JP3529122B2 - 有害ガスの除去方法と装置 - Google Patents

有害ガスの除去方法と装置

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、気体中の有害ガス
の除去方法及び装置に係り、特に、大気中や各種の気体
中に存在するNOx、SOx、炭化水素、NH3 、タバ
コ臭、その他の有害ガスを除去する方法及び装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来の技術を各種の工業や産業における
NOx、SOx及びタバコ臭等の有害ガスを例に説明す
る。先ず、各種の工業及び産業における排ガス及び自動
車の排ガスの大気中への放出については、公害防止の観
点から法的その他の規制措置がとられており、特に窒素
酸化物及び硫黄酸化物については、酸性雨や光化学スモ
ッグの原因物質としてその排出は厳しく制限されてい
る。排出規制の対象とされている排ガス中の窒素酸化物
(NOx)や硫黄酸化物(SOx)の処理技術は、従来
多くの方式が提案されているが、実用的には種々の課題
がある。たとえば、従来の排ガスの脱硝技術としては、
アンモニア添加による還元法、触媒を使用する還元法、
放射線照射法等が提案されている。
【0003】従来のこれらの方法は、夫々次のような問
題点がある。アンモニア添加による還元法:脱硝効果
が低い。触媒を使用する還元法:連続的に使用した場
合触媒性能が低下する。触媒として金属、貴金属を用い
ているので、省資源の観点から見直す必要がある。ダス
トの酸性物質の影響を受けやすい。放射線照射法:硝
安や硫安のような二次生成物を大量に生ずるので、別途
副生成物の処理が必要である。また、これらのいずれの
方法もアンモニアの添加を行うので、脱硝反応で消費さ
れないアンモニアはリークアンモニアとして排出され、
二次公害となる。また、アンモニアの使用、省資源の観
点から見直す必要がある。また、これらの有害ガスは一
度大気中へ放出されると、除去困難であり、大気中にお
いても除去できる新規方法及び装置の出現が期待されて
いる。
【0004】次に、家庭や事務所において喫煙により発
生したNOxを含む有害ガス(臭気性ガスを含む)につ
いて説明する。これらの物質は、一般にいわゆるタバコ
臭として問題にされており、臭気はもちろんその有害性
(例、発ガン性)のため捕集・除去の要求が近年特に高
まっている。これらの捕集・除去には、活性炭や植物精
油を使用したもの等種々の除去材を使用する方法や装置
の提案があるが、これらの除去材はいずれも性能が不十
分である。また、本発明者らは、先に光触媒を用いる方
式を提案している(特願平6−48201号、特開平8
−10576号公報)。これらの方式は、適用分野によ
っては効果的であるが、実用性の向上のために改善、あ
るいは適正化を行う余地があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記した従
来技術及び先行技術の問題点を解決し、高性能で、コン
パクト、かつ安価な有害ガスの除去方法と装置を提供す
ることを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明では、有害ガスを含む気体から粒子状物質
ィルタにより除去した後に、該気体中の有害ガスを光
触媒に光を照射して除去する、光電子放出材を用いずに
行う有害ガスの除去方法において、該光触媒への光照射
を電場形成下に行うと共に、前記電場形成用の正極の少
なくとも一部を前記光触媒とすることとしたものであ
る。前記有害ガスの除去方法において、電場の強さは、
10V/cm〜5kV/cmとするのがよい。また、本
発明では、有害ガスを含む気体から粒子状物質を除去す
るフィルタと、該フィルタの後流に設置した光触媒と、
