JP4101498B2 - 窒素及びリン含有汚水の処理方法並びに装置 - Google Patents

窒素及びリン含有汚水の処理方法並びに装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、高濃度の窒素及びリンを含有する汚水を浄化する方法及び装置に関し、特にリンを物理化学的手法を用いて資源回収するとともに、窒素を生物学的手法を用いて高効率に除去する窒素及びリン含有汚水の処理方法及び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
汚水中に含まれる窒素、リンは、河川、海洋、貯水池などにおける富栄養化問題の原因物質であり、汚水処理工程で効率的に除去されることが望まれる。今日、汚水処理工程から発生する汚泥を処理する方法として、汚泥を脱水し焼却して処分する方法、汚泥を嫌気性消化させた後脱水し、更に乾燥、焼却、溶融などを行って処分する方法がある。
これらの処理方法から排出される分離液(脱水分離液)は、高濃度の窒素(およそ500〜3000mg/リットル)、リン(およそ100〜600mg/リットル)を含んでおり、これらが汚水処理系に返流すると、窒素、リン負荷が高くなるため処理しきれなくなり、放流水中の窒素、リン濃度が高くなる原因となる。
そこで、高濃度の窒素、リンを含有する汚水を高効率に除去する方法が望まれている。
【0003】
従来、リンを含有する汚水からリンを除去する方法としては、生物学的除去方法、凝集沈殿方法、晶析法、吸着法など様々開発されてきた。各処理方法にメリット、デメリットがあるが、晶析法は、基本的に汚泥発生がなく、除去したリンの再利用がしやすく、しかも安定した状態で除去(回収)できる。
晶析法は、液中のリンをヒドロキシアパタイトとして回収するHAP法、リン酸マグネシウムアンモニウムとして回収するMAP法が開発されてきた。高濃度のアンモニア性窒素とリンを含有する汚水、特に液中に炭酸成分を含む汚水からリンを除去しようとするならば、MAP法又はMAP法とHAP法を組み合わせた方法が適している。
【0004】
MAP法は、液中のアンモニウムイオン、リン酸イオン、マグネシウムイオン、水酸基が式(1)のような形態で反応し、生成される。生成したMAPは緩効性肥料(苦土リン安系)として再利用可能である。
Mg2++NH4 ++HPO4 2-+OH-+6H2O → MgNH4・6H2O (MAP)+H2O・・(1)
MAPを生成させるためには、リン、アンモニア、マグネシウム、水酸基の各モル濃度を掛け合わせた濃度(イオン積という。[HPO4 2-][NH4 +][Mg2+][OH-];[ ] 内の単位はmol/リットル)が、MAPの溶解度積以上となるように操作する。すなわち、処理水中のリン濃度を決定するのは、処理水中のpH、アンモニア性窒素濃度、マグネシウム濃度である。
【0005】
一例を示すと、処理水中のpHが8.5、マグネシウム濃度が30mg/リットルで、処理水中のアンモニア性窒素濃度が50mg/リットルの場合、リン濃度は36mg/リットルとなる。更に、処理水中のリン濃度をより低くしようとするならば、相平衡の関係から、処理水のアンモニア濃度、マグネシウム濃度、pHのいずれかを高くしなければならない。例えば、前記の例でいえば、処理水中のpHとマグネシウム濃度に変化がないとすると、処理水中のアンモニア濃度を100mg/リットルまで増加させると処理水のリン濃度は18mg/リットルまで低下し、更にアンモニア性窒素濃度が200mg/リットルの場合、処理水リン濃度は9mg/リットルまで低下する。
このように、MAP法でリン濃度をより低くしようとするならば、処理水中のアンモニア性窒素濃度を高くせざるを得ないことが問題となっている。
【0006】
一方、汚水から窒素を除去する方法は生物学的方法が用いられている。一般に、汚水中のアンモニア性窒素は硝化工程と脱窒工程によって窒素ガスまで分解する。具体的には、硝化工程では、アンモニア性窒素は好気条件下で独立栄養性細菌であるアンモニア酸化細菌によって亜硝酸性窒素に酸化され、この亜硝酸性窒素が同じく独立栄養性細菌である亜硝酸酸化細菌によって硝酸性窒素まで酸化される。脱窒工程では、従属栄養細菌である脱窒菌が生成した亜硝酸性窒素及び硝酸性窒素を嫌気性条件下で、有機物を電子供与体として窒素ガスまで分解する。
