JP6666165B2 - アンモニア性窒素含有被処理液の硝化脱窒処理方法及び装置 - Google Patents

アンモニア性窒素含有被処理液の硝化脱窒処理方法及び装置 Download PDF

Info

Publication number
JP6666165B2
JP6666165B2 JP2016029290A JP2016029290A JP6666165B2 JP 6666165 B2 JP6666165 B2 JP 6666165B2 JP 2016029290 A JP2016029290 A JP 2016029290A JP 2016029290 A JP2016029290 A JP 2016029290A JP 6666165 B2 JP6666165 B2 JP 6666165B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
denitrification
treatment
tank
concentration
liquid
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2016029290A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2017144402A (ja
Inventor
勝子 楠本
勝子 楠本
葛 甬生
甬生 葛
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Swing Corp
Original Assignee
Swing Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Swing Corp filed Critical Swing Corp
Priority to JP2016029290A priority Critical patent/JP6666165B2/ja
Publication of JP2017144402A publication Critical patent/JP2017144402A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6666165B2 publication Critical patent/JP6666165B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Description

本発明はアンモニア性窒素含有被処理液の硝化脱窒処理方法に関する。また、本発明はアンモニア性窒素含有被処理液の硝化脱窒処理装置に関する。
排水中に含まれる窒素は、湖沼及び湾などの閉鎖系水域における富栄養化の原因物質であり、排水処理工程で効率的に除去されることが望まれる。排水から窒素を除去する方法としては生物学的硝化脱窒法が多用されている。生物学的硝化脱窒法では、原水中のアンモニア性窒素を、好気状態の反応槽、通称硝化槽においてアンモニア酸化細菌(AOB)により亜硝酸性窒素(NO2−N)に酸化し、次に亜硝酸性窒素を亜硝酸酸化細菌(NOB)により硝酸性窒素(NO3−N)に酸化する。さらに、この硝化槽からの処理液を、嫌気状態の反応槽、通称脱窒槽に導入して、硝化槽処理液中の硝酸性窒素及び亜硝酸性窒素を従属栄養性細菌である脱窒菌を用いて有機物を電子供与体として利用しながら無害の窒素ガスに還元している。
このような従来の生物学的硝化脱窒法では、アンモニア性窒素を亜硝酸性窒素及び硝酸性窒素に酸化する硝化工程において多量の酸素(空気)を必要とし、また、脱窒工程では電子供与体としてのメタノールの使用量が多量であり、ランニングコストを増加させるという課題があった。そこで、近年では、生物学的硝化脱窒法に代わる処理方法として、嫌気性アンモニア酸化処理法(Anaerobic Ammonium Oxidation Process)、所謂アナモックス反応によるアンモニア脱窒法を利用した水処理が進められている。アンモニア脱窒法は、独立栄養性脱窒細菌の作用で、嫌気性条件の下、アンモニア態窒素で亜硝酸態窒素を還元して窒素ガスに変換する方法である。
この変換の反応式は次の反応式のように表される。
1.0NH4 + + 1.32NO2 - + 0.066HCO3 - + 0.13H+
→1.02N2 + 0.26NO3 - + 0.066CH2O0.5N0.15 + 2.03H2O・・・(1)
アンモニア脱窒法においては、(1)式に示さるように脱窒素のために排水中のアンモニア性窒素を脱窒素の水素供与体として利用する。このため、当該反応の前工程で原水中のアンモニア性窒素を亜硝酸化する必要があるが、アンモニア性窒素の約半量を亜硝酸化するだけであり、従来のように硝酸にまで酸化させる必要はないことから、酸素供給量も著しく減少させることが可能である。従って、亜硝酸化型硝化工程と嫌気性アンモニア酸化工程を組み合わせた水処理は、従来の硝化工程と脱窒工程を組み合わせた水処理と比較して、全体のランニングコストを低減することができる。
亜硝酸化型硝化工程と嫌気性アンモニア酸化工程を組み合わせた水処理を安定して行おうとする場合、(1)式からみて、亜硝酸化型硝化工程でNH4 +に対するNO2 -の比率が1.32となるように硝化を制御することが望ましい。しかしながら、一般的に硝化プロセスでは、以下の反応式(2)及び(3)に示すように、好気条件において原水中のアンモニア性窒素(NH4−N)はアンモニア酸化反応及び亜硝酸酸化反応を経て、最終的には硝酸性窒素(NO3−N)となる。両者の反応はほぼ同時に起こるので、アンモニア酸化のみを進行させることは通常困難とされている。
NH4 + + 1.5O2 → NO2 - + 2H+ + H2O・・・(2)
NO2 - + 0.5O2 → NO3 -・・・(3)
このような背景の下、亜硝酸化型硝化工程と嫌気性アンモニア酸化工程を組み合わせた水処理を安定して行うべく、研究開発が進められている。特許第5581872号公報(特許文献1)では、活性汚泥及びアンモニア酸化菌付着生物担体の共存する亜硝酸化槽に導入する被処理液のM−アルカリ度/NH4−N比が3.7〜4.4となるように亜硝酸化槽にアルカリ又は酸を注入し、かつ、該亜硝酸化槽のpHが6.0〜6.9となるように、曝気風量及び活性汚泥の返送量の両方を調整する方法が開示されている。そして、当該方法によれば安定した亜硝酸化処理が得られるとともに亜硝酸化処理水のNO2−N/NH4−N比がアンモニア脱窒反応に必要な1.3付近となることが記載されている。
特開2014−104416号公報(特許文献2)においては、亜硝酸化型硝化工程における全窒素濃度とアンモニア態窒素濃度を検出し、その差分に基づいて亜硝酸態窒素を算出し、硝化槽から流出する処理水中のアンモニア態窒素濃度と亜硝酸態窒素濃度の割合が所定の割合(例:1.00〜1.32)に近づくように、硝化槽中のDO(溶存酸素)濃度を制御する方法が開示されている。
また、特開2015−93258号公報(特許文献3)においては、水処理の安定に加えて、処理効率の向上及び装置の小型化を可能にすることを目的として、亜硝酸化プロセスと従属栄養性脱窒工程を組み合わせた方法が開示されている。具体的には、当該文献には、窒素及び有機物を含有する被処理液を、従属栄養性細菌を用いた脱窒反応により嫌気的に脱窒処理して第1脱窒処理液を得、第1脱窒処理液に含まれるアンモニア態窒素を亜硝酸性窒素に酸化して亜硝酸化処理液を得、亜硝酸化処理液を独立栄養性細菌を用いた脱窒反応により嫌気的に脱窒処理する一方で、亜硝酸化処理液を第1脱窒処理へ循環し、従属栄養性細菌を用いた脱窒反応により亜硝酸化処理液中の亜硝酸性窒素を窒素ガスに変換して除去する亜硝酸化処理液循環処理を含む脱窒方法が提案されている。特許文献3には、亜硝酸化処理液を得る工程では、担体添加と浮遊活性汚泥の共存が望ましいことが記載されている。これは、浮遊活性汚泥の共存により、亜硝酸化槽に流入する第1脱窒処理液の水質が変動しても、活性汚泥処理による平均化が可能であり、アンモニア酸化菌付着の微生物担体への影響がほとんど無く、安定した亜硝酸化処理が得られるからであると記載されている。
特許第5581872号公報 特開2014−104416号公報 特開2015−93258号公報
特許文献2に記載の方法では、亜硝酸化型硝化工程においてDO制御によりアンモニア態窒素濃度と亜硝酸態窒素濃度の割合を制御する。しかしながら、当該制御方法によれば常にアンモニア態窒素と亜硝酸態窒素の濃度を把握し、その差分により目標とするDO値を設定して、曝気量を調整しなければならない。DO制御は曝気ブロワ等で吹込む空気量を調整することで行うが、目的とする曝気量に対して過曝気又は曝気不足の状態を起こす可能性が高く、調整が困難である。更には、本発明者の実験によれば亜硝酸化型硝化工程においてDO制御だけでは、アンモニア態窒素と亜硝酸態窒素の比率を適正値に保つことが難しいことも確認されている。
この点、特許文献1に記載の方法は、DO制御に加え、亜硝酸化槽に導入する被処理液のM−アルカリ度/NH4−N比が3.7〜4.4となるように亜硝酸化槽にアルカリ又は酸を注入する方法であり、硝酸化処理液のNO2−N/NH4−N比を1.32付近に制御する方法としては有効である。しかしながら、特許文献1に記載の方法ではアンモニア性窒素(NH4−N)を含有する被処理液をそのまま活性汚泥及びアンモニア酸化菌付着の微生物担体が共存する亜硝酸化槽で処理しているため、被処理液のBODが高くなりやすく、亜硝酸化処理及びアンモニア脱窒処理の安定化は不十分である。また、亜硝酸化槽から活性汚泥が嫌気性アンモニア酸化槽に流入すると、亜硝酸化処理液を脱窒する嫌気性アンモニア酸化槽において、活性汚泥及び独立栄養性細菌付着の微生物担体が共存することになるが、この場合、亜硝酸化処理液のNO2−N/NH4−N比を1.32付近に制御したとしても、嫌気性アンモニア酸化に必要なNO2−Nが不足し、NH4−Nの一部が未処理のまま流出する場合があるという問題が発生することを見出した。
特許文献3に記載の方法では亜硝酸化槽の前段に、従属栄養脱窒菌を用いた脱窒槽を設けるとともに、亜硝酸化槽で得られた亜硝酸化処理液をその脱窒槽に返送し、亜硝酸化処理液中のNO2−Nを脱窒槽で窒素ガスに変換させることにより、被処理液のBODを低減させていることから、後段の亜硝酸化処理及びアンモニア脱窒処理の安定性は向上する。しかしながら、亜硝酸化槽に導入する被処理液のM−アルカリ度/NH4−N比については検討がされていない。むしろ、亜硝酸化処理液を第1脱窒槽へ循環させる比率に重きが置かれている。
本発明は上記事情に鑑みて創作されたものであり、亜硝酸化型硝化工程と嫌気性アンモニア酸化工程を組み合わせたアンモニア性窒素含有被処理液の硝化脱窒処理方法を行う際に、嫌気性アンモニア酸化工程の処理性能を安定して得ることのできる方法を提供することを課題の一つとする。また、本発明は当該硝化脱窒処理方法の実施に好適な硝化脱窒処理装置を提供することを別の目的の一つとする。
