以下、本発明に係る排水処理装置及び排水処理方法について詳細に説明する。
図1は本発明に係る第1の実施形態の排水処理装置のブロック図を示す。この排水処理装置は、例えば排水処理量5万m3/日以上の大規模排水処理場を想定しており、最初沈殿池1、好気性反応タンク2、最終沈殿池3から構成される基本的に同一構成の水路W(W1,W2・・・)が、並列偶数の複数列(例えば2列、4列、6列、8列、10列等)設置されている。
以下の説明において、各水路を特定する場合は、水路W1,W2等の符号を用い、水路を特定しない場合はWの符号を用いる。また、各水路Wを構成する部材(例えば好気性反応タンク2、散気装置5A等)について水路を特定しない場合は「2」、「5A」等の符号を用い、各水路を特定する場合は「21,22等、5A1等」の添字を用いる(他の構成部材も同様)。
また、各水路W1,W2・・・の各散気装置5A,5B,5C等に送風するための送風機10は、複数の水路W1,W2・・・に共通に設けられており、この共通の送風機10から各水路W1,W2の各送気管81,82・・・を介して上記各水路W1,W2・・・の各好気性反応タンク21,22・・・の各散気装置5A1,5B1,5C1、5A2,5B2,5C2・・・に空気が送風される。尚、送風機10は、例えば送風に供される1台のターボ形送風機、或いは、並列に接続された送風に供される2台又は3台以上の複数台のターボ形送風機から構成される設備をいう。従って、以下の説明において、1台のターボ形送風機、或いは、並列に接続された2台又は3台以上の複数台のターボ形送風機により所定の風量(例えば後述の風量「18」、風量「21」等)の送風を実現する設備を送風機10という。
また、水路W1の好気性反応タンク21を「基準制御タンク」、他の水路W2,W3・・・以降の全ての好気性反応タンク22,23,24・・・を「従属制御タンク」という。
そして、上記基準制御タンクとしての好気性反応タンク21にのみ、負荷濃度確認センサ(例えばアンモニアセンサ)Aと溶存酸素濃度センサDが設けられる。各水路Wの構成については、水路W1に上記センサAとDが設けられているだけで、それ以外は同一なので、以下、水路W1の構成の説明を中心に行い、他の水路W2,W3・・・等の説明は必要に応じて添え字を用いて行う。
また、本説明において、硝酸とは、硝酸(NO3)、亜硝酸(NO2)、硝酸性窒素(NO3−N)、亜硝酸性窒素(NO2−N)、硝酸性窒素と亜硝酸性窒素との集合、硝酸と亜硝酸とを共に示すNOxをも意味する呼称である。また、アンモニアとは、アンモニアと共にアンモニア性窒素を意味する呼称である。また、アンモニア濃度は、アンモニア(NH3)及びアンモニア性窒素(NH4−N)の何れの濃度をも意味する呼称である。また、硝酸濃度は、硝酸、亜硝酸、硝酸性窒素、亜硝酸性窒素、硝酸性窒素と亜硝酸性窒素との集合、硝酸と亜硝酸とを共に示すNOxの、何れの濃度も意味する呼称である。
上記各好気性反応タンク2の上流側には、最初沈殿池1が設けられており、原水は最初沈殿池1に流入し、沈殿後の処理水が好気性反応タンク2に流入するように構成されている。尚、最初沈殿池11,12・・・の上流側には、流入する水量を測定するための流入水量計41,42・・・が各水路毎に設けられている。
上記好気性反応タンク2は押し出し流れ型の反応タンクであり、処理水は上流側から下流側(矢印M方向)への流れが形成される。これらの好気性反応タンク2の底部には複数の散気装置5(5A,5B,5C)が設けられており、散気装置5から空気をタンク2内に送り込み、大量の空気散気量での曝気と、少量の空気散気量での微曝気の繰り返しからなる間欠曝気動作が行われ、当該好気性反応タンク2内において、微生物が処理水中の有機物を分解すると共に、処理水に含まれる窒素の除去が行われる。
ここで曝気時間と微曝気時間は同一時間とし、曝気と微曝気時間との合計時間を一周期Tとする。また曝気時は一方の好気性反応タンク21の好気槽2A1,2B1,2C1において、何れの槽においても同じ「曝気」をT/2時間継続し(好気槽2A1=曝気、2B1=曝気、2C1=曝気)、その後、上記好気槽2A1,2B1,2C1において、何れの槽においても同じ「微曝気」をT/2時間継続する(2A1=微曝気、2B1=微曝気、2C1=微曝気)、という周期Tの間欠曝気動作を繰り返し行う(図8(a)参照)。
また、間欠曝気動作は、例えば水路W1の上記基準制御タンク(一方の好気性反応タンク21)が曝気(T/2周期、例えば空気散気量「5」)、微曝気(T/2周期、例えば空気散気量「1」)・・のタイミングにおいて、水路W2の従属制御タンク(他方の好気性反応タンク22)では微曝気(T/2周期)、曝気(T/2周期)・・・のタイミング、即ち、水路W1の好気性反応タンク21と水路W2の好気性反応タンク22では曝気と微曝気のタイミングが逆転(逆位相)する制御が行われる(図8水路W1、水路W2参照)。
この関係は水路Wが増加しても同じであり、2水路を一組とする一対の好気性反応タンク(例えば水路W3とW4における一方の好気性反応タンク23と他方の好気性反応タンク24、水路W5とW6における一方の好気性反応タンク25と他方の好気性反応タンク26)においても、相互に逆転のタイミングで曝気と微曝気とが行われる。ここで、水路W1の基準制御タンクの間欠曝気動作を「正相間欠曝気動作」、これと曝気、微曝気のタイミングが逆位相の間欠曝気動作を「逆相間欠曝気動作」と呼ぶ。よって、奇数番目の水路(W1,W3,W5・・・)の好気性反応タンクは正相間欠曝気動作、偶数番目の水路(W2,W4,W6・・・)の好気性反応タンクは、正相間欠曝気動作と同一周期、かつ、同一タイミングで逆相間欠曝気動作が行われることになる。
また、正相間欠曝気動作を行う基準制御タンク及び正相間欠曝気動作を行う従属制御タンクを「一方の好気性反応タンク」と呼び、逆相間欠曝気動作を行う従属制御タンクを「他方の好気性反応タンク」と呼ぶ。また、正相間欠曝気動作を行う各一方の好気性反応タンクの弁開閉駆動手段を各一方の弁開閉駆動手段、逆相間欠曝気動作を行う各他方の好気性反応タンクの弁開閉駆動手段を各他方の弁開閉駆動手段と呼ぶ。
上記好気性反応タンク2内において有機物及び窒素の除去が行われた排水は最終沈殿池3に送られ、排水に含まれる微生物フロックが排水から沈殿分離され、上記沈殿分離された微生物フロックの一部が返送汚泥配管61,62・・・を介して上記好気性反応タンク2の最上流槽(好気槽2A1,2A2・・・)に返送され、生物学的窒素除去に再び供される。上記沈殿後の上澄みである処理水は最終沈殿池3から図示しない接触タンクに送られ、当該接触タンクにて消毒され、最終的に河川等に放流される。
上記水路Wの好気性反応タンク2は、複数の好気槽2A,2B,2Cに分割されている。本実施形態では3つの好気槽に分割されている場合を示すが、分割される数は4分割、5分割等、任意であり、分割されていなくても良い。また、各好気槽2A,2B,2C間の仕切壁7は、あってもなくても良いが、仕切壁7を設ける場合は、各仕切壁7の例えば上側又は下側を通って処理水が下流側に流通するように設置する。
上記好気性反応タンク2の各好気槽2A,2B,2C内の底部には上記散気装置5(5A〜5C)が設けられている。この散気装置5は、上記各好気槽2A,2B,2Cの底部全域に亘る1つの散気装置5を設けても良いし、各好気槽2A,2B,2C毎に独立した散気装置5A,5B,5Cを設けても良い。本実施形態では、図1に示すように、各好気槽2A,2B,2Cに、各独立した散気装置5A,5B,5Cが設けられているものとする。尚、上記好気槽2、散気装置5については、個別に位置を特定しない場合は「2」,「5」の符号を用い、位置を特定する場合は「A」,「B」等の英文字を付加する(散気調整弁9についても同じ)。
上記各散気装置5A,5B,5Cには、各々散気調整弁9A,9B,9Cが接続されており、これら散気調整弁9A,9B,9Cは共通の送気管8に接続され、上記送気管8の一端に上記各好気性反応タンク21の上記散気装置5A,5B,5Cに空気を送り込む送風機10が各送気管8に共通に設けられている。尚、図16に示す実施形態、及び、後述のテーパードエアレーション方式を採用する場合を除いて、本発明の実施形態においては、この散気調整弁9A,9B,9Cは、上記間欠曝気動作中、一定の開度を維持しているものとする。従って、上記送風機10から各水路W1,W2・・・毎の送気管81,82・・・、上記散気調整弁9A1,9B1,9C1、上記散気調整弁9A2,9B2,9C2・・・を介して、各水路W1,W2・・・の好気性反応タンク21,22・・・の各散気装置5A1,5B1,5C1、及び、散気装置5A2,5B2,5C2等に散気用の空気が送風されるように構成されている。
さらに、各水路W1,W2・・・の送気管81,82・・・の上記送風機10と上記各散気調整弁9A,9B,9Cとの間には、各々風量調整弁111,112・・・及び空気流量計G1,G2・・・が設けられており、上記送風機10から送風された空気を、上記各風量調整弁111,112を開閉制御することにより、各水路W1,W2・・・の送気管81,82・・・、即ち、散気装置5A,5B,5Cへの空気散気量を、各水路W1,W2毎・・・に独立して調整可能に構成されている。尚、ここで、散気装置5A,5B,5C、送気管81、風量調整弁111、空気流量計G1により曝気調整部が構成されている。
上記負荷濃度確認センサA及び溶存酸素濃度センサDは、上記一方の好気性反応タンク21のみの何れかの好気槽2A1,2B1,2C1の一つに設けられる。図1では中間の好気槽2B1に上記2つのセンサA,Dを設置しているが、好気槽2A1又は好気槽2C1のエリアに設置しても良い。
この負荷濃度確認センサAは、その出力部と制御部13(図2、図3、負荷濃度検出手段13a)とが接続されており、上記好気性反応タンク2B1の負荷濃度を常時測定し、その測定値は制御部13(上記負荷濃度検出手段13a)にて検出し得るように構成されている。上記溶存酸素濃度センサDは、その出力部と上記制御部13(図2、図3、溶存酸素濃度検出手段13b)とが接続されており、上記好気槽2B1の溶存酸素濃度を常時測定し、その測定値は上記制御部13(溶存酸素濃度検出手段13b)にて検出し得るように構成されている。
また、上記各水路W1,W2・・・の上記各送気管81,82・・・に設けられた空気流量計G1,G2・・・の各出力部は上記制御部13(図2、図4、流量検出手段13c1,13c2・・・)に接続されており、上記各送気管81,82・・・の空気の流量は上記制御部13(流量検出手段13c1,13c2・・・)にて検出し得るように構成されている。
上記制御部13(図2、図3、送風機駆動手段13d)には、上記送風機10が接続されると共に、上記各水路W1,W2・・・の上記風量調整弁111,112・・・が制御部13(図2、図4、弁開閉駆動手段13e1,13e2・・・)に各々接続されている。また、上記制御部13(図2、図3、散気調整弁駆動手段13f)には、上記散気調整弁9A1〜9C1,9A2〜9C2等が各々独立して接続されている。
そして、上記制御部13において、一方の好気性反応タンク21の正相間欠曝気動作において、負荷濃度を検出し、該タンク21内の負荷濃度が上昇傾向にある場合は、送風機10の風量を増加し、上記風量調整弁111を制御して上記散気装置5の曝気時の空気散気量を増加させると共に周期Tも増加させ、微曝気時は、曝気時の空気散気量の増加に拘わらず、空気散気量を常に少量の一定値とし、上記タンク21内の負荷濃度が下降傾向にある場合は、送風機10の風量を減少し、上記風量調整弁111を制御して曝気時の上記散気装置5の空気散気量を減少させると共に周期Tも減少させ、微曝気時は、曝気時の空気散気量の減少に拘わらず、空気散気量を常に上記一定値とし、上記負荷濃度の変化がない場合は、空気散気量及び周期T共に前回の値を維持する、という制御を行う。また、他方の好気性反応タンク22においては、上記逆相間欠曝気動作を同様に行う。
