JP2003251147A - 拡散スクラバ法による大気浄化処理装置 - Google Patents

拡散スクラバ法による大気浄化処理装置

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 低コストでエネルギー消費が少なく、継続的
に使用できる循環効率的な大気浄化処理装置の開発。 【構成】 平行に向き合わせた一対の平行板と、その狭
い隙間に汚染空気を流し、拡散係数の小さい粒子は平行
板をそのまま通過して平行板の出口から排出され、平行
板の内壁面に拡散してきた汚染空気中の有害ガス成分を
内壁表面で除去処理する装置において、平行板の内壁表
面に光触媒からなる塗布層を設けるとともに該隙間内に
光を照射できる構造としたことを特徴とする拡散スクラ
バ法による大気浄化処理装置。この除去処理装置は、好
ましくは、空調装置の空気流路または排気ガス処理装置
のガス流路に付設されて用いられる。一般家庭での可搬
型空気清浄装置として使用することもできる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、大気浄化処理装
置、特に、空調装置の空気流路または排気ガス処理装置
のガス流路に付設して用いるのに適した拡散スクラバ法
による大気浄化処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】大気中の窒素酸化物を除去する技術開発
は、主として、工場、自動車等の発生源対策を中心に行
われており、大規模な工場等から排出する数千ppmと
言った高濃度の窒素酸化物については、アンモニアとの
反応により窒素と水に還元する「選択接触還元法」がこ
れまで実用化されてきた。また、ガソリンエンジン車か
らの窒素酸化物の排出は、「三元触媒」、「リーンバー
ン」等の導入で改善されてきた。
【0003】酸化チタン光触媒を用い、太陽光を利用し
て大気中の窒素酸化物を浄化する技術も知られており、
舗装道路や道路構造物に酸化チタンを塗布することが、
最近、地方自治体の道路沿道で行われ、その浄化性能が
確認されてきた(竹内浩士、「光触媒による環境大気の
浄化・修復技術」、大気環境学会誌、33、139−1
50、1998年)。また、道路トンネルの排気設備に
酸化チタンを用いた例も報告されている(西方聡、「低
濃度脱硝装置」、工業材料、45、86−88、199
7年)。
【0004】その他、酸化チタン光触媒を用いた大気中
の窒素酸化物の除去手段としては、「自動車トンネル用
換気設備」(特開平5−237381号公報)、「汚染
物質の除去方法及び浄化材」(特開平6−315614
号公報)、「トンネル空気浄化装置」(特開平8−15
1899号公報)、「トンネル内空気浄化装置およびそ
の装置に用いられるトンネル内装板」(特開平9−27
1635号公報)、「高速道路上の汚染空気の浄化方
法」(特開平10−151323号公報)、「気体浄化
・吸音部材、気体浄化装置及び気体浄化システム」(特
開平10−249167号公報)等が公知である。
【0005】酸化チタン微粒子によって気体中の窒素酸
化物を吸着する際に、酸化チタン微粒子にハイドロキシ
アパタイト粉末を混合することによって吸着効率を高め
ることができることも知られている(Y.Komazakiet a
l.,Atoms.Environ.,33,4363〜4371,(1999))。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】大気汚染への社会的関
心の高まりから、種々の空気清浄技術の研究が行われて
きている。しかしながら、問題の重要性に比較して、そ
の多くの技術は、既存のフィルタ法、活性炭等の吸着剤
等による除去技術を単に転用したものに過ぎず、その処
理能力や処理量に疑問を持たざるを得ないものも多い。
