し、第1微粒子と第2微粒子とを混合することである。
【0021】上記本発明の微粒子製造方法の第2の特徴
によれば、微粒子原料を含有する液滴と微粒子原料ガス
とを加熱し、それぞれの原料から微粒子を生成すること
により、液滴中に含有された微粒子原料からは比較的大
きい径の微粒子を得ることができ、一方、微粒子原料ガ
スからは比較的小さい径の微粒子を得ることができる。
径の小さい微粒子は径の大きい微粒子の表面上に選択的
に付着しやすいため、コア微粒子の周囲に微細な微粒子
を備えた二重構造の微粒子を得ることができる。
によれば、微粒子原料を含有する液滴と微粒子原料ガス
とを加熱し、それぞれの原料から微粒子を生成すること
により、液滴中に含有された微粒子原料からは比較的大
きい径の微粒子を得ることができ、一方、微粒子原料ガ
スからは比較的小さい径の微粒子を得ることができる。
径の小さい微粒子は径の大きい微粒子の表面上に選択的
に付着しやすいため、コア微粒子の周囲に微細な微粒子
を備えた二重構造の微粒子を得ることができる。
【0022】本発明の微粒子製造装置の第2の特徴は、
反応容器と、反応容器に設けられた、微粒子原料を含む
液滴および微粒子原料ガスを反応容器内に導入する単一
または複数の原料導入手段と、反応容器に設けられた排
気手段と、反応容器内に導入された液滴中の微粒子原料
および微粒子原料ガスをともに加熱する手段とを有する
ことである。
反応容器と、反応容器に設けられた、微粒子原料を含む
液滴および微粒子原料ガスを反応容器内に導入する単一
または複数の原料導入手段と、反応容器に設けられた排
気手段と、反応容器内に導入された液滴中の微粒子原料
および微粒子原料ガスをともに加熱する手段とを有する
ことである。
【0023】上記本発明の微粒子製造装置の第2の特徴
によれば、原料導入手段から導入された液滴中に含有さ
れる微粒子原料と微粒子原料ガスがそれぞれ加熱手段に
より反応容器内のほぼ同一領域で微粒子生成反応を生じ
る。液滴中に含有された微粒子原料からは比較的大きい
径の微粒子を得ることができ、一方、微粒子原料ガスか
らは比較的小さい径の微粒子を得ることができる。径の
小さい微粒子は径の大きい微粒子の表面上に選択的に付
着しやすいため、コア微粒子の周囲に微細な微粒子を備
えた二重構造の微粒子を得ることができる。
によれば、原料導入手段から導入された液滴中に含有さ
れる微粒子原料と微粒子原料ガスがそれぞれ加熱手段に
より反応容器内のほぼ同一領域で微粒子生成反応を生じ
る。液滴中に含有された微粒子原料からは比較的大きい
径の微粒子を得ることができ、一方、微粒子原料ガスか
らは比較的小さい径の微粒子を得ることができる。径の
小さい微粒子は径の大きい微粒子の表面上に選択的に付
着しやすいため、コア微粒子の周囲に微細な微粒子を備
えた二重構造の微粒子を得ることができる。
【0024】本発明の微粒子製造方法の第3の特徴は、
反応容器内に微粒子原料を含有する液滴を導入し、液滴
を加熱し微粒子を生成する工程と、生成された微粒子に
対して、被覆膜原料ガスを供給するとともに、この被覆
膜原料ガスを加熱し、微粒子表面に被覆膜を生成する工
程とを有することである。
反応容器内に微粒子原料を含有する液滴を導入し、液滴
を加熱し微粒子を生成する工程と、生成された微粒子に
対して、被覆膜原料ガスを供給するとともに、この被覆
膜原料ガスを加熱し、微粒子表面に被覆膜を生成する工
程とを有することである。
【0025】上記本発明の微粒子製造方法の第3の特徴
によれば、微粒子原料を含有する液滴から比較的大きな
微粒子を生成した後、この微粒子に被覆膜原料ガスを供
給し、加熱するので、微粒子表面上に被覆膜を生成でき
る。即ち、コア・シェル構造の微粒子を生成できる。
によれば、微粒子原料を含有する液滴から比較的大きな
微粒子を生成した後、この微粒子に被覆膜原料ガスを供
給し、加熱するので、微粒子表面上に被覆膜を生成でき
る。即ち、コア・シェル構造の微粒子を生成できる。
【0026】上記本発明の微粒子製造装置の第3の特徴
は、反応容器と、反応容器に設けられ、微粒子原料を含
む液滴を導入する第1の原料導入手段と、反応容器に設
けられた排気手段と、微粒子原料を加熱する第1の加熱
手段と、加熱により微粒子が生成される領域より下流域
の反応容器内に被覆膜原料ガスを導入する第2の原料導
入手段と、反応容器内に導入された被覆膜原料ガスを加
熱する第2の加熱手段とを有することである。
は、反応容器と、反応容器に設けられ、微粒子原料を含
む液滴を導入する第1の原料導入手段と、反応容器に設
けられた排気手段と、微粒子原料を加熱する第1の加熱
手段と、加熱により微粒子が生成される領域より下流域
の反応容器内に被覆膜原料ガスを導入する第2の原料導
入手段と、反応容器内に導入された被覆膜原料ガスを加
熱する第2の加熱手段とを有することである。
【0027】上記本発明の微粒子製造装置の第3の特徴
によれば、第1の原料導入手段から導入された液滴中の
微粒子原料は第1の加熱手段により加熱され、微粒子を
生成する。第2の原料導入手段から導入された被覆膜原
料ガスは第2の加熱手段により加熱され、生成された微
粒子表面上に被覆膜を生成できる。即ち、コア・シェル
構造の微粒子を生成できる。
によれば、第1の原料導入手段から導入された液滴中の
微粒子原料は第1の加熱手段により加熱され、微粒子を
生成する。第2の原料導入手段から導入された被覆膜原
料ガスは第2の加熱手段により加熱され、生成された微
粒子表面上に被覆膜を生成できる。即ち、コア・シェル
構造の微粒子を生成できる。
【0028】
【発明の実施の形態】以下、本発明の各実施の形態につ
いて図面を参照しながら説明する。
いて図面を参照しながら説明する。
【0029】(第1の実施の形態)本発明の第1の実施
の形態に係る微粒子製造方法は、微粒子を球状に凝集さ
せた球状凝集微粒子を製造する方法である。
の形態に係る微粒子製造方法は、微粒子を球状に凝集さ
せた球状凝集微粒子を製造する方法である。
【0030】図1は、第1の実施の形態に係る微粒子製
造方法に使用する微粒子製造装置の一例を示す装置構成
図である。第1の実施の形態に係る微粒子製造装置は、
一方の端部に、微粒子の原料ガスおよびキャリアガスを
導入する一以上のガス導入管を持つ原料ガス導入部12
を備え、他方の端部にガス排出部17を備えた反応容器
11を有している。
造方法に使用する微粒子製造装置の一例を示す装置構成
図である。第1の実施の形態に係る微粒子製造装置は、
一方の端部に、微粒子の原料ガスおよびキャリアガスを
導入する一以上のガス導入管を持つ原料ガス導入部12
を備え、他方の端部にガス排出部17を備えた反応容器
11を有している。
【0031】反応容器11の外周囲には原料ガス導入部
12側近傍に第1のヒータ15Aが備えられ、一定距離
をおいてガス排出部17側近傍に第2のヒータ15Bが
備えられている。また、第1のヒータ15Aと第2のヒ
ータ15Bとの間の位置に、微粒子原料ガスの濃度を希
釈する効果を有する不活性ガス等の希釈ガスを反応容器
11内に導入する希釈ガス導入部16が設けられてい
る。
12側近傍に第1のヒータ15Aが備えられ、一定距離
をおいてガス排出部17側近傍に第2のヒータ15Bが
備えられている。また、第1のヒータ15Aと第2のヒ
ータ15Bとの間の位置に、微粒子原料ガスの濃度を希
釈する効果を有する不活性ガス等の希釈ガスを反応容器
11内に導入する希釈ガス導入部16が設けられてい
る。
【0032】なお、原料ガス導入部12のガス管入口付
近に反応生成物が付着しないように、反応容器11の外
壁に設けるヒータ15Aの位置は、各ガス導入管の入口
から一定距離置いた位置、例えば反応容器21の中央部
に設けることが好ましい。またヒータ15Aの位置や長
