JP2003251385A - 水処理システム及び水処理システムの運転方法 - Google Patents

水処理システム及び水処理システムの運転方法

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JP2003251385A
JP2003251385A JP2002054061A JP2002054061A JP2003251385A JP 2003251385 A JP2003251385 A JP 2003251385A JP 2002054061 A JP2002054061 A JP 2002054061A JP 2002054061 A JP2002054061 A JP 2002054061A JP 2003251385 A JP2003251385 A JP 2003251385A
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pressure sensor
overflow
treatment system
treated
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JP2002054061A
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Masanobu Koseki
正信 小関
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Sumitomo Heavy Industries Ltd
Original Assignee
Sumitomo Heavy Industries Ltd
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    • Y02WCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO WASTEWATER TREATMENT OR WASTE MANAGEMENT
    • Y02W10/00Technologies for wastewater treatment
    • Y02W10/10Biological treatment of water, waste water, or sewage

Abstract

(57)【要約】 【課題】 複数の曝気槽が並列に設置されていても、外
部に排出する処理後の排出水の水質を所望の成分組成の
範囲内に容易かつ精密に調節することができる水処理シ
ステム及び水処理システムの運転方法の提供。 【解決手段】 水処理システムは、複数の曝気槽と、こ
れらの各流入口に接続された水路と、各流入口の近傍に
配置された越流式ゲートとを有している。各越流式ゲー
トには、ゲートG61に示すように水路L50中の水Wの進行
を遮断できる大きさの面を有し該面が水路の断面に沿う
方向に昇降可能に配置される堰板90と、堰板を介して流
入口に対向する水路内の位置に配置される圧力センサS6
1と、検知される圧力に基づき水面と圧力センサの配置
位置との間の水位差を求め、該水位差に基づき堰板を越
流する水の流量を求める流量算出手段93と、該流量に基
づいて堰板を昇降させ越流式ゲートの開度を調節する開
度調節手段96とが備えられている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、被処理水の好気性
処理を行うための複数の曝気槽を有する水処理システム
及びその運転方法に関する。
【0002】
【従来の技術】有機化合物等の汚濁物質を含む廃水等の
被処理水を、微生物を用いて生物学的に処理する水処理
システムは、汚濁物質を比較的低コストで効率よく短時
間に処理することができる利点があり、工場等から排出
される産業廃水、家庭から排出される生活廃水、下水等
の水の処理に広く採用されている。
【0003】近年においては、廃水や下水等の被処理水
の富栄養化の進行に伴って、被処理水中に含まれる無機
栄養塩類の排出抑制が求められてきており、水処理シス
テムから排出される処理後の水に含まれる窒素成分やリ
ン成分の排出基準が強化されてきている。
【0004】従来一般の好気性処理を利用する水処理シ
ステムとしては、例えば、図4に示すような複数の曝気
槽が並列に設置された基本構成を有するものが知られて
いる。図4に示す水処理システム2は、好気性処理を利
用するシステムであり、上流から下流(図示左側から右
側)に向かって、沈砂池100、ポンプ井200、最初
沈殿池300、トラップ400、トラップ500、曝気
槽600、最終沈殿池700及び塩素滅菌池800を主
としてこの順に備えて構成されている。
【0005】図4に示す水処理システム2の曝気槽60
0について説明すると、曝気槽600は、活性汚泥と空
気を用いて被処理水の好気性処理を行うためのものであ
り、図示のように、例えば、4つの槽610〜槽640
から構成されている。この曝気槽600とトラップ40
0とは以下のように液体供給ラインL410〜L440
を介して接続されており、曝気槽600とトラップ50
0とは以下のように液体供給ラインL510〜L540
を介して接続されている。
【0006】即ち、トラップ400は、最初沈殿池30
の各槽から流出される被処理水を導入して貯留し、該被
処理水中から沈みやすい固形物を更に沈殿分離させるた
めのものである。この場合、トラップ400には4つの
流出口が設けられており、各流出口には液体供給ライン
L410、L420、L430及びL440がそれぞれ
ぞれの一端を接続されている。また、液体供給ラインL
410〜L440のそれぞれの他端は、後述する曝気槽
600の越流式ゲートG610、越流式ゲートG62
0、越流式ゲートG630及び越流式ゲートG640に
それぞれ接続されている。
【0007】トラップ500は、最終沈殿池700から
汚泥返送ラインL710を介して供給される返送汚泥
(活性汚泥)を、曝気槽600に向けて送出するための
ものである。このトラップ500は、汚泥返送ラインL
710を介して最終沈殿池700と接続されている。
【0008】また、トラップ500にも4つの流出口が
設けられており、各流出口には液体供給ラインL51