該光触媒に光を照射する光源とを有し、光電子放出材を
設置せずに有害ガスを含む気体から有害ガスを除去する
装置において、前記光触媒を電場下で用いるための電場
形成用の電極を設け、該電極の正極の少なくとも一部に
前記光触媒を配することとしたものである。前記除去装
置において、電場形成用の電極の正極は、棒状、円筒
状、繊維状、網状、ファイバー状のいずれか1種類以上
の担持体上に光触媒を被覆したものを用いるのがよく、
また、負極は棒状又は網状の例えばSUS材を用いるの
がよい。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明は、光触媒を電場形成用の
電極の正極に配して電場を形成し、光触媒に光照射する
と光触媒による光触媒作用が顕著になるという知見に基
づいている。次に、本発明の各構成を詳細に説明する。
光触媒は、電場用の電極(正極)にでき、かつ光触媒に
より光触媒作用を有するものであれば何れでもよい。光
触媒は、従来光触媒として知られているものは如何なる
ものでも使用することができる。通常半導体材料が効果
的であり容易に入手出来、加工性も良いことから好まし
い。効果や経済性の面から、Se,Ge,Si,Ti,
Zn,Cu,Al,Sn,Ga,In,P,As,S
b,C,Cd,S,Te,Ni,Fe,Co,Ag,M
o,Sr,W,Cr,Ba,Pbのいずれか、又はこれ
らの化合物、又は合金、又は酸化物が好ましく、これら
は単独で、又は二種類以上を複合して用いる。
【0008】例えば、元素としてはSi,Ge,Se、
化合物としてはAlP,AlAs,GaP,AlSb,
GaAs,InP,GaSb,InAs,InSb,C
dS,CdSe,ZnS,MoS2 ,WTe2 ,Cr2
Te3 ,MoTe,Cu2 S,WS2 、酸化物としては
TiO2 ,Bi2 3 ,CuO,Cu2 O,ZnO,M
oO3 ,InO3 ,Ag2 O,PbO,SrTiO3
BaTiO3 ,Co34 ,Fe2 3 ,NiO等があ
る。現在最も広範囲に用いられている光触媒はTiO2
であり、本発明に好適に使用することができる。しかし
ながら、本発明に使用される光触媒はこれに限定される
ものではない。
【0009】前記光触媒は、形状として板状、くし状、
シート状、曲面状、円筒状、柱状、繊維状、棒状、線
状、ロッド状、網状、格子状、ファイバー状等適宜の母
材(支持材)の上に付加して用いることができる。この
内、棒状、円筒状、繊維状、網状、ファイバー状が表面
積、加工性、効果の点で好ましい。母材は、周知の材料
が好適に使用できる。例えば、SUS材、ガラス、セラ
ミック、フッ素樹脂などがある。本発明者らが、既に提
案した表面を凹凸にした光透過性母材(支持体)も利用
分野、装置の種類によっては好適に使用できる(特願平
6−48201号、特開平8−10576号公報)。母
材への光触媒の付加法は、周知の方法を適宜に用いるこ
とができる。例えば、ゾル−ゲル法、焼結法、蒸着法、
スパッタリング法がある。
【0010】母材への光触媒の付加の厚さは、母材や光
触媒の種類、光源からの光の照射方法、要求性能などに
より適宜予備試験を行い、決めることができる。例え
ば、表面に光触媒を付加し、裏から光照射を行う場合に
は、ガラス材の表面に20〜200nmの厚さの光触媒
を担持させると効果的である(特願平8−46887
号)。光触媒作用の向上のために上記光触媒にPt,A
g,Pd,Co3 4 ,RuO2 のような助触媒を加え
て使用することもできる。担持は、周知の方法を適宜用
いることができる。例えば、含浸法、沈殿法、イオン交
換法、光電析法、混練法があり、担持量は0.01〜2
0重量%の範囲で用いると効果的である。
【0011】前記光触媒を正極とするために、適宜下地
(母材と光触媒の間)に、導電性材料の付加を行うこと
ができる。例示すれば、母材がガラス、セラミック、フ
