JP3476302B2 - 有害ガスの除去方法及び装置 - Google Patents

有害ガスの除去方法及び装置

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、有害ガスの除去方
法及び装置に係り、特に、大気中や各種の気体中の有害
ガスを除去する方法及び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の技術を各種の工業や産業における
NOx、SOx及びタバコ臭等の有害ガスを例に説明す
る。先ず、各種の工業及び産業における排ガス及び自動
車の排ガスの大気中への放出については、公害防止の観
点から法的その他の規制措置がとられており、特に窒素
酸化物及び硫黄酸化物については、酸性雨や光化学スモ
ッグの原因物質としてその排出は厳しく制限されてい
る。排出規制の対象とされている排ガス中の窒素酸化物
(NOx)や硫黄酸化物(SOx)の処理技術は、従来
多くの方式が提案されているが、実用的には種々の課題
がある。たとえば、従来の排ガスの脱硝技術としては、
アンモニア添加による還元法、触媒を使用する還元法、
放射線照射法等が提案されている。
【0003】従来のこれらの方法は、夫々次のような問
題点がある。 アンモニア添加による還元法:脱硝効
果が低い。 触媒を使用する還元法:連続的に使用し
た場合触媒性能が低下する。触媒として金属、貴金属を
用いているので、省資源の観点から見直す必要がある。
ダストの酸性物質の影響を受けやすい。 放射線照射
法:硝安や硫安のような二次生成物を大量に生ずるの
で、別途副生成物の処理が必要である。また、これらの
いずれの方法もアンモニアの添加を行うので、脱硝反応
で消費されないアンモニアはリークアンモニアとして排
出され、二次公害となる。また、アンモニアの使用、省
資源の観点から見直す必要がある。
【0004】また、これらの有害ガスは一度大気中へ放
出されると、除去困難であり、大気中においても除去で
きる新規方法及び装置の出現が期待されている。次に、
家庭や事務所において喫煙により発生したNOxを含む
有害ガス(臭気性ガスを含む)について説明する。これ
らの物質は、一般にいわゆるタバコ臭として問題にされ
ており、臭気はもちろんその有害性(例、発ガン性)の
ため捕集・除去の要求が近年特に高まっている。これら
の捕集・除去には、活性炭や植物精油を使用したもの等
種々の除去材を使用する方法や装置の提案があるが、こ
れらの除去材はいずれも性能が不十分であり、新規方法
・装置の出現が期待されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記した従
来技術の問題点を解決し、取扱い易く、コンパクトで安
価で、しかも利用先によっては大気中においても効果的
な有害ガスの除去ができる除去方法とその装置を提供す
ることを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明では、気体中の有害ガスを除去する方法にお
いて、該気体を、表面に50nm〜100nm未満の厚
さの光触媒を担持させた光透過性支持体の表面に、裏面
から光を照射させながら接触させることとしたものであ
る。また、本発明では、気体中の有害ガスを除去する装
置において、表面に50nm〜100nm未満の厚さの
光触媒を担持させた光透過性支持体と、該支持体の裏面
から光を照射する光源とを有することとしたものであ
る。
【0007】このように、本発明では、光透過性支持体
の表面に光触媒を担持させ、該裏面より光触媒に光を照
射するものであり、この際の光触媒の厚さが20〜20
0nm、好ましくは50〜100nmとした点にある。
すなわち、裏面から光照射を行う本発明の表面の光触媒
膜の厚みは、薄すぎると、光を十分に吸収できない。一
方、厚すぎると、膜中で生じた光キャリヤーが表面まで
