JP2005131553A - 空気浄化装置及び浄化システム - Google Patents

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Abstract

【課題】装置規模を大型化せずに、大量の空気の処理が容易に行え、大気中の窒素酸化物(NOx)等の有害ガスの高い除去効率が達成できるとともに、光触媒を塗布した基板の洗浄、再使用が容易な空気浄化装置及びシステムの提供。
【解決手段】有害ガス処理槽において、光触媒層を設けた基板表面に沿って空気を1回だけ、又は循環させて流して空気中の有害ガスを光触媒層で分解し空気中から除去する空気浄化装置において、基板として表面に光触媒層を設けた不織布、紙、プラスチックフィルムのいずれかからなるシート材料を用いてコルゲート状又はプリーツ状の空気を流す隙間を形成し、かつその隙間の間隔を拡散スクラバとしてのGormley-Kennedy理論式に基づく
空気中の有害ガスの除去効率が1回空気を流して50%以上となるように設計した装置。
【選択図】 図1

Description

本発明は、空気浄化装置、特に、空調装置の空気流路又は排気ガス処理装置のガス流路に付設して用いるのに適した環境空気中の有害ガスを分解除去する空気浄化装置及び浄化システムに関する。
環境空気の汚染への社会的関心の高まりから、空気浄化技術の研究が精力的に行われてきている。最近では、酸化チタンなどの光触媒を利用した空気浄化技術が盛んに開発されている。その多くは、酸化チタン光触媒、又は酸化チタン光触媒と吸着剤を通気性のある基体に塗布してエアフィルターとして用いて、粉塵をろ過し、かつ空気中の有害ガスや悪臭成分を光触媒によって分解しようとするものである。これらのフィルターの基体としてポリエチレン繊維等の高分子繊維や炭素繊維、金属繊維からなる不織布を用いる例も知られている。また、紙を用いるもの、ポリエステル樹脂などのプラスチックフィルムを用いるものなども知られている。
これらのフィルター方式で基板をプリーツ状やコルゲート状としたものも用いられているが、いずれも、不織布等の通気性の基体の中を強制的に空気を通過させる必要があり、また、微細な粉塵の捕捉効率をあげるには、フィルターの目を細かくする必要があるので通気抵抗が大きくなり、多量の空気処理が困難である。
これに対して、光触媒層を形成した平面をダクト状にしたり、積層平板にしたりして光触媒層の面に平行に汚染された空気を流して空気流の圧力損失を少なくする方法も考えられ(例えば、特許文献1〜6)、当然ながら素通りする被処理空気量が多くなり、接触面積を高めるためにプリーツ状やコルゲート状としても有害ガスの除去効率が悪くなる。このため、接触効率を高めるために乱流を生じさせるようにした装置も開発されている(例えば、特許文献7)。
本発明者らは、従来のフィルター式や単なる平行板式の空気浄化技術の延長ではなく、環境空気中に含まれている大気汚染物質である窒素酸化物(NOx)や硫黄酸化物(SOx)などの有害ガスを効率良く完全に空気中から除去し、しかも、大量の空気の処理を行える革新的な空気浄化技術として、酸化チタン(TiO2)光触媒と拡散スクラバの原理
とを組み合わせた有害ガスの除去処理技術について開発し、特許出願した(特許文献8、9)。
この空気浄化装置は、拡散スクラバの原理を応用した小型平行板型装置であり、特に、大気中の窒素酸化物(NOx)の除去処理装置として高い除去効率を有する。この装置の構造は、図7に示すように、TiO2光触媒を塗布した基板、好ましくはステンレス鋼板
を5mm程度の狭い間隔で向き合わせて平行に並べて、保持部材8、固定部材9によって保持して平行板2とし、その平行板2の隙間に極細(外径、4mmφ)のUVランプ5を設置したユニットで構成される単純な構造であるが、その隙間の間隔や平行板の大きさが拡散スクラバとしてのGormley-Kennedy理論式に基づく除去効率に基づいて、有害ガスの
大きな除去効率が得られるように設計されることを特徴とする。