【0007】最近では、酸化チタン光触媒を利用した空
気清浄技術も開発されてきた。この技術は、特殊な装置
を必要とせず、NOXの経済的な浄化技術ではあるが、
反応槽でのバッチ的な汚染空気処理技術であるために、
汚染空気処理量が毎分数リットル程度と少なく、多量の
汚染空気処理に関しては問題である。また、塗布された
酸化チタン表面での除去効果はあるとしても、広範な空
間に拡散したNOXを効率的に除去することは原理的に
困難である。
【0008】そこで、従来の技術の延長ではなく、有害
ガス成分を効率良く完全に除去し、しかも、大量の汚染
空気の処理を行える革新的な空気清浄技術の開発が必要
である。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者は、酸化チタン
超微粒子光触媒を用いて高いNOX除去効率を有する連
続使用可能な窒素酸化物除去装置について研究開発を続
けた結果、拡散スクラバ法による除去装置によって空気
中の代表的な有害ガス成分の窒素酸化物を効率的に除去
できることを見出した。
【0010】すなわち、本発明は、(1)平行に向き合
わせた一対の平行板と、その狭い隙間に汚染空気を流
し、拡散係数の小さい粒子は平行板をそのまま通過して
平行板の出口から排出され、平行板の内壁面に拡散して
きた汚染空気中の有害ガス成分を内壁表面で除去処理す
る装置において、平行板の内壁表面に光触媒からなる塗
布層を設けるとともに該隙間内に光を照射できる構造と
したことを特徴とする拡散スクラバ法による大気浄化処
理装置、である。
【0011】また、本発明は、(2)空調装置の空気流
路または排気ガス処理装置のガス流路に付設されて用い
られることを特徴とする上記の拡散スクラバ法による大
気浄化処理装置、である。また、本発明は、(3)一般
家庭での可搬型空気清浄装置として使用することを特徴
とする上記の大気浄化処理装置、である。
【0012】本発明において使用する拡散スクラバ法と
は、(1)平行板内壁面へガスが拡散する、(2)内壁
面へ到達したガスが内壁表面で吸着除去されるという、
拡散を利用したガスの捕集・除去法であり、ガスと粒子
の拡散係数が大きく異なることを利用し、ガスを選択的
に除去する方法である。図7に拡散スクラバ法を模式的
に示す。
【0013】この拡散スクラバ法において、大気中のガ
ス成分の除去効率は、下記のGormley−Kenn
edy理論式(P.G.Gormley,M.Kennedy,Proceedings of
theRoyal Irish Academy,Vol.52A,163-169,(1949))に
基づいて算出できる。
【0014】f=1−[0.910exp(−3.77
μ)+0.0531exp(−42.8μ)]、μ=b
DL/aQ なお、上記の式において、f:除去効率、D:対象とす
るガスの拡散係数(cm2/秒、a:平行板の間隔、
L:平行板の長さ(cm)、μ:沈着パラメータ、Q:
大気吸引流量(cm3/秒)、b:平行板の幅(cm)
である。
【0015】本発明の除去処理装置は、表面の平らな平
行板の内壁表面に光触媒の平らな塗布層を設け、平行板
の隙間を流れる空気中の有害ガス成分を平行板の内壁の
塗布面で除去するものである。平行板の隙間に空気を流
すので、フィルタ等の濾過方式とは異なり、通気抵抗は
極めて少ない。
【0016】光触媒を用いた「光脱硝法」の場合には、
NOXをNO2やHNO3に化学変化させ、これを水で洗
い流すので、平行板は極めて腐食性の高い条件で使用さ
れるために耐蝕性が大きいステンレス鋼板が適する。ま
た、ステンレス鋼板は、その表面にTiO2とHAPを
ポリテトラフロロエチレン等のバインダとアセトンなど
の有機溶媒中で混合して塗布乾燥するだけで優れた接着
性を示し、かつ長期間の使用において強度、耐久性に問
題がない。
【0017】平行板の大きさは、装置の規模に応じて適