このような従来の生物学的脱窒法では、アンモニア性窒素を亜硝酸性窒素及び硝酸性窒素に酸化するのに多量の酸素(空気)を必要とし、また、脱窒工程では電子供与体としてのメタノールの使用量が多量であり、ランニングコストを増加させていた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところで近年、アンモニア性窒素を電子供与体、亜硝酸性窒素を電子受容体として、両者を反応させ、窒素ガスを生成することができる独立栄養性の微生物群を利用した新しい処理技術の開発が進められている。特開平8−192185号によると、亜硝酸性窒素として亜硝酸塩を添加する例が示されているが、アンモニア性窒素を部分的に硝化する方法も示唆されている。アンモニア性窒素と亜硝酸性窒素とを上記微生物群と接触させることにより反応させて、窒素ガスとして除去するものである。この例としては、特開2001−104992では、汚水の一部を亜硝酸化槽に導入し、槽内のアンモニア酸化細菌を含む生物汚泥と混合し、散気装置から曝気して、アンモニア酸化細菌によりアンモニア性窒素を亜硝酸性窒素に酸化する。亜硝酸化槽内の亜硝酸化液は独立栄養性脱窒菌を含む生物汚泥と混合し、嫌気条件下に脱窒を行う方法が開示されている。しかしながら、この方法においても、硝酸化まで反応が進行し、結果的には嫌気条件下において独立栄養性脱窒素による脱窒が不十分な場合が多く、処理の安定性がなく実用性に問題があった。
【0008】
本発明の課題は、高濃度アンモニア性窒素、リンを含有する汚水から、高効率にリン資源を回収しつつ、しかも低コストで容易にかつ高除去率で窒素を除ける窒素及びリン含有汚水の処理方法を提供することにある。また、本発明の課題は、高濃度アンモニア性窒素、リンを含有する汚水から、効率よくリン資源を回収しつつ、しかも低コストで容易にかつ高除去率で窒素を除ける窒素及びリン含有水の処理装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、以下の手段を用いることによって、上記の課題を解決することができた。
(1)アンモニア性窒素及びリンを含有する汚水を浄化する方法において、前記汚水を脱リン工程に導入し、前記脱リン工程においてはマグネシウム源およびアルカリ成分を添加し、リン酸マグネシウムアンモニウムの結晶を生成し、前記脱リン工程の流出液を第1脱窒素工程に導入し前記第1脱窒素工程では溶存酸素濃度を常時1mg/リットル未満となるように酸素含有気体を曝気する微好気的条件下で独立栄養性硝化菌及び独立栄養性脱窒素菌の存在下に、更にアンモニア性窒素を残留させつつアンモニア性窒素と亜硝酸性窒素及び/又は硝酸性窒素とを窒素ガスとして部分的に脱窒素し、前記第1脱窒素工程の流出液を第2脱窒素工程に導入し、前記第2脱窒素工程が嫌気性条件下で結合酸素を利用可能な独立栄養性脱窒素菌群の存在下で、該流出液中のアンモニア性窒素と亜硝酸性窒素及び/又は硝酸性窒素とを脱窒素し、前記脱リン工程、前記第1脱窒素工程、および前記第2脱窒素工程のpHを7.5〜9.5、好ましくは8.0〜8.5に調整し、第1脱窒素工程及び/又は第2脱窒素工程の処理水の一部を前記脱リン工程に返送することを特徴とする窒素及びリン含有汚水の処理方法。
(2)アンモニア性窒素及びリンを含有する汚水を浄化する方法において、前記汚水を脱リン工程に導入し、前記脱リン工程においてはマグネシウム源およびアルカリ成分を添加し、リン酸マグネシウムアンモニウムの結晶を生成し、前記脱リン工程の流出液を第1脱窒素工程に導入し、前記第1脱窒素工程では溶存酸素濃度が1mg/リットル以上の曝気を行い、溶存酸素濃度が0.2mg/リットル以下、好ましくは0mg/リットルの時間帯があるように曝気を停止する間欠曝気を行う条件下で独立栄養性硝化菌及び独立栄養性脱窒素菌の存在下に、更にアンモニア性窒素を残留させつつアンモニア性窒素と亜硝酸性窒素及び/又は硝酸性窒素とを窒素ガスとして部分的に脱窒素し、前記第1工程の流出液を第2脱窒素工程に導入し、前記第2脱窒素工程が嫌気性条件下で結合酸素を利用可能な独立栄養性脱窒素菌群の存在下で、該流出液中のアンモニア性窒素と亜硝酸性窒素及び/又は硝酸性窒素とを脱窒素し、前記脱リン工程、前記第1脱窒素工程、および前記第2脱窒素工程のpHを7.5〜9.5、好ましくは8.0〜8.5に調整し、第1脱窒素工程及び/又は第2脱窒素工程の処理水の一部を脱リン工程に返送することを特徴とする窒素及びリン含有汚水の処理方法。
【0010】
(3)アンモニア性窒素及びリンを含有する汚水を浄化する装置において、リン酸マグネシウムアンモニウムの結晶を生成させる脱リン装置と、前記脱リン装置にはマグネシウム源およびアルカリ成分供給装置を具備し、前記脱リン装置の流出液を微好気的条件及び/又は間欠曝気条件下で、独立栄養性硝化菌及び独立栄養性脱窒素菌の存在下に、更にアンモニア性窒素を残留させつつ、アンモニア性窒素と亜硝酸性窒素及び/又は硝酸性窒素とを窒素ガスとして部分的に脱窒素する第1脱窒素装置と、前記第1脱窒素装置の流出液を嫌気性条件下で結合酸素を利用可能な独立栄養性脱窒素菌群の存在下で、該流出液中のアンモニア性窒素と亜硝酸性窒素及び/又は硝酸性窒素とを窒素ガスとして脱窒素する第2脱窒素装置と、第1脱窒素装置及び/又は第2脱窒素装置の処理水の一部を前記脱リン装置に返送する配管を具備し、前記脱リン装置、前記第1脱窒素装置、および前記第2脱窒素装置にはpHを7.5〜9.5、好ましくは8.0〜8.5に調整されていることを特徴とする窒素及びリン含有汚水の処理装置。