この空気浄化装置は、汚染された空気を平行板の隙間に流して、UVランプによって光触媒面に紫外線を照射してNOxを壁面のTiO2 によって酸化させ、化学変化によって生成したNO2やHNO3をヒドロキシアパタイト等の吸着剤によって吸着し、定期的に水で洗い流して、装置を再使用できるようにしたものである。
特開平10−305213号公報 特開平10−286436号公報 特開2000−271486号公報 特開2001−120956号公報 特開2002−166131号公報 特開2002−95929号公報 特開2001−137665号公報 特開2002−126451号公報 特開2003−251147号公報
汚染された空気の処理量を増加させて処理効率を高める必要があるが、本発明者が開発した、上記の拡散スクラバの原理を用いる技術では、平行板は極めて腐食性の高い条件で使用されるために、好ましくは耐蝕性が大きいステンレス鋼板を用いている。しかしながら、ステンレス鋼板は、平行板としての機械的強度及び耐蝕性は優れているが、汚染された空気の処理量を増加させるために装置を大型化すると、その保守や平行板の洗浄、乾燥による再使用の負担が増大するとともに重量も大きくなる欠点がある。また、NO2やH
NO3 を良好に吸着保持する吸着剤粒子をTiO2 光触媒粒子と混合して使用する場合、TiO2光触媒粒子をステンレス鋼板の全面に均一に塗布する必要があり、コストの増大
を招く。
そこで、本発明は、装置規模を大型化せずに、大量の空気の処理が容易に行え、大気中の窒素酸化物(NOx)等の有害ガスの高い除去効率が達成できるとともに、光触媒を塗布した基板の洗浄、再使用が容易な装置及びシステムの提供を目的とする。
本発明者は、平行板として上述のステンレス鋼板の代わりに不織布、紙、プラスチックフィルム等の軽量な素材を用い、その形状を工夫することによって、大量の空気を小型、軽量の装置で処理でき、大気中の窒素酸化物(NOx)等の有害ガスの高い除去効率が達成できる空気浄化装置を開発した。
本発明は、不織布、紙、プラスチックフィルム等の軽量で屈曲の容易なシート材料を光触媒を塗布する基板として用いて、汚染された空気を流す隙間を形成し、その隙間の間隔を拡散スクラバとしての機能を呈するように設計し、この隙間に汚染された空気を流し、該シート材料表面の光触媒層に拡散してきた空気中の有害ガスを光触媒で分解し、空気中から除去する空気浄化装置である。この空気浄化装置は、その前段にVOC(ベンゼン、トルエン等)除去装置と組み合わせたシステムとすることによってより効率的に有害ガスを分解除去できる。
この空気浄化装置によれば、汚染された空気を隙間に流しながら連続的に有害ガスの除去処理が行えるので、通気抵抗が少なく、大量の空気の処理が容易にできる。また、シート材料の表面の光触媒層に捕捉された硝酸等は、シート材料を装置の外に排出して水等により洗浄することによって簡単に回収でき、シート材料を乾燥すれば再び空気中の有害ガスを繰り返し連続して除去処理することができる。
本発明において利用する拡散スクラバの原理とは、平行板によって形成される隙間に流体を流した場合、(1)平行板の内壁面へガスが拡散する、(2)内壁面へ到達したガスが内壁表面で吸着除去されるという、狭い流路において流れる流体中に含有される微量な
ガス成分の壁面への拡散を利用した乾式のガスの捕集・除去法の原理である。したがって、本明細書で言う拡散スクラバの原理は、水などの溶液にガスを拡散させるいわゆる湿式拡散スクラバー法とは異なる。この拡散スクラバの原理に基づいて、ガスと粒子の拡散係数が大きく異なることを利用し、空気中の有害ガスと粒子は分離され、有害ガスのみを選択的に光触媒によって分解吸着させることにより空気中から除去することができる。
図8に、この拡散スクラバ法の原理を模式的に示す。この拡散スクラバ法において、大気中のガス成分の除去効率は、下記のGormley-Kennedy理論式(P.G.Gormley,M.Kennedy,Proceedingsof the Royal Irish Academy,Vol.52A,163-169,(1949))に基づいて算出でき