0、L520、L530及びL540がそれぞれぞれの
一端を接続されている。また、液体供給ラインL510
〜L540のそれぞれの他端は、曝気槽600の越流式
ゲートG610A(図示せず)、越流式ゲートG620A
(図示せず)、越流式ゲートG630(図示せず)A及
び越流式ゲートG640A(図示せず)にそれぞれ接続
されている。
【0009】また、曝気槽600と液体供給ラインL4
10〜L440との接続部には導水渠650が設けられ
ており、この曝気槽600を構成する各槽の流入口の近
傍には、越流式ゲートG610〜越流式ゲートG640
がそれぞれ設けられている。これにより、液体供給ライ
ンL410〜L440から流入する被処理水は導水渠6
50内に一旦貯留され、越流式ゲートG610〜越流式
ゲートG640を開くことにより曝気槽600の各槽に
導入されることになる。
【0010】なお、図4に示す水処理システム2の上述
した曝気槽600以外の構成は、後述する図1に示す水
処理システム1の曝気槽60以外の構成と同様であるた
め省略する。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、本発明
者らは、窒素成分やリン成分等の環境汚染するおそれの
ある物質の排出基準が強化されてきている状況において
は、上記従来の複数の曝気槽が並列に設置された構成を
有する水処理システムでは、排出される処理後の水の水
質を所定の範囲に十分に調節することが困難となってい
ることを見出した。
【0012】そして、本発明者らは、上記従来の水処理
システムにおいて排出水の水質を所定の範囲に調節する
ことが困難となっているのは、複数の曝気槽にそれぞれ
流入する被処理水の流量が正確に把握されておらず、そ
のために適切な好気性処理が行われていないことが大き
く影響していることを見出した。
【0013】すなわち、上記従来の水処理システムにお
いては、並列に設置された複数の曝気槽のそれぞれに被
処理水を流入させる際にその流量を決定する各曝気槽の
越流式ゲートの開度は、管理者が各曝気槽における被処
理水の水位などを目視により確認し経験に基づいて調節
しており、各曝気槽にそれぞれ流入する被処理水の流量
が正確に把握されていないことが問題であった。
【0014】このように曝気槽に流入する被処理水の流
量が十分に把握されていないと、適切な好気性処理を行
い、排出される処理後の水の水質を所定の範囲に正確に
調節することが困難となる。更に、例えば、曝気槽にエ
アレーション用の空気が過剰に供給された場合には、活
性汚泥中の好気性微生物が自己酸化して、活性汚泥の活
性が低下し、活性汚泥の量が低下する問題や、好気性処
理槽に導入するエアレーションのための空気が大量に無
駄となり、エネルギー損失が増大するという問題が生じ
る。
【0015】本発明は、上記従来技術の有する課題に鑑
みてなされたものであり、複数の曝気槽が並列に設置さ
れていても、外部に排出する処理後の排出水の水質を所
望の成分組成の範囲内に容易かつ精密に調節することが
できる水処理システム及び水処理システムの運転方法を
提供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、並列に設置されて
いる複数の曝気槽の流入口に設けられている各越流式ゲ
ートの上流側の水路に、圧力センサを使用した被処理水
の越流流量の測定機構を設けることにより、各越流式ゲ
ートを越流する被処理水の越流流量を容易かつ精密に測
定することができることを見出し、本発明に到達した。
【0017】すなわち、本発明は、被処理水の流入口を
有しており、流入口から流入する被処理水の好気性処理
を行う複数の曝気槽と、各曝気槽の各流入口にそれぞれ
接続された水路と、各水路の各流入口の近傍にそれぞれ
配置された越流式ゲートと、を有しており、各越流式ゲ
ートのそれぞれには、水路内における被処理水の進行を
遮断できる大きさの面を有しており、前記面が水路の断
面に沿う方向に昇降可能に配置される堰板と、堰板を介
して流入口に対向する水路内の位置に配置される圧力セ
ンサと、圧力センサにより検知される圧力に基づいて前
記水面と圧力センサの配置位置との間の水位差を求め、
該水位差に基づいて堰板を越流する被処理水の流量を求
める流量算出手段と、堰板に接続されており、流量に基
づいて堰板を昇降させることにより越流式ゲートの開度
を調節する開度調節手段と、が備えられていることを特
徴とする水処理システムを提供する。
【0018】圧力センサは、被処理水の水面の状態変化
の影響による測定誤差が少ないので、水路内の被処理水
が堰板を越流する際にその水面が波打っても、その流量
を十分に計測することができる。なお、本明細書におい
ては「堰板を越流する被処理水の流量」を以下「越流流
量」という。また、堰板が有する面の「水路内における
被処理水の進行を遮断できる大きさ」とは、この堰板の
面が水路の断面よりも大きい場合に限らず、例えば、越
流式ゲートに堰板以外に水路内における被処理水の進行
方向に対して略垂直な面(この面の法線方向と被処理水
の進行方向とが略平行)であって水路の断面よりも小さ
な大きさを有する板(以下、固定板という)が固定され
ている場合には、堰板はこの固定板と水路の断面との間
の隙間よりも大きな値を有していればよい。
【0019】そして、堰板を越流する被処理水の流量は
流量算出手段により迅速に把握することができるので、
管理者は開度調節手段を用いて越流式ゲートの開度を迅
速かつ適切に調節して所望の流量に設定することができ
る。そして、各曝気槽において適切な条件のもとで好気
性処理を十分に行うことができる。
【0020】その結果、複数の曝気槽が並列に設置され
ていても、外部に排出する処理後の排出水の水質を所望
の成分組成の範囲内に容易かつ精密に調節することがで
きる。また、各曝気槽において十分な好気性処理を常に
行うことができるので、曝気槽を長期にわたり安定して
作動させることができる。
【0021】また、越流式ゲートに備えられる堰板以外
の圧力センサ、流量算出手段、開度調節手段の部分は極
めてコンパクトかつ低コストで構成することができるの
で、既存の水処理システムを利用して本発明の水処理シ
ステムを容易かつ低コストで構成することができる。
【0022】ここで、本発明の水処理システムにおい
て、「越流式ゲートの開度」とは、「堰板の上端部と越