このように、一方の好気性反応タンク21において「曝気」又は「微曝気」が行われているタイミングにおいて、他方の好気性反応タンク22において、逆の散気動作、即ち、「微曝気」又は「曝気」が行われる間欠曝気動作を「逆位相」と定義する。ここで、「逆位相」の間欠曝気動作において、一方又は他方の好気性反応タンク21又は22における曝気時の空気散気量が増加、減少しても、他方又は一方の好気性反応タンク22又は21における微曝気時の空気散気量は変化せずに、常に一定値(例えば空気散気量「1」)であり、このような関係を含めて「逆位相」と定義する。
そして、水路Wを増設した場合においても、奇数番目の好気性反応タンク21,23・・・は正相間欠曝気動作、偶数番目の好気性反応タンク22,24・・・は逆相間欠曝気動作を行い、これらの全ての制御は、一の好気性反応タンク21(基準制御タンク)にのみ用いられた負荷濃度確認センサA及び/又は溶存酸素濃度センサDに基づいて、上記一の好気性反応タンク21に対応して設けられた単一の制御部13にて行う。
ここで、本発明者が本発明をするに至った経緯を説明する。本発明者は、従来の間欠曝気法において、送風機の曝気と曝気停止の運転をくり返す方法がターボ形送風機のような大型の送風機を使用している大規模都市下水処理場に適用できないことから、曝気停止の代わりに少量の空気を散気する微曝気を用い、曝気時間と微曝気時間を同時間とし、かつ、押し出し流れ型の2個を一組とする好気性反応タンクの両散気装置を逆位相にて曝気と微曝気をくり返す間欠曝気により、同一時間帯は、曝気と微曝気の送風機の合計風量を一定で運転継続できることを想起するに至った。
この間欠曝気法により、間欠曝気に伴う送風機の送風量の大きな変動と送風機の停止を避けることが可能となり、当該間欠曝気法を適用した本発明に係る排水処理装置及び排水処理方法は、大規模都市下水処理場においても適用することができるものである。
また、本発明者は、流量調整槽のない都市型の大規模下水処理場を想定し、散気装置を有する押し出し流れ型の単一の好気性反応タンクを用いて、曝気と微曝気の間欠曝気動作を行い、負荷濃度の基準としてアンモニア性窒素濃度、硝化反応の基準として硝酸窒素濃度の変化を測定、記録した。その結果を図17に示す。尚、流量変動として平均流入水量を基準に120%の人工的な流動変動を与えた。
図17において、横軸は時間であり、周期50分で25分ずつの曝気と微曝気を行った。縦軸はアンモニア性窒素と硝酸性窒素濃度の変化関係を相対濃度として示している。その結果、曝気時間帯は、アンモニア性窒素が硝化反応により減少し、減少した濃度に相当する硝酸性窒素が増加すること、微曝気時には、硝酸性窒素が脱窒反応により減少し、アンモニア性窒素が上昇することがわかる。硝酸性窒素の減少は脱窒反応により窒素ガスが放出されていることを意味し、アンモニア性窒素の上昇は、高濃度のアンモニア性窒素を含む新たな被処理水が当該槽に前の槽から流入していることを示している。
アンモニア性窒素の上昇濃度若しくは上昇速度は、時刻によって差違がある。例えば75分から200分の上昇が大きい時間帯(図中矢印a)は、流入水アンモニア性窒素濃度が高くなる時間帯であることを意味する。これを判断基準として硝化速度を高めるためにアンモニア性窒素濃度が高くなる時間帯においては空気散気量を増加させ、逆にアンモニア性窒素が低くなるとき(400分から550分、図中矢印b)に空気散気量を減じることが、硝化反応制御及び省エネに有効であることを知見した。
また、アンモニア性窒素が高い200〜350分における微曝気時間帯の硝酸性窒素濃度の減少速度(脱窒速度)(図中c)は、アンモニア性窒素が低い0〜50分における微曝気時の硝酸性窒素濃度の減少速度(図中d)より速いことが認められる。このことから、脱窒に必要な有機物濃度がアンモニア性窒素濃度に比例して高濃度になり、負荷濃度が高い時間帯では、空気曝気量を増加させても、微曝気時の脱窒速度を低下させないことが知見された。これは単一の好気性反応タンクにおいて、曝気と微曝気からなる間欠曝気動作を行わせた場合、負荷濃度が高濃度になって曝気時の空気散気量を増加させても、微曝気時の脱窒反応はむしろ活発に行われ、負荷高濃度時間帯においても窒素ガスの放出が可能であることが知見された。
また、アンモニア性窒素が低い時間帯の50分時の硝酸性窒素は略0であり、周期を50分より長くすると、硝酸性窒素が0のまま時間が経過する可能性があり、脱窒の生じない無駄な微曝気時間帯になることを意味する。このことより、アンモニア性窒素が低濃度になるに従って周期を短くし、逆にアンモニア性窒素が高濃度になるに従って周期を長くすることが有効であることが知見された。
上述のような知見に基づいて、本発明に係る排水処理装置及び排水処理方法に適用する曝気と微曝気からなる間欠曝気法において、一対の好気性反応タンクにて互いに逆相の間欠曝気動作を行わせることによって送風機の風量の大きな変動を抑えることができること、及び、負荷濃度が上昇した場合はそれに伴って曝気の空気散気量と共に周期を増加し、負荷濃度が減少した場合はそれに伴って空気散気量と共に周期を減少することが、硝化反応及び脱窒反応に有効であるこがわかった。以下、本発明の具体的内容について説明する。
上記制御部13は(図2〜図4参照)、CPUを具備するコンピュータであり、図5〜図7のフローチャートに示す動作手順がプログラムとして内部メモリに記憶されており、上記CPUが上記フローチャートに従って以下説明する間欠曝気動作を行うものである。図3、図4はこの制御部13の機能をブロック化したものであり、以下、制御部13について説明する。
上記制御部13は(図3参照)、曝気と微曝気とを繰り返す間欠曝気動作において、前回の微曝気時の負荷濃度を記憶する負荷濃度記憶手段13g、現在の負荷濃度と前回の負荷濃度を比較し、現在の負荷濃度が前回負荷濃度より大きいか又は小さいかを検出し、比較結果を次段の溶存酸素濃度比較手段13iに送出する負荷濃度比較手段13hを具備している。上記負荷濃度比較手段13hは、負荷濃度の変化がない場合(前回の負荷濃度と同等である場合)は、送風機駆動手段13d及び空気量変更手段13t(図4参照)に現在の風量を維持する旨の指令を行うと共に(図3(3)参照)、周期決定手段13r(図4参照)に現在の周期を維持する旨の指令を行う(図3(1)参照)。
上記制御部13は溶存酸素濃度の上限値を記憶しているDO上限値記憶手段13j、溶存酸素濃度の下限値を記憶しているDO下限値記憶手段13kを有しており、上記溶存酸素濃度比較手段13iは、上記負荷濃度比較手段13hから比較結果の通知があると、上記溶存酸素濃度検出手段13bで検出した現在の溶存酸素濃度と上記記憶手段13j,13kに記憶しているDO上限値(溶存酸素濃度の上限値)又はDO下限値(溶存酸素濃度の下限値)と比較する。尚、「DO」とは「Dissolved Oxygen」(溶存酸素)の略である。
そして、上記溶存酸素濃度比較手段13iは、上記負荷濃度比較手段13hでの比較結果に基づいて、上記溶存酸素濃度検出手段13bにて検出した現在の溶存酸素濃度がDO下限値よりも大きいか、又は、DO上限値よりも小さいかを比較し、負荷濃度が減少している場合において(図5P11参照)、現在の溶存酸素濃度がDO下限値よりも大きい場合は、送風機10の風量を減少すべく送風機駆動手段13dに指令を行う(図5P14参照)。一方、負荷濃度が上昇している場合において(図5P12参照)、溶存酸素濃度がDO上限値よりも小さい場合は、送風機10の風量を増加すべく送風機駆動手段13dに指令を行う。また、溶存酸素濃度比較手段13iは空気散気量を減少又は増加する場合は、同時に、空気量変更手段13t(図4参照)に空気散気量の減少又は増加を指令する(図3(3)参照)。さらに、溶存酸素濃度比較手段13iは、同時に比較結果を次段の周期比較手段13mに通知する。
上記制御部13は基本となる周期Tを記憶している周期記憶手段13sを有していると共に、曝気時間と微曝気時間の周期の上限値を記憶している周期上限値記憶手段13n、上記周期の下限値を記憶している周期下限値記憶手段13oを有している。上記周期比較手段13mは、上記溶存酸素濃度比較手段13iから比較結果の通知があると、現在周期認識手段13pにて認識している現在の周期と、上記記憶手段13n,13oに記憶している周期の上限値又は下限値とを比較する。
ここで周期とは、曝気時間と微曝気時間を1周期(T)とし、曝気時間(T/2)と微曝気時間(T/2)は同一時間(何れもT/2)であるから、周期が増加又は減少すると、曝気時間と微曝気時間は同じ時間だけ増加又は減少する。
ここで、説明の簡単のため(図8(a)参照)、同一タイミングの両好気性反応タンク21,22において、水路W1側では、好気性反応タンク21の各散気装置5A1,5B1,5C1の曝気時の風量が例えば「5」、「5」、「5」のとき、風量調整弁111以降の送気管81の風量は「15」(5×3)、風量調整弁111の開度も風量に合わせて「15」とし、水路W2側では、好気性反応タンク22の各散気装置5A2,5B2,5C2の微曝気時の風量が例えば「1」、「1」、「1」のとき、風量調整弁112以降の送気管82の風量は「3」(1×3)、風量調整弁112の開度も風量に合わせて「3」とし、このときの送風機10の風量は送気管81と82の合計風量(15+3)である「18」とする。尚、曝気時の風量が増加又は減少した場合の各部の風量及び開度も同様に考えるものとする。
図1の水路W1の好気性反応タンク21では、間欠曝気動作、即ち、曝気と微曝気が周期T/2にて繰り返し行われる(図8(a)参照)。例えば、上記送風機10にて風量「18」(好気性反応タンク2A1,2B1,2C1で各々空気散気量「5」、「5」、「5」、好気性反応タンク2A2,2B2,2C2で各々空気散気量「1」、「1」、「1」、合計18)の送風が行われ、水路W1の制御部13の弁開閉駆動手段13e1にて風量調整弁111が、曝気時はT/2の期間、所定の開度「15(5×3)」が維持されることにより、好気性反応タンク2A1〜2C1に各々空気散気量「5」、「5」、「5」の曝気が行われ(図8(a)参照)、上記T/2が経過した後、上記弁開閉駆動手段13e1は弁の開度を絞り、その後のT/2の期間、所定の開度「3(1×3)」が維持されることにより、好気性反応タンク2A1〜2C1に各々少量の空気散気量「1」、「1」、「1」の微曝気が行われ、その後は、周期T/2毎に、上記風量調整弁111の開閉動作の繰り返しを行う(図8(a)参照)。ここで、微曝気時の空気散気量は、曝気時の散気量が増加減少しても、常時一定散気量(本実施形態では空気散気量「1」)が維持される。
即ち、水路W1及び奇数番目の水路W3,W5,W7・・・に接続された各一方の弁開閉駆動手段13e1,13e3,13e5・・・は、通常時は一定周期T/2にて、曝気と微曝気が繰り返し行われるように、風量調整弁111,113,115・・・の弁開度を周期的に開閉し、空気量変更手段13tから曝気時の空気散気量の増加又は減少指示及び周期決定手段13rから周期の増加又は減少指示があったときは(送風機10の風量も増加又は減少している)、上記指示に従って、曝気時の弁開度及び弁開度時間を調整することにより、曝気時の空気散気量と周期の変更を行う(図5P14又はP16、P18又はP20参照)。また、上記各一方の弁開閉駆動手段13e1,13e3,13e5・・・は、空気散気量の増加又は減少指示により送風機10の風量が増加又は減少しても、微曝気時は常時一定散気量(例えば少量の空気散気量「1」)となるように、空気流量計G1,G3,G5・・・からの流量に基づいて風量調整弁111,113,115・・・の弁開度の調整を行う(図5P6参照)。