拡散できないために、触媒活性が低下する。従って、最
適値が存在することになる。この最適範囲について、本
発明者らは鋭意研究したところ20〜200nm、特に
50〜100nmで顕著な活性があることを見い出し本
発明に至った。
【0008】
【発明の実施の形態】次に、本発明の各構成を詳細に説
明する。本発明において、照射する光は紫外光及び/又
は可視光が使用でき、太陽光でも人工光でもよい。ここ
での光の照射は、下記支持体の表面に被覆した光触媒
に、該支持体内部に導入した光、すなわち被覆した光触
媒に対して裏面から光照射するものである。光透過性支
持体の材料としては、紫外光及び/又は可視光透過率が
大きなもので有れば何でも用いることができるが、特に
耐光性に優れた石英ガラス、パイレックスガラス、ソー
ダライムガラスなどのガラス材を好適に用いることがで
きる。形状は、板状、シート状、曲面状、柱状、棒状、
線状、網状、格子状、ファイバー状等が使用できる。光
透過性支持体の厚さや太さは、薄いほどあるいは細けれ
ば細い程良いが、強度的には0.1mm以上の厚さ、あ
るいはφ0.1mm以上であることが望ましい。また、
上限は無いが、厚いほど、また太くなるほどファイバー
の体積当りの光反応効率は低下することになるが、用途
によっては10mm程度でも使用することができる。
【0009】また、これらの材料の表面形状は、本発明
者らが既に提案したように、該表面を凹凸状(粗面化)
とすることもできる(特願平6−174898号)。す
なわち、粗面化により反応速度が向上するので、利用分
野や装置形状、規模、要求性能などによっては好適に用
いることができる。上記の粗面化支持体を用いた光触媒
による作用が効果的になる理由は次の2つの効果に起因
するものである。1つは、平滑表面支持体を用いる場合
に比べて、本発明では表面の凹凸状支持体によって光反
応面積が一層増大することである。他の1つは、光が該
表面の凹凸で散乱されるために、有効に光触媒としての
半導体によって吸収されることである。
【0010】なお、光透過性支持体表面の粗面化法とし
ては、特に限定されず、HF水溶液による化学的エッチ
ング及び研磨材による物理的なスリ加工などを用いれば
良い。凹凸のディメンジョンとしては、紫外及び/又は
可視光を散乱するために、約200nm以上が必要にな
る。しかし、凹凸サイズが大きすぎると、反応表面積が
小さくなることから、効率は低下することになる。その
結果、上限は0.1mmであることが望ましい。光透過
性支持体上に担持する光触媒の種類は、対象となる有害
ガス及び光源の種類などを考慮の上、選定することがで
きる。光触媒活性の高さと化学的な安定性から、現在最
も広範に用いられている光触媒はTiO2 であり、本発
明に好適に使用することができる。しかしながら、本発
明に使用される光触媒はこれに限定されることなく、従
来光触媒として知られているものは如何なるものでも使
用することができる。
【0011】通常半導体材料が効果的であり容易に入手
出来、加工性も良いことから好ましい。効果や経済性の
面から、Se,Ge,Si,Ti,Zn,Cu,Al,
Sn,Ga,In,P,As,Sb,C,Cd,S,T
e,Ni,Fe,Co,Ag,Mo,Sr,W,Cr,
Ba,Pbのいずれか、又はこれらの化合物、又は合
金、又は酸化物が好ましく、これらは単独で、また二種
類以上を複合して用いる。例えば、元素としてはSi,
Ge,Se、化合物としてはAlP,AlAg,Ga
P,AlSb,GaAs,InP,GaSb,InA
s,InSb,CdS,CdSe,ZnS,MoS2
WTe2 ,Cr2 Te3 ,MoTe,Cu2 S,W
2 、酸化物としてはTiO2 ,Bi2 3 ,CuO,
Cu2 O,ZnO,MoO3 ,InO3 ,Ag2 O,P
bO,SrTiO3 ,BaTiO3 ,Co34 ,Fe
2 3 ,NiO等がある。
【0012】これらの光触媒の使用においては、白金、