流式ゲートが設けられている水路の底面との間の距離」
を示す。また、「越流高」とは、「堰板の上端部と該堰
板の上端部を越流する被処理水の水表面との間の距離」
を示す。
【0023】また、本発明は、被処理水の流入口を有し
ており、流入口から流入する被処理水の好気性処理を行
う複数の曝気槽と、各曝気槽の各流入口にそれぞれ接続
された水路と、各水路の各流入口の近傍にそれぞれ配置
された越流式ゲートとを有する水処理システムの運転方
法であって、各越流式ゲートのそれぞれについて、水路
内における被処理水の進行を遮断できる大きさの面を有
する堰板を、前記面が水路の断面に沿う方向に昇降可能
に配置し、各越流式ゲートのそれぞれについて、被処理
水の水面下でありかつ堰板を介して流入口に対向する水
路内の位置に圧力センサを配置し、各越流式ゲートのそ
れぞれについて、圧力センサにより検知される圧力に基
づいて前記水面と圧力センサの配置位置との間の水位差
を求め、該水位差に基づいて堰板を越流する被処理水の
流量を求め、次いで、該流量に基づいて堰板を昇降させ
ることにより、各越流式ゲートの開度をそれぞれ独立に
調節すること、を特徴とする水処理システムの運転方法
を提供する。
【0024】水処理システムを運転する際に、このよう
に圧力センサを用いて各曝気槽の越流式ゲートの越流流
量を正確に把握することにより、複数の曝気槽が並列に
設置されていても、外部に排出する処理後の排出水の水
質を所望の成分組成の範囲内に容易かつ精密に調節する
ことができる。
【0025】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しながら本発明
の水処理システム及び水処理システムの運転方法の好適
な実施形態について詳細に説明する。なお、以下の説明
では、同一または相当部分には同一符号を付し、重複す
る説明は省略する。
【0026】図1は、本発明の水処理システムの好適な
一実施形態の基本構成を概略的に示す系統図である。ま
た、図2は、図1に示した水処理システムに備えられる
曝気槽の流入口の近傍に設置される越流式ゲートの基本
構成の一例を概略的に示す断面図である。更に、図3
は、図1に示した水処理システムの曝気槽に備えられる
流量演算装置の基本構成の一例を概略的に示すブロック
図である。
【0027】図1に示す水処理システム1は、好気性処
理を利用するシステムであり、上流から下流(図示左側
から右側)に向かって、沈砂池10、ポンプ井20、最
初沈殿池30、トラップ40、トラップ50、複数の槽
からなる曝気槽60、最終沈殿池70及び塩素滅菌池8
0を主としてこの順に備えて構成されている。
【0028】図1に示す水処理システム1について説明
すると、沈砂池10は、下水、廃水等の被処理水中の大
きなゴミや土砂を取り除くための池であり、例えば、図
示するように2つの槽11及び槽12とから構成されて
いる。この沈砂池10は、廃水や下水などの被処理水源
と液体供給ラインL10を介して接続されている。そし
て、被処理水は先ず液体供給ラインL10から沈砂池1
0に流入する。
【0029】ここで、沈砂池10と液体供給ラインL1
0との接続部には、導水渠13が設けられており、沈砂
池10の槽11の流入口には越流式ゲートG11が設け
られおり、槽12の流入口には越流式ゲートG12が設
けられている。これにより、液体供給ラインL10から
流入する被処理水は導水渠13内に一旦貯留され、越流
式ゲートG11及び越流式ゲートG12の開度を調節す
ることにより、貯留されたうちの所定量が沈砂池10に
導入されることになる。
【0030】ポンプ井20は、該ポンプ井20の下流側
に配置される水処理システム1の各構成要素に沈砂池1
0から流出される被処理水を供給するために設置される
ものであり、送水ポンプ(図示せず)が備えられてい
る。このポンプ井20と沈砂池10とは、沈砂池10の
槽110の流出口とポンプ井20の流入口とを結ぶ液体
供給ラインL11と、槽120の流出口とポンプ井20
の流入口とを結ぶ液体供給ラインL12を介して接続さ
れている。これにより、沈砂池10から流出される被処
理水は、ポンプ井20に導入され、更に後述の最初沈殿
池30に向けて送出される。
【0031】最初沈殿池30はポンプ井20から供給さ
れる被処理水中の沈みやすい固形物を沈殿分離させるた
めの池であり、例えば、図示するように4つの槽31、
槽32、槽33及び槽34とから構成されている。最初
沈殿池30とポンプ井20とは、ポンプ井20の流出口
と、最初沈殿池30の各槽の各流入口とを結ぶ液体供給
ラインL20を介して接続されている。なお、この場
合、ポンプ井20の流出口に一端を接続された液体供給
ラインL20は、最初沈殿池30に向けてのびるその中
途で4つに分岐し、それぞれの端部が最初沈殿池30の
各槽の各流入口に接続されている。また、液体供給ライ
ンL20には、上述の分岐点から上流側のライン部分に
最初沈殿池30へ導入する被処理水の総流量を計測する
ための流量計R2が設けられている。
【0032】トラップ40は、最初沈殿池30の各槽か
ら流出される被処理水を導入して貯留し、該被処理水中
から沈みやすい固形物を更に沈殿分離させるためのもの
であり、4つの流入口を有する。そして、最初沈殿池3
0の槽31はその流出口とトラップ40の流入口とを結
ぶ液体供給ラインL31によりトラップ40に接続され
ており、同様にして槽32、槽33及び槽34はそれぞ
れ液体供給ラインL32、液体供給ラインL33及び液
体供給ラインL34を介してトラップ40に接続されて
いる。
【0033】また、トラップ40には4つの流出口が設
けられており、各流出口には液体供給ラインL41、L
42、L43及びL44がそれぞれぞれの一端を接続さ
れている。また、液体供給ラインL41〜L44のそれ
ぞれの他端は、後述する曝気槽60の越流式ゲートG6
1、越流式ゲートG62、越流式ゲートG63及び越流
式ゲートG64にそれぞれ接続されている。
【0034】トラップ50は、後述する最終沈殿池70
から汚泥返送ラインL71を介して供給される返送汚泥
(活性汚泥)を、曝気槽60に向けて送出するためのも
のである。このトラップ50は、汚泥返送ラインL71
を介して最終沈殿池70と接続されている。