る。
f=1−[0.910exp(−3.77μ)+0.0531exp(−42.8μ)]、μ=bDL/aQ
なお、上記の式において、f:除去効率、D:対象とするガスの拡散係数(cm2/秒
)、a:平行板の間隔(cm)、L:平行板の長さ(cm)、μ:沈着パラメータ、Q:大気吸引流量(cm3/秒)、b:平行板の幅(cm)である。
本発明の空気浄化装置を使用する際には、有害ガス処理槽に空気を1回(1パス)だけ、又は繰り返し数回循環させて流して処理する方法を採用することができるので、上記の理論式において求められる除去効率は空気を1回流して50%程度以上でよい。1回流して50%の除去効率でも3回通過させれば約90%の有害ガスを除去できる。よって、この式に基づいて理論除去効率が1パスで50%以上、望ましくは70%以上、さらに好ましくは90%以上となるように装置を設計することにより、汚染された空気中から有害ガス成分を高効率で除去できる。
図9に、拡散スクラバ法による大気中のNOX の除去原理を示す。TiO2光触媒粒子
層1を塗布した平行板2によって形成される隙間に汚染された空気3を流すと、拡散係数の大きいNOxガス4は平行板2の内壁面へ拡散する。壁面へ到達したNOxガス4は、TiO2光触媒粒子により生じたHO2、OHラジカルによりNO2、HNO3 に酸化され
、TiO2 光触媒粒子の表面に吸着される。
一方、拡散係数の小さい粒子6は壁面へ拡散しないうちに平行板2の隙間を通過してしまう。平行板2の出口からは粒子6を含む清浄な空気が流出する。粒子6は別途活性炭フィルター等により除去するか、平行板2に汚染された空気を流す前に、粒子のみを予めろ過して除去してもよい。この様に、拡散スクラバ法を用いると、空気を濾過する化学フィルターの原理とは全く異なり、平行板の隙間に空気を流すので通気抵抗が非常に少なく、また、汚染ガスは拡散により平行板の内壁面に強く接触するので小さなエネルギーで大容量の空気を処理できる。
ちなみに、平行板を用いて悪臭成分を分解する脱臭装置を開示している上記の特許文献2(特開平10−286436号公報)では、平行板の狭い間隔を請求項4で0.5〜2.5mmに規定し、2.5mm以上の隙間ではガスの除去効率が低下し、0.8〜1.2mmが望ましいことを記述しているが、ここで規定されている隙間は本発明の空気浄化装置においてGormley-Kennedy理論式に基づく除去効率が1パスで50%以上となるように
設計して定められる実際に使用する隙間として好ましい0.5〜10cm程度と比較してかなり狭い。
結局、Gormley-Kennedy理論式により装置を設計する基本的な拡散スクラバの概念がな
いので、このような経験的な数値が推奨されているに過ぎない。これに対して、本発明のように、拡散スクラバの原理に基づけば、平行板の空気の流れ方向に平行な長さを伸ばしてもっと広い隙間としても有害ガスの除去効率を大きくすることが可能となるのである。
本発明の空気浄化装置は、(1)空気を強制的に光触媒層を通過させるフィルター方式と比べて、通気抵抗が小さいために空気の処理量が極めて大きいこと、(2)空気の処理量を大きくしても有害ガス成分の高い除去効率が得られること、(3)光触媒層を塗布した基板を単に水やアルカリ水溶液を洗浄液として用いて洗浄し、乾燥すれば繰り返し連続して使用できること、(4)安価でかつ軽量な不織布、紙、プラスチックフィルム等のシート材料を光触媒の塗布基材として使用するので、装置の構造がシンプルで軽量であり、携帯可能なこと、(5)既存の空調設備等にも簡単に組み込めること、などの特長を有している。
図1(A)に、本発明の拡散スクラバの原理を用いた空気浄化装置の原理を示す。また、図1(B)に、本発明者らが先に開発した平行板型拡散スクラバを用いた空気浄化装置の原理を示す。図1(B)は、ステンレス鋼等の平行板12、12を向かい合わせて用いた実施形態を示すものであり、平行板の表面に光触媒層1が塗布されている。平行板12の場合は、正面から見て平行板12の長方形の上辺、下辺が有害ガス吸着面である。