同時に、水路W2の好気性反応タンク22では、上記水路W1とは逆位相の間欠曝気動作、即ち、微曝気と曝気が周期T/2にて好気性反応タンク21と同一タイミングで繰り返し行われる(図8(a)好気性反応タンク22参照)。例えば、上記送風機10にて風量「18」の送風が行われ、水路W2の制御部13の他方の弁開閉駆動手段13e2にて風量調整弁112が、微曝気時はT/2の期間、所定の開度「3(1×3)」が維持されることにより、好気性反応タンク2A2〜2C2に各々空気散気量「1」、「1」、「1」の微曝気が行われ(図8(a)参照)、上記T/2が経過した後、上記他方の弁開閉駆動手段13e2は弁の開度を開き、その後のT/2の期間、所定の開度「15(5×3)」が維持されることにより、好気性反応タンク2A2〜2C2に各々空気散気量「5」、「5」、「5」の曝気が行われ、その後は、上記好気性反応タンク21とは逆位相の間欠曝気動作、即ち周期T/2毎に、上記風量調整弁112の開閉動作の繰り返しを行う(図8(a)参照)。ここで、好気性反応タンク22においても、微曝気時の空気散気量は、曝気時の散気量が増加減少しても、常時一定散気量(本実施形態では空気散気量「1」)が維持される。
即ち、水路W2及び偶数番目の水路W4,W6・・・に接続された各他方の弁開閉駆動手段13e2,13e4,13e6・・・は、通常時は一定周期T/2かつ好気性反応タンク21と同一タイミングにて、微曝気と曝気が繰り返し行われるように、風量調整弁112,114,116・・・の弁開度を周期的に開閉し、空気量変更手段13tから曝気時の空気散気量の増加又は減少指示及び周期決定手段13rから周期の増加又は減少指示があったときは(送風機10の風量も増加又は減少している)、上記指示に従って、曝気時の弁開度及び弁開度時間を調整することにより、曝気時の空気散気量と周期の変更を行う(図5P14又はP16、P18又はP20参照)。また、上記各他方の弁開閉駆動手段13e2,13e4,13e6・・・は、空気散気量の増加又は減少指示により送風機10の風量が増加又は減少しても、微曝気時は常時一定散気量(例えば空気散気量「1」)となるように、空気流量計G2,G4,G6・・・からの流量に基づいて風量調整弁112,114,116・・・の弁開度の調整を行う(図5P2参照)。
このように、空気散気量の増加、減少は、送風機10の風量を増加又は減少させると共に、上記弁開閉駆動手段13e1,13e2等が空気流量計G1,G2等からの流量に基づいて、各風量調整弁111,112等の弁の開度を調整し、空気散気量の増加又は減少(例えば空気散気量「5」から「6」への増加、又は、空気散気量「5」から「4」への減少)が行われる。そして、上記送風機駆動手段13dにより送風機10の風量を増加又は減少して、この曝気時の空気散気量の増加又は減少する制御を行うが、微曝気時の空気散気量は、送風機10の風量を変更することなく、風量調整弁111,112の弁の開度調整により、常時「1」を維持するように制御を行う。このような制御を行うことで、間欠曝気動作中は、風量の増減指示がない限り、送風機10の風量は常時一定値(例えば図8(a)の場合は一定の風量「18」)を維持することが可能となる。
上記周期比較手段13mは、上記負荷濃度比較手段13hでの比較結果に応じて、上記現在周期認識手段13pにて認識した現在の周期が周期の下限値よりも大きいか、又は、周期の上限値よりも小さいかを比較し、負荷濃度が減少傾向で(図5P11参照)、現在の周期が周期下限値よりも大きい場合は、周期を減少すべく周期変更手段13qに指令を行い、負荷濃度が増加傾向で(図5P12参照)、現在の周期が周期上限値よりも小さい場合は、周期を増加すべく周期変更手段13qに指令を行う(図3(2)参照)。
上記制御部13の上記周期変更手段13q(図4参照)は、現在の周期(例えば60分)を例えば1ステップ増加(例えば70分)又は1ステップ減少(例えば50分)して、周期決定手段13rに通知する。上記周期決定手段13rは、現在の周期を1ステップ増加又は1ステップ減少し、決定した周期を一方又は他方の弁開閉駆動手段13e1,13e2,13e3・・・に通知する。上記弁開閉駆動手段13e1,13e2・・・は、曝気時又は微曝気時の上記風量調整弁111,112・・・の開度を、変更後の1/2周期の期間持続することで、曝気時又は微曝気時の周期の変更を行う(図5P16又はP20参照)。
上記制御部13(一方の弁開閉駆動手段13e1)は(奇数番目の水路に対応する各一方の弁開閉駆動手段も同じ)、上記周期決定手段13rから指令される周期を認識し、当該周期(例えば60分)の内、風量調整弁111は、1/2周期(30分)の期間は例えば開度「15(5×3)」(好気性反応タンク2A1〜2C1の空気散気量は各々「5」)として曝気の開度を維持し、その後の1/2周期(30分)の期間は風量調整弁11の開度を絞って例えば開度「3(1×3)」(好気性反応タンク2A1〜2C1の空気散気量は各々「1」)の微曝気の開度を維持し、このような1/2周期毎の曝気と微曝気の開閉動作(間欠曝気動作)を繰り返し行う(図8(a)水路W1参照)。
上記制御部13(他方の弁開閉駆動手段13e2)は(偶数番目の水路に対応する各他方の弁開閉駆動手段も同じ)、上記周期決定手段13rから指令される周期を認識し、上記一方の弁開閉駆動手段13e1(又は対となる奇数番目の水路に対応する各一方の弁開閉駆動手段)と同一タイミング及び同一周期であるが、上記一方の弁開閉駆動手段13e1(又は奇数番目の水路に対応する各一方の弁開閉駆動手段)とは逆位相の間欠曝気動作を行う(図8(a)水路W2参照)。
即ち、上記他方の弁開閉駆動手段13e2は、上記周期を認識し、当該周期(60分)の内、1/2周期(30分)の期間は例えば風量調整弁112の開度「3(1×3)」(好気性反応タンク2A2〜2C2の空気散気量は各々「1」)として微曝気の開度を維持し、その後の1/2周期(30分)の期間は風量調整弁112の開度を開いて例えば開度「15(5×3)」(好気性反応タンク2A2〜2C2の空気散気量は各々「5」)の曝気の開度を維持し、このような1/2周期毎の微曝気と曝気の開閉動作(間欠曝気動作)を繰り返し行う(図8(a)水路W2参照)。
そして、上記一方又は他方の弁開閉駆動手段13e1,13e2・・・は上記送風機駆動手段13dによって送風機10の風量が増加(例えば風量「18」から「21」に増加(図8(a)から図8(c)参照))又は減少(風量「18」から「15」に減少(図8(a)から図8(b)参照))したとき、即ち、空気量変更手段13tから曝気時の空気散気量の変更の指示があったとき、曝気時の空気散気量が、変更指示後の所定の空気散気量(例えば散気量「4」又は「6」等)になるように、対応する水路W1,W2・・・の流量検出手段13c1,13c2・・・からの流量を検出しながら、自己の水路の風量調整弁111,112・・・の弁開度の調整(開閉制御)を行う。
但し、上記一方又は他方の弁開閉駆動手段13e1,13e2・・・は上記送風機駆動手段13dによって送風機10の風量が増加又は減少しても、微曝気時の空気散気量は、常時一定散気量(例えば空気散気量「1」)を維持すべく、流量検出手段13c1,13c2・・・からの流量を検出しながら、風量調整弁111,112・・・の弁開度の調整を行う(図8(a)参照)。
本発明は上述のように構成されるので、以下、図5のフローチャートに基づいて本発明の動作手順を説明する。また、説明の簡単のため、図1に示す基準制御タンクを有する水路W1と、従属制御タンクを有する水路W2の2つの水路として説明する。尚、図5のフローチャートにおいて、ステップP2’とステップP7’の空気倍率に基づく微調整動作については、後半の(空気倍率に基づく補正動作)においてまとめて説明する。
各水路W1,W2には各々排水(被処理水)が流入し、最初沈殿池11,12にて沈殿後の被処理水が好気性反応タンク21,22に流入し、各反応タンク21,22の散気装置5A1〜5C1,5A2〜5C2による間欠曝気動作が行われる。尚、制御部13(散気調整弁駆動手段13f)の制御により、各水路W1,W2の散気調整弁9A1〜9C1、9A2〜9C2は常時一定の開度を維持しているものとする。また、制御部13内の周期記憶手段13sに、基本となる周期T(本実施形態では60分とする)が記憶されているものとする。
1 第1の実施形態
制御部13(送風機駆動手段13d)は送風機10を予め定められた風量(ここでは風量「18」とする)にて駆動する(図8(a)、図9(c)参照)。すると、送風機10から水路W1の送気管81、水路W2の送気管82に各々送風が開始される。尚、図9(a)は好気性反応タンク21の1つの好気槽(例えば2A1)の正相間欠曝気動作、同図(b)は好気性反応タンク22の1つの好気槽(例えば2A2)の逆相間欠曝気動作の各タイミングチャートを示し、同図(c)は両好気槽2A1,2A2の合計風量を示し、同図(c)において、カッコ内の数字(18,15,21)は、そのときの送風機10の風量を示す。
(好気性反応タンク21の曝気動作)
制御部13(流量検出手段13c1)は空気流量計G1からの流量データを検出しており、上記制御部13(一方の弁開閉駆動手段13e1)は上記流量検出手段13c1から現在の流量データを常時受信している。よって、上記制御部13(弁開閉駆動手段13e1)は、上記流量データを常時検出しながら、風量調整弁111の弁開度を、好気槽2A1〜2C1の各空気散気量が「5」となるように調整し(弁開度「15」(5×3))、その結果、水路W1の送気管81に対応する風量(「15」)が送風され、同一開度の散気調整弁9A1〜9C1を介して、好気性反応タンク21(基準制御タンク)の各好気槽2A1,2B1,2C1の散気装置5A1,5B1,5C1に均等に送風が分配され、上記各散気装置5A1〜5C1から空気散気量「5」、「5」、「5」の空気がタンク内に噴射され、各好気槽2A1,2B1,2C1において、空気散気量「5」の「曝気」が開始される(図5P1、図8(a)K1、図9(a)(イ)参照)。
尚、図8において「K1」,「K2」・・・は、正相間欠曝気動作における、各好気性反応タンク21の曝気、微曝気のタイミングを示す単なる符号、「K1’」,「K2’」・・・は逆相間欠曝気動作における好気性反応タンク22の微曝気、曝気のタイミングを示す単なる符号であり、説明の便宜上付したものである(図11においても同じ)。
(好気性反応タンク22の微曝気動作)
同時に、制御部13(流量検出手段13c2)は空気流量計G2からの流量データを検出しており、上記制御部13(他方の弁開閉駆動手段13e2)は上記流量検出手段13c2から現在の流量データを常時受信している。よって、制御部13(弁開閉駆動手段13e2)は、上記流量データを常時検出しながら、風量調整弁112の弁開度を、好気槽2A2〜2C2の各空気散気量が、基準制御タンクとは逆位相となる微曝気の空気散気量「1」となるように調整し(弁開度「3」(1×3))、その結果、水路W2の送気管82に対応する風量(「3」)が送風され、同一開度の散気調整弁9A2〜9C2を介して、水路W2の好気性反応タンク22(従属制御タンク)の各好気槽2A2,2B2,2C2の散気装置5A2,5B2,5C2に均等に送風が分配され、上記各散気装置5A2〜5C2から空気散気量「1」の空気が噴射され、各好気槽2A2,2B2,2C2において基準制御タンクとは逆位相の空気散気量「1」、「1」、「1」の「微曝気」が、同一タイミングで開始される(図5P2、図8(a)K1’、図9(b)(ロ)参照)。
(周期の決定動作)