本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意検討したところ、亜硝酸化槽の前段に従属栄養脱窒菌を用いた脱窒槽を設けた上で、亜硝酸化槽に導入する被処理液のM−アルカリ度/NH4−N比を制御することが嫌気性アンモニア酸化工程を安定して実施する上で好ましいことを見出した。
また、本発明者は、嫌気性アンモニア酸化工程において活性汚泥及び独立栄養性細菌付着の微生物担体が共存している場合に安定した処理性能が得られない原因について鋭意研究した。そして、本発明者は、亜硝酸化処理液を脱窒する嫌気性アンモニア酸化槽において、活性汚泥及び独立栄養性細菌付着の微生物担体が共存している場合、活性汚泥には従属栄養性細菌が混在していることから、独立栄養性細菌によるアンモニア脱窒のみならず従属栄養性細菌によるNO2−Nの従属脱窒が同時に進行することで、アンモニア脱窒に必要なNO2−Nが不足することを確認した。活性汚泥が共存していない状態で、微生物担体に従属栄養性細菌が混在している場合も、同様の反応が進行することを確認した。このため、亜硝酸化処理液におけるNO2−N/NH4−N比を理想的な1.32に制御しても、アンモニア脱窒に必要なNO2−Nが不足し、NH4−Nの一部が未処理のまま流出する場合があることが分かった。この未処理のNH4−Nは後段に第二従属脱窒槽及び再曝気槽を設置したとしても脱窒処理まではされ難いため、最終的な処理水の全窒素濃度の上昇を招く。
この点に関し、本発明者は亜硝酸化工程と嫌気性アンモニア酸化工程の間に、亜硝酸化処理水に含まれる活性汚泥を固液分離する工程を導入することで、亜硝酸化工程に活性汚泥が流入することを防止することができ、嫌気性アンモニア酸化工程がより安定して実施可能となることを見出した。また、本発明者は、アンモニア脱窒処理液のNH4−N濃度の上昇がみられた際には、亜硝酸化処理液のNO2−N/NH4−N比を1.32以上に上昇させることとなる場合であっても、亜硝酸化槽流入液おけるM−アルカリ度/NH4−N比を増加し、亜硝酸化処理液のNO2−N/NH4−N比を高める制御を行ったところ、アンモニア脱窒処理液中のNH4−Nの濃度が低く安定することを突き止めた。つまり、本発明者は嫌気性アンモニア酸化工程からの流出液(アンモニア脱窒処理液)のNH4−N濃度をモニタリングし、NH4−N濃度に基づいて亜硝酸化処理液のNO2−N/NH4−N比を制御することが有効であることも見出した。
本発明は上記知見に基づいて完成したものであり、一側面において、
硝酸性窒素及び亜硝酸性窒素の少なくとも一方と、アンモニア性窒素と、有機物とを含有する被処理液を、活性汚泥中の従属栄養性細菌を用いた脱窒反応により嫌気的に脱窒処理して第一従属脱窒処理液を得る第一従属脱窒処理と、
前記第一従属脱窒処理液中に含まれるアンモニア性窒素の一部を活性汚泥及びアンモニア酸化菌付着の微生物担体の共存下で、亜硝酸性窒素に酸化して亜硝酸化処理液を得る亜硝酸化処理と、
前記亜硝酸化処理液を、活性汚泥及び独立栄養細菌付着の微生物担体の共存下で、脱窒反応により嫌気的に脱窒処理して嫌気性アンモニア酸化処理液を得る嫌気性アンモニア酸化処理と、
前記嫌気性アンモニア酸化処理液中に含まれる亜硝酸性窒素及び硝酸性窒素を、活性汚泥中の従属栄養性細菌を用いた脱窒反応により嫌気的に脱窒処理して第二従属脱窒処理液を得る第二従属脱窒処理と、
前記亜硝酸化処理液を被処理液の一部として前記第一従属脱窒処理へ循環し、前記従属栄養性細菌を用いた脱窒反応により、前記亜硝酸化処理液中の亜硝酸性窒素を窒素ガスに変換して除去する亜硝酸化処理液循環処理と、
を含むアンモニア性窒素含有被処理液の硝化脱窒処理方法において、
前記亜硝酸化処理に流入する第一従属脱窒処理液のNH4−N又はT−N濃度とM−アルカリ度とを測定し、その測定結果に基づいて第一従属脱窒処理液のM−アルカリ度を調整することにより、第一従属脱窒処理液のM−アルカリ度(単位:CaCO3 mg/L)/(NH4−N又はT−N濃度)(単位:mg/L)比を3.5〜5.5に制御することを含む方法である。
本発明に係る硝化脱窒処理方法は一実施形態において、前記嫌気性アンモニア酸化処理を経た後の液のNH4−N濃度及び/又はNO2−N濃度をモニタリングし、その結果に基づいて第一従属脱窒処理液のM−アルカリ度を調整し、第一従属脱窒処理液のM−アルカリ度(単位:CaCO3 mg/L)/(NH4−N又はT−N濃度)比(単位:mg/L)を制御することを更に含む。
本発明に係る硝化脱窒処理方法は別の一実施形態において、前記嫌気性アンモニア酸化処理を経た後の液のNH4−N濃度をモニタリングし、NH4−N濃度が10mg/L以上の何れかの値となった場合に、第一従属脱窒処理液のM−アルカリ度を上げることにより、第一従属脱窒処理液のM−アルカリ度/(NH4−N又はT−N濃度)比を上げることを含む。
本発明に係る硝化脱窒処理方法は更に別の一実施形態において、前記嫌気性アンモニア酸化処理を経た後の液のNO2−N濃度をモニタリングし、NO2−N濃度が15mg/L以上の何れかの値となった場合に、第一従属脱窒処理液のM−アルカリ度を下げることにより、第一従属脱窒処理液のM−アルカリ度/NH4−N(T−N)比を下げることを含む。
本発明に係る硝化脱窒処理方法は更に別の一実施形態において、亜硝酸化処理と嫌気性アンモニア酸化処理との間に、亜硝酸化処理水に含まれる活性汚泥を濃縮分離する固液分離処理を更に含む。
本発明に係る硝化脱窒処理方法は更に別の一実施形態において、
前記第二従属脱窒処理液中に含まれる有機物を活性汚泥存在下で好気処理して処理水を得る曝気処理と、
前記処理水に含まれる活性汚泥を濃縮分離する濃縮分離処理と、
前記濃縮分離された濃縮汚泥を前記第一従属脱窒処理及び/又は第二従属脱窒処理へ返送する返送処理と、
を更に含む。
本発明は別の一側面において、
硝酸性窒素及び亜硝酸性窒素の少なくとも一方と、アンモニア性窒素と、有機物とを含有する被処理液を、活性汚泥中の従属栄養性細菌を用いた脱窒反応により嫌気的に脱窒処理して第一従属脱窒処理液を得るための第一従属脱窒槽と、
前記第一従属脱窒槽からの流出液に含まれるアンモニア性窒素の一部を活性汚泥及びアンモニア酸化菌付着の微生物担体の共存下で、亜硝酸性窒素に酸化して亜硝酸化処理液を得るための亜硝酸化槽と、
前記亜硝酸化槽からの流出液を、活性汚泥及び独立栄養細菌付着の微生物担体の共存下で、脱窒反応により嫌気的に脱窒処理して嫌気性アンモニア酸化処理液を得るための嫌気性アンモニア酸化槽と、
前記嫌気性アンモニア酸化槽からの流出液に含まれる亜硝酸性窒素及び硝酸性窒素を、活性汚泥中の従属栄養性細菌を用いた脱窒反応により嫌気的に脱窒処理して第二従属脱窒処理液を得るための第二従属脱窒槽と、
前記亜硝酸化槽からの流出液の一部を被処理液の一部として前記第一従属脱窒槽へ循環するための機構と、
前記第一従属脱窒槽から流出液のNH4−N又はT−N濃度とM−アルカリ度とを測定するための測定器と、
前記測定器による測定結果に基づいて、M−アルカリ度(単位:mg/L)/(NH4−N又はT−N濃度)(単位:mg/L)比が3.5〜5.5となるように、亜硝酸化槽のM−アルカリ度を調整する制御機構とを備えた、
アンモニア性窒素含有被処理液の硝化脱窒処理装置である。
本発明に係る硝化脱窒処理装置は一実施形態において、
前記嫌気性アンモニア酸化槽又はそれよりも後段の流出液のNH4−N濃度及び/又はNO2−N濃度をモニタリングするための測定器と、
前記測定器による測定結果に基づいて亜硝酸化槽のM−アルカリ度を調整し、第一従属脱窒処理液のM−アルカリ度/(NH4−N又はT−N濃度)比を制御するための制御機構を備える。
本発明に係る硝化脱窒処理装置は別の一実施形態において、
前記嫌気性アンモニア酸化槽又はそれよりも後段の流出液のNH4−N濃度をモニタリングするための測定器と、
前記測定器によるNH4−N濃度が10mg/L以上の何れかの値を示した場合に、亜硝酸化槽のM−アルカリ度を上げることにより、亜硝酸化槽のM−アルカリ度/(NH4−N又はT−N濃度)比を上げるための機構を備える。
本発明に係る硝化脱窒処理装置は更に別の一実施形態において、
前記嫌気性アンモニア酸化槽又はそれよりも後段からの流出液のNO2−N濃度をモニタリングするための測定器と、
前記測定器によるNO2−N濃度が15mg/L以上の何れかの値を示した場合に、亜硝酸化槽のM−アルカリ度を下げることにより、亜硝酸化槽のM−アルカリ度/NH4−N(T−N)比を下げるための機構を備える。
本発明に係る硝化脱窒処理装置は更に別の一実施形態において、
亜硝酸化槽と嫌気性アンモニア酸化槽との間に、亜硝酸化処理水に含まれる活性汚泥を固液分離するための固液分離装置を更に備える。
本発明に係る硝化脱窒処理装置は更に別の一実施形態において、
前記第二従属脱窒槽からの流出液に含まれる有機物を活性汚泥存在下で好気処理して処理水を得るための再曝気槽と、
前記再曝気槽からの流出液に含まれる活性汚泥を、固液分離槽にて濃縮分離するための濃縮分離槽と、
前記固液分離槽にて濃縮分離された濃縮汚泥を前記第一従属脱窒槽及び/又は第二従属脱窒槽へ返送するための機構と、
を更に備える。
本発明によれば、亜硝酸化型硝化工程と嫌気性アンモニア酸化工程を組み合わせたアンモニア性窒素含有被処理液の硝化脱窒処理方法を行う際に、嫌気性アンモニア酸化工程の処理性能を安定して得ることができるようになる。
本発明の第一実施形態に係る脱窒処理の一例を示す処理フロー図である。 本発明の第一実施形態に係る脱窒処理の別の一例を示す処理フロー図である。 本発明の第一実施形態に係る脱窒処理の更に別の一例を示す処理フロー図である。 本発明の第二実施形態に係る脱窒処理の一例を示す処理フロー図である。 本発明の第二実施形態に係る脱窒処理の別の一例を示す処理フロー図である。 本発明の第二実施形態に係る脱窒処理の更に別の一例を示す処理フロー図である。 実施例2の実験結果から得られた亜硝酸化工程流入水のM−アルカリ度/NH4−N比と亜硝酸化処理水の水質の関係を示すグラフである。 実施例3における亜硝酸化工程への流入水のM−アルカリ度/NH4−N比と、亜硝酸化処理水のNO2−N濃度/NH4−N濃度比の関係を示すグラフである。 実施例3の実験における亜硝酸化工程流入水のM−アルカリ度/NH4−N比の制御フローチャートを示す。
<第一実施形態>