(4)前記脱リン装置はリン酸マグネシウムアンモニウムを生成する反応部と生成したリン酸マグネシウムアンモニウムを液中から分離する固液分離部を具備することを特徴とする前記(3)記載の窒素及びリン含有汚水の処理装置。
【0011】
本発明の好ましい実施態様としては、以上のものがある。
(5)第2脱窒素装置後の処理水を脱リン装置又は汚水供給管に返送する処理水循環配管を有することを特徴とする前記(3)又は(4)記載の窒素及びリン含有汚水の処理装置。
【0012】
本発明の対象となる汚水は、高濃度のアンモニア性窒素、リンを含有する汚水であり、有機物、炭酸塩、亜硝酸性窒素、その他の物質を含んでいても良い。汚水中にカルシウムが溶存している場合は、脱リン工程でpHを上昇させたとき炭酸カルシウム、リン酸カルシウムが生成するが、カルシウム濃度がマグネシウム濃度のおよそ25%まで低下すれば、MAPが優先的に晶析するようになる。有機体窒素がある場合は、そのまま本発明の装置に投入しても良いが、予め嫌気処理又は好気処理により有機体窒素をアンモニア性窒素に変換してもよい。また、BODがアンモニア性窒素に対し3倍以上ある汚水の場合においても、そのまま本発明の装置に投入しても良いが、予め、生物処理してアンモニア性窒素に対し1/2となるように低下させておくとなおいっそうよい。対象汚水の例を挙げると、し尿、下水、嫌気性消化の脱水ろ液、ごみ浸出水、肥料工場排水などが挙げられる。
【0013】
本発明の窒素及びリン含有汚水の処理は、前記汚水をアンモニア性窒素とマグネシウムイオンを残留させつつ、MAPの結晶を生成させる脱リン工程と、前記脱リン工程の流出液を微好気的条件及び/又は間欠曝気条件下で、独立栄養性硝化菌及び独立栄養性脱窒素菌の存在下に、更にアンモニア性窒素を残留させつつ、アンモニア性窒素と亜硝酸性窒素及び/又は硝酸性窒素とを窒素ガスとして部分的に脱窒する第1脱窒素工程と、前記第1脱窒素工程の流出液を結合酸素を利用可能な独立栄養性脱窒素菌群の存在下で、該流出液中のアンモニア性窒素と亜硝酸性窒素及び/又は硝酸性窒素とを窒素ガスとして脱窒素する第2脱窒素工程で処理することを特徴とし、物理化学的手法と生物学的手法を用いることにより、より効果的な処理を可能にした方法及び装置である。
【0014】
窒素及びリンを含有した汚水はまず、脱リン工程に流入する。
脱リン工程では、式(1)の反応によって、液中のリン濃度を低下させつつ、すなわち処理水のリン濃度を低下しつつ、リン化合物を再利用可能な状態で回収することができる。しかしながら、処理水のリン濃度をより低くせしめようとするならば、処理水中のアンモニア性窒素及び/又はマグネシウム濃度をより高くしなければならない。あるいは、pHをより高くしなければならない。
【0015】
MAPを生成するのに適したpHは7.5〜9.5、好ましくは8.0〜8.5である。pHが7.5以下では、MAPの溶解度が大きく生成量が少ない。よって、処理水のリン濃度が高くなる。また、pH9.5以上であると遊離のアンモニア濃度が高くなり、空気中に拡散してしまう。このpH域は、後述のように後工程の第1脱窒素工程と第2脱窒素工程でも保つ必要があり、脱リン工程と第1脱窒素工程及び第2脱窒素工程を組み合わせることは、薬品コストの低減に大きく貢献する。
【0016】
通常、窒素及びリンを高濃度に含有した汚水は、マグネシウム濃度が低く、高々数mg/リットル程度であり、このような汚水からMAPを生成させるには、マグネシウムイオンあるいはマグネシウム化合物を添加しなければならない。添加するマグネシウム源としては、水酸化マグネシウム、塩化マグネシウム、酸化マグネシウム、海水、ドロマイトなどが挙げられる。マグネシウムは液中のリン濃度に対し、モル比で1〜1.2が経済的である。しかし、液中のマグネシウム濃度が低濃度、具体的には20mg/リットル以下、特に3mg/リットル以下になると反応速度が著しく低下する。また、後段の生物工程でマグネシウムが極端に不足すると、生物処理に著しい支障をきたす。
【0017】
マグネシウムは微生物細胞を構成する元素であり、生理的機能は、細胞中で酵素と基質を結合させる重要な役割を担っている。嫌気性消化の脱水ろ液は、アンモニア性窒素が500〜3000mg/リットル、リンが100〜600mg/リットル溶存しており、pHが高いときには8付近まで上昇し、この場合、溶存しているマクネシウムは0.5mg/リットル以下と非常に低濃度になる。このような液にマグネシウムを添加したMAPを生成させることによって、アンモニア性窒素濃度、リン濃度を低下させ、溶存マグネシウム濃度を高めることは、後段の生物処理工程を考慮したうえで本発明の重要な構成要素である。およそ、溶存マグネシウム濃度は市水並みの3mg/リットル以上とするのがよい。