平行板の間隔は、平行板の内壁表面が有害ガスに対して理想的な完全吸着面であると仮定すると、図8に模式的に示す拡散スクラバ法におけるGormley-Kennedy理論式により設
定することができる。この小型平行板型装置の大きさは、本体が440×150×38mmとし、TiO2光触媒層を塗布した通気流路面が350×100mm(面積、350c
2)とした基本ユニットの場合、通気流量10リットル/分(風速0.33m/秒)の
条件で、0.5cm程度の平行板の間隔にすれば、ほぼ100%近く有害ガス成分を除去できる。
図1(A)は、前記の平行板に代えて、紙や不織布からなるシート12を用いてプリーツ状の隙間を形成した実施形態を示すものであり、シート12の両面に光触媒層1が塗布されている。図1の正面から奥に向けて光触媒層1に沿って汚染された空気を流す。図1(A)に示すように、プリーツ状の隙間の場合は、正面から見てシート12の二等辺三角形の2つの長辺が有害ガス吸着面となり、平行板と同様に、このシート12の場合も、Gormley-Kennedy理論式により理論除去効率を算出することができる。このように、装置の
サイズはGormley-Kennedy理論式により設計でき、大きなものから小さなものまで可能で
あるが、空気処理量が100〜500m/h程度の場合には、隙間の間隔は1〜3cm程度が適当である。
平行板型拡散スクラバーの理論除去効率は、Gormley及びKennedy(Gormley P., Kennedy M.:Proc. R. Ir. Acad., 52A, 163-169 (1949))によって導かれた以下に示す式によ
って求めることができる。
Figure 2005131553
しかしながら、プリーツ型拡散スクラバーの場合は形状が異なるため、(1)〜(3)式を用いてそのまま求めることができない。そこで、Possanziniら(M. Possanzini et al.:Atmos. Environ., 17, 2605-2610 (1983)))が提唱したレイノルズ数を用いて沈着パラメータを表すことで、プリーツ型拡散スクラバーに対してGormley-Kennedyの式の適用を行った
Figure 2005131553
よって、沈着パラメータμは
Figure 2005131553
と表すことができる。
ここで、(4), (5)式は管状型拡散スクラバーの場合であるため、管の直径dの代わりに
相当直径δの概念を用いることでプリーツ型拡散スクラバーへの応用が可能となる。
Figure 2005131553
従って、図10(B)に示すプリーツ型拡散スクラバーの間隔a及び幅bより算出したδは
Figure 2005131553
を(9)式に代入して、
Figure 2005131553
となる。これを(8)式に代入することでプリーツ型拡散スクラバーの沈着パラメータμは
Figure 2005131553
と表せる。
実際に、奥行きL=60cm, 間隔a=1cm, 幅b=20cmのプリーツ型及び平行板型のNO, NO2理論除去効率を算出すると、平行板型の沈着パラメータは(3)式より、
Figure 2005131553
プリーツ型の沈着パラメータは(11)式より、
Figure 2005131553
と表すことができる。
平行板型拡散スクラバーの場合は(12)式を(2)式へ代入し、プリーツ型拡散スクラバー
の場合は(13)式を(4)式へ代入することで、理論除去効率がそれぞれ算出できる。
結果を表1に示す。(ここでNO, NO2の拡散係数(D)を0.1988, 0.1361とする)
Figure 2005131553
