JP2003247811A - 光学式膜厚監視方法および装置 - Google Patents

光学式膜厚監視方法および装置

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JP2003247811A JP2002049607A JP2002049607A JP2003247811A JP 2003247811 A JP2003247811 A JP 2003247811A JP 2002049607 A JP2002049607 A JP 2002049607A JP 2002049607 A JP2002049607 A JP 2002049607A JP 2003247811 A JP2003247811 A JP 2003247811A
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延好 豊原
Takeshi Kawamata
健 川俣
Tadashi Watanabe
正 渡邊
Yorio Wada
順雄 和田
Kunihiko Uzawa
邦彦 鵜澤
Takeshi Deguchi
武司 出口
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 被成膜基板へ成膜される膜厚をモニタするモ
ニタ基板の温度を均一にして高精度な膜厚の制御を行
う。 【解決手段】 光学薄膜の光学的膜厚を監視するための
モニタ基板と、被成膜基板31を加熱する加熱手段3
と、モニタ基板を連続的または間欠的に公転または自転
させる回転手段34とを具備する。光学薄膜を被成膜基
板31に成膜する以前に、加熱手段3とともに回転手段
34を作動させてモニタ基板の温度を均一にする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、反射防止膜や干渉
フィルター等の光学薄膜を作成する成膜装置に用いられ
る光学式膜厚監視方法および装置に関する。
【0002】
【従来の技術】カメラ、顕微鏡等の光学機器に用いられ
る光学素子には、目的に応じて反射防止膜や干渉フィル
タのような光学薄膜が設けられている。これらの光学薄
膜は1層のみからなるものもあれば、100層を超える
ものまで様々であるが、所望の光学特性を得るために
は、各層の膜厚を正確に制御することが重要である。こ
うした膜の作成には真空蒸着法やスパックリング法が用
いられるが、上述したように膜厚を制御するために何ら
かの手段で膜厚を監視するのが一般的である。
【0003】膜厚を監視する方法としては、特公平6−
89450号公報に記載されたものが知られている。こ
れによれば、回転可能なホルダーに設けられた複数のモ
ニタ基板の内、1個を成膜される領域に配置して真空蒸
着法により薄膜を形成し、薄膜が形成されたモニタ基板
を透過する光量の変化を測定することによって、製品に
形成される薄膜の膜厚を監視するものである。この方法
では、膜厚とともに成膜速度を同時に監視するため、製
品に薄膜を1層形成するごとにホルダーを回転させて、
別のモニタ基板を成膜される領域に配置するようにして
いる。
【0004】また、特開平5−106040号公報に
は、1枚のモニタ基板に複数の監視位置を設け、モニタ
基板を回転させて監視位置を代えることにより、実サン
プル基板に形成される薄膜の各層ごとの膜厚を監視する
ことが開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】光学薄膜の屈折率は成
膜される材料によって決定されるが、必ずしも一義的に
は定まらず、成膜時の各種パラメータ、例えば蒸着速度
や基板温度によって変化することが知られている。これ
は、パラメータにより、形成される薄膜の密度や酸化度
などが変化するためである。
【0006】そのため、蒸着速度や基板温度は成膜の
間、一定に保つのが常であり、このことは従来からも行
われている。しかし、従来技術のように複数のモニタ基
板を用いた場合、各モニタ基板から被成膜基板を加熱す
るためのヒータ等の加熱手段までの距離が異なるため、
各モニタ基板の温度が同一にはならない。従って、特定
のモニタ基板によって膜厚を正確に監視できたとして
も、温度の異なる別のモニタ基板で膜厚を監視した場合
には、被成膜基板に形成される薄膜の膜厚を正確に監視
することができない。すなわち、モニタ基板に温度差が
ある状況で膜厚を監視しても、膜厚の精度は出ないとい
うことになる。この不具合は、1枚のモニタ基板に複数
の監視位置を設ける場合も全く同様に起こるものであ
る。
【0007】本発明の目的は、上記問題点に鑑み、モニ
タ基板の温度を均一にすることにより、高精度な膜厚の
監視および制御が可能な光学式膜厚監視方法および装置
を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1の発明の光学式膜厚監視方法は、基板に形
成される光学薄膜の光学的膜厚を監視する光学式膜厚監
