JP4201465B2 - 窒素酸化物の処理装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、例えば自動車道路用トンネルの換気空気から大気汚染物質である窒素酸化物(NOX:一酸化窒素NO、二酸化窒素NO2の総称)を除去する窒素酸化物の処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
大都市でのNOXによる大気汚染は依然として深刻な問題である。このNOXによる大気汚染の原因は主として自動車、特にディーゼル車からの排気ガスにあると言われており、市街地域では道路交差点周辺の大気のNOX濃度は0.2〜0.3ppm、また自動車道路用トンネルの換気ガスでは1〜2ppmのNOXを含み、周辺環境への大きな汚染源になっている。このため、自動車エンジンのNOX低減対策とは別に、環境側でも大気浄化対策としてNOXの除去技術に関して様々な研究がなされている。
【0003】
また、自動車の排気ガスが汚染源となるトンネル換気ガス中のNOXの組成を調査した結果では、NOとNO2の比率が約9:1でNOが大半を占めており、この観点から大気中からNOXを除去するには、その主成分であるNOを常温のままで大量に処理できる技術の確立が求められている。
【0004】
一方、前記したNOXを含む汚染空気を処理する技術として、最近になり光触媒作用を利用した酸化的除去法が注目を集めている。この処理方法は光触媒として主にTiO2を用い、光触媒シートに400nm以下の紫外光を含む太陽光、または光化学ランプで照射し、光触媒の表面に生成したOHラジカル(OH*),スーパーオキシドアニオン(O2 - )などによりNOXを硝酸イオン(NO3 - )まで酸化してTiO2表面に捕捉しようとするものである。このときにNOは、
NO → NO2→ NO3 -
というように2段階で酸化される。なお、NO3 - を表面に捕捉したTiO2は、その捕捉量が増加するにつれて光触媒活性が低下するが、例えば降雨,シャワーなどによりTiO2を水洗浄することで、表面に捕捉されていたNO3 - は洗浄水へ移行して光触媒活性は回復するようになる。
【0005】
また、発明者等はNOXを含む被処理ガスの処理方法として、先記の光触媒と同じTiO2を主成分とするシートを吸着材として光照射せずにNOXを流すと、NOとNO2が等量ずつ同時に吸着除去される現象(以下「等モル吸着」と呼称する)を見出し、これを基にして前段処理ではオゾン,あるいは光照射による光触媒作用により、被処理ガス中(汚染空気)のNOをNO2に酸化してNOとNO2の濃度バランスを調整し、後段処理では前記の光触媒と同じ材料を用いたシート状の吸着材にNOとNO2を等モルずつ吸着させてNOXを効率よくを除去するようにした処理方法、および被処理ガスの通風経路に沿って布設した前記吸着材の前半領域を光照射ゾーンとしてここに波長400nm以下の紫外光を照射してNOをNO2に酸化し、後半領域の非照射ゾーン(紫外光を照射しない)でNOとNO2を等モルずつ吸着させるように光照射ゾーンと非照射ゾーンを組合せた処理方法を特開平11−9957号公報において提案している。この処理方法では、非照射ゾーンに対する光照射が不要で光エネルギーの投入が必要なく安価なランニングコストで汚染空気を処理できる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、前記提案のようにTiO2などを主成分とするシート前半の光照射ゾーンに紫外光を照射してその光触媒作用により被処理ガス(汚染空気:NOX組成のNOとNO2との比が約9:1)におけるNOとNO2の濃度バランスを整え、後半の非照射ゾーンでNOとNO2を等モル除去するようにした処理方法では、次のような解決すべき課題がある。
【0007】
すなわち、後半の非照射ゾーンでNOとNO2を効率よく吸着させるには、この非照射ゾーンでの入口側(=光照射ゾーン出口側)において、ここを流れる被処理ガスのNOX組成がNO:NO2≒1:1であることが望ましい。
【0008】