さは、生成された粒子が必要以上に大きく凝集成長しな
いよう調整することが望ましい。
近に反応生成物が付着しないように、反応容器11の外
壁に設けるヒータ15Aの位置は、各ガス導入管の入口
から一定距離置いた位置、例えば反応容器21の中央部
に設けることが好ましい。またヒータ15Aの位置や長
さは、生成された粒子が必要以上に大きく凝集成長しな
いよう調整することが望ましい。
【0033】作製する微粒子の種類は限定されないが、
以下、TiO2微粒子を作製する場合を例にとって球状
凝集微粒子を製造する方法について説明する。TiO2
微粒子の原料としては、有機系ガス材料や塩素系ガス材
料を利用することができるが、有機系ガス材料として
は、例えばTTIP(Titanium Tetra Iso Propoxide:
Ti(C3 H7 O4 ))を使用できる。なお、TT
IPは、図示しないタンクに保存し、必要に応じてキャ
リヤガスのバブリングもしくは加熱によりTTIP蒸気
として取り出す。
以下、TiO2微粒子を作製する場合を例にとって球状
凝集微粒子を製造する方法について説明する。TiO2
微粒子の原料としては、有機系ガス材料や塩素系ガス材
料を利用することができるが、有機系ガス材料として
は、例えばTTIP(Titanium Tetra Iso Propoxide:
Ti(C3 H7 O4 ))を使用できる。なお、TT
IPは、図示しないタンクに保存し、必要に応じてキャ
リヤガスのバブリングもしくは加熱によりTTIP蒸気
として取り出す。
【0034】まず、キャリヤガスである不活性ガスを反
応容器11内に導入し、反応容器11内を通りガス排出
部17へ流れ、クーラ18から界面活性剤が入った微粒
子保存容器19に流れこむガスの気流を形成する。
応容器11内に導入し、反応容器11内を通りガス排出
部17へ流れ、クーラ18から界面活性剤が入った微粒
子保存容器19に流れこむガスの気流を形成する。
【0035】次に、第1のヒータ15Aと第2のヒータ
15Bに電源を入れ、反応容器11内のガスを加熱す
る。第1のヒータ15Aは、反応容器11の上流側領域
(図1中破線a領域)のガス温度がTTIP蒸気の熱分
解温度600〜700℃になるように設定する。また、
第2のヒータ15Bは、反応容器11の下流側領域(図
1中破線c領域)のガス温度をTiO2微粒子の表面溶
融温度に相当する約1000〜1300℃になるよう設
定する。
15Bに電源を入れ、反応容器11内のガスを加熱す
る。第1のヒータ15Aは、反応容器11の上流側領域
(図1中破線a領域)のガス温度がTTIP蒸気の熱分
解温度600〜700℃になるように設定する。また、
第2のヒータ15Bは、反応容器11の下流側領域(図
1中破線c領域)のガス温度をTiO2微粒子の表面溶
融温度に相当する約1000〜1300℃になるよう設
定する。
【0036】なお、反応容器11内およびクーラ17内
の圧力はほぼ大気圧である760torr(1.013
×105 Pa)とし、クーラ17内は室温程度に設定
する。
の圧力はほぼ大気圧である760torr(1.013
×105 Pa)とし、クーラ17内は室温程度に設定
する。
【0037】反応容器内のガス流、温度および圧力条件
が安定したら、微粒子原料ガスであるTTIPを含むキ
ャリヤガスを原料ガス導入部12から反応容器11内に
導入する。また、微粒子原料ガスの導入とほぼ同時に、
不活性ガスを希釈ガス導入部16より反応容器11内に
導入する。
が安定したら、微粒子原料ガスであるTTIPを含むキ
ャリヤガスを原料ガス導入部12から反応容器11内に
導入する。また、微粒子原料ガスの導入とほぼ同時に、
不活性ガスを希釈ガス導入部16より反応容器11内に
導入する。
【0038】反応容器11内の破線a領域では、微粒子
原料ガスであるTTIPが第1のヒータ15Aにより加
熱励起され、以下の化学反応式(f1)で示す熱分解反
応が生じる。
原料ガスであるTTIPが第1のヒータ15Aにより加
熱励起され、以下の化学反応式(f1)で示す熱分解反
応が生じる。
【0039】TTIP → TiO2(固体)+ 4C3H6(気
体)+ 2H2O(気体)…(f1)このTTIPの熱分解
反応により、径数nm〜5nm程度のTiO2(固体)
微粒子が生成される。
体)+ 2H2O(気体)…(f1)このTTIPの熱分解
反応により、径数nm〜5nm程度のTiO2(固体)
微粒子が生成される。
【0040】一方、生成された微粒子は、反応容器11
内を移動する過程で微粒子同士の凝集を開始する。微粒
子の生成とともに成長する微粒子の凝集体(凝集微粒
子)は、主に図2(a)に示すようなほぼ直鎖状のもの
に成長する傾向がある。凝集体は滞留時間とともに成長
し、より長い直鎖状もしくは複数の直鎖状凝集体が放射
状につながったものとなる。
内を移動する過程で微粒子同士の凝集を開始する。微粒
子の生成とともに成長する微粒子の凝集体(凝集微粒
子)は、主に図2(a)に示すようなほぼ直鎖状のもの
に成長する傾向がある。凝集体は滞留時間とともに成長
し、より長い直鎖状もしくは複数の直鎖状凝集体が放射
状につながったものとなる。
【0041】反応領域aで成長した直鎖状の凝集体は、
反応容器11内を移動し、領域bに達したところで、温
度の低下と希釈ガス導入部11からのN2等の不活性ガ
スの導入による微粒子原料ガスの分圧の低下で微粒子の
成長と凝集化が抑制される。なお、好ましくはこの領域
bに至るまでに、反応容器11内に導入された微粒子原
料ガスがほぼ全て消費されるよう、ガス流量やガス分圧
を調整しておくことが好ましい。
反応容器11内を移動し、領域bに達したところで、温
度の低下と希釈ガス導入部11からのN2等の不活性ガ
スの導入による微粒子原料ガスの分圧の低下で微粒子の
成長と凝集化が抑制される。なお、好ましくはこの領域
bに至るまでに、反応容器11内に導入された微粒子原
料ガスがほぼ全て消費されるよう、ガス流量やガス分圧
を調整しておくことが好ましい。
【0042】直鎖状の凝集微粒子は、さらに反応容器1
1内を移動し、第2のヒータ15Bで熱せられた領域c
に達し、ヒータ15Bにより再加熱される。領域cでは
すでに微粒子原料がほぼ消費し尽くされているため新た
な微粒子の生成は生じず、かわりに微粒子の溶融温度に
近い高い加熱により、直鎖状の凝集体は、よりエネルギ
ー的に安定な形態へと変形し、結果的に擬似球形の凝集
微粒子を形成する。
1内を移動し、第2のヒータ15Bで熱せられた領域c
に達し、ヒータ15Bにより再加熱される。領域cでは
すでに微粒子原料がほぼ消費し尽くされているため新た
な微粒子の生成は生じず、かわりに微粒子の溶融温度に
近い高い加熱により、直鎖状の凝集体は、よりエネルギ
ー的に安定な形態へと変形し、結果的に擬似球形の凝集
微粒子を形成する。
【0043】なお、ここでいう球状微粒子とは、図2
(b)に示すように、個々の単体微粒子の形状を留めな
がら緩やかに球状に凝集した微粒子であり、完全な球状
である必要はない。また、球状凝集微粒子の大きさは、
直鎖状凝集微粒子の大きさに依存するが、例えば数10
nm〜100nm程度の径のものにする。
(b)に示すように、個々の単体微粒子の形状を留めな
がら緩やかに球状に凝集した微粒子であり、完全な球状
である必要はない。また、球状凝集微粒子の大きさは、
直鎖状凝集微粒子の大きさに依存するが、例えば数10
nm〜100nm程度の径のものにする。
【0044】こうして、よりエネルギー的に安定になっ
た凝集微粒子は、キャリヤガスや希釈ガスとともにガス
排出部17に排出される。排出された微粒子を含むガス
はクーラ18を通過する過程で室温まで冷却される。凝
集微粒子を含む排出ガスは、さらに微粒子保存容器19