【0018】
処理水中のpHが9.5で処理水中のMgが3mg/リットルの場合、処理水中のリン濃度を60mg/リットル以下にするには、少なくともアンモニア性窒素は50mg/リットル以上残留させる必要がある。さらに、リン濃度30mg/リットル以下にするには、アンモニア性窒素は100mg/リットル以上にしなければならない。処理水にアンモニア性窒素を100mg/リットル以上残留させることは、後工程の第1脱窒素工程でも必要要素となる。後述のように第1脱窒素工程でアンモニア性窒素濃度が100mg/リットル以上存在する汚水は、亜硝酸と部分脱窒を促進させる。
このようなことを考慮すると、脱リン工程流出液、すなわち第1脱窒素工程流入液は、アンモニア性窒素100mg/リットル以上、マグネシウム濃度3mg/リットル以上残留した液とするのが良い。
【0019】
脱リン工程の反応方式は、流動層方式、完全混合方式、種晶循環方式などがある。
いずれの反応方式においても、晶析現象は、結晶核の発生現象とイオン拡散に基づく結晶の成長現象からなる。一般的に反応晶析現象は、反応速度が速く、結晶核の発生現象が支配的になる場合が多い。ここで発生した結晶核は微細であり、十分な沈降速度を持っていない。このような場合は、まず、結晶核の発生現象を少なくするために、過飽和度を低下させる必要がある。そのため、第1脱窒素工程及び/又は第2脱窒素工程の処理水或いは上澄液を循環させ、汚水中の各イオン濃度を低下させるとよい。たとえば、流動層方式の脱リン工程の場合、汚水は反応塔底部より上向流で流入するが、この場合、流入するリンの濃度は100mg/リットル以下となるように希釈すると、微細な結晶生成が少なくなり、固液分離が容易となる。次に、反応槽内に滞留している結晶の成長を大きくするために、反応槽内の有効反応表面積を大きくする必要がある。また、反応部と固液分離部を一体化したものでもよい。その一体化したものとしては、例えば流動層方式の脱リン装置であり、流動しているMAP粒子の表面で反応させ、成長したMAP粒子は下降して分離されるようにして、反応と固液分離を一緒に行う方式が挙げられる。
脱リン工程ではpHを7.5〜9.5にする必要があり、第2脱窒素工程で生成したアルカリ成分を脱リン工程に循環させることは、薬品コストの低減に貢献する。
【0020】
次に、脱リン工程を流出した液は、第1脱窒素工程に流入する。
第1脱窒素工程では、汚水中のアンモニア性窒素の約1/3〜1/2量を亜硝酸性窒素あるいは硝酸性窒素に酸化すると同時に、残留したアンモニア性窒素で生成した亜硝酸性窒素あるいは硝酸性窒素を脱窒する。
反応式は式(2)〜(5)のようになる。
1)亜硝酸性窒素の生成
NH4 ++ 3/2O2 → NO2 -+ 2H+ + H2O・・・(2)
2)硝酸性窒素の生成
NO2 - + 1/2O2 → NO3 -・・・・・・・・・・・・・(3)
3)アンモニア性窒素と亜硝酸結合酸素を用いた独立栄養性脱窒素菌群による脱窒反応
NH4 + + NO2 - → N2 + ・・・・・・・・・・・・(4)
4)アンモニア性窒素と硝酸結合酸素を用いた独立栄養性脱窒素菌群による脱窒反応
NH4 + + 2/3NO3 - → 5/6N2 + ・・・・・・(5)
【0021】
本発明の第1脱窒素工程では圧倒的に(2)と(4)の反応が主流であり、(3)と(5)の反応は極めて起こりにくい。さらに、(2)と(4)の反応のトリガーとなるのは、第1脱窒素工程に概ね1mg/リットル以上の遊離のアンモニアが存在することである。遊離のアンモニアを存在せしめるためには、流入するアンモニア性窒素に応じて水温又は/及びpHを操作するのが好ましい。目安になる算定式を式(6)と(7)に示す。
[NH3-N] ={[NH4+ -N][10pH] }/{(Kb /Kw )+10pH}・・(6)
(Kb /Kw ) = exp(6334/(273+T)) ・・・・・・・・・・・・(7)
【0022】
ここで、〔NH3−N〕は遊離のアンモニア濃度(mg−N/リットル)、〔NH4 +−N〕はアンモニア性窒素濃度(mg−N/リットル)、Tは温度(℃)である。生物処理では希釈により処理を安定させるのが一般的であり、たとえ、数千mg/リットルのアンモニア性窒素が流入したときでも、反応槽内は高々数十mg/リットルのアンモニア性窒素濃度となっている。しかし、アンモニア性窒素が流入する段階で濃度が100mg/リットル以下であると、反応槽内のアンモニア性窒素濃度は十数mg/リットルであり、この場合、容易に硝酸性窒素まで硝化される。従って、第1脱窒素工程流入水(脱リン工程流出液)のアンモニア性窒素は100mg/リットル以上であることが好ましく、更に式(6)で求められた値よりは、水温及び/又はpHはやや高めに設定するのが好ましい。また、pH7.3以上の条件下で、増量培養した前記独立栄養性脱窒素菌群を添加することでも第1脱窒素工程の反応は促進される。