視方法において、光学薄膜を被成膜基板に成膜する以前
に、加熱手段により前記被成膜基板を加熱するととも
に、光学的膜厚を監視するための複数のモニタ基板を特
定の軸の回りに連続的または間欠的に公転させることを
特徴とする。
【0009】請求項1の発明によれば、被成膜基板の加
熱時に、複数のモニタ基板を特定の軸の回りに連続的ま
たは間欠的に公転させることにより、光学薄膜を被成膜
基板に成膜する以前にモニタ基板の温度を均一にするこ
とができる。
【0010】請求項2の発明の光学式膜厚監視方法は、
基板に形成される光学薄膜の光学的膜厚を監視する光学
式膜厚監視方法において、光学薄膜を被成膜基板に成膜
する以前に、加熱手段により前記被成膜基板を加熱する
とともに、光学的膜厚を監視するための単一のモニタ基
板を連続的または間欠的に自転させることを特徴とす
る。
【0011】請求項2の発明によれば、被成膜基板の加
熱時に、単一のモニタ基板を連続的または間欠的に自転
させることにより、光学薄膜を被成膜基板に成膜する以
前にモニタ基板の温度を均一にすることができる。
【0012】請求項3の発明の光学式膜厚監視装置は、
基板に形成される光学薄膜の光学的膜厚を監視する光学
式膜厚監視装置において、光学薄膜の光学的膜厚を監視
するためのモニタ基板と、被成膜基板を加熱する加熱手
段と、前記モニタ基板を連続的または間欠的に公転また
は自転させる回転手段とを具備しており、光学薄膜を前
記被成膜基板に成膜する以前に、前記加熱手段とともに
前記回転手段を作動させることを特徴とする。
【0013】請求項3の発明によれば、光学薄膜を被成
膜基板に成膜する以前に、被成膜基板を加熱する加熱手
段とモニタ基板を連続的または間欠的に公転または自転
させる回転手段を作動させることにより、モニタ基板の
温度を均一にすることができる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の光
学式膜厚監視方法および装置の実施の形態について説明
する。
【0015】[実施の形態1]図1は本発明の実施の形
態1における光学式膜厚監視装置を備えた真空蒸着装置
の正面からの断面図であり、図2は複数のモニタ基板を
保持する保持プレート33の上面図である。
【0016】真空蒸着装置は、成膜装置と光学式膜厚監
視装置とから大きく構成されている。成膜装置は、図示
しない排気手段により内部を高真空にすることができる
チャンバー1と、チャンバー1の内部に配置された種々
の装置からなっている。
【0017】チャンバー1内部の上部には、ドーム42
が配置されており、ドーム42の中心と肩に当たる位置
には、それそれ開口42Aおよび開口42Bが穿設され
ている。ドーム42の中心位置には、開口42Aと同心
にリング状のギア7が固定されており、チャンバー1の
外部に設けられた回転モータ4および回転軸5、ギア6
を介して回転可能に支持されている。開口42Bは、被
成膜基板であるガラス基板31をセットした基板ホルダ
ー32を挿入するためのものである。また、チャンバー
1の上部コーナーにはガラス基板31を加熱するための
加熱手段としてのヒータ3が設けられている。
【0018】チャンバー1内部の下方には、成膜材料1
3を加熱するための電子銃15が配置され、その上部に
は開閉可能なシャッタ17が配置されている。また、こ
れらと左右対称な位置に、成膜材料14を加熱するため
の電子銃16と開閉可能なシャッタ18が配置されてい
る。
【0019】光学式膜厚監視装置は、複数のモニタ基板
を個別に収容するモニタケース2、複数のモニタケース
2を保持する保持プレート33(図2参照)、モニタ基
板に成膜された膜厚を測定する膜厚監視計19および保
持プレート33を上下または回転させる駆動機構から構
成されている。
【0020】モニタ基板21は図3に示すように、モニ
タケース2の外枠20Aの内部に落とし込まれ、外枠2
0Aに挿入される中枠20Bによって押し付けられた状
態で収容される。モニタ基板22〜30も同様にしてそ
れぞれ別のモニタケース2に収容される。
【0021】保持プレート33は円盤形状となってお
り、その同心円上に等間隔に10個の開口が設けられて
いる。それぞれの開口は、モニタ基板21〜30を収容
したモニタケース2を保持可能になっている。
【0022】保持プレート33の中心に設けられた回転
軸38は、チャンバー1の上面を貫通して外部に突出し
ている。回転軸38には、回転ギア39とその上部にセ
ンサプレート40が同軸に固定されている。回転ギア3
9は、チャンバー1の上面に固定されたモータ35の駆
動ギア36に螺合しており、モータ35の駆動により回
転ギア39が回転し、回転軸38を介して保持プレート
33が回転するようになっている。
【0023】膜厚監視計19はチャンバー1の外部上面
中央部に設置されており、直下に位置するモニタ基板に
成膜された膜厚を、反射率の変化から光学的に測定する
ものである。
【0024】センサプレート40は昇降シリンダ34の
昇降軸37に回転可能に支持されている。