JP2003249662A - 半導体装置 - Google Patents

半導体装置

Info

Publication number
JP2003249662A
JP2003249662A JP2003033482A JP2003033482A JP2003249662A JP 2003249662 A JP2003249662 A JP 2003249662A JP 2003033482 A JP2003033482 A JP 2003033482A JP 2003033482 A JP2003033482 A JP 2003033482A JP 2003249662 A JP2003249662 A JP 2003249662A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
layer
lifetime
semiconductor layer
region
anode
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2003033482A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3910922B2 (ja
Inventor
Hideki Takahashi
英樹 高橋
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Electric Corp filed Critical Mitsubishi Electric Corp
Priority to JP2003033482A priority Critical patent/JP3910922B2/ja
Publication of JP2003249662A publication Critical patent/JP2003249662A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3910922B2 publication Critical patent/JP3910922B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01LSEMICONDUCTOR DEVICES NOT COVERED BY CLASS H10
    • H01L29/00Semiconductor devices specially adapted for rectifying, amplifying, oscillating or switching and having potential barriers; Capacitors or resistors having potential barriers, e.g. a PN-junction depletion layer or carrier concentration layer; Details of semiconductor bodies or of electrodes thereof ; Multistep manufacturing processes therefor
    • H01L29/02Semiconductor bodies ; Multistep manufacturing processes therefor
    • H01L29/30Semiconductor bodies ; Multistep manufacturing processes therefor characterised by physical imperfections; having polished or roughened surface
    • H01L29/32Semiconductor bodies ; Multistep manufacturing processes therefor characterised by physical imperfections; having polished or roughened surface the imperfections being within the semiconductor body
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01LSEMICONDUCTOR DEVICES NOT COVERED BY CLASS H10
    • H01L29/00Semiconductor devices specially adapted for rectifying, amplifying, oscillating or switching and having potential barriers; Capacitors or resistors having potential barriers, e.g. a PN-junction depletion layer or carrier concentration layer; Details of semiconductor bodies or of electrodes thereof ; Multistep manufacturing processes therefor
    • H01L29/66Types of semiconductor device ; Multistep manufacturing processes therefor
    • H01L29/86Types of semiconductor device ; Multistep manufacturing processes therefor controllable only by variation of the electric current supplied, or only the electric potential applied, to one or more of the electrodes carrying the current to be rectified, amplified, oscillated or switched
    • H01L29/861Diodes