次に本発明の第一実施形態について図1〜3に基づいて説明する。本発明の第一実施形態に係る脱窒処理装置は、図1に示すように、硝酸性窒素及び亜硝酸性窒素の少なくとも一方と、アンモニア性窒素と、有機物とを含有する被処理液を、活性汚泥中の従属栄養性細菌を用いた脱窒反応、典型的には活性汚泥中の主に従属栄養性細菌を用いた脱窒反応により嫌気的に脱窒処理して第一従属脱窒処理液を得るための第一従属脱窒槽11と、前記第一従属脱窒槽11からの流出液に含まれるアンモニア性窒素の一部を活性汚泥及びアンモニア酸化菌付着の微生物担体の共存下で、亜硝酸性窒素に酸化して亜硝酸化処理液を得るための亜硝酸化槽12と、前記亜硝酸化槽12からの流出液を、活性汚泥及び独立栄養細菌付着の微生物担体の共存下で、脱窒反応により嫌気的に脱窒処理して嫌気性アンモニア酸化処理液を得るための嫌気性アンモニア酸化槽13と、前記嫌気性アンモニア酸化槽13からの流出液に含まれる亜硝酸性窒素及び硝酸性窒素を、活性汚泥中の従属栄養性細菌を用いた脱窒反応、典型的には活性汚泥中の主に従属栄養性細菌を用いた脱窒反応により嫌気的に脱窒処理して第二従属脱窒処理液を得るための第二従属脱窒槽14と、前記亜硝酸化槽12からの流出液の一部を前記第一従属脱窒槽11へ循環するための機構17と、前記第一従属脱窒槽11から流出液のNH4−N又はT−N濃度とM−アルカリ度とを測定するための測定器26と、前記測定器26による測定結果に基づいて、M−アルカリ度/(NH4−N又はT−N濃度)比が3.5〜5.5となるように、亜硝酸化槽のM−アルカリ度を調整する制御機構(演算指示装置27及びアルカリ/酸注入装置28)とを備える。
また、本発明の第一実施形態に係る脱窒処理装置は、前記第二従属脱窒槽14からの流出液に含まれる有機物を活性汚泥存在下で好気処理して処理水を得るための再曝気槽15と、前記再曝気槽15からの流出液に含まれる活性汚泥を、固液分離するための濃縮分離槽16aと、前記濃縮分離槽16aにて濃縮分離された濃縮汚泥を前記第一従属脱窒槽11へ返送するための機構18aとを更に備える。
(第一従属脱窒槽)
第一従属脱窒槽11にはアンモニア性窒素及び有機物を含有する原水10と、亜硝酸化槽12から機構17を介して循環する亜硝酸化処理液と、濃縮分離槽16aから機構18aを介して返送される濃縮汚泥が被処理液として流入する。第一従属脱窒槽11では、活性汚泥中の従属栄養性細菌である脱窒菌を用いて、典型的には活性汚泥中の主に従属栄養性細菌である脱窒菌を用いて、原水10中の有機物を電子供与体として利用しながら窒素ガスを発生させる従属栄養脱窒反応を進行させる。従属栄養脱窒反応により脱窒できるNOX−N量は、第1従属脱窒槽11に流入されるBOD量に依存する。通常は、NOX−Nが1gに対しBODが約3g必要となる。第1従属脱窒槽11に流入するBODは、原水10のBODを測定することにより予め測定できる。このため、亜硝酸化槽12から第一従属脱窒槽11へ循環する亜硝酸化処理液に含まれるNOX−N量が、第一従属脱窒槽11における脱窒処理により処理される原水10中のBOD量に対して理論上必要量(例えば約1/3倍)となるように、亜硝酸化処理液の循環流量を調整すれば、第一従属脱窒槽11でNOX−Nを確実に除去できる上、原水10中のBODも同時に消費して、原水10中のBODを小さくすることができる。
その結果、第一従属脱窒槽11から得られる第一従属脱窒処理液は、BOD残留が少なく、窒素成分として、主にアンモニア性窒素(NH4−N)を含有することとなる。すなわち、第一従属脱窒処理液に残留する窒素の形態はほとんどがアンモニア性窒素(NH4−N)となるため、NH4−N及びT−Nは概ね同じ挙動を示す。また、第一従属脱窒槽11で処理された第一従属脱窒処理液の全窒素濃度(T−N)は、亜硝酸化処理液を循環させない場合に比べて低減されていることから、嫌気性アンモニア酸化槽13のT−N負荷も低減でき、嫌気性アンモニア酸化槽13がコンパクトとなる。
第一従属脱窒槽11内の液は撹拌機構24aにより流動させることが可能である。液を流動させることで活性汚泥の沈降と滞留を妨げるという利点が得られる。液を流動させる方法としては、撹拌羽を用いた機械撹拌、ガス循環を用いた内部ガス循環方式のいずれも効果的である。ガス撹拌用のガスとしては、窒素、空気等が上げられ、脱窒反応に必要な嫌気環境を維持するため、窒素による撹拌が好ましく、第一従属脱窒槽11で発生する窒素を使うことがより好ましい。図示の実施形態においては、撹拌羽を用いた機械撹拌を採用している。
(亜硝酸化槽)
亜硝酸化槽12では、硝化菌の働きにより、第一従属脱窒処理液中に含まれるNH4−Nの一部をNO2−Nに変換する部分亜硝酸化処理が行われる。部分亜硝酸化処理では、アンモニア酸化菌を安定して亜硝酸化槽12内に維持することが望ましい。アンモニア酸化菌を安定して維持するための方法としては、亜硝酸化槽12内にアンモニア酸化菌を付着固定できる高分子流動担体(高分子生物担体)を添加すること等が挙げられる。これにより、アンモニア酸化菌を安定して付着できることから、亜硝酸化槽12において安定した亜硝酸化性能が得られる。
亜硝酸化槽12の前段には、第一従属脱窒槽11からの流出液のNH4−N又はT−N濃度とM−アルカリ度とをモニタリングするための測定器26が設置されている。測定器26による測定結果が演算指示装置27に伝達されると、演算指示装置27は測定結果に基づいて、M−アルカリ度/(NH4−N又はT−N濃度)比が3.5〜5.5の範囲となるように、アルカリ/酸注入装置28に対してアルカリ又は酸の注入指令を出す。これにより、亜硝酸化槽12のM−アルカリ度が制御される。
具体的には、演算指示装置27は、測定器26による測定結果から、M−アルカリ度(単位:CaCO3 mg/L)/(NH4−N又はT−N濃度)(単位:mg/L)比を算出する。そして、例えば、M−アルカリ度/(NH4−N又はT−N濃度)比が3.5を下回る場合にはアルカリを、5.5を上回る場合には酸を亜硝酸化槽12に注入するように作動する。この際、P制御、PI制御、及びPID制御などのフィードバック制御を採用することが可能である。フィードバック制御は手動制御及び自動制御の何れでもよいが、自動制御が管理の容易性、制御の安定性及びコストの観点から望ましい。ここで、添加するアルカリとしては水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム等の水溶液が挙げられ、添加する酸としては硫酸、塩酸等が挙げられる。この場合、酸又はアルカリ注入後の被処理液のM−アルカリ度/(NH4−N又はT−N濃度)比が3.5〜5.5、好ましくは3.7〜4.4、より好ましくは3.9〜4.1となるように添加量を設定する。亜硝酸化槽12への流入水のM−アルカリ度/NH4−N比が4.0〜4.5付近であれば、亜硝酸化処理水のNO2−N/NH4−N比は、ほぼ1.32となり、嫌気性アンモニア酸化における理想値となる。
M−アルカリ度は日本工業規格JIS K0102:2013の方法によって測定されるアルカリ消費量(pH4.8)を指すこととする。また、NH4−N及びT−N濃度は日本工業規格JIS K0102:2013に規定されるインドフェノール青法(TRAACS2000)及び紫外線吸光光度法によって測定される値をそれぞれ指すこととする。NO2−Nは日本工業規格JIS K0102:2013に規定されるナフチルエチレンジアミン吸光光度法によって測定される値を指すこととする。但し、このことは本発明において使用するM−アルカリ度、NH4−N濃度及びT−N濃度の測定器として当該方法のみを採用することを意味するのではなく、あくまで本発明において規定する数値範囲を明確にするという趣旨にすぎない。そのため、他の測定機器を使用している場合でも、本発明で指定する方法で測定した場合に本発明で規定する数値範囲内となる場合には本発明の範囲内である。
亜硝酸化槽12に充填する高分子生物担体としては、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリアクリルアミド、光硬化性樹脂等の合成高分子、カラギーナン、アルギン酸ソーダ等の高分子を用いたゲル担体、ポリエチレンやポリウレタン、ポリポロピレン等からなる流動担体が挙げられる。
担体の形状としては球形、四角形、円筒形の何れも使用可能であり、その有効径は亜硝酸化槽12の出口のスクリーンより安定して分離できる3〜10mmが好ましい。担体比重は曝気状態において均一に流動可能となる1.01〜1.05であるものが好ましい。また、担体充填量は均一に混合流動可能となる10〜30V%であることが望ましい。
亜硝酸化槽12では、担体添加と浮遊活性汚泥の共存が望ましい。浮遊活性汚泥の共存により、亜硝酸化槽12に流入する第一従属脱窒処理液の水質が変動しても、活性汚泥処理による平均化が可能であり、アンモニア酸化菌付着の微生物担体への影響がほとんど無く、安定した亜硝酸化処理が得られる。
亜硝酸化槽12内においては、担体および活性汚泥の沈降と滞留を妨げ、微生物を活性させるという理由により液を流動させること及び酸素を供給することが好ましい。液を流動させる方法としては、機械撹拌、散気筒等による曝気装置が挙げられ、撹拌と酸素供給を同時に行うことができるという理由により散気筒等による曝気装置が好ましい。図1に示す亜硝酸化槽12においては、ブロア及び散気筒を備えた曝気装置21aが設置されている。酸素供給用のガスとしては、空気、酸素等が上げられ、装置が容易になるという理由により空気が好ましい。
(循環流量)
亜硝酸化槽12で処理された亜硝酸化処理液の一部は、亜硝酸化槽12の出口側と第一従属脱窒槽11の入口側とを繋ぐ配管等の循環手段17(亜硝酸化処理液循環手段)によって循環される。ここで、亜硝酸化処理液の循環処理は、原水10の供給流量(流入流量)に対する亜硝酸化処理液の循環流量の比(r)を、以下の関係式(1)に基づいて決定することが好ましい。
r=a×2.32/(1.32×3×(1−a/3)) ・・・(1)
(1)式において、rは原水10の供給流量に対する前記亜硝酸化処理液の循環流量の比[−]を示し、aは原水10の全窒素濃度に対する生物化学的酸素要求量の比(BOD/T−N比)を示す。
(1)式より求めた循環流量で亜硝酸化処理液を第一従属脱窒槽11に循環すれば、第一従属脱窒槽11に流入する原水10のBODを利用した脱窒により、循環された亜硝酸化処理液中のNO2−N成分を完全にN2に変換することができる。
例えば、原水10のBOD/T−N比が1.6の場合、循環流量比rは2.0[−]とすることが好ましい。即ち、原水10を供給流量100L/dayで供給する場合には、亜硝酸化処理液の循環流量を200L/dayで供給するのが好ましい。
(嫌気性アンモニア酸化槽)
嫌気性アンモニア酸化槽13においては、独立栄養細菌であるアンモニア脱窒菌を付着固定した高分子流動担体が添加されており、嫌気性アンモニア酸化槽13に亜硝酸化処理液を供給することにより、アンモニア性窒素を水素供与体、亜硝酸性窒素を水素受容体とする独立栄養性脱窒反応を進行させる。ここでは、増殖の遅いアンモニア脱窒菌を槽内にできるだけ多く保持することが重要である。嫌気性アンモニア酸化槽13にアンモニア脱窒菌を付着固定できる高分子流動担体(高分子生物担体)を充填すれば、アンモニア脱窒菌を安定して付着できることから、嫌気性アンモニア酸化槽13において安定した脱窒性能が得られる。また、嫌気性アンモニア酸化により発生する窒素ガスを嫌気性アンモニア酸化槽13内で循環させて高分子流動担体を流動させることにより、より安定した脱窒性能が得られる。