宜定めることができるが、例えば、図3に示すように、
空気の流路面が10×0.5cm(通気断面積5c
2)、流路長35cm程度の基本ユニットを製作し、
この様なユニットを装置の規模に応じて積層して組み合
わせて使用すればよい。
【0018】平行板の間隙は、平行板の内壁表面が有害
ガス成分に対して理想的な完全吸着面と仮定した図7に
模式的に示す拡散スクラバ法におけるGormley−
Kennedy理論式により設定することができる。上
記の基本ユニットの場合、通気流量10リットル/分
(風速0.33m/秒)の条件で、0.5cm程度の平
行板の間隔にすれば、ほぼ100%近く有害ガス成分を
除去できる。
【0019】図2には、平行板の内壁表面が有害ガス成
分の窒素酸化物に対して完全吸着面であると仮定したG
ormley−Kennedyの理論式によって求めた
除去効率と小型平行板型拡散スクラバの窒素酸化物除去
装置ユニットによる除去効率(実験値)とを比較して示
す。(1)TiO2:平均粒径100nm/HAP:平
均粒径30μmの組み合わせの塗布面では、◇印で示す
様に、窒素酸化物の除去効率は理論値より低い結果であ
るが、(2)TiO2:平均粒径7nm/HAP:平均
粒径3μmの組み合わせの塗布面の場合には、△印で示
す様に、理論値の線と一致し、風速0.33m/秒でほ
ぼ100%近い除去効率が得られる。この結果から、T
iO2とHAPの特定の組み合わせによって窒素酸化物
に対して理想的な完全吸着面を形成できることが分か
る。
【0020】大気の通気流量が大きくなるとNOガスが
装置内に滞在する時間が短くなり、当然のことながらN
Xの除去効率は低下する。また、導入するNO濃度が
高いと除去効率が低下する傾向がみられる。これは、T
iO2の表面に発生しているラジカル量の分だけしかN
Oとの反応が起こらないためであり、導入されるNOの
量があまり多くなると壁面へ拡散しても反応せず、平行
板型拡散スクラバを通過するNOが多くなる。
【0021】本発明の装置によるNOXの除去容量は、
TiO/HAPの単位塗布面積当たり、100mmol
/m2と極めて高く、1ppmのNOXの空気を2400
3除去処理することが可能である。また、トンネル内
の空気中のNOX濃度は数ppmに達する場合もあると
報告されているが、表1に示すように、本発明の装置に
よるppmレベルのNOガスの除去効率はほぼ100%
近くにすることができる。
【0022】本発明の拡散スクラバ法による大気浄化処
理装置の構造は、簡便な構造であり、既存の空調施設等
に簡単に組み込むことができ、また、単なる水の循環使
用により有害ガス成分を効率的に除去処理できる。した
がって、温度・湿度の調整のために行ってきたビル等に
おける空調装置に本発明の大気浄化処理装置を付設して
有害ガス成分を除去処理し、質の高い生活環境を提供す
ることができる。
【0023】また、本発明の大気浄化処理装置は、ビル
の空調設備に組み込むばかりでなく、自動車トンネル、
地下駐車場等の空気循環経路の空調設備や建設・工事車
両等の群小固定発生源の排気ガス処理装置に付設して効
率的なNOX除去処理が行える。さらに、装置自身は簡
単に小型化できるので、一般家庭での可搬型空気清浄装
置としても使用できること等極めて応用範囲が多岐に亘
る。
【0024】
【作用】本発明の拡散スクラバ法を用いた大気浄化処理
装置による大気中NOXの除去原理を図1に示す。Ti
2/HAP(1)を表面に塗布した平行板、例えば、
ステンレス鋼板(2)を2枚向き合わせ、2枚のステン
レス鋼板(2)の隙間にはUVランプ(5)等により光
を照射してTiO2を活性化させる。
【0025】一端側を汚染空気の入口として、2枚のス
テンレス鋼板の隙間に汚染空気(3)を流すと、拡散係
数の大きいNOXガス(4)は、TiO2/HAP(1)
が塗布されたステンレス鋼板(2)の内壁面へ拡散す