に導かれ、この中のエタノールやメタノール等の溶媒に
界面活性剤を溶かした溶液を通過する際に、溶剤に捕集
され、他の排出ガスは大気中に放出される。
た凝集微粒子は、キャリヤガスや希釈ガスとともにガス
排出部17に排出される。排出された微粒子を含むガス
はクーラ18を通過する過程で室温まで冷却される。凝
集微粒子を含む排出ガスは、さらに微粒子保存容器19
に導かれ、この中のエタノールやメタノール等の溶媒に
界面活性剤を溶かした溶液を通過する際に、溶剤に捕集
され、他の排出ガスは大気中に放出される。
【0045】球状凝集微粒子は、微粒子保存容器19の
溶液中に分散された状態で保存されるので、必要に応
じ、微粒子保存容器19から溶液ごと汲み出して溶液を
加熱蒸発させれば、球状凝集微粒子を回収できる。
溶液中に分散された状態で保存されるので、必要に応
じ、微粒子保存容器19から溶液ごと汲み出して溶液を
加熱蒸発させれば、球状凝集微粒子を回収できる。
【0046】球状凝集微粒子は、エネルギー的に安定な
構造であるため、球状凝集微粒子同士の凝集は起こりに
くい。また、多少の凝集が生じても容易に分離が可能で
あるので、取り扱いが容易である。また、この凝集微粒
子は、個々の微粒子が緩く凝集した形状であるため、そ
の表面には個々の微粒子による凹凸が存在しており、微
粒子の持つ広い比表面積効果が維持されている。
構造であるため、球状凝集微粒子同士の凝集は起こりに
くい。また、多少の凝集が生じても容易に分離が可能で
あるので、取り扱いが容易である。また、この凝集微粒
子は、個々の微粒子が緩く凝集した形状であるため、そ
の表面には個々の微粒子による凹凸が存在しており、微
粒子の持つ広い比表面積効果が維持されている。
【0047】この球状凝集微粒子で薄膜を作製する場合
には、細密充填配列構造をとりやすく、適度な稠密性と
間隙を備えた薄膜を得ることができ、光触媒や光電変換
素子等に適した薄膜を提供することができる。
には、細密充填配列構造をとりやすく、適度な稠密性と
間隙を備えた薄膜を得ることができ、光触媒や光電変換
素子等に適した薄膜を提供することができる。
【0048】具体的には、例えば色素増感太陽電池の電
極として、上述するTiO2凝集微粒子からなる薄膜を
使用する場合には、間隙部に十分な電解液を充填できる
とともに、広い比表面積により、高いエネルギー変換効
率を得ることができる。
極として、上述するTiO2凝集微粒子からなる薄膜を
使用する場合には、間隙部に十分な電解液を充填できる
とともに、広い比表面積により、高いエネルギー変換効
率を得ることができる。
【0049】また、上述する説明では、TTIP蒸気を
微粒子原料ガスとして導入する方法について述べたが、
TTIP蒸気の代わりに、イソプロピルアルコール等の
揮発性の溶媒にTTIPを溶解させた噴霧状の液滴を反
応容器内に導入してもよい。この場合は、例えば液滴の
大きさを100nm以下に調整し、液滴中のTTIP濃
度を1wt%以下、好ましくは0.1wt%以下に調整
すれば、径が10nm未満の微粒子を得ることができ
る。
微粒子原料ガスとして導入する方法について述べたが、
TTIP蒸気の代わりに、イソプロピルアルコール等の
揮発性の溶媒にTTIPを溶解させた噴霧状の液滴を反
応容器内に導入してもよい。この場合は、例えば液滴の
大きさを100nm以下に調整し、液滴中のTTIP濃
度を1wt%以下、好ましくは0.1wt%以下に調整
すれば、径が10nm未満の微粒子を得ることができ
る。
【0050】なお、図1に示す第1の実施の形態に係る
微粒子製造装置では、希釈ガス導入部16の設置位置
は、必ずしもヒータ15Aとヒータ15Bの間にある必
要はなく、微粒子生成領域に相当する領域aの下流部に
希釈ガスが導入されるよう、設置してもよい。
微粒子製造装置では、希釈ガス導入部16の設置位置
は、必ずしもヒータ15Aとヒータ15Bの間にある必
要はなく、微粒子生成領域に相当する領域aの下流部に
希釈ガスが導入されるよう、設置してもよい。
【0051】上述するように、本発明の第1の実施の形
態に係る微粒子製造方法によれば、高機能性を有する球
状微粒子凝集体をプロセスの負担なく、製造することが
できる。
態に係る微粒子製造方法によれば、高機能性を有する球
状微粒子凝集体をプロセスの負担なく、製造することが
できる。
【0052】(第2の実施の形態)本発明の第2の実施
の形態に係る微粒子製造方法は、第1の実施の形態と同
様に、微粒子を擬似球形に凝集させた球状凝集微粒子を
製造する方法である。
の形態に係る微粒子製造方法は、第1の実施の形態と同
様に、微粒子を擬似球形に凝集させた球状凝集微粒子を
製造する方法である。
【0053】第1の実施の形態に係る微粒子の製造方法
では、原料ガス導入部12から反応容器11内へ導入さ
れたTTIPガスは、第1のヒータ15Aによって反応
容器11内のa領域で加熱分解され、TiO2微粒子を
生成するとともに凝集し、b領域に至るところで微粒子
の生成が抑制されている。しかし、c領域に至るまでに
TiO2微粒子原料が完全に消費されていない場合は、
反応領域内のc領域において再加熱される際に、凝集微
粒子の球状化とともに再び微粒子の生成が生じるため、
凝集微粒子の大きさが不揃いになるおそれがある。
では、原料ガス導入部12から反応容器11内へ導入さ
れたTTIPガスは、第1のヒータ15Aによって反応
容器11内のa領域で加熱分解され、TiO2微粒子を
生成するとともに凝集し、b領域に至るところで微粒子
の生成が抑制されている。しかし、c領域に至るまでに
TiO2微粒子原料が完全に消費されていない場合は、
反応領域内のc領域において再加熱される際に、凝集微
粒子の球状化とともに再び微粒子の生成が生じるため、
凝集微粒子の大きさが不揃いになるおそれがある。
【0054】そこで、第2の実施の形態に係る微粒子製
造方法では、より確実にb領域下流での微粒子生成を抑
制し、粒径の揃った凝集微粒子を製造する方法について
説明する。
造方法では、より確実にb領域下流での微粒子生成を抑
制し、粒径の揃った凝集微粒子を製造する方法について
説明する。
【0055】第2の実施の形態に係る製造方法も、図1
に示した第1の実施の形態に係る製造装置と共通する製
造装置を使用することができる。以下、図1を参照しな
がら、TiO2微粒子凝集体の製造方法を例にとって説
明する。
に示した第1の実施の形態に係る製造装置と共通する製
造装置を使用することができる。以下、図1を参照しな
がら、TiO2微粒子凝集体の製造方法を例にとって説
明する。
【0056】第2の実施の形態では、希釈ガス導入部1
6から導入する希釈ガスとして、微粒子の生成反応時に
微粒子とともに生成されるガスを反応容器11内に導入
することで、反応容器内のb領域およびc領域での微粒
子の成長をより確実に防止することを特徴とする。
6から導入する希釈ガスとして、微粒子の生成反応時に
微粒子とともに生成されるガスを反応容器11内に導入
することで、反応容器内のb領域およびc領域での微粒
子の成長をより確実に防止することを特徴とする。
【0057】例えば、TTIP蒸気を熱分解することに
より、TiO2微粒子を生成する場合、以下の(f1)
式で示す熱分解反応が進行し、TiO2微粒子とともに
C3H6ガスが発生する。
より、TiO2微粒子を生成する場合、以下の(f1)
式で示す熱分解反応が進行し、TiO2微粒子とともに
C3H6ガスが発生する。
【0058】
TTIP → TiO2(固体)+4C3H6(気体)+2H2O(気体)…(f1)
この場合は、希釈ガス導入部16からC3H6を含むガス
を導入する。生成系ガスであるC3H6の分圧が増加する
と化学反応平衡の関係より、(f1)式に示す微粒子生