ところが、光照射ゾーンでのTiO2の光触媒としての酸化能力は一定ではなく、被処理ガスの相対湿度によっても変動することが知られている。そのために、当初に光照射ゾーンのシート全域に占める比率を、その光照射ゾーンの出口(=非照射ゾーンの入口)におけるNOX組成がNO:NO2≒1:1となるように設定したとしても、気象条件などで被処理ガスの湿度が変動したりすると、非照射ゾーンに移行する被処理ガスのNOX組成も変化するために非照射ゾーンでNOXを高い効率で等モル吸着させることが困難となる。
【0009】
したがって、前記提案の処理方法を汚染空気の浄化に実用化するには、被処理ガスの湿度変化などの影響でTiO2シートの光照射ゾーンの酸化能力に変動があっても、この光照射ゾーンを通過して下流側の非照射ゾーンに移行する被処理ガスのNOX組成がNO:NO2≒1:1となるように濃度バランスを調整させることが課題になる。
【0010】
本発明は上記の点に鑑みなされたものであり、TiO2を主成分とするシートに光照射ゾーンと非照射ゾーンを設定してここに流す被処理ガスからNOXを除去して浄化する処理方式について、被処理ガスの湿度変化などの周囲条件に左右されることなく、非照射ゾーンで効率よくNOX除去が行えるように改良した窒素酸化物の処理装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明によれば、被処理ガスの導風路に沿ってTiO2を主成分とするシートを布設し、その前半領域を光照射ゾーンとして波長400nm以下の紫外光を照射してここに流れる被処理ガス中のNOXを光触媒作用により酸化して捕捉し、後半領域を非照射ゾーンとして光照射せずにNOとNO2を同モルずつ吸着させるようにし、前記シートの光照射ゾーンと非照射ゾーンとの比率を可変とした上で、光照射ゾーンの領域をその出口端で測定したNOXとNO2の比率(NO2/NOX)が0.3〜0.8となるように設定してNOXを処理するようにした窒素酸化物の処理装置において、
前記被処理ガスの導風路に沿って、TiO 2 を主成分とする複数段の除去モジュール,および各段の除去モジュールに波長400nm以下の紫外光を照射するランプモジュールを配列し、かつ被処理ガスのNO X 組成を光照射した各段の除去モジュールの出口側で測定する複数個のモニタを設置してなり、前記除去モジュールを光照射した状態で、前記複数個のモニタで検出したNO X とNO 2 の比率(NO 2 /NO X )の値が0.3〜0.8の範囲で0.5に最も近い値を示すモニタの設置地点の上流側の除去モジュールを光照射ゾーン,下流側の除去モジュールを非照射ゾーンとしてこれに合わせてランプモジュールを点灯制御するように構成したものとする(請求項1)。
【0012】
先記のようにTiO2を主成分とした光触媒によるNOの酸化は、
NO → NO2→ NO3 -
の2段階からなる。この2段階の反応はいずれも紫外光の照射が関与し、光照射によって生成した活性酸素種により反応が進行するが、最初の反応であるNO→NO2は反応が非常に速いのに対し、NO2→NO3 - の反応は速度が遅い。この理由は、NO→NO2に関与する活性酸素種とNO2→NO3 - の反応に関与する活性酸素種とが異なることが考えられる。このために、シート全域に紫外光を照射して光触媒作用だけで単独処理すると、NO2の一部はNO3 - まで酸化されずにTiO2表面を離脱し、そのまま気相中に放出されることがある。この現象は特に被処理ガスの相対湿度の影響を受け易く、相対湿度が高いとNOがNO3 - まで酸化が進行せずにNO2に酸化されたところで気相中に放出される割合が多くなる。
【0013】
かかる点、本発明によれば、光照射ゾーンと非照射ゾーンの比率を可変とした上で、その被処理ガスの通風経路上で、複数個のモニタで検出したNOXとNO2の比率(NO2/NOX)の値が0.3〜0.8の範囲で0.5に最も近い値を示すモニタの設置地点を境にして上流側を光照射ゾーン,下流側を非照射ゾーンに設定するようにしたので、湿度の周囲条件に左右されることなく、光照射ゾーンを通過して非照射ゾーンに流れる被処理ガスのNOX組成は常にNO:NO2≒1:1となる。これにより非照射ゾーンではNOとNO2が効率よく等モル吸着されるようになり、この非照射ゾーンと光照射ゾーンとの組合せでトータル的にNOXを効率よく除去できる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図示実施例に基づいて説明する。
【0015】