ッ素樹脂の場合、酸化インジウム(In2 3 )系や酸
化スズ(SnO2 )系の薄膜があり、Snをドープした
In2 3 膜(ITO)、SbをドープしたSnO2
がある。特に、母材としてガラスを用い、表面に光触媒
を付加し、裏面から光照射する場合に効果的である。導
電性材料の被覆により、光触媒を用いた電場の形成が確
実になる。上記光触媒は、光触媒を正極となした電場下
で用いる。該電場形成における負極の電極材は、周知の
荷電装置における材料を適宜用いることができる。形状
としては、板状、くし状、曲面状、円筒状、棒状、線
状、ロッド状、網状、格子状がある。この内、棒状、網
状が簡易性・効果の点で好ましい。材料の例としてC
u,Zn,SUS,Wがある。
【0012】上記光触媒と電極材の間は、それぞれ正
極、負極となして、電圧が付加され、電場が形成され
る。電場の強さは、1V/cm〜10kV/cm、通常
10V/cm〜5kV/cmで効果的である。本発明の
電場の形成により、光触媒による有害ガスの除去反応が
迅速に起こる(除去速度が早い)ので、コンパクトな装
置で効率の良い処理ができる。本発明の電場の効果の詳
細は不明であるが、本発明者らの研究によれば、電場の
設定により光触媒中の電位勾配が増大し、フォトキャリ
アの再結合が抑制されるため、と推定される。上記につ
いて、本発明者らがすでに提案した表面が凹凸状をなす
光透過性支持体の表面に光触媒を担持し、光透過性支持
体の中心部に光を導入する光触媒(特開平6−4820
1号公報)を例に説明する。
【0013】図5は、本発明の光触媒の作用を示す説明
図である。光透過性支持体30の表面には、光触媒膜3
2が担持されている。光透過性支持体30から導入され
た光33は、凹凸化された支持体30の表面の作用で効
果的に光触媒膜32に吸収される。光触媒膜32が、禁
制帯の幅以上のエネルギーを持つ光を吸収すると電子は
伝導帯34に励起され、価電子帯35に正孔37ができ
る。このようにして、価電子帯35の正孔37は酸化力
を、伝導帯34の励起電子36は還元力を持つ。38は
被処理物としての光触媒膜上に吸着した有害ガスであ
り、該被処理物は上記作用の力により分解される。被覆
TiO2 の厚みは100nmである。光源は、高圧水銀
灯である。ここでは、本発明の電場の設定により、価電
子帯35と伝導帯34の勾配が増大し、フォトキャリア
の再結合が抑制される。これにより、価電子帯35の正
孔37による酸化力は、増大及び安定化し、効果的とな
る。即ち、電場の設定により有害ガスの酸化・分解作用
が効率良く実施される。
【0014】光触媒の種類、母材の種類と形状、光触媒
との電場形成のための電極材の形状、種類、電場の強さ
は、適用分野、装置形状や構造、大きさ、後述光源の種
類、要求性能、経済性などにより適宜予備試験を行い、
決めることができる。本発明において、照射する光は紫
外光及び/又は可視光が使用でき、太陽光や人工の光で
も良い。光源の位置は、適用分野、光源の種類、装置形
状により適宜に選択することができる。通常、反応器の
中心部や内部に光源を設置すると、光源から放射状に放
出される光が全て有効利用されるので好ましい。反応器
の側面に光源を設置し、反射面により光を照射しても良
い。また、利用先によっては、適宜周知の有害ガス除去
手段と組合せて用いることができる。周知の有害ガス除
去手段としては、活性炭、活性炭素繊維、ゼオライト、
イオン交換フィルター(繊維)、有機高分子ポリマー
(有機高分子ビーズ)、エレクトレット材がある。
【0015】また、本発明者らがすでに提案した複合酸
化物系触媒を用いる手段(例、特開平6−190236
号、特開平6−205930号各公報)も利用分野によ
っては適宜に用いることができる。これらの用い方とし
て、通常処理有害ガスが比較的高い場合、あるいは処理