【0023】
本発明者らが長期に実験した結果では、水温は10℃〜80℃、好ましくは20℃〜60℃であり、pHは7.3〜10.5、好ましくは7.5〜9.5に設定することで、遊離のアンモニアは概ね1mg/リットル以上となり、第1脱窒素工程では圧倒的に(1)と(3)の反応が進行した。このpH域は、脱リン工程のpH域と同じであり、本発明によれば、脱リン工程の流出液を生物学的脱窒工程に流入させるのに、なんらpH調整はいらない。
【0024】
さらに、この第1脱窒素工程における、重要な操作条件として、工程内のDO(溶存酸素)濃度があることが長期の実験で明らかとなった。すなわち、式(2)、式(3)に示すように、アンモニア性窒素をすべて硝酸性窒素はもちろん亜硝酸性窒素に変換させないこと、変換した亜硝酸性窒素の脱窒素のためにDOの供給を制限することが、処理を安定させるために重要な因子であることが明らかとなった。そのため、この部分脱窒素工程は、溶存酸素濃度を常時1mg/リットル未満となるように酸素含有気体を曝気し、微好気的条件にするか、又は1mg/リットル以上の場合において溶存酸素濃度が0.2mg/リットル以下、好ましくは0mg/リットルの時間帯があるように間欠曝気することが重要である。間欠曝気の場合、DO濃度が0.2mg/リットル以下の時間を0.2mg/リットル以上の時間より長く取るほうが好ましい。
【0025】
また、本発明では、活性汚泥(浮遊微生物)だけでも独立栄養性脱窒素菌群と独立栄養性硝化菌を増殖でき、第1脱窒素工程における反応は可能であるが、第1脱窒素工程に微生物担体を添加すると、この表面に独立栄養性脱窒素菌群と独立栄養性硝化菌の生物膜が形成され、反応が促進される。活性汚泥と微生物担体表面のそれぞれの菌数が微妙に異なるため、相互に効果を出し合うために、第1脱窒素工程の反応時間が短縮するだけでなく、汚水中のアンモニア性窒素の変動にも対応でき処理が極めて安定する。
また、第1脱窒素工程の内部を多段にすることで、汚水中のアンモニア性窒素濃度に応じた適切な、pH、汚泥濃度が選択でき、より安定し部分脱窒処理が可能となる。具体的には、汚水の流入端側ではpHを低めに設定し、窒素負荷を高めるためにMLSSを下げる、工程の流出側ではpHを高めに設定し、MLSSを上げることの操作が可能となる。
【0026】
第1脱窒素工程を流出した液は第2脱窒素工程に流入する。
第2脱窒素工程では、前段の第1脱窒素工程の流出液中のアンモニア性窒素と亜硝酸性窒素及び/又は硝酸性窒素とを結合酸素を利用可能な独立栄養性脱窒素菌群の存在下で、窒素ガスとして脱窒素する工程である。この工程では、嫌気条件下で、DO濃度は好ましくは0.2mg/リットル以下とすることにより脱窒反応が効率よく進行し、流入したアンモニア性窒素はほぼ完全に脱窒される。ここで、アンモニア性窒素と亜硝酸性窒素及び/又は硝酸性窒素の比率が悪いとき、特にアンモニア性窒素が少ない場合は、脱リン工程から流出した液の一部を第2脱窒素工程に入れてもよい。
【0027】
本発明では、前段の第1脱窒素工程においては、前述したようにDOの制御がなされているために、特別な方法を採らずに容易に嫌気条件下とすることが可能である。また、第1脱窒素工程でBODは50mg/リットル以下となっており、独立栄養性脱窒素菌群の増殖に好適な環境となっている。脱窒の過程においてはアルカリ度が上昇するので、このアルカリ度を前段の第1脱窒素工程、或いは脱リン工程に循環することも可能である。
また、第2脱窒素工程の内部を多段にすることで、前記第1脱窒素工程と同様に流入水のアンモニアと亜硝酸/硝酸濃度に応じた適切なpH、汚泥濃度が選択でき、より安定した脱窒処理が可能となる。
第2脱窒素工程に微生物担体を添加すると、この表面に独立栄養性脱窒素菌群と独立栄養性硝化菌の生物膜が形成され、反応が促進される。活性汚泥と微生物担体表面のそれぞれの菌数が微妙に異なるため、相互に効果を出し合うために、この工程の反応時間が短縮するだけでなく、汚水中のアンモニア性窒素の変動にも対応でき処理が極めて安定する。
【0028】
本発明の窒素及びリンの処理装置を構成する脱リン装置は、前述したように流動層方式、完全混合方式、種晶循環方式などで処理される。いずれにしても、反応pHは7.5から9.5、処理水のアンモニア性窒素は100mg/リットル以上、処理水マグネシウム濃度は3mg/リットル以上にすることで、処理水中のリン濃度を30mg/リットル以下にすることができる。また、第2工程流出液を用いて汚水中のアンモニア性窒素濃度、リン濃度を低下させることは、MAP結晶を良好に成長させる重要な操作因子である。脱リン工程は、このように操作することによってリン資源を回収しつつ、処理水中のリン濃度を低下させる装置からなる。