嫌気性アンモニア酸化槽13に充填する高分子担体としては、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリアクリルアミド、光硬化性樹脂等の合成高分子、カラギーナン、アルギン酸ソーダ等の高分子を用いたゲル担体、ポリエチレンやポリウレタン、ポリポロピレン等からなる流動担体が挙げられる。
担体の形状としては球形、四角形、円筒形の何れも使用可能であり、その有効径は嫌気性アンモニア酸化槽13の出口のスクリーンより安定して分離できる3〜10mmが好ましい。担体として表面に微細孔径を多く有するもの、内部中空であるスポンジ、表面に無数の凹凸を有するものがアンモニア脱窒菌の付着固定が速く、短期間で高い脱窒性能が得られる。さらに長期間、脱窒槽内アンモニア脱窒菌を高濃度に維持できることから、安定した脱窒性能が得られる。
担体比重は嫌気状態において撹拌より均一流動できる1.01〜1.10であるものが好ましい。担体充填量は脱窒槽内において局部堆積のないように10〜30Vol%とすることが望ましい。
嫌気性アンモニア酸化槽13内において担体を流動させる方法としては、機械撹拌及びガス撹拌の何れを採用してもよい。例えば、撹拌羽を用いた機械撹拌、ガス循環を用いた内部ガス循環方式のいずれも効果的である。機械撹拌の場合は撹拌羽と担体との衝突による担体付着脱窒菌剥離を抑制するために撹拌羽の回転速度ができるだけ緩慢であることが望ましい。一方、ガス撹拌の場合は、担体と撹拌羽との衝突がないことから、担体付着アンモニア脱窒菌の剥離が少なく、高濃度のアンモニア脱窒菌を嫌気性アンモニア酸化槽13内に保持することが可能である。図1に示す嫌気性アンモニア酸化槽13においては、ガス撹拌用の散気筒21bが設置されている。ガス撹拌用のガスとしては、窒素・空気が上げられ、脱窒反応に必要な嫌気環境を維持するという理由により窒素による撹拌が好ましく、嫌気性アンモニア酸化槽13で発生する窒素を使うことがより好ましい。
嫌気性アンモニア酸化槽13には、亜硝酸化槽12からの流出液に随伴されて浮遊活性汚泥が混入しやすい。この場合、嫌気性アンモニア酸化槽13では独立栄養性脱窒反応に加えて活性汚泥中の従属栄養性細菌によるNO2−Nの従属脱窒が同時に進行する。このため、亜硝酸化処理水のNO2−N/NH4−N比が理想的な1.32に制御されたとしても、独立栄養性脱窒反応に必要なNO2−Nが不足することがある。そこで、図2に示すように、亜硝酸化槽12と嫌気性アンモニア酸化槽13との間に、亜硝酸化処理水に含まれる活性汚泥を固液分離するための装置(例示的には図中の、濃縮分離槽16b)を設置し、嫌気性アンモニア酸化槽13に浮遊活性汚泥が持ち込まれないようにすることが好ましい。活性汚泥を固液分離する装置としては、限定的ではないが、重力濃縮分離装置以外に、膜分離装置、遠心濃縮分離装置、加圧浮上分離装置、多重円板濃縮分離装置等が挙げられる。濃縮分離槽16bにて濃縮分離された濃縮汚泥は、図2に示す第一従属脱窒槽11へ返送するための機構18b、例えば濃縮分離槽16bの底部出口側と第一従属脱窒槽11の入口側とを繋ぐ配管及びポンプ等により第一従属脱窒槽11へ返送することが可能である。濃縮分離槽16bからの濃縮汚泥を第一従属脱窒槽11に返送することで、第一従属脱窒槽と亜硝酸化槽の活性汚泥濃度を維持するという利点が得られる。濃縮汚泥の返送流量としては、汚泥沈降性や必要汚泥濃度に応じて適宜選定すればよいが、原水10の流入流量に対する比率として一般的に0.25〜3.0倍とすることができる。
(第二従属脱窒槽)
嫌気性アンモニア酸化槽13においては、亜硝酸性窒素及びアンモニア性窒素が過不足なく反応することが理想的であるが、実際には亜硝酸性窒素及びアンモニア性窒素の何れかが未反応の状態で、嫌気性アンモニア酸化槽13から流出する場合がある。また、上述した式(1)から理解できるように、亜硝酸性窒素及びアンモニア性窒素が過不足なく反応したとしてもNOX−Nが生成する。このため、要求される処理水質に応じて、さらに後段に第二従属脱窒槽14を別に設ければ、処理水30の全窒素濃度(T−N)の更なる低減が可能である。
第二従属脱窒槽14では、メタノール等の水素供与体を添加しつつ、嫌気性アンモニア酸化槽13からの流出液に含まれる亜硝酸性窒素及び硝酸性窒素を、活性汚泥中の従属栄養性細菌を用いた脱窒反応、典型的には活性汚泥中の主に従属栄養性細菌を用いた脱窒反応により嫌気的に脱窒処理して第二従属脱窒処理液を得ることができる。このため、前記嫌気性アンモニア酸化槽13から亜硝酸性窒素が流出したとしても処理可能である。但し、第二従属脱窒槽14ではアンモニア性窒素(NH4−N)を処理することはできないため、嫌気性アンモニア酸化槽13の流出液には、NH4−NよりもNOX−Nを残留させるほうが好ましい。
第二従属脱窒槽14内の液は撹拌機構24bにより流動させることが可能である。液を流動させることで活性汚泥の沈降と滞留を妨げるという利点が得られる。液を流動させる方法としては、撹拌羽を用いた機械撹拌、ガス循環を用いた内部ガス循環方式のいずれも効果的である。ガス撹拌用のガスとしては、窒素・空気等が上げられ、脱窒反応に必要な嫌気環境を維持するという理由により窒素による撹拌が好ましく、第二従属脱窒槽14で発生する窒素を使うことがより好ましい。図示の実施形態においては、撹拌羽を用いた機械撹拌を採用している。
また、嫌気性アンモニア酸化槽13と第二従属脱窒槽14の間には、図3に示すように、嫌気性アンモニア酸化処理液に含まれるアンモニア脱窒菌を固液分離するための装置(例示的には図中の濃縮分離槽16c)を設置することができる。アンモニア脱窒菌を固液分離する装置としては、限定的ではないが、重力濃縮分離装置以外に、膜分離装置、遠心濃縮分離装置、加圧浮上分離装置、多重円板濃縮分離装置等が挙げられる。濃縮分離槽16cにて濃縮分離された濃縮汚泥は、図3に示す嫌気性アンモニア酸化槽13へ返送するための機構18d、例えば濃縮分離槽16cの底部出口側と嫌気性アンモニア酸化槽13の入口側とを繋ぐ配管等により嫌気性アンモニア酸化槽13へ返送することが可能である。濃縮分離槽16cからの濃縮汚泥を嫌気性アンモニア酸化槽13に返送することで、培養したアンモニア脱窒菌を嫌気性アンモニア酸化槽13に維持できるという利点が得られる。濃縮汚泥の返送流量としては、汚泥沈降性や必要汚泥濃度に応じて適宜選定すればよいが、原水10の流入流量に対する比率として一般的に0.25〜3.0倍とすることができる。
(再曝気槽)
第二従属脱窒槽14の後段には再曝気槽15を設置することができ、第二従属脱窒槽14からの流出液に含まれる有機物を活性汚泥存在下で好気処理することができる。再曝気槽15内においては、活性汚泥の沈降と滞留を妨げ、微生物を活性させるという理由により液を流動させること及び酸素を供給することが好ましい。液を流動させる方法としては、機械撹拌、散気筒等による曝気装置が挙げられ、撹拌と酸素供給を同時に行うことができるという理由により散気筒等による曝気装置が好ましい。図1に示す再曝気槽15においては、ブロア及び散気筒を備えた曝気装置21cが設置されている。酸素供給用のガスとしては、空気、酸素等が上げられ、装置が容易になるという理由により空気が好ましい。
(濃縮分離槽)
再曝気槽15の後段には、再曝気槽15からの流出液に含まれる活性汚泥を、固液分離するための装置(例示的には図中の、濃縮分離槽16a)を設置することができる。活性汚泥を固液分離する装置としては、限定的ではないが、重力濃縮分離装置以外に、膜分離装置、遠心濃縮分離装置、加圧浮上分離装置、多重円板濃縮分離装置等が挙げられる。濃縮分離槽16aから流出する清澄な上澄み液は処理水30として得られる。一方、濃縮分離槽16aにて濃縮分離された濃縮汚泥は、図1に示す第一従属脱窒槽11へ返送するための機構18a、例えば濃縮分離槽16aの底部出口側と第一従属脱窒槽11の入口側とを繋ぐ配管等により第一従属脱窒槽11へ返送することが可能である。濃縮汚泥を第一従属脱窒槽11へ返送することにより、処理水30のT−Nの更なる低減が可能となる。また、濃縮汚泥の返送先は第一従属脱窒槽11に限られるものではなく、図2に示すように、第二従属脱窒槽14へ返送するための機構18c、例えば濃縮分離槽16aの底部出口側と第二従属脱窒槽14の入口側とを繋ぐ配管等により第二従属脱窒槽14へ返送することが可能である。濃縮汚泥の返送流量としては、汚泥沈降性や必要汚泥濃度に応じて適宜選定すればよいが、原水10の流入流量に対する比率として一般的に0.25〜3.0倍とすることができる。
<第二実施形態>
次に本発明の第二実施形態について図4〜6に基づいて説明する。図4に示す脱窒処理装置は、図1に示す脱窒処理装置に対して、嫌気性アンモニア酸化槽13からの流出液のNH4−N濃度及び/又はNO2−N濃度をモニタリングするための測定器25を備えており、更に、演算指示装置27にはこの測定器25からの測定結果が伝達され、前記測定器25による測定結果に基づいて亜硝酸化処理のM−アルカリ度を調整するようにアルカリ/酸注入装置28に対してアルカリ又は酸の注入指令を出すことができる点で相違する。同様に、図5に示す脱窒処理装置は、図2に示す脱窒処理装置に対して、嫌気性アンモニア酸化槽13からの流出液のNH4−N濃度及び/又はNO2−N濃度をモニタリングするための測定器25を備えており、更に、演算指示装置27にはこの測定器25からの測定結果が伝達され、前記測定器25による測定結果に基づいて亜硝酸化処理のM−アルカリ度を調整するようにアルカリ/酸注入装置28に対してアルカリ又は酸の注入指令を出すことができる点で相違する。すなわち、本発明の第二実施形態によれば、亜硝酸化槽12のM−アルカリ度は、第一従属脱窒槽11からの流出液のNH4−N又はT−N濃度とM−アルカリ度とをモニタリングするための測定器26による測定結果に加えて、嫌気性アンモニア酸化槽13からの流出液のNH4−N濃度及び/又はNO2−N濃度をモニタリングするための測定器25による測定結果に基づいて調整され、これによって亜硝酸化槽12におけるM−アルカリ度/(NH4−N又はT−N濃度)比が制御される。その他の機器構成は図1及び図2に関する第一実施形態と同様であるため重複した説明を省略する。処理水30のNH4−N濃度及びNO2−N濃度の長期安定性を考慮すると、図5に示すように、濃縮分離層16bを亜硝酸化槽12と嫌気性アンモニア酸化槽13の間に設けた態様が好ましい
嫌気性アンモニア酸化槽13からの流出液のNH4−N濃度及び/又はNO2−N濃度をモニタリングするための測定器25の設置場所は、嫌気性アンモニア酸化槽13の直後、すなわち、嫌気性アンモニア酸化槽13とその後段の槽(例えば第二従属脱窒槽14)の間とすることができ、この場所が制御応答性が良いなどの理由により好ましいが、これに限られるものではなく、嫌気性アンモニア酸化槽13の後段であれば構わない。例えば図5に示すように、濃縮分離槽16aの後段に設置すること、すなわち処理水30を測定対象とすることも可能である。また、図示しないが、第二従属脱窒槽14と再曝気槽15の間とすることも可能である。