ガスの種類が多い場合、予めこれらの手段である程度有
害ガスの除去を行い、次に本発明の手段により除去を行
う。これにより、濃度の高い被処理気体や、多成分系の
複雑な有害ガスも高効率に処理でき、超清浄な気体や空
間を効果的に得ることができる。本発明は、NOx、炭
化水素(特に、非メタン炭化水素)、有機Cl化合物、
カビ臭など、周知の手段では処理困難な有害ガス(ガス
状の汚染物質)の無害化に、効果的であり、特に極低濃
度の有害ガスを効果的に処理できる所に特徴がある。
【0016】
【実施例】以下、本発明を実施例により具体的に説明す
るが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではな
い。 実施例1 本発明の有害ガス除去装置の基本構成図を図1に示し、
これを用いて病院における空気清浄について説明する。
図1において、喫煙2等に起因した微粒子(粒子状物
質)及び有害ガス(臭気性ガスを含み、例えば、アルデ
ヒド類、ケトン類、ピリジン類、ピロール類、ニトリル
類、窒素酸化物、アンモニア等)3が発生している。
【0017】空気清浄は、室の側面の中央部に設置され
た前処理フィルタ4、静電フィルタ5、活性炭6、イオ
ン交換フィルタ7、本発明の電場形成用の電極(正極)
に配された光触媒を担持させた光触媒担持体8、該電場
設定のための電極材(負極)9、紫外線ランプ10、フ
ァン11よりなる空気清浄器12にて実施される。上記
光触媒担持体8は、表面が凹凸状の多数の棒状(ロッ
ド)石英ガラスに、先ず透明導電性材料としてITOを
被覆し、その上に光触媒としてTiO2 を被覆したもの
で、紫外線ランプ10からの紫外線は棒状石英ガラスの
中を通して、該石英ガラスの表面のTiO2 を励起し、
光触媒として活性化する。
【0018】図1(b)に図1(a)のA−A′断面図
を示す。13は汚染空気の流れ、14は空気清浄器12
により清浄化された清浄空気を示す。この空気清浄器1
2においては、喫煙等に起因した微粒子は、前処理フィ
ルタ4で先ず粗い粒子状物質が除去され、次いで静電フ
ィルタ5で残った微粒子が除去される。一方、喫煙に起
因する有害ガスは先ず活性炭6でアルデヒド類やケトン
類のような主として中性物質及び酸性物質が除去され
る。次に、イオン交換フィルタ(カチオン型)7でアン
モニアのような主としてアルカリ性物質が除去される。
イオン交換フィルタは、本発明者らがすでに提案したも
のを適宜用いることができる(特公平5−43422
号、特公平5−67325号、特公平6−87995
号、特開平5−277336号各公報)。
【0019】次に、これらのフィルタでは除去できない
NOx及びリークした前記の有害ガスが光触媒にて除去
される。ここで、光触媒担持体8は、本発明の特徴であ
り正極を形成し、網状の電極(負極)9との間に電場が
形成されている。ここでの電場の強さは500V/cm
である。該光触媒担持体8は、正極となる光触媒への紫
外線ランプ10からの紫外線照射を受け、光触媒作用が
効果的に起こり、前記のNOx及び有害ガスが効率良く
処理される。ここでの光触媒による反応の例を次に示
す。アルデヒド類、ケトン類などの炭化水素(非メタン
炭化水素)は、二酸化炭素や光のような無害物質まで酸
化、分解される。NOxは硝酸に変換され固定化される
ことにより除去される。
【0020】光触媒担持体8の光触媒上でNOxから変
換された硝酸は、長時間運転した場合、光触媒の性能を
劣化させ、かつ長時間運転により、後方に飛散する場合
があるので、光触媒の近傍及び/又はその後方に生成物
である硝酸の捕集フィルタ(捕集材)、例えばイオン交
換繊維(アニオン型)、活性炭、活性炭素繊維、ガラス
繊維を適宜設置すると、光触媒の効果が持続し、かつ、
万一後方へ流出した場合でも捕集できるので、装置の種
類、処理有害ガスの濃度、用いる他の有害成分の除去材