【0029】
第1脱窒素工程を行う装置は、アンモニア酸化細菌の活性を高く、かつ亜硝酸酸化細菌の活性が低くなるように制御されるとともに、独立栄養性脱窒素菌群によってアンモニア性窒素を用いて脱窒される。また、アンモニア性窒素をすべて硝酸性窒素はもちろん亜硝酸性窒素に変換させない装置である。
すなわち、水温は10℃〜80℃、好ましくは20℃〜60℃であり、pHは7.3〜10.5、好ましくは7.5〜9.5に設定する。pH7.3未満では、亜硝酸酸化細菌が優勢になるからである。さらに、溶存酸素濃度を常時1mg/リットル未満になるように酸素含有気体を曝気し、微好気的条件にするか、又は1mg/リットル以上の場合において溶存酸素濃度が0.2mg/リットル以下、好ましくは0mg/リットルの時間帯があるように間欠曝気することが重要である。間欠曝気の場合、DO濃度が0.2mg/リットル以下の時間を0.2mg/リットル以上の時間より長く取るほうが好ましい。窒素負荷は3kg−N/m3・day以下になるように制御する。
【0030】
第2脱窒素工程を行う装置は、前段の第1脱窒素工程の流出液中のアンモニア性窒素と亜硝酸性窒素及び/又は硝酸性窒素とを結合酸素を利用可能な独立栄養性脱窒素菌群の存在下で、窒素ガスとして脱窒素する。この装置では、嫌気条件下で、脱窒反応が効率よく進行し、流入したアンモニア性窒素はほぼ完全に脱窒される。すなわち、水温は10℃〜80℃、好ましくは20℃〜60℃であり、pHは7.3〜10.5、好ましくは7.5〜9.5に設定する。pH7.3未満では、亜硝酸酸化細菌が優勢になるからである。窒素負荷は1kg−N/m3・day以下になるように制御する。
【0031】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を図面を参照にして詳細に説明する。
なお、実施の形態および実施例を説明する全図において、同一機能を有する構成要素は同一の符号を付けて説明する。
【0032】
図1は、本発明の処理方式による一例のフローシートを示す。
本発明の処理装置の構成は、脱リン装置1、第1脱窒素装置2、第2脱窒素装置3、固液分離装置4からなる。なお、脱リン装置1は反応を行う装置部分と固液分離を行う装置部分とを備えた構造としている。
【0033】
汚水5の全量が脱リン装置1に供給される。ここでは、pHを曝気あるいはアルカリ成分6を添加させることによって7.5〜9.5に調整し、なお且つマグネシウムイオンあるいはその化合物7を添加することによって、汚水5中のアンモニア性窒素とリンを反応させMAPを生成する。リン濃度をより低くするために、被処理水中のアンモニア性窒素濃度を100mg/リットル以上、また、晶析反応を促進するため、及び先に記載した理由によりマグネシウム濃度を3mg/リットル以上残留させる。このとき、汚水中のアンモニア性窒素及びリンの濃度が高すぎると過飽和度が大きくなりすぎ、結晶が微細になりやすいので、アンモニア性窒素濃度を500mg/リットル以上、リン濃度を100mg/リットル以上の場合は、固液分離装置4の処理水8を処理水循環配管9を経由して使用して汚水5を希釈する。こうして脱リンされた処理水は、pH7.5〜9.5、アンモニア性窒素100mg/リットル以上、マグネシウム濃度3mg/リットル以上残留させて、第1脱窒素工程に流入する。
【0034】
第1脱窒素装置2には、固液分離装置4にて固液分離された返送汚泥10も供給されている。汚水5の投入量は窒素負荷が3kg−N/m3・d以下になるように制御している。第1脱窒素装置2は曝気装置(図示省略)を用い、間欠的に曝気され、曝気のタイミングはDOが0.2mg/リットル以下の時間が0.2mg/リットル以上の時間よりも長くなり、さらに0mg/リットルの時間が存在するように制御している。液のpHは、脱リン工程で7.5〜9.5に調整されている。第1脱窒素装置2において、汚水はアンモニア性窒素の1/3〜1/2が亜硝酸性窒素に、若干が硝酸性窒素に酸化され、この反応と平行して汚水5の中のアンモニア性窒素で亜硝酸性窒素および硝酸性窒素が反応して窒素ガスとして脱窒素する。
【0035】
第1脱窒素装置の流出液は全量、第2脱窒素装置3に流入し、残存しているアンモニア性窒素と亜硝酸性窒素および硝酸性窒素が反応して窒素ガスとして脱窒素する。窒素負荷は1kg−N/m3・d以下になるように制御している。ここで、アンモニア性窒素と亜硝酸性窒素および硝酸性窒素が比率が悪く、アンモニア性窒素濃度が亜硝酸性窒素および硝酸性窒素に比べて低い場合は、脱リン工程1の流出液の一部を流入させると良い。
【0036】