金、パラジウム、銀より選択された1種類以上の貴金属
を0.01〜20重量%、好ましくは0.1〜2.5重
量%加えると、効果的となるので、利用先装置規模、形
状、構造、要求性能によっては適宜予備実験を行い用い
ることができる。上記の光触媒の使用においては、電場
下で行うと効果的である。電場の強さは、1V/cm〜
10KV/cm、通常10V/cm〜1kV/cmであ
る。電場は、光触媒の近傍に線状、網状、棒状、格子状
など、適宜の電極材を設置し、該光触媒との間に電圧を
印加することにより設定でき、光触媒や電極材の形状な
どにより、適宜予備試験を行い、適正条件を選び行うこ
とができる。光触媒や支持体の種類、形状、電場の有無
やその強さは、利用分野、処理対象物質の種類や濃度、
光源の種類、要求性能等により適宜予備試験を行い決め
ることができる。
【0013】次に、光を照射する光源について説明す
る。光源は、光触媒を励起する波長を有するものであれ
ば、何れでも良く、低圧水銀灯、中圧水銀灯、高圧水銀
灯、キセノン灯等が使用でき、また利用先によっては、
太陽光が適宜利用できる。光源の位置は、適用分野、光
源の種類、装置形状により適宜に選択することができ
る。通常、反応器の中心部に光源を設置すると、光源か
ら放射状に放出される光が全て有効利用されるので好ま
しい。また、利用先によっては、適宜周知の有害ガス除
去手段と組合せて用いることができる。周知の有害ガス
除去手段としては、活性炭、活性炭素繊維、ゼオライ
ト、イオン交換フィルター(繊維)、有機高分子ポリマ
ー(有機高分子ビーズ)などがある。
【0014】また、本発明者らがすでに提案した複合酸
化物系触媒を用いる手段(特願平4−332167号、
特願平4−357780号、特願平5−216859
号)も、利用分野によっては適宜に用いることができ
る。これらの用い方として、通常処理有害ガスが比較的
高い場合、あるいは処理ガスの種類が多い場合、予めこ
れらの手段である程度有害ガスの除去を行い、次に本発
明の手段により除去を行う。これにより、濃度の高い被
処理気体や、多成分系の複雑な有害ガスも高効率に処理
でき、超清浄な気体や空間を効果的に得ることができ
る。
【0015】
【実施例】以下、本発明を実施例により具体的に説明す
るが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではな
い。 実施例1 本発明の有害ガス除去装置の基本構成図を図1に示し、
これを用いて病院における空気清浄について説明する。
図1において、喫煙2等に起因した微粒子(粒子状物
質)及び有害ガス(臭気性ガスを含み、例えば、タール
などの炭化水素類、アルデヒド類、ケトン類、ピリジン
類、ピロール類、ニトリル類、窒素酸化物、アンモニア
等)3が発生している。空気清浄は、室の側面の中央部
に設置された前処理フィルタ4、静電フィルタ5、活性
炭6、イオン交換フィルタ7、及び本発明の光触媒を担
持させた光触媒担持体8、紫外線ランプ9、ファン10
よりなる空気清浄器11にて実施される。
【0016】上記光触媒担持体8は、多数の棒状(ロッ
ド)石英ガラス表面に、80nmの厚さでTiO2 を被
覆したもので、紫外線ランプ9からの紫外線は棒状石英
ガラスの中を通して、該石英ガラス表面のTiO2 を励
起し、光触媒として活性化する。図1(b)に図1
(a)のA−A′断面図を示す。12は汚染空気の流
れ、13は空気清浄器11により清浄化された清浄空気
を示す。この空気清浄器11においては、喫煙等に起因
した微粒子は、前処理フィルタ4で先ず粗い粒子状物質
が除去され、次いで静電フィルタ5で残った微粒子が除
去される。一方、喫煙に起因する有害ガスは先ず活性炭
6でアルデヒド類やケトン類のような主として活性炭で
捕集し得る分子構造を有する中性物質及び酸性物質が除
去される。次に、イオン交換フィルタ(カチオン型)7
でアンモニアのような主としてアルカリ性物質が除去さ