図1はNOX処理装置の構成図であり、図において、1は被処理ガス(汚染空気)の通風路(例えば自動車道路トンネルの換気風路)に接続した処理装置のハウジングであり、その内部には導風路に沿ってTiO2を主成分とするシート状の材料で構成された複数段(#1,#2,#3,..,#n)の除去モジュール2と、各段の除去モジュール2に向けて波長400nm以下の紫外光を照射するランプモジュール3とが交互に配置された構成になり、さらに各段の除去モジュール2の間には窒素酸化物の組成,濃度を計測するモニタ(窒素酸化物濃度計)4から引出したガスサンプリング口4aが開口している。
【0016】
ここで、各段の除去モジュール2は、例えばTiO2とポリテトラフルオロエチレン(PTFE)の粉末とを混合,圧延してシート化したものをプラスチック板等の基板の両面に貼り付けたものを用いる。また、ランプモジュール3には、例えば光化学用ランプ(中心波長352nm)3aを1〜数本組み込んでその上流側に隣接する除去モジュール2に向けて紫外光を照射するようにした構成になる。
【0017】
かかる構成の処理装置で汚染空気からNOXを除去して浄化するには、基本的に前後段に並ぶ複数段の除去モジュール2(#1〜#n)と個々に対応するランプモジュール3のうち、上流側に並ぶランプモジュール3のランプ3aを点灯して除去モジュール2に紫外光を照射し、光照射を受けた除去モジュール2を光触媒として機能させる(光照射ゾーン)。また、下流側に並ぶ後段のランプモジュール3はランプ3aを点灯せず、これに対応する除去モジュール2を等モル吸着材として使用する(非照射ゾーン)。
【0018】
一方、処理装置に被処理ガスを通風してNOX処理をおこなっている稼働状態では、光照射を受けている除去モジュール2ごとにその下流側に配したガスサンプリング口4aを通じて採取した被処理ガスをモニタ4に導き、ここで各段の除去モジュール2を流れる被処理ガスのNOX組成,濃度を測定し、このモニタ4での測定データを基に、後記のような条件で各段のランプモジュール3のランプ3aを点灯制御して前記した光照射ゾーンと非照射ゾーンの比率をその時の状態に合わせて適正に設定する。
【0019】
ここで、本発明の処理方法を検証するために行った実験例について述べる。この実験装置では、除去モジュールとして、TiO2(70重量%)とPTFE粉末(30重量%)とを混合.圧延してシート化して30×60cmの塩ビ板の両面に貼り付けたものを供試試料として用意し、これを導風通路に沿い一定の間隔をおいて25枚配列した。また、ランプモジュールとしては20wの光化学用ランプを1本用い、これを前記した除去モジュールの間に配置した。一方、被処理ガスには自動車道路のトンネル内から採取した汚染空気を使用した。そして、ランプモジュールのランプを点灯した状態で被処理ガスを流し、この状態で図1に示したモニタ(窒素酸化物濃度計)により各段の除去モジュールの出口側からガスを採取してそのNOX組成,濃度を測定した。
【0020】
図2は前記の実験で測定したデータを基にして各段の除去モジュールに沿ったNOX組成の分布図であり、縦軸は装置入口のNOX濃度を1としたときのNO,NO2の比率、横軸は光照射を行っている除去モジュールの段数(1〜16段)であり、図中に表した各特性線が各段数の除去モジュールごとにその出口側で測定したNOX,NO,NO2の組成比率を表している。
【0021】
この図では、入口端における汚染空気のNOXの組成は、NOが約85%、NO2が約15%であるが、装置内の導風路を進むにつれて光照射した除去モジュールの光触媒作用によりNOX,NOは濃度が急激に減少している。これに対して、NO2は最初の数段を通過する過程で濃度が僅かに低下するものの、その後段では濃度が上昇に転じてから緩やかに減少している。このようにNO2の濃度が経路の途中で上昇するのは、前にも述べたように、NO→NO2の反応に比べてNO2→NO3 - の反応速度が遅く、NOから転換したNO2がNO3 - に酸化して除去モジュールの表面に吸着される前に離脱して気相中に放出されることによると推定される。
【0022】
また、図2のケースでは、入口から数えて7段目の除去モジュールの出口側においてNO:NO2が約1:1になっている。そこで、この地点を起点としてその上流側に並ぶ1〜7段までを光照射ゾーンとして、この範囲に並ぶ除去モジュールに対応するランプモジュールのランプを点灯し、8段以降を非照射ゾーンとしてこの領域に並ぶランプモジュールのランプを消灯すれば、光照射ゾーンを通過して後段の非照射ゾーンに移行する被処理ガスの組成はNO:NO2≒1:1となるので、これにより非照射ゾーンの除去モジュールでは、NOとNO2が等モルずつ効率よく吸着されるようになる。