【0035】また、トラップ50にも4つの流出口が設
けられており、各流出口には液体供給ラインL51、L
52、L53及びL54がそれぞれぞれの一端を接続さ
れている。また、液体供給ラインL51〜L54のそれ
ぞれの他端は、後述する曝気槽60の越流式ゲートG6
1A(図示せず)、越流式ゲートG62A(図示せず)、
越流式ゲートG63(図示せず)A及び越流式ゲートG
64A(図示せず)にそれぞれ接続されている。
【0036】曝気槽60は、活性汚泥と空気を用いて被
処理水の好気性処理を行うためのものであり、図示のよ
うに、4つの槽61、槽62、槽63及び槽64から構
成されている。また、この曝気槽60を構成する各槽の
流入口の近傍には、先に述べた越流式ゲートG61、越
流式ゲートG62、越流式ゲートG63及び越流式ゲー
トG64がそれぞれ設けられている。この曝気槽60と
トラップ40とは、4本の液体供給ラインL41〜L4
4を介して接続されている。
【0037】更に、この曝気槽60を構成する各槽の流
入口の近傍には、先に述べた越流式ゲートG61A〜G
64A(何れも図示せず)がそれぞれ設けられている。
この曝気槽60とトラップ50とは、4本の液体供給ラ
インL51〜L54を介して接続されている。
【0038】また、曝気槽60の外部にはブロアB1が
配置されている。そして、このブロアB1には、外部か
ら空気を吸入するための空気吸入ラインL60と、ブロ
アB1から吐出される空気を曝気槽60に使用するエア
レーション用の空気として供給するための空気供給ライ
ンL61とが接続されている。
【0039】更に、空気供給ラインL61はその中途に
おいて4本の空気供給ライン(図示せず)に分岐してお
り、これらの空気供給ラインは曝気槽60の4つの槽6
1、槽62、槽63及び槽64にそれぞれ接続されてい
る。
【0040】また、曝気槽60のそれぞれには、各槽内
の活性汚泥を含む被処理水をブロアB1から供給される
空気を用いて撹拌することのできる構成を有する散気装
置(図示せず)が配置されている。そして、被処理水
は、曝気槽60に順次供給され、好気性処理が施され
る。ここで、曝気槽60の4つの槽61、槽62、槽6
3及び槽64に供給される被処理水には活性汚泥が混入
されている。このような活性汚泥としては、例えば、曝
気槽60が生物学的脱窒法の硝化工程に用いられる場合
には硝化細菌を含む活性汚泥が混入されている。
【0041】更に、曝気槽60の4つの槽61、槽6
2、槽63及び槽64の流出口には、曝気槽60におい
て好気性処理を行った後の被処理水を最終沈殿池70に
向けて流出させるための越流式ゲートG65、越流式ゲ
ートG66、越流式ゲートG67及び越流式ゲートG6
8が設けられている。
【0042】また、曝気槽60の後段には4つの槽7
1、槽72、槽73及び槽74から構成される最終沈殿
池70が配置されている。更に、曝気槽60と最終沈殿
池70との接続部には、導水渠75が設けられている。
そして、最終沈殿池70の槽71の流入口には越流式ゲ
ートG71が設けられおり、槽72の流入口には越流式
ゲートG72が設けられおり、槽73の流入口には越流
式ゲートG73が設けられおり、槽74の流入口には越
流式ゲートG74が設けられている。
【0043】これにより、曝気槽60から流出される被
処理水は導水渠75内に一旦貯留され、越流式ゲートG
71、越流式ゲートG72、越流式ゲートG73及び越
流式ゲートG74の開度を調節することにより、貯留さ
れたうちの所定量が最終沈殿池70に導入されることに
なる。そして、最終沈殿池70には導水渠75から曝気
槽60における好気性処理後の活性汚泥を含む被処理水
が供給され、ここで、上澄みの被処理水と活性汚泥とに
分離される。
【0044】更に、最終沈殿池70の4つの槽71、槽
72、槽73及び槽74の流出口には、最終沈殿池70
において活性汚泥と分離された後の被処理水を塩素滅菌
池80に向けて流出させるための越流式ゲートG75、
越流式ゲートG76、越流式ゲートG77及び越流式ゲ
ートG78が設けられている。
【0045】また、最終沈殿池70の後段には液体供給
ラインL70を介して滅菌池80が配置されている。ま
た、最終沈殿池70と液体供給ラインL70との接続部
には、放流渠76が設けられている。これにより、最終
沈殿池70から流出される被処理水は放流渠76内に一
旦貯留され、越流式ゲートG75、越流式ゲートG7
6、越流式ゲートG77及び越流式ゲートG78の開度
を調節することにより、貯留されたうちの所定量が滅菌
池80に導入されることになる。
【0046】滅菌池80は、最終沈殿池70において活
性汚泥から分離された被処理水に塩素などの添加剤を添
加し、消毒と滅菌を行うための池である。そして、最終
沈殿池70において活性汚泥から分離された被処理水
は、液体供給ラインL70を介して滅菌池80に供給さ
れ、そこで消毒と滅菌をされた後、河川などに放流され
る。
【0047】また、最終沈殿池70の4つの槽71、槽
72、槽73及び槽74のそれぞれには、汚泥返送ライ
ンL71の4つに分岐した一端(図示せず)が接続され
ており、汚泥返送ラインL71の他端はトラップ50に
接続されており、汚泥返送ラインL71上には、汚泥返
送ポンプP1が設けられている。そして、最終沈殿池7
0において沈殿分離された活性汚泥が曝気槽60に返送
され再び利用される構成となっている。
【0048】更に、沈殿池30には、沈殿分離された活
性汚泥のうち曝気槽60に返送しない余分な活性汚泥を
汚泥処理施設(図示せず)に供給するための余剰汚泥供
給ライン(図示せず)が接続されている。なお、汚泥処
理施設は、活性汚泥を減量化する施設であり、例えば、
汚泥濃縮槽、汚泥消化槽、汚泥脱水機などから構成され
る。また、最初沈殿池を設ける場合には、この最初沈殿
池において分離される沈殿物も汚泥処理施設に供給する
構成としてもよい。
【0049】次に、図2及び図3を参照しながら、曝気
槽60の4つの槽61、槽62、槽63及び槽64の流
入口の近傍に設置される越流式ゲートG61、越流式ゲ
ートG62越流式ゲートG63及び越流式ゲートG64
の基本構成の一例を説明する。
【0050】なお、越流式ゲートG61、越流式ゲート
G62越流式ゲートG63及び越流式ゲートG64の基
本構成は同様なので、以下の説明においては、越流式ゲ