れる。
【0017】イオン交換フィルタは、本発明者らがすで
に提案したものを適宜用いることができる。(例、特開
昭63−12315号、特開昭63−77557号、特
開昭63−97246号、特開平2−59018号各公
報) 次に、これらのフィルタでは除去できないNOx及びリ
ークした前記の有害ガスが光触媒にて除去される。光触
媒におけるNOxは、硝酸に変換され固定化されること
により除去される。光触媒担持体8の光触媒上でNOx
から変換された硝酸は、長時間運転した場合、光触媒の
性能を、劣化させ、かつ長時間運転により、後方に飛散
する場合があるので、光触媒の近傍及び/又はその後方
に生成物である硝酸の捕集フィルタ(捕集材)、例えば
イオン交換繊維(アニオン型)、活性炭、活性炭素繊
維、ガラス繊維を適宜設置すると、光触媒の効果が持続
し、かつ、万一後方へ流出した場合でも捕集できるの
で、装置の種類、処理有害ガスの濃度、用いる他の有害
成分の除去材の種類、要求性能などによっては好まし
い。リークした炭化水素や分子量の大きい中性の炭化水
素は、光触媒で効果的に除去される。
【0018】上記捕集フィルタの設置は適宜予備実験を
行い、決めることができる。光触媒は、低濃度の有害ガ
スを、極低濃度あるいは検出限界濃度以下まで、処理す
るのに好適である。そのために、本例のように周知の方
法で予め低濃度まで処理し、最終処理を光触媒で行うと
実用上効果的に処理できる。空気清浄器11により、臭
気濃度(官能試験の値)150〜1,000、非メタン
炭化水素濃度3〜10ppmのタバコ臭を含む空気12
は、臭気濃度10以下、及び有害ガスとしてのNOxは
5ppb以下、NH3 は10ppb以下、非メタン炭化
水素濃度0.1ppm以下となり、清浄空気13が得ら
れる。
【0019】実施例2 図2に、半導体工場におけるクリーンルーム内の微量有
害ガスを除去する、本発明の除去装置を用いた空気清浄
の概略構成図を示す。図2において、クラス1,000
(0.1μm以上の粒子数)のクリーンルーム30に
は、作業31により有害ガスとしてNOx、NH3 及び
微粒子32が発生しており、また、クリーンルーム空気
には炭化水素(非メタン炭化水素)が1.0〜1.20
ppm存在する。これらの汚染物(これらのガス状汚染
物質・微粒子)は、半導体工場の原料や製品、半製品を
汚染するので、空気清浄装置11が設置され、該有害ガ
スと微粒子の捕集・除去が行われている。
【0020】該装置11は、主に前処理フィルタ4、フ
ァン10、イオン交換フィルタ(カチオン型)7、UL
PAフィルタ5-1、5-2、光触媒担持体8及び紫外線ラ
ンプ9より構成されている。図2(a)のB−B′断面
図を図2(b)に示す。有害ガスを含む被処理空気12
はファン10により、吸引され、処理された清浄空気は
矢印13の方向に吐出される。それぞれの構成について
説明する。前処理フィルタ4は、空気抵抗の少ないガラ
ス繊維を主体としたフィルタであり、ここで、先ず吸引
空気12中の粗い粒子(比較的粒径の大きい粒子)が除
去される。イオン交換フィルタ7は、作業31により発
生したNH3 などクリーンルーム中のNH3 の除去用フ
ィルタであり、本発明者らがすでに提案したもの(前
記)を適宜に用いることができ、これによりNH3 は1
0ppb以下にまで除去される。
【0021】ULPAフィルタ5-1は、作業31により
発生した微粒子などクリーンルーム中の微粒子の除去フ
ィルタである。これにより、クラス1,000のクリー
ンルーム中の微粒子、作業31により発生した微粒子及
びファン10の作動により発生した微粒子がクラス10
以下まで除去される。光触媒担持体8は、主に作業31
により発生したNOxの除去及び接触角の増加をもたら
す炭化水素の分解を行うもので、多数のファイバー状石
英ガラス表面に80nmの厚さのTiO2 を被覆したも
のである。紫外線ランプ9は、TiO2 を被覆した石英