第二実施形態におけるM−アルカリ度/(NH4−N又はT−N濃度)比の具体的な制御方法について説明する。上述したように、亜硝酸化槽12への流入水のM−アルカリ度/NH4−N比が4.0〜4.5付近であれば、亜硝酸化処理水のNO2−N/NH4−N比は、ほぼ1.32となり、嫌気性アンモニア酸化における理想値となる。しかしながら、嫌気性アンモニア酸化槽13への流入水のNO2−N/NH4−N比が1.32であっても、理想的な嫌気性アンモニア酸化処理が行われず、嫌気性アンモニア酸化槽13の流出液中にNO2−N又はNH4−Nが残留する場合がある。これは嫌気性アンモニア酸化槽13中の浮遊活性汚泥の存在に少なくとも一部は起因する。浮遊活性汚泥は亜硝酸化工程においては存在することが望ましいが、嫌気性アンモニア酸化工程において存在すると、活性汚泥には従属栄養性細菌が混在していることから、独立栄養性細菌によるアンモニア脱窒のみならず従属栄養性細菌によるNO2−Nの従属脱窒が同時に進行することで、アンモニア脱窒に必要なNO2−Nが不足するからであると考えられる。また、過分な亜硝酸化の進行により、NH4−Nが不足する場合もあると考えられる。
そこで、第二実施形態においては、第一実施形態で述べた方法により亜硝酸化工程への流入水のM−アルカリ度/NH4−N比を3.5〜5.5の範囲に制御した上で、更に嫌気性アンモニア酸化処理水のNO2−Nを測定し、その結果、所定濃度以上のNO2−Nの残留が確認された場合、演算指示装置27はアルカリ/酸注入装置28に対して酸の注入指令を出し、亜硝酸化流入水のM−アルカリ度/NH4−N比を下げることで、亜硝酸化処理水のNO2−Nを低下させ、NH4−Nを上昇させる操作を行うことができる。NO2−Nは過度な亜硝酸化反応が進行した場合に残留しやすい。演算指示装置27がアルカリ/酸注入装置28に対して酸の注入指令を出すNO2−Nの残留量の目安となる条件としては、NO2−Nの残留量を極端に低く抑えようとすると逆にNH4−Nの残留が懸念されることから、嫌気性アンモニア酸化処理水のNO2−N濃度が15mg/L以上の何れかの値にあるとき、好ましくはNO2−N濃度が20mg/L以上の何れかの値にあるとき、より好ましくはNO2−N濃度が25mg/L以上の何れかの値にあるとき、更により好ましくはNO2−N濃度が30mg/L以上の何れかの値にあるときが挙げられる。ただし、演算指示装置27がアルカリ/酸注入装置28に対して酸の注入指令を出すNO2−Nの残留量は、大きくなると処理水質の悪化を招くことから、NO2−N濃度が50mg/L以下の何れかの値にあるとき、好ましくは45mg/L以下の何れかの値にあるとき、より好ましくは40mg/L以下の何れかの値にあるときに演算指示装置27がアルカリ/酸注入装置28に対して酸の注入指令を出すことが望ましい。このような制御を行うと、亜硝酸化処理水のNO2−N/NH4−N比は1.32を下回ることがあり得るが、後段の嫌気性アンモニア酸化処理水でNO2−Nの残留を低減することが可能となる。酸の注入は嫌気性アンモニア酸化処理水のNO2−N濃度が酸の注入指令が発令される値よりも小さな値に低下することを目標として実行することができ、例えば嫌気性アンモニア酸化処理水のNO2−N濃度の目標値を50mg/L未満の何れかの値とすることができ、好ましくは45mg/L未満の何れかの値とすることができ、より好ましくは40mg/L未満の何れかの値とすることができる。ただし、嫌気性アンモニア酸化処理水のNO2−N濃度の目標値を低く設定しすぎると逆にNH4−Nの残留が懸念されるため、嫌気性アンモニア酸化処理水のNO2−N濃度の目標値を15mg/L超の何れかの値とすることができ、好ましくは20mg/L超の何れかの値とすることができ、より好ましくは25mg/L超の何れかの値とすることができる。この際、P制御、PI制御、及びPID制御などのフィードバック制御によりNO2−N濃度を制御することが可能である。フィードバック制御は手動制御及び自動制御の何れでもよいが、自動制御が管理の容易性、制御の安定性及びコストの観点から望ましい。なお、当該制御を実施中に亜硝酸化工程への流入水のM−アルカリ度/NH4−N比が3.5〜5.5の範囲から逸脱した場合には、亜硝酸化工程への流入水のM−アルカリ度/NH4−N比を3.5〜5.5の範囲に制御することを優先することが望ましい。
また、第二実施形態においては、第一実施形態で述べた方法により亜硝酸化工程への流入水のM−アルカリ度/NH4−N比を3.5〜5.5の範囲に制御した上で、更に嫌気性アンモニア酸化処理水のNH4−Nを測定し、その結果、所定濃度以上のNH4−Nの残留が確認された場合、演算指示装置27はアルカリ/酸注入装置28に対してアルカリの注入指令を出し、亜硝酸化流入水のM−アルカリ度/NH4−N比を上げることで、亜硝酸化処理水のNH4−Nを低下させ、NO2−Nを上昇させる操作を行うことができる。NH4−Nは亜硝酸化反応が不足する、または亜硝酸が従属脱窒反応によって除去されるなどの事象が発生すると残留しやすい。演算指示装置27がアルカリ/酸注入装置28に対してアルカリの注入指令を出すNH4−Nの残留量の目安となる条件としては、NH4−Nの残留量を極端に低く抑えようとすると逆にNO2−Nの残留が懸念されることから、NH4−N濃度が10mg/L以上の何れかの値にあるとき、好ましくはNH4−N濃度が15mg/L以上の何れかの値にあるとき、より好ましくはNH4−N濃度が20mg/L以上の何れかの値にあるときが挙げられる。ただし、演算指示装置27がアルカリ/酸注入装置28に対してアルカリの注入指令を出すNH4−Nの残留量は、大きくなると処理水質の悪化を招くことから、NH4−N濃度が35mg/L以下の何れかの値にあるとき、好ましくは30mg/L以下の何れかの値にあるとき、より好ましくは25mg/L以下の何れかの値にあるときに演算指示装置27がアルカリ/酸注入装置28に対してアルカリの注入指令を出すことが望ましい。このような制御を行うと、亜硝酸化処理水のNO2−N/NH4−N比は1.32を上回ることがあり得るが、後段の嫌気性アンモニア酸化処理水でNH4−Nの残留を低減することが可能となる。アルカリの注入は嫌気性アンモニア酸化処理水のNH4−N濃度がアルカリの注入指令が発令される値よりも小さな値に低下することを目標として実行することができ、例えば嫌気性アンモニア酸化処理水のNH4−N濃度の目標値を35mg/L未満の何れかの値とすることができ、好ましくは30mg/L未満の何れかの値とすることができ、より好ましくは25mg/L未満の何れかの値とすることができる。ただし、嫌気性アンモニア酸化処理水のNH4−N濃度の目標値を低く設定しすぎると逆にNO2−Nの残留が懸念されるため、嫌気性アンモニア酸化処理水のNH4−N濃度の目標値を10mg/L超の何れかの値とすることができ、好ましくは15mg/L超の何れかの値とすることができ、より好ましくは20mg/L超の何れかの値とすることができる。この際、P制御、PI制御、及びPID制御などのフィードバック制御によりNH4−N濃度を制御することが可能である。フィードバック制御は手動制御及び自動制御の何れでもよいが、自動制御が管理の容易性、制御の安定性及びコストの観点から望ましい。なお、当該制御を実施中に亜硝酸化工程への流入水のM−アルカリ度/NH4−N比が3.5〜5.5の範囲から逸脱した場合には、亜硝酸化工程への流入水のM−アルカリ度/NH4−N比を3.5〜5.5の範囲に制御することを優先することが望ましい。
演算指示装置27がアルカリ/酸注入装置28に対して酸の注入指令を出す条件と、嫌気性アンモニア酸化処理水の演算指示装置27がアルカリ/酸注入装置28に対してアルカリの注入指令を出す条件の両方が満たされることはあまり想定されないが、このようなときは、何れか一方の指令を優先させることができる。この際、NH4−Nは後段に第二従属脱窒槽及び再曝気槽を設置したとしても脱窒処理まではされ難いため、NH4−Nの残留量を減らしたほうが好ましいことから、アルカリの注入指令を優先させることが好ましい。
このように、本発明の第二実施形態によれば、亜硝酸化型硝化工程と嫌気性アンモニア酸化工程を組み合わせたアンモニア性窒素含有被処理液の硝化脱窒処理方法を行う際に、嫌気性アンモニア酸化工程において活性汚泥が共存する場合であっても、嫌気性アンモニア酸化工程の処理性能を安定して得ることができるようになる。
なお、本発明の第二実施形態は、図4〜図6に示すものに限られるものではなく、本発明の技術思想の範囲で種々の改変が可能である。例えば、図3に記載のように、濃縮分離槽16cを追加することもできる。
以下、本発明の実施例について説明するが、下記の実施例は本発明及びその利点をより良く理解するための例示であって、本発明が限定されることを意図するものではない。
(実施例1)
実施例1では、図1に示す構成の硝化脱窒処理装置(但し、亜硝酸化槽流入水のM−アルカリ度/NH4−Nの比のフィードバック制御は行わない。)を使用し、表1に記載の各槽の仕様として表2の設定値において、有機性廃水の窒素除去処理を実施した。この際、亜硝酸化槽流入水のM−アルカリ度/NH4−Nの比を亜硝酸化槽にアルカリ又は酸を供給することによって実験(1)〜(4)で変化させ、処理水質の変化を調査した。第二従属脱窒槽では、嫌気性アンモニア酸化処理水のNOX−Nを脱窒するのに必要量のメタノールを添加し、従属脱窒を促進した。その結果、表3に示す処理水質を得ることができた。系内の活性汚泥濃度は下水試験方法(2012年版)によりモニタリングしたところ実験期間を通して1500〜3000mg/Lであった。
実験(1)では、亜硝酸化槽流入水のM−アルカリ度/NH4−N比を4.0に調整したところ、亜硝酸化処理水のNO2−N/NH4−N比は1.32となった。NO2−Nの一部は嫌気性アンモニア酸化槽で従属脱窒菌により脱窒が先行し、嫌気性アンモニア酸化処理水ではNO2−Nは0.5mg/L以下となり、NH4−Nが50mg/L残留した。
実験(2)では、亜硝酸化槽流入水のM−アルカリ度/NH4−N比を4.5に調整したところ、亜硝酸化処理水のNO2−N/NH4−N比は1.57となった。嫌気性アンモニア酸化槽に混在する従属脱窒菌によるNO2−Nの従属脱窒分を考慮しても嫌気性アンモニア酸化処理分が多く残留したため、嫌気性アンモニア酸化処理水ではNO2−Nは66mg/L、NH4−Nが5mg/L残留した。
実験(3)では、亜硝酸化槽流入水のM−アルカリ度/NH4−N比を3.2に調整したところ、亜硝酸化処理水のNO2−N/NH4−N比は0.93となった。嫌気性アンモニア酸化処理分のNO2−Nが不足し、嫌気性アンモニア酸化処理水ではNO2−Nは0.5mg/L以下、NH4−Nは85mg/L残留した。