図1から明らかなように、平行板よりもプリーツ状のシートの場合の方が有害ガス吸着面が長くなり、プリーツ状の隙間の間隔が平行板の間隔と同じとした場合、表1に示すように、理論除去効率はかなり大きくなる。また、有害ガス吸着面に光触媒層を使用するには、側面から光源から光5を照射しなければならないが、図1(A)から明らかなように、この場合も、プリーツ状のシートの方が効率よく光触媒層に光が照射される。光源は光触媒層に紫外線を照射することで、光触媒に触媒機能を付与するものであり、紫外線ランプ、ブラックライト、蛍光灯などを利用する。また、太陽光を利用してもよい。これらの光源による光照射下で光触媒層上で、窒素酸化物(NO、NO2)は、NO2又はHNO3
に酸化され、吸着される。有害ガスにより汚染された空気は図示しない空気吸引ファンなどでダクトなどを介して有害ガス処理槽へ流す。清浄化した空気は排気ダクトで装置外へ排出するか、再度ファンによって有害ガス処理槽へ循環させる。
図2は、コシのある紙を光触媒層の基体として利用する場合の一実施形態を示す装置を正面から見た概念図である。このようなシート材料としては、紙を抄く際に光触媒を抄きこんだものや合成樹脂を含浸させた機能紙に光触媒を含ませたもの、ケント紙や段ボール紙などに光触媒を塗布したものなど、フィルタ材料として用いられているものを使用できる。図2の正面から奥に向けてシート12の光触媒層面に沿って汚染された空気3を流す。有害ガス処理槽Sにコシのある紙をプリーツ状に成形したシート12をセットする。シート12の両面には光触媒を塗布してある。一方、図3は、コシのある紙をコルゲート状に成形した複数のシート12を積層して汚染された空気3を流すコルゲート状の隙間を多数形成した実施形態を示す概念図である。このように、コシのある紙を用いれば、フレキシブルな不織布や、プラスチックフイルムと異なりそれ自身でコルゲート状やプリーツ状のシートを形成できるので、従来の空気浄化装置におけるフィルター交換のように有害ガス処理槽S内にセットし、また、使用後は有害ガス処理槽Sから取り出して新しいものに交換できる。
両面に光触媒を塗布した不織布等のフレキシブルな連続シートを用いることによって、さらに、以下に示す構造の空気浄化装置を構成することができる。図4は、その一実施形態を示す装置を正面から見た概念図である。図4の正面から奥に向けてシート12の表面の光触媒層に沿って汚染された空気を流す。フレキシブルなシート12を有害ガス処理槽Sに図示のようにシート12がプリーツ状となるように搬送ローラを用いて送り込む。そのために、フレキシブルなシート12をシート供給ロール13に巻いたものを空気浄化装置にセットできるようにする。また、使用済みのシート12を有害ガス処理槽Sから排出して巻取りロール14で巻き取る。
図5は、さらに別の実施形態を示す装置を正面から見た概念図である。使用したシート12は、まず、洗浄槽15で水やアルカリ水溶液によって洗浄し、次に、熱風を供給できる乾燥槽16で乾燥し、シート供給ロール13に巻き取って、連続的に再使用できるようにすることができる。水やアルカリ水溶液で回収されたNO2 -、NO3 -イオンは、イオン交換樹脂により簡単に処理できる。
フレキシブルな連続シート12を構成する不織布の素材としては、ポリアミド系繊維、ポリエステル系繊維、ポリアルキレンパラオキシベンゾエート系繊維、ポリウレタン系繊維、ポリビニルアルコール系繊維、ポリ塩化ビニリデン系繊維、ポリ塩化ビニル系繊維、ポリアクリロニトリル系繊維、ポリオレフィン系繊維、フェノール系繊維等の合成繊維、ガラス繊維、金属繊維、アルミナ繊維、炭素繊維、活性炭素繊維等の無機繊維、木材パルプ、麻パルプ、コットンリンターパルプ等の天然繊維、再生繊維、あるいはこれらの繊維に撥水性や難燃性等の機能を付与した繊維等いずれでもよい。ただし、UV照射により劣化せず、耐塩基性が優れ、かつ水洗して繰り返し使用できるものが好ましい。
光触媒層は光触媒粒子を紙や不織布表面に塗布したものや練りこんだものによって形成されている。光触媒は特に限定されないが光触媒として代表的な酸化チタンが望ましい。酸化チタン粒子をシートに塗布する場合は、バインダーとしては、二酸化ケイ素又は過酸化ケイ素等のケイ素化合物を主成分とするもの、シリコーン樹脂、弗素樹脂等が挙げられるが、特に、耐酸化性に優れ、かつ透光性を有するポリテトラフルオロエチレンが好ましい。
