JP7229190B2 - アンモニア性窒素含有排水の処理方法及び処理装置 - Google Patents

アンモニア性窒素含有排水の処理方法及び処理装置 Download PDF

Info

Publication number
JP7229190B2
JP7229190B2 JP2020030970A JP2020030970A JP7229190B2 JP 7229190 B2 JP7229190 B2 JP 7229190B2 JP 2020030970 A JP2020030970 A JP 2020030970A JP 2020030970 A JP2020030970 A JP 2020030970A JP 7229190 B2 JP7229190 B2 JP 7229190B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
tank
nitritation
nitrogen
treatment
concentration
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2020030970A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2021133297A (ja
Inventor
惇太 高橋
甬生 葛
隆司 西村
勝子 楠本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Swing Corp
Original Assignee
Swing Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Swing Corp filed Critical Swing Corp
Priority to JP2020030970A priority Critical patent/JP7229190B2/ja
Publication of JP2021133297A publication Critical patent/JP2021133297A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7229190B2 publication Critical patent/JP7229190B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02WCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO WASTEWATER TREATMENT OR WASTE MANAGEMENT
    • Y02W10/00Technologies for wastewater treatment
    • Y02W10/10Biological treatment of water, waste water, or sewage

Description

本発明は、アンモニア性窒素含有排水の処理方法及び処理装置に関する。
浸出水は、NH4-Nが高く、BOD等の有機物濃度が低いことが知られている。このような浸出水の窒素除去方式としては、一般的に生物学的硝化脱窒法がよく用いられる。生物学的硝化脱窒法は、通常、硝化プロセス及び脱窒プロセスより構成される。硝化プロセスでは、原水中のアンモニア性窒素を好気状態の反応槽、通称硝化槽において先ずアンモニア酸化菌により亜硝酸性窒素に酸化し、続いて亜硝酸酸化菌により亜硝酸性窒素を硝酸性窒素に酸化する。硝化プロセス後段の脱窒プロセスではこの硝化槽からの処理液(硝化液)を嫌気状態の反応槽、通称脱窒槽に導入して、硝化液中の硝酸性窒素及び亜硝酸性窒素を従属栄養性の脱窒菌により、無害の窒素ガスに還元される。この脱窒反応における電子供与体は、通常処理対象液中の有機物が利用される。有機物の少ない場合、外部からメタノールを電子供与体として添加する必要がある。
この生物学的硝化脱窒処理では、流入原水中のアンモニア性窒素を硝化槽に対し、亜硝酸性窒素を経て最終的に硝酸性窒素に酸化する。このため、硝化槽にアンモニア性窒素酸化に必要な酸素を供給する必要がある。酸素必要量は原水アンモニア性窒素の4.57倍と高く、その供給動力が無視できない。また、脱窒槽では、硝酸性窒素が電子受容体となる従属脱窒反応において、電子供与体となる有機物が必要となる。原水中に有機物が少ない場合、脱窒に必要な電子供与体となるメタノールを添加することが必要となる。安定した脱窒性能を得るため、メタノール添加量は通常、脱窒槽に流入する硝酸性窒素量の2.5~3倍程度必要となる。このように硝化プロセスの曝気動力及び脱窒プロセスのメタノール添加量は莫大であり、ランニングコストが高い。これらの低減が硝化脱窒プロセスを普及させるために解決しなければいけない大きな課題となっている。
近年、上記従属栄養脱窒菌による従来の脱窒機構と全く異なる独立栄養脱窒菌による脱窒処理法が開示されている。これはアンモニア性窒素を電子供与体とし、亜硝酸性窒素を電子受容体とする独立栄養性微生物を利用し、アンモニア性窒素と亜硝酸性窒素を嫌気状態において反応させて窒素ガスに変換する嫌気性アンモニア酸化処理法(Anaerobic Ammonium Oxidation Process)、所謂ANAMMOX反応による窒素除去方法である。
下記式(1)は嫌気性アンモニア酸化の反応式を示す。式(1)に示すように、アンモニア性窒素と亜硝酸性窒素が直接反応するため、メタノール等の有機物添加が不要であり、薬品代が大きく低下する。また、脱窒反応ではNH4-Nが1モルに対し、NO2-Nが1.32モルの比率で反応するため、処理対象原水中アンモニア性窒素を従来の硝化プロセスのように全部亜硝酸性及び硝酸性窒素に酸化する必要が無く、その一部を亜硝酸性窒素に酸化すればよいこととなる。嫌気性アンモニア酸化反応から、原水NH4-Nの57%を亜硝酸性窒素に酸化すれば、アンモニア脱窒原水のNO2-N/NH4-N比が1.32となり、式(1)に示すような反応が得られ、処理水のNH4-N及びNO2-Nをともに除去することが可能である。
1NH4 ++1.32NO2 -+0.066HCO3 -+0.13H+
→1.02N2+0.26NO3 -+0.066CH20.50.15+2.03H2O(1)
上記のような嫌気性アンモニア酸化を用いた脱窒処理のためには、先ず流入原水中のアンモニア性窒素の一部を硝化プロセスにおいて亜硝酸性窒素に酸化する必要がある。この際、嫌気性アンモニア酸化反応で高率な脱窒性能を得るために、原水NH4-Nの57%をNO2-Nにし、43%のNH4-Nを残留させておくことが望まれる。その結果、亜硝酸化処理水のNO2-N/NH4-N比が1.32となり、式(1)に示す嫌気性アンモニア酸化反応に必要なNO2-N/NH4-N比に一致する。
また、一般的に、硝化プロセスは、以下の式(2)、(3)に示すように、原水中のNH4-Nが、好気条件において、アンモニア酸化反応及び亜硝酸化反応を経て、最終的には硝酸性窒素(NO3-N)となる。両者の反応はほぼ同時に起こるので、アンモニア酸化のみを進行させることは通常困難とされており、前述のように必要なNO2-N/NH4-N比に一致するよう硝化量を制御することに加え、硝化反応自体が亜硝酸性窒素で止まるような制御上の工夫が必要になる。
NH4 ++1.5O2 →NO2 -+H2O+2H+ (2)
NO2 -+0.5O2→NO3 - (3)
近年、埋立処分場に埋め立てられる廃棄物の焼却灰や焼却残渣の比率が高くなっている。これに伴い、浸出水中のカルシウム濃度(Ca濃度)が増加している。Ca濃度が高いと、浸出水中の炭酸イオン(CO3 2-)との反応により不溶性のCaCO3が析出する。水処理施設では、この不溶性CaCO3析出により、処理水配管の閉塞や散気装置の目詰まり等を引起し、装置トラブルの大きな要因となる。
これに対応するため、Ca濃度の高い浸出水に対し、一般的に予めCaを除去する軟化処理装置を設けている。Ca除去の軟化処理方法は一般的に被処理水に炭酸ナトリウム(Na2CO3)を添加し、アルカリ添加により、pHを約10以上に高くすることで被処理水中のCaイオンを不溶性のCaCO3汚泥として除去するものである。この軟化処理においてNa2CO3の添加量は、理論的には被処理液Ca濃度に対し、2.65倍のNa2CO3が必要となる。一般的に処理水Ca濃度が100mg/L以下となれば、Caスケール析出が抑制されるので、軟化処理の処理水Ca濃度目標値を100mg/L以下とすることが多い。
例えば、特許第4703370号公報には、窒素およびカルシウムを含有する排水を、排水中のカルシウム濃度を100mg/L以下まで低減させ、アンモニア酸化工程においてpH調整のために炭酸イオンもしくは炭酸水素イオンを供給し、後段の嫌気槽にてANAMMOX反応により脱窒を行う窒素含有排水の処理方法が記載されている。