【0023】
次に、被処理ガスのNOとNO2の比率を様々に変えた場合に非照射ゾーンのNOX除去率に及ぼす影響を検証するために次のような実験を行った。この実験では、等モル吸着材料として前記と同様にTiO2(70重量%)とPTFE粉末(30重量%)とを混合,圧延してサイズ5×30cmのシートを供試試料とし、被処理ガスとしてはNOとNO2の比率を様々に変えた標準ガスを精製空気で希釈し、3ppmに調整した模擬ガスを用いた。そして、光照射は行わずに入口から前記模擬ガスを流して等モル吸着効果を調べた。
【0024】
図3はこの実験から得た特性図であり、入口におけるNO2/NOXが0.5〜0.6、つまりNO:NO2が1:1〜1:1.5でNOX除去率が最大(約70%)を示しているが、NO2/NOXが0.3〜0.8の範囲でも除去率の低下は僅かで比較的高い除去率(50%)を維持していることが判る。
【0025】
さらに、発明者等は光照射ゾーンに流れる被処理ガスの相対湿度が、光触媒として機能する除去モジュールの酸化能力に及ぼす影響を調べるために次のような実験を行った。この実験では、前記実験と同じくTiO2(70重量%)とPTFE粉末(30重量%)とを混合,圧延してサイズ5×30cmのシートを供試試料とし、被処理ガスとしてはNOのみの標準ガスを精製空気で3ppmに調整した模擬汚染ガスを用いた。そして、紫外光の光源としてUV強度1.1〜1.5w/cm2 のランプを使用してシートに照射し、被処理ガスの湿度を様々に変えた条件でNOの転換率,およびNOXの除去率を出口側で測定した。
【0026】
図4はこの実験から得た特性図であり、図示のようにNO転換率は被処理ガスの相対湿度の影響を殆ど受けることがないが、NOX除去率は湿度によって大きく影響を受けることが判る。なお、NO転換率(%)、NOX除去率(%)は次のように定義する。
【0027】
NO転換率=〔(入口NO濃度一出口NO濃度)/入口NO濃度〕×100
NOX除去率=〔(入口NOX濃度一出口NOX濃度)/入口NOX濃度〕
×100
この実験ではNOの標準ガスを希釈して入口ガスとしているので、入口ではNOがそのままNOXとなる。また、NO転換率は入口から供給したNOが光触媒との反応により何らかの作用を受けた割合であり、その作用はNOがNO2に酸化されてガス中に放出されるか、NO2がNO3 - に酸化されてTiO2のシート表面に吸着,捕捉されるかのいずれかである。これに対して、NOX除去率はNOが光触媒作用によりNO3 - まで酸化が進んでTiO2シートの表面に捕捉された割合を表している。
【0028】
そして、図4から判ることは、NO→NO2→NO3 - の2段階反応において、前半のNO→NO2の反応は湿度の影響を殆ど受けないが、NO2→NO3 - の反応は湿度が大きく影響することである。これを図2に示したNOX比率の分布図に当てはめると、被処理ガスの相対湿度が高い場合には、NOの減少傾向は変わらないものの、NO2濃度は図2と比べて入口により近い段数から上昇するようになる。
【0029】
ところで、このような高湿度の状況でも、先述のように図1におけるモニタ4での測定データから、光照射ゾーンの領域に並ぶ除去モジュールおいて、NOXとNO2との比率(NO2/NOX)が0.3〜0.8の範囲で0.5に最も近い段数を確認した上で、その段数に対応する除去モジュールを境にそれよりも上流側(入口側)を光照射ゾーンに設定してこの領域のランプモジュール3のランプ3aを点灯して除去モジュール2に紫外光を照射し、下流側(出口側)を非照射ゾーンとしてこの領域に配列したランプモジュール3のランプを消灯する。これにより、除去モジュール2を光触媒として使用する光照射ゾーンと、除去モジュール2を等モル吸着材として使用する非照射ゾーンの比率が当初の設定から変わり、入口から光照射ゾーンを通過して非照射ゾーンに移行する被処理ガスのNOX組成はNO:NO2≒1:1となる。これにより、非照射ゾーンの領域に並ぶ除去モジュール2では、NOとNO2が効率よく等モル吸着されることになり、その結果として汚染空気のNOXを処理装置内で効率よく除去し、NOXを殆ど含まない清浄空気として送り出すことができる。