TiO2光触媒の量に対するバインダーの割合が多くなるとNOx除去効率は低下する
のでバインダーの量は、TiO2光触媒の量に対して1:1より少ないことが望ましい。
少なすぎると十分な接着力が得られないので、1:0.2程度以上が好ましい。
不織布、紙、プラスチックフィルムの表面に光触媒層を塗布するには、光触媒微粒子とバインダーの水分散体からなる塗布液を浸漬法又はロールコーターやスプレー法等の塗布法で紙や不織布の表面に塗布し、乾燥又はポリテトラフルオロエチレンの融点の220℃より低い温度で1〜10分間加熱する。ただし、粗な塗布層を形成できるスプレー法が好ましい。
自動車トンネル、自動車道路沿道、地下駐車場等において、高濃度のNOx等を除去する場合は、空気浄化装置の性能低下を防ぎ、耐久性を保つためには、共存するVOC(ベンゼン、トルエン等)を別途取り除く必要がある。そこで、本発明の空気浄化装置には、その上流部に活性吸着剤などを用いるVOC除去装置を設けたシステム構成とすることが好ましい。このVOC除去装置としては、特に限定されないが、上記の特許文献8,9に開示した本発明者の発明になる平行板型拡散スクラバーを用いて光触媒層に代えて活性炭層を設けた装置を用いてもよく、また、本発明の空気浄化装置と同様な装置を用い、コシのある紙や不織布やプラスチックフィルムからなるシート面に光触媒層に代えて活性炭吸着層を設けて波型やプリーツ状型に成形したものや紙や不織布やプラスチックフィルムに代えて活性炭繊維シートを用いて波型やプリーツ状型に成形したものを用いてもよい。
TiO2光触媒粒子(石原産業社製ST-01 )とポリテトラフロロエチレンバインダー(
信州セラミックス社製)とを重量比1:1で混合してアセトンに分散し、これをポリプロピレン製の不織布(クレシア社製)の両面に均一にスプレーして乾燥した。これを、図2に示すように、プリーツ状の隙間が形成されるように有害ガス処理槽内にセットした。この処理槽の大きさは、200(幅)×600(奥行)×50(高さ)mmとし、通気流路断面が200(幅)×50(高さ)mm(面積、100cm2)となっている。二等辺三
角形の高さを20cmとし、上記のGormley-Kennedyの理論式を用いて、空気流速1m/
sの場合、NOxの除去効率を90%としてプリーツの最大幅の間隔を1cmとした。
この装置により、NOxの除去実験を行った。評価試験は、NOの標準ガスボンベより供給されたNOガスを、清浄空気により3ppmの濃度レベルに希釈した。この希釈されたNOガスを有害ガス処理槽の両側に配置したブラックライト(ナショナルブラックライトFL20S−BL−B,20W、2本)を点灯していない状態で、有害ガス処理槽へ通気流量150L/minの割合で導入し、装置を通過後のガスのNO濃度を測定した。処理装置入口、出口のNO濃度が一致したのを確認した後にブラックライトを点灯し、ブラックライト点灯後の処理装置出口のNO、NOx濃度の変化から処理装置によるNO,NOxの除去効率を算出した。図6(a)、(b)にそれぞれNO,NOxの除去効率を示す。
3ppmのNOに対して、初期の除去効率は99%、2時間のNO通気後でも除去効率は80%以上であることが確認できた。NOxの除去効率は2時間のNO通気後で80%弱であった。2時間のNO通気後、TiO2光触媒粒子層をポリテトラフロロエチレンバ
インダーを用いて表面に塗布した不織布を水洗し乾燥してから繰り返し実験を行った。20回の実験を通して、NOの除去効率の低下は起こらず、実用性に問題がないことが明らかとなった。
本発明の拡散スクラバーの原理を利用した空気浄化装置の構造は根本的に簡便であり、既存の空調施設等に簡単に組み込むことができ、従って、温度・湿度の調整の為に行って