また、特許第5727291号公報には、廃水中のカルシウム濃度、M-アルカリ濃度、及びアンモニア性窒素濃度を測定し、所定の演算式に基づいて炭酸ナトリウムの添加量を算出し、算出された添加量の炭酸ナトリウムを廃水に添加して軟化処理水を得た後、この軟化処理水を嫌気性アンモニア酸化処理法により処理する方法が記載されている。
特許第4703370号公報 特許第5727291号公報
上述のような嫌気性アンモニア酸化工程を利用した生物処理を安定的且つ効率的に行うためには、原水中に含まれるアンモニア性窒素の硝化反応を亜硝酸性窒素の生成で止めるような制御上の工夫が必要である。しかしながら、現実には、原水の水質変動や周辺環境の変化等に伴い、想定以上にアンモニア硝化が進んでしまう場合があるため、特許文献1及び2に記載されるような制御方法によってもアンモニア硝化の制御が上手く行われず、亜硝酸化処理及び嫌気性アンモニア酸化性処理が安定しない場合がある。
上記課題を鑑み、本発明は、亜硝酸化処理及び嫌気性アンモニア酸化処理をより簡易な手法で安定的に継続して行うことが可能なアンモニア性窒素含有排水の処理方法及び処理装置を提供する。
上記課題を解決するために本発明者らが鋭意検討した結果、アンモニア性窒素含有排水中のアンモニア性窒素の一部を亜硝酸化処理する亜硝酸化槽に対し、間欠曝気を行うことが有効であるとの知見を得た。
以上の知見を基礎として完成した本発明の実施の形態は一側面において、アンモニア性窒素含有排水を亜硝酸化槽内に収容し、亜硝酸化槽内のアンモニア性窒素含有排水を間欠曝気することにより、アンモニア性窒素含有排水中に含まれるアンモニア性窒素の一部を亜硝酸性窒素へ亜硝酸化処理し、亜硝酸化処理後の処理水を、嫌気性アンモニア酸化菌を用いて嫌気性アンモニア酸化処理することを含むアンモニア性窒素含有排水の処理方法である。
本発明の実施の形態に係るアンモニア性窒素含有排水の処理方法は一実施態様において、亜硝酸化処理が、亜硝酸化槽内にアンモニア酸化菌を付着させた担体を流動させることを含む。
本発明の実施の形態に係るアンモニア性窒素含有排水の処理方法は別の一実施態様において、亜硝酸化処理が、曝気停止時間を5分以上60分以下とすることを含む。
本発明の実施の形態に係るアンモニア性窒素含有排水の処理方法は更に別の一実施態様において、亜硝酸化処理が、比重1.00~1.10g/cm3の担体を5~40容量%、亜硝酸化槽内に収容することを含む。
本発明の実施の形態に係るアンモニア性窒素含有排水の処理方法は更に別の一実施態様において、アンモニア性窒素含有排水のアンモニア性窒素濃度に基づいて、亜硝酸化槽内の目標アンモニア性窒素濃度を決定し、目標アンモニア性窒素濃度に対する亜硝酸化槽内で生成される亜硝酸性窒素濃度の比(NO2-N/NH4-N比)が目標比率となるように亜硝酸化槽内の必要硝化量を決定し、該必要硝化量に基づいて、亜硝酸化処理における曝気運転時間と曝気停止時間との運転時間比率を調整することを含む。
本発明の実施の形態に係るアンモニア性窒素含有排水の処理方法は更に別の一実施態様において、アンモニア性窒素含有排水のアンモニア性窒素濃度に基づいて、亜硝酸化槽内で生成される亜硝酸性窒素濃度の比(NO2-N/NH4-N比)が目標比率となるように目標アンモニア性窒素濃度を決定し、亜硝酸化槽内の遊離アンモニア濃度が1.0~10mg/Lとなるように、亜硝酸化槽の水温、目標アンモニア性窒素濃度と遊離アンモニア濃度との関係に基づいて、亜硝酸化槽内のpHを制御することを含む。
本発明の実施の形態に係るアンモニア性窒素含有排水の処理方法は更に別の一実施態様において、アンモニア性窒素含有排水を亜硝酸化処理する前に、アンモニア性窒素含有排水に含まれるカルシウムを除去する軟化処理工程を更に含む。
本発明の実施の形態に係るアンモニア性窒素含有排水の処理方法は更に別の一実施態様において、亜硝酸化槽内に浮遊汚泥を供給することを更に含む。
本発明の実施の形態は別の一側面において、アンモニア性窒素含有排水を収容し、アンモニア性窒素含有排水中のアンモニア性窒素の一部を亜硝酸性窒素へ亜硝酸化処理する亜硝酸化槽と、亜硝酸化槽内のアンモニア性窒素含有排水を間欠曝気する曝気手段と、亜硝酸化処理後の処理水を、嫌気性アンモニア酸化菌を用いて嫌気性アンモニア酸化処理する嫌気性アンモニア酸化槽とを備えるアンモニア性窒素含有排水の処理装置である。
本発明によれば、亜硝酸化処理及び嫌気性アンモニア酸化処理をより簡易な手法で安定的に継続して行うことが可能なアンモニア性窒素含有排水の処理方法及び処理装置が提供できる。
第1の実施の形態に係るアンモニア性窒素含有排水の処理装置の一例を示す概略図である。 第2の実施の形態に係るアンモニア性窒素含有排水の処理装置の一例を示す概略図である。 第3の実施の形態に係るアンモニア性窒素含有排水の処理装置の一例を示す概略図である。 間欠曝気による運転時間比率と必要硝化量との関係を表すグラフである。 部分亜硝酸化槽を間欠曝気した場合と連続曝気した場合の亜硝酸化槽内のNO2-N/NH4-N比の経時変化を表すグラフである。 部分亜硝酸化槽内のNO2-N/NOx-N比の経時変化を表すグラフである。 本実施例に係る間接曝気を行った場合と比較例に係る連続曝気を行った場合の嫌気性アンモニア酸化槽から得られる処理水の窒素除去率を表すグラフである。
以下、図面を参照しながら本発明の実施の形態を説明する。以下に示す実施の形態は、この発明の技術的思想を具体化するための装置や方法を例示するものであってこの発明の技術的思想は構成部品の構造、配置等を下記のものに特定するものではない。
(第1の実施の形態)
本発明の第1の実施の形態に係るアンモニア性窒素含有排水の処理装置は、図1に示すように、原水槽10、亜硝酸化槽2、沈殿槽3、嫌気性アンモニア酸化槽4及び沈殿槽5を備える。原水槽10には、原水の水温、アンモニア性窒素濃度、アルカリ度、カルシウム濃度等を測定可能な水質測定手段21が接続されている。
原水槽10に収容される原水としては、アンモニア性窒素含有排水が用いられる。以下に限定されるものではないが、アンモニア性窒素含有排水は、例えばごみ埋め立て地の浸出水等の有機物、カルシウム、アンモニア性窒素を含む排水を用いることができる。典型的には、原水の有機物濃度は、BODとして0~1,000mg/L、望ましくは0~500mg/L、より望ましくは0~300mg/Lである。原水のカルシウム濃度は、100~3,000mg/L、望ましくは100~2,000mg/L、より望ましくは100~1,000mg/Lである。原水のアンモニア性窒素濃度は、50~2,000mg/L、望ましくは100~1,000mg/L、より望ましくは200~500mg/Lである。
原水の濃度変動が予測される場合、原水槽10内に原水を一定期間滞留させることで、亜硝酸化槽2へ流入するアンモニア性窒素含有排水の極端な濃度変動を抑えることができる。原水の総滞留時間は、計画処理水量に対して2日以上とすることが好ましく、望ましくは5日以上、より望ましくは10日以上である。原水槽10の撹拌は、曝気撹拌すると原水槽10内で硝化が進行する可能性があるため、機械撹拌を用いることが望ましい。
亜硝酸化槽2は、アンモニア性窒素含有排水を収容し、アンモニア性窒素含有排水中に含まれるアンモニア性窒素の一部を亜硝酸性窒素へ亜硝酸化処理する処理槽である。亜硝酸化槽2には、亜硝酸化槽内の遊離アンモニア濃度を適切に制御するとともに曝気運転時間及び曝気量を調整する曝気・pH調整手段22が接続されている。
亜硝酸化槽2では、微生物を用いて、原水中のアンモニア性窒素の約57%を亜硝酸性窒素まで硝化させる。微生物を用いた硝化としては、例えば、活性汚泥法、流動担体法、固定床法(接触酸化法)等が利用できる。アンモニア性窒素の硝化反応を亜硝酸性窒素の生成で止める部分亜硝酸化処理をより安定的に行うためには、亜硝酸化槽2内に、アンモニア酸化菌を付着固定させた担体を流動させる流動担体法を用いることがより好ましい。
亜硝酸化槽2内で使用される担体に特に制限はないが、高分子担体を充填することにより、アンモニア酸化菌を安定して付着できるため、亜硝酸化槽2においてより安定した亜硝酸化性能が得られる。亜硝酸化槽2に充填する高分子担体としては、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリアクリルアミド、光硬化性樹脂等の合成高分子担体、カラギーナン、アルギン酸ソーダ等の高分子を用いたゲル担体、ポリエチレンやポリウレタン、ポリポロピレン等からなる担体等が挙げられる。