る。内壁表面へ到達したNOXガス(4)は、TiO2
より生じたHO2、OHラジカルによりNO2、HNO3
に酸化され、TiO2/HAP(1)の表面に吸着さ
れ、汚染空気中から除去され、清浄空気(7)が出口側
から排出される。TiO2は、吸着したNO、NO2を保
持する能力が低いために、NO2がHNO3になる前に脱
着してしまう可能性が高い。この脱着したNO2を確実
に除去するために、NO2の吸着剤としてHAPをTi
2に混合して使用する。
【0026】一方、除去装置を使用する層流条件では拡
散係数の小さい粒子(6)は壁面へ拡散しない内に一対
のステンレス鋼板(2)の平行板をそのまま通過してし
まう。そして、一対のステンレス鋼板(2)の平行板の
出口側から排出される。したがって、原理的に空気中の
粒子はステンレス鋼板の平行板内に付着せず、空気を処
理する際の粒子による除去装置への汚れの影響は極めて
少ない。
【0027】TiO2やHAPの表面に吸着したNO2
HNO3は、水で簡単に洗い流すことができるので、定
期的に塗布した表面を水で洗うことにより半永久的に使
用できる。吸着剤としては活性炭等も知られているが、
活性炭の場合は水洗して再使用することが困難である。
【0028】この様に、拡散スクラバ法を用いると、汚
染空気を濾過する化学フィルタの原理とは全く異なり、
一対の平行板の隙間に汚染空気を流すので通気抵抗によ
る圧力損失が非常に少なく、小さなエネルギで大容量の
汚染空気を清浄化処理できる。
【0029】
【発明の実施の形態】本発明は、「拡散スクラバ法」の
原理に基づき、平行に向き合わせた一対の平行板の狭い
隙間に汚染空気を流し、その平行板の内壁面に拡散して
きたガス成分を内壁表面で除去処理する方法であり、汚
染空気を流しながら連続的に有害ガスの除去処理が行え
る。
【0030】平行板は、耐蝕性に優れたステンレス鋼板
が好ましいが、ステンレス鋼板に限定されるものではな
い。平行板に塗布するTiO2超微粒子としては平均粒
径7nm程度が最も好ましい。また、HAP微粒子とし
ては、平均粒径3μm程度が最も好ましい。TiO2
微粒子とHAP微粒子は、重量比が2:1〜1:2にな
るようにアセトン等の有機溶媒中で混合し、これにポリ
テトラフロロエチレン等のバインダを適宜加えて公知の
塗布手段、例えば、スプレーガン等により乾燥後の厚み
が10mg/cm2(厚さ数十μm)程度となるように
塗布する。
【0031】この平行板(2)を2枚を用いて塗布面を
向かい合わせて、図3に示すように、5mm程度の狭い
間隔で平行に並べて平行板の両端の保持部材8を固定部
材9で固定し、平行板(2)の一端側の隙間に極細のU
Vランプ(5)を設置して隙間内に光を照射できる構造
とし、小型平行板型拡散スクラバ法による大気浄化処理
装置ユニットとする。
【0032】このユニットの大きさは、本体は440×
150×38mm、TiO2/HAPを塗布してある通
気流路面は350×100mm(面積、350cm2
である。このユニットを単体または所定枚数を組み合わ
せて大気浄化処理装置とし、これを空調設備等に付設
し、汚染空気を平行板(2)の隙間に流し、UVランプ
(5)によって光触媒面に紫外線を照射すると、NOX
が内壁表面のTiO2/HAPによって酸化、吸着除去
される。
【0033】図1に原理を示した様に、紫外線の照射下
でTiO2/HAP上で、窒素酸化物(NO、NO2
は、NO2またはHNO3に酸化され、吸着除去される。
その後、水を注入して洗浄することによってTiO2
HAP上で酸化・吸着された窒素酸化物をNO2 -、NO
3 -イオンとして水で簡単に回収することができる。
【0034】水で回収されたNO2 -、NO3 -イオンは、
イオン交換樹脂により簡単に処理できる。そして、水に
よる洗浄後、空気を流しTiO2/HAP表面が乾燥す
れば、繰り返して窒素酸化物(NO、NO2)の除去処