きたビル等における空調と同時に本装置により有害ガス成分を除去処理し、質の高い生活環境を提供することができる。又、本装置はビルの空調設備に組み込むばかりでなく、VOCの除去装置と組み合わせることにより自動車トンネル、地下駐車場、工事車両からの窒素酸化物の効率的な除去処理が行える。更に、装置自身は簡単に小型化できるので、一般家庭での可搬型空気浄化装置としても使用できること等極めて応用範囲が多岐に亘る。
本発明の拡散スクラバの原理を用いた空気浄化装置の原理(A)と従来の平行板拡散スクラバの原理(B)を示す概念図である。 本発明の拡散スクラバの原理を用いた空気浄化装置のプリーツ状の隙間を形成した一実施形態を示す概念図である。 本発明の拡散スクラバの原理を用いた空気浄化装置のコルゲート状の隙間を形成した一実施形態を示す概念図である。 本発明の拡散スクラバの原理を用いた空気浄化装置のフレキシブルな連続シートを用いてプリーツ状の隙間を形成した一実施形態を示す概念図である。 本発明の拡散スクラバの原理を用いた空気浄化装置のフレキシブルな連続シートを用いてプリーツ状の隙間を形成したさらに別の実施形態を示す概念図である。 実施例1のNO(A)及びNOx(B)除去効率を示すグラフである。 従来の平行板型拡散スクラバ装置の平行板ユニットの概念斜視図である Gormley-Kennedy理論式に基づく大気中のガス成分の除去効率の算出式のための拡散スクラバ法の模式図である。 平行板型拡散スクラバ装置の原理を示す模式図である。 Gormley及びKennedy理論式に基づく大気中のガス成分の除去効率の算出式のための拡散スクラバの寸法の取り方を示す図である。

Claims (10)

  1. 有害ガス処理槽において、光触媒層を設けた基板表面に沿って空気を1回だけ、又は循環させて流して空気中の有害ガスを光触媒層で分解し空気中から除去する空気浄化装置において、基板として表面に光触媒層を設けた不織布、紙、プラスチックスフィルムのいずれかからなるシート材料を用いてコルゲート状又はプリーツ状の空気を流す隙間を形成し、かつその隙間の間隔を拡散スクラバとしてのGormley-Kennedy理論式に基づく空気中の有
    害ガスの除去効率が1回空気を流して50%以上となるように設計し、この隙間に空気を流し、拡散係数の小さい粒子は隙間をそのまま通過して排出され、光触媒層に拡散してきた空気中の有害ガスを分解除去するようにしたことを特徴とする空気浄化装置。
  2. 基板としてコシのある紙を用いてコルゲート状又はプリーツ状の隙間が形成されていることを特徴とする請求項1記載の空気浄化装置。
  3. 基板としてフレキシブルな不織布又はプラスチックスフィルムからなる連続シートを用いてプリーツ状の隙間が形成されていることを特徴とする請求項1記載の空気浄化装置。
  4. ロールに巻いたフレキシブルな不織布又はプラスチックスフィルムを有害ガス処理槽に供給し、かつ該処理槽から排出してロールに巻き取るようにしたことを特徴とする請求項3記載の空気浄化装置。
  5. 排出した不織布又はプラスチックスフィルムを洗浄する洗浄槽及び洗浄後に乾燥する乾燥槽を備えたことを特徴とする請求項4記載の空気浄化装置。
  6. TiO2光触媒粒子からなる塗布層がフッ素樹脂バインダーによって不織布、紙、プラス
    チックスフィルムのいずれかからなるシート材料の表面に形成されていることを特徴とする請求項1記載の空気浄化装置。
  7. フッ素樹脂がポリテトラフロロエチレンであることを特徴とする請求項6記載の空気浄化装置。
  8. TiO2光触媒粒子からなる塗布層がスプレー法により形成されていることを特徴とする
    請求項6または7記載の空気浄化装置。
  9. 請求項1ないし8のいずれかに記載の空気清浄装置とその前段に設けたVOC除去装置とからなる空気浄化システム。
  10. VOC除去装置が活性炭繊維を吸着剤として用いる拡散スクラバー装置であることを特徴とする請求項9記載の空気浄化システム。
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