の種類、要求性能などによっては好ましい。上記捕集フ
ィルタの設置は、適宜予備試験を行い決めることができ
る。光触媒は、低濃度の有害ガスを極低濃度あるいは検
出限界濃度以下まで、処理するのに好適である。そのた
めに、本例のように周知の方法で予め低濃度まで処理
し、最終処理を光触媒で行うと実用上効果的に処理でき
る。空気清浄器12により、臭気濃度(官能試験の値)
50〜1,000のタバコ臭を含む空気13は、臭気濃
度5以下、及び有害ガスとしてのNOxは1ppb以
下、NH3 は1ppb以下となり、清浄空気14が得ら
れる。
【0021】実施例2 図2に、半導体工場におけるクリーンルーム内の微量有
害ガスを除去する、本発明の除去装置を用いた空気清浄
の概略構成図を示す。図2において、クラス1,000
(0.1μm以上の粒子数)のクリーンルーム20に
は、作業21により有害ガスとしてNOx、NH3 、非
メタン炭化水素、及び微粒子22が発生しており、クリ
ーンルーム空気には炭化水素(非メタン炭化水素)が
1.0〜1.5ppm存在する。これらの汚染物(これ
らのガス状汚染物質や微粒子)は、半導体工場の原料や
製品、半製品を汚染するので、空気清浄装置12が設置
され、該有害ガスと微粒子の捕集・除去が行われてい
る。該装置12は、主に前処理フィルタ4、ファン1
1、イオン交換フィルタ(カチオン型)7、ULPAフ
ィルタ5-1、5-2、本発明の電場形成用の電極(正極)
に配された光触媒を担持させた光触媒担持体8、該電場
設定のための電極材(負極)9、紫外線ランプ10より
構成されている。
【0022】図2(a)のB−B′断面図を図2(b)
に示す。有害ガスを含む被処理空気13はファン11に
より、吸引され、処理された清浄空気は矢印14の方向
に吐出される。それぞれの構成について説明する。前処
理フィルタ4は、空気抵抗の少ないガラス繊維を主体と
したフィルタであり、ここで、先ず吸引空気13中の粗
い粒子(比較的粒径の大きい粒子)が除去される。イオ
ン交換フィルタ7は、作業21により発生したNH3
どのクリーンルーム中のNH3 の除去用フィルタであ
り、本発明者らがすでに提案したもの(前記)を適宜に
用いることができ、これによりNH3 は通常数ppbな
いし、それ以下にまで除去される。ULPAフィルタ5
-1は、作業21により発生した微粒子などクリーンルー
ム中の微粒子の除去フィルタである。これにより、クラ
ス1,000のクリーンルーム中の微粒子、作業21に
より発生した微粒子及びファン11の作動により発生し
た微粒子がクラス10以下まで除去される。
【0023】光触媒担持体8は、主に、作業21により
発生したNOxの処理、接触角の増加をもたらす炭化水
素の分解・除去及び上流よりNH3 がリークした場合に
リークNH3 を数ppbないし、それ以下まで除去を行
うもので、表面が凹凸状の多数のファイバー状石英ガラ
スにITO及びその上にTiO2 を被覆したものであ
る。紫外線ランプ10は、TiO2 を被覆した石英ガラ
スの内部を通り石英ガラス表面に被覆したTiO2 を照
射し、光触媒として作用させるものである。ここで、光
触媒担持体8は、本発明の特徴であり正極となし、網状
の電極(負極)9との間に電場が形成されている。ここ
での電場の強さは、500V/cmである。
【0024】該光触媒担持体8は、正極となる光触媒へ
の紫外線ランプ10からの紫外線照射を受け、光触媒作
用が効果的に起こる。これにより、クリーンルーム中の
NOx及び作業21により発生したNOxが1ppb以
下まで除去される。また、炭化水素(非メタン炭化水
素)は、接触角の増加に影響しない。二酸化炭素や水の
ような安定な形に変換される。また、上流でNH3 の捕
集・除去がうまくいかず、リークする場合は、ここで、
数ppb(以下)まで除去される。ULPAフィルタ5