その後、制御部13(周期決定手段13r)は、水路W1の好気性反応タンク21の各好気槽2A1〜2C1の曝気継続時間がT/2(30分)になるか否かを判断する(図5P4参照)。尚、その間、制御部13(負荷濃度検出手段13a)は負荷濃度確認センサAから負荷濃度データを取得し、かつ制御部13(溶存酸素濃度検出手段13b)は溶存酸素濃度確認センサDから溶存酸素データを取得する(図5P5参照)。
そして制御部13(周期決定手段13r)は、曝気時間がT/2(30分)に達すると(図5P4YES)、水路W1,W2の各弁開閉駆動手段13e1,13e2に曝気又は微曝気の周期が終了した旨を通知する。その後、制御部13(弁開閉駆動手段13e1、弁開閉駆動手段13e2)は、水路W1の好気性反応タンク21の曝気、水路W2の好気性反応タンク22の微曝気を各々終了し、水路W1の好気性反応タンク21の微曝気、水路W2の好気性反応タンク22の曝気を同一タイミングで各々開始する(図5P6,P7参照)。
(好気性反応タンク21の微曝気動作)
制御部13(一方の弁開閉駆動手段13e1)は、流量検出手段13c1からの流量データを検出しながら、風量調整弁111の弁開度を空気散気量「5」(弁開度「15」)から空気散気量「1」(弁開度「3」)となるように調整し、その結果、水路W1の送気管81に対応する風量(「3」)が送風され、同一開度の散気調整弁9A1〜9C1を介して、好気性反応タンク21(基準制御タンク)の各好気槽2A1,2B1,2C1の散気装置5A1,5B1,5C1に均等に送風が分散され、上記散気装置5A1〜5C1から空気散気量「1」、「1」、「1」の空気が噴射され「微曝気」が開始される(図5P6、図8(a)K2、図9(a)(ハ)参照)。
(好気性反応タンク22の曝気動作)
同時に、制御部13(他方の弁開閉駆動手段13e2)は、流量検出手段13c2からの流量を検出し、風量調整弁112の弁開度を空気散気量「1」(弁開度「3」)から空気散気量「5」(弁開度「15」)となるように調整し、その結果、水路W2の送気管82に対応する風量(「15」)が送風され、同一開度の散気調整弁9A2〜9C2を介して、好気性反応タンク22(従属制御タンク)の各好気槽2A2,2B2,2C2の散気装置5A2,5B2,5C2に送風が均等に分散され、上記散気装置5A2〜5C2から空気散気量「5」、「5」、「5」の空気が噴射され「曝気」が開始される(図5P7、図8(a)K2’、図9(b)(ニ)参照)。
(周期の決定動作)
その後、制御部13(周期決定手段13r)は、水路W1の好気性反応タンク21の微曝気継続時間がT/2(30分)になるか否かを判断する(図5P9参照)。尚、その間、制御部13(負荷濃度検出手段13a)は負荷濃度確認センサAから負荷濃度データを取得し、かつ制御部13(溶存酸素濃度検出手段13b)は溶存酸素濃度センサDから溶存酸素データを取得する(図5P10参照)。
そして制御部13(周期決定手段13r)は、上記微曝気時間がT/2(30分)に達すると(図5P9YES)、弁開閉駆動手段13e1,13e2に周期が終了した旨を通知すると共に、制御部13は、水路W1の好気性反応タンク21(基準制御タンク)について、以下の制御動作を行う。
(空気散気量、周期の一定制御)
制御部13(負荷濃度検出手段13a)は、負荷濃度確認センサAからの現在の負荷濃度データを検出し、制御部13(負荷濃度比較手段13h)は、前回の負荷濃度記憶手段13gに記憶している前回微曝気終了時の負荷濃度と現在の微曝気時の負荷濃度とを比較し、現在の負荷濃度データが、正相間欠曝気動作において、前回微曝気終了時の負荷濃度に対して大きいか又は小さいかを判断する(図5P11,P12参照)。
この場合、負荷濃度は一定で変化なし(或いは、負荷濃度の変動が、前回の負荷濃度と同等であり、一定の範囲内で実質的に変化なし)と判断されたとする(図5P11NO,P12NO)。すると、制御部13(負荷濃度比較手段13h)は、送風機駆動手段13d、空気量変更手段13tに現状の風量を維持すること(図3、図4(3)参照)、及び、周期決定手段13rに現状の周期Tを維持すること(図3、図4(1)参照)、を各々通知する。その結果、送風機10の風量、及び、周期Tは維持された状態で、ステップP1,ステップP2に戻る。
従って、基準制御タンク(一方の好気性反応タンク21)ではステップP12からステップP1に戻り、負荷濃度が同等である限り、ステップP1,P4,P6,P9の動作が繰り返し行われ、制御部13(一方の弁開閉駆動手段13e1)は、周期T/2(30分)の曝気(空気散気量「5」)、その後、周期T/2(30分)の微曝気(空気散気量「1」)の弁開閉動作(空気散気量「5,5,5」,「1,1,1」,「5,5,5」,「1,1,1」・・・)の繰り返しの動作(正相間欠曝気動作)が行われる(図8(a)K1,K2,K3,K4・・・、図9(a)期間S1参照)。
一方、従属制御タンク(他方の好気性反応タンク22)ではステップP12からステップP2に戻り、同様に負荷濃度が同等である限り、ステップP2,P4,P7,P9の動作が繰り返し行われ、制御部13(他方の弁開閉駆動手段13e2)は、基準制御タンクと同一タイミングで逆位相の動作、即ち、周期T/2(30分)の微曝気(空気散気量「1」)、その後、周期T/2(30分)の曝気(空気散気量「5」)の動作(空気散気量「1,1,1」,「5,5,5」,「1,1,1」,「5,5,5」・・・・)の繰り返し動作が行われる(図8(a)K1’,K2’,K3’K4’・・・、図9(b)期間S1参照)。
このように負荷濃度が一定(又は一定の範囲内)であれば、曝気時の空気散気量は「5」、微曝気時の空気散気量は「1」の状態で、基準制御タンク(一方の好気性反応タンク21)では正相間欠曝気動作が行われ、従属制御タンク(他方の好気性反応タンク22)では、同一周期かつ同一タイミングにて、基準制御タンクとは逆位相の逆相間欠曝気動作が行われる。
即ち、負荷濃度確認センサAにて検出した微曝気時の負荷濃度データが前回微曝気終了時の負荷濃度データと同一又は略同一であって負荷濃度が一定又は一定の範囲内であれば、排水中のアンモニア性窒素の量は略変化しておらず、空気散気量、周期Tを変更する必要がないので、水路W1の一方の好気性反応タンク21(基準制御タンク)では周期Tの間欠曝気動作、水路W2の他方の好気性反応タンク22(従属制御タンク)では周期Tの逆位相の間欠曝気動作が繰り返し行われる(図8(a)参照)。
従って、上記基準制御タンクである一方の好気性反応タンク21の各好気槽2A1〜2C1においては、曝気時において、散気装置5A1〜5C1から各好気槽2A1〜2C1に何れも空気散気量「5」の豊富な空気が噴射されるので、上記空気により硝化菌が排水中のアンモニア性窒素を亜硝酸性窒素、及び、硝酸性窒素に酸化する硝化反応が行われる。一方、微曝気時においては、散気装置5A〜5Cから各好気槽2A〜2Cに何れも空気散気量「1」の少量の空気が噴射されるので、略無酸素条件下となり、脱窒細菌による硝酸性呼吸又は亜硝酸性呼吸により、亜硝酸性窒素、硝酸性窒素が窒素ガスに還元され、空気中に放出される。このように間欠曝気動作により、排水中の窒素を除去することができる。
上記従属制御タンクである他方の好気性反応タンク22の各好気槽2A2〜2C2においても、上記基準制御タンクと逆相になるだけで、同様に、排水中の窒素を除去することができる。そして、上記一方の好気性反応タンク21と他方の好気性反応タンク22を逆位相で間欠曝気動作を行うことにより、送風機10の送風は間欠曝気動作中は所定の風量、即ち、常時一定(例えば風量「18」)の風量にて運転を継続することができる(図9(c)期間S1参照)。尚、水路W1とW2で好気槽は各3個あるので、送風機10の風量は「18」(6×3)となる)。
(空気散気量減少、周期減少制御)
水路W1の基準制御タンクとしての一方の好気性反応タンク21にて間欠曝気動作、及び、水路W2の従属制御タンクとしての他方の好気性反応タンク22にて基準制御タンクとは逆相の間欠曝気動作が継続的に行われている状態とする(図5P1〜P9参照)。
制御部13(負荷濃度較手段13h)は、ステップP11の1判断にて、前回微曝気終了時の負荷濃度(アンモニア濃度)が、今回の微曝気終了時の負荷濃度(アンモニア濃度)より低下していると判断した場合は(図5P11YES)、その旨を次段の溶存酸素濃度比較手段13iに通知する。
制御部13(溶存酸素濃度比較手段13i)は、現在の微曝気終了時の負荷濃度が前回微曝気時の負荷濃度より低下している旨の報告を受けると、空気散気量は十分に足りていると判断し、周期及び空気散気量を減少すべく以下の制御を行う。
制御部13(溶存酸素濃度比較手段13i)は、溶存酸素濃度検出手段13bにて得られた前回の曝気時の溶存酸素濃度と、DO下限値記憶手段13kに記憶されているDO下限値(溶存酸素濃度の下限値)とを比較し(図5ステップP13参照)、前回の曝気時の溶存酸素濃度がDO下限値に達していないと判断した場合は、送風機10の風量を減少(風量「18」から例えば風量「15」)するように送風機駆動手段13dに指令すると共に、空気量変更手段13tにも曝気時の空気散気量を減少(空気散気量「5」から例えば空気散気量「4」)するように指令する(図3、図4(3)参照)。上記制御部13(送風機駆動手段13d)は、送風機10の風量を減少するように制御を行う。この場合、送風機10の風量が「18」から「15」に減少する(図5P14、図8(b)参照)。この場合、送風機10の風量の減少量及び各好気槽の散気量の減少量は、負荷濃度が減少している場合は、予め定められた一定量を減少しても良いし、負荷濃度減少量に応じて(例えば比例して)、風量及び散気量を減少するように構成することもできる。
また、空気量変更手段13tは、一方又は他方の弁開閉駆動手段13e1,13e2に曝気時の空気散気量を減少する(例えば空気散気量「5」から「4」に減少する)ように指令する。これにより、弁開閉駆動手段13e1,13e2は、各々曝気時の空気散気量を減少すべく弁開度の調整を行う(曝気時の弁開度「15」らか「12」(4×3)に絞る)(図5P14参照)。
尚、制御部13(溶存酸素濃度比較手段13i)は、前回の曝気時の溶存酸素濃度が既にDO下限値に達していると判断した場合は(図5P13NO)、空気散気量を変更せずにステップP1に戻る。
また、制御部13(溶存酸素量比較手段13i)は、次段の周期比較手段13mに空気散気量を減少した旨を通知する。上記制御部13(周期比較手段13m)は、現在周期認識手段13pにて現在の周期T(60分)を認識し、現在の周期Tと周期下限値記憶手段13oに記憶されている周期下限値(例えばT=20分)とを比較する。そして、周期比較手段13mは現在の周期が周期下限値よりも長い、即ち、現在の周期Tが周期下限値に達していないことを確認すると(図5P15YES)、当該周期を減少すべく、周期変更手段13qに指令する(図3(2)参照)。制御部13(周期変更手段13q)は、現在の周期Tより若干短い周期T’(=50分)(T>T’)を設定し、減少後の周期T’を周期決定手段13rに通知する。この場合、周期Tの減少量は、負荷濃度が減少している場合は、予め定められた一定量を減少しても良いし、負荷濃度減少量に応じて(例えば比例して)、周期を減少するように構成することもできる。
尚、制御部13(周期比較手段13m)は、現在の周期が周期下限値に達していると判断した場合は(図5P15NO)、周期を変更せずにステップ1に戻る。
上記周期決定手段13rは現在の周期Tより若干短い周期T’を決定し(図5P16参照)、新たな周期T’(50分)を水路W1の上記一方の弁開閉駆動手段13e1及び水路W2の他方の弁開閉駆動手段13c2に送信する(図4参照)。
その後、制御部13はステップP1に戻り、制御部13(送風機駆動手段13d)は、送風機10を減少した風量である風量「15」にて運転する。すると、送風機10から水路W1の送気管81、水路W2の送気管82に各々対応する風量が送風される(図8(b)、図9(c)期間S2参照)。