第2脱窒素装置の流出液は固液分離装置4に導入され、汚泥と処理水8に分離される。分離された汚泥は返送汚泥10として第1脱窒素装置2へ返送される。また、処理水8の一部は脱リン装置1に返送される。残余の処理水8は系外に排出する。また固液分離された汚泥の一部は余剰汚泥として系外に排出する。
【0037】
本発明の第1脱窒素装置2及び第2脱窒素装置3には、前述した活性汚泥方式、活性汚泥+微生物担体を添加した方式だけでなく、生物膜ろ過方式(浮上ろ材や浸漬ろ材)を含む任意のものが使用できる。また、第1脱窒素装置2及び第2脱窒素装置3の内部を多段にすることで、汚水5中のアンモニア性窒素濃度に応じた適切なpH、汚泥濃度が選択でき、より安定した脱窒処理が可能となる。固液分離装置4には沈澱池だけでなく、中空糸膜の膜分離装置やダイナミックろ過装置が採用できる。
【0038】
【実施例】
以下において、本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例により制限されるものではない。
【0039】
実施例1
この実施例では、嫌気性消化の脱水ろ液を対象に図2に示すような処理フローを用いて処理を行った。処理装置は、脱リン装置反応部11、脱リン装置沈澱部12、第1脱窒素装置2、第2脱窒素装置3、固液分離装置4からなる。脱リン装置反応部は容量10リットル、第1脱窒素装置2、第2脱窒素装置3は各20リットルとした。
第1表に脱リン装置の操作条件を、第2表に第1脱窒素装置2と第2脱窒素装置3の操作条件を、第3表に汚水5及び処理水8の水質を示す。なお、各表中、アンモニア性窒素をNH4−Nで表し、亜硝酸性窒素をNO2−Nで表し、硝酸性窒素をNO3−Nで表し、リン酸態リンをPO4−Pで表す。
汚水5は脱リン装置反応部11に供給し、マグネシウム7とNaOH6の添加を行った。マグネシウム7はモル比でMg/PO4−P=1.1となるように、pHは8.5となるように調整した。また、固液分離部4の処理水8を脱リン装置反応部11に処理水循環9として6リットル/d供給した。
【0040】
脱リン装置沈澱部12を流出した液は第1脱窒素装置2に流入した。第1脱窒素装置2には、固液分離装置4で濃縮した返送汚泥10を6リットル/d返送した。第1脱窒素装置流出液は全量、第2脱窒素装置3に導入した。第2脱窒素装置3には5mm×5mm×5mmのスポンジ担体を装置容積の10v/v%投入し、攪拌機を用いて連続攪拌を行った。空気による曝気は行わず、DOは常に0.2mg/リットル以下とした。特にpH調整は行わなかった。
汚水のアンモニア性窒素=1000mg/リットル、リン酸態リン=300mg/リットルに対し、脱リン装置1流出液のアンモニア性窒素=430mg/リットル、リン酸態リンは11mg/リットルであり、リン除去率は96%であった、第1脱窒素装置2流出液のアンモニア性窒素=30mg/リットル、亜硝酸性窒素=19mg/リットル、硝酸性窒素=5mg/リットルであり、第2脱窒素装置流出液(処理水)はアンモニア性窒素、亜硝酸性窒素、硝酸性窒素ともに1mg/リットル以下であった。
本発明の窒素及びリン含有汚水の処理方法及び装置によれば、リン除去率96%、窒素除去率99%以上であった。
【0041】
【表1】
Figure 0004101498
【0042】
【表2】
Figure 0004101498
【0043】
【表3】
Figure 0004101498
【0044】
比較例1
従来の硝化反応と有機物を水素供与体として用いた脱窒反応にて生物学的窒素除去を行った。実施例1と槽の大きさ及び配置は同様とし、第1脱窒素装置を連続曝気し、硫酸13でpHを7付近に調整した。また、第2脱窒素装置にはメタノール14を添加した。汚水流量、循環率などの操作条件は実施例1と同じにした。
第4表に汚水及び処理水の水質を示す。
汚水のアンモニア性窒素=1000mg/リットル、リン酸態リン=300mg/リットルに対し、脱リン装置流出液はアンモニア性窒素=420mg/リットル、リン酸態リンは10mg/リットルであり、リン除去率は96%であった。第1脱窒素装置ではアンモニア性窒素=1mg/リットル以下、亜硝酸性窒素=10mg/リットル、硝酸性窒素=350mg/リットルであり、処理水はアンモニア性窒素=1mg/リットル以下、亜硝酸性窒素=1mg/リットル以下、硝酸性窒素=30mg/リットルであった。
メタノールを添加することにより脱窒が進行し、硝酸性窒素は90%除去された。第1脱窒素装置でのpH調整のために用いた硫酸量は8.4g/d、メタノールの使用量は6.0g/dであった。実施例1に比べると、薬品コストが増加したにも係わらず、処理水質も低かった。
【0045】
【表4】
Figure 0004101498
【0046】
【発明の効果】