ートG61について説明する。図2は、曝気槽60の槽
61の側からみた越流式ゲートG61及びこれに接続さ
れた液体供給ラインL41の断面を示している。
【0051】図2に示す越流式ゲートG61は、堰板9
0と、圧力センサS61と、流量算出手段93と、開度
調節手段96とから構成されている。
【0052】堰板90は、液体供給ラインL41(水
路)内における被処理水Wの進行を遮断できる大きさの
面を有しており、この面が液体供給ラインL41の断面
に沿う方向に昇降可能に配置される。より具体的には、
図2に示す越流式ゲートG61の場合、液体供給ライン
L41は断面が矩形状の管であり、堰板90はこの液体
供給ラインL41の断面と同様の矩形状の面を有してい
る。そして、堰板90はその矩形状の面の法線方向が液
体供給ラインL41の中心軸の方向(被処理水Wの進行
方向)に略垂直となるように配置されている。
【0053】圧力センサS61は、曝気槽60の槽61
の流入口に堰板90を介して対向する液体供給ラインL
41(堰板90から上流側の液体供給ラインL41)内
の被処理水Wの水面下の位置に配置される。より具体的
には、図2に示す越流式ゲートG61の場合、圧力セン
サS61は、堰板90から上流側の液体供給ラインL4
1に面する堰板90の矩形状の面の外延部のうち上端部
の中央に隣接して配置されている。この圧力センサS6
1は特に限定されるものではなく、例えば、半導体圧力
センサであってもよく、超音波式圧力センサであっても
よい。
【0054】圧力センサS61は、被処理水Wの水面の
状態変化の影響による測定誤差が少ないので、液体供給
ラインL41内の被処理水が堰板90を越流する際にそ
の水面が波打っても、その越流流量を十分に計測するこ
とができる。
【0055】流量算出手段93は、圧力センサS61に
より検知される圧力に基づいて水面と圧力センサの配置
位置との間の水位差を求め、該水位差に基づいて堰板9
0を越流する被処理水Wの流量(越流流量)Qを求める
ためのものである。この流量算出手段93は、流量演算
装置91とモニタ92とから構成されている。
【0056】流量演算装置91は、CPU3と、これに
バス7を介して電気信号を出入力可能に接続されたRO
M5及びRAM4とを有する。CPU3は、マイクロプ
ロセッサ等からなり、各種演算処理を行う。また、RO
M5には、演算処理のためのプログラムが予め記憶され
ており、RAM4は、演算処理の際に各種データを読み
書きするために用いられる。
【0057】また、CPU3には圧力センサS61とモ
ニタ92とがバス7を介して電気信号を出入力可能に接
続されている。そして、CPU3には圧力センサS61
から送出される検出信号が与えられ、モニタ92には、
CPU3の演算処理によって生成された信号が与えられ
る構成となっている。
【0058】更に、流量演算装置91は、記憶装置6を
有し、この記憶装置6もCPU391とバス7を介して
電気信号を出入力可能に接続されている。この記憶装置
6には、圧力センサS61により検知される圧力に基づ
いて液体供給ラインL41内の被処理水の水面と圧力セ
ンサS61の配置位置との間の水位差を算出し、この水
位差を利用して越流高Δh1を算出するためのデータが
記憶されている。
【0059】なお、先に述べたように、「越流高Δh
1」とは、「堰板90の上端部と該堰板90の上端部を
越流する被処理水Wの水表面との間の距離」を示す。
【0060】すなわち、記憶装置6には、圧力センサS
61により検知される圧力に基づいて液体供給ラインL
41内の被処理水の水面と圧力センサS61の配置位置
との間の水位差を算出するためのデータと、この水位差
を利用して越流高Δh1を求めるためのデータと、この
越流高Δh1利用して越流流量Qを求めるためのデータ
とが記憶されている。
【0061】これらのデータは、圧力センサS61の検
出信号を受け取ったCPU3に読み出される。そして、
CPU3は、ROM5に記憶された演算処理のためのプ
ログラムを読み出し、RAM4上で、記憶装置6から読
み出された上述のデータをROM5に記憶された演算処
理のためのプログラムに基づいて処理し、越流高Δh1
を算出する。次に、CPU3は、越流高Δh1の値をモ
ニタ92に表示するための信号を生成し、モニタ92に
送出する。
【0062】ここで、越流高Δh1から越流流量Qの算
出するためのデータは、例えば、理論計算や実流試験な
どの実験データなどに基づいて定めることができる。す
なわち、越流高Δh1から越流流量Qの算出するための
データは越流高Δh1を変化させたときの越流流量Qの
変化を測定し、越流流量Qの越流高Δh1に対する依存
性を示す関係を示すテーブルを作成することなどによ
り、予め得ることができる。
【0063】また、例えば、越流流量Qに対して液体供
給ラインL41内の水量が非常に多く、堰板90の開度
Δh2を変化させたときの液体供給ラインL41内の水
位(堰板90よりも上流の水位)Δh3の変化が非常に
小さい場合には、下記式(1)で表される関係が成立す
るのでこれを利用してもよい。 Q=(2/3)C(2g)1/2B(Δh1)3/2 ・・・(1)
【0064】ここで、式(1)中、Cは流出係数、gは
重力加速度、Bは液体供給ラインL41の幅を示す。こ
こで、流出係数Cは、実流試験によって実験的に求める
ことができる。
【0065】開度調節手段96は、流量演算装置91に
より算出され、モニタ92により表示される被処理水の
流量(越流流量)Qに基づいて堰板90を昇降させるこ
とにより越流式ゲートG61の開度Δh2を調節するた
めのものである。なお、先に述べたように、「越流式ゲ
ートG61の開度Δh2」とは、「堰板90の上端部と
越流式ゲートG61が設けられている液体供給ライン
(水路)L41の底面との間の距離」を示す。
【0066】この開度調節手段96は、一端を堰板90
に接続されておりねじやまが長手方向にらせん状に形成
された棒状の軸ねじ95と、この軸ねじ95の他端が図
示しないギア(笠歯車)を介して接続されており、この
軸ねじ95をギア(笠歯車)を介して回転させることに
より堰板90を昇降させる逆回転可能なモータを有する
モータ駆動部94と、モータ駆動部94のモータを駆動
させるための電源(図示せず)と、モータの起動と停止