制御部13(一方の弁開閉駆動手段13e1)は、上記空気量変更手段13tから空気散気量を減少するように指令がきているので、空気流量計G1(流量検出手段13c1)からの流量を検出しながら風量調整弁111の曝気時の弁開度を「15」(5×3)から減少した散気量「4」となるように調整し(絞り)、弁開度を「12」(4×3)とし、その結果、水路W1の送気管81に対応する風量(「12」(4×3))が送風され、同一開度の散気調整弁9A1〜9C1を介して、好気性反応タンク2(基準制御タンク)の各好気槽2A1,2B1,2C1の散気装置5A1,5B1,5C1に送風が均等に分散され、各散気装置5A1〜5C1から空気散気量「4」、「4」、「4」の空気が噴射され「曝気」が開始される(図5P1、図8(b)K5、図9(a)(ホ)参照)。
同時に、制御部13(他方の弁開閉駆動手段13e2)は、空気流量計G2(流量検出手段13c2)からの流量を検出しながら風量調整弁112の弁開度を空気散気量「5」から空気散気量「1」となるように調整し(絞り)、弁開度を「3」(1×3)とし、その結果、水路W2の送気管82に対応する風量(「3」(1×3))が送風され、同一開度の散気調整弁9A2〜9C2を介して、好気性反応タンク22(従属制御タンク)の各好気槽2A2,2B2,2C2の散気装置5A2,5B2,5C2に送風が均等に分散され、各散気装置5A2〜5C2から空気散気量「1」、「1」、「1」の空気が噴射され「微曝気」が開始される(図5P2、図8(b)K5’、図9(b)(へ)参照)。
その後、制御部13(周期決定手段13r)は、水路W1の好気性反応タンク21の曝気継続時間が減少したT’/2(25分)になるか否かを判断する(図5P4参照)。尚、その間、同様に、制御部13(負荷濃度検出手段13a)及び制御部13(溶存酸素濃度検出手段13b)は負荷濃度データ及び溶存酸素データを取得する(図5P5参照)。
そして曝気時間がT’/2(25分)に達すると(図5P4YES)、制御部13(一方の弁開閉駆動手段13e1)は曝気を終了し、水路W1の好気性反応タンク21(基準制御タンク)の微曝気を開始する(図5P6、図8(b)K6、図9(a)(ト)参照)。
即ち、制御部13(一方の弁開閉駆動手段13e1)は、空気流量計G1からの流量を検出しながら風量調整弁111の弁開度を空気散気量「4」から空気散気量「1」となるように絞り、その結果、水路W1の散気管81に対応する風量「3」(1×3)が送風され、水路W1の好気性反応タンク21(基準制御タンク)の各好気槽2A1,2B1,2C1の散気装置5A1,5B1,5C1から空気散気量「1」、「1」、「1」の空気が噴射され「微曝気」が開始される(図5P6参照)。
同時に、制御部13(他方の弁開閉駆動手段13e2)は、空気流量変更手段13tから曝気時の空気散気量を減少(空気散気量「5」から「4」に減少)するように指令がきているので、空気流量計G2からの流量を検出しながら風量調整弁112の弁開度を空気散気量「1」から「4」となるように開き、その結果、水路W2の送気管82に対応する風量「12」(4×3)が送風され、水路W2の好気性反応タンク22(従属制御タンク)の各好気槽2A2,2B2,2C2の散気装置5A2,5B2,5C2から空気散気量「4」、「4」、「4」の空気が噴射され「曝気」が開始される(図5P7、図8(b)K6’、図9(b)(チ)参照)。
その後、制御部13(周期決定手段13r)は、水路W1の好気性反応タンク21の微曝気継続時間がT’/2(25分)になるか否かを判断する(図5P9参照)。尚、その間、制御部13(負荷濃度検出手段13a)及び制御部13(溶存酸素濃度検出手段13b)は負荷濃度データ及び溶存酸素データを取得する(図5P10参照)。
そして制御部13(周期決定手段13r)は、上記微曝気時間がT’/2(25分)に達すると(図5P9YES)、弁開閉駆動手段13e1,13e2に微曝気又は曝気の周期が終了した旨を通知すると共に、制御部13は、水路W1の好気性反応タンク21について、負荷濃度の検出動作を再び行う。
従って、その後、負荷濃度確認センサAにて検出した微曝気時の負荷濃度データが前回微曝気終了時の負荷濃度データと同一(又は一定範囲内)であって負荷濃度が一定(又は略一定)であれば、同一空気散気量(曝気時「4」、微曝気時「1」)、同一周期T’(50分)にて、水路W1の一方の好気性反応タンク21(基準制御タンク)での間欠曝気動作(空気散気量「4,4,4」,「1,1,1」,「4,4,4」,「1,1,1」・・・、図8(b)K7,K8・・・参照)、水路W2の他方の好気性反応タンク22(従属制御タンク)での同一タイミングでの逆位相の間欠曝気動作(空気散気量「1,1,1」,「4,4,4」,「1,1,1」,「4,4,4」・・・、図8(b)K7’,K8’・・・参照)が繰り返し行われる(図9(a)(b)期間S2参照)。
この間送風機10は、風量「18」(5×3+1×3)から風量「15」(4×3+1×3)への少量の減少で良いため、例えばターボ型送風機のような大型の送風機であっても十分に対応することが可能である(図9(c)期間S1からS2への変化参照)。
また、図5のステップP11にて負荷濃度が前回微曝気終了時の負荷濃度より低下しており、同図ステップP13にて空気散気量がDO下限値に達していない場合は、送風機10の風量が減少され(例えば風量「18」から「15」に段階的又は漸次減少され)、その結果、水路W1の基準制御タンクとしての好気性反応タンク21において、風量調整弁111の開度が曝気時は、空気散気量が下限値に至るまで、例えば空気散気量「4」から「3」に低下していく。或いは、図5のステップP13にて空気散気量がDO下限値に達していない場合は、送風機10の風量及び/又は空気散気量が負荷濃度減少量に応じて(例えば比例して)、漸次減少される。この場合、負荷濃度減少量が大きい場合は、送風機10の風量及び/又は空気散気量の減少量も大きくなり、負荷濃度減少量が少ない場合は、送風機10の風量及び/又は空気散気量の減少量も少なくなる。但し、微曝気時の空気散気量は常時「1」に維持される(図8(a)(b)参照)。また、図5のステップP15にて周期が周期下限値(T=20分)に達していない場合は、同時に周期も、周期下限値に至るまで段階的又は漸次減少され、曝気と微曝気からなる間欠曝気の周期も段階的に減少していく(例えばT=50分、40分、30分、20分)(図8、図9参照)。或いは、周期が周期下限値(T=20分)に達していない場合は、負荷濃度減少量に応じて(例えば比例して)、漸次減少される(例えばT=50分、48分、44分、38分のように減少期間は2分刻みの偶数の整数値)。従って、この場合負荷濃度減少量が大きい場合は、周期の減少量も大きくなり、負荷濃度減少量が少ない場合は、周期の減少量も少なくなる。
一方、水路W2の従属制御タンクとしての他方の好気性反応タンク22においては、基準制御タンクと同一の周期及び同一のタイミングにて、逆位相の間欠曝気動作(曝気時の空気散気量は、基準制御タンクの曝気時風量と同じ、微曝気時の空気散気量は常時「1」)が行われ、基準制御タンクと同一のタイミングで曝気と微曝気からなる逆相間欠曝気の周期も段階的又は漸次減少していく。
このように、現在の微曝気終了時の負荷濃度が前回微曝気終了時の負荷濃度より低下している場合は、空気散気量が十分に足りているということなので、空気散気量を、溶存酸素濃度が下限値に至るまでは段階的又は漸次減少し、間欠曝気動作の周期も、周期の下限値に至るまでは段階的又は漸次に減少する、という動作を繰り返し行う。
従って、負荷濃度の低下に応じて曝気時の空気散気量を適切に低下させることができるし、曝気時の空気散気量が減少しても、微曝気時は正相間欠曝気動作及び逆相間欠曝気動作共に、常に一定値の少量の空気散気量を維持し得るので、常に一定の脱窒速度を維持することができ、安定した窒素ガスへの変換を行うことができる。
上記従属制御タンクである他方の好気性反応タンク22の各好気槽2A〜2Cにおいても、上記基準制御タンクと逆位相になるだけで、同様に、排水中の窒素を除去することができる。
(空気量増加、周期増加制御)
同様に、水路W1の一方の好気性反応タンク21にて間欠曝気動作、及び、水路W2の他方の好気性反応タンク22にて逆位相の間欠曝気動作が継続的に行われているとする(図5P1〜P9参照)。
制御部13(負荷濃度比較手段13h)は、前回微曝気終了時の負荷濃度(アンモニア濃度)が、今回の微曝気終了時の負荷濃度より上昇している場合は(図5P11NO、P12YES)、その旨を次段の溶存酸素濃度比較手段13iに通知する。
制御部13(溶存酸素濃度比較手段13i)は、現在の微曝気終了時の負荷濃度が前回微曝気終了時の負荷濃度より上昇している旨の報告を受けると、空気散気量が不足していると判断し、風量及び空気散気量を増加すべく以下の制御を行う。
即ち、制御部13(溶存酸素濃度比較手段13i)は、溶存酸素濃度検出手段13bにて得られた前回の曝気時の溶存酸素濃度と、DO上限値記憶手段13jに記憶されているDO上限値(溶存酸素濃度の上限値)とを比較し(図5P17参照)、前回の曝気時の溶存酸素濃度がDO上限値に達していないと判断した場合は、送風機10の風量を増加するように送風機駆動手段13dに指令する(図3(3)参照)。上記制御部13(送風機駆動手段13d)は、送風機10の風量を増加するように制御を行う。この場合、送風機10の風量が「18」から「21」(6×3+1×3)に増加したとする(図5P18、図8(c)、図9(c)期間S3からS4参照)。
尚、制御部13(溶存酸素濃度比較手段13i)は、前回の曝気時の溶存酸素濃度が既にDO上限値に達していると判断した場合は(図5P17NO)、空気量を変更せずにステップP1に戻る。
また、空気量変更手段13tは、一方又は他方の弁開閉駆動手段13e1,13e2に曝気時の空気散気量を増加するように指令する。これにより、弁開閉駆動手段13e1,13e2は、各々曝気時の空気散気量を増加することを認識する。
また、制御部13(溶存酸素量比較手段13i)は、次段の周期比較手段13mに空気散気量を増加した旨を通知する。上記制御部13(周期比較手段13m)は、現在周期認識手段13pにて現在の周期(この場合60分とする)を認識し、現在の周期Tと周期上限値記憶手段13nに記憶されている周期上限値(90分)とを比較する。そして、周期比較手段13mは現在の周期(60分)が周期上限値よりも短い、即ち、現在の周期Tが周期上限値に達していないことを確認すると(図5P19YES)、当該周期を増加すべく、周期変更手段13qに通知する(図3(2)参照)。制御部13(周期変更手段13q)は、現在の周期Tより長い周期T”(例えば70分)(T<T”)を設定し、増加後の周期T”(70分)を周期決定手段13rに送出する。
尚、制御部13(周期比較手段13m)は、現在の周期が周期上限値に達していると判断した場合は(図5P19NO)、周期を変更せずにステップP1に戻る。
上記周期決定手段13rは現在の周期Tより長い周期T”(70分)を決定し(図5P20参照)、新たな周期T”を水路W1の上記一方の弁開閉駆動手段13e1及び水路W2の他方の弁開閉駆動手段13c2に通知する。
その後、制御部13はステップ1に戻り、制御部13(送風機駆動手段13d)は送風機10を以前の風量「18」から風量「21」にて運転する。すると、送風機10から水路W1の送気管81、水路W2の送気管82に対応する風量が送風される(図8(c)、図9(c)期間S4参照)。