ガラスの内部を通り石英ガラス表面に被覆したTiO2
を照射し、光触媒として作用させるものである。これに
より、クリーンルーム中のNOx及び作業31により発
生したNOxが、5ppb以下まで除去される。また、
炭化水素は、接触角の増加に影響しない安定な形に変換
される。ULPAフィルタ5-2は、光触媒及びその近傍
からの発生微粒子の除去フィルタであり、通常不用であ
るが、緊急時を想定して設置されている。
【0022】これらにより、NOx濃度は5ppb以
下、非メタン炭化水素は0.2ppm以下、NH3 濃度
は10ppn以下、微粒子濃度クラス10以下の接触角
を増加させない清浄空気13が得られる。クリーンルー
ム内で有害ガスが発生すると、製品や半製品に付着し、
接触角の増加をもたらし歩留まりの低下をひき起こす
(生産性が下がる。)。従って、該有害ガスを一定濃度
以下にすることはクリーンルームの管理上重要である。
なお、実施例における光触媒、周知の有害ガス除去手段
の組合せ順序は、何ら限定されるものではなく予備試験
を行い適宜に決めることができる。なお、接触角とは、
固体表面の汚染の程度を示す指標であり、固体表面が汚
染されると、水の接触角がその汚染状態をよく反映し、
汚染の程度が大きいと接触角が大きく、逆に汚染の程度
が小さいと接触角が小さい。
【0023】実施例3 図3にクラス1,000の半導体工場のクリーンルーム
に設置されたウェハの接触角増加防止を図るストッカ3
3の概略構成図を示す。クリーンルーム空気には、炭化
水素(非メタン炭化水素)が1.1〜1.3ppm存在
する。この炭化水素の起因は外気から導入されたもの、
並びにクリーンルーム構成材からの脱ガスである。ちな
みに、クリーンルームの外(外気)の炭化水素濃度は
0.9〜1.0ppmであり、クリーンルームの中より
低い。これは、クリーンルーム内ではクリーンルーム構
成材などから炭化水素の発生があるためである(ウルト
ラクリーンテクノロジー、7巻、4号、p.15〜2
0、1995)。
【0024】これらの炭化水素は、ウェハ基板表面に付
着し、歩留まりの低下をもたらす。この炭化水素による
汚染の程度は、接触角によって表わすことができる(空
気清浄、33巻、1号、p.16−21、1995)。
ストッカ33は、上記ウェハなど基板の汚染防止(接触
角増加防止)を図る装置で、ガラス板上に80nmTi
2 光触媒を担持させた光触媒担持体8、紫外線ランプ
9、紫外線ランプからの紫外線を効率よく光触媒担持体
8に照射するため反射面15、ウェハなど製品や半製品
への直接の紫外線照射を避けるためのしゃ光材14より
構成される。16は、ストッカ内の気流の方向であり、
紫外線ランプ9の照射により生ずる光触媒担持体8上下
のわずかな温度差により生ずる。Aは、ストッカ33の
ウェハの収納部である。
【0025】実施例4 ホテルのロビーの照明との組合せで、NOx除去を行う
概略図を図4に示す。本例はアメニティとしての利用の
例である。図4において、ホテルのロビー40には、2
つの照明器具11があり、近傍を明るくしている。照明
器具11の主たる構成は、内側の光源9、外側のガラス
より成り、該ガラスの表面に80nm厚さのTiO2
被覆された光触媒担持体8となっている。光触媒担持体
の近傍のNOx、SOxは、光源9により活性化された
光触媒表面で除去される。17は、電源コードである。
【0026】実施例5 高速道路の壁面に光触媒を組込み有害ガスを除去する概
略図を図5に示す。図5において、高速道路50では、
高速で走行する車18からNOxが排出されている。該
道路50には壁面19があり、壁面の一部はガラスで成
り、該ガラス表面は80nm厚さのTiO2 が被覆され
た光触媒担持体8となっている。該光触媒担持体8に
は、その裏面及び/又は表面から太陽光20が照射さ
れ、NOxが除去される。NOxは、光触媒により硝酸
に変換し、光触媒表面に付着するが、時々の降雨により