成反応は進行しにくくなり、むしろ逆反応が生じる。こ
の結果、TTIPが反応容器内に残存していても、C3
H6分圧が高いためTiO2微粒子の生成反応が抑制され
る。
を導入する。生成系ガスであるC3H6の分圧が増加する
と化学反応平衡の関係より、(f1)式に示す微粒子生
成反応は進行しにくくなり、むしろ逆反応が生じる。こ
の結果、TTIPが反応容器内に残存していても、C3
H6分圧が高いためTiO2微粒子の生成反応が抑制され
る。
【0059】従って、第2の実施の形態に係る微粒子製
造方法によれば、原料ガスが反応領域のa領域内で完全
に消費せずに残留しても、より下流域での微粒子の生成
を抑制できる。この結果、c領域での再加熱過程での微
粒子の生成をより確実に防止できるので、大きさの揃っ
た球状凝集微粒子を形成することができる。
造方法によれば、原料ガスが反応領域のa領域内で完全
に消費せずに残留しても、より下流域での微粒子の生成
を抑制できる。この結果、c領域での再加熱過程での微
粒子の生成をより確実に防止できるので、大きさの揃っ
た球状凝集微粒子を形成することができる。
【0060】なお、上記(f1)に示す熱分解反応で
は、TiO2微粒子とともに水蒸気(H2O)が生じる
が、このH2Oは上記反応とは別のTTIPの加水分解
反応によるTiO2微粒子の生成反応を促すことになる
ので、希釈ガスとして水蒸気を導入した場合は、微粒子
生成反応の抑制効果は低い。従って、希釈ガス導入部1
6から導入するガスとしては微粒子生成反応によって微
粒子とともに生成され、しかも微粒子生成反応を抑制し
うるガスを導入することが望ましい。
は、TiO2微粒子とともに水蒸気(H2O)が生じる
が、このH2Oは上記反応とは別のTTIPの加水分解
反応によるTiO2微粒子の生成反応を促すことになる
ので、希釈ガスとして水蒸気を導入した場合は、微粒子
生成反応の抑制効果は低い。従って、希釈ガス導入部1
6から導入するガスとしては微粒子生成反応によって微
粒子とともに生成され、しかも微粒子生成反応を抑制し
うるガスを導入することが望ましい。
【0061】また、希釈ガスとしてC3H6ガス以外にも
熱分解によりC3H6ガスを生じうるようなCnH2n、Cn
H2n+1、・・・等で示されるC3H6と同一組成を有する
炭化水素系ガスであれば同様な微粒子生成反応抑制効果
を発揮できる。
熱分解によりC3H6ガスを生じうるようなCnH2n、Cn
H2n+1、・・・等で示されるC3H6と同一組成を有する
炭化水素系ガスであれば同様な微粒子生成反応抑制効果
を発揮できる。
【0062】なお、TiO2微粒子原料ガスとしてTi
Cl4とO2を利用してもよい。この場合は、約700℃
以上の温度条件で、以下の(f2)式に示す熱分解反応
によりTiO2微粒子が生成される。
Cl4とO2を利用してもよい。この場合は、約700℃
以上の温度条件で、以下の(f2)式に示す熱分解反応
によりTiO2微粒子が生成される。
【0063】
TiCl4 + O2 → TiO2(固体)+2Cl2(気体)…(f2)
上記(f2)に示す熱分解反応ではTiO2微粒子とと
もにCl2ガスが生成される。従って、希釈ガス導入部
16からCl2を含むガスを導入すれば、TiO2微粒子
生成反応を抑制する効果を得ることができる。
もにCl2ガスが生成される。従って、希釈ガス導入部
16からCl2を含むガスを導入すれば、TiO2微粒子
生成反応を抑制する効果を得ることができる。
【0064】上述するように、本発明の第2の実施の形
態に係る微粒子製造方法によれば、高機能性を有する、
しかも大きさが揃った球状凝集微粒子をプロセスの負担
なく製造することができる。
態に係る微粒子製造方法によれば、高機能性を有する、
しかも大きさが揃った球状凝集微粒子をプロセスの負担
なく製造することができる。
【0065】(第3の実施の形態)本発明の第3の実施
の形態に係る微粒子製造方法は、コア微粒子の周囲によ
り微小な微粒子を備えた二重構造の微粒子単体を製造す
る方法である。
の形態に係る微粒子製造方法は、コア微粒子の周囲によ
り微小な微粒子を備えた二重構造の微粒子単体を製造す
る方法である。
【0066】図3は、第3の実施の形態に係る微粒子製
造方法に使用する微粒子製造装置の一例を示す装置構成
図である。第3の実施の形態に係る微粒子製造装置は、
反応容器21を有しており、この反応容器21の一方の
端部に、微粒子原料を含有する液滴を導入する液滴導入
部22と原料ガスおよびキャリアガスを導入する一以上
のガス導入管を持つ原料ガス導入部23とを備え、他方
の端部にガス排出部17を備えている。また、反応容器
21の外周囲にはヒータ24を備えている。
造方法に使用する微粒子製造装置の一例を示す装置構成
図である。第3の実施の形態に係る微粒子製造装置は、
反応容器21を有しており、この反応容器21の一方の
端部に、微粒子原料を含有する液滴を導入する液滴導入
部22と原料ガスおよびキャリアガスを導入する一以上
のガス導入管を持つ原料ガス導入部23とを備え、他方
の端部にガス排出部17を備えている。また、反応容器
21の外周囲にはヒータ24を備えている。
【0067】作製する微粒子の種類は限定されないが、
以下、コア微粒子およびその周囲の微粒子ともにTiO
2微粒子とする場合を例にとって二重構造の球状微粒子
を製造する方法について説明する。
以下、コア微粒子およびその周囲の微粒子ともにTiO
2微粒子とする場合を例にとって二重構造の球状微粒子
を製造する方法について説明する。
【0068】TiO2微粒子の原料ガスとしては、例え
ばTTIP蒸気を用いることができる。また、液滴原料
としては、揮発性溶媒に微粒子原料を混合したもの、例
えばイソプロピルアルコールとTTIPとの混合溶液を
使用できる。TTIPおよび液滴原料である混合溶液は
それぞれ図示しないタンクに貯蔵しておく。
ばTTIP蒸気を用いることができる。また、液滴原料
としては、揮発性溶媒に微粒子原料を混合したもの、例
えばイソプロピルアルコールとTTIPとの混合溶液を
使用できる。TTIPおよび液滴原料である混合溶液は
それぞれ図示しないタンクに貯蔵しておく。
【0069】まず、キャリヤガスであるN2等の不活性
ガスを反応容器21内に導入し、反応容器21内を通り
ガス排出部17へ流れ、クーラ18から界面活性剤が入
った微粒子保存容器19に流れこむガスの気流を形成す
る。
ガスを反応容器21内に導入し、反応容器21内を通り
ガス排出部17へ流れ、クーラ18から界面活性剤が入
った微粒子保存容器19に流れこむガスの気流を形成す
る。
【0070】次に、ヒータ24により反応容器21の中
央領域(図3中破線d領域)のガス温度をTTIPの熱
分解温度600〜700℃になるよう加熱する。このと
き、反応容器21内およびクーラ17内の圧力は、76
0torr(1.013×105 Pa)程度、クーラ
17内の温度は室温に設定する。
央領域(図3中破線d領域)のガス温度をTTIPの熱
分解温度600〜700℃になるよう加熱する。このと
き、反応容器21内およびクーラ17内の圧力は、76
0torr(1.013×105 Pa)程度、クーラ
17内の温度は室温に設定する。
【0071】反応容器21内のガス流、圧力、温度が安
定したら、微粒子原料であるTTIPを含有する液滴を
液滴導入部22から反応容器21に導入するとともに、
原料ガス導入部23からTTIPガスを反応容器21に
導入する。液滴の径や液滴中の微粒子原料の濃度は、特
に限定されない。液滴中の微粒子原料の濃度を、0.0
1wt%〜1wt%まで種々に選択することができる
が、例えば約0.1wt%程度とし、液滴の大きさが例
えば100nm程度になるように調整する。
定したら、微粒子原料であるTTIPを含有する液滴を