制御部13(一方の弁開閉駆動手段13e1)は、空気量変更手段13tから曝気時の空気量を増加するように指令されているので、空気流量計G1からの流量を検出しながら風量調整弁111の曝気時の弁開度を以前の弁開度「15」(5×3)から弁開度「18」(6×3)となるように調整し(開き)、その結果、水路W1の送気管81に対応する風量「18」が送風され、同一開度の散気調整弁9A1〜9C1を介して、一方の好気性反応タンク2(基準制御タンク)の各好気槽2A1,2B1,2C1の散気装置5A1,5B1,5C1に送風が均等に分散され、各散気装置5A1〜5C1から空気散気量「6」、「6」、「6」の空気が噴射され「曝気」が開始される(図5P1、図8(c)K9、図9(a)(リ)参照)。
同時に、制御部13(他方の弁開閉駆動手段13e2)は、空気流量計G2からの流量を検出しながら風量調整弁112の弁開度を、基準制御タンクとは逆位相、この場合は、微曝気の弁開度「3」(1×3)となるように調整し、その結果、水路W2の送気管82に対応する風量「3」が送風され、同一開度の散気調整弁9A2〜9C2を介して、他方の好気性反応タンク22(従属制御タンク)の各好気槽2A2,2B2,2C2の散気装置5A2,5B2,5C2に送風が均等に分散され、各散気装置5A2〜5C2から空気散気量「1」、「1」、「1」の空気が噴射され「微曝気」が開始される(図5P2、図8(c)K9’、図9(b)(ヌ)参照)。
その後、制御部13(周期決定手段13r)は、水路W1の好気性反応タンク2の曝気継続時間がT”/2(35分)になるか否かを判断する(図5P4参照)。尚、その間、制御部13(負荷濃度検出手段13a)及び制御部13(溶存酸素濃度検出手段13b)は負荷濃度データ及び溶存酸素データを取得する(図5P5参照)。
そして曝気時間がT”/2(35分)に達すると(図5P4YES)、曝気を終了し、水路W1の好気性反応タンク21(基準制御タンク)の微曝気を開始する(図5P6、図8(c)K10、図9(a)(ル)参照)。
即ち、制御部13(一方の弁開閉駆動手段13e1)は、空気流量計G1からの流量を検出しながら風量調整弁111の弁開度を空気散気量「6」から空気散気量「1」となるように調整し(絞り)、その結果、水路W1の送気管81に対応する風量「3」(1×3)が送風され、水路W1の好気性反応タンク21(基準制御タンク)の各好気槽2A1,2B1,2C1の散気装置5A1,5B1,5C1から空気散気量「1」、「1」、「1」の空気が噴射され「微曝気」が開始される(図5P6、図8(c)K10参照)。
同時に、制御部13(他方の弁開閉駆動手段13e2)は、空気量変更手段13tから曝気時の風量を増加するように指令されているので、空気流量計G2からの流量を検出しながら風量調整弁112の弁開度を空気散気量「1」から空気散気量「6」となるように調整し(開き)、その結果、水路W2の送気管82に対応する風量「18」(6×3)が送風され、水路W2の好気性反応タンク22(従属制御タンク)の各好気槽2A2,2B2,2C2の散気装置5A2,5B2,5C2から空気散気量「6」、「6」、「6」の空気が噴射され「曝気」が開始される(図5P7、図8(c)K10’、図9(b)(オ)参照)。
その後、制御部13(周期決定手段13r)は、水路W1の好気性反応タンク2の微曝気継続時間がT”/2(35分)になるか否かを判断する(図5P9参照)。尚、その間、制御部13(負荷濃度検出手段13a)及び制御部13(溶存酸素濃度検出手段13b)は負荷濃度データ及び溶存酸素データを取得する(図5P10参照)。
そして制御部13(周期決定手段13r)は、上記微曝気時間がT”/2(35分)に達すると(図5P9YES)、弁開閉駆動手段13e1,13e2に微曝気又は曝気の周期が終了した旨を通知すると共に、制御部13は、水路W1の好気性反応タンク21(基準制御タンク)について、負荷濃度の検出動作を再び行う。
従って、以後、負荷濃度確認センサAにて検出した微曝気時の負荷濃度データが前回微曝気終了時の負荷濃度データと同一(又は一定範囲内)であって負荷濃度が一定(又は略同一)であれば、同一空気散気量(曝気時「6」、微曝気時「1」)、同一周期T”にて、水路W1の一方の好気性反応タンク21(基準制御タンク)での間欠曝気動作(空気散気量「6,6,6」,「1,1,1」,「6,6,6」,「1,1,1」・・・、図8(b)K9,K10,K11・・・参照)、水路W2の他方の好気性反応タンク22(従属制御タンク)での同一タイミングでの逆相の間欠曝気動作(空気散気量「1,1,1」,「6,6,6」,「1,1,1」,「6,6,6」・・・、図8(b)K9’,K10’,K11’・・・参照)が繰り返し行われる。
この間送風機10は、風量「18」(5×3+1×3)から風量「21」(6×3+1×3)への少量の増加で良いため、例えばターボ型送風機のような大型の送風機であっても問題なく対応することが可能である(図9(c)期間S3からS4への変化参照)。
また、図5ステップP12にて負荷濃度が前回微曝気終了時の負荷濃度より上昇しており、ステップP17にて空気散気量がDO上限値に達していない場合は、送風機10の風量が増加され(例えば風量「18」から「21」に段階的又は漸次増加され)、その結果、水路W1の基準制御タンクとしての一方の好気性反応タンク21において、風量調整弁111の開度が曝気時は、空気散気量が上限値に至るまで、空気散気量「5」から「6」に増加していく。或いは、図5ステップP17にて空気散気量がDO上限値に達していない場合は、送風機10の風量及び/又は空気散気量が負荷濃度増加量に応じて(例えば比例して)、漸次増加される。この場合、負荷濃度増加量が大きい場合は、送風機10の風量及び/又は空気散気量の増加量も大きくなり、負荷濃度増加量が少ない場合は、送風機10の風量及び/又は空気散気量の増加量も少なくなる。但し、微曝気時の風量は常時一定散気量(例えば空気散気量「1」)に維持される。
また、図5のステップP19にて周期が周期上限値に達していない場合は、同時に周期も、周期上限値に至るまで、段階的又は漸次増加され(70分、80分、90分)、曝気と微曝気からなる間欠曝気の周期も段階的又は漸次増加していく。或いは、周期が上限値に達していない場合は、負荷濃度増加量に応じて(例えば比例して)、漸次増加される(例えばT=70分、72分、80分のように2分刻みの偶数の整数値)。従って、この場合負荷濃度増加量が大きい場合は、周期の増加量も大きくなり、負荷濃度増加量が少ない場合は、周期の増加量も少なくなる。
一方、水路W2の従属制御タンクとしての他方の好気性反応タンク22においては、基準制御タンクと同一の周期及び同一のタイミングにて、逆位相の間欠曝気動作(曝気時の散気量は、基準制御タンクの曝気時散気量と同じ、微曝気時の空気散気量は常時「1」)が行われ、基準制御タンクと同一のタイミングで曝気と微曝気からなる間欠曝気の周期も段階的に増加していく。
このように、現在の微曝気終了時の負荷濃度が前回微曝気終了時の負荷濃度より上昇している場合は、空気散気量が足りていないので、空気散気量をDO上限値に至るまでは段階的又は漸次増加し、間欠曝気動作の周期も周期上限値に至るまでは段階的又は漸次増加する、という動作を繰り返し行う。
従って、負荷濃度の上昇に応じて曝気時の空気散気量を適切に増加させることができるし、曝気時の空気散気量が増加しても、微曝気時は正相間欠曝気動作及び逆相間欠曝気動作共に、常に一定値の少量の散気量を維持し得るので、常に一定の脱窒速度を維持することができ、安定した窒素ガスへの変換を行うことができる。
また、従属制御タンクとしての好気性反応タンク22においても、同様に、適切な空気散気量により、基準制御タンクと同一タイミング及び同一周期での逆位相の間欠曝気動作が行われる。
このように、曝気時において、散気装置5A1〜5C1から各好気槽2A1〜2C1に空気散気量「6」の適切な空気が噴射されるので、上記空気により硝化菌が排水中のアンモニア性窒素を亜硝酸性窒素、及び、硝酸性窒素に酸化する硝化反応が行われる。一方、曝気時の空気散気量が変化しても、微曝気時においては、散気装置5A〜5Cから各好気槽2A〜2Cに空気散気量「1」の一定値の空気が噴射されるので、略無酸素条件下となり、脱窒細菌による硝酸性呼吸又は亜硝酸性呼吸により、亜硝酸性窒素、硝酸性窒素が窒素ガスに還元され、空気中に放出される。このように間欠曝気動作により、排水中の窒素を除去することができる。
(空気倍率に基づく補正動作)
本実施形態においては、従属制御タンクに負荷濃度確認センサ及び溶存酸素濃度センサを用いない効率的な処理を行うため、図18に示すように、制御部13(空気倍率算出手段13u)にて上記水路W1における空気倍率(=空気流量/流入水量)を算出し(これを「基準空気倍率S」という)、この基準制御倍率Sを他の水路W2に適用すべく、水路W2における空気散気量を補正することを行う。
具体的には、図5のステップP2の従属制御タンク22の微曝気開始の後、図5のステップP2’にて、水路W1の流入水量計41の流量F1(例えば「5」とする)を計測すると共に、基準制御タンク21の曝気時の空気流量計G1の流量R1(この場合「10」とする)を計測し、「R1/F1=(10/5)=2」より基準空気倍率S(=2)を算出し、基準空気倍率記憶手段13vに記憶する(図5P2’参照)。
その後、図5ステップP7において、制御部13(微調整量算出手段13y2)は、従属制御タンク22の曝気を開始した後、図5ステップP7’において、水路W2の流入水量計42の流量F2を計測すると共に(この場合「4.5」とする)、水路W2の空気倍率が、上記水路W1の基準空気倍率S(=2)と同一となるように、水路W2の風量調整弁112の開度を微調整する。具体的には、微調整量算出手段13y2において、微調整後の空気風量「R2=基準空気倍率S×水路W2の流入水量F2」を算出し(本実施形態の場合2×4.5=9=R2)、水路W2の空気流量計G2の流量R2が、微調整前の空気流量「10」から微調整後の空気流量「9」となるように、他方の弁開閉駆動手段13e2に指令する。
上記水路W2の他方の弁開閉駆動手段13e2は、空気流量計G2からの流量を流量検出手段13c2で検出しながら、風量調整弁112の開度を調整し、水路W2の空気流量が「9」となるように調整(補正)する(この場合、空気風量を減少する)。その結果、水路W2の流入水量と水路W1の流入水量の差(5−4.5=0.5)に対応して、水路W2の空気倍率を、水路W1と同一の基準空気倍率Sとすることが可能となる。このように、水路W1での基準空気倍率Sを測定するだけで、他の水路W2については、上記基準空気倍率Sに合わせるべく、弁開度を調整するだけでよいため、水路毎に負荷濃度確認センサ及び溶存酸素濃度センサを用いる必要がなく、効率的に空気倍率を合わせることができる。
(水路Wが4水路以上存在する場合)
上述の説明は、水路W1と水路W2が存在する場合であったが、水路は偶数であれば、より多くの水路(例えば4つの水路W1〜W4、或いはそれ以上の水路W6〜W10)が存在しても良い。
水路Wが4以上存在する場合の動作手順を図6に示す。この動作手順は、図5の動作手順と比較して、同位相の従属制御タンクの曝気開始(図6ステップP3)と、同位相の従属制御タンクの微曝気開始(図6のステップP8)が追加されるだけで、その他の手順は図5と同じである。
この場合、基準制御タンクはあくまでも水路W1の好気性反応タンク21のみであり、他の水路W2〜水路W4・・・の好気性反応タンク22〜24・・・は全て従属制御タンクであるが、水路W3と水路W4(水路W5と水路W6等)の2組の水路を一対として(図10参照)、各水路W3,W4・・・毎に、風量調整弁113,114・・・及び空気流量計G3,G4・・・を設けると共に、制御部13には各水路毎に各一方及び各他方の弁開閉駆動手段13e3,13e4・・・と流量検出手段13c3,13c4・・・を設け、上記制御部13の上記空気量変更手段13t、上記周期決定手段13rからの上記説明と同様の指令により、水路W3,W5・・・の従属制御タンク(好気性反応タンク23,25・・・、或いは奇数番目の好気性反応タンク、即ち各一方の好気性反応タンク)にて、上記説明した上記基準制御タンクと同じ同位相の間欠曝気動作を行い、水路W4,W6・・・の従属制御タンク(好気性反応タンク24,26・・・、或いは偶数番目の好気性反応タンク、即ち各他方の好気性反応タンク)にて上記説明した基準制御タンクと逆位相の逆相間欠曝気動作を行う。