該硝酸は光触媒上より洗い流され、ピット21より回収
され、別途水処理装置により、周知の方法でN2 にまで
還元される。22は、高速道路を支える架台である。太
陽光による光触媒への照射20の位置には、時間経過に
より変化するが、本触媒は表面照射、裏面照射いずれで
も効果があるので、太陽光が有効利用できる。
【0027】実施例6 上記実施例における光触媒の膜厚について検討し、実施
例3の図3のストッカに下記光触媒を設置し、光触媒の
効果について試験・評価した。 (1)光触媒の膜厚の検討 85.6g(0.3モル)のチタンテトライソプロポキ
シド(Ti(OiPr)4 )に攪拌しながら60.3g
(0.6モル)のアセチルアセトン(AcAc)をビュ
レットを用いて徐々に滴下し、約1時間攪拌することに
より安定なTi(AcAc)2 (OiPr)2 錯体溶液
を得た。この溶液30mlを分取し、無水エタノールで
100mlに希釈することにより、コーティング液を得
た。ディッピング法を用いて、片面をテープでマスキン
グした石英基板(20mm幅×50mm長×1mm厚)
上に薄膜を形成させた(基板引き上げ速度=4.6cm
/min)。約30分放置した後に、500℃で10分
間焼成した。以上のプロセスを繰り返す(繰り返し回数
=n)ことにより膜厚の異なる7種類のサンプルを得
た。
【0028】走査型電子顕微鏡による膜厚分析の結果
(測定精度=約10%)、20nm(n=2)、50n
m(n=2)、80nm(n=2)、100nm(n=
3)、140nm(n=2)、158nm(n=3)、
220nm(n=4)なる値が得られた。X−線回折の
結果、アナタース形のTiO2 結晶性薄膜が基板上に形
成されていることが確認された。7種類のサンプルをア
ルカリ洗浄した後に、真空デシケータ中にセットし、真
空ポンプで約10Torrに減圧してから内部温度を8
0℃に保持した。系を閉じてから、200μLの1,
3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン(T
MCTS)を注射器で注入後、30分間加熱した。さら
に、真空ポンプで減圧しながら、100℃に昇温し30
分間加熱することにより未反応のTMCTSをコールド
トラップした。これにより、TiO2表面にTMCTS
単分子膜を形成させた。この時点で、表面は親水性から
撥水性に変化した。
【0029】高圧水銀灯を用いてTiO2 膜の裏面から
光照射することにより、TMCTS単分子膜のメチル基
が酸化分解され、表面の親水性が徐々に増加した。TM
CTS単分子膜の酸化分解速度によりTiO2 膜の光触
媒活性を評価した。膜厚と分解速度定数の関係を図6に
示す。これにより、膜厚の増加と共に光触媒活性は高く
なり、50nmから100nmで最大に達した後に、再
び低下することがわかる。すなわち、膜厚が20nm〜
200nm、特に好ましくは50〜100nmの範囲
で、表面の光触媒に顕著に光吸収量が増大するために活
性が高くなる。これに対して、200nm以上の範囲で
は、膜中で発生したフォトキャリヤーが表面まで到達す
る確率が減少するために、逆に活性は低下するものと考
えられる。
【0030】(2)ストッカによる評価・試験 ストッカ内にウェハを設置し、接触角の増加防止につい
て調べた。 ストッカの大きさ ; 50リットル 光触媒担持体 ; 石英ガラス上にTiO2 を担持。 膜厚:20nm、50nm、80nm、100nm、 140nm、220nm 光源 ; 低圧水銀灯、10W 接触角の測定 ; 水滴式接触角計 結果 図7に、各種膜厚の光触媒担持体及び、比較として光触
媒を担持しないもの(−●−)の接触角を示す。時間
は、ストッカにおけるウェハの経過時間である。20n
m:△、50nm:〇、80nm:◎、100nm:
▲、140nm:□、220nm:■を示す。
【0031】
【発明の効果】本発明によれば、次のような効果を奏す