を行うための電源スイッチ(図示せず)と有している。
【0067】なお、この水処理システム1の場合、例え
ば、各越流式ゲートを越流する被処理水の流量に基づい
て、ブロアB1から曝気槽の各槽に供給する空気の量を
最適値に調節する制御機構を更に設けてもよい。
【0068】また、槽62、槽63及び槽64にも上記
の圧力センサS61と同様の圧力センサがそれぞれ備え
られている。すなわち、槽62には圧力センサS62が
備ええられており、槽63には圧力センサS63が備え
えられており、槽64には圧力センサS64が備ええら
れている。そして、図3に示すように、これらの圧力セ
ンサS62、圧力センサS63及び圧力センサS64も
それぞれ圧力センサS61の接続された流量演算装置9
1のCPU3にバス7を介して接続されている。
【0069】この場合、記憶装置6には、圧力センサS
62、圧力センサS63及び圧力センサS64によりそ
れぞれ検知される圧力に基づいて液体供給ラインL41
内の被処理水の水面と圧力センサS62、圧力センサS
63及び圧力センサS64のそれぞれの配置位置との間
の水位差を算出し、これらの水位差を利用して槽62に
おける越流式ゲートG62の越流高Δh1、槽63にお
ける越流ゲートG63の越流高Δh1及び槽64におけ
る越流ゲートG64の越流高Δh1をそれぞれ算出する
ためのデータも記憶されている。
【0070】更にこの場合にはモニタ92にも、槽61
のみの越流流量だけでなく、槽62、槽63及び槽64
における越流流量を独立に表示できる構成とされる。た
だし、この場合にも開度調節手段96は槽61、槽6
2、槽63及び槽64にそれぞれ個別に設けられてい
る。
【0071】また、被処理水の水質や液体供給ラインL
41の大きさ等の条件により、越流流量Qが越流高Δh
1だけでなく水位Δh2の変化にも依存する場合には、
開度調節手段96に、モータ駆動部94の下部の軸ねじ
95の長さを検知する検知部(図示せず)を必要に応じ
て設けてもよい。そしてこの場合、検知部(図示せず)
と流量演算装置91のCPU3とをバス7を介して接続
する。
【0072】次に、この水処理システム1の運転方法に
ついて説明する。この水処理システム1の運転する場
合、曝気槽60以外の構成要素の運転方法は従来の水処
理システムと同様に運転することができる。従って、以
下の説明においては、曝気槽60の運転方法の一例につ
いて説明する。
【0073】先ず、流量演算装置91、モニタ92及び
開度調節手段96をそれぞれ起動する。そして、流量演
算装置91のCPU3は、圧力センサS61〜S64に
それぞれ駆動信号を送出し、これらを起動させる。ま
た、このとき、各槽61〜槽64における各越流式ゲー
トG61〜G64の開度は、それぞれに接続される液体
供給ラインL41〜L44の大きさや予め想定されてい
る流入する被処理水の平均流量等の設計条件により所定
の大きさが予め設定されている。
【0074】次に、実際に被処理水がトラップ40から
放出され、更に液体供給ラインL41〜L44内を移動
し、各槽61〜槽64における各越流式ゲートG61〜
G64に達すると、圧力センサS61〜S64からそれ
ぞれの配置位置において検知される圧力の検出信号がC
PU3に送出される。
【0075】次に、圧力センサS61〜S64の検出信
号を受け取ったCPU3は、記憶装置6にアクセスし、
例えば、越流式ゲートG61については以下のように作
動する。
【0076】すなわち、CPU3は、記憶装置6にアク
セスし、液体供給ラインL41内の被処理水の水面と圧
力センサS61の配置位置との間の水位差を算出するた
めのデータと、この水位差を利用して越流高Δh1を求
めるためのデータと、この越流高Δh1利用して越流流
量Qを求めるためのデータを読み出す。
【0077】更に、CPU3は、ROM5に記憶された
演算処理のためのプログラムを読み出し、RAM4上
で、記憶装置6から読み出された上述のデータをROM
5に記憶された演算処理のためのプログラムに基づいて
処理し、越流式ゲートG61における越流高Δh1を算
出する。次に、CPU3は、越流高Δh1の値をモニタ
92に表示するための信号を生成し、モニタ92に送出
し、その越流高Δh1の値を表示する。
【0078】そして、CPU3は、越流式ゲートG6
2、越流式ゲートG63及び越流式ゲートG64につい
ても上述の越流式ゲートG61と同様の処理を行い、越
流式ゲートG62〜G64についての越流高Δh1の値
をモニタ92に表示する。
【0079】次に、管理者がモニタ92に表示された越
流式ゲートG61〜G64のそれぞれにおける越流高Δ
h1の値を確認する。そして、管理者は、開度調節手段
96のモータ駆動部94のモータを作動させて越流式ゲ
ートG61〜G64に設けられている堰板90をそれぞ
れ独立に昇降させて各越流式ゲートG61〜G64の開
度Δh2を独立に調節する。
【0080】このとき、各越流式ゲートG61〜G64
の開度Δh2は、槽61〜槽64のそれぞれに流入する
被処理水の越流流量が、曝気槽60の槽61〜槽64の
それぞれに対して供給されるエアレーション用の空気の
供給量に対して最適となるように調節される。この結
果、槽61〜槽64において十分な好気性処理を行うこ
とができ、曝気槽60を長期にわたり安定して作動させ
ることができる。また、曝気槽60から排出される水の
水質を所定の範囲に迅速にしかも容易かつ確実に調節す
ることができる。
【0081】また、このとき、管理者は、必要に応じ
て、開度調節手段96を作動させることに加えて、ブロ
アB1から曝気槽60の槽61〜槽64にそれぞれ供給
するエアレーション用の空気の供給量を、槽61〜槽6
4のそれぞれに流入する被処理水の越流流量に対して最
適となる所定の値に調節してもよい。その結果、槽61
〜槽64において十分な好気性処理を容易かつ確実に行
うことができる。
【0082】以上、本発明をその実施形態に基づき具体
的に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるも
のではない。
【0083】例えば、上記の実施形態においては、図1
に示したように、複数の曝気槽を用いて好気性処理を行
う水処理システム及びその運転方法について説明した
が、本発明の水処理システムはこれに限定されるもので