即ち、制御部13から奇数番目の水路の各一方の好気性反応タンクに対する制御(指令)は、上記水路W1の一方の好気性反応タンク21に対してなされる指令と同じ指令が行われ、これら奇数番目の水路の各一方の好気性反応タンクでは、上記一方の好気性反応タンク21と同様の同相間欠曝気動作が行われ、制御部13から偶数番目の各他方の好気性反応タンクに対する制御(指令)は、上記水路W2の他方の好気性反応タンク22に対してなされる指令と同じ指令が行われ、これら偶数番目の水路の各他方の好気性反応タンクでは、上記他方の好気性反応タンク22と同様の逆相間欠曝気動作が行われる。従って、水路が4以上増加しても、制御部13の全く同一の指令にて複数の水路の好気性反応タンク2を制御することができる。
具体的には、図10に示すように、水路W3に対応する弁開閉駆動手段13e3は、基準制御タンクと同位相の間欠曝気動作を行うべく、空気流量計G3の流量を流量検出手段13c3にて検出しつつ、風量調整弁113の弁開閉制御を行い、曝気時(例えば空気散気量「5」)、微曝気時(空気散気量「1」)の動作を繰り返し行う(「5,5,5」,「1,1,1」,「5,5,5」,「1,1,1」・・・)。また、水路W4に対応する他方の弁開閉駆動手段13e4は、逆位相の間欠曝気動作を行うべく、空気流量計G4の流量を流量検出手段13c4にて検出しつつ、風量調整弁114の弁開閉制御を行い、微曝気時(空気散気量「1」)、曝気時(例えば空気散気量「5」)の動作を繰り返し行う(「1,1,1」,「5,5,5」,「1,1,1」,「5,5,5」・・・)。勿論、各一方又は各他方の弁開閉駆動手段13e3,13e4・・・は、空気量変更手段13t、周期決定手段13rからの曝気時の空気散気量の増加、減少の指令に基づいて、曝気時の弁開度を段階的又は連続的に増加、減少を行う。
従って、図6に示すように、ステップP1にて基準制御タンク(一方の好気性反応タンク21)の曝気を開始し、ステップP2にて同時に逆位相の従属制御タンク(例えば偶数番目の各他方の好気性反応タンク22,24・・・)の微曝気を開始し、ステップP3にて同時に同位相の従属制御タンク(例えば奇数番目の各一方の好気性反応タンク23,25・・・)の曝気が開始される。
その後、曝気又は微曝気の周期が終了した後(図6P4参照)、ステップP6にて基準制御タンク(一方の好気性反応タンク21)の微曝気を開始し、ステップP7にて同時に逆位相の従属制御タンク(例えば偶数番目の各他方の好気性反応タンク22,24・・・)の曝気を開始し、ステップP8にて同時に同位相の従属制御タンク(例えば奇数番目の各一方の好気性反応タンク23,25・・・)の微曝気が開始される。
その後、微曝気又は曝気の周期が終了した後(図6P9参照)、ステップP11〜P20において、空気散気量及び周期の増減制御は、一つの基準制御タンク(一方の好気性反応タンク21)の負荷濃度及び溶存酸素濃度を基準に行われ、これを基準に他の全ての従属制御タンクの空気散気量及び周期の増減制御が行われる。
(空気倍率に基づく補正動作)
また、空気倍率についても、図6のステップP3’,P8’において、上記と同様の制御方法により、各水路W2,W3・・・の空気倍率を上記水路W1の空気倍率に合わせることができる。
図6のステップP3’において、制御部13(図18、空気倍率算出手段13u)は、水路W1の基準制御タンク21の基準空気倍率Sを算出すると共に、その基準空気倍率Sを基準空気倍率記憶手段13v(図18参照)に記憶する。その後、図6のステップP8’において、水路W2,W3・・・の各流入水量F2,F3・・・を測定し、各微調整量算出手段13y2、13y3・・・(図18参照)にて、調整後の空気流量R2,R3・・・を水路毎に算出する。そして、微調整量算出手段13y2、13y3・・・が各水路の弁開閉制御手段13e2,13e3・・・に、調整後の空気流量に微調整すべく、微調整指令を送出する。これにより、各水路W2,W3・・・の各弁開閉駆動手段13e2,13e3・・・は、各水路W2,W3・・・の空気流量計G2,G3・・・からの流量を検出しながら風量調整弁112,113・・・を微調整することにより、各水路W2,W3の空気倍率を水路W1の基準空気倍率Sに合わせることが可能となる。
このように、基準制御タンクとしての好気性反応タンク21にのみ負荷濃度確認センサAと溶存酸素濃度センサDを設け、基準制御タンクの当該負荷濃度データと溶存酸素濃度データに基づいて、単一の制御部13にて、基準制御タンクを含む他の全ての従属制御タンクの曝気時の空気散気量及び間欠曝気動作の周期を制御し得るので、水路Wが複数(4水路以上)存在しても、水路全体の制御を容易に行うことができる。
また、空気散気量の増加、減少についても、曝気時の空気散気量のみを増加し、微曝気時の空気散気量は正相間欠曝気動作及び逆相間欠曝気動作共に、一定値の少量の風量(例えば空気散気量「1」)を維持しているので、脱窒速度を常に一定に維持することができ、曝気時の空気散気量を増減したとしても、安定した脱窒反応を実現することができる。
また、間欠曝気動作について、各水路の曝気時と微曝気時の切り換えは、各水路毎に設けた風量調整弁111,112・・・の弁開度調整にて行い、一方の水路(奇数番目の水路)の各一方の好気性反応タンクの間欠曝気動作に対して、他方の水路(偶数番目の水路)の各他方の好気性反応タンクの間欠曝気動作を逆位相とすることにより、同時のタイミングで行われる奇数番目の水路の各一方の好気性反応タンクの曝気と、偶数番目の水路の各他方の好気性反応タンクの微曝気の合計風量は、空気散気量の増減指示がない限り一定とすることができるため、送風機10の風量も、風量の増減指示がない限り所定の風量、即ち、一定の風量にて運転を継続することができる。
また、空気散気量を増加、減少する場合においても、例えば水路W1の曝気時の空気散気量「5」、逆位相の水路W2の微曝気時の空気散気量「1」の状態(例えば4水路の場合は、送風機10の合計風量「36」(2水路の風量「18」×2)の状態)から、風量を増加し、水路W1の曝気時の空気散気量「6」、水路W2の微曝気時の空気散気量「1」になったとしても、送風機10の合計風量は「36」から風量「42」(2水路の風量「21」×2)に少量増加すれば良い。また、例えば水路W1の曝気時の空気散気量「5」、水路W2の微曝気時の空気散気量「1」の状態(送風機10の風量「36」の状態)から、風量を減少し、水路W1の曝気時の空気散気量「4」、水路W2の微曝気時の空気散気量「1」になったとしても、送風機10の風量は「36」から風量「30」(2水路の風量「15」×2)に少量減少すれば良い。
従って、例えば大規模な下水処理場に使用されている既存の大型の送風機(例えばターボ形送風機)であっても、風量の増加、減少に十分に対応することが可能であり、既存の大規模都市下水処理場において問題なく適用することができる。
また、このように4水路以上となっても、図18の構成により、各水路W2,W3・・・の空気倍率を基準制御タンクの空気倍率に合わせることができ、水路が4以上の複数になっても水路毎に負荷濃度確認センサ及び溶存酸素濃度センサを用いる必要がなく、複数水路の空気倍率を効率的に基準空気倍率に合わせることができる。
2 周期が一定の場合の実施形態(第2の実施形態)
上記の実施形態では、曝気時の空気散気量の増加又は減少と共に、間欠曝気動作の周期も増加又は減少させる構成について説明した。ここでは、曝気時の空気散気量を増加又は減少するが、周期は一定(例えば60分)とする場合の実施形態(第2の実施形態)について説明する。
図5又は図6の動作手順において、ステップP15,P16及びステップP19,P20が存在せず、ステップP14にて空気散気量を減少する動作を行い、又は、ステップP18にて空気散気量を増加する動作を行った後、ステップP1又はステップP2に戻って、基準制御タンクの曝気動作、逆位相の従属制御タンクの微曝気動作、及び同位相の従属制御タンクの曝気動作を行う。
その後、ステップP4及びステップP9にて周期を決定するが、この場合の周期Tは常時一定(T/2=30分)であり、曝気時の空気散気量の増加、減少に伴って変化しない。また、空気散気量を増加、減少するのは「曝気時」のみであり、「微曝気時」の空気散気量は上記と同様に、増減ぜずに、一定値(例えば風量「1」)を維持する。
この場合、制御部13において、周期を変更する制御に係る構成である現在周期認識手段13p、周期下限値記憶手段13o、周期上限値記憶手段13n,周期比較手段13m(図2)、周期変更手段13g(図4)に係る構成は必要ない。
よって、ステップP14,P18においては、溶存酸素濃度比較手段13iから送風機駆動手段13dに曝気時の風量の増加又は減少が指示されると共に、空気量変更手段13tに曝気時の空気散気量の増加又は減少が指示され、その結果、各一方及び各他方の弁開閉駆動手段13e1,13e2において、周期は一定の状態で、曝気時の空気散気量のみ増加又は減少するように制御が行わる(図11(a)(b)参照)。
このように間欠曝気動作の周期は一定とし、負荷濃度の増加、減少に対応して、曝気時の空気散気量のみを増加、減少制御することによっても、脱窒速度を維持しながら、負荷濃度の増減(アンモニアの増減)に対応して空気散気量を増加、減少することにより、負荷濃度に応じて硝化反応を適切に促進することができる。
3 溶存酸素濃度センサDを用いない場合(第3実施形態)(図7参照)
上記の実施形態では、溶存酸素濃度センサDを用いて、基準制御タンクとしての好気性反応タンク21の現在の溶存酸素濃度を検出し、制御部13(溶存酸素濃度比較手段13i)は、この現在の溶存酸素濃度がDO下限値又はDO上限値に達しているか否かを検出し、その結果に応じて、風量及び空気散気量の増加又は減少を行っている。
これに対して、この実施形態では、溶存酸素濃度センサDを用いることなく、制御を実現するものである。本実施形態の動作手順を図7に示す。この動作手順は、ステップP13,P17にて溶存酸素濃度を基準とする判断に代えて、現在の空気散気量と予め設定している空気散気量の上限値又は下限値と比較する点が異なるのみで、その他の手順は上記第1又は第2実施形態と同じである。
この実施形態では、図3の溶存酸素濃度検出手段13b、DO下限値記憶手段13k、DO上限値記憶手段13j、溶存酸素濃度比較手段13iに代えて、図12に示すように、前回散気量記憶手段13b’、散気量下限値記憶手段13k’、散気量上限値記憶手段13j’、空気散気量比較手段13i’が設けられる。
そして、上記制御部13(負荷濃度比較手段13h)が前回微曝気時の負荷濃度より現在の微曝気時の負荷濃度が低いと判断し(図7ステップP11YES)、その旨、空気散気量比較手段13i’に通知があった場合は、ステップP13において、空気散気量比較手段13i’が、前回の空気散気量が散気量下限値に達していないと判断した場合は、送風機駆動手段13dに曝気時の風量を減少するように指令を行うと共に、上記空気量変更手段13t(図4参照)に曝気時の空気散気量を減少するように指令を行う(図7、ステップP14参照)。この場合、空気散気量は、負荷濃度の減少量に応じて(例えば比例して)減少することができる。それ以降は、ステップP15,P16を経て、周期も減少され、ステップP1に戻って、基準制御タンクにおいては、より少ない空気散気量にて曝気が行われ、従属制御タンクにおいては、一定の空気散気量(例えば空気散気量「1」)の微曝気が行われ、以降は第1の実施形態と同様の処理が行われる。