実験(4)では、亜硝酸化槽流入水のM−アルカリ度/NH4−N比を5.0に調整したところ、亜硝酸化処理水のNO2−N/NH4−N比は1.90となった。NO2−Nが過剰となり、嫌気性アンモニア酸化処理水ではNO2−Nは163mg/L残留し、NH4−Nが0.5mg/L以下となった。
実験(1)〜(4)において、嫌気性アンモニア酸化処理水で残留したNOX−Nは、第二従属脱窒槽にて脱窒処理することが可能であるが、NH4−N残留分は再曝気槽で硝化され、処理水にNOX−Nとして残留した。また、第二従属脱窒槽で脱窒するNOX−Nが増加すると、添加するメタノール量も増加するため、維持管理コストを低減するためにも、亜硝酸化処理水のNO2−N/NH4−N比が1.4〜1.8、好ましくは1.45〜1.65となるように亜硝酸化槽流入水のM−アルカリ度とNH4−Nの比率を調整することが望ましい。
*NH4−N、BOD、M−アルカリ度、NO2−N、及びNO3−NはすべてJIS K0102:2013により測定した(以下の実験も同様)。
(比較例)
比較例では、亜硝酸化槽流入水のM−アルカリ度/NH4−N比を望ましい数値範囲外としたときの影響を調査した。亜硝酸化槽流入水のM−アルカリ度/NH4−N比以外の実験条件は実施例1と同様とした。第二従属脱窒槽では、嫌気性アンモニア酸化処理水のNOX−Nが脱窒するのに必要量のメタノールを添加し、従属脱窒を促進した。その結果、表4に示す処理水質を得た。系内の活性汚泥濃度は、実施例1と同様に実験期間を通して1500〜3000mg/Lであった。
比較実験(1)では、亜硝酸化槽流入水のM−アルカリ度/NH4−N比を7.0に調整したところ、亜硝酸化処理水のNO2−N/NH4−N比は16.5となった。NO2−N過多のため嫌気性アンモニア酸化処理が進行せず、嫌気性アンモニア酸化処理水ではNO2−Nが274mg/L残留した。
比較実験(2)では、亜硝酸化槽流入水のM−アルカリ度/NH4−N比を2.7に調整したところ、亜硝酸化処理水のNO2−N/NH4−N比は0.54となった。NH4−Nが過分に残留したため、嫌気性アンモニア酸化処理水ではNH4−Nが150mg/L残留した。
比較実験(1)、比較実験(2)とも、嫌気性アンモニア酸化処理での窒素残留が過分であり、処理水で窒素の残留が多く見られた。
(実施例2)
実施例2では、図1に示す構成の硝化脱窒処理装置を使用し、表1に記載の各槽の仕様として表2の設定値において、有機性廃水の窒素除去処理を実施した。亜硝酸化槽流入水のM−アルカリ度/NH4−Nの比をフィードバック制御することなく意図的に変化させ、処理水質の変化を調査した。第二従属脱窒槽では、嫌気性アンモニア酸化処理水のNOX−Nが脱窒するのに必要量のメタノールを添加し、従属脱窒を促進した。その結果、亜硝酸化工程への流入水のM−アルカリ度/NH4−N比と、亜硝酸化処理水のNH4−N及びNO2−Nの関係は図7に示す通りであった。系内の活性汚泥濃度は実験期間を通して1500〜3000mg/Lであった。
(実施例3)
実施例3では、図5に示す構成の硝化脱窒素処理装置(ただし、図5では自動制御を想定しているが、本実験では手動制御とした。)を使用し、表5に記載の各槽の仕様として表6の設定値において、有機性廃水の窒素除去処理を実施した。最初は亜硝酸化槽流入水のM−アルカリ度/NH4−Nの比をフィードバック制御することなく意図的に変化させ、処理水質の変化を調査した。その結果、亜硝酸化工程への流入水のM−アルカリ度/NH4−N比と、亜硝酸化処理水のNO2−N濃度/NH4−N濃度比の関係は図8に示す通りであり、両者に相関が見られた。系内の活性汚泥濃度は実験期間を通して1500〜3000mg/Lであった。図8より、亜硝酸化槽流入水のM−アルカリ度/NH4−N比が4.0〜4.5付近であれば、亜硝酸化処理水のNO2−N/NH4−N比は、ほぼ1.32となり、嫌気性アンモニア酸化における理想値となることが分かる。
<実験(5)>
そこで、亜硝酸化処理に流入する第一従属脱窒処理液のNH4−N及びM−アルカリ度を測定し、その測定結果に基づいて第一従属脱窒処理液のM−アルカリ度を調整するフィードバック制御を実施することにより、第一従属脱窒処理液のM−アルカリ度(単位:CaCO3 mg/L)/(NH4−N濃度)(単位:mg/L)比を4.0〜4.5付近に制御しながら、表5及び表6に示す条件で有機性廃水の窒素除去処理を実施した。
実験(5)の代表的な処理水質を表7に示す。嫌気性アンモニア酸化槽への流入水のNO2−N/NH4−N比が1.32近傍となる条件であっても、理想的な嫌気性アンモニア酸化処理が行われず、嫌気性アンモニア酸化槽の流出液中にNH4−Nが30mg/L以上残留する場合があり、結果として処理水にNO3−Nが残留する場合があることが分かる。
<実験(6)>
そこで、図5に示す構成の硝化脱窒素処理装置(ただし、図5では自動制御を想定しているが、本実験では手動制御とした。)を使用し、表5及び表6に示す条件で有機性廃水の窒素除去処理を実施するにあたって、図9に示す制御フローに沿って、亜硝酸化工程への流入水のM−アルカリ度及びNH4−N濃度に加えて嫌気性アンモニア酸化処理水のNO2−N濃度及びNH4−N濃度も測定し、それらの結果に基づいて亜硝酸化槽への酸又はアルカリの注入を行った。具体的には、亜硝酸化工程への流入水(第一従属脱窒処理液)のM−アルカリ度とNH4−Nとをモニタリングし、その測定結果に基づいて亜硝酸化槽への酸又はアルカリの注入を行うことで、亜硝酸化工程への流入水のM−アルカリ度/NH4−N比を3.5〜5.5の範囲になるよう制御するとともに、嫌気性アンモニア酸化処理水のNO2−N及びNH4−Nをモニタリングし、嫌気性アンモニア酸化処理水中のNH4−Nの残留が30mg/L以上となった場合に亜硝酸化槽へアルカリの注入を行い、亜硝酸化流入水のM−アルカリ度/NH4−N比を上げることで、亜硝酸化処理水のNO2−Nを上昇させ、NH4−Nを低下させる操作を行った。アルカリの注入量は亜硝酸化工程への流入水のM−アルカリ度/NH4−N比が3.5〜5.5の範囲から逸脱しないように、手動で調整した。結果として、亜硝酸化処理水のNO2−N/NH4−N比は1.32以上となり得るが、後段の嫌気性アンモニア酸化処理水ではNH4−Nの残留は解消された。
上記の結果、嫌気性アンモニア酸化槽からの流出液のNH4−N濃度とNO2−N濃度をモニタリングし、嫌気性アンモニア酸化処理水中のNH4−Nの残留が過剰となった場合に亜硝酸化流入水のM−アルカリ度/NH4−N比を上げることで、嫌気性アンモニア酸化槽においてNH4−N濃度とNO2−Nを過不足なく反応させることができることが確認された。つまり、亜硝酸化流入水のM−アルカリ度/NH4−N比及び亜硝酸化処理水のNO2−N/NH4−N比を固定することなく、処理水の水質状況に応じて、適切な制御を行い、処理水の窒素の残留をなくすことが可能であった。実験(6)の代表的な処理水質を表7に示す。なお、図6に示すとおり、別の実施形態として処理水のNO2−N又はNH4−Nを測定し、その結果で亜硝酸化工程流入水のM−アルカリ度/NH4−N比を制御しても良い。
<実験(7)>
実験(6)においてさらにNH4−Nの残留を下げるため、M−アルカリ度/NH4−N比を上げながら、有機性廃水の窒素除去処理を実施した。
実験(7)の代表的な処理水質を表7に示す。結果として嫌気性アンモニア酸化槽の抽出液中のNH4−Nは1mg/L以下まで処理できたが、NO2−Nが50mg/L以上残留した。
<実験(8)>
また、図5に示す構成の硝化脱窒素処理装置(ただし、図5では自動制御を想定しているが、本実験では手動制御とした。)を使用し、表5及び表6に示す条件で有機性廃水の窒素除去処理を実施するにあたって、図9に示す制御フローに沿って、亜硝酸化工程への流入水のM−アルカリ度及びNH4−N濃度に加えて嫌気性アンモニア酸化処理水のNO2−N濃度及びNH4−N濃度も測定し、それらの結果に基づいて亜硝酸化槽への酸又はアルカリの注入を行った。具体的には、亜硝酸化工程への流入水(第一従属脱窒処理液)のM−アルカリ度とNH4−Nとをモニタリングし、その測定結果に基づいて亜硝酸化槽への酸又はアルカリの注入を行うことで、亜硝酸化工程への流入水のM−アルカリ度/NH4−N比を3.5〜5.5の範囲になるよう制御するとともに、嫌気性アンモニア酸化処理水のNO2−N及びNH4−Nをモニタリングし、嫌気性アンモニア酸化処理水中のNO2−Nの残留が50mg/L以上となった場合に亜硝酸化槽へ酸の注入を行い、亜硝酸化流入水のM−アルカリ度/NH4−N比を下げることで、亜硝酸化処理水のNO2−Nを低下させ、NH4−Nを上昇させる操作を行った。酸の注入量は亜硝酸化工程への流入水のM−アルカリ度/NH4−N比が3.5〜5.5の範囲から逸脱しないように、手動で調整した。結果として、後段の嫌気性アンモニア酸化処理水ではNO2−Nの残留は解消された。
上記の結果、嫌気性アンモニア酸化槽からの流出液のNH4−N濃度とNO2−N濃度をモニタリングし、嫌気性アンモニア酸化処理水中のNO2−Nの残留が過剰となった場合に亜硝酸化流入水のM−アルカリ度/NH4−N比を下げることで、嫌気性アンモニア酸化槽においてNH4−N濃度とNO2−Nを過不足なく反応させることができることが確認された。つまり、亜硝酸化流入水のM−アルカリ度/NH4−N比及び亜硝酸化処理水のNO2−N/NH4−N比を固定することなく、処理水の水質状況に応じて、適切な制御を行い、処理水の窒素の残留をなくすことが可能であった。実験(8)の代表的な処理水質を表7に示す。なお、図6に示すとおり、別の実施形態として処理水のNO2−N又はNH4−Nを測定し、その結果で亜硝酸化工程流入水のM−アルカリ度/NH4−N比を制御しても良い。
<実験(9)>
図9に示す制御フローに沿って、嫌気性アンモニア酸化処理水中のNH4−Nの残留が30mg/L以上となった場合に亜硝酸化槽へアルカリの注入を行い、亜硝酸化流入水のM−アルカリ度/NH4−N比を上げる制御と、嫌気性アンモニア酸化処理水中のNO2−Nの残留が50mg/L以上となった場合は亜硝酸化槽へ酸の注入を行い、亜硝酸化流入水のM−アルカリ度/NH4−N比を下げる制御を組み合わせた図9に示す制御フローに従った有機性廃水の窒素除去処理を実施した場合、継続して3ヶ月間の長期にわたって安定した処理水質が得られることが確認できた。
10 原水
11 第一従属脱窒槽
12 亜硝酸化槽
13 嫌気性アンモニア酸化槽
14 第二従属脱窒槽
15 再曝気槽
16a、16b、16c 濃縮分離槽
21a、21c 曝気装置
21b 散気筒
24a、24b 撹拌機構
25 NH4−N測定用センサー/NO2−N測定用センサー
26 NH4−N測定用センサー/T−N測定用センサー及びM−アルカリ度測定用センサー
27 演算指示装置
28 アルカリ/酸注入装置
29 添加アルカリ又は酸
30 処理水