理を行うことができる。この様にして、本発明の除去処
理装置は長期間に亘り水を循環処理しながら窒素酸化物
(NO、NO2)を除去処理することが可能である。
【0035】
【実施例】実施例1 TiO2粉末(和光純薬工業、平均粒径100nm)と
HAP粉末(信州セラミックス、平均粒径30μm)を
33.3重量%:33.3重量%の割合で33.3重量
%のテトラフロロエチレン樹脂バインダ(TiO2:H
AP:PTFE=1:1:1)とアセトン等の有機溶媒
中で混合し、スプレーガンによりステンレス鋼板表面に
塗布し、乾燥した。このステンレス鋼板を用いて実施態
様に記載した図3に示すユニットを製作した。UVラン
プとしては、外径、4mmφのもの(東芝冷陰極蛍光ラ
ンプ)を用いた。
【0036】このユニットについて、下記により評価試
験を行った。NOの標準ガスボンベより供給されたNO
ガスを、清浄空気により数ppmの濃度レベルに適宜希
釈し、この希釈されたNOガスをUVランプ(5)を点
灯していない状態で、小型平行板型拡散スクラバ除去装
置へ導入し、装置通過後のガスのNO濃度を測定した。
除去装置の入口、出口のNO濃度が一致したのを確認し
た後にUVランプ(5)を点灯し、ランプ点灯後の除去
装置出口のNO濃度の変化から除去装置によるNOの除
去効率を算出した。除去効率は前述した式によって求め
た。
【0037】通気流量4L/min、NO濃度673p
pbの条件で空気を処理した場合の汚染空気処理のNO
濃度変化およびNOX除去効率の経時変化を図4に示
す。図4より、UVランプ(5)を点灯すると673p
pbのNO濃度が急激に下がり75ppb以下となり、
時間とともに除去装置を通過後のNO濃度が僅かづつ上
昇してくることが判る。これは、TiO2に付着したH
NO3がTiO2に光が当たるのを阻害しているためであ
る。しかしながら、約7時間経過しても除去効率の大幅
な低下は認められず、その後、UVランプを消灯すると
NO濃度がランプ点灯前の673ppbに戻った。図4
より、この実施例1においては、NOXを80%以上の
高い除去効率で除去できることが確認された。
【0038】実施例2 実施例1と同じ装置を用いて、通気流量4L/mi
n、NO濃度2705ppb、通気流量10L/mi
n、NO濃度2645ppbの各条件で空気を処理した
ところ、除去効率は、表1に示すとおり、が83.0
%、が46.0%であった。の条件で汚染空気を処
理した場合のNO濃度の経時変化を図5に示す。
【0039】
【表1】
【0040】実施例3 TiO2として、平均粒径7nm(石原産業ST−0
1)、HAPとして平均粒径3μm(富田製薬)とした
以外は実施例1と同じ装置で、通気流量4L/mi
n、NO濃度3205ppb、通気流量10L/mi
n、NO濃度3341ppb、通気流量15L/mi
n、NO濃度3222ppbの各条件で汚染空気を処理
したところ、除去効率は、表1に示すとおり、が10
0.0%、が95.7%、が89.0%と非常に高
い除去効率が得られた。の条件で汚染空気を処理した
場合のNO濃度と除去効率の経時変化を図6に示す。
【0041】実施例4 実施例1と同じ装置を用いて、TiO2:HAPの比を
1:2に変えて実施例2のの条件で汚染空気を処理し
た場合のNO濃度の経時変化を実施例2のの条件の場
合と比較して図5に示す。図5より、初期のNO除去効
率は、実施例2のTiO2:HAP=1:1の場合が若
干優れているが、NOの除去容量については実施例4の
TiO2:HAP=1:2の方が優れていた。
【0042】実施例5 図3に示した小型平行板型拡散スクラバによる窒素酸化
物除去装置ユニットを50枚束ねた直方体の装置を製作
した。ステンレス鋼板に50×50cmのエリアで酸化
チタン超微粒子光触媒(石原産業ST−01、平均粒径
7nm)とヒドロキシアパタイト微粒子(富田製薬、平