担体の形状としては球形、四角形、円筒形の何れも使用可能である。担体の有効径は、担体を分離するためのスクリーンよって安定的に分離できる3~10mmとすることが好ましい。担体の比重は、亜硝酸化槽2の間欠曝気を行った場合においても、亜硝酸化槽2内で素早く均一に流動させることが可能となる1.00~1.10g/cm3とすることが好ましく、更には1.01~1.05g/cm3とすることが好ましい。担体の充填量は、亜硝酸化槽2内で担体が均一に混合流動可能となる5~40容量%(V%)とすることが好ましく、更には10~30容量%(V%)であることが好ましい。亜硝酸化槽2の窒素負荷は、例えば、0.01~2.0kg-N/m3/dとすることにより、亜硝酸化処理を安定して行うことができる。
亜硝酸化処理では、原水中に含まれるアンモニア性窒素の硝化反応を亜硝酸性窒素の生成で止め、亜硝酸化槽2から嫌気性アンモニア酸化槽4へ流出する処理水のアンモニア性窒素濃度に対する亜硝酸性窒素濃度の比(NO2-N/NH4-N比)が、嫌気性アンモニア酸化槽4での処理に適切な目標比率である約1.32に近づくように制御する必要がある。
亜硝酸化槽2で処理された亜硝酸化処理水を嫌気性アンモニア酸化槽4での処理に適切な約1.32に近づくように制御するための方法として、本実施形態では、原水の水質情報に基づいて、亜硝酸化槽2内の遊離アンモニア(FA)濃度が所定の目標濃度となるように制御しながら、亜硝酸化槽2のpH制御及び間欠曝気制御を行う。
-pH制御-
本発明者らの検討によれば、亜硝酸化槽2内のアンモニア性窒素含有排水の遊離アンモニア濃度を1.0~10mg/L、より好ましくは2.0~10mg/Lに維持するようにpHを調整することで、亜硝酸化菌の増殖を抑制しながら、アンモニア酸化菌を担体に優先的に付着させることができ、これにより安定した亜硝酸化処理が得られることが分かった。
遊離アンモニア濃度は、以下の式(4)に従って計算することができる。
Figure 0007229190000001
(4)式からわかるように、遊離アンモニア濃度は、pH、NH4-N濃度、水温の変化の影響を受ける。
本実施形態では、原水であるアンモニア性窒素含有排水のアンモニア性窒素濃度(以下「原水NH4-N」ともいう)から計算される目標アンモニア性窒素濃度(以下「目標NH4-N」ともいう)と、亜硝酸化槽2内の水温に基づいて、(4)式に従って、亜硝酸化槽2内の遊離アンモニア濃度が1.0~10mg/Lとなるように、目標pHを決定する。目標NH4-Nは、以下の式(5)に従い、計算することができる。
目標NH4-N=原水NH4-N×(1/2.3) (5)
例えば、原水のアンモニア性窒素濃度が100mg-N/Lの場合、亜硝酸化槽2の目標アンモニア性窒素濃度は、約43mg-N/Lとなる。
次に、亜硝酸化槽2の水温、目標アンモニア性窒素濃度と遊離アンモニア濃度との関係に基づいて、亜硝酸化槽2内のpHを設定する。例えば、(4)式を利用して、目標pHと目標アンモニア性窒素濃度と遊離アンモニア濃度との関係を計算した表を予め作製する。その表を用いて、ある目標アンモニア性窒素濃度に対して遊離アンモニア濃度が1.0~10mg/Lを満たすようなpH範囲を決めることにより、亜硝酸化槽2内の目標pHを設定することができる。例えば、亜硝酸化槽2の目標アンモニア性窒素濃度が約43mg-N/L、水温30℃の場合、遊離アンモニア濃度が1.0~10mg/LとなるpH範囲は、7.5~8.4となる。
pH範囲が設定されたら、亜硝酸化槽2内がそのpH範囲となるように、酸またはアルカリを添加する。亜硝酸化槽2に添加される酸としては、例えば、硫酸、塩酸等が利用できる。亜硝酸化槽2に添加されるアルカリとしては、苛性ソーダ、炭酸ソーダ、炭酸水素ナトリウム等が利用できる。特に本実施例では、アルカリとして、炭酸ソーダ、炭酸水素ナトリウムを使用するよりも、pHの調整が容易な強アルカリである苛性ソーダを使用することが好ましい。これにより、亜硝酸化槽2内のpHを少ない薬液量で早期に適正化でき、亜硝酸化槽2内の遊離アンモニア濃度を適正化することができる。また、苛性ソーダを利用することで、炭酸ソーダ、炭酸水素ナトリウムよりもランニングコストを抑えることができる、薬品注入配管内のスケール生成による閉塞が発生しにくい、という副次的な利点も発生する。
-間欠曝気制御-
本発明者らが検討した結果、亜硝酸化槽2内のアンモニア性窒素から亜硝酸性窒素への硝化量は、曝気風量、および曝気運転時間と曝気停止時間との運転時間比率(On/(On+Off))に比例することが分かった。このため、ある時点における曝気風量、曝気運転時間における原水および亜硝酸化槽2で得られる亜硝酸化処理水のアンモニア濃度、もしくは硝酸、亜硝酸濃度のいずれかを分析し、硝化量を算出することにより、適切なNO2-N/NH4-N比を保つための曝気風量及び曝気運転時間の設定が可能となる。
本実施形態では、原水であるアンモニア性窒素含有排水のアンモニア性窒素濃度に基づいて、(5)式より目標アンモニア性窒素濃度を決定する。そして、目標アンモニア性窒素濃度に対する亜硝酸化槽2内で生成される亜硝酸性窒素濃度の比(NO2-N/NH4-N比)が目標比率となるように必要硝化量を決定し、その必要硝化量に基づいて、亜硝酸化処理における曝気運転時間と曝気停止時間との運転時間比率を調整する。
例えば、原水のアンモニア性窒素濃度及び亜硝酸化槽2内に流入するアンモニア性窒素含有排水の水温から、式(4)、(5)に基づいて、目標アンモニア性窒素濃度と目標pHが決定される。そして、亜硝酸化槽2の処理水量および亜硝酸化槽2の槽容量に基づいて、NO2-N/NH4-N比が、目的比率となる1.32となる必要硝化量を決定する。運転時間比率と必要硝化量は上述の通り比例関係にあるため、運転時間比率と必要硝化量との関係を表す表(表2参照)または図(図4参照)を予め作製し、図又は表を用いて、運転時間比率と必要硝化量との関係に基づいて、ある必要硝化量を満足する運転時間比率を設定する。
曝気風量制御を行う場合、インバータを用いた制御では、吐出圧の関係から制御下限値に限界がある場合、あるいは、担体や活性汚泥を流動させるために一定以上の風量が必要となる場合があることから、精密な制御が行えない場合がある。よって、本実施形態では、亜硝酸化槽2を曝気する曝気・pH調整手段により、亜硝酸化槽2に接続された曝気ブロワにタイマを設けて間欠曝気を行うことが好ましく、これにより運転時間比率のより細かい調整が可能となる。
タイマを用いて運転時間比率を調整する場合、オン(曝気運転)時間、オフ(曝気停止)時間ともに1分未満での設定では、ブロワに負担がかかり、長期間の安定した運転を行うことが難しい場合がある。亜硝酸化槽2を曝気するブロワの負担を小さくし、且つ、亜硝酸化処理で得られる処理水を嫌気性アンモニア酸化処理で好適な状態となるように安定して処理を行うためには、オフ時間を5分以上とすることが好ましい。
オフ時間は、亜硝酸化槽2内の溶存酸素量(DO)を0.5mg/L以下とすることで、硝化の進行をより確実に停止できるような条件とすることが好ましい。例えば、ブロワの能力や亜硝酸化槽2の大きさにもよるが、オフ時間をより好ましくは10分以上、更に好ましくは15分以上とすることで、亜硝酸化槽2内のDOを0.5mg/L以下に下げ、硝化菌が活動しない期間を設けることが可能になる。
一方、オフ時間を長く設定しすぎると、曝気停止期間中に、亜硝酸化槽2内の散気装置、担体等にスケールが付着しやすくなる。亜硝酸化処理における曝気停止時間は、60分以下、より好ましくは45分以下、更に好ましくは30分以下である。
オン時間は1分以上であれば特に制限はない。オン時間においては、DOを1mg/L以上とすることが好ましく、流動担体を使用する場合には2.5mg/L以上とすることが更に好ましい。なお、軟化処理槽1の滞留時間及び亜硝酸化槽2内のオフ時間を遵守する限りにおいては、オフ時間中の撹拌機による亜硝酸化槽2内の撹拌は行っても行わなくてもよい。
亜硝酸化槽2内のアルカリ度は、硝化処理の良好な進行のために、100mg/L以上であることが好ましく、より好ましくは150mg/L以上であり、更に好ましくは200mg/L以上である。スケール付着防止の観点からは、800mg/L以下であることが好ましく、より好ましくは700mg/L以下であり、更に好ましくは500mg/L以下である。水温は、15℃以上、より好ましくは20℃以上、更に好ましくは25℃以上であり、35℃以下であることが好ましい。アルカリ度は、塩酸、硫酸等の酸による滴定法のほか、(株)共立理化学研究所製パックテスト、HACH社の分析キット等により測定することができる。
亜硝酸化槽2で得られる亜硝酸化処理水は沈殿槽3において浮遊汚泥(浮遊活性汚泥)の沈殿処理が行われ、沈殿した汚泥の一部が浮遊汚泥として再び亜硝酸化槽2へ返送され、残りの汚泥が余剰汚泥として処理される。沈殿槽3が設けられることにより、亜硝酸化槽2で得られる処理水中のSS性の異物を除去できるため、原水変動が生じた場合においても、嫌気性アンモニア酸化槽4へ流入する処理水の性状を常に安定した状態に維持できる。また、沈殿槽3内の浮遊汚泥が亜硝酸化槽2の前段へ返送されることにより、亜硝酸化槽2内では流動担体と浮遊汚泥とが共存する。この共存により、亜硝酸化槽2に流入する原水の水質が変動しても、活性汚泥処理による平均化が可能となるため、アンモニア酸化菌付着の担体への影響がほとんどなく、安定した亜硝酸化処理が行える。沈殿槽3は原水の水質に応じて省略することもできる。