また、制御部13(負荷濃度比較手段13h)が前回微曝気時の負荷濃度より現在の微曝気時の負荷濃度が高いと判断し(図7ステップP12YES)、その旨、空気散気量比較手段13i’に通知があった場合は、ステップP17において、空気散気量比較手段13i’が、前回の空気散気量が散気量上限値に達していないと判断した場合は、送風機駆動手段13dに曝気時の風量を増加するように指令を行うと共に、上記空気変更手段13t(図4参照)に曝気時の空気散気量を増加するように指令を行う(図7、ステップP18参照)。この場合、空気散気量は、負荷濃度の増加量に応じて(例えば比例して)増加することができる。それ以降は、ステップP19,P20を経て、周期も増加され、ステップP1に戻って、主制御タンクにおいては、より多い空気散気量にて曝気が行われ、従属制御タンクにおいては、一定の空気散気量(例えば空気散気量「1」)の微曝気が行われ、以降は第1の実施形態と同様の処理が行われる。
この場合、制御部13(空気散気量比較手段13i’)は、前回の空気散気量は、例えば、水路W1の弁開閉駆動手段13e1の前回の曝気時の弁開度データ(又は弁開度データの1/3、即ち3つの内、1の好機槽に対応する開度データ)、或いは、空気流量計G1の前回の曝気時の流量データ(又は流量データの1/3、即ち3つの内、1の好機槽に対応する流量データ)を認識し、これらのデータを制御部13(前回散気量検出手段13b’)が記憶し、これを前回の空気散気量として、散気量上限値又は散気量下限値と比較すれば良い。
このように構成すると、若干精度は落ちるが、溶存酸素濃度センサDを使用することなく、より低コストの装置構成にて、本発明を実現することが可能となる。
4 第4実施形態(図13参照)
この実施形態は、基本的構成は第1の実施形態と同様であるが、各水路W1,W2・・・の好気性反応タンク21,22・・・の上流側に脱窒を行う無酸素槽141,142・・・を各々設け、かつ末端の好気槽2C1,2C2・・・の排水の一部を上記無酸素槽141,142・・・に供給する排水循環管121,122・・・を設け、上記汚泥返送管6は上記最終沈殿池3で沈殿分離した微生物フロックの一部を、好気槽2A1,2A2に代えて、上記無酸素槽141,142・・・に各々返送するように構成したものである。
それ以外の構成は、第1の実施形態と同様であり、基準制御タンクとしての一方の好気性反応タンク21(及び奇数番目の各一方の好気性反応タンクである従属制御タンク)では曝気と微曝気からなる正相間欠曝気動作が行われ、従属制御タンクとしての各他方の好気性反応タンク22(及び偶数番目の従属制御タンク)では、上記基準制御タンクと同一のタイミング、同一周期で、上記基準制御タンク(又は奇数番目の従属制御タンク)とは逆位相の微曝気と曝気からなる逆相間欠曝気動作が行われる。
上記無酸素槽14には、散気装置は設けずに、無酸素槽14内の排水を攪拌するための攪拌機が設けられる。このように構成すると、好気槽2A,2B,2Cにて行われる間欠曝気動作により、微曝気時に空気散気量を低下させて脱窒菌による脱窒反応により窒素ガスの空気中への放出が行われるが、好気槽2Aの上流側に脱窒反応専用の無酸素槽14を設け、硝化液を排水循環管12にて無酸素槽14に戻すことにより、当該無酸素槽14において、脱窒反応が活発に行われるため、各水路Wにおける脱窒効果を高めることができる。
5 第5の実施形態(図14参照)
この実施形態は、基本的構成は第4の実施形態と同様であるが、各水路W1,W2・・・の無酸素槽141,142・・・の上流側に、さらに、リン吐き出しを行う嫌気槽151,152・・・を設け、上記汚泥返送管9は上記最終沈殿池3で沈殿分離した微生物フロックの一部を汚泥返送管6にて、好気槽2、無酸素槽14に代えて、上記嫌気槽151,152・・・に各々返送するように構成したものである。
この嫌気槽2Eにおいては、散気装置は設けずに、嫌気槽15内の排水を攪拌するための攪拌機を設ける。このように構成すると、最初沈殿池1からの処理水が嫌気槽15に送られるが、当該嫌気槽15には最終沈殿池からの返送汚泥中のリン蓄積細菌が酢酸系の有機物を体内に蓄積し、リン酸を放出(吐き出す)する。このリン酸は、上記無酸素槽14を経て、好気槽2A〜2Cに送られ、これら好気槽2A〜2Cにおいて、活性汚泥中にリンが吸収されることで、リンの除去を行うことができる。
従って、無酸素槽14の上流側に嫌気槽15を設けることにより、排水中の窒素の除去のみならず、リンの除去をも行うことができる。
6 第6の実施形態(図15参照)
この実施形態は、基本的構成は第1の実施形態と同様であるが、各水路W1,W2・・・の好気性反応タンク21,22・・・の上流側に、リン吐き出しを行う嫌気槽151,152・・・を設け、上記汚泥返送管6は上記最終沈殿池3で沈殿分離した微生物フロックの一部を、好気槽2A1,2A2に代えて、上記嫌気槽151,152・・・に各々返送するように構成したものである。この嫌気槽15においては、散気装置は設けずに、嫌気槽15内の排水を攪拌するための攪拌機を設ける。
このように構成すると、窒素除去は、好気槽2A〜2Cの間欠曝気動作により行いながら、嫌気槽15によって放出された(吐き出された)リン酸を好気槽2A〜2Cの活性汚泥中に吸収されることで、好気槽2A〜2Cにて窒素を除去しながら、リンの除去をも行うことができる。
上記実施形態において、負荷確認手段としてアンモニアセンサを用いたが、必ずしもこれに限定されるものではなく、負荷が高くなると上昇し、負荷が低くなると下降する特性を有する活性汚泥微生物の呼吸反応に関与する補酵素の一つであるニコチンアミド・アデニン・ジヌクレオチドの計測装置、微曝気時のDO濃度の減少速度すなわち呼吸速度を演算することにより負荷変化を確認できることから溶存酸素センサを使用することが可能である。その他、酸化還元電位計(ORP計)、UV計なども適用可能である。
また、上記の実施形態では、一方の好気性反応タンク21では好気槽2A,2B,2Cは共に曝気、他方の好気性反応タンク22では好機槽2A,2B,2Cは共に微曝気とする制御を行ったが、図16に示すように、例えば好気性反応タンク21,22を共に5つの槽(2A〜2E)に分割し、各槽毎に散気装置5A〜5Eを分離して設け、好気性反応タンク21において5つの槽を曝気(図16中丸印)と微曝気(図16中三角印)を交互に行い、他方の好気性反応タンク22において逆位相、同一周期かつ同一タイミングの間欠曝気動作を行うことも可能である。この場合、曝気と微曝気の切り換えは、各散気装置5A〜5E毎に設けられた散気調整弁9A〜9Eにより行うことができる。
また、上記説明では、複数の水路の送気管81,82・・・に上記送風機10を設けた構成を示したが、例えば複数の水路毎(例えば4〜5水路毎)に送風機10を設け、全体の水路(例えば10水路)としては送風機10が複数台(例えば2つの送風機10)となる構成でも良い。
また、上記実施形態では、散気調整弁9A,9B,9Cの開度は均等として説明したが、上記散気調整弁9A,9B,9Cの曝気時の開度を「9Aの開度>9Bの開度>9Cの開度」となるように事前に定め、一方、微曝気時には均等の開度「9Aの開度=9Bの開度=9Cの開度」とすることで、曝気時の散気量に傾斜(例えば、各好気槽2A,2B,2Cの空気散気量が「7,5,3」(合計「15」)を設け、微曝気時の散気量は「1,1,1」とする操作も可能である。この場合、制御部13(散気調整弁駆動手段13f)が曝気と微曝気の周期Tに合わせて、散気調整弁9A,9B,9Cの開度を、上記曝気時の傾斜付きの開度と上記微曝気時の均等の開度に切り換える動作を繰り返し行うことになる。このように構成すると、本発明の間欠曝気動作における曝気時において、好気性反応タンクの酸素要求量が大きい流入端側の空気散気量を大きく、酸素要求量が小さい流出端側の空気散気量を小さくする、所謂テーパードエアレーション方式を実現することができ、流下方向に沿った酸素要求量に適切に対応できるので、均等の散気よりさらに効率的な間欠曝気方式を実現できる。
また、上記実施形態では、説明の簡単のため、曝気時の空気散気量を「4」「5」「6」、微曝気時の空気散気量を「1」、及び、送風機の風量を「15」「18」「21」等と表現したが、これらは増減の方向性を示す数字であり、風量及び空気散気量はこれらに限定されないこと、及び整数に限定されないことは勿論である。例えば、空気流量計G1,G2・・・にて計測される空気流量は例えば1300m3/時、1450m3/時等であり、送風機10の風量は例えば数十m3/分〜数百m3/分等である。
また、上記実施形態では、図17の想定実験をベースに、周期Tは最短で20分、最長で90分としたが、周期の下限値、上限値はこれに限定されることはない。
本発明は以上のように、間欠曝気動作における微曝気の風量をゼロにすることなく、一方の好気性反応タンク21において正相間欠曝気動作を行い、他方の好気性反応タンク22において逆相間欠曝気動作を行うことにより、間欠曝気動作中の送風機10の風量を停止することなく所定の風量(例えば一定風量)にて運転を継続することができ、従って例えば大型のターボ形送風機を使用している都市型大規模下水処理場において、好気性反応タンク及び空気散気部等の構成を大幅に変更することなく、間欠曝気処理による窒素除去が可能な高機能排水処理施設への変更を比較的低コストにて実現することができるものである。
また、例えば複数の水路(例えば4水路以上)を有する都市型大規模下水処理場においても、比較的低廉なコストで間欠曝気動作による窒素除去が可能な高機能排水処理施設への変更を行うことが可能となる。
また、何れか一つの好気性反応タンク21に負荷濃度確認センサA及び溶存酸素濃度センサDを設けるだけで、全ての好気性反応タンク21,22・・・において、負荷濃度に応じた曝気時の空気散気量及び周期の増減制御を行うことができ、負荷濃度の上昇又は下降に対応して適切な空気散気量及び周期の変更を、全ての水路に対応する好気性反応タンクにおいて実現することが可能となる。
また、各一方の好気性反応タンク21,23・・・と各他方の好気性反応タンク22,24・・・は逆位相にて制御されるので、空気散気量の増減変更があっても、送風機10の風量の増減変化は最小限に留めることができ、例えば大型のターボ形送風機を使用している都市型大規模下水処理場においても適用が可能な排水処理装置及び排水処理方法を実現し得る。
また、周期は常時一定値を維持しながら、負荷濃度の上昇又は下降に応じて空気散気量のみを増減変更することができ、周期をも増減変更する制御に比べて簡易ではあるが、間欠曝気動作による窒素除去を可能とする大規模な排水処理施設に適用可能な排水処理装置及び排水処理方法を実現することができる。
また、溶存酸素濃度センサDを用いることなく、間欠曝気動作による窒素除去を可能とする排水処理施設を実現することができ、精度は若干落ちるが、同様に大規模な排水処理施設に適用可能な排水処理装置及び排水処理方法を実現することができる。
また、無酸素槽14を設けることで、好気性反応タンクでの間欠曝気動作による窒素除去の機能に加えて上流側の無酸素槽14においても活発に脱窒反応が行われるため、より効果的に窒素除去を行うことが可能となる。
また、無酸素槽14の上流に嫌気槽15を設けることにより、上記無酸素槽14及び好気性反応タンクによる窒素除去の機能に加えて、リンの除去をも行うことができる。
また、好気性反応タンクの上流側に嫌気槽15を設けることで、窒素除去は好気性反応タンクの間欠曝気動作にて行い、さらにリンの除去をも行うことができる。
また、複数の水路が存在する場合、簡易な構成により各水路の好気性反応タンクの空気倍率を基準空気倍率Sに合わせることができる。