均粒径3μm)をテトラフロロエチレン樹脂バインダを
用いて塗布した。この装置により小型平行板型拡散スク
ラバ式窒素酸化物除去装置ユニットの250倍の窒素酸
化物NOXの除去処理能力を有し、毎分2.5m3(15
0m3/h)の空気を処理することができた。
【0043】
【発明の効果】本発明の大気浄化浄処理装置は、光触
媒を塗布した平行板による単純な構造の処理装置である
こと、空気中の粒子は平行板の除去装置を原理的に通
過し、平行板の内壁表面に付着しないので粒子による除
去装置への汚れの影響は少ないこと、単なる水を洗浄
液として用いて除去した有害ガス成分のNOXをNO2 -
およびNO3 -として簡単に回収でき、除去装置を乾燥す
れば繰り返し連続して使用できること、洗浄液の再生
処理も既存のイオン交換樹脂を使用でき、省エネルギ・
ランニングコストの面で優れていること、フィルタに
よる濾過捕集とは異なり通気抵抗が小さく空気の処理量
が極めて大きいこと、除去装置の構造がシンプルであ
り、移動でき、又、トンネル、屋内駐車場等の既存の空
調設備等にも簡単に組み込めること等実用的な価値が高
い。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、TiO2超微粒子とヒドロキシアパタ
イト微粒子の混合物を用いた平行板型拡散スクラバによ
る窒素酸化物除去処理装置の原理を示す模式図である。
【図2】図2は、Gormley−Kennedy理論
式より算出した大気中窒素酸化物の理論効率と実験値と
の比較を示すグラフである。
【図3】図3は、本発明の平行板型拡散スクラバ法を用
いた窒素酸化物除去処理装置の斜視図である。
【図4】図4は、実施例1における汚染空気処理のNO
濃度変化およびNOX 除去効率を示すグラフである。
【図5】図5は、実施例2および実施例4における汚染
空気処理のNO濃度変化を示すグラフである。
【図6】図6は、実施例4における汚染空気処理のNO
濃度変化およびNOX 除去効率を示すグラフである。
【図7】図7は、Gormley−Kennedy理論
式に基づく大気中ガス成分の除去効率の算出式のための
拡散スクラバ法の模式図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 藤井 雅則 東京都千代田区有楽町1−4−1 三機工 業株式会社内 (72)発明者 飯嶋 和明 東京都千代田区有楽町1−4−1 三機工 業株式会社内 Fターム(参考) 4D048 AA06 BA02X BA07X BA39X BA41X BA44X BB03 CC40 CC57 EA01 4G069 AA03 BA04A BA04B BA18 BA48A BB14B BC09B CA13 EA11 EE07

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 平行に向き合わせた一対の平行板と、そ
    の狭い隙間に汚染空気を流し、拡散係数の小さい粒子は
    平行板をそのまま通過して平行板の出口から排出され、
    平行板の内壁面に拡散してきた汚染空気中の有害ガス成
    分を内壁表面で除去処理する装置において、平行板の内
    壁表面に光触媒からなる塗布層を設けるとともに該隙間
    内に光を照射できる構造としたことを特徴とする拡散ス
    クラバ法による大気浄化処理装置。
  2. 【請求項2】 空調装置の空気流路または排気ガス処理
    装置のガス流路に付設されて用いられることを特徴とす
    る請求項1記載の大気浄化処理装置。
  3. 【請求項3】 一般家庭での可搬型空気清浄装置として
    使用することを特徴とする請求項1記載の大気浄化処理
    装置。
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