嫌気性アンモニア酸化槽4では、亜硝酸化槽2から流入する亜硝酸化処理液中に含まれるアンモニア性窒素と亜硝酸性窒素とを(1)式に従って反応させ、脱窒反応を進行させる槽である。嫌気性アンモニア酸化槽4には、嫌気性アンモニア酸化槽4へ流入する亜硝酸化処理水の流量を調整するための流量調整手段23が接続されている。また、嫌気性アンモニア酸化槽4内の水温、アンモニア性窒素濃度、アルカリ度、カルシウム濃度等を測定可能な水質測定手段24が嫌気性アンモニア酸化槽4に接続されている。
嫌気性アンモニア酸化槽4内に嫌気性アンモニア酸化菌を保持する方法としては、微生物の自己造粒機能を利用したグラニュール法、担体に嫌気性アンモニア酸化菌を固定化させる流動床法と固定床法がある。本実施形態では、特に流動床法を採用することで、嫌気性アンモニア酸化菌の流出を防ぎ、かつ嫌気性アンモニア酸化槽4内が閉塞しない適正な生物量を維持することができる。
担体には特に制限はないが、特に嫌気性アンモニア酸化菌を安定的に固定化できる担体として、上述の亜硝酸化工程に用いられるものと同様の高分子材料の流動担体が挙げられる。担体の形状としては球形、四角形、円筒形の何れも使用可能であり、有効径は嫌気性アンモニア酸化槽4の出口のスクリーンより安定して分離できる3~10mmが好ましい。担体として表面に微細孔径を多く有するもの、内部中空であるスポンジ、表面に無数の凹凸を有するものが、嫌気性アンモニア酸化菌の付着固定が速く、短期間で高い脱窒性能が得られる。担体の比重は嫌気状態において撹拌より均一流動できる1.00~1.10g/cm3、更には1.01~1.05g/cm3とすることが好ましい。担体の充填量は、局部体積のないように5~40容量%(V%)、更には10~30容量%(V%)であることが望ましい。
なお、嫌気性アンモニア酸化槽4の立ち上げ時は、嫌気性アンモニア酸化菌が集積した汚泥、もしくは付着した担体(種担体)を投入することで、立ち上げ期間を短縮することができる。特に、嫌気性アンモニア酸化槽4に流動床法を採用する場合は、投入担体と同じ担体を採用することで、種担体と微生物が付着していない新担体の接触効率が高くなるため、立ち上げ期間をさらに短縮することが可能となる。種担体の比率は、槽内の全担体の1~30容量%(V%)、望ましくは5~20容量%が効率的である。種担体は、水道水、工業用水、もしくは実際の排水をベースとして試薬にて亜硝酸、アンモニア濃度を調整した人工排水を用いて培養される。
撹拌は担体の流動を維持するため、槽内の流速が0.03m/s以上、望ましくは0.07m/s以上、さらに望ましくは0.1m/s以上となるように撹拌翼の数、位置、形状、および回転数を決定することが望ましい。撹拌翼の数、位置等に特に制限はないが、例えば、上下2段に撹拌翼を設け、下段の撹拌翼を槽底から300~700mm程度とすることで、少ない回転数で槽内流速を保つことができる。嫌気性アンモニア酸化菌の活性を維持するため、鉄、および亜鉛、コバルト、マンガン、銅、モリブデン、ニッケル、等の微量元素を嫌気性アンモニア酸化槽4内に添加することが望ましい。嫌気性アンモニア酸化槽4で得られる嫌気性アンモニア酸化処理水は、沈殿槽5で固液分離処理されて、処理水が得られる。
制御手段100としては、本実施形態に示す所定のアルゴリズムに基づいて各装置を制御するための汎用の計算機等を用いることができ、図2に示すように水質測定手段11、21、24、炭酸塩添加手段12、曝気・pH調整手段22、流量調整手段23に所定の制御信号を出力し、各装置の処理条件等を制御するように構成される。
図1に示すアンモニア性窒素含有排水の処理装置を用いてアンモニア性窒素含有排水を処理することができる。即ち、本発明の第1の実施の形態に係るアンモニア性窒素含有排水の処理方法は、アンモニア性窒素含有排水を亜硝酸化槽内に収容し、亜硝酸化槽内のアンモニア性窒素含有排水を間欠曝気することにより、アンモニア性窒素含有排水中に含まれるアンモニア性窒素の一部を亜硝酸性窒素へ亜硝酸化処理する亜硝酸化処理工程と、亜硝酸化処理の処理水を、嫌気性アンモニア酸化菌を用いて嫌気性アンモニア酸化処理する嫌気性アンモニア酸化工程とを含む。
このように、本発明の第1の実施の形態に係るアンモニア性窒素含有排水の処理装置及び処理方法によれば、亜硝酸化槽2内のアンモニア性窒素含有排水を間欠曝気し、アンモニア性窒素含有排水中に含まれるアンモニア性窒素の一部を亜硝酸性窒素へ亜硝酸化処理することにより、原水の水質変動や周辺環境の変化等に伴い、想定以上にアンモニア硝化が進んでしまう状況を抑制することができる。その結果、原水中に含まれるアンモニア性窒素の一部から所定量の亜硝酸性窒素を生成させることができるため、亜硝酸化処理及び嫌気性アンモニア酸化処理をより簡易な手法で安定的に継続して行うことが可能となる。
(第2の実施の形態)
図2に示すように、本発明の第2の実施の形態に係るアンモニア性窒素含有排水の処理装置は、図1に示す亜硝酸化槽2の前段の原水槽10の代わりに、軟化処理槽1、沈殿槽13及び中継槽14を備える点が、図1に示す処理装置と異なる。また、図2の処理装置では、水質測定手段21が、中継槽14に接続されており、原水の水質を測定するための水質測定手段11及び軟化処理槽1に炭酸塩を添加するための炭酸塩添加手段12が更に設けられている。水質測定手段11及び炭酸塩添加手段12は制御手段100に接続されている。他は、第1の実施の形態に係る処理装置と実質的に同様の構成を示すため、重複した記載を省略する。
軟化処理槽1では、アンモニア性窒素含有排水に含まれる硬度分であるカルシウム(Ca)を除去する軟化処理が行われる。軟化処理槽1を配置することにより、軟化処理槽1の後段の処理装置のスケールの発生を抑制できる。特に、本実施形態では、後段の亜硝酸化槽2にて間欠曝気を行うため、原水中のカルシウム除去が不十分であると、亜硝酸化槽2の曝気停止期間中に、散気孔にスケールが生じる場合、あるいは担体にスケールが付着しやすくなる場合がある。軟化処理槽1における軟化処理を適切に行うことで、散気装置や担体を長持ちさせることが可能となる。
軟化処理としては、Ca濃度を低くすることができる方法であれば特に制限はなく、例えば、凝集沈殿、凝集-膜分離、晶析、イオン交換、電気脱塩、電気泳動等が利用できる。軟化処理では、原水中のCa濃度を100mg/L以下、望ましくは50mg/L以下、より望ましくは30mg/L以下に低減させることが好ましい。本発明の第2の実施の形態に係る軟化処理の例としては、例えば、以下に示す第1~第3の軟化処理を利用することができる。
-第1の軟化処理(Caの凝集沈殿を目的とする軟化処理)-
第1の軟化処理は、軟化処理槽1への炭酸塩の添加による凝集沈殿処理により、原水からカルシウムを除去する場合に、添加すべき炭酸塩を算出し、算出結果に基づいて、炭酸塩添加手段12により炭酸塩の添加量を制御する方法である。炭酸塩としては、炭酸ナトリウム(Na2CO3)、炭酸水素ナトリウム(NaHCO3)等を利用できる。以下の例では、炭酸塩としてNa2CO3を用いる場合を説明する。
第1の軟化処理では、Na2CO3添加量C0(mg/L)を、以下の式(6)により算出し、算出結果に基づいて、Na2CO3を原水に添加して炭酸カルシウムの凝集沈殿を行い、Ca濃度を制御する。
0=(Cin-Cout)×a-CALK-in/1.06 (6)
(ここで、Cin(mg/L):原水のCa濃度、Cout(mg/L):軟化処理水の目標Ca濃度、a:係数、CALK-in:原水のアルカリ度(mg-CaCO3/L)を示す。)
係数aは軟化処理のpHによって若干異なるが、第1の軟化処理に好適なpHは9~10であり、より好ましくは9.0~9.5である。係数aはpH9.0~10.0においては2.6~2.9とすることができ、pH9.0~9.5においては2.8~2.9とすることができる。Coutは100mg/L以下、望ましくは50mg/L以下、より望ましくは30mg/L以下となるように適宜設定できる。制御手段100は、水質測定手段21による原水のCa濃度及びアルカリ度の測定結果に基づいて、炭酸塩添加手段12が添加すべき炭酸塩の量を制御する。水質測定手段21による水質測定及び炭酸塩添加手段12による炭酸塩添加制御は連続的に行ってもよいし、所定の時間が経過するごとに行ってもよい。
第1の軟化処理によれば、原水のCa濃度及びアルカリ度に基づいて、最適となるNa2CO3添加量を軟化処理槽1に供給することができるため、原水の水質に応じた安定したCa濃度制御を行うことができ、また、安定した目標水質が得られる。