-2は、光触媒及びその近傍からの発生微粒子の除去フィ
ルタであり、通常不用であるが、緊急時を規定して設置
されている。これらにより、クリーンルーム中の有害ガ
ス及び作業21で発生した上記有害ガス(ガス状汚染物
質)は、効果的に除去される。
【0025】これらにより、NOx濃度は1ppb以
下、非メタン炭化水素は0.1ppm以下、NH3 濃度
は1ppb以下、微粒子濃度クラス10以下の清浄空気
14が得られる。クリーンルーム内で有害ガスが発生す
ると、製品や半製品に付着し、接触角の増加をもたらし
歩留まりの低下をひき起こす(生産性が下がる)。従っ
て、該有害ガスを一定濃度以下にすることはクリーンル
ームの管理上重要である。なお、実施例における光触
媒、周知の有害ガス除去手段の組合せ順序は、何ら限定
されるものでなく予備試験を行い適宜に決めることがで
きる。なお、接触角とは、固体表面の汚染の程度を示す
指標であり、固体表面が汚染されると、水の接触角がそ
の汚染状態をよく反映し、汚染の程度が大きいと接触角
が大きく、逆に汚染の程度が小さいと接触角が小さい。
図2において、23は反射面であり、これにより紫外線
ランプ10からの紫外線を光触媒担持体8に効果的に導
入を行っている。
【0026】実施例3 実施例2における空気清浄装置12の別の形態のものを
図3に示す。図3において光触媒担持体8は、くし状の
形状をなし、セラミック母材上に導電性材料のITO、
その上に光触媒としてTiO2 を被覆したものである。
電場用電極9は、目のあらい網状のSUS材である。図
3において、図2と同一符号は、同じ意味を示す。
【0027】実施例4 図3の空気清浄装置を、半導体工場のクラス1,000
のクリーンルームに設置し、下記の試料空気の導入を行
い、該空気清浄装置の出口空気に金属基板を暴露し、基
板上の接触角について調べた。 空気清浄装置12の大きさ;40リットル 試料空気;非メタン炭化水素濃度:1.2〜1.5pp
m NOx濃度:100ppb 前処理フィルター4、ガラス繊維製粗フィルター イオン交換フィルター7;カチオン型 光触媒担持体8;くし型形状のガラス材の上にITO5
0Å、その上に光触媒としてTiO2 を1,000Åの
厚さにゾル−ゲル法で被覆し、下記電場用電極材との間
に光触媒担持体を正極、下記電極材を負極とし電場を形
成した。 電場用電極材9;網状SUS 紫外線ランプ10;殺菌灯(254nm)(棒状) 金属基板;Cr/ガラス(ガラス上にCrを3,500
Åスパッタリングで被覆) 接触角の測定;水滴接触角計
【0028】結 果 図4に、空気清浄装置の光触媒部(図3中紫外線ランプ
と光触媒担持体の間の空間)における滞留時間(反応時
間)と接触角の関係を示す。図4の接触角の値は、金属
基板を暴露後24時間の接触角である。滞留時間は、空
気清浄装置への試料空気の流量を変えることにより変化
させたものである。図4において、−■−は1V/c
m、−□−は10V/cm、−△−は100V/cm、
−○−は1kV/cm、5kV/cm、また−●−は、
比較として電場無しの場合、TiO2 の被覆がない場合
に、1kV/cmの電場のみを設定した場合を−▲−で
示す。図4は、反応時間10分以下において、およそ1
0V/cm以上の電場を設定すると、光触媒による反応
が効率良く行われることを示す。また、上記の1kV/
cm(−○−印)において、電場のかけ方として、正極
と負極の設定を逆にしたところ、図4中電場無しの値
(−●−印)とほぼ同じであった。上記において、滞留
時間2分と10分の処理空気中の非メタン炭化水素濃度
をGC法で、またNO濃度を化学発光法で測定した。
【0029】表1に、結果を示す。
【表1】 また、上記の本発明の1kV/cmの電場設定の場合、
長時間運転を行ったところ、6,000時間運転後も接
触角の増加は3度以下であった。これに対して、電場が