Claims (10)

  1. 硝酸性窒素及び亜硝酸性窒素の少なくとも一方と、アンモニア性窒素と、有機物とを含有する被処理液を、活性汚泥中の従属栄養性細菌を用いた脱窒反応により嫌気的に脱窒処理して第一従属脱窒処理液を得る第一従属脱窒処理と、
    前記第一従属脱窒処理液中に含まれるアンモニア性窒素の一部を活性汚泥及びアンモニア酸化菌付着の微生物担体の共存下で、亜硝酸性窒素に酸化して亜硝酸化処理液を得る亜硝酸化処理と、
    前記亜硝酸化処理液を、活性汚泥及び独立栄養細菌付着の微生物担体の共存下で、脱窒反応により嫌気的に脱窒処理して嫌気性アンモニア酸化処理液を得る嫌気性アンモニア酸化処理と、
    前記嫌気性アンモニア酸化処理液中に含まれる亜硝酸性窒素及び硝酸性窒素を、活性汚泥中の従属栄養性細菌を用いた脱窒反応により嫌気的に脱窒処理して第二従属脱窒処理液を得る第二従属脱窒処理と、
    前記亜硝酸化処理液を被処理液の一部として前記第一従属脱窒処理へ循環し、前記従属栄養性細菌を用いた脱窒反応により、前記亜硝酸化処理液中の亜硝酸性窒素を窒素ガスに変換して除去する亜硝酸化処理液循環処理と、
    を含むアンモニア性窒素含有被処理液の硝化脱窒処理方法において、
    前記亜硝酸化処理に流入する第一従属脱窒処理液のNH4−N又はT−N濃度とM−アルカリ度とを測定し、その測定結果に基づいて第一従属脱窒処理液のM−アルカリ度を調整することにより、第一従属脱窒処理液のM−アルカリ度(単位:CaCO3 mg/L)/(NH4−N又はT−N濃度)(単位:mg/L)比を3.5〜5.5に制御すること、並びに、前記嫌気性アンモニア酸化処理を経た後の液のNH 4 −N濃度及び/又はNO 2 −N濃度をモニタリングし、その結果に基づいて第一従属脱窒処理液のM−アルカリ度を調整し、第一従属脱窒処理液のM−アルカリ度(単位:CaCO 3 mg/L)/(NH 4 −N又はT−N濃度)(単位:mg/L)比を制御することを含む方法。
  2. 前記嫌気性アンモニア酸化処理を経た後の液のNH4−N濃度をモニタリングし、NH4−N濃度が10mg/L以上の何れかの値となった場合に、第一従属脱窒処理液のM−アルカリ度を上げることにより、第一従属脱窒処理液のM−アルカリ度/(NH4−N又はT−N濃度)比を上げることを含む請求項に記載のアンモニア性窒素含有被処理液の硝化脱窒処理方法。
  3. 前記嫌気性アンモニア酸化処理を経た後の液のNO2−N濃度をモニタリングし、NO2−N濃度が15mg/L以上の何れかの値となった場合に、第一従属脱窒処理液のM−アルカリ度を下げることにより、第一従属脱窒処理液のM−アルカリ度/NH4−N(T−N)比を下げることを含む請求項又はに記載のアンモニア性窒素含有被処理液の硝化脱窒処理方法。
  4. 亜硝酸化処理と嫌気性アンモニア酸化処理との間に、亜硝酸化処理水に含まれる活性汚泥を濃縮分離する固液分離処理を更に含む請求項1〜の何れか一項に記載のアンモニア性窒素含有被処理液の硝化脱窒処理方法。
  5. 前記第二従属脱窒処理液中に含まれる有機物を活性汚泥存在下で好気処理して処理水を得る曝気処理と、
    前記曝気処理により得られた処理水に含まれる活性汚泥を濃縮分離する濃縮分離処理と、
    前記曝気処理により得られた処理水に含まれる活性汚泥を濃縮分離する濃縮分離処理により濃縮分離された濃縮汚泥を前記第一従属脱窒処理及び/又は第二従属脱窒処理へ返送する返送処理と、
    を更に含む請求項1〜の何れか一項に記載のアンモニア性窒素含有被処理液の硝化脱窒処理方法。
  6. 硝酸性窒素及び亜硝酸性窒素の少なくとも一方と、アンモニア性窒素と、有機物とを含有する被処理液を、活性汚泥中の従属栄養性細菌を用いた脱窒反応により嫌気的に脱窒処理して第一従属脱窒処理液を得るための第一従属脱窒槽と、
    前記第一従属脱窒槽からの流出液に含まれるアンモニア性窒素の一部を活性汚泥及びアンモニア酸化菌付着の微生物担体の共存下で、亜硝酸性窒素に酸化して亜硝酸化処理液を得るための亜硝酸化槽と、
    前記亜硝酸化槽からの流出液を、活性汚泥及び独立栄養細菌付着の微生物担体の共存下で、脱窒反応により嫌気的に脱窒処理して嫌気性アンモニア酸化処理液を得るための嫌気性アンモニア酸化槽と、
    前記嫌気性アンモニア酸化槽からの流出液に含まれる亜硝酸性窒素及び硝酸性窒素を、活性汚泥中の従属栄養性細菌を用いた脱窒反応により嫌気的に脱窒処理して第二従属脱窒処理液を得るための第二従属脱窒槽と、
    前記亜硝酸化槽からの流出液の一部を被処理液の一部として前記第一従属脱窒槽へ循環するための機構と、
    前記第一従属脱窒槽から流出液のNH4−N又はT−N濃度とM−アルカリ度とを測定するための測定器と、
    NH 4 −N又はT−N濃度とM−アルカリ度とを測定するための前記測定器による測定結果に基づいて、M−アルカリ度(単位:mg/L)/(NH4−N又はT−N濃度)(単位:mg/L)比が3.5〜5.5となるように、亜硝酸化槽のM−アルカリ度を調整する制御機構と
    前記嫌気性アンモニア酸化槽又はそれよりも後段の流出液のNH 4 −N濃度及び/又はNO 2 −N濃度をモニタリングするための測定器と、
    NH 4 −N濃度及び/又はNO 2 −N濃度をモニタリングするための前記測定器による測定結果に基づいて亜硝酸化槽のM−アルカリ度を調整し、第一従属脱窒処理液のM−アルカリ度/(NH 4 −N又はT−N濃度)比を制御するための制御機構とを備えた、
    アンモニア性窒素含有被処理液の硝化脱窒処理装置。
  7. 前記嫌気性アンモニア酸化槽又はそれよりも後段の流出液のNH4−N濃度をモニタリングするための測定器と、
    前記測定器によるNH4−N濃度が10mg/L以上の何れかの値を示した場合に、亜硝酸化槽のM−アルカリ度を上げることにより、亜硝酸化槽のM−アルカリ度/(NH4−N又はT−N濃度)比を上げるための機構を備えた請求項に記載のアンモニア性窒素含有被処理液の硝化脱窒処理装置。
  8. 前記嫌気性アンモニア酸化槽又はそれよりも後段からの流出液のNO2−N濃度をモニタリングするための測定器と、
    前記測定器によるNO2−N濃度が15mg/L以上の何れかの値を示した場合に、亜硝酸化槽のM−アルカリ度を下げることにより、亜硝酸化槽のM−アルカリ度/NH4−N(T−N)比を下げるための機構を備えた請求項又はに記載のアンモニア性窒素含有被処理液の硝化脱窒処理装置。
  9. 亜硝酸化槽と嫌気性アンモニア酸化槽との間に、亜硝酸化処理水に含まれる活性汚泥を固液分離するための固液分離装置を更に備えた請求項の何れか一項に記載のアンモニア性窒素含有被処理液の硝化脱窒処理装置。
  10. 前記第二従属脱窒槽からの流出液に含まれる有機物を活性汚泥存在下で好気処理して処理水を得るための再曝気槽と、
    前記再曝気槽からの流出液に含まれる活性汚泥を、固液分離槽にて濃縮分離するための濃縮分離槽と、
    前記固液分離槽にて濃縮分離された濃縮汚泥を前記第一従属脱窒槽及び/又は第二従属脱窒槽へ返送するための機構と、
    を更に備えた請求項の何れか一項に記載のアンモニア性窒素含有被処理液の硝化脱窒処理装置。
JP2016029290A 2016-02-18 2016-02-18 アンモニア性窒素含有被処理液の硝化脱窒処理方法及び装置 Active JP6666165B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016029290A JP6666165B2 (ja) 2016-02-18 2016-02-18 アンモニア性窒素含有被処理液の硝化脱窒処理方法及び装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016029290A JP6666165B2 (ja) 2016-02-18 2016-02-18 アンモニア性窒素含有被処理液の硝化脱窒処理方法及び装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2017144402A JP2017144402A (ja) 2017-08-24
JP6666165B2 true JP6666165B2 (ja) 2020-03-13