-第2の軟化処理(亜硝酸化処理を考慮に入れた軟化処理)-
第2の軟化処理では、第1の軟化処理のような、原水の水質に応じた炭酸塩の添加量の最適化だけでなく、軟化処理槽1の後段にある亜硝酸化槽2及び嫌気性アンモニア酸化槽4における硝化処理を更に考慮して、軟化処理槽1へ添加する炭酸塩の添加量を決定する方法である。亜硝酸化槽2及び嫌気性アンモニア酸化槽4で用いられる硝化菌、嫌気性アンモニア細菌はともに独立栄養細菌であり、増殖には無機体炭素が必要である。この亜硝酸化槽2及び嫌気性アンモニア酸化槽4での処理に必要な無機体炭素量を踏まえて、軟化処理槽1へ添加する軟化処理のNa2CO3添加量を算出することで、カルシウムの除去能を安定させ、且つ後段の生物処理を良好に保つことが可能になる。
嫌気性アンモニア酸化菌による反応は式(1)に示した通りであるが、アンモニア酸化菌によるアンモニアから亜硝酸性窒素への硝化反応は、菌体合成を含めると以下の式(7)で表される。
1NH4 ++1.38O2+1.98HCO3 -
→0.018C572N+0.98NO2 -+1.04H2O+1.89H2CO3 (7)
式(7)より、亜硝酸化工程では、アンモニア性窒素1mg-N/Lにつき0.077mg-C/Lの無機体炭素(=0.68mg-Na2CO3/L)が必要であり、また、(1)式より嫌気性アンモニア酸化工程ではアンモニア性窒素1mg-N/Lにつき0.057mg-C/Lの無機体炭素(0.50mg-Na2CO3/L)が必要であることがわかる。
式(7)を式(6)に含めると、第2の軟化処理におけるNa2CO3添加量C0(mg/L)は下記式(8)により求めることができる。
0=(Cin-Cout)×a+(CN-in-CN-out)×1.18-CALK-in/1.06(8)
(ここで、CN-in:原水中のアンモニア性窒素濃度(mg-N/L)、CN-out:亜硝酸化処理槽内の目標アンモニア性窒素濃度(mg-N/L)を示す。)
即ち、第2の軟化処理では、原水のカルシウム濃度、アンモニア性窒素濃度、アルカリ度、及び亜硝酸化槽2の目標アンモニア性窒素濃度に基づいて、炭酸塩の添加量を制御する。このように、原水の水質及び亜硝酸化槽2及び嫌気性アンモニア酸化槽4内における硝化を考慮して、軟化処理槽1に対して、原水のカルシウム除去の目的だけでなく、硝化に必要な無機体炭素を考慮に入れた炭酸塩を軟化処理槽1に予め添加することにより、亜硝酸化槽2において従来必要であった無機体炭素の添加作業を省略することができるため、装置及び作業の簡略化が図れる。また、第2の軟化処理によれば、原水中のカルシウム濃度が急激に増加した場合においても、軟化処理槽1には(6)式の炭酸塩に加えて(8)式の(CN-in-CN-out)×1.18の分だけ炭酸塩が過剰に添加されているため、安定してカルシウム濃度を低減させることができる。更に、軟化処理槽1に過剰に炭酸塩が添加されることで、軟化処理槽1の後段の配管、散気装置、担体等へのスケール付着を抑制することもできる。
-第3の軟化処理-
第3の軟化処理は、硝化に必要なアルカリ度の観点から炭酸塩の添加量を決定する方法である。硝化工程においてアンモニア性窒素1mg-N/Lの硝化に必要なアルカリ度は7.14mg-CaCO3/L(=7.57mg-Na2CO3/L)であり、これを(6)式に含めると、Na2CO3添加量C0(mg/L)は、下記式(9)により求めることができる。
0=(Cin-Cout)×a+(CN-in-CN-out)×7.57-CALK-in/1.06+CALK-out/1.06 (9)
ALK-outは、亜硝酸化槽2の目標アルカリ度であり、亜硝酸化槽2のpHとアルカリ度の関係で決定される。例えば、亜硝酸化槽2内の亜硝酸化処理水の目標pHが7.8で、この時のアルカリ度が500mg/Lである場合は、CALK-outは500mg/Lとなる。亜硝酸化処理水のpHとアルカリ度の関係は、中和滴定曲線を引くことで求めることができる。
(8)式、(9)式を比べると、(8)式の方が、Na2CO3添加量が少なくて済むが、(8)式に基づく炭酸塩の添加制御を行う場合、後段の亜硝酸化槽2において別途アルカリの添加が必要となる。亜硝酸化槽2のアルカリを調整するためには、苛性ソーダを使用することで、炭酸塩等を使用する場合に比べてより効率的な処理が行える。一方、(9)式に基づいて、軟化処理槽1にNa2CO3を添加する場合、後段の亜硝酸化槽2でのアルカリの添加が不要であり、制御が容易になる上、処理を簡略化できる。但し、生物処理へ流入する原水のpHが高くなる場合があるため、微生物が失活しないように留意することが好ましい。
第3の軟化処理によれば、原水のカルシウム濃度、アンモニア性窒素濃度、アルカリ度、及び亜硝酸化槽2のアルカリ度目標アンモニア性窒素濃度に基づいて、軟化処理槽1に添加する炭酸塩の添加量を制御することができる。原水の水質及び亜硝酸化槽2内における硝化を考慮して、軟化処理槽1に対して、原水のカルシウム除去の目的だけでなく、亜硝酸化処理に必要な無機体炭素を予め添加することにより、亜硝酸化槽2において従来必要であった無機体炭素の添加作業を省略することができるため、装置及び処理の簡略化が図れる。また、第3の軟化処理によれば、原水中のカルシウム濃度が急激に増加した場合においても、炭酸塩が過剰に添加されているため、安定してカルシウム濃度を低減させることができる。また、軟化処理槽1の後段の配管、散気装置、担体等へのスケール付着を抑制することもできる。
軟化処理槽1の後段には、軟化処理で生成したCaCO3を沈殿分離する沈殿槽13及びCaCO3を沈殿分離した後のアンモニア性窒素含有排水を貯留する中継槽14が配置されている。通常の場合、軟化処理水はpH8.5~9.5程度になるため、軟化処理槽1の後段にはpH調整工程を設け、生物処理への流入水をpH7.5~8.5程度に中和を行う必要がある。第2の実施の形態に係る処理装置では、沈殿槽13及び中継槽14により、亜硝酸化槽2の滞留時間を調整可能とするとともに、亜硝酸化槽2に流入させる排水を亜硝酸化槽2内に流入させる前に所定の期間滞留させることができるため、中和工程を設けなくとも、後段の処理へ軟化処理水を流入させることが可能になる。このため、第3の軟化処理によれば、従来必要であった中和処理に必要な酸、および硝化に必要なアルカリ、硝化、嫌気性アンモニア酸化に必要な無機体炭素の消費量を低減しながら、効率良く処理を行うことができる。なお、中継槽14は省略してもよい。
(第3の実施の形態)
図3に示すように、本発明の第3の実施の形態に係るアンモニア性窒素含有排水の処理装置は、図2に示す亜硝酸化槽2の前段の中継槽14の代わりにBOD酸化槽15が設けられ、沈殿槽5の処理水を処理する好気槽6及び嫌気槽7を更に備える点が、図2に示す処理装置と異なる。他は、第2の実施の形態に係る処理装置と実質的に同様の構成を示すため、重複した記載を省略する。
BOD酸化槽15は、原水中に易分解性有機物が含まれる場合、カルシウム除去後の排水中の易分解性有機物を、微生物反応により酸化及び除去するための処理槽である。BOD酸化槽15を配置することにより、後段の亜硝酸化槽2、嫌気性アンモニア酸化槽4に易分解性有機物が流入してBOD酸化菌が増殖し、処理が不安定化することを抑制できる。
BOD酸化槽15で行われる有機物除去処理としては、易分解性有機物濃度を低くする手段を用いるのであれば、特に制限はない。例えば、標準活性汚泥法、流動担体法、固定床法(接触酸化法)、回転円板法、散水ろ床法等が挙げられる。また、浸出水処理のように原水中の有機物濃度が変動することが予想される場合は、微生物が担体に固定化され、かつ曝気風量の調整が可能な流動担体法、固定床法を用いることが望ましい。
BOD酸化工程では、原水中のアンモニアの硝化が進まないように制御することが望ましい。具体的には、原水及びBOD酸化槽15へ流入する軟化処理水中の易分解性有機物、アンモニア性窒素濃度、硝酸性窒素濃度、亜硝酸性窒素濃度を適宜測定し、硝化が進まない範囲で曝気風量の制御を行う。曝気風量の制御方法としては、インバータによる風量制御、ブロワのタイマによる運転時間の制御、等が挙げられる。
易分解性有機物の指標としては、溶解性のTOC(全有機炭素)、CODMn、CODCr等を用いることができる。ここで、溶解性とは所定の孔径(通常は1μm)の膜でろ過したろ液の分析値を指す。また、処理水の有機物濃度は、軟化処理水を回分式の活性汚泥試験、担体試験で処理することで設定値を決めることができる。アンモニア性窒素濃度、硝酸性窒素濃度、亜硝酸性窒素濃度の分析方法に特に制限はないが、例えば、アンモニアセンサー、硝酸センサー、亜硝酸センサー等のセンサーを設けるほか、(株)共立理化学研究所製パックテスト、HACH社の分析キット等が簡便な分析手法として挙げられる。