液滴導入部22から反応容器21に導入するとともに、
原料ガス導入部23からTTIPガスを反応容器21に
導入する。液滴の径や液滴中の微粒子原料の濃度は、特
に限定されない。液滴中の微粒子原料の濃度を、0.0
1wt%〜1wt%まで種々に選択することができる
が、例えば約0.1wt%程度とし、液滴の大きさが例
えば100nm程度になるように調整する。
【0072】反応容器21内に供給された液滴原料は、
ヒータ24による加熱により、微粒子原料を溶解してい
る溶媒は短時間のうちにガス化するとともに、液滴内部
で微粒子原料は、以下の式(f3)で表される熱分解反
応により微粒子を生成する。
ヒータ24による加熱により、微粒子原料を溶解してい
る溶媒は短時間のうちにガス化するとともに、液滴内部
で微粒子原料は、以下の式(f3)で表される熱分解反
応により微粒子を生成する。
【0073】
TTIP+イソフ゜ロヒ゜ルアルコール(液体)→ TiO2(固体)+4C3H6(気体)+2H2O(気体
)+イソフ゜ロヒ゜ルアルコール(気体)…(f3)
液滴中の微粒子原料は、液滴内で上記熱分解反応を進行
させ、単一の微粒子を生成する傾向がある。従って、液
滴中の微粒子原料の濃度、液滴の大きさにより微粒子の
大きさは決定される。例えば、上述の条件を用いること
により、径約10nm程度の比較的大きい単独微粒子を
形成できる。
させ、単一の微粒子を生成する傾向がある。従って、液
滴中の微粒子原料の濃度、液滴の大きさにより微粒子の
大きさは決定される。例えば、上述の条件を用いること
により、径約10nm程度の比較的大きい単独微粒子を
形成できる。
【0074】一方、TTIPガス原料は、以下の熱分解
反応式(f4)により、径約1nm程度のTiO2微粒
子を生成する。
反応式(f4)により、径約1nm程度のTiO2微粒
子を生成する。
【0075】TTIP → TiO2+4C3H6+2H2O…(f4)
このように、液滴原料から生成されたTiO2微粒子と
ガス原料から生成されたTiO2微粒子51とは、径の
大きさに約10倍以上の差異をつけることが好ましい。
微粒子は、反応容器内で互いに接触すると凝集する傾向
があるが、一般に、微小なTiO2微粒子は、より径の
大きいTiO2微粒子の表面に付着しやすい。従って、
同じ反応領域内で微小なTiO2微粒子51と径の大き
いTiO2微粒子52の両方をほぼ同時に形成すること
により、図4(a)に示す断面を持つ二重構造の微粒
子、即ち径の大きいTiO2微粒子52の周囲に径の小
さいTiO2微粒子51が付着した微粒子を得ることが
できる。
ガス原料から生成されたTiO2微粒子51とは、径の
大きさに約10倍以上の差異をつけることが好ましい。
微粒子は、反応容器内で互いに接触すると凝集する傾向
があるが、一般に、微小なTiO2微粒子は、より径の
大きいTiO2微粒子の表面に付着しやすい。従って、
同じ反応領域内で微小なTiO2微粒子51と径の大き
いTiO2微粒子52の両方をほぼ同時に形成すること
により、図4(a)に示す断面を持つ二重構造の微粒
子、即ち径の大きいTiO2微粒子52の周囲に径の小
さいTiO2微粒子51が付着した微粒子を得ることが
できる。
【0076】生成された二重構造の微粒子は、残留ガス
とともにガス排出部17に排出される。排出されたガス
はクーラ18を通過する過程で室温まで冷却される。微
粒子を含む排出ガスは、さらに微粒子保存容器19に導
かれ、この中のエタノールやメタノール等の溶媒に界面
活性剤を溶かした溶液を通過する際に、溶剤に捕集さ
れ、他の排出ガスは大気中に放出される。
とともにガス排出部17に排出される。排出されたガス
はクーラ18を通過する過程で室温まで冷却される。微
粒子を含む排出ガスは、さらに微粒子保存容器19に導
かれ、この中のエタノールやメタノール等の溶媒に界面
活性剤を溶かした溶液を通過する際に、溶剤に捕集さ
れ、他の排出ガスは大気中に放出される。
【0077】こうして、二重構造の微粒子は微粒子保存
容器19の溶液中に分散された状態で保存されるので、
必要に応じ、微粒子保存容器19から溶液を所望量汲み
出して溶液を加熱蒸発させれば、微粒子を回収できる。
容器19の溶液中に分散された状態で保存されるので、
必要に応じ、微粒子保存容器19から溶液を所望量汲み
出して溶液を加熱蒸発させれば、微粒子を回収できる。
【0078】なお、各ガス導入管の入口付近に反応生成
物が付着しないように、反応容器21の外壁に設けるヒ
ータ24の位置は、各ガス導入管の入口から一定距離置
いた位置、例えば反応容器21の中央部に設けることが
好ましい。またヒータ24の位置や長さは、生成された
粒子が必要以上に大きく凝集成長しないよう調整するこ
とが望ましい。
物が付着しないように、反応容器21の外壁に設けるヒ
ータ24の位置は、各ガス導入管の入口から一定距離置
いた位置、例えば反応容器21の中央部に設けることが
好ましい。またヒータ24の位置や長さは、生成された
粒子が必要以上に大きく凝集成長しないよう調整するこ
とが望ましい。
【0079】得られた二重構造の微粒子は、表面に微細
な微粒子が付着した構造を有するので、比表面積が大き
く、第1、第2の実施の形態において得られた球状凝集
微粒子と同様な効果を有する。
な微粒子が付着した構造を有するので、比表面積が大き
く、第1、第2の実施の形態において得られた球状凝集
微粒子と同様な効果を有する。
【0080】なお、ここでは、コア微粒子およびその周
囲に付着した微粒子をいずれもTiO2とする場合の例
について説明したが、別種の材料で構成してもよい。
囲に付着した微粒子をいずれもTiO2とする場合の例
について説明したが、別種の材料で構成してもよい。
【0081】上述するように、本発明の第3の実施の形
態によれば、コア微粒子の周囲に微小な微粒子を備えた
二重構造の高機能性微粒子をプロセスの負担なく製造す
ることができる。
態によれば、コア微粒子の周囲に微小な微粒子を備えた
二重構造の高機能性微粒子をプロセスの負担なく製造す
ることができる。
【0082】(第4の実施の形態)本発明の第4の実施
の形態に係る微粒子製造方法は、コア・シェル構造の微
粒子を製造する方法である。
の形態に係る微粒子製造方法は、コア・シェル構造の微
粒子を製造する方法である。
【0083】図5は、第4の実施の形態に係る微粒子製
造方法に使用する微粒子製造装置の一例を示す装置構成
図である。第3の実施の形態にかかる微粒子製造装置と
異なる点は、反応容器31のほぼ中央に原料ガス導入部
33を備えている点である。それ以外については第3の
実施の形態に係る微粒子製造装置と基本的に同様な構成
を使用することができる。
造方法に使用する微粒子製造装置の一例を示す装置構成
図である。第3の実施の形態にかかる微粒子製造装置と
異なる点は、反応容器31のほぼ中央に原料ガス導入部
33を備えている点である。それ以外については第3の
実施の形態に係る微粒子製造装置と基本的に同様な構成
を使用することができる。
【0084】作製する微粒子の種類は限定されないが、
以下、TiO2微粒子をコア微粒子とし、その周囲を被
覆するシェル層としてNb2O5層を有するコア・シェル
構造の微粒子を作製する場合を例にとって説明する。
以下、TiO2微粒子をコア微粒子とし、その周囲を被
覆するシェル層としてNb2O5層を有するコア・シェル
構造の微粒子を作製する場合を例にとって説明する。
【0085】コア微粒子となる液滴原料としては、例え
ば揮発性溶媒であるイソプロピルアルコールにTTIP
を0.1wt%程度の濃度になるよう混合したものを使
用できる。
ば揮発性溶媒であるイソプロピルアルコールにTTIP
を0.1wt%程度の濃度になるよう混合したものを使
用できる。