Family

ID=59681965

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016029290A Active JP6666165B2 (ja) 2016-02-18 2016-02-18 アンモニア性窒素含有被処理液の硝化脱窒処理方法及び装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6666165B2 (ja)

Families Citing this family (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP7036655B2 (ja) * 2018-04-10 2022-03-15 株式会社環境技術研究所 脱窒装置および脱窒方法
CN110451644A (zh) * 2019-09-11 2019-11-15 山东北成环境工程有限公司 垃圾渗滤液厌氧氨氧化深度脱氮组合处理装置及工艺
JP7229190B2 (ja) * 2020-02-26 2023-02-27 水ing株式会社 アンモニア性窒素含有排水の処理方法及び処理装置
JP7437292B2 (ja) 2020-11-20 2024-02-22 日立造船株式会社 溶液処理装置、および溶液処理方法
CN114249423A (zh) * 2021-12-24 2022-03-29 成都理工大学 一种低碳氮比高氨氮废水处理装置和方法
CN115057522B (zh) * 2022-04-06 2023-08-25 日照职业技术学院 一种自清洁萃取膜生物污水处理装置
CN115010259B (zh) * 2022-08-04 2022-10-21 江苏海峡环保科技发展有限公司 一种智慧环保监测数据处理方法及系统
CN115745299A (zh) * 2022-11-30 2023-03-07 中铁环境科技工程有限公司 一种便污废水的处理装置及使用方法

Family Cites Families (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH10323692A (ja) * 1997-05-23 1998-12-08 Nkk Corp 廃水の窒素除去方法
WO2010074008A1 (ja) * 2008-12-28 2010-07-01 メタウォーター株式会社 生物学的窒素除去方法、装置、及びそのための担体
JP5186429B2 (ja) * 2009-04-27 2013-04-17 水ing株式会社 消化汚泥分離液の脱窒処理方法と装置
AU2011288881A1 (en) * 2010-08-13 2013-02-28 Anaergia Inc. Treatment of municipal wastewater with anaerobic digestion
JP5614368B2 (ja) * 2011-05-10 2014-10-29 株式会社石垣 過酸化水素水及びアンモニア性窒素を含む廃水の処理装置
JP5727291B2 (ja) * 2011-05-10 2015-06-03 水ing株式会社 アンモニア性窒素及びカルシウム含有廃水の脱窒処理方法、及びその処理装置
JP5984137B2 (ja) * 2012-11-27 2016-09-06 株式会社日立製作所 水処理装置および水処理方法
JP6084150B2 (ja) * 2013-11-13 2017-02-22 水ing株式会社 脱窒処理方法及び脱窒処理装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2017144402A (ja) 2017-08-24

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6666165B2 (ja) アンモニア性窒素含有被処理液の硝化脱窒処理方法及び装置
CA2748534C (en) Method and device for removing biological nitrogen and support therefor
AU2001280766B2 (en) Method and apparatus for treating wastewater using membrane filters
JP6720100B2 (ja) 水処理方法及び水処理装置
IL263741A (en) METHOD AND DEVICE FOR MAXIMIZATION OF NITROGEN REMOVAL OF FUNCTIONS
WO2011148949A1 (ja) 嫌気性アンモニア酸化反応を利用した生物学的窒素除去方法
KR20150080493A (ko) 폐수 처리에서 질소 제거를 위한 방법 및 장치
WO2016117210A1 (ja) 窒素含有廃水の脱窒方法及び脱窒装置
JP2005305410A (ja) 窒素除去方法及び装置
US8323487B2 (en) Waste water treatment apparatus
KR101018587B1 (ko) 질소, 인 제거 막분리 고도처리장치
KR100459950B1 (ko) 질산화조가 분리된 변형 연속회분식 하폐수 처리장치 및그 방법
KR20080019975A (ko) 생물학적 활성조 및 전극시스템이 결합된 하이브리드형생물―전기화학적 생물막 연속회분식 반응기를 이용한오폐수 처리장치
KR101537755B1 (ko) 호기성 입상 슬러지를 이용한 매립지 침출수 처리 장치 및 이를 이용한 처리 방법
JP2014097478A (ja) 廃水処理方法及び廃水処理装置
JP5581872B2 (ja) アンモニア性窒素廃液の脱窒処理方法及び処理装置
JP2003126886A (ja) 生物学的窒素除去方法及び装置
Wang et al. Simultaneous nitrification and de-nitrification in MBR
JP2004298841A (ja) 窒素含有排水の処理方法
KR101932611B1 (ko) 수처리공정의 온도차에 따른 미생물 활성저하방지를 위한 열회수시스템을 이용한 고도 수처리시스템
JP2005329399A (ja) 窒素除去方法及び装置
KR100993482B1 (ko) 슬러지 부상분리 방식이 결합된 연속 회분식 반응조를포함하는 생물학적 하수처리장치 및 이를 이용한하수처리방법
KR100424092B1 (ko) 질산성 질소 처리장치
KONDO et al. Improvement of nutrient removal and phosphorus recovery in the anaerobic/oxic/anoxic process combined with sludge ozonation and phosphorus adsorption
KR200225284Y1 (ko) 질산성 질소 처리장치

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20181102

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20190821

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20190903

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20191021

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20200204

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20200220

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6666165

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250