BOD酸化槽15における有機物除去工程以降の工程は生物反応に依存するものであり、特に、亜硝酸化槽2と嫌気性アンモニア酸化槽4での反応は、水温による影響を受けやすい。よって、BOD酸化槽15への流入水、BOD酸化槽15で得られる処理水を加温する設備を設けることが望ましい。加温の際は、嫌気性アンモニア酸化槽4での水温が20~35℃、望ましくは25~30℃となるように調整することが望ましい。
嫌気性アンモニア酸化槽4では、式(1)に示したように反応した窒素の約11%がNO3-Nとして残留し、また、部分亜硝酸化槽でのNO2-N/NH4-N比が1.32よりずれた分だけNO2-N、もしくはNH4-Nが残留する。このため、放流基準によってはこれらの残留した窒素成分を除去するための後処理が必要になる場合がある。第3の実施の形態に係る処理装置では、嫌気性アンモニア酸化処理の後処理として、沈殿槽5の後段に好気槽6及び嫌気槽7を備えることにより、放流基準を満足する処理水を安定して得ることができる。
後処理の方式に特に制限はないが、例えば固定床担体、もしくは流動床担体を利用した硝化内生脱窒法(Wuhrmann法)、硝化-脱窒法(Bringmann法)、循環式硝化脱窒法等を用いることができる。また、原水中に易分解性有機物が含まれる場合、BOD酸化工程、亜硝酸化工程、嫌気性アンモニア酸化工程をバイパスし、直接、好気槽6及び7へ投入することで、脱窒に必要な有機物を削減できる。
本発明は上記の実施の形態によって記載したが、この開示の一部をなす論述及び図面はこの発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施の形態及び運用技術が明らかとなろう。
例えば、上述の亜硝酸化工程及び嫌気性アンモニア酸化工程では、亜硝酸化槽2、嫌気性アンモニア酸化槽4においてPO4-P濃度が低すぎると、担体にアンモニア酸化菌、嫌気性アンモニア酸化菌の付着固定が困難になる場合がある。一方、PO4-Pが高すぎると、pHの高い領域で、CaとPO4-Pとが反応することにより、ハイドロキシルアパタイト(HAP)主体とされる不溶性固形物が析出し、これが担体に付着し、アンモニア酸化菌、嫌気性アンモニア酸化菌の安定付着を阻害する傾向にある。そのため、亜硝酸化工程及び嫌気性アンモニア酸化工程では、PO4-P濃度が0.1~1.0mg/L、より好ましくは0.1~0.5mg/Lとなるように制御することが更に好ましい。例えば、原水として浸出水や工場排水を用いる場合、原水中にリン含有量が少ない場合には、微生物増殖に必要となるリンを亜硝酸化槽2に添加することが好ましい。
上述の軟化処理工程において、(8)式、(9)式に従い、Na2CO3添加を行った場合、亜硝酸化槽2へ流入する処理水のpHが8.5以上となり、微生物が失活することが懸念される。よって、軟化処理工程におけるカルシウム除去処理の際に、硝化、嫌気性アンモニア酸化用のNa2CO3を過剰に添加する場合は、後段の亜硝酸化槽2で浮遊汚泥と担体とを併用することにより、有機物除去用の微生物と硝化菌を共存させることが望ましい。このように有機物除去用の微生物と硝化菌を共存させることで、硝化の進行によりアルカリ度を消費し、pHが低下し、微生物による有機物除去に適したpH(6.0~8.5)を維持することが可能になる。
このように、本発明は上記の開示から妥当な特許請求の範囲の発明特定事項によって表されるものであり、実施段階においては、その要旨を逸脱しない範囲において変形し具体化し得るものである。
以下に本発明の実施例を比較例と共に示すが、これらの実施例は本発明及びその利点をよりよく理解するために提供するものであり、発明が限定されることを意図するものではない。
図1に示す処理装置を用いて、アンモニア性窒素含有排水処理を実施した。原水は、実機産業廃棄物処分場の軟化処理工程後の浸出水を使用した。表1に試験期間中の原水性状を示す。表1中「平均」、「最小」、「最大」は、試験期間中の原水の各水質平均値、最小値、最大値を表す。
Figure 0007229190000002
-亜硝酸化槽-
亜硝酸化槽では、平均粒径が4.2mmのPEG担体を20V%充填した。亜硝酸化槽内のpHは、原水槽のNH4-N濃度から目標NH4-N濃度を設定し、亜硝酸化槽内の目標アンモニア性窒素濃度及び水温からFAが1.0~10mg/Lとなるように目標pHを設定し、酸、アルカリを添加して制御を行った。制御例として、原水の期間中の平均アンモニア濃度120mg-N/L、水温30℃のときの制御例を示す。この時の亜硝酸化槽の目標アンモニア性濃度は120×1÷2.3=52mg-N/Lと設定される。この目標アンモニア性濃度で水温が30℃のときの各pHでのFAを計算し、FAが1.0~10mg/Lとなるよう、この時は安全率をみて2.7~4.7mg/Lとなるように、pH7.8~8.0と制御値を設定し、このpHを維持するように水酸化ナトリウムを添加した。
亜硝酸化槽内の曝気風量は、亜硝酸化槽内のNH4-N、NO2-Nを測定し、NO2-N/NH4-N比が1.32に近づく必要硝化量を計算し、必要硝化量に基づいて、間欠曝気によりブロワの運転時間を調整した。制御例として、処理水量30L/d、亜硝酸化槽の容量を70Lとしたときの、各原水NH4-N濃度と、そのときのNO2-N/NH4-N比の目標比率が1.32となる必要硝化量の計算値を表2に、間欠曝気でのブロワの稼働率(On/(On+Off))と硝化量の関係を図4に示す。
Figure 0007229190000003
表2より、原水NH4-N濃度が変動すると、必要硝化量が大きく変化することがわかる。また、図4より、間欠曝気による運転時間比率と必要硝化量には線形関係があり、原水濃度の変動に追従して運転時間比率を調整可能であることがわかった。表2を用いて、例えば原水NH4-Nが125mg-N/Lのときの必要硝化量は2.1g-N/dと計算でき、図4より、運転時間比率を約0.10とすることが適切であることが分かる。この結果から、例えば、運転時間比率を、オン時間2分、オフ時間18分というように調整することができる。また、タイマ設定の翌日以降に、亜硝酸化槽の槽内の水質を確認し、NO2-N/NH4-N比が目標比率である1.32よりも高い場合は、オフ時間を延長し、NO2-N/NH4-N比が1.32よりも低い場合は、オフ時間を短縮するといった制御を行った。このような間欠曝気を80日間行った後、比較のため、間接曝気以外は間欠曝気時と同条件で連続曝気を行った。
-嫌気性アンモニア酸化槽-
嫌気性アンモニア酸化槽内に、平均粒径4mmのPVA担体を20V%充填した。嫌気性アンモニア酸化槽の立ち上げ時は、人工排水にて事前に培養した種担体を担体の10%分投入した。嫌気性アンモニア酸化槽への流入水量は、嫌気性アンモニア酸化槽内のNH4-N、NO2-Nを測定し、それぞれが50mg-N/L、20mg-N/Lとなるように調整しつつ、徐々に処理水量を増加させた。また、嫌気性アンモニア酸化槽には、鉄、および微量元素(亜鉛、コバルト、マンガン、銅、モリブデン、ニッケル)液の添加を行った。なお、嫌気性アンモニア酸化槽への流入水量は、嫌気性アンモニア酸化槽処理水のNO2-N、NH4-N濃度を確認し、処理が良好である(いずれも20mg-N/L以下)であることを確認したら流入水量を上げることを繰り返し、2.0kg-N/m3まで徐々に窒素負荷を増加させた。
亜硝酸化槽に80日間、間欠曝気を行った場合と、その後連続曝気を行った場合において、亜硝酸化槽内のNO2-N/NH4-N比(-)の変化を図5に示し、亜硝酸化槽内の処理経過時間とNO2-N/NOx-N比(%)の変化を図6に示し、なお、原水、嫌気性アンモニア酸化槽内の窒素負荷及び窒素除去率(窒素除去速度/窒素負荷)の変化を図7に示す。
図5に示すように、亜硝酸化工程においては、間欠曝気期間のNO2-N/NH4-N比はおおむね1.2~1.5となり、目的比率である1.32に近い値であったのに対し、連続曝気すると、NO2-N/NH4-N比が3を超え、亜硝酸化槽内のアンモニア性窒素がほぼ全量硝化してしまっていることが分かる。図6に示すように、NO2-N/NOx-N比は間欠曝気および連続曝気に関わらずほぼ100%となり、いずれも安定した亜硝酸化が得られた。図7に示すように、嫌気性アンモニア酸化槽においては、間欠曝気期間の窒素の除去率(窒素除去速度/窒素負荷)は80~100%と良好で、徐々に流入水量を増やしても安定的に処理を行うことができたが、連続曝気期間では除去率が10%以下に低下した。
1…軟化処理槽
2…亜硝酸化槽
3…沈殿槽
4…嫌気性アンモニア酸化槽
5…沈殿槽
6…好気槽
7…嫌気槽
10…原水槽
11…水質測定手段
12…炭酸塩添加手段
13…沈殿槽
14…中継槽
15…BOD酸化槽
21…水質測定手段
22…曝気・pH調整手段
23…流量調整手段
24…水質測定手段
100…制御手段