本発明によれば、高濃度のアンモニア性窒素及びリンを含有した汚水から、物理化学的手法を用いてリン資源を回収するとともに、生物学的手法を用いて窒素を高効率に除去でき、特に、リン資源の回収量が高く、薬品コスト、曝気動力コストなどのランニングコストを著しく低下させることができる、窒素及びリン含有汚水の処理方法および装置を提供することができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の窒素及びリン含有汚水の処理方法の概要説明図である。
【図2】本発明の実施例に使用した処理装置のフローシートである。
【図3】比較例1の処理方法を説明するフローシートである。
【符号の説明】
1 脱リン装置
2 第1脱窒素装置
3 第2脱窒素装置
4 固液分離装置
5 汚水
6 アルカリ成分(NaOH)
7 マクネシウム源
8 処理水
9 処理水循環(配管)
10 返送汚泥(配管)
11 反応部
12 沈澱部
13 硫酸
14 メタノール

Claims (4)

  1. アンモニア性窒素及びリンを含有する汚水を浄化する方法において、前記汚水を脱リン工程に導入し、前記脱リン工程においてはマグネシウム源およびアルカリ成分を添加し、リン酸マグネシウムアンモニウムの結晶を生成し、前記脱リン工程の流出液を第1脱窒素工程に導入し前記第1脱窒素工程では溶存酸素濃度を常時1mg/リットル未満となるように酸素含有気体を曝気する微好気的条件下で独立栄養性硝化菌及び独立栄養性脱窒素菌の存在下に、更にアンモニア性窒素を残留させつつアンモニア性窒素と亜硝酸性窒素及び/又は硝酸性窒素とを窒素ガスとして部分的に脱窒素し、前記第1脱窒素工程の流出液を第2脱窒素工程に導入し、前記第2脱窒素工程が嫌気性条件下で結合酸素を利用可能な独立栄養性脱窒素菌群の存在下で、該流出液中のアンモニア性窒素と亜硝酸性窒素及び/又は硝酸性窒素とを脱窒素し、前記脱リン工程、前記第1脱窒素工程、および前記第2脱窒素工程のpHを7.5〜9.5、好ましくは8.0〜8.5に調整し、第1脱窒素工程及び/又は第2脱窒素工程の処理水の一部を前記脱リン工程に返送することを特徴とする窒素及びリン含有汚水の処理方法。
  2. アンモニア性窒素及びリンを含有する汚水を浄化する方法において、前記汚水を脱リン工程に導入し、前記脱リン工程においてはマグネシウム源およびアルカリ成分を添加し、リン酸マグネシウムアンモニウムの結晶を生成し、前記脱リン工程の流出液を第1脱窒素工程に導入し、前記第1脱窒素工程では溶存酸素濃度が1mg/リットル以上の曝気を行い、溶存酸素濃度が0.2mg/リットル以下、好ましくは0mg/リットルの時間帯があるように曝気を停止する間欠曝気を行う条件下で独立栄養性硝化菌及び独立栄養性脱窒素菌の存在下に、更にアンモニア性窒素を残留させつつアンモニア性窒素と亜硝酸性窒素及び/又は硝酸性窒素とを窒素ガスとして部分的に脱窒素し、前記第1脱窒素工程の流出液を第2脱窒素工程に導入し、前記第2脱窒素工程が嫌気性条件下で結合酸素を利用可能な独立栄養性脱窒素菌群の存在下で、該流出液中のアンモニア性窒素と亜硝酸性窒素及び/又は硝酸性窒素とを脱窒素し、前記脱リン工程、前記第1脱窒素工程、および前記第2脱窒素工程のpHを7.5〜9.5、好ましくは8.0〜8.5に調整し、第1脱窒素工程及び/又は第2脱窒素工程の処理水の一部を脱リン工程に返送することを特徴とする窒素及びリン含有汚水の処理方法。
  3. アンモニア性窒素及びリンを含有する汚水を浄化する装置において、リン酸マグネシウムアンモニウムの結晶を生成させる脱リン装置と、前記脱リン装置にはマグネシウム源およびアルカリ成分供給装置を具備し、前記脱リン装置の流出液を微好気的条件及び/又は間欠曝気条件下で、独立栄養性硝化菌及び独立栄養性脱窒素菌の存在下に、更にアンモニア性窒素を残留させつつ、アンモニア性窒素と亜硝酸性窒素及び/又は硝酸性窒素とを窒素ガスとして部分的に脱窒素する第1脱窒素装置と、前記第1脱窒素装置の流出液を嫌気性条件下で結合酸素を利用可能な独立栄養性脱窒素菌群の存在下で、該流出液中のアンモニア性窒素と亜硝酸性窒素及び/又は硝酸性窒素とを窒素ガスとして脱窒素する第2脱窒素装置と、第1脱窒素装置及び/又は第2脱窒素装置の処理水の一部を前記脱リン装置に返送する配管を具備し、前記脱リン装置、前記第1脱窒素装置、および前記第2脱窒素装置にはpHを7.5〜9.5、好ましくは8.0〜8.5に調整されていることを特徴とする窒素及びリン含有汚水の処理装置。
  4. 前記脱リン装置はリン酸マグネシウムアンモニウムを生成する反応部と生成したリン酸マグネシウムアンモニウムを液中から分離する固液分離部を具備することを特徴とする請求項3記載の窒素及びリン含有汚水の処理装置。
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