【0086】一方、シェル層であるNb2O5原料として
は、例えばNb(OC2H5)5(ペンタエトキシニオビウ
ム)を使用できる。
は、例えばNb(OC2H5)5(ペンタエトキシニオビウ
ム)を使用できる。
【0087】まず、キャリヤガスであるN2等の不活性
ガスを反応容器31内に導入し、反応容器31内を通り
ガス排出部17へ流れ、クーラ18から界面活性剤が入
った微粒子保存容器19に流れこむガスの気流を形成す
る。
ガスを反応容器31内に導入し、反応容器31内を通り
ガス排出部17へ流れ、クーラ18から界面活性剤が入
った微粒子保存容器19に流れこむガスの気流を形成す
る。
【0088】次に、ヒータ25により反応容器31内の
上流側領域(図5中破線e領域)のガス温度をTTIP
の熱分解温度600〜700℃になるよう加熱するとと
もに、ヒータ26により反応容器31の下流側領域(図
5中破線f領域)のガス温度をNb2O5原料の分解温度
である600℃〜700℃になるよう加熱する。このと
き、反応容器31内およびクーラ17内の圧力は、76
0torr(1.013×105 Pa)程度、クーラ
17内の温度は室温に設定する。
上流側領域(図5中破線e領域)のガス温度をTTIP
の熱分解温度600〜700℃になるよう加熱するとと
もに、ヒータ26により反応容器31の下流側領域(図
5中破線f領域)のガス温度をNb2O5原料の分解温度
である600℃〜700℃になるよう加熱する。このと
き、反応容器31内およびクーラ17内の圧力は、76
0torr(1.013×105 Pa)程度、クーラ
17内の温度は室温に設定する。
【0089】反応容器31内のガス流、圧力、温度が安
定したら、微粒子原料TTIPを含有する液滴を液滴導
入部32から反応容器31に導入するとともに、原料ガ
ス導入部33から微粒子ガス原料であるTTIPガスを
反応容器31内に導入する。液滴の径や液滴中の微粒子
原料の濃度は、第3の実施の形態に係る条件と同様の条
件を用いることができる。
定したら、微粒子原料TTIPを含有する液滴を液滴導
入部32から反応容器31に導入するとともに、原料ガ
ス導入部33から微粒子ガス原料であるTTIPガスを
反応容器31内に導入する。液滴の径や液滴中の微粒子
原料の濃度は、第3の実施の形態に係る条件と同様の条
件を用いることができる。
【0090】反応容器31内に液滴原料が導入される
と、ヒータ25によって、溶媒は短時間のうちにガス化
するとともに、液滴内部で微粒子原料は、以下の熱分解
反応を起こし、反応容器31内の反応領域eで、径10
nm程度の微粒子を生成する。
と、ヒータ25によって、溶媒は短時間のうちにガス化
するとともに、液滴内部で微粒子原料は、以下の熱分解
反応を起こし、反応容器31内の反応領域eで、径10
nm程度の微粒子を生成する。
【0091】
TTIP+イソフ゜ロヒ゜ルアルコール(液体)→ TiO2(固体)+4C3H6(気体)+2H2O(気体
)+イソフ゜ロヒ゜ルアルコール(気体)…(f5)
一方、反応容器31の中央に備えた原料ガス導入部33
からはNb2O5原料ガスが反応容器31内に導入され
る。導入された原料ガスは、ヒータ26によって熱分解
され、反応容器31内の領域fにおいて以下の反応式
(f6)によりNb2O5を生成する。
からはNb2O5原料ガスが反応容器31内に導入され
る。導入された原料ガスは、ヒータ26によって熱分解
され、反応容器31内の領域fにおいて以下の反応式
(f6)によりNb2O5を生成する。
【0092】
2Nb(OC2H5)5 → Nb2O5 + (C2H5OC2H5)5…(f6)
なお、上記(f6)の反応が生じる反応容器31内のf
領域では、すでに液滴原料から生成された比較的大きい
TiO2微粒子が気相中に存在しているため、TiO2微
粒子の表面もNb2O5が成長し、Nb2O5薄膜層が形成
される。この結果、図4(b)に示すような、TiO2
からなるコア微粒子54の周囲にNb2O5薄膜層53を
有するコア・シェル構造の微粒子が生成される。Nb2
O5薄膜層の厚みは例えば数nm程度とする。
領域では、すでに液滴原料から生成された比較的大きい
TiO2微粒子が気相中に存在しているため、TiO2微
粒子の表面もNb2O5が成長し、Nb2O5薄膜層が形成
される。この結果、図4(b)に示すような、TiO2
からなるコア微粒子54の周囲にNb2O5薄膜層53を
有するコア・シェル構造の微粒子が生成される。Nb2
O5薄膜層の厚みは例えば数nm程度とする。
【0093】こうして得られたコア・シェル構造の微粒
子は、光触媒をして使用する場合には、Nb2O5薄膜層
の存在により、TiO2微粒子単独の場合に較べ光電変
換効率を上げることができる。
子は、光触媒をして使用する場合には、Nb2O5薄膜層
の存在により、TiO2微粒子単独の場合に較べ光電変
換効率を上げることができる。
【0094】生成されたコア・シェル構造の微粒子は、
残留ガスとともにガス排出部17に排出される。排出さ
れたガスはクーラ18を通過する過程で室温まで冷却さ
れる。微粒子を含む排出ガスは、さらに微粒子保存容器
19に導かれ、この中のエタノールやメタノール等の溶
媒に界面活性剤を溶かした溶液を通過する際に、溶剤に
捕集され、他の排出ガスは大気中に放出される。
残留ガスとともにガス排出部17に排出される。排出さ
れたガスはクーラ18を通過する過程で室温まで冷却さ
れる。微粒子を含む排出ガスは、さらに微粒子保存容器
19に導かれ、この中のエタノールやメタノール等の溶
媒に界面活性剤を溶かした溶液を通過する際に、溶剤に
捕集され、他の排出ガスは大気中に放出される。
【0095】こうして、コア・シェル構造の微粒子は微
粒子保存容器19の溶液中に分散された状態で保存され
るので、必要に応じ、微粒子保存容器19から溶液を所
望量汲み出して溶液を加熱蒸発させれば、微粒子を回収
できる。
粒子保存容器19の溶液中に分散された状態で保存され
るので、必要に応じ、微粒子保存容器19から溶液を所
望量汲み出して溶液を加熱蒸発させれば、微粒子を回収
できる。
【0096】なお、反応容器の下流側に別の薄膜原料ガ
ス導入管とこの薄膜原料ガスを加熱分解するためのヒー
タを備えることで、三層構造の微粒子を生成することも
可能である。さらに、同様な方法でより多層構造の微粒
子を生成することも可能である。
ス導入管とこの薄膜原料ガスを加熱分解するためのヒー
タを備えることで、三層構造の微粒子を生成することも
可能である。さらに、同様な方法でより多層構造の微粒
子を生成することも可能である。
【0097】上述するように、本発明の第4の実施の形
態によれば、コア・シェル構造を有する高機能性微粒子
をプロセスの負担なく製造することができる。
態によれば、コア・シェル構造を有する高機能性微粒子
をプロセスの負担なく製造することができる。
【0098】(その他の実施の形態)上述する第1の実
施の形態から第4の実施の形態は、発明の主旨を逸脱し
ない範囲で種々変形して実施できる。
施の形態から第4の実施の形態は、発明の主旨を逸脱し
ない範囲で種々変形して実施できる。
【0099】例えば、TiO2微粒子の生成反応におい
て、式(f1)に示すTTIPの熱分解反応のみなら
ず、水蒸気(H2O)ガスを用いて、以下の式(f7)
に示す加水分解反応を利用してTiO2微粒子の生成を
行っても良い。この場合は、原料ガス導入部に水蒸気ガ
ス導入管を加えればよい。この加水分解反応は、200
℃〜400℃の低温で反応を進行させることができる。
て、式(f1)に示すTTIPの熱分解反応のみなら
ず、水蒸気(H2O)ガスを用いて、以下の式(f7)
に示す加水分解反応を利用してTiO2微粒子の生成を
行っても良い。この場合は、原料ガス導入部に水蒸気ガ