はなく、例えば、嫌気性処理と好気性処理を併用する水
処理システムであってもよい。従って、例えば、図1に
示した水処理システム1において、曝気槽60と、最終
沈殿池70との間に、嫌気性処理槽を更に配置させても
よい。
【0084】また、上記の実施形態においては、図2に
示したように圧力センサを堰板に隣接して配置させた場
合の水処理システム及びその運転方法について説明した
が、本発明の水処理システム及びその運転方法において
圧力センサの配置位置は、堰板を介して流入口に対向す
る水路内の位置であって、被処理水の圧力を検知できる
位置であれば特に限定されるものではなく、使用する圧
力センサの特性に応じて適宜最適な位置を選択すればよ
い。
【0085】例えば、水路の内壁面に隣接して配置され
ていてもよい。例えば、圧力センサとして半導体圧力セ
ンサを使用した場合には、圧力センサの配置位置は被処
理水の水面下の位置であり、圧力センサとして超音波式
センサを使用した場合には、圧力センサの配置位置は被
処理水の水面上部の位置である。
【0086】また、棒やバイプ等を用いて、これらの一
端を水路の内壁面に接続し、他端を圧力センサに接続し
て、圧力センサを上述の条件を満たす配置位置に固定し
てもよい。なお、この場合、堰板と圧力センサとの距離
は、使用する圧力センサの測定誤差が許容できる範囲に
抑制されるように設定する。
【0087】更に、図1に示した上記の水処理システム
1において、最終沈殿池70に、汚泥返送ラインL71
とは別の汚泥返送ラインの一端を更に接続し、その他端
をトラップ50に接続し、汚泥返送ラインL71上に送
水ポンプP1を更に設けた構成としてもよい。
【0088】また、例えば、図1に示した上記の水処理
システム1においては、曝気槽60の各槽に設置される
各圧力センサにおいて検知される情報は、1つの流量演
算装置91を用いて処理し、更に1つのモニタ92に表
示させる構成を有する場合について説明したが、本発明
の水処理システムはこれに限定されるものではなく、例
えば、流量演算装置及び/又はモニタを各槽毎に設ける
構成を有していてもよい。
【0089】更に、図1に示した上記の水処理システム
1においては、液体供給ラインL41〜L44に、圧力
センサ、演算装置及びモニタを備えた越流式ゲートG6
1〜G64を配置する構成を有する場合について説明し
たが、例えば、液体供給ラインL51〜L54について
も、それぞれの越流式ゲートG61A〜G64Aに圧力
センサ、演算装置及びモニタをそれぞれ備えてもよい。
【0090】
【実施例】以下、実施例及び比較例を挙げて本発明の水
処理システム及び水処理システムの運転方法について更
に詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限
定されるものではない。
【0091】(実施例1)図2に示したものと同様の構
成を有する越流式ゲートを備えた曝気槽を製造し、図1
に示したものと同様の構成を有する水処理システムを構
成した。ただし、実際の運転を行う場合には、曝気槽を
構成する4つの槽のうち2つの槽(図1における槽62
及び槽63)のみを使用した。
【0092】なお、曝気槽の各槽の容積は全て1380
3であった。また、各槽に接続された水路(図1にお
ける液体供給ラインL41〜L44)は内部の断面の形
状が矩形状であり、その内部の断面の大きさは、1.0
m(縦)×0.5m(横)であった。更に、越流式ゲー
トの矩形状の堰板の大きさは、0.4m(縦)×0.3
5m(横)であった。
【0093】そして、曝気槽全体に供給する被処理水の
全供給量を90〜252m3/hの間で変化させ、水処
理システムの運転を2日間行った。
【0094】ここで、水処理システムの運転を開始する
前の2つの槽の越流式ゲートの開度Δh2は、それぞれ
137mmと同じ値とした。なお、この越流式ゲートの
開度Δh2はそれぞれにおける越流流量が126m3
hとなるように、設計条件から予め設定された値であ
る。
【0095】水処理システムの運転を開始すると、2つ
の槽のうちの一方において一時間毎に計測される越流流
量は52〜135m3/hの範囲で変化し、2つの槽の
うちの残りの一方において一時間毎に計測される越流流
量は37〜116m3/hの範囲で変化した。すなわ
ち、同じ設計条件で製造された越流式ゲート及び水路で
あり、設計条件から同じ越流流量となるように越流式ゲ
ートの開度Δh2を予め調節しても、実際には、越流流
量の少ない越流式ゲートに対して越流流量の多い越流式
ゲートは、116〜140%程度で越流流量に差異が発
生することがわかった。
【0096】ただし、この水処理システムにおいては、
一時間毎に計測される越流流量に基づいて、管理者が一
時間毎に2つの越流式ゲートの開度Δh2をエアレーシ
ョン用の空気の供給量に対して最適値となるように調節
したので、水処理システムから外部に排出する水の水質
を所定の範囲内に保つことができた。
【0097】なお、上記の水処理システムの運転におい
ては、被処理水としては下水を使用した。また、窒素除
去を目的としたいわゆる高濃度処理のため、2つの槽に
供給されるエアレーション用の空気の供給量はそれぞれ
流入下水量の5倍とした。
【0098】(比較例1)堰板とこれに接続された手動
式の昇降機構のみを有する越流式ゲートを備えた曝気槽
を製造し、図4に示す構成を有する水処理システム2を
構成した。なお、この水処理システム2は、圧力セン
サ、演算装置及びモニタを備えていない越流式ゲートを
有すること、及び、曝気槽と水路との接続部に導水渠
(図4における曝気槽600と液体供給ラインL410
〜L440との接続部に設けられる導水渠650)が設
けられていること以外は実施例1と同様の構成を有す
る。
【0099】そして、実施例1と同様の運転条件のもと
でこの水処理システムの運転をおこなった。その結果、
水処理システムから外部に排出する水の水質を所定の範
囲内に保つことができなかった。特に、各越流式ゲート
毎の流入下水(被処理水)量を正確に把握できず、流入
水のBODの値やアンモニア態窒素(NH4−N)の値
が各越流式ゲート毎に流入する流入下水全てについて同
一とみなして水処理システムを運転したため、空気供給
量が不足して、アンモニア態窒素(NH4−N)の値を