【0030】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明によれば、被処理ガスの導風路に沿ってTiO2を主成分とするシートを布設し、その前半領域を光照射ゾーンとして波長400nm以下の紫外光を照射してここに流れる被処理ガス中のNO X を光触媒作用により酸化して捕捉し、後半領域を非照射ゾーンとして光照射せずにNOとNO 2 を同モルずつ吸着させるようにし、前記シートの光照射ゾーンと非照射ゾーンとの比率を可変とした上で、光照射ゾーンの領域をその出口端で測定したNOXとNO2の比率(NO2/NOX)が0.3〜0.8となるように設定してNOXを処理するようにした窒素酸化物の処理装置において、前記被処理ガスの導風路に沿って、TiO 2 を主成分とする複数段の除去モジュール,および各段の除去モジュールに波長400nm以下の紫外光を照射するランプモジュールを配列し、かつ被処理ガスのNO X 組成を光照射した各段の除去モジュールの出口側で測定する複数個のモニタを設置してなり、前記除去モジュールを光照射した状態で、前記複数個のモニタで検出したNO X とNO 2 の比率(NO 2 /NO X )の値が0.3〜0.8の範囲で0.5に最も近い値を示すモニタの設置地点の上流側の除去モジュールを光照射ゾーン,下流側の除去モジュールを非照射ゾーンとしてこれに合わせてランプモジュールを点灯制御するように構成したことにより、被処理ガスのNOX組成,相対湿度の変化に伴うTiO2の酸化能力などに変動があっても非照射ゾーンでNOXのNOとNO2を効率よく等モル吸着させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例による窒素酸化物処理装置の構成断面図
【図2】 図1の構成で、除去モジュールに光照射を行った状態での除去モジュール段数と各段に対応するNOX組成比率の変化を表す図
【図3】 非照射の除去モジュールに対する被処理ガスのNO2/NOX比率とNOX除去率との関係を表す図
【図4】 光照射の除去モジュールに対する被処理ガスの相対湿度と光触媒の酸化能力との関係を表す図
【符号の説明】
2 除去モジュール
3 ランプモジュール
3a ランプ
4 モニタ(窒素酸化物濃度計)
4a ガスサンプリング口
Claims (1)
- 被処理ガスの導風路に沿ってTiO2を主成分とするシートを布設し、その前半領域を光照射ゾーンとして波長400nm以下の紫外光を照射してここに流れる被処理ガス中のNOXを光触媒作用により酸化して捕捉し、後半領域を非照射ゾーンとして光照射せずにNOとNO2を同モルずつ吸着させるようにし、前記シートの光照射ゾーンと非照射ゾーンとの比率を可変とした上で、光照射ゾーンの領域をその出口端で測定したNOXとNO2の比率(NO2/NOX)が0.3〜0.8となるように設定してNOXを処理するようにした窒素酸化物の処理装置において、
前記被処理ガスの導風路に沿って、TiO 2 を主成分とする複数段の除去モジュール,および各段の除去モジュールに波長400nm以下の紫外光を照射するランプモジュールを配列し、かつ被処理ガスのNO X 組成を光照射した各段の除去モジュールの出口側で測定する複数個のモニタを設置してなり、前記除去モジュールを光照射した状態で、前記複数個のモニタで検出したNO X とNO 2 の比率(NO 2 /NO X )の値が0.3〜0.8の範囲で0.5に最も近い値を示すモニタの設置地点の上流側の除去モジュールを光照射ゾーン,下流側の除去モジュールを非照射ゾーンとしてこれに合わせてランプモジュールを点灯制御するように構成したことを特徴とする窒素酸化物の処理装置。
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JP2000216150A JP4201465B2 (ja) | 2000-07-17 | 2000-07-17 | 窒素酸化物の処理装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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