ス導入管を加えればよい。この加水分解反応は、200
℃〜400℃の低温で反応を進行させることができる。
【0100】
TTIP+H2O → TiO2(固体)+4C3H6(気体)+2H2O(気体)…(f7)
なお、第3の実施の形態、第4の実施の形態において、
液滴材料を用いてTiO2微粒子の生成をする場合も、
水蒸気(H2O)ガスを用いた、以下の式(f8)に示
す加水分解反応を利用してTiO2微粒子の生成を行う
ことができる。
液滴材料を用いてTiO2微粒子の生成をする場合も、
水蒸気(H2O)ガスを用いた、以下の式(f8)に示
す加水分解反応を利用してTiO2微粒子の生成を行う
ことができる。
【0101】
TTIP+イソフ゜ロヒ゜ルアルコール(液体)+H2O → TiO2(固体)+4C3H6(気体)+2H2O
(気体)+イソフ゜ロヒ゜ルアルコール(気体)…(f8)
また、上記第1の実施の形態から第4の実施の形態に係
る微粒子製造方法において、採取された凝集微粒子、あ
るいは単体微粒子の表面に、界面活性剤のような、表面
を正または負に帯電させる材料を付着させてもよい。そ
うすれば、それ以上の凝集を防止できるので、微粒子保
存容器の溶媒中に保存する必要もなくなる。
る微粒子製造方法において、採取された凝集微粒子、あ
るいは単体微粒子の表面に、界面活性剤のような、表面
を正または負に帯電させる材料を付着させてもよい。そ
うすれば、それ以上の凝集を防止できるので、微粒子保
存容器の溶媒中に保存する必要もなくなる。
【0102】このような表面付着物としては、微粒子保
存容器内にアルコール溶液等とともに混合させた界面活
性剤等を使用できる。例えば、陰イオン性界面活性剤
(脂肪酸塩、アルキル硫酸、エステル塩、ポリオキシエ
チレン、アルキルエーテル、硫酸エステル塩、アルキル
ベンゼンスルフォン酸塩、アルキルナフタレンスルフォ
ン酸塩、アルキルスルホコハク酸塩、アルキルジフェニ
ルエーテルジスルフォン酸塩、アルキル リン酸塩、そ
の他陰イオン性界面活性剤、ナフタレンスルフォン酸ホ
ルマリン縮合物、特殊ポリカルボン酸型高分子界面活性
剤)、非イオン性界面活性剤(ポリオキシエチレンアル
キルエーテル、ポリオキシアルキレンアルキルエーテ
ル、ポリオキシエチレン誘導体、ソルビタン脂肪酸エス
テル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、
ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル、グリ
セリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸エス
テル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、アルキルア
ルカノールアミド、トリオクチルフォスフィンオキサイ
ド、ドデシルアミン、アルカンチオールなどの長鎖アル
キルを含む界面活性剤、その他非イオン性界面活性
剤)、陽イオン性 界面活性剤(アルキルアミン塩、第
四級アンモニウム塩、その他陽イオン性界面活性剤)、
両性 界面活性剤(アルキルベタイン、アミンオキサイ
ド、その他両性界面活性剤)などの界面活性剤や、他の
表面修飾剤を例示できる。
存容器内にアルコール溶液等とともに混合させた界面活
性剤等を使用できる。例えば、陰イオン性界面活性剤
(脂肪酸塩、アルキル硫酸、エステル塩、ポリオキシエ
チレン、アルキルエーテル、硫酸エステル塩、アルキル
ベンゼンスルフォン酸塩、アルキルナフタレンスルフォ
ン酸塩、アルキルスルホコハク酸塩、アルキルジフェニ
ルエーテルジスルフォン酸塩、アルキル リン酸塩、そ
の他陰イオン性界面活性剤、ナフタレンスルフォン酸ホ
ルマリン縮合物、特殊ポリカルボン酸型高分子界面活性
剤)、非イオン性界面活性剤(ポリオキシエチレンアル
キルエーテル、ポリオキシアルキレンアルキルエーテ
ル、ポリオキシエチレン誘導体、ソルビタン脂肪酸エス
テル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、
ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル、グリ
セリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸エス
テル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、アルキルア
ルカノールアミド、トリオクチルフォスフィンオキサイ
ド、ドデシルアミン、アルカンチオールなどの長鎖アル
キルを含む界面活性剤、その他非イオン性界面活性
剤)、陽イオン性 界面活性剤(アルキルアミン塩、第
四級アンモニウム塩、その他陽イオン性界面活性剤)、
両性 界面活性剤(アルキルベタイン、アミンオキサイ
ド、その他両性界面活性剤)などの界面活性剤や、他の
表面修飾剤を例示できる。
【0103】これらの微粒子表面付着物は、ガス状体、
もしくは溶媒中に溶かし噴霧状の液滴として反応容器
に、好ましくは反応容器の最下流領域に導入してもよい
し、反応容器とクーラとの間の排気管途中に導入しても
よい。
もしくは溶媒中に溶かし噴霧状の液滴として反応容器
に、好ましくは反応容器の最下流領域に導入してもよい
し、反応容器とクーラとの間の排気管途中に導入しても
よい。
【0104】また、上記第1の実施の形態から第4の実
施の形態では、微粒子原料から微粒子を生成する際に、
微粒子原料を励起する方法としてヒータを用い、加熱励
起しているが、微粒子原料の励起手段は、ヒータに限ら
ず、種々の励起手段を利用することができる。光照射手
段を用いる場合は、例えば紫外線ランプ(低圧水銀ラン
プ)を反応容器内もしくは外に設け、紫外光を原料ガス
に照射することによって光励起化学反応を起こさせるこ
とも可能である。あるいは、反応容器内、もしくは反応
容器外に電極を設け、プラズマを発生させることで、反
応容器内のガスを励起させてもよい。
施の形態では、微粒子原料から微粒子を生成する際に、
微粒子原料を励起する方法としてヒータを用い、加熱励
起しているが、微粒子原料の励起手段は、ヒータに限ら
ず、種々の励起手段を利用することができる。光照射手
段を用いる場合は、例えば紫外線ランプ(低圧水銀ラン
プ)を反応容器内もしくは外に設け、紫外光を原料ガス
に照射することによって光励起化学反応を起こさせるこ
とも可能である。あるいは、反応容器内、もしくは反応
容器外に電極を設け、プラズマを発生させることで、反
応容器内のガスを励起させてもよい。
【0105】さらに、上述の例では、TiO2微粒子生
成の例について説明したが、生成する微粒子の種類は限
定されず、種々の微粒子を生成することが可能である。
例えば、TiO2微粒子等の酸化物微粒子の他に、同様
に電池電極等への応用が考えられるSi等の非酸化物微
粒子を生成することもできる。また、コアとしてSi、
シェルとしてC等からなるコア・シェル構造の微粒子を
生成することができる。
成の例について説明したが、生成する微粒子の種類は限
定されず、種々の微粒子を生成することが可能である。
例えば、TiO2微粒子等の酸化物微粒子の他に、同様
に電池電極等への応用が考えられるSi等の非酸化物微
粒子を生成することもできる。また、コアとしてSi、
シェルとしてC等からなるコア・シェル構造の微粒子を
生成することができる。
【0106】なお、コアにあたるSi微粒子を製造する
場合は、微粒子原料としてSiCl4等の塩化物やSi
H4やSi2H6等のガス源を用いることができ、シェル
となるCを製造する場合は、原料としてCH4等を用い
ることができる。
場合は、微粒子原料としてSiCl4等の塩化物やSi