処理基準となる1.0mg/L未満に保つことができな
かった。
【0100】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の水処理シ
ステム及び水処理システムの運転方法によれば、複数の
曝気槽が並列に設置されていても、外部に排出する処理
後の排出水の水質を所望の成分組成の範囲内に容易かつ
精密に調節することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の水処理システムの好適な一実施形態の
基本構成を概略的に示す系統図である。
【図2】図1に示した水処理システムに備えられる曝気
槽の流入口の近傍に設置される越流式ゲートの基本構成
の一例を概略的に示す断面図である。
【図3】図1に示した水処理システムの曝気槽に備えら
れる流量演算装置の基本構成の一例を概略的に示すブロ
ック図である。
【図4】従来の水処理システムの一例の基本構成を概略
的に示す系統図である。
【符号の説明】
1・・・水処理システム、6・・・記憶装置、7・・・バス、1
0・・・沈砂池、11,12・・・沈砂池10の槽、13・・・
導水渠、20・・・ポンプ井、30・・・最初沈殿池、31,
32,33,34・・・最初沈殿池30の槽、40・・・トラ
ップ、50・・・トラップ、60・・・曝気槽、61,62,
63,64・・・曝気槽60の槽、70・・・最終沈殿池、7
1,72,73,74・・・最終沈殿池の槽、75・・・導水
渠、76・・・放流渠、80・・・塩素滅菌池、90・・・堰
板、91・・・流量演算装置、92・・・モニタ、93・・・流
量算出手段、94・・・モータ駆動部、95・・・軸ねじ、9
6・・・開度調節手段、B1・・・ブロア、G11,G12・・
・越流式ゲート、G61,G62,G63,G64・・・曝
気槽60の流入口側の越流式ゲート、G65,G66,
G67,G68・・・曝気槽60の流出口側の越流式ゲー
ト、G71,G72,G73,G74,G75,G7
6,G77,G78・・・越流式ゲート、L10・・・液体供
給ライン、L11・・・液体供給ライン、L12・・・液体供
給ライン、L20・・・液体供給ライン、L31・・・液体供
給ライン、L32・・・液体供給ライン、L33・・・液体供
給ライン、L34・・・液体供給ライン、L41,L42,
L43,L44・・・液体供給ライン、L51,L52,L5
3,L54・・・液体供給ライン、L60・・・空気吸入ライ
ン、L61・・・空気供給ライン、L70・・・液体供給ライ
ン、L71・・・汚泥返送ライン、P1・・・送水ポンプ、R
1,R2・・・流量計、S61,S62,S63,S64・
・・圧力センサ、W・・・被処理水。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被処理水の流入口を有しており、前記流
    入口から流入する前記被処理水の好気性処理を行う複数
    の曝気槽と、 前記各曝気槽の前記各流入口にそれぞれ接続された水路
    と、 前記各水路の前記各流入口の近傍にそれぞれ配置された
    越流式ゲートと、を有しており、 前記各越流式ゲートのそれぞれには、 前記水路内における前記被処理水の進行を遮断できる大
    きさの面を有しており、前記面が前記水路の断面に沿う
    方向に昇降可能に配置される堰板と、 前記堰板を介して前記流入口に対向する前記水路内の位
    置に配置される圧力センサと、 前記圧力センサにより検知される圧力に基づいて前記水
    面と前記圧力センサの配置位置との間の水位差を求め、
    該水位差に基づいて前記堰板を越流する前記被処理水の
    流量を求める流量算出手段と、 前記堰板に接続されており、前記流量に基づいて前記堰
    板を昇降させることにより前記越流式ゲートの開度を調
    節する開度調節手段と、が備えられていることを特徴と
    する水処理システム。
  2. 【請求項2】 前記圧力センサが前記堰板に隣接して配
    置されていることを特徴とする請求項1に記載の水処理
    システム。
  3. 【請求項3】 前記圧力センサが前記水路の内壁面に隣
    接して配置されていることを特徴とする請求項1に記載
    の水処理システム。
  4. 【請求項4】 前記圧力センサが半導体圧力センサであ
    ることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の水処
    理システム。
  5. 【請求項5】 前記圧力センサが超音波式圧力センサで
    あることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の水
    処理システム。
  6. 【請求項6】 被処理水の流入口を有しており、前記流
    入口から流入する前記被処理水の好気性処理を行う複数
    の曝気槽と、前記各曝気槽の前記各流入口にそれぞれ接
    続された水路と、前記各水路の前記各流入口の近傍にそ
    れぞれ配置された越流式ゲートとを有する水処理システ
    ムの運転方法であって、 前記各越流式ゲートのそれぞれについて、前記水路内に
    おける前記被処理水の進行を遮断できる大きさの面を有
    する堰板を、前記面が前記水路の断面に沿う方向に昇降
    可能に配置し、 前記各越流式ゲートのそれぞれについて、前記被処理水
    の水面下でありかつ前記堰板を介して前記流入口に対向
    する前記水路内の位置に圧力センサを配置し、 前記各越流式ゲートのそれぞれについて、前記圧力セン
    サにより検知される圧力に基づいて前記水面と前記圧力
    センサの配置位置との間の水位差を求め、該水位差に基
    づいて前記堰板を越流する前記被処理水の流量を求め、
    次いで、該流量に基づいて前記堰板を昇降させることに
    より、前記各越流式ゲートの開度をそれぞれ独立に調節
    すること、を特徴とする水処理システムの運転方法。
JP2002054061A 2002-02-28 2002-02-28 水処理システム及び水処理システムの運転方法 Pending JP2003251385A (ja)

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