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Microelectronics & Electronic Packaging (AREA)
  • Power Engineering (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Ceramic Engineering (AREA)
  • Condensed Matter Physics & Semiconductors (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Computer Hardware Design (AREA)
  • Thyristors (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ソフトリカバリー化の推進に際して生じてい
た降伏電圧の低下という技術的課題を解決する。 【解決手段】 この発明では、P型層3とN型層1との
PN接合において、先ず、N型層1のN−層1B、N+
層1A内に白金等の重金属を拡散する。次に、P型層3
とN−層1Bとの界面S2から所定の深さdの位置まで
のN−層内にヘリウムイオンを照射して接合付近のN−
層にダメージを与え、キャリアのライフタイムτ2がN
型層1のライフタイムτ1よりも小さく且つ抵抗率が単
調減少を示す低ライフタイム領域2をN−層1B内に形
成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は半導体装置及びそ
の製造方法に関するものであり、特にダイオードのリカ
バリー特性改善のために好適な技術に関する。
【0002】
【従来の技術】図17は、ダイオードの基本構造を示す
断面図である。同断面図17において、N+層1P及び
N−層2PからなるN基板4Pの表面上には、P型の不
純物を拡散することにより、アノード領域3Pが形成さ
れている。アノード領域3Pの表面上にアノード電極5
Pが、N基板4Pの裏面にはカソード電極6Pが、それ
ぞれ形成されている。以下に、ダイオードの動作につい
て説明する。
【0003】図17の構造において、アノード電極5P
とカソード電極6P間に所定のアノード電圧VAK(順
バイアス)を印加し、アノード電圧があるしきい値(〜
0.6V)を超えると、アノード電極5Pからホールが
N−層2Pに注入され、ダイオードが導通する。また、
カソード電極6Pとアノード電極5P間に所定のアノー
ド電圧VKA(逆バイアス)を印加すると、当該逆バイ
アスVKAがアノード領域3PとN−層2PからなるP
N接合の降伏電圧に達するまでは、ダイオード内には電
流は流れない。上記の様子を図18に示す。尚、図18
は、図19と共に、本発明の実施の形態の説明中におい
ても援用される。
【0004】次に、ダイオードに印加するアノード電圧
を順バイアスから逆バイアスに切り替えた時の特性は逆
回復特性(リカバリー特性)と呼ばれ、逆回復特性は図
19に示す様な電流の時間経過(過渡応答)を示すこと
が知られている。同図19中、記号Irrは逆方向に流
れる電流(リカバリー電流)Irのピーク値を示し、
又、記号Trrは逆方向に流れた電流Irが消失するま
でに要する時間であり、記号Ifは順バイアス時の電流
値である。
【0005】逆回復特性では、リカバリー電流のピーク
電流Irrの大きさが小さく、しかも、逆方向に流れる
電流Irがゆるやかに消失するものが望まれている。即
ち、図19に示すように時間T1,T2を定め、T1>
T2のときにはリカバリー特性がハードであり、T1<
T2のときにはリカバリー特性がソフトであると定義す
る。そして、ダイオードをIGBT等の主スイッチング
素子とペアで用いるときには、もしリカバリー特性がハ
ードな場合には、サージ電圧の発生やスイッチングロス
による発熱が生じるため、これらを回避すべく、低損失
でソフトリカバリーな特性(電流Irの時間変化dIr
/dtの減少化)が求められる。以下、リカバリー電流
Irのピーク値Irrを「リカバリーピーク電流」と呼
ぶ。
【0006】この逆方向に流れる電流Irの過渡応答に
関しては、最近の調査・研究により、次のような点が判
明している。即ち、リカバリーピーク電流Irrはア
ノード電極近辺の半導体領域のキャリア密度に依存して
おり、上記キャリア密度の減少に応じてリカバリーピー
ク電流Irrも減少する。加えて、上記消失時間Tr
rは、カソード電極近辺の半導体領域のキャリア密度に
依存することが知られており、カソード領域のキャリア
密度の増大に応じて消失時間Trrも長くなる。
【0007】そこで、かかる調査結果を踏まえて、逆回
復特性改善のための構造が、従来、数多く提案されてい
る。
【0008】(I) その第一は、例えば、特開平8−
46221号公報に開示されているし、後述する三菱電
機技報や平成7年電気学会産業応用部門全国大会(No.1
36,P79)においても従来技術として指摘されている技術
である。それは、白金に代表される重金属をライフタイ
ムキラーとしてアノード電極側からドープ・拡散させる
ものであり、これによりPN接合部付近のN型層のライ
フタイムは短くコントロールされる。特に、この技術を
用いれば、カソード電極側のN型層内のキャリアのライ
フタイムがアノード側のPN接合部近辺のライフタイム
よりも長くなるように白金の拡散をコントロールするこ
とができるので、カソード側のキャリア密度を増大させ
ることができ、以て上述した消失時間Trrを長くする
ことができる。
【0009】しかし、この第1従来技術を以てしても、
均一性,再現性をも含めて、アノード側のN型層内のキ
ャリアのライフタイムをより一層短くコントロールする
ことが容易でないという点が、問題点として残る。
【0010】(II) 第2の従来技術は、特公昭59−
49714号公報に開示されているものであり、その従
来技術を適用したときのダイオードの縦断面構造を図2
0に示す。同図20中、図17と同一記号のものは同一
のものを示す。この第2従来技術は、表面に形成される
アノード領域3Pを部分的に形成することでアノード領
域3Pからのホールの注入を抑制し、以てアノード電極
5Pの近辺領域のキャリア密度を下げてリカバリーピー
ク電流Irrを小さくしようとするものである。
【0011】しかし、この構造では、部分的に形成した
アノード領域3Pとその間隔Wとでアノード近辺のキャ
リア密度をコントロールするのであるが、アノード領域
3Pの間隔Wを広げ過ぎると降伏電圧が低下するため、
かかる点がネックとなってアノード近辺のキャリア密度
を十分コントロールすることができないという問題点が
新たに顕出する。
【0012】(III) また、第3の従来技術を用いた
ダイオード構造としては、三菱電機技報Vo1.67.
No.9.1993,PP94−97に開示されたもの
がある。これは、構造的には図17に示したものと基本
的に同じではあるが、表面に形成されるアノード領域の
構造を変えることで逆回復特性を改善しようとするもの
である。即ち、同技報の技術では、図17に示したアノ
ード領域3Pの厚みを薄くし、またアノード領域の表面
濃度を下げることで、アノード領域3Pからのホールの
注入を抑制し、以てアノード近辺のキャリア密度を下げ
てリカバリーピーク電流Irrを小さくしようとしてい
る。これにより、リカバリーピーク電流Irrは約40
%低減され、かつリカバリー時の傾きdIr/dtも約
1/2に減少するという結果が報告されている。
【0013】しかし、この構造でも、降伏電圧を確保す
るためにはアノード領域3Pの厚みと濃度とをある程度
の値に設定することが必要となり、アノード領域の薄膜
化及び低濃度化にも限界があることから、第2従来技術
(II)と同様に、アノード近辺のキャリアを十分コント
ロールすることができないという問題点が残る。
【0014】(IV) 更に、第4の従来技術を適用した
ダイオード構造としては、平成7年電気学会産業応用部
門全国大会PP79−80に開示されたものがある。こ
の構造例を図21に示す。同図21中、図17と同一記
号のものは同一のものを示す。図21の記号2PPは、
プロトン照射によってダメージを受けた領域を示す。こ
の従来技術では、pin構造において、リカバリー時の
損失低減化のために、既述の白金ドープに代えて電子線
照射を行いn層内のキャリアのライフタイムを低減化し
て消失時間Trrの増大化を図ると共に、更に、プロト
ン照射によってn−層内のライフタイムを局所的にコン
トロールし、アノード領域近辺のキャリア密度を下げて
リカバリーピーク電流Irrを小さくしようとしたもの
である。これにより、電子線照射のみの場合と比べて、
傾きdIr/dtが1/2以下に、リカバリーピーク電
流Irrが40%程減少した旨が報告されている。
【0015】
【特許文献1】特開平8−46221号公報
【特許文献2】特公昭59−49714号公報
【特許文献3】特開平8−125200号公報
【特許文献4】特公昭47−2730号公報
【特許文献5】特開平5−102161号公報
【0016】
【発明が解決しようとする課題】しかし、第4の従来技
術に係るダイオードの構造に対しては、後程、本願出願
人が実証するように、プロトン照射量(プロトンドーズ
量)を実用的なレベルにまで上げていくと降伏電圧が著
しく低下していくために、上記第1,第2,第3の従来
技術と同じく、アノード領域近辺のキャリアを十分にコ
ントロールすることができないという問題点があること
を、指摘できる。
【0017】実際に本願出願人がプロトン照射によって
上記第4従来技術と同様なサンプルを試作し、その試作
品の、プロトンドーズ量の増加に対する耐圧ないし降伏
電圧を評価して得られた実験結果を、図22に示す。
尚、図22には、リカバリー前に流していた順方向電流
If(図19参照)に対するリカバリーピーク電流Ir
rの測定結果をも示している。この実験は、プロトンビ
ームの加速エネルギーをアルミホイール等のバッファに
よって調整することにより、その照射量を変えつつ、ア
ノード近辺にプロトン照射を行い、その後、340゜C
の熱処理を施した後の耐圧を評価したときの結果であ
る。同図22中、横軸は相対値として表わしたプロトン
ドーズ量を示し、左側の縦軸は降伏電圧Vrを示し、右
側の縦軸は比(Irr/If)を示す。ここでは、上述
の通り、プロトンが照射される深さないしは照射位置を
固定した上で、プロトンの照射量のみを変えている。同
図22に示されている通り、プロトン照射量の増大とと
もに耐圧Vrが低下していることが理解される(図23
を対比参照)。尚、この耐圧Vrの低下原因については
後で述べる。
【0018】図21に示した第4の従来技術の場合は、
図22の実験結果で言えば、プロトンドーズ量の相対値
が1程度の場合に該当する。しかし、重金属拡散や電子
線照射によって得られるよりも一層にキャリアのライフ
タイムの短い低ライフタイム領域をプロトン照射によっ
てN−層内に効果的に形成するには、(つまりリカバリ
ーピーク電流Irrをより一層小さくするには、)図2
2の比(Irr/If)の測定結果から理解されるよう
に、プロトンの照射量を大きくすることが必要であり、
実用的には、相対値で言えば、プロトンのドーズ量とし
ては10〜100cm-3程度の値が望まれる。
【0019】しかるに、図22に示す通り、その程度の
大きさにまでプロトンのドーズ量を増やすと、耐圧劣化
の影響は無視できない程に大きくなり、デバイス特性は
非実用的なものとならざるを得ないのである。この点
が、プロトン照射を用いた第4従来技術の抱える重大な
問題点である。そういう意味では、上記第4の従来技術
では、局所ライフタイムコントロールについて、十分な
最適化の検討がなされていなかったと言える。
【0020】この発明は上記に述べた全ての問題点を解
決するためになされたものである。即ち、この発明は、
逆回復特性として、第3半導体層近辺のキャリア密度
を下げてリカバリーピーク電流(Irr)をより一層小
さくなるように、かつ、第1半導体層と第2半導体層
との界面とは反対面側近辺の第1半導体層のキャリア密
度を上げてリカバリー電流消失時間(Trr)を長くな
るように、第1半導体層内のキャリアのライフタイムを
コントロールしても、降伏電圧の低下の無い、新規な
構造を有する半導体装置を実現することを、目的として
いる。
【0021】特に、この発明では、上記,を同時に
満足させる点に主眼が置かれている。この場合には、更
に、例えば既述した第1従来技術を適用することによっ
て第1半導体層のキャリア密度の最適化を図ることで、
上記をも実現することが可能であり、この点も本発明
の副次的な目的である。
【0022】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明に係る半導体装置は、第1導電型の第1半
導体層と、前記第1半導体層の主面と第1界面をなす第
1主面と前記第1主面に対向する第2主面とを有し、且
つ前記第1導電型の不純物を含むと共に、ダメージを受
けて格子欠陥化状態にあるダメージ部分をも含む第2半
導体層と、前記第2半導体層の前記第2主面と第2界面
をなす主面を有する第2導電型の第3半導体層とを備
え、前記第2半導体層に於ける第2ライフタイムは前記
第1半導体層に於ける第1ライフタイムよりも小さく、
前記第2半導体層に於ける抵抗値は前記第2界面から前
記第1界面に向けて単調に減少していることを特徴とす
る。
【0023】
【発明の実施の形態】(実施の形態1)実施の形態1で
は、新規なpin構造を有する半導体装置が提供され
る。そのような半導体装置の好適な一例として、ここで
は、本発明をダイオードに適用した例を説明する。本実
施の形態に係るダイオードは、PN接合のP層とN層と
の界面からN層内の所定の深さないしは所定位置までに
わたって、予め所定のイオンとしてヘリウムイオンが照
射されてダメージを与えられたことによって、当該界面
から抵抗値が単調に減少してゆくという特性を具備し
た、ダメージ領域を有している。このようなダメージ領
域が上記界面近辺ないし接合付近のN層内に形成されて
いることで、耐圧ないし降伏電圧に影響をもたらすこと
なく(不変)、より一層ソフトなリカバリー特性を実現
することが、可能となる。以下、より具体的な分析を通
じて、上記ダメージ領域を有する本ダイオードについて
説明する。
【0024】(1) 図1は、この発明の実施の形態1
に係るダイオードの縦断面図である。同断面図1におい
て、第1導電型の第1半導体層(N型基板)1は、カソ
ードN+層1Aと、その表面上に形成されたN−層1B
とからなる。本実施の形態では、N型の導電型が第1導
電型にあたる。
【0025】この第1半導体層1の第1主面上には、同
じくN型の導電性を有する第2半導体層2が軽イオン
(例えばHeイオン)照射によりダメージを受けた状態
として形成されており、第2半導体層2の第1主面と第
1半導体層1の第1主面とは第1界面S1を形成してい
る。この第2半導体層2が本実施の形態の特徴部分であ
り、後述の説明から後程理解されるように、同層2は、
(i)第1半導体層1におけるキャリアのライフタイム
τ1(第1ライフタイムタイムと呼ぶ)よりも短いない
しは小さいライフタイム(第2ライフタイムと呼ぶ)τ
2を有し、且つ(ii)単調減少する抵抗値を有する、領
域である。以後、第2半導体層2を「低ライフタイム層
ないし低ライフタイム領域」と呼ぶ。
【0026】低ライフタイム層2の(上記第1主面に対
向する)第2主面上には、第2導電型(ここでは、P
型)の不純物拡散により形成された第3半導体層(アノ
ード層に該当。以下、アノードP層と呼ぶ)3が配設さ
れており、同層2の第2主面と同層3の第2主面とは第
2界面S2を形成している。ここでは、アノードP層3
の厚みは薄く設定されており、3μm程度である。
【0027】更に、アノードP層3の第1主面上にはア
ノード電極(第1主電極)5が、又、カソードN+層1
Aの裏面にあたる第2主面上にはカソード電極(第2主
電極)6が、各々形成されている。
【0028】ここでは、例えば、既述した第1従来技術
におけるPt,Au等の重金属の拡散を本デバイスにも
採用し、重金属の拡散時間又は拡散温度をコントロール
することで、第1半導体層1中のキャリアのライフタイ
ムτ1を低ライフタイム層2のそれ(τ2)よりも長く
なるようにして、カソード側のキャリア密度の増大化を
図っている。尚、厳密には、第1半導体層1内の重金属
の拡散係数にも若干勾配があるので、カソードN+層1
A側のライフタイム(τ1A)の方がN−層1Bのライ
フタイム(τ1B)よりも若干長くなる。この技術は、
勿論、図19に示したリカバリー電流消失時間Trrの
増大化を図るためのものである。
【0029】そして、リカバリーピーク電流Irrの値
を従来よりもより小さくし、かつ、重金属拡散技術の適
用により得られるリカバリー電流消失時間Trrの長時
間化にも影響を与えないようにするという観点から、上
記低ライフタイム層2の厚みないしは第2界面S2から
の深さdは、後述するように、所定の範囲内の値に制御
されている。
【0030】(2) 次に、この実施の形態のダイオー
ドの動作について説明する。
【0031】図1の構造において、アノード電極5とカ
ソード電極6間に所定のアノード電圧VAKを順バイア
スとして印加し(図18参照)、アノード電圧VAKが
あるしきい値(〜0.6V)を超えると、アノード電極
5よりホールが低ライフタイム層2を介してN−層1B
に注入され、ダイオードが導通する。そして、アノード
電圧VAKが図18に示すオン電圧値Vfに等しくなっ
たときに、定格電流Ifが流れる。また、カソード電極
6とアノード電極5間に所定のアノード電圧VKAを逆
バイアスとして印加すると(図18参照)、アノード電
圧VKAが降伏電圧Vrを超えない限り、ダイオードは
導通しない。
【0032】後述する通り、この低ライフタイム層2は
PN接合の降伏電圧に何らの影響をも与えないため、こ
の構造のダイオードでは、降伏電圧が、低ライフタイ
ム層2が形成されていない場合のダイオードのそれと比
べて低下しないという利点が得られる。しかも、アノー
ド側に低ライフタイム層2が形成されているので、アノ
ード近辺のキャリア密度が著しく低減され、リカバリ
ー時のリカバリーピーク電流Irr(図19参照)を既
述の第1〜第4従来技術よりもより一層小さくすること
ができるという利点も同時に得られる。しかも、このダ
イオードでも、第1従来技術と同様に、予め重金属を第
1半導体層1内に拡散させるが、その拡散量をコントロ
ールすることにより、カソードN+層1A側のライフタ
イムを長くしてカソード側のキャリア密度を高めている
ので、オン時のオン電圧Vf(図18参照)を低下させ
て、リカバリー電流消失時間Trr(図19参照)を
長くすることもできる。
【0033】(3) 図1のダイオード構造の上記利点
を実証すべく、今回、既述した従来の第4技術における
プロトン照射の場合と本実施の形態のヘリウムイオン照
射の場合とにおける、それぞれの照射の降伏電圧への影
響を調査した。その調査は、荷電粒子(H+,He+)照
射後、熱処理を施した後の各サンプルについて、広がり
抵抗(spread resistance:以下、SRと呼ぶ。)を測
定することで行われた。ここに、SR測定とは、図2に
模式的に例示するように、例えば半導体素子を斜め方向
に研磨し(勿論、垂直方向に研磨した場合でも良い)、
研磨面SS上に2つの電極針をそれぞれ接触させ、当該
両電極針を方向D1に沿って移動させながら両電極針間
の広がりSPで生ずる抵抗(即ち、広がり抵抗)を測定
することで、半導体素子内の抵抗値ないしは抵抗率を求
めるという方法であり、これは既知の測定技術である。
【0034】従来のプロトン照射の場合のSR測定結果
とHeイオン照射を行った本デバイスのSR測定結果
を、それぞれ図3及び図4に示す。両図3,4に示す測
定は、いずれも米国 SOLID STATE MEASUREMENTS,INC.社
の測定器を用いて行われたものであり、両図3,4の横
軸は、図1で言えばアノードP層3の第1主面からの深
さLとして与えられる荷電粒子照射位置を示す。又、両
図3,4中、測定結果R,ρ,Nは、それぞれ、広がり
抵抗,素子の抵抗率,不純物濃度を示している。広がり
抵抗Rと抵抗率ρないしは不純物濃度Nとの間には、シ
リコンでは既知の換算値があるので、広がり抵抗Rが測
定されれば、その換算値を用いることで、抵抗率ρ、従
って不純物濃度Nの値は自動的に算出される。又、両図
3,4の縦軸は対数スケールで示される。両図3,4の
測定で用いられたサンプルは、いずれも同一基板、同一
材料を用いて製作されたものであり、照射源のみが異な
るにすぎず(即ち、H+かHe+かの違い)、電気特性
(リカバリー特性)が両者で同じになるようにそれぞれ
の照射量をコントロールしたものである。ドーズ量は、
図22の相対値で言えば、実用的な、10〜100cm-3
程度の値である。
【0035】プロトン照射の場合には、図3中の記号R
1で示されるように、プロトン照射によるダメージの高
抵抗部分とウエハのN−層の間に、低抵抗の領域が測定
されている。ここで、「ダメージ」とは、軽イオン照射
により半導体層の抵抗が大きくなるという意味で用いら
れている。これは、プロトンにより形成されたダメージ
層がその後の熱処理によりドナー化(不純物化)したも
のであると考えられる。このドナー化現象は現実的には
ダメージ層全体に渡って起こっているものと考えられ、
このため、プロトン照射では降伏電圧が低下するのであ
る。
【0036】一方、図4に示すヘリウムイオン照射の場
合には、図3と比較して明らかな通り、図3の領域R1
で示されるようなドナー化現象は生じておらず、広がり
抵抗Rないし抵抗率ρは、アノードP層3の第1主面か
らの深さLないしは界面S2からの深さの増大と共に、
単調に減少している。即ち、ヘリウムイオン照射により
形成されるダメージ部分は高抵抗な領域として測定され
ており、プロトン照射の様なドナー化現象は起こってい
ないと判断できる。従って、ヘリウムイオン照射によれ
ば、照射によるダメージのみが接合付近のn層内に形成
されるのみであり、そのために降伏電圧Vr(図18)
の低下が照射によっても起きないのである。勿論、この
点は、ヘリウムイオンの照射量に依存するものではな
い。
【0037】図23に、ヘリウムイオン照射量に対する
耐圧Vr及びリカバリピーク電流Irrの特性に関する
測定結果を示す。同図23の左右の縦軸は、図22の場
合と同様に、それぞれ耐圧Vr,相対比(Irr/I
f)を示す。図22と図23を対比参照すれば明白な通
り、ヘリウムイオン照射の場合には、実用的にみて十分
に小さなリカバリ電流値Irrを実現しうる照射量10
〜100cm-3程度(相対値)のヘリウムイオンを照射し
ても、耐圧Vrの変化は殆ど見られない。
【0038】このように、ヘリウムイオン照射による低
ライフタイム領域2の形成は、照射を受けたN−層部分
を熱処理後もドナー化させないという作用をもたらし、
これによって耐圧Vrを不変とさせるのである。
【0039】(4) 次に、図1の構造のダイオードの
逆回復特性について述べる。
【0040】このダイオードでは、アノード近辺に、即
ち、PN接合面たる界面S2周辺に、ヘリウムイオン照
射によりダメージを受けた低ライフタイム領域2が形成
されている。このため、アノード近辺のキャリア密度
が著しく低下し、リカバリーピーク電流Irrが著しく
小さくなる。しかも、上記(3)で述べた通り、照射
による耐圧Vrの劣化はない。
【0041】また、このダイオードでは、ヘリウム照射
によるダメージがアノード近辺にのみ局所的に形成され
ているため、このようなダメージが形成されていない従
来のダイオードと比べて、ダメージの形成されていない
その他の領域、つまり、図1のN−層1B,カソードN
+層1A中のキャリアのライフタイムを長くする必要が
ある。というのは、低ライフタイム領域2をN−層1B
内に局所的に形成しているので、仮にその他のN型層の
ライフタイムを上記領域2が形成されていないときと同
一の値にしてしまうと、オン時のON電圧Vfが高くな
ってしまい、ロスを生じることとなる。そこで、これを
回避するには、その他のN型層のライフタイムをより長
くコントロールして、オン電圧Vfを下げる必要がある
のである。この点は、低ライフタイム領域2の厚みdを
最適化すると共に、既述の重金属拡散技術の適用によっ
て、実現しうる。この長いライフタイムの実現はカソー
ド近辺のキャリア密度を増し、このため、リカバリー電
流消失時間Trrが長くなる。
【0042】(5) 図5は、上記の低ライフタイム領
域2を形成した場合のダイオードの逆回復特性を分析す
るための、シミュレーションのモデルを示すものであ
る。同図5中、図1と同一記号のものは同一部分を示
す。但し、このモデルでは、図1の低ライフタイム領域
2にあたる領域は、図5の領域2S及び領域2S1に二
分されるものとされている。この内、一方の領域2S
は、ヘリウムイオンビームの半値幅(≒10μm)を考
慮して設定された領域であり、領域2Sの厚みd1は上
記半値幅分に相当するものとされている。従って、図5
のモデルにおける他方の領域2S1の部分は、実際には
ヘリウムイオン照射を受けたダメージ部分である筈では
あるが、シミュレーションの便宜のために、当該領域2
S1は単にN−層1Bと同じライフタイムを有するN型
半導体層として扱われている。実際には、両領域2S,
2S1は共にヘリウムイオン照射によりダメージを受け
た層であるから、各領域2S,2S1のそれぞれのライ
フタイムをτ2S、τ2S1として表わせば、τ1>τ
2S1>τ2Sの関係が成立するものと考えられ、従っ
て、図1では、図5の両領域2S,2S1を含めて両者
を一体的に第2半導体層(低ライフタイム層)2として
定義している。
【0043】このシミュレーションを行うに際して、各
パラメータは次の通りに設定されている。即ち、モデル
のダイオードは耐圧600Vクラスのダイオードに設定
しており、N−層1Bの比抵抗を30Ω.cmに、その
厚みを30μmに設定している。ただし、実際に拡散ウ
エハを用いていることに対応させるために、N−層1B
とN+層(N+基板)1Aとの間に100μm程度の濃
度勾配部分があるものと、本モデルでは設定されてい
る。又、アノードP層3の深さないし厚みは実際のダイ
オードにあわせて3μmに設定されており、その表面濃
度は1e17と設定している。更に、低ライフタイム領
域のない場合の、つまり図17に示す従来技術に該当す
る場合のダイオードのライフタイムは、全領域につい
て、50nsec.としている。一方、低ライフタイム
領域の存在する場合には、図5のモデルにおける低ライ
フタイム領域2Sの幅d1をヘリウムイオンビームの半
値幅に対応させて10μmとし、その領域2Sのライフ
タイムを8nsec.(<1/10×200nse
c.)とし、その他の領域(2S1,1B,1A)のラ
イフタイムを200nsec.としている。そして、低
ライフタイム領域2ないし2Sの界面S2からの位置な
いし深さdを変えて、リカバリー特性のシミュレーショ
ンを実行した。
【0044】シミュレーションは、図18に示すオン電
圧Vfと図19に示す逆回復特性(Irr,Trr)と
について、市販のシミュレータMediciを用いて行
われている。得られたシミュレーション結果を図6に示
す。
【0045】図6において、それぞれの特性Trr,I
rr,Vfはキャリアのライフタイムを全領域で同じに
した場合(つまり、領域2Sの形成が無い場合)の各特
性に対する規格値として示されている。従って、相対比
が1のときは、本デバイスは従来のもの(例えば、図1
7に示すもの)と同一の特性を示すこととなる。
【0046】図6のシミュレーション結果を考察する
と、次の点が理解される。先ず、オン電圧Vfは、低ラ
イフタイム領域2SがN型基板内に深く形成されるにつ
れて大きくなる。他方、リカバリーピーク電流Irr
は、その深さが20μmのときに極小となり、そのとき
の位置から照射位置がずれるとその値が大きくなる。
又、リカバリー電流消失時間Trrは、オン電圧Vfの
場合とは逆に、低ライフタイム領域2Sが深く形成され
るにつれて小さくなる。このような結果は、低ライフタ
イム領域2Sが界面S2から深く形成されるにつれて、
低ライフタイム領域2S及びその近辺のキャリア密度が
少なくなり、オン電圧Vfが高くなることを示してい
る。また、リカバリーピーク電流Irrが極小値を持つ
のは、図5のモデルでは領域2S1,2Sが設定されて
いる結果、低ライフタイム領域2Sが深くなると、逆に
アノード最近辺のキャリア、つまり領域2S1内のキャ
リアが多くなるためであると考えられる。さらに、低ラ
イフタイム領域2Sが深く形成されるにつれて、カソー
ド側のキャリアは減少するため、リカバリー電流消失時
間Trrは、低ライフタイム領域2Sが深くなるにつれ
て小さくなる。
【0047】既述した本発明の目的〜を達成するた
めには、図6のシミュレーションにおける相対値で言え
ば、Vf≒1(オン電圧Vfの不変化→時間Trrを長
くする)、Irr<1,Trr>1の関係が成立するよ
うに、低ライフタイム領域2ないしは2Sの厚みないし
深さdを設定する必要がある。特にIrr<1の関係式
の成立が重視されなければならない。かかる観点から図
6のシミュレーション結果を評価するならば、低ライフ
タイム領域2ないしは2Sの厚みdを10μm〜30μ
mの範囲内にコントロールするときには、従来よりも良
好なソフトリカバリー特性が得られることが理解され
る。
【0048】さらに、ヘリウムイオン照射位置dを時間
Trrが従来の場合と同じになる図6の照射位置30μ
mに設定したときの、オン状態でのキャリア密度を調査
した。その結果、アノード電極5より注入されたホール
密度分布がN基板1側の濃度分布と交わる点の深さ、つ
まり、オン状態での第1半導体層1の不純物濃度と第1
半導体層1内に注入されたキャリアの濃度とが同じにな
る位置は、界面S2からみて58μmの位置にあった。
ということは、ヘリウムイオン照射位置dは上記の通り
10μm〜30μmの範囲内にコントロールされるの
で、アノード電極5より注入されたホールがN基板1と
交わる点の深さの半分以下にヘリウムイオン照射位置d
を設定すれば、リカバリー電流消失時間Trrを、重金
属拡散や電子ビーム照射の施されていない従来の場合
(図17)よりも長い時間(時間Trrの相対値>1)
に設定することが可能になる。
【0049】(6) 次に、上記シミュレーション結果
を踏まえて、実際にダイオードを試作した。試作では、
従来のダイオードに比べて全体に施すライフタイムコン
トロールを弱めたpin構造に対して、上述のヘリウム
イオン照射を行ない、その後、熱処理(アニール)を施
した上で、上記シミュレーション同様に、各特性Vf,
Irr,Trrのヘリウムイオン照射位置依存性を調査
した。但し、ここでは、ヘリウムイオン照射位置は、ア
ノードP層3(厚み3μm程度)を含めた深さL(図1
参照)で以て表わされる。ヘリウムイオン照射は、シミ
ュレーション同様に、照射ビームの半値幅が10μmで
ある条件で行なわれており、照射量は実用的な相対値レ
ベルで10〜100cm-3程度(図22参照)である。ま
た、本試作では、熱処理を加えたダイオードのSR測定
結果を評価し(図4,図8参照)、ダメージを受けた低
ライフタイム領域の比抵抗の変化とN基板の比抵抗の変
化とが交わる点、図4,図8の例では、点Pを、ヘリウ
ムイオン照射位置Lとしている。その試作結果を図7に
示す。図7の縦軸は、図6と同様に、領域2の無い従来
構造(図17参照)の特性に対する相対値として与えら
れている。
【0050】図7に示されるように、試作結果も図6の
シミュレーション結果とほぼ同様の結果であり、オン電
圧Vfは低ライフタイム領域2(図1)が深くなるにつ
れて大きくなる。リカバリーピーク電流Irrは深さL
が28μmのときに極小となり、当該深さ(=28μ
m)からヘリウムイオン照射位置Lがずれると、その値
が大きくなる。リカバリー電流消失時間Trrは、オン
電圧Vfとは、逆に、低ライフタイム領域2の位置Lが
深くなるにつれて小さくなる。図6と図7とでは、アノ
ードP層3の厚みを差し引いたとしても、リカバリーピ
ーク電流Irrの極小値近辺のリカバリーピーク電流I
rrのヘリウムイオン照射位置に対する変化に差が生じ
ているが(図7ではリカバリ電流Irrの変化が小さ
い)、これは、図6のシミュレーションでは図5の領域
2S1を非ダメージ領域として扱っていることに起因し
ているものと、考えられる。従って、図5の領域2S1
もダメージ領域として実際に考える必要性が、ここに見
出される。
【0051】図7の試作結果からは、従来の場合と比較
して、低ライフタイム領域2の位置Lを15μm〜40
μmの範囲内にすると、従来よりもリカバリー特性が改
善される(特にリカバリーピーク電流Irr<1とな
る)。
【0052】アノードP層3の第1主面からのヘリウム
イオン照射位置Lを図7の28μmにコントロールして
試作品を試作した場合のSR測定結果を、図8に示す。
同図8より理解される通り、ダメージを受けた低ライフ
タイム領域の抵抗は、ダメージを与える前の約50倍強
になっている。ということは、低ライフタイム領域2の
抵抗率が第1半導体層1のそれの50倍以上に設定され
ることが望ましい。又、ライフタイムに関しては、既述
したシミュレーションの条件設定からみて、(低ライフ
タイム領域2のライフタイムτ2)<1/10×(第1
半導体層1のライフタイムτ1)の関係が成立している
ことが望まれる。これにより、N型基板1内のキャリア
密度を適切にすることが可能となる。
【0053】ヘリウムイオン照射位置Lをリカバリーピ
ーク電流Irrが極小となる28μmの位置にコントロ
ールして低ライフタイム領域2を形成した場合のリカバ
リー特性を、図9に示す。又、ヘリウムイオン照射を行
なわない場合のダイオードの逆回復特性の結果を、図1
0に示す。両図9,10において、記号Ikがアノード
−カソード間電流を示している。他の記号は既述した通
りである。両図9,10を比較してわかる通り、図9の
本発明のダイオードの方が、リカバリーピーク電流Ir
rがより小さくなっており、且つリカバリー電流消失時
間Trrもより長くなっている。
【0054】(7) 以上の説明では、pin構造にお
いて、N型基板1及びアノードP層3をそれぞれ第1導
電型の第1半導体層及び第2導電型の第3半導体層と
し、その間に挟まれた中間層を低ライフタイム層2と
し、アノード電極5及びカソード電極6を各々第1及び
第2主電極とする場合であった(図1参照)。しかし、
本発明はこれに限られるものではなく、(i)p型半導
体基板を第1導電型の第1半導体層とし、(ii)その
上に形成された、よりライフタイムが短く且つ単調減少
する抵抗率を有するp型の半導体層を第1導電型の第2
半導体層とし、(iii)更にその上に形成されたカソ
ードn層を第2導電型の第3半導体層とし、(iv)カ
ソード電極及びアノード電極をそれぞれ第1及び第2主
電極とする、半導体装置にも、適用可能である。この場
合の第2半導体層は、ヘリウムイオン等の所定のイオン
照射を受けることによってダメージのみを受けた領域で
あり、その後の熱処理によってもアクセプタ化されない
性質(従って、抵抗率の単調減少化)を有する (8) 又、図1,図6,図7のダイオードは、N−層
1B及びN+層1A中に白金等の重金属がヘリウムイオ
ン照射前に予め拡散されていることを前提とした構造で
あったが、本発明はこれに限られるものではなく、上記
重金属が予め拡散されていない場合にヘリウムイオン照
射を行って低ライフタイム領域2を形成するダイオード
にも適用可能である。この場合には、重金属拡散による
効果、即ち、既述した効果(カソード側のキャリア密
度の増大化・(重金属拡散が施されたときの従来のダイ
オードに対しての)オン電圧Vfの不変化・消失時間T
rrの増大化の維持)は得られないが、上述した特徴的
な効果(電流Irrの一層の低減化)及び(耐圧不
変)は得られるため、そのような構造もなお有益な技術
を提供する。
【0055】(9) 図1に基づく上記説明は、軽イオ
ンないし所定のイオンの代表例として、ヘリウムイオン
を利用して図1の低ライフタイム領域2を形成した場合
であったが、軽イオンとしては、ヘリウムイオン以外の
ものを利用しても良い。ここでは、「軽イオン」とは、
水素イオン、即ちプロトンを除く、原子番号2のヘリウ
ムのイオンから原子番号8の酸素のイオンまでを含む、
相対的に軽い原子のイオンを意味するものとして、広義
の意味で用いられている。特に、He,Li,Beとい
う、シリコンに対して一般的にドナー,アクセプタとい
う半導体不純物を構成しない部類に属する原子のイオン
を、所定のイオンに用いるのが効果的である。
【0056】(実施の形態2)以下では、ダイオードの
好ましい製造方法について説明する。図11〜図14の
縦断面図は、この実施の形態における製造工程を示す。
【0057】このダイオードを製造するには、図11に
示す第1工程において、まずN+層1AとN−層1Bと
からなるN型基板(第1導電型の第1半導体層に該当)
1を用意する。
【0058】次に第2工程においては、図12に示すよ
うに、N−層1Bの露出した表面より、P型不純物を注
入、アニールして、アノード領域3(第2導電型の第2
半導体層)をN−層表面上に形成する。次に、図13に
示すように、N型基板1の表面上にアノード電極(第1
主電極)5を、N型基板1の裏面上にカソード電極(第
2主電極)6を、各々形成する。尚、カソード電極6に
ついては、後述する第3工程後にこれを形成するように
しても良い。
【0059】次に図14に示す第3工程において、先
ず、アノード側に、アノード電極5に対置するように、
所定のイオン源を配設する。所定のイオン源は、水素イ
オン(プロトン)を除いた軽イオン照射源であり、ここ
では、それは軽イオンの代表格たるヘリウムイオンビー
ム照射源である。次に、ヘリウムイオン照射の深さを照
射量を変えることなく調節するためのバッファ層(たと
えばアルミフォイル)7をアノード電極5の前方に配置
し(バッファ層7の厚みによってヘリウムイオンビーム
の加速エネルギーを減少させる)、このバッファ層7を
介して、ヘリウムイオンを界面S2よりN−層1B内に
所定の深さdで(アノード領域3の、アノード電極5が
形成された一方の表面3S1からみて所定の深さLで)
照射し、その後、300゜C〜400゜Cの熱処理(第
1熱処理)を照射後のデバイスに加える。これにより、
厚みdの低ライフタイム領域2を界面S2近傍のN−層
1BS内に形成する。その他のN−層部分は記号1Bと
して表わす。このとき、アノード電極5の表面よりヘリ
ウムを照射することで、カソード面側より照射する場合
に比べて、アノード面(界面S2)に対する照射位置の
バラツキを小さくすることができる。上記所定の深さL
の範囲は、アノード領域3の膜厚が3μm程度であるこ
とを考えると、実施の形態1で述べた通り、15μm〜
40μmであることが望ましい。
【0060】上記第1〜第3工程を経て、図1に示した
ような新規なダイオード構造を得ることができる。即
ち、リカバリーピーク電流Irrのより小さな低損失ソ
フトリカバリー特性を有する半導体装置を、耐圧を劣化
させることなく、汎用な軽イオン源たるヘリウムイオン
ビーム発生装置を用いて容易に形成することができる。
この場合、工程数は図14の工程が増えるだけに留ま
る。
【0061】本実施の形態で述べた技術的思想は、アノ
ード領域内のPN接合面付近に低ライフタイム領域を形
成する場合にも、基本的に適用可能である。
【0062】(実施の形態3)本実施の形態の工程を示
すフローチャートを図15に示す。同図15より理解さ
れる通り、本実施の形態の特徴は、ヘリウムイオン照射
工程前に、実施の形態2で述べた第2工程中に、図16
に示す重金属拡散工程を付加することにある。この重金
属拡散工程自体は、既述した第1従来技術に相当してお
り、図1のカソードN+層1A側のキャリアのライフタ
イムを増やし、カソード側のキャリア密度を増大させ
て、低ライフタイム領域2を設けたことにより生じうる
オン電圧Vfの増加を防止して時間Trrを長くなるよ
うにする点にある。
【0063】以下、図16の工程図を参照して、さらに
カソード側のライフタイムをより長くコントロールでき
るダイオードの製造方法について説明する。
【0064】即ち、実施の形態2に示した製造方法中、
図12の工程終了後に、図16に示す通り、アノード領
域3の表面上に白金又は金等の重金属をスパッタし、そ
の後、800゜C〜900゜Cの熱処理(第2熱処理)
を加えてN−層1BS,N+層1A内に重金属を拡散さ
せる。これにより、N+層1BSからN+層1Aにかけ
て、低ライフタイム層2のそれよりも長いライフタイム
を有する領域が形成される。図14の工程におけるヘリ
ウムイオン照射後の熱処理温度よりも、当該熱処理温度
の方が十分に高いので、本実施の形態のように図12の
工程と図13の工程との間に重金属拡散工程を付加する
ことで、アノード近辺及びカソード近辺のライフタイム
を各々別々の工程としてコントロールすることが可能と
なる。
【0065】以上より、本実施の形態の製造方法を用い
れば、耐圧を劣化させることなくソフトリカバリー特性
(Irr→小,Trr→大)をより一層改善できる半導
体装置を提供できる。
【0066】(まとめ)この発明の各実施の形態におけ
るダイオードは、第1主電極側の第3の半導体層の底面
から所定の深さまでに形成された、単調減少する抵抗率
を有する低ライフタイム領域2を有するため、降伏電圧
に影響を及ぼすことなく、第3の半導体層近辺のキャリ
ア密度を低減して、逆回復特性の逆電流を格段に低減す
ることを可能にする。しかも、低ライフタイム領域2の
ライフタイムとその他の領域のライフタイムとをそれぞ
れ別々に最適な値にコントロールしているため、第2主
電極側の第1半導体層のキャリア密度を増大させる方向
にコントロールすることができ、逆回復特性が改善され
る。
【0067】そして、この発明におけるダイオードで
は、低ライフタイム領域の抵抗が単調に減少しているの
で、第1半導体層と第3半導体層とで降伏電圧が決まる
こととなる。
【0068】この発明におけるダイオードの製造方法で
は、そのような改善されたソフトリカバリー特性を有す
るダイオードを容易にかつ汎用性を以て製造することが
できる。
【0069】尚、本発明の範囲はクレームによって与え
られるものであって、上述した明細書中の説明に限定さ
れるものではない。クレームの範囲内にある、あらゆる
修正例及び変形例は、全てこの発明の範囲内にある。
【0070】(産業上の利用の可能性)この発明は、半
導体装置の内で、特にpinダイオードに利用されると
きに、その特徴を効果的に発揮しうる。そして、この発
明に係る半導体装置をパワーモジュールにおけるフリー
ホイールダイオードとして使用しうる。
【0071】
【発明の効果】本発明に係る半導体装置では、第2半導
体層は高抵抗値を有する低ライフタイム領域であって、
しかも、その抵抗値は単調に減少するのみである。その
ため、第2半導体層から第1半導体層へかけて、不純物
のキャリアのライフタイムは単調に増加する。これによ
り、低ライフタイム領域が第1及び第3半導体領域間に
生じても、PN接合の降伏電圧(耐圧)を劣化させるこ
となく大きな値に維持することが可能となる。そして、
この低ライフタイム化により、第2界面近傍のキャリア
密度は十分に低減される。従って、このPN接合に印加
されるバイアスを順方向バイアスから逆バイアスへ変え
たときに流れるリカバリー電流のピーク値を既述した第
1〜第4技術よりも一層に低減化することが可能とな
り、ソフトリカバリー特性を格段に改善することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態1におけるダイオードの
構造を示す縦断面図である。
【図2】 SR測定法を模式的に示す図である。
【図3】 従来の第4技術を適用した場合のダイオード
のSR測定結果を示す図である。
【図4】 本発明の実施の形態1に係るダイオードのS
R測定結果を示す図である。
【図5】 本発明におけるシミュレーション・モデルを
示す縦断面図である。
【図6】 図5のモデルに対するシミュレーション結果
を示す図である。
【図7】 本発明の実施の形態1におけるダイオードの
試作結果を示す図である。
【図8】 図7の試作結果中、リカバリーピーク電流が
最小値を示すときのSR測定結果を示す図である。
【図9】 本発明の実施の形態1に係るダイオードの試
作結果を示す図である。
【図10】 図9との比較のために示した、従来のダイ
オードの測定結果を示す図である。
【図11】 本発明の実施の形態2におけるダイオード
の製造方法を示す断面図である。
【図12】 本発明の実施の形態2におけるダイオード
の製造方法を示す断面図である。
【図13】 本発明の実施の形態2におけるダイオード
の製造方法を示す断面図である。
【図14】 本発明の実施の形態2におけるダイオード
の製造方法を示す断面図である。
【図15】 本発明の実施の形態3における製造工程を
示すフローチャートである。
【図16】 図15中の第2工程の一部を示す断面図で
ある。
【図17】 従来の一般的なダイオードの構造を示す断
面図である。
【図18】 ダイオードの出力特性を示す図である。
【図19】 ダイオードの逆回復特性を示す図である。
【図20】 従来の第2技術を適用したときのダイオー
ドの構造例を示す断面図である。
【図21】 従来の第4技術を適用したときのダイオー
ドの構造を示す断面図である。
【図22】 従来の第4技術を適用したダイオードにお
いて、プロトン照射量と降伏電圧及びリカバリーピーク
電流との関係を示す図である。
【図23】 ヘリウムイオン照射時の降伏電圧及びリカ
バリピーク電流の測定結果を示す図である。
【符号の説明】
1 第1半導体層、2 第2半導体層、3 第3半導体
層、5 第1主電極、6 第2主電極。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1導電型の第1半導体層と、 前記第1半導体層の主面と第1界面をなす第1主面と前
    記第1主面に対向する第2主面とを有し、且つ前記第1
    導電型の不純物を含むと共に、ダメージを受けて格子欠
    陥化状態にあるダメージ部分をも含む第2半導体層と、 前記第2半導体層の前記第2主面と第2界面をなす主面
    を有する第2導電型の第3半導体層とを備え、 前記第2半導体層に於ける第2ライフタイムは前記第1
    半導体層に於ける第1ライフタイムよりも小さく、 前記第2半導体層に於ける抵抗値は前記第2界面から前
    記第1界面に向けて単調に減少していることを特徴とす
    る、半導体装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の半導体装置であって、 前記第2半導体層内の前記ダメージ部分は、前記格子欠
    陥化状態から前記不純物化されてはいないことを特徴と
    する、半導体装置。
  3. 【請求項3】 請求項2記載の半導体装置であって、 前記第2半導体層内の前記第1導電型不純物の濃度は略
    一定であることを特徴とする、半導体装置。
JP2003033482A 2003-02-12 2003-02-12 半導体装置 Expired - Lifetime JP3910922B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003033482A JP3910922B2 (ja) 2003-02-12 2003-02-12 半導体装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003033482A JP3910922B2 (ja) 2003-02-12 2003-02-12 半導体装置

Related Parent Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP51299099A Division JP3435166B2 (ja) 1997-08-14 1997-08-14 半導体装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2003249662A true JP2003249662A (ja) 2003-09-05
JP3910922B2 JP3910922B2 (ja) 2007-04-25

Family

ID=28672870

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003033482A Expired - Lifetime JP3910922B2 (ja) 2003-02-12 2003-02-12 半導体装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3910922B2 (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007251003A (ja) * 2006-03-17 2007-09-27 Toyota Central Res & Dev Lab Inc 半導体デバイス及びその製造方法
JP2007266103A (ja) * 2006-03-27 2007-10-11 Sanken Electric Co Ltd 半導体装置の製法及び半導体装置
US7282781B2 (en) 2004-05-27 2007-10-16 Fuji Electric Device Technology Co., Ltd. Semiconductor device with a short-lifetime region and manufacturing method thereof
US7799662B2 (en) 2005-11-14 2010-09-21 Fuji Electric Systems Co., Ltd. Power semiconductor device with soft switching characteristic and manufacturing method for same
DE102012216329A1 (de) 2011-10-12 2013-04-18 Mitsubishi Electric Corporation Halbleitervorrichtung

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7282781B2 (en) 2004-05-27 2007-10-16 Fuji Electric Device Technology Co., Ltd. Semiconductor device with a short-lifetime region and manufacturing method thereof
DE102005014932B4 (de) * 2004-05-27 2010-12-02 Fuji Electric Systems Co., Ltd. Halbleiterbauteil und Verfahren zu seiner Herstellung
US7799662B2 (en) 2005-11-14 2010-09-21 Fuji Electric Systems Co., Ltd. Power semiconductor device with soft switching characteristic and manufacturing method for same
JP2007251003A (ja) * 2006-03-17 2007-09-27 Toyota Central Res & Dev Lab Inc 半導体デバイス及びその製造方法
JP2007266103A (ja) * 2006-03-27 2007-10-11 Sanken Electric Co Ltd 半導体装置の製法及び半導体装置
DE102012216329A1 (de) 2011-10-12 2013-04-18 Mitsubishi Electric Corporation Halbleitervorrichtung
JP2013084828A (ja) * 2011-10-12 2013-05-09 Mitsubishi Electric Corp 半導体装置
US8698250B2 (en) 2011-10-12 2014-04-15 Mitsubishi Electric Corporation Semiconductor device

Also Published As

Publication number Publication date
JP3910922B2 (ja) 2007-04-25

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3435166B2 (ja) 半導体装置
US9263529B2 (en) Semiconductor device with vertically inhomogeneous heavy metal doping profile
JP5104314B2 (ja) 半導体装置およびその製造方法
US9680034B2 (en) Manufacturing method for semiconductor device with point defect region doped with transition metal
WO2016010097A1 (ja) 半導体装置および半導体装置の製造方法
US8829519B2 (en) Semiconductor device
US20080001257A1 (en) Semiconductor device with a field stop zone
WO2013073623A1 (ja) 半導体装置および半導体装置の製造方法
US9887190B2 (en) Semiconductor device and method for manufacturing the same
JP2003318412A (ja) 半導体装置およびその製造方法
CN103035676A (zh) 半导体装置及其制造方法
US10892168B2 (en) Semiconductor device and method for forming a semiconductor device
US9209027B1 (en) Adjusting the charge carrier lifetime in a bipolar semiconductor device
JP3952452B2 (ja) 半導体装置の製造方法
JP3910922B2 (ja) 半導体装置
JP2001127308A (ja) 半導体装置
JP6365790B2 (ja) 半導体装置および半導体装置の製造方法
JP2004088012A (ja) ダイオード
CN114300544A (zh) 一种快恢复二极管及其制作方法
KR100450598B1 (ko) 반도체 장치
KR101851821B1 (ko) 바이폴라 펀치 쓰루 반도체 디바이스 및 그러한 반도체 디바이스의 제조 방법
JPH07297415A (ja) 半導体装置とその製造方法
JP2006157057A (ja) 半導体装置
JPH0432263A (ja) 半導体装置の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A132

Effective date: 20061024

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20061128

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20070123

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20070125

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100202

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110202

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120202

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130202

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130202

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140202

Year of fee payment: 7

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

EXPY Cancellation because of completion of term