ることができる。 1)光透過性支持体の表面に光触媒を担持し、該裏面よ
り光照射を行う。光触媒担持体において、光触媒の被覆
の厚さを20〜200nmとすることにより、 膜の裏面から光照射する場合には、膜厚が薄いと光
を十分に吸収できないので、また膜厚が厚すぎると、表
面までフォトキャリヤーが到達しないので光触媒の作用
は不十分(活性が低い)だが、20〜200nmでは適
正膜厚となり、光触媒の光吸収が効果的になるために、
光触媒の活性が高くなった。 特に、膜厚が50〜100nmの範囲で、顕著な作
用が得られた。
【0032】2)支持体がガラス材であるので、光触媒
への紫外光及び/又は可視光の光照射を処理物を介さず
に、光触媒の裏面より直接できるので、処理装置の構造
を利用分野によってより効果的に自由度大に選択するこ
とができる。例えば、利用分野によって、光触媒を外
部、光源を内部、あるいは、光触媒を内部、光源を外
部、また両方を同時に組合せて実施することもできる。
また、これにより太陽光も適宜に利用できる。すなわ
ち、従来の表面のみからの照射だと、時間経過により光
触媒表面に固体状物質などが付着した場合、その部分は
全くデッドスペースとなり性能劣化した。また、従来法
は処理物を介して照射されるので、処理物により性能が
影響を受け、また処理物によっては処理物が光を吸収し
てしまい光が有効に利用できなかった。本発明では、前
記したように、性能が処理物によらず、長時間安定に維
持できた。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は病院における空気清浄に用いた本発明
の有害ガス除去装置の基本構成図で、(b)は(a)の
A−A′断面図。
【図2】(a)は半導体工場のクリーンルームに用いた
本発明の除去装置の概略構成図で、(b)は(a)のB
−B′断面図。
【図3】半導体工場のクリーンルームに設置されたスト
ッカの概略構成図。
【図4】ホテルのロビーの照明に本発明を適用した概略
図。
【図5】高速道路の壁面に本発明を適用した概略図。
【図6】膜厚と分解速度定数の関係を示すグラフ。
【図7】各種膜厚の接触角と時間の関係を示すグラフ。
【符号の説明】
1:病院の待合室、2:タバコ、3:有害ガス、4:前
処理フィルタ、5:静電フィルタ、5-1、5-2:ULP
Aフィルタ、6:活性炭、7:イオン交換フィルタ、
8:光触媒担持体、9:紫外線ランプ、10:ファン、
11:空気清浄器、12:汚染空気、13:清浄空気、
14:遮光材、15:反射面、16:気流の流れ、1
7:電源コード、18:自動車、19:道路壁面、2
0:太陽光、21:ピット、22:架台、30:クリー
ンルーム、31:作業、32:微粒子、33:ストッカ
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平8−10576(JP,A) 特開 昭63−97234(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B01D 53/86 B01D 53/94

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 気体中の有害ガスを除去する方法におい
    て、該気体を、表面に50nm〜100nm未満の厚さ
    の光触媒を担持させた光透過性支持体の表面に、裏面か
    ら光を照射させながら接触させることを特徴とする有害
    ガスの除去方法。
  2. 【請求項2】 気体中の有害ガスを除去する装置におい
    て、表面に50nm〜100nm未満の厚さの光触媒を
    担持させた光透過性支持体と、該支持体の裏面から光を
    照射する光源とを有することを特徴とする有害ガスの除
    去装置。
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