Claims (8)

  1. アンモニア性窒素含有排水を亜硝酸化槽内に収容し、前記亜硝酸化槽内の前記アンモニア性窒素含有排水を間欠曝気することにより、前記アンモニア性窒素含有排水中に含まれるアンモニア性窒素の一部を亜硝酸性窒素へ亜硝酸化処理し、前記亜硝酸化処理後の処理水を、嫌気性アンモニア酸化菌を用いて嫌気性アンモニア酸化処理することを含み、
    前記アンモニア性窒素含有排水のアンモニア性窒素濃度に基づいて、前記亜硝酸化槽内で生成される前記亜硝酸性窒素濃度の比(NO 2 -N/NH 4 -N比)が目標比率となるように目標アンモニア性窒素濃度を決定し、前記亜硝酸化槽内の遊離アンモニア濃度が1.0~10mg/Lとなるように、前記亜硝酸化槽の水温、前記目標アンモニア性窒素濃度と前記遊離アンモニア濃度との関係に基づいて、前記亜硝酸化槽内のpHを制御することを含むアンモニア性窒素含有排水の処理方法。
  2. 前記亜硝酸化処理が、前記亜硝酸化槽内にアンモニア酸化菌を付着固定させた担体を流動させることを含む請求項1に記載のアンモニア性窒素含有排水の処理方法。
  3. 前記亜硝酸化処理が、曝気停止時間を5分以上60分以下とすることを含む請求項1又は2に記載のアンモニア性窒素含有排水の処理方法。
  4. 前記亜硝酸化処理が、比重1.00~1.10g/cm3の担体を5~40容量%、前記亜硝酸化槽内に収容することを含む請求項1~3のいずれか1項に記載のアンモニア性窒素含有排水の処理方法。
  5. 前記アンモニア性窒素含有排水のアンモニア性窒素濃度に基づいて、前記亜硝酸化槽内の目標アンモニア性窒素濃度を決定し、前記目標アンモニア性窒素濃度に対する前記亜硝酸化槽内で生成される前記亜硝酸性窒素濃度の比(NO2-N/NH4-N比)が目標比率となるように前記亜硝酸化槽内の必要硝化量を決定し、該必要硝化量に基づいて、前記亜硝酸化処理における曝気運転時間と曝気停止時間との運転時間比率を調整することを含む請求項1~4のいずれか1項に記載のアンモニア性窒素含有排水の処理方法。
  6. 前記アンモニア性窒素含有排水を前記亜硝酸化処理する前に、前記アンモニア性窒素含有排水に含まれるカルシウムを除去する軟化処理工程を更に含む請求項1~のいずれか1項に記載のアンモニア性窒素含有排水の処理方法。
  7. 前記亜硝酸化槽内に浮遊汚泥を供給することを更に含む請求項1~のいずれか1項に記載のアンモニア性窒素含有排水の処理方法。
  8. アンモニア性窒素含有排水を収容し、前記アンモニア性窒素含有排水中のアンモニア性窒素の一部を亜硝酸性窒素へ亜硝酸化処理する亜硝酸化槽と、
    前記亜硝酸化槽内の前記アンモニア性窒素含有排水を間欠曝気する曝気手段と、
    前記亜硝酸化処理後の処理水を、嫌気性アンモニア酸化菌を用いて嫌気性アンモニア酸化処理する嫌気性アンモニア酸化槽と
    前記アンモニア性窒素含有排水のアンモニア性窒素濃度に基づいて、前記亜硝酸化槽内で生成される前記亜硝酸性窒素濃度の比(NO 2 -N/NH 4 -N比)が目標比率となるように目標アンモニア性窒素濃度を決定し、前記亜硝酸化槽内の遊離アンモニア濃度が1.0~10mg/Lとなるように、前記亜硝酸化槽の水温、前記目標アンモニア性窒素濃度と前記遊離アンモニア濃度との関係に基づいて、前記亜硝酸化槽内のpHを制御する制御手段と
    を備えるアンモニア性窒素含有排水の処理装置。
JP2020030970A 2020-02-26 2020-02-26 アンモニア性窒素含有排水の処理方法及び処理装置 Active JP7229190B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2020030970A JP7229190B2 (ja) 2020-02-26 2020-02-26 アンモニア性窒素含有排水の処理方法及び処理装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2020030970A JP7229190B2 (ja) 2020-02-26 2020-02-26 アンモニア性窒素含有排水の処理方法及び処理装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2021133297A JP2021133297A (ja) 2021-09-13
JP7229190B2 true JP7229190B2 (ja) 2023-02-27