H4やSi2H6等のガス源を用いることができ、シェル
となるCを製造する場合は、原料としてCH4等を用い
ることができる。
【0107】
【発明の効果】本発明の第1の特徴を有する微粒子製造
方法および微粒子製造装置によれば、光触媒や電池電極
等の種々の用途に対し、高機能特性を発揮しうる球状の
凝集微粒子をプロセスの負担なく、効率良く製造するこ
とができる。
方法および微粒子製造装置によれば、光触媒や電池電極
等の種々の用途に対し、高機能特性を発揮しうる球状の
凝集微粒子をプロセスの負担なく、効率良く製造するこ
とができる。
【0108】また、本発明の第2の特徴を有する微粒子
製造方法および微粒子製造装置によれば、光触媒や電池
電極等の種々の用途に対し、高機能特性を発揮しうるコ
ア微粒子の周囲に微細径の微粒子を持つ二重構造の微粒
子をプロセスの負担なく、効率良く製造することができ
る。
製造方法および微粒子製造装置によれば、光触媒や電池
電極等の種々の用途に対し、高機能特性を発揮しうるコ
ア微粒子の周囲に微細径の微粒子を持つ二重構造の微粒
子をプロセスの負担なく、効率良く製造することができ
る。
【0109】さらに、本発明の第3の特徴を有する微粒
子製造方法および微粒子製造装置によれば、光触媒や電
池電極等の種々の用途に対し、高機能特性を発揮しうる
コア・シェル型の微粒子をプロセスの負担なく製造する
ことができる。
子製造方法および微粒子製造装置によれば、光触媒や電
池電極等の種々の用途に対し、高機能特性を発揮しうる
コア・シェル型の微粒子をプロセスの負担なく製造する
ことができる。
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る粒子製造装置
の構成図である。
の構成図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態および第2の実施の
形態に係る微粒子製造の過程で、生成される直鎖状凝集
微粒子と、球状凝集微粒子の構造図である。
形態に係る微粒子製造の過程で、生成される直鎖状凝集
微粒子と、球状凝集微粒子の構造図である。
【図3】本発明の第3の実施の形態に係る微粒子製造装
置の構成図である。
置の構成図である。
【図4】本発明の第3の実施の形態に係る微粒子製造方
法および第4の実施の形態に係る微粒子製造方法によっ
て得られる二重構造の微粒子およびコア・シェル型微粒
子の構造を示す断面図である。
法および第4の実施の形態に係る微粒子製造方法によっ
て得られる二重構造の微粒子およびコア・シェル型微粒
子の構造を示す断面図である。
【図5】本発明の第4の実施の形態に係る微粒子製造装
置の構成図である。
置の構成図である。
【図6】従来の微粒子製造装置の構成図である。
11、21、31 反応容器
12、23、33 原料ガス導入部
15A、15B、24、25、26 ヒータ
16 希釈ガス導入部
17 ガス排出部
18 クーラ
19 微粒子保存容器
Claims (7)
- 【請求項1】 微粒子原料ガスもしくは微粒子原料を含
む液滴を加熱し、微粒子の生成と前記微粒子の凝集を行
う工程と、 希釈ガスを供給し、前記微粒子の凝集を抑制する工程
と、 凝集抑制して得られた凝集微粒子を再加熱し、球状化す
る工程とを有することを特徴とする微粒子の製造方法。 - 【請求項2】 前記希釈ガスは、前記微粒子原料ガスか
ら微粒子を生成する反応によって微粒子とともに生成さ
れるガスであり、前記微粒子原料ガスとの間で微粒子生
成反応を生じないガスを含むことを特徴とする請求項1
に記載の微粒子の製造方法。 - 【請求項3】 反応容器と、 前記反応容器に設けられた、微粒子原料ガスもしくは微
粒子原料を含む液滴を前記反応容器内に導入する原料導
入手段と、 前記反応容器に設けられた、排気手段と、 前記反応容器内の前記微粒子原料ガスもしくは前記微粒
子原料を含む液滴を加熱する第1の加熱手段と、 前記加熱により微粒子が生成される領域又はその下流域
の前記反応容器に設置された、前記反応容器内に希釈ガ
スを導入する希釈ガス導入手段と、 前記反応容器内の凝集された前記微粒子を再加熱する第
2の加熱手段とを有することを特徴とする微粒子製造装
置。 - 【請求項4】 反応容器内に、微粒子原料を含有する液
滴と、微粒子原料ガスとを導入し、 前記反応容器内で、前記液滴と前記微粒子原料ガスとを
加熱し、前記液滴中の微粒子原料から第1微粒子を生成
するとともに前記微粒子原料ガスから第2微粒子を生成
し、前記第1微粒子と前記第2微粒子とを混合すること
を特徴とする微粒子の製造方法。 - 【請求項5】 反応容器と、 前記反応容器に設けられた、微粒子原料を含む液滴およ
び微粒子原料ガスを前記反応容器内に導入する単一また
は複数の原料導入手段と、 前記反応容器に設けられた、排気手段と、 前記反応容器内に導入された前記液滴中の微粒子原料お
よび前記微粒子原料ガスをともに加熱する手段とを有す
ることを特徴とする微粒子製造装置。 - 【請求項6】 反応容器内に微粒子原料を含有する液滴
を導入し、前記液滴を加熱し微粒子を生成する工程と、 生成された前記微粒子に対して、被覆膜原料ガスを供給
するとともに、前記被覆膜原料ガスを加熱し、前記微粒
子表面に被覆膜を生成する工程とを有することを特徴と
する微粒子の製造方法。 - 【請求項7】 反応容器と、 前記反応容器に設けられた、微粒子原料を含む液滴を導
入する第1の原料導入手段と、 前記反応容器に設けられた、排気手段と、 前記微粒子原料を加熱する第1の加熱手段と、 前記加熱により微粒子が生成される領域より下流域の前
記反応容器内に被覆膜原料ガスを導入する第2の原料導
入手段と、 前記反応容器内に導入された前記被覆膜原料ガスを加熱
する第2の加熱手段とを有することを特徴とする微粒子
製造装置。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002051517A JP2003252627A (ja) | 2002-02-27 | 2002-02-27 | 微粒子の製造方法および微粒子製造装置 |
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Publication Number | Publication Date |
---|---|
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JP2002051517A Pending JP2003252627A (ja) | 2002-02-27 | 2002-02-27 | 微粒子の製造方法および微粒子製造装置 |
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JP (1) | JP2003252627A (ja) |
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JP7566375B2 (ja) | 2021-01-25 | 2024-10-15 | 筆 鐘 | 超微粉末粒子の凝集冷却用管状構造と超微粉粒子成形方法 |
JP7566376B2 (ja) | 2021-01-25 | 2024-10-15 | 筆 鐘 | 超微粉末粒子の凝集冷却タンク型構造と超微粉粒子成形方法 |
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2002
- 2002-02-27 JP JP2002051517A patent/JP2003252627A/ja active Pending
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