ない場合及び光触媒を負極、電極材を正極とした電場
(1kV/cm)の場合は、1,000時間運転後にお
いて接触角の増加が3〜5度であった。
【0030】
【発明の効果】上記のように、本発明では光触媒への光
照射において、光触媒を電場形成用の電極における正極
に設定し、対向する電極材を負極に設定して電場を形成
することにより、次のような効果を奏する。 (1)光触媒における光触媒作用が効果的となったの
で、これにより有害ガス(ガス状汚染物質)の処理速度
が向上した。これより、効果的な処理方式となった。 (2)上記によりコンパクトな処理装置となった。ま
た、性能が処理物によらず、また共存物質の影響を受け
ないで、長時間安定に維持できた。 (3)上記により、光触媒を用いる処理方式の適用範囲
が広がり、実用性が向上した。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の有害ガス除去装置を設置した空気清浄
室の概略構成図。
【図2】本発明の他の有害ガス除去装置を設置した空気
清浄室の概略構成図。
【図3】本発明の別の有害ガス除去装置を設置した空気
清浄室の概略構成図。
【図4】反応時間(分)と接触角の関係を示すグラフ。
【図5】光触媒の作用を示す説明図。
【符号の説明】
1:空気清浄室、2:タバコ、3:有害ガス、4:前処
理フィルタ、5:静電フィルタ、5-1、5-2:ULPA
フィルタ、6:活性炭、7:イオン交換フィルタ、8:
光触媒担持体、9:電極材(負極)、10:紫外線ラン
プ、11:ファン、12:空気清浄装置、13:汚染空
気、14:清浄空気、21:作業、22:有害ガス、2
3:反射板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平10−57838(JP,A) 特開 平10−118522(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B01J 21/00 - 38/74 B01D 53/86 B01D 53/94 A61L 9/00

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 有害ガスを含む気体から粒子状物質をフ
    ィルタにより除去した後に、該気体中の有害ガスを光触
    媒に光を照射して除去する、光電子放出材を用いずに行
    う有害ガスの除去方法において、該光触媒への光照射を
    電場形成下に行うと共に、前記電場形成用の正極の少な
    くとも一部を前記光触媒としたことを特徴とする有害ガ
    スの除去方法。
  2. 【請求項2】 前記電場は、強さが10V/cm〜5k
    V/cmであることを特徴とする請求項1記載の有害ガ
    スの除去方法。
  3. 【請求項3】 有害ガスを含む気体から粒子状物質を除
    去するフィルタと、該フィルタの後流に設置した光触媒
    と、該光触媒に光を照射する光源とを有し、光電子放出
    材を設置せずに有害ガスを含む気体から有害ガスを除去
    する装置において、前記光触媒を電場下で用いるための
    電場形成用の電極を設け、該電極の正極の少なくとも一
    部に前記光触媒を配したことを特徴とする有害ガスの除
    去装置。
  4. 【請求項4】 前記電場形成用の電極は、正極が棒状、
    円筒状、繊維状、網状、ファイバー状のいずれか1種類
    以上の担持体上に、光触媒を被覆したものであることを
    特徴とする請求項3記載の有害ガスの除去装置。
  5. 【請求項5】 前記電場形成用の電極は、負極が棒状又
    は網状であることを特徴とする請求項4記載の有害ガス
    の除去装置。
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