Family

ID=77659572

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2020030970A Active JP7229190B2 (ja) 2020-02-26 2020-02-26 アンモニア性窒素含有排水の処理方法及び処理装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP7229190B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN114477437A (zh) * 2022-01-29 2022-05-13 中国科学院生态环境研究中心 一种厌氧氨氧化反应器进水溶解氧自调控的方法与装置
CN114853169B (zh) * 2022-04-29 2023-06-06 湖南军信环保股份有限公司 厌氧氨氧化工艺中高铁浓度含氮废水的调控方法

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003126886A (ja) 2001-10-26 2003-05-07 Ebara Corp 生物学的窒素除去方法及び装置
JP2012236122A (ja) 2011-05-10 2012-12-06 Swing Corp アンモニア性窒素及びカルシウム含有廃水の脱窒処理方法、及びその処理装置
JP2017144402A (ja) 2016-02-18 2017-08-24 水ing株式会社 アンモニア性窒素含有被処理液の硝化脱窒処理方法及び装置

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003126886A (ja) 2001-10-26 2003-05-07 Ebara Corp 生物学的窒素除去方法及び装置
JP2012236122A (ja) 2011-05-10 2012-12-06 Swing Corp アンモニア性窒素及びカルシウム含有廃水の脱窒処理方法、及びその処理装置
JP2017144402A (ja) 2016-02-18 2017-08-24 水ing株式会社 アンモニア性窒素含有被処理液の硝化脱窒処理方法及び装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2021133297A (ja) 2021-09-13

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4284700B2 (ja) 窒素除去方法及び装置
JP5890374B2 (ja) 生物学的窒素除去装置及び水処理システム
JP5727291B2 (ja) アンモニア性窒素及びカルシウム含有廃水の脱窒処理方法、及びその処理装置
JP6720100B2 (ja) 水処理方法及び水処理装置
JP2017144402A (ja) アンモニア性窒素含有被処理液の硝化脱窒処理方法及び装置
JP4872171B2 (ja) 生物脱窒装置
JP7229190B2 (ja) アンモニア性窒素含有排水の処理方法及び処理装置
JP4106203B2 (ja) 安水からの窒素の除去方法
US20130112617A1 (en) Redox wastewater biological nutrient removal treatment method
JP4876343B2 (ja) 脱窒方法及び脱窒装置
US6638427B2 (en) Waste water treatment method being able to treat surface active agent, nitrogen, hydrogen peroxide and phosphor with high efficiency
KR20080019975A (ko) 생물학적 활성조 및 전극시스템이 결합된 하이브리드형생물―전기화학적 생물막 연속회분식 반응기를 이용한오폐수 처리장치
JP2014097478A (ja) 廃水処理方法及び廃水処理装置
JP4837706B2 (ja) アンモニア性窒素の除去装置
JP2000015287A (ja) 排水処理方法および排水処理装置
JP5581872B2 (ja) アンモニア性窒素廃液の脱窒処理方法及び処理装置
JP2007296499A (ja) 排水処理法
JP2004230338A (ja) 廃水からのアンモニア性窒素化合物の除去方法
JP5186429B2 (ja) 消化汚泥分離液の脱窒処理方法と装置
JP3958900B2 (ja) 排水からの窒素の除去方法
JP4104311B2 (ja) 廃水からの窒素の除去方法
JP7332501B2 (ja) アンモニア性窒素含有排水の処理方法及び処理装置
JP2012011376A (ja) 汚水処理方法および装置
JP4101498B2 (ja) 窒素及びリン含有汚水の処理方法並びに装置
JP2001070984A (ja) 排水からの窒素の除去方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20220328

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20221122

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20221221

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20230131

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20230214

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7229190

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150