JP2003248255A - 2次元駆動装置とそれを用いた像ぶれ補正装置 - Google Patents

2次元駆動装置とそれを用いた像ぶれ補正装置

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JP2003248255A
JP2003248255A JP2003080394A JP2003080394A JP2003248255A JP 2003248255 A JP2003248255 A JP 2003248255A JP 2003080394 A JP2003080394 A JP 2003080394A JP 2003080394 A JP2003080394 A JP 2003080394A JP 2003248255 A JP2003248255 A JP 2003248255A
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Naoto Yugi
直人 弓木
Takayuki Hayashi
孝行 林
Yutaka Takahashi
裕 高橋
Takeshi Shimobatake
剛 下畠
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Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 2次元駆動装置を用いた像ぶれ補正装置にお
いて、位置検出素子削減による装置の小型化および位置
検出精度の向上を目的とする。 【解決手段】 第1および第2の7y,7xによってピ
ッチング方向およびヨーイング方向に移動可能な移動対
象2,4の位置をLED12からの光の入射点によって
検出する位置検出手段として2次元PSD14を備えた
2次元駆動装置であって、2次元PSD14のピッチン
グ方向での検出値和Aとヨーイング方向での検出値和B
との総和Gがほぼ一定に保たれるようにLED12を駆
動制御する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、2次元方向に沿っ
て移動対象を移動させる2次元駆動装置にかかわり、ま
た、その2次元駆動装置を用いたところのビデオカメラ
等の手ぶれによる像ぶれを補正する像ぶれ補正装置に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の2次元駆動装置を用いた像ぶれ補
正装置として、特開平4−18515号公報に記載され
ているものが知られている。その内容は、撮影時にカメ
ラが振動することにより生じる像ぶれを補正するため
に、撮影光学系の一部の光学系(像ぶれ補正光学系)
を、光軸にほぼ垂直な2方向に移動させて、撮影光学系
の光軸を変化させるものである。
【0003】図18は、上記の公報に開示の従来の像ぶ
れ補正装置の一例を示す分解斜視図である。
【0004】補正レンズ41を保持する固定枠43は、
滑り軸受け44p,44pを介してピッチスライド軸4
5p上を摺動できるようになっている。また、ピッチス
ライド軸45pは保持枠46に取り付けられている。固
定枠43はピッチスライド軸45pと同軸のピッチコイ
ルバネ47p,47pに挟まれており、中立位置付近に
保持される。固定枠43にはピッチコイル48pが取り
付けられている。ピッチコイル48pはピッチマグネッ
ト49pとピッチヨーク410pとで構成された磁気回
路中に置かれており、電流を流すことで固定枠43はピ
ッチング方向42p(垂直方向)に駆動される。固定枠
43のピッチング方向での位置検出手段として、投光器
412p(LED)とスリット411pが固定部材42
1pを介して固定枠43に設けられており、スリット4
11pを介して固定側の受光器413p(PSD:Posi
tion Sensitive Device)に投光され、固定枠43のピ
ッチング方向42pの位置検出を行う。
【0005】さらに保持枠46には滑り軸受け44y,
44yが嵌合されており、ヨースライド軸45yが取り
付けられたハウジング414内を摺動可能となってい
る。このハウジング414は図外のレンズ鏡筒に取り付
けられており、保持枠46はレンズ鏡筒に対してヨーイ
ング方向42y(水平方向)に移動可能とされている。
また、ヨースライド軸45yと同軸にヨーコイルバネ4
7y,47yが設けられており、固定枠43と同様に中
立位置付近に保持される。固定枠43にはヨーコイル4
8yが設けられており、ヨーコイル48yはヨーマグネ
ット49yとヨーヨーク410yとで構成された磁気回
路中に置かれており、電流を流すことで固定枠43およ
び保持枠46はヨーイング方向42yに駆動される。固
定枠43のヨーイング方向での位置検出手段として、投
光器412y(LED)とスリット411yが固定分散
421yを介して固定枠43に設けられており、スリッ
ト411yを介して固定側の受光器413y(PSD)
に投光され、固定枠43のヨーイング方向42yの位置
検出を行う。
【0006】図13は従来の1次元PSDを用いた制御
方式を示す。ピッチング方向(Y方向)の1次元PSD
413pの光電流出力Iy1,Iy2は、それぞれI−
V変換アンプ120y,121yによって電圧値Vy
1,Vy2に変換される。この変換された電圧値は、差
動アンプ部122yにより差分をとられ、ピッチコイル
48pを駆動制御するための信号yが出力される。ま
た、変換された電圧値Vy1,Vy2は、加算アンプ部
123yにより加算される。LED412pからの投射
光を1次元PSD413pで受光するが、加算アンプ部
123yは、その受光量和を求める。そして、その電圧
値としての出力の和Aが常に一定となるように(図14
における電気中心(O)での電圧値の和A(O)と等し
くなるように)、LED412pを発光させる駆動アン
プ部127yがフィードバック制御を行いながら、LE
D412pに駆動電流を流して発光させる。
【0007】もう一方のヨーイング方向においても同様
のフィードバック制御が行われる。ピッチング方向での
フィードバック制御とヨーイング方向でのフィードバッ
ク制御とは互いに独立した状態で行われる。
【0008】補正レンズ41を搭載した固定枠43のピ
ッチング、ヨーイングの2方向での位置検出手段とし
て、LED412p及びPSD413pと、LED41
2y及びPSD413yの2組の位置検出センサを必要
としている。しかし、これが像ぶれ補正装置の小型化を
阻害している。
【0009】従来の位置検出素子は1次元PSDである
が、この1次元PSDを2つと、それぞれに対応するL
EDを2つ用いることは、レンズ鏡筒の小型・軽量化に
伴う像ぶれ補正装置の小型化にとって不向きである。小
型化を進めるためには、1次元PSDに代えて2次元P
SDを用いることがよいと考えられる。LEDも1つで
すむ。
【0010】図14は2次元PSD上の位置と理想の光
電流出力値との関係を示す図、図15は2次元PSD上
の位置と理想の位置検出精度との関係を示す図、図16
は2次元PSD上の位置と光電流出力値のばらつきとの
関係を示す図、図17は2次元PSD上の位置と精度が
悪化したときの位置検出精度との関係を示す図である。
【0011】2次元PSDの位置検出精度について説明
する。図14に示すように、ピッチング方向(Y方向)
の光電流出力Iy1は、2次元PSD上の位置に対して
理想的にはほぼ直線状に出力が変化する。同様にもう一
方の光電流出力Iy2は、2次元PSD上の位置に対し
て傾きが逆となるように、理想的にはほぼ直線状に変化
する。したがって検出範囲内においては、常に出力が安
定しているので、図15に示すような高精度な位置検出
精度を得ることができる。また、ヨーイング方向(X方
向)についても同様であり、光電流出力Ix1,Ix2
は、検出範囲内においてほぼ直線状に出力が変化するた
め、検出範囲内においては高精度な位置検出精度を得る
ことができる。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら実際に
は、2次元PSDの電気中心(O)から離れるに従って
リニアリティが損なわれ、図16(a)で破線で示すよ
うに、光電流出力Iの傾きが緩くなるため、光電流出力
が弱くなる。その結果として、図17の破線で示すよう
に、検出範囲の両端では位置検出精度が極端に悪化する
という性質がある。また図16(b)で実線および破線
で示すように、2次元PSDでは、X方向とY方向で光
電流出力の差があるため、X方向とY方向との位置検出
精度に差が生じ、十分に高精度な位置検出を行うことが
できなくなるという問題がある。
【0013】本発明は、このような新知見に基づいて、
小型化を図るために位置検出素子として2次元位置検出
素子を用いる2次元駆動装置において、製造ばらつきに
かかわらず、高精度な位置検出が行えるようにすること
を目的としている。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記した課題の解決を図
ろうとする2次元駆動装置についての本発明は、2次元
位置検出素子の2つの方向での検出値和の総和をもって
制御のための演算を行うものであり、これにより位置検
出精度を向上することができる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を総括
的に説明する。
【0016】本願の第1の発明の2次元駆動装置は、第
1および第2の方向に移動可能な移動対象と、前記移動
対象を前記第1の方向に駆動する第1の駆動手段と、前
記移動対象を前記第2の方向に駆動する第2の駆動手段
と、2次元位置検出素子に対する発光素子からの光の入
射点によって前記移動対象の前記第1および第2の方向
での位置を検出する位置検出手段とを備え、前記位置検
出手段によって検出した第1および第2の方向の位置が
所定の位置となるように前記第1および第2の駆動手段
を制御するように構成されている2次元駆動装置であっ
て、前記2次元位置検出素子の前記第1の方向での検出
値和と前記第2の方向での検出値和との総和がほぼ一定
に保たれるように前記発光素子を駆動制御するように構
成されていることを特徴とする。
【0017】例えば、2次元位置検出素子の電気中心で
の第1の方向での検出値和をA(O)、第2の方向での
検出値和をB(O)として、検出値和の総和G(O)=
A(O)+B(O)を参照値とすると、任意のスポット
位置での検出値和の総和G=A+Bが常に参照値G
(O)と等しくなるように制御するのである。
【0018】この第1の発明によると、まず、位置検出
素子として2次元位置検出素子を用いるので、位置検出
素子も発光素子も従来技術に比べてその部品点数を削減
でき、2次元駆動装置の小型化を図ることができる。さ
らに、製造公差のために2次元位置検出素子の第1の方
向と第2の方向とで素子のばらつきがあっても、これら
両方向について、2次元位置検出素子の位置検出精度を
高精度なものにすることができる。
【0019】本願の第2の発明の2次元駆動装置は、上
記の第1の発明において、前記2次元位置検出素子につ
いてあらかじめ求められた前記第1の方向での検出値和
と前記第2の方向での検出値和との間の所定の関係に基
づいて前記両方向での検出値和の総和を求める演算を補
正するように構成してあることを特徴とする。
【0020】この第2の発明によると、製造公差のため
に2次元位置検出素子においてその第1の方向と第2の
方向とで感度の差があることが製造段階であらかじめ分
かっているときに、例えばその感度の比率に相当する補
正係数をあらかじめ記憶部に登録しておいて、その補正
係数によって補正を行うことにより、感度が低い方向の
光量フィードバック量を大きくして、その感度が低い方
向の素子に対する外乱の影響を抑えることが可能とな
り、第1および第2の両方向について、2次元位置検出
素子の位置検出精度を高精度なものにすることができ
る。
【0021】本願の第3の発明の2次元駆動装置は、上
記の第1の発明において、前記2次元位置検出素子の電
気中心またはその近傍における前記第1の方向での検出
値和と前記第2の方向での検出値和に基づいて補正係数
を生成し、この補正係数を記憶し、この補正係数によっ
て前記両方向での検出値和の総和を求める演算を補正し
た結果を参照値として記憶し、任意のスポット位置にお
ける前記第1の方向での検出値和と前記第2の方向での
検出値和を前記の記憶した補正係数に基づいて補正し、
その補正後の総和が前記の記憶した参照値に接近するよ
うに前記発光素子を駆動制御するように構成されている
ことを特徴とする。
【0022】この第3の発明によると、発光素子と2次
元位置検出素子との位置関係や光路におけるばらつきの
影響を小さくするような光量フィードバックが可能とな
り、2次元位置検出素子の位置検出精度を高精度なもの
にすることができる。
【0023】本願の第4の発明の2次元駆動装置は、上
記の第1の発明において、前記2次元位置検出素子の前
記第1の方向でのオフセット量と前記第2の方向でのオ
フセット量に基づいて補正係数を生成し、この補正係数
を記憶し、この補正係数によって前記両方向での検出値
和の総和を求める演算を補正した結果を参照値として記
憶し、任意のスポット位置における前記第1の方向での
検出値和と前記第2の方向での検出値和を前記の記憶し
た補正係数に基づいて補正し、その補正後の総和が前記
の記憶した参照値に接近するように前記発光素子を駆動
制御するように構成されていることを特徴とする。
【0024】この第4の発明によると、2次元位置検出
素子においてオフセットをもたらす取り付けばらつきの
影響を小さくするような光量フィードバック制御が可能
となり、2次元位置検出素子の位置検出精度を高精度な
ものにすることができる。
【0025】以下、本発明の2次元駆動装置を用いた像
ぶれ補正装置の具体的な実施の形態について、図面を用
いて詳細に説明する。
【0026】(実施の形態1)図1は本発明の実施の形
態1における像ぶれ補正装置の分解斜視図、図2はピッ
チング移動枠の拡大斜視図、図3は2次元PSD(Posi
tion Sensitive Device)の素子の概略を示す図、図4
は先行技術として2次元PSDから出力される光出力電
流値に基づいて2次元位置を演算し出力するための演算
回路の一例を示すブロック回路図、図5は像ぶれ補正回
路のブロック図である。
【0027】撮影時に像ぶれを補正するするための像ぶ
れ補正用レンズ群1は、図1の第1の方向(Y方向)で
あるピッチング方向に移動可能で第2の方向(X方向)
であるヨーイング方向にも移動可能なピッチング移動枠
2に固定されている。このピッチング移動枠2は、軸受
2aとその反対側に廻り止め2bを設けることにより、
2本のピッチングシャフト3a,3bを介して第1の方
向(Y方向)に摺動可能な構成になっている。ピッチン
グ移動枠2の下側には第1の電磁アクチュエータ6yが
配置されている。この第1の電磁アクチュエータ6y
は、ピッチング移動枠2に取り付けられた第1のコイル
7yと、後述する固定枠10に取り付けられるマグネッ
ト8y及びヨーク9yにより構成されている。またマグ
ネット8yは片側に2極着磁がされており、片側開放の
コの字型のヨーク9yに固定されている。さらにピッチ
ング移動枠2の右側には、第2の電磁アクチュエータ6
xが配置されている。この第2の電磁アクチュエータ6
xは、ピッチング移動枠2に取り付けられた第2のコイ
ル7xと、固定枠10に取り付けられるマグネット8x
及びヨーク9xにより構成されている。またマグネット
8xは片側に2極着磁がされており、片側開放のコの字
型のヨーク9xに固定されている。第1の電磁アクチュ
エータ6yとマグネット8yとヨーク9yとがピッチン
グ移動枠2を第1の方向であるピッチング方向(Y方
向)に駆動する第1の駆動手段を構成し、第2の電磁ア
クチュエータ6xとマグネット8xとヨーク9xとがピ
ッチング移動枠2を第2の方向であるヨーイング方向
(X方向)に駆動する第2の駆動手段を構成している。
【0028】ピッチング移動枠2の−Z方向には、像ぶ
れ補正用レンズ群1を第2の方向(X方向)に移動させ
るヨーイング移動枠4が取り付けられている。ヨーイン
グ移動枠4のZ方向には、先ほど述べたピッチング移動
枠2をピッチング方向(Y方向)に摺動させるための2
本のピッチングシャフト3a,3bの両端を固定する固
定部4c,4dが設けられている。またヨーイング移動
枠4は、軸受4aとその反対側にシャフト5b(図示せ
ず)を設けることにより、2本のヨーイングシャフト5
a,5bを介して第2の方向であるヨーイング方向(X
方向)に摺動可能な構成になっている。このヨーイング
シャフト5aは、ヨーイング移動枠4の−Z方向に設け
られた固定枠10の固定部10c(図示せず)に固定さ
れる。またシャフト5bは、固定枠10に設けられた廻
り止め10dにより摺動自在である。
【0029】以上の構成によって、ピッチング移動枠2
の第1のコイル7yに電流が流されると、マグネット8
yとヨーク9yとにより第1の方向であるピッチング方
向(Y方向)に沿った電磁力が発生する。これと同様
に、ピッチング移動枠2の第2のコイル7xに電流が流
されると、マグネット8xとヨーク9xとにより第2の
方向であるヨーイング方向(X方向)に沿った電磁力が
発生する。このように、2つの電磁アクチュエータ6
y,6xにより、像ぶれ補正用レンズ群1は光軸Z方向
にほぼ垂直なX,Yの2方向に駆動される。
【0030】次に位置検出手段について説明する。像ぶ
れ補正用レンズ群1を搭載したピッチング移動枠2の位
置検出部11は、発光素子12(以下、LEDとす
る)、スリット13及びPSD基板15に取り付けられ
た2次元位置検出素子である2次元PSD14により構
成される。この位置検出部11は、X,Y軸平面上のピ
ッチング移動枠2の位置を1組のLED12と2次元P
SD14により検出するものである。LED12はピッ
チング移動枠2の背面側に取り付けられ、2次元PSD
14はピッチング移動枠2の前面に対面する状態に配さ
れたPSD基板15に固定されている。PSD基板15
は止めネジ15aにより固定枠10の固定部10eに固
定されている。LED12に位置合わせする状態でピッ
チング移動枠2にほぼ円形状をしたスリット13が貫通
形成されており(図2参照)、LED12からの出射光
はスリット13を通して2次元PSD14の検出面に照
射されるように構成されている。LED12よりスリッ
ト13を通過した投射光は、2次元PSD14に入射さ
れ、LED12のスポット光をその入射した位置に対応
した光電流出力に変換する。そして、その光電流出力を
演算することにより、像ぶれ補正用レンズ群1の2次元
位置座標を求めることができる。
【0031】次に、図3、図4を用いて、2次元PSD
14から出力される光電流出力値に基づいて2次元位置
座標を演算し、出力する原理を説明する。第1の方向で
あるピッチング方向(Y方向)については、2次元PS
D14から出力された2つの光電流出力Iy1,Iy2
は、I−V変換アンプ20y,21yによりそれぞれ電
圧値Vy1,Vy2に変換され、この2つの電圧値は、
差動アンプ部22yに入力される。差動アンプ部22y
は、次式(数1)により、2次元PSD14の受光面上
のY方向位置座標を演算し、出力する。
【0032】
【数1】 ただし、Lyは2次元PSD14の素子のピッチング方
向(Y方向)の長さである。
【0033】同様に、第2の方向であるヨーイング方向
(X方向)については、2次元PSD14から出力され
た2つの光電流出力Ix1,Ix2は、I−V変換アン
プ20x,21xによりそれぞれ電圧値Vx1,Vx2
に変換され、この2つの電圧値は、差動アンプ部22x
に入力される。差動アンプ部22xは、次式(数2)に
より、2次元PSD14の受光面上のX方向位置座標を
演算し、出力する。
【0034】
【数2】 ただし、Lxは2次元PSD14の素子のヨーイング方
向(X方向)の長さである。
【0035】次に、図2に従って、外部の駆動回路(図
示せず)を接続するフレキシブルプリントケーブル16
について説明する。ピッチング移動枠2の前面2eに
は、フレキシブルプリントケーブル16が像ぶれ補正用
レンズ群1を囲むように取り付けられ、第1のコイル7
y、第2のコイル7x及びLED12と電気的に接続さ
れ、16d部にてほぼ直角に折り曲げられた後、外部の
駆動回路と接続される構成となっている。LED12は
ピッチング移動枠2の背面側に取り付けられているが、
ピッチング移動枠2には2つの挿通孔2c,2dが貫通
形成されており、LED12の2本の端子12a,12
bが挿通孔2c,2dに通されて前面側に突出されてい
る。すなわち、フレキシブルプリントケーブル16が固
定されたピッチング移動枠2の前面2eにおいて、LE
D12の2本の端子12a,12b、第1のコイル7
y、第2のコイル7xの合計6本の端子を、それぞれ同
一面に設けられたランド部16a,16b,16cにて
半田付けしている。以上これらの構成部品により、像ぶ
れ補正用のシフトユニット17を構成している。
【0036】このように構成された像ぶれ補正装置につ
いて、その基本的動作を説明する。
【0037】像ぶれ補正装置を内蔵したビデオカメラに
作用した手振れは、90゜に配置された2個の角速度セ
ンサ18により検出される。角速度センサ18により得
られた出力は時間積分される。そしてカメラのぶれ角度
に変換され、像ぶれ補正用レンズ群1の目標位置情報に
変換される。この目標位置情報に応じて像ぶれ補正用レ
ンズ群1を移動させるために、サーボ駆動回路19は、
目標位置情報と現在の像ぶれ補正用レンズ群1の位置情
報との差を演算し、電磁アクチュエータ6y,6xに信
号を伝送する。電磁アクチュエータ6y,6xは、この
信号に基づいて像ぶれ補正用レンズ群1を駆動する。ピ
ッチング方向Yの駆動については、サーボ駆動回路19
から指令を受けた電磁アクチュエータ6yは、フレキシ
ブルプリントケーブル16を通して第1のコイル7yに
電流が流れると、第1の方向であるピッチング方向(Y
方向)に力が働き、ピッチング移動枠2をピッチング方
向(Y方向)に駆動する。また、第2の方向であるヨー
イング方向(X方向)の駆動については、サーボ駆動回
路19から指令を受けた電磁アクチュエータ6xは、フ
レキシブルプリントケーブル16を通して第2のコイル
7xに電流が流れると、ヨーイング方向(X方向)に力
が働き、ヨーイング移動枠4とともにピッチング移動枠
2をヨーイング方向(X方向)に駆動する。よって、像
ぶれ補正用レンズ群1をピッチング移動枠2ならびにヨ
ーイング移動枠4により、光軸と直交する2次元面内に
おいて任意に動かすことが可能となるため、手振れによ
り発生した像ぶれを補正することが可能となる。
【0038】以上のように、位置検出素子として2次元
PSDを用いることで部品点数を削減し、像ぶれ補正装
置の小型化を進める。
【0039】以上で基本の構成および動作の説明を終
え、以下では、本発明の特徴的な部分の説明に移ること
にする。
【0040】図14をみると、破線で示すように、光電
流出力Iy1,Iy2は、電気中心(O)において互い
に等しい。そして、プラスの方向であれ、マイナスの方
向であれ、電気中心(O)から離れるに従って一方が増
加するにつれて他方が減少している。しかし、図14の
理想的なリニアリティをもっている場合には、光電流出
力の総和(Iy1+Iy2)は一定に保たれている。
【0041】リニアリティが損なわれている図16
(a)をみると、ピッチング方向(Y方向)での光電流
出力の和(Iy1+Iy2)は電気中心(O)から離れ
るに従って減少するが、電気中心(O)においてはそれ
ぞれの和はリニアリティのあるときの和とほとんど同じ
になっている。したがって、電気中心(O)のときの光
電流出力の和(Iy1(O)+Iy2(O))=a
(O)を一時記憶しておき、実測での任意のスポット位
置での光電流出力の和a=Iy1+Iy2が電気中心
(O)のときの和a(O)と一致するように制御すれば
よい。
【0042】ここで、本発明の実施の形態1におけるよ
うに2次元PSD14を用いる場合には、発光素子であ
るLED12が1つであり、さらにはすでに説明したと
おり2次元PSD14のピッチング方向(Y方向)およ
びヨーイング方向(X方向)の光電流出力にばらつきが
あるときには、ピッチング方向(Y方向)で光電流出力
の和(Iy1+Iy2)が一定になるようにフィードバ
ック制御を行うと、他方のヨーイング方向(X方向)で
の位置検出精度がさらに悪化し、また逆に、ヨーイング
方向(X方向)で光電流出力の和(Ix1+Ix2)が
一定になるようにフィードバック制御を行うと、他方の
ピッチング方向(Y方向)での位置検出精度がさらに悪
化してしまうといった問題がある。
【0043】そこで本実施の形態1においては、2次元
PSDの製造公差によるばらつきの影響を最小限に抑
え、ピッチング方向及びヨーイング方向のどちらとも、
優れた位置検出精度を実現しようとするものである。そ
こで、図4に示す構成に代わるものとして図6に示す構
成を採用する。
【0044】図6に示すように、2次元PSD14に、
そのピッチング方向(Y方向)での2つの光電流出力I
y1,Iy2を個別に電圧値Vy1,Vy2に変換する
I−V変換アンプ20y,21yが接続されているとと
もに、そのヨーイング方向(X方向)での2つの光電流
出力Ix1,Ix2を個別に電圧値Vx1,Vx2に変
換するI−V変換アンプ20x,21xが接続されてい
る。ピッチング方向(Y方向)のI−V変換アンプ20
y,21yの各出力端が差動アンプ部22yに入力接続
され、差動アンプ部22yから第1のコイル7yを駆動
制御するための信号yが出力されるようになっている。
また、ヨーイング方向(X方向)のI−V変換アンプ2
0x,21xの各出力端が差動アンプ部22xに入力接
続され、差動アンプ部22xから第2のコイル7xを駆
動制御するための信号xが出力されるようになってい
る。
【0045】そして、ピッチング方向(Y方向)のI−
V変換アンプ20y,21yの各々から出力される電圧
値Vy1,Vy2を加算して電圧値の和A=Vy1+V
y2を出力する加算アンプ部23yと、ヨーイング方向
(X方向)のI−V変換アンプ20x,21xの各々か
ら出力される電圧値Vx1,Vx2を加算して電圧値の
和B=Vx1+Vx2を出力する加算アンプ部23x
と、加算アンプ部23yの出力である電圧値の和A=V
y1+Vy2と加算アンプ部23xの出力である電圧値
の和B=Vx1+Vx2とを加算して、G=A+Bで示
される総和Gを出力する演算部24と、像ぶれ補正装置
の電源を投入したときに生成されるライトイネーブル信
号WEによって、電源投入時のすなわち電気中心(O)
での総和Gを参照値G(O)として記憶する記憶部25
と、実測での任意のスポット位置での前記電圧値の総和
Gと記憶部25からリードイネーブル信号REによって
読み出される電気中心(O)での総和である参照値G
(O)との差分を演算して差分情報D=G−G(O)を
出力する差分処理部26と、差分処理部26からの差分
情報Dに基づいてLED12に対する駆動電流を制御す
る状態でLED12を駆動する駆動アンプ部27とを備
えている。
【0046】前述の電気中心(O)におけるピッチング
方向(Y方向)の電圧値の和をA(O)、ヨーイング方
向(X方向)の電圧値の和をB(O)とすると、記憶部
25に記憶される参照値G(O)は、
【0047】
【数3】 G(O)=A(O)+B(O) となる。
【0048】この参照値G(O)の値は、電気中心
(O)でのリニアリティが損なわれていないことから、
正規の基準値としてよいものである。その正規の基準値
である参照値G(O)に任意のスポット位置での電圧値
総和Gが一致するようにLED12を駆動するのであ
る。
【0049】次に、上記のように構成された実施の形態
1の像ぶれ補正装置の動作を説明する。
【0050】像ぶれ補正装置の電源を投入したときにお
いて、2次元PSD14の状態は電気中心(O)となっ
ているが、演算部24はこの電気中心(O)での電圧値
の和A(O)と電圧値の和B(O)とを、前記の数式
(数3)に従って加算して参照値G(O)=A(O)+
B(O)を算出し、記憶部25はその参照値G(O)を
記憶する。
【0051】そして、像ぶれ補正装置の実動作におい
て、演算部24は、任意のスポット位置での電圧値の和
Aと電圧値の和Bとを入力し、
【0052】
【数4】 G=A+B に従って加算して電圧値総和Gを算出する。差分処理部
26は、演算部24からの電圧値総和Gと記憶部25か
らの参照値G(O)との差分を演算して差分情報D=G
−G(O)を出力する。駆動アンプ部27は、差分情報
Dに基づいてLED12に対する駆動電流を制御する。
【0053】以上のようにして、2次元PSD14のピ
ッチング方向(Y方向)およびヨーイング方向(X方
向)の任意のスポット位置での受光量総和すなわち電圧
値総和Gを基準の参照値G(O)と一致するようにLE
D12を駆動することにより、2次元PSD14のピッ
チング方向(Y方向)およびヨーイング方向(X方向)
の素子のばらつきを最小限に抑えることができる。その
結果として、差動アンプ部22y,22xの位置検出精
度は極めて良好なものとなり、高精度なシフトユニット
17を実現することができる。
【0054】以上のように本実施の形態1によれば、2
次元駆動装置及びそれを用いた像ぶれ補正装置におい
て、2次元方向に沿って移動対象を移動させるメカニズ
ムの位置検出素子として2次元PSD(2次元位置検出
素子)を用いたことにより、位置検出素子と発光素子か
らなる位置検出手段としては、従来技術の場合に2つで
あったところを1つへ削減できるため、部品点数を削減
して像ぶれ補正装置の小型化を図ることができる。
【0055】さらには、簡易な構成を用いて制御方式を
改善することにより、製造公差のために2次元PSDに
おいてピッチング方向(Y方向)とヨーイング方向(X
方向)の2方向で素子のばらつきがあっても、ピッチン
グ方向及びヨーイングの両方向について2次元PSDの
位置検出精度を高精度なものにすることができる。
【0056】(実施の形態2)次に、この発明の実施の
形態2について、図7を用いて説明する。図7は実施の
形態2において2次元PSDから出力される光出力電流
値に基づいて2次元位置を演算し出力するための演算回
路の一例を示すブロック回路図である。なお、これまで
説明したものについては同一の番号を付し、その説明を
省略する。また本実施の形態2のシフトユニット17
は、実施の形態1にて説明したものと同一である。
【0057】2次元PSD14の光電流出力について
は、そのピッチング方向(Y方向)の光電流出力の和
(Iy1+Iy2)とヨーイング方向(X方向)の光電
流出力の和(Ix1+Ix2)とが互いに等しいのが理
想的であるが、2次元PSD14の製造公差等の影響に
より、同一となりにくいことがある。そして、その光電
流出力の和が小さい方向においては、大きい方向におけ
るのと比べて外乱等の影響を受けやすくなるため、その
位置検出精度が悪化するという問題がある。
【0058】そこで本実施の形態2においては、その素
子のばらつきの影響を最小限に抑え、ピッチング方向及
びヨーイング方向のどちらにおいても、高精度な位置検
出精度を実現しようとするものである。
【0059】図16(b)の場合には、ピッチング方向
(Y方向)の光電流出力の和(Iy1+Iy2)に対し
て、ヨーイング方向(X方向)の光電流出力の和(Ix
1+Ix2)が小さくなっている。この場合には、ピッ
チング方向(Y方向)の加算アンプ部23yから出力さ
れる電圧値の和A=Vy1+Vy2に対して、ヨーイン
グ方向(X方向)の加算アンプ部23xから出力される
電圧値の和B=Vx1+Vx2の方が小さくなってい
る。そして、2次元PSD14の製造の段階であらかじ
めこのような特性となっていることが分かっているとす
る。
【0060】このような場合に、製造時のテスト等で電
源投入時に必ず現出されるところの電気中心(O)での
電圧値の和A(O)とB(O)とを求めて、両者の比率
を補正係数kBとして、
【0061】
【数5】 kB=A(O)/B(O) によってあらかじめ求めておく。A(O)>B(O)ゆ
えに、kB>1である。この補正係数kBの値は、2次元
PSD14の製造過程で既知の値であるため、記憶部2
5にその補正係数kBの値をデフォールト値として記憶
しておく。
【0062】演算部24は、ピッチング方向(Y方向)
の加算アンプ部23yの出力である電圧値の和Aと、ヨ
ーイング方向(X方向)の加算アンプ部23xの出力で
ある電圧値の和Bとを入力して、値が小さい方の電圧値
の和Bに補正係数kBを掛けて変換してB′=kB・Bと
したうえで、
【0063】
【数6】 G=A+B′ の演算を実行するものである。
【0064】次に、上記のように構成された実施の形態
2の図7に示す像ぶれ補正装置の動作を説明する。
【0065】像ぶれ補正装置の電源を投入したときにお
いて、2次元PSD14の状態は電気中心(O)となっ
ているが、演算部24は、この電気中心(O)での電圧
値の和A(O)と電圧値の和B(O)を入力し、電圧値
の和B(O)について、
【0066】
【数7】 B′(O)←kB・B(O) の変換を行ったうえで、
【0067】
【数8】 G(O)=A(O)+B′(O) の演算を実行する。記憶部25は、その参照値G(O)
を記憶する。
【0068】そして、像ぶれ補正装置の実動作におい
て、演算部24は、任意のスポット位置での電圧値の和
Aと電圧値の和Bを入力し、電圧値の和Bについて、
【0069】
【数9】 B′←kB・B の変換を行ったうえで、
【0070】
【数10】 G=A+B′ の演算を実行する。あとは、実施の形態1の場合と同様
である。すなわち、差分処理部26は、演算部24から
の電圧値総和Gと記憶部25からの参照値G(O)との
差分を演算して差分情報D=G−G(O)を出力する。
駆動アンプ部27は、差分情報Dに基づいてLED12
に対する駆動電流を制御する。
【0071】上記の数式(数9)と(数10)をまとめ
ると、
【0072】
【数11】 G=A+kB・B である。さらには、(数5)を参照して、
【0073】
【数12】ということである。この数式(数12)にお
いて、A=A(O)、B=B(O)を代入すると、
【0074】
【数13】 G=2×A(O)=G(O) となり、任意のスポット位置での電圧値総和Gは、常
に、値の大きい方の電気中心(O)での電圧値の和A
(O)を基準として、その2倍に固定的に保たれるとい
うことにほかならない。
【0075】以上のように、ヨーイング方向(X方向)
の感度が所定値より低くなった状態で2次元PSD14
が製造されているときには、実動作において、電圧値の
和Bに対して補正係数kBを乗算するkB倍(>1)の補
正を行っているのである。そして、このような補正を行
ったうえでLED12を駆動することにより、特に光電
流出力の小さいヨーイング方向(X方向)での光量フィ
ードバック量を大きくすることができ、その結果とし
て、光電流出力の小さいヨーイング方向(X方向)での
素子に対する外乱の影響を最小限に抑えることが可能と
なるため、差動アンプ部22y,22xの位置検出精度
は極めて良好なものとなり、高精度なシフトユニット1
7を実現することができる。
【0076】上記の説明は、ヨーイング方向(X方向)
の感度がピッチング方向(Y方向)より低い場合のもの
であったが、逆の、ピッチング方向(Y方向)の感度が
ヨーイング方向(X方向)より低いときもあり得ること
で、その場合には、次のようになる。
【0077】すなわち、ヨーイング方向(X方向)の加
算アンプ部23xから出力される電圧値の和B=Vx1
+Vx2に対して、ピッチング方向(Y方向)の加算ア
ンプ部23yから出力される電圧値の和A=Vy1+V
y2の方が小さくなっているということが、2次元PS
D14の製造の段階であらかじめ分かっているとする。
【0078】この場合に、電気中心(O)での電圧値の
和A(O)とB(O)とを求めて、両者の比率を補正係
数kAとして、
【0079】
【数14】 kA=B(O)/A(O) によってあらかじめ求めておく。B(O)>A(O)ゆ
えに、kA>1である。この補正係数kAの値は、2次元
PSD14の製造過程で既知の値であるため、記憶部2
5にその補正係数kAの値をデフォールト値として記憶
しておく。
【0080】演算部24は、ピッチング方向(Y方向)
の加算アンプ部23yの出力である電圧値の和Aと、ヨ
ーイング方向(X方向)の加算アンプ部23xの出力で
ある電圧値の和Bとを入力して、値が小さい方の電圧値
の和Aに補正係数kAを掛けて変換してA′=kA・Aと
したうえで、
【0081】
【数15】 G=A′+B の演算を実行するものである。
【0082】補正係数kAに基づく場合の動作を次に説
明する。
【0083】像ぶれ補正装置の電源を投入したときにお
いて、2次元PSD14の状態は電気中心(O)となっ
ているが、演算部24は、この電気中心(O)での電圧
値の和A(O)と電圧値の和B(O)を入力し、電圧値
の和A(O)について、
【0084】
【数16】 A′(O)←kA・A(O) の変換を行ったうえで、
【0085】
【数17】 G(O)=A′(O)+B(O) の演算を実行する。記憶部25は、その参照値G(O)
を記憶する。
【0086】そして、像ぶれ補正装置は、実動作におい
て、演算部24は、任意のスポット位置での電圧値の和
Aと電圧値の和Bを入力し、電圧値の和Aについて、
【0087】
【数18】 A′←kA・A の変換を行ったうえで、
【0088】
【数19】 G=A′+B の演算を実行する。あとは、実施の形態1の場合と同様
である。すなわち、差分処理部26は、演算部24から
の電圧値総和Gと記憶部25からの参照値G(O)との
差分を演算して差分情報D=G−G(O)を出力する。
駆動アンプ部27は、差分情報Dに基づいてLED12
に対する駆動電流を制御する。
【0089】上記の数式(数18)と(数19)をまと
めると、
【0090】
【数20】 G=kA・A+B である。さらには、(数14)を参照して、
【0091】
【数21】ということである。この数式(数21)にお
いて、A=A(O)、B=B(O)を代入すると、
【0092】
【数22】 G=2×B(O)=G(O) となり、任意のスポット位置での電圧値総和Gは、常
に、値の大きい方の電気中心(O)での電圧値の和B
(O)を基準として、その2倍に固定的に保たれるとい
うことにほかならない。
【0093】以上のように、ピッチング方向(Y方向)
の感度が所定値より低くなった状態で2次元PSD14
が製造されているときには、実動作において、電圧値の
和Aに対して補正係数kAを乗算するkA倍(>1)の補
正を行っているのである。そして、このような補正を行
ったうえでLED12を駆動することにより、特に光電
流出力の小さいピッチング方向(Y方向)での光量フィ
ードバック量を大きくすることができ、その結果とし
て、光電流出力の小さいピッチング方向(Y方向)での
素子に対する外乱の影響を最小限に抑えることが可能と
なるため、差動アンプ部22y,22xの位置検出精度
は極めて良好なものとなり、高精度なシフトユニット1
7を実現することができる。
【0094】以上のように本実施の形態2によれば、2
次元駆動装置及びそれを用いた像ぶれ補正装置におい
て、2次元方向に沿って移動対象を移動させるメカニズ
ムの位置検出素子として2次元PSD(2次元位置検出
素子)を用いたことにより、位置検出素子と発光素子か
らなる位置検出手段としては、従来技術の場合に2つで
あったところを1つへ削減できるため、部品点数を削減
して像ぶれ補正装置の小型化を図ることができる。
【0095】さらには、簡易な構成を用いて制御方式を
改善することにより、製造公差のために2次元PSDに
おいてピッチング方向(Y方向)とヨーイング方向(X
方向)の2方向で素子のばらつきがによる出力差があっ
ても、ピッチング方向及びヨーイングの両方向につい
て、2次元PSDの位置検出精度を高精度なものにする
ことができる。
【0096】(実施の形態3)次に、この発明の実施の
形態3について、図8〜図10を用いて説明する。図8
はLEDの取り付けばらつき、スリットの加工ばらつき
の状態を示す図、図9はLEDの取り付けばらつき、ス
リットの加工ばらつきによる2次元PSD素子上でのL
EDのスポット形状の概念図、図10は2次元PSDか
ら出力される光出力電流値に基づいて2次元位置を演算
し出力するための演算回路の一例を示すブロック回路図
である。なお、これまで説明したものについては同一の
番号を付し、その説明を省略する。また本実施の形態3
のシフトユニット17は、実施の形態1にて説明したも
のと同一である。
【0097】2次元PSD14の光電流出力は、発光素
子であるLED12との相対位置関係、あるいはスリッ
ト13の加工精度により影響を受けやすく、ピッチング
方向(Y方向)の光電流出力の和(Iy1+Iy2)と
ヨーイング方向(X方向)の光電流出力の和(Ix1+
Ix2)とは、互いに等しい状態とはなりにくい。具体
的には、図8(a)に示すような2次元PSD14に対
するLED12の傾き、図8(b)に示すようなスリッ
ト13の傾きなどによる影響が大きいのでである。そし
て、その光電流出力の和が小さい方向においては、大き
い方向におけるのと比べて外乱等の影響を受けやすくな
るため、その位置検出精度が悪化するという問題があ
る。
【0098】そこで本実施の形態3においては、その取
り付け及び加工精度ばらつき等の影響を最小限に抑え、
ピッチング方向及びヨーイング方向のどちらにおいて
も、高精度な位置検出精度を実現しようとするものであ
る。
【0099】図9に示す一例のように、スポット光がほ
ぼ楕円形状となり、その長軸の方向がヨーイング方向
(X方向)に沿っていて、ヨーイング方向(X方向)で
の単位面積当たりの光量が減少する結果として、ピッチ
ング方向(Y方向)に対してヨーイング方向(X方向)
の光電流出力の和が小さくなる場合について説明する。
【0100】ピッチング方向(Y方向)の光電流出力の
和(Iy1+Iy2)に対して、ヨーイング方向(X方
向)の光電流出力の和(Ix1+Ix2)が小さくなっ
ている場合には、ピッチング方向(Y方向)の加算アン
プ部23yから出力される電圧値の和A=Vy1+Vy
2に対して、ヨーイング方向(X方向)の加算アンプ部
23xから出力される電圧値の和B=Vx1+Vx2の
方が小さくなる。すなわち、A>Bである。
【0101】比較判定部28は、ピッチング方向(Y方
向)の加算アンプ部23yの出力である電圧値の和A
と、ヨーイング方向(X方向)の加算アンプ部23xの
出力である電圧値の和Bとを入力して、A>Bのときは
判定結果Eとして「00」を出力し、A<Bのときは判
定結果Eとして「01」を出力し、A=Bのときは判定
結果Eとして「10」を出力する。
【0102】補正係数発生部29は、判定結果Eとして
「00」(つまりA>B)を入力したときは、補正係数
A,kBとして、
【0103】
【数23】 kA=1 kB=A/B を生成し、判定結果Eとして「01」(つまりA<B)
を入力したときは、補正係数kA,kBとして、
【0104】
【数24】 kA=B/A kB=1 を生成し、判定結果Eとして「10」(つまりA=B)
を入力したときは、補正係数kA,kBとして、
【0105】
【数25】 kA=1 kB=1 を生成し、それぞれ演算部24と記憶部25に送出す
る。記憶部25は、入力した補正係数kA,kBを記憶す
る。
【0106】演算部24は、ピッチング方向(Y方向)
の加算アンプ部23yの出力である電圧値の和Aと、ヨ
ーイング方向(X方向)の加算アンプ部23xの出力で
ある電圧値の和Bとを入力して、さらに、記憶部25か
ら補正係数kA,kBを読み出し、
【0107】
【数26】 A′←kA・A B′←kB・B の変換を行ったうえで、
【0108】
【数27】 G=A′+B′ の演算を実行するものである。
【0109】まとめると、
【0110】
【数28】 G=kA・A+kB・B である。
【0111】本実施の形態3においては、以上のような
比較判定部28と補正係数発生部29と演算部24と記
憶部25を備え、さらに差分処理部26を備えた構成と
なっている。
【0112】次に、上記のように構成された実施の形態
3の図10の像ぶれ補正装置の動作を説明する。
【0113】像ぶれ補正装置の電源を投入したときにお
いて、2次元PSD14の状態は電気中心(O)となっ
ているが、比較判定部28は、この電気中心(O)での
電圧値の和A(O)と電圧値の和B(O)を入力し、上
記の条件に従って判定結果Eを補正係数発生部29に送
出する。すなわち、 A(O)>B(O)のとき、E=「00」 A(O)<B(O)のとき、E=「01」 A(O)=B(O)のとき、E=「10」 を出力する。
【0114】補正係数発生部29は、判定結果Eとして
「00」(つまりA(O)>B(O))を入力したとき
は、補正係数kA,kBとして、
【0115】
【数29】 kA=1 kB=A(O)/B(O) を生成し、判定結果Eとして「01」(つまりA(O)
<B(O))を入力したときは、補正係数kA,kBとし
て、
【0116】
【数30】 kA=B(O)/A(O) kB=1 を生成し、判定結果Eとして「10」(つまりA(O)
=B(O))を入力したときは、補正係数kA,kBとし
て、
【0117】
【数31】 kA=1 kB=1 を生成し、それぞれ演算部24と記憶部25に送出す
る。記憶部25は、入力した補正係数kA,kBを記憶す
る。いずれにしても、kA≧1,kB≧1である。
【0118】演算部24は、この電気中心(O)での電
圧値の和A(O)と電圧値の和B(O)を入力し、それ
ぞれについて、
【0119】
【数32】 A′(O)←kA・A(O) B′(O)←kB・B(O) の変換を行ったうえで、
【0120】
【数33】 G(O)=A′(O)+B′(O) の演算を実行する。記憶部25は、その参照値G(O)
を記憶する。
【0121】そして、像ぶれ補正装置は、実動作におい
て、演算部24は、電圧値の和Aと電圧値の和Bを入力
し、また、記憶部25から補正係数kA,kBを読み出し
たうえで、電圧値の和A,Bのそれぞれについて
【0122】
【数34】 A′←kA・A B′←kB・B の変換を行ったうえで、
【0123】
【数35】 G=A′+B′ の演算を実行する。あとは、実施の形態1の場合と同様
である。すなわち、差分処理部26は、演算部24から
の電圧値総和Gと記憶部25からの参照値G(O)との
差分を演算して差分情報D=G−G(O)を出力する。
駆動アンプ部27は、差分情報Dに基づいてLED12
に対する駆動電流を制御する。
【0124】以上のように、電圧値の和A,Bに対して
補正係数kA,kBに基づいた補正を行ったうえでLED
12を駆動することにより、特に光電流出力の小さい方
向での光量フィードバック量を大きくすることができ、
その結果として、LED12の取り付け誤差、スリット
13の加工誤差等により生じた2次元PSD14におい
て光電流出力の小さい方向の素子に対する外乱の影響を
最小限に抑えることが可能となるため、差動アンプ部2
2y,22xの位置検出精度は極めて良好なものとな
り、高精度なシフトユニット17を実現することができ
る。
【0125】以上のように本実施の形態3によれば、2
次元駆動装置及びそれを用いた像ぶれ補正装置におい
て、2次元方向に沿って移動対象を移動させるメカニズ
ムの位置検出素子として2次元PSD(2次元位置検出
素子)を用いたことにより、位置検出素子と発光素子か
らなる位置検出手段としては、従来技術の場合に2つで
あったところを1つへ削減できるため、部品点数を削減
して像ぶれ補正装置の小型化を図ることができる。
【0126】さらには、簡易な構成を用いて制御方式を
改善することにより、LEDの取り付け精度やスリット
の加工精度ばらつき等に起因する出力差があっても、ピ
ッチング方向及びヨーイングの両方向について、2次元
PSDの位置検出精度を高精度なものにすることができ
る。
【0127】(実施の形態4)次に、この発明の実施の
形態4について、図11、図12を用いて説明する。図
11は2次元PSD上の位置とオフセット量及び光電流
出力値との関係を示す図、図12は2次元PSDから出
力される光出力電流値に基づいて2次元位置を演算し出
力するための演算回路の一例を示すブロック回路図であ
る。なお、これまで説明したものについては同一の番号
を付し、その説明を省略する。また、本実施の形態4の
シフトユニット17は、実施の形態1にて説明したもの
と同一である。
【0128】2次元PSD14の位置検出精度は、その
電気中心(O)を中心にして一定の検出範囲にて測定す
る場合が最も高精度な検出精度を得られる。しかしなが
らシフトユニット17においては、図1に示したように
2次元PSD14をPSD基板15に取り付けること、
さらにはPSD基板15を固定枠10に取り付けること
により、取り付け誤差が発生するため、図11に示すよ
うに、2次元PSD14の電気中心とLED12を搭載
した像ぶれ補正用レンズ群1の動作範囲の中心とは必ず
しも一致しないことから、ある一定のオフセット量が発
生することになる。このオフセット量が大きい場合に
は、2次元PSD上の片側では、より電気中心より離れ
た位置にて検出する状態となってしまうため、光電流出
力が小さくなり、その位置検出精度も悪化するという問
題がある。
【0129】そこで本実施の形態4においては、そのオ
フセット量の影響を最小限に抑え、高精度な位置検出精
度を実現しようとするものである。
【0130】図11がヨーイング方向(X方向)でのオ
フセットを表しているとする。そのオフセット量をCx
とする。オフセット量Cxは、その点での光電流出力の
差c x=(Ix1−Ix2)に比例する。この光電流出
力の差cxは、差動アンプ部22xから得ることができ
る。オフセット量Cxが増加するにつれて、光電流出力
の和(Ix1+Ix2)は減少する傾向がある。すなわ
ち、光電流出力の和に対してはオフセット量Cxは反比
例的な関係にある。
【0131】そこで、補正係数hBを考えるときに、
【0132】
【数36】 hB=cx/Cx とする。電気中心(O)に近く、Cxがゼロに近いとき
は、hB≒1である。そこで、Cx=0のときに、hB
1と定める。一般的には、hB≧1となる。
【0133】同様に、ピッチング方向(Y方向)でのオ
フセット量Cyについて考えると、図示はしていない
が、オフセット量Cyは、その点での光電流出力の差c
y=(Iy1−Iy2)に比例する。この光電流出力の
差cyは、差動アンプ部22yから得ることができる。
オフセット量Cyが増加するにつれて、光電流出力の和
(Iy1+Iy2)は減少する傾向がある。すなわち、
光電流出力の和に対してはオフセット量Cyは反比例的
な関係にある。そこで、補正係数hAを考えるときに、
【0134】
【数37】 hA=cy/Cy とする。電気中心(O)に近く、Cyがゼロに近いとき
は、hA≒1である。そこで、Cy=0のときに、hA
1と定める。一般的には、hA≧1となる。
【0135】比較判定部30は、ピッチング方向(Y方
向)の差動アンプ部22yの出力である電圧値の差M
と、ヨーイング方向(X方向)の差動アンプ部22xの
出力である電圧値の差Nとを入力して、M=0のときは
判定結果Fとして「00」を出力し、M≠0のときは判
定結果Fとして「01」を出力し、N=0のときは判定
結果Fとして「10」を出力し、N≠0のときは判定結
果Fとして「11」を出力する。
【0136】補正係数発生部31は、判定結果Fとして
「00」(つまりM=0)を入力したときは、補正係数
Aとして、
【0137】
【数38】 hA=1 を生成し、判定結果Fとして「01」(つまりM≠0)
を入力したときは、補正係数hAとして、
【0138】
【数39】 hA=α/M を生成する。ここで、αは所定の比例定数であり、この
αはあらかじめの試験によって求めておくものである。
【0139】また、補正係数発生部31は、判定結果F
として「10」(つまりN=0)を入力したときは、補
正係数hBとして、
【0140】
【数40】 hB=1 を生成し、判定結果Fとして「11」(つまりN≠0)
を入力したときは、補正係数hBとして、
【0141】
【数41】 hB=β/N を生成する。ここで、βは所定の比例定数であり、この
βはあらかじめの試験によって求めておくものである。
【0142】補正係数発生部31が生成した補正係数h
A,hBは、それぞれ演算部24と記憶部25に送出され
る。記憶部25は、その補正係数hA,hBを一時記憶す
る。
【0143】演算部24は、ピッチング方向(Y方向)
の加算アンプ部23yの出力である電圧値の和Aと、ヨ
ーイング方向(X方向)の加算アンプ部23xの出力で
ある電圧値の和Bとを入力して、
【0144】
【数42】 A′←hA・A B′←hB・B の変換を行ったうえで、
【0145】
【数43】 G=A′+B′ の演算を実行するものである。
【0146】まとめると、
【0147】
【数44】 G=hA・A+hB・B である。
【0148】本実施の形態4においては、以上のような
比較判定部30と補正係数発生部31と演算部24と記
憶部25を備え、さらに差分処理部26を備えた構成と
なっている。
【0149】次に、上記のように構成された実施の形態
4の図12の像ぶれ補正装置の動作を説明する。
【0150】像ぶれ補正装置の電源を投入したときにお
いて、比較判定部30は、上記の条件に従って判定結果
Fを補正係数発生部31に送出する。補正係数発生部3
1は、上記の条件に従って、補正係数hA,hBを生成
し、演算部24と記憶部25に送出する。記憶部25
は、入力した補正係数hA,hBを記憶する。
【0151】演算部24は、この電源投入時の電圧値の
和A(OS)と電圧値の和B(OS)を入力し、それぞ
れについて、
【0152】
【数45】 A′(OS)←hA・A(OS) B′(OS)←hB・B(OS) の変換を行ったうえで、
【0153】
【数46】 G(OS)=A′(OS)+B′(OS) の演算を実行する。記憶部25は、その参照値G(O
S)を記憶する。
【0154】そして、像ぶれ補正装置は、実動作におい
て、演算部24は、電圧値の和Aと電圧値の和Bを入力
し、また、記憶部25から補正係数hA,hBを読み出し
たうえで、電圧値の和A,Bのそれぞれについて
【0155】
【数47】 A′←hA・A B′←hB・B の変換を行ったうえで、
【0156】
【数48】 G=A′+B′ の演算を実行する。あとは、実施の形態1の場合と同様
である。すなわち、差分処理部26は、演算部24から
の電圧値総和Gと記憶部25からの参照値G(OS)と
の差分を演算して差分情報D=G−G(OS)を出力す
る。駆動アンプ部27は、差分情報Dに基づいてLED
12に対する駆動電流を制御する。
【0157】以上のように、ピッチング方向(Y方向)
およびヨーイング方向(X方向)のオフセット量Cy,
Cxつまりは電圧値の差M,Nに対して補正係数hA
Bに基づいた補正を行ったうえでLED12を駆動す
ることにより、特に2次元PSD14の電気中心(O)
からのオフセット量が大きいことによる光電流出力の小
さい方向での光量フィードバック量を大きくすることが
でき、その結果として、2次元PSD14の取り付け誤
差等により生じた光電流出力の小さい方向の素子に対す
る外乱の影響を最小限に抑えることが可能となるため、
差動アンプ部22y,22xの位置検出精度は極めて良
好なものとなり、高精度なシフトユニット17を実現す
ることができる。
【0158】以上のように本実施の形態4によれば、2
次元駆動装置及びそれを用いた像ぶれ補正装置におい
て、2次元方向に沿って移動対象を移動させるメカニズ
ムの位置検出素子として2次元PSD(2次元位置検出
素子)を用いたことにより、位置検出素子と発光素子か
らなる位置検出手段としては、従来技術の場合に2つで
あったところを1つへ削減できるため、部品点数を削減
して像ぶれ補正装置の小型化を図ることができる。
【0159】さらには、簡易な構成を用いて制御方式を
改善することにより、2次元PSD(2次元位置検出素
子)の取り付け精度ばらつき等に起因する出力差があっ
ても、ピッチング方向及びヨーイングの両方向につい
て、2次元PSDの位置検出精度を高精度なものにする
ことができる。
【0160】なお、上記の各実施の形態においては、位
置検出手段を構成するLED12と2次元PSD14の
うちLED12の方をピッチング移動枠2に取り付けた
が、逆に2次元PSD14の方をピッチング移動枠2に
取り付けた構成としてもよい。したがって、特許請求の
範囲の記載において、「2次元位置検出素子」を必要に
応じて「発光素子」と読み替えてよきものとする。
【0161】
【発明の効果】本発明によれば、2次元方向に沿って移
動対象を移動させるもので、装置小型化のために位置検
出素子として2次元位置検出素子を採用した2次元駆動
装置または像ぶれ補正装置において、2次元位置検出素
子の2つの方向での検出値和の総和をもって制御のため
の演算を行うので、位置検出精度を向上することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態1による像ぶれ補正装置
の分解斜視図
【図2】 本発明の実施の形態1におけるピッチング移
動枠の拡大斜視図
【図3】 本発明の実施の形態1における2次元PSD
の素子の概略を示す図
【図4】 本発明の実施の形態1での先行技術における
2次元PSDから出力される光出力電流値に基づいて2
次元位置を演算し出力するための演算回路の一例を示す
ブロック回路図
【図5】 本発明の実施の形態1における像ぶれ補正回
路のブロック図
【図6】 本発明の実施の形態1における2次元PSD
から出力される光出力電流値に基づいて2次元位置を演
算し出力するための演算回路の一例を示すブロック回路
【図7】 本発明の実施の形態2における2次元PSD
から出力される光出力電流値に基づいて2次元位置を演
算し出力するための演算回路の一例を示すブロック回路
【図8】 LEDの取り付けばらつき、スリットの加工
ばらつきの状態を示す図
【図9】 LEDの取り付けばらつき、スリットの加工
ばらつきによる2次元PSD素子上でのLEDのスポッ
ト形状の概念図
【図10】 本発明の実施の形態3における2次元PS
Dから出力される光出力電流値に基づいて2次元位置を
演算し出力するための演算回路の一例を示すブロック回
路図
【図11】 2次元PSD上の位置、オフセット量及び
光電流出力値との関係を示す図
【図12】 本発明の実施の形態4における2次元PS
Dから出力される光出力電流値に基づいて2次元位置を
演算し出力するための演算回路の一例を示すブロック回
路図
【図13】 従来の1次元PSDを用いた制御方式を示
すブロック回路図
【図14】 2次元PSD上の位置と理想の光電流出力
値との関係を示す図
【図15】 2次元PSD上の位置と理想の位置出力と
の関係を示す図
【図16】 2次元PSD上の位置と光電流出力値のば
らつきとの関係を示す図
【図17】 2次元PSD上の位置と精度が悪化した時
の位置出力との関係を示す図
【図18】 従来の像ぶれ補正装置の一例を示す分解斜
視図
【符号の説明】
1…像ぶれ補正用レンズ群 2…ピッチング移動枠 4…ヨーイング移動枠 6y,6x…シフト用の電磁アクチュエータ 7y…第1のコイル 7x…第2のコイル 10…固定枠 11…位置検出部 12…発光素子(LED) 13…スリット 14…2次元位置検出素子(2次元PSD) 15…PSD基板 16…フレキシブルプリントケーブル 16a〜16c…ランド部 17…シフトユニット 20x,20y…I−V変換アンプ 21x,21y…I−V変換アンプ 22x,22y…差動アンプ部 23x,23y…加算アンプ部 24…演算部 25…記憶部 26…差分処理部 27…駆動アンプ部 28…比較判定部 29…補正係数発生部 30…比較判定部 31…補正係数発生部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 高橋 裕 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 下畠 剛 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1および第2の方向に移動可能な移動
    対象と、前記移動対象を前記第1の方向に駆動する第1
    の駆動手段と、前記移動対象を前記第2の方向に駆動す
    る第2の駆動手段と、2次元位置検出素子に対する発光
    素子からの光の入射点によって前記移動対象の前記第1
    および第2の方向での位置を検出する位置検出手段とを
    備え、前記位置検出手段によって検出した第1および第
    2の方向の位置が所定の位置となるように前記第1およ
    び第2の駆動手段を制御するように構成されている2次
    元駆動装置であって、前記2次元位置検出素子の前記第
    1の方向での検出値和と前記第2の方向での検出値和と
    の総和がほぼ一定に保たれるように前記発光素子を駆動
    制御するように構成されていることを特徴とする2次元
    駆動装置。
  2. 【請求項2】 前記2次元位置検出素子についてあらか
    じめ求められた前記第1の方向での検出値和と前記第2
    の方向での検出値和との間の所定の関係に基づいて前記
    両方向での検出値和の総和を求める演算を補正するよう
    に構成してあることを特徴とする請求項1に記載の2次
    元駆動装置。
  3. 【請求項3】 前記2次元位置検出素子の電気中心また
    はその近傍における前記第1の方向での検出値和と前記
    第2の方向での検出値和に基づいて補正係数を生成し、
    この補正係数を記憶し、この補正係数によって前記両方
    向での検出値和の総和を求める演算を補正した結果を参
    照値として記憶し、任意のスポット位置における前記第
    1の方向での検出値和と前記第2の方向での検出値和を
    前記の記憶した補正係数に基づいて補正し、その補正後
    の総和が前記の記憶した参照値に接近するように前記発
    光素子を駆動制御するように構成されていることを特徴
    とする請求項1に記載の2次元駆動装置。
  4. 【請求項4】 前記2次元位置検出素子の前記第1の方
    向でのオフセット量と前記第2の方向でのオフセット量
    に基づいて補正係数を生成し、この補正係数を記憶し、
    この補正係数によって前記両方向での検出値和の総和を
    求める演算を補正した結果を参照値として記憶し、任意
    のスポット位置における前記第1の方向での検出値和と
    前記第2の方向での検出値和を前記の記憶した補正係数
    に基づいて補正し、その補正後の総和が前記の記憶した
    参照値に接近するように前記発光素子を駆動制御するよ
    うに構成されていることを特徴とする請求項1に記載の
    2次元駆動装置。
  5. 【請求項5】 移動対象に像ぶれ補正用レンズ群を取り
    付け、光軸と直交する異なる2方向に沿って前記移動対
    象を駆動するために請求項1から請求項4までのいずれ
    かに記載の2次元駆動装置を用いた構成としてあること
    を特徴とする像ぶれ補正装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012128035A (ja) * 2010-12-13 2012-07-05 Nikon Corp ブレ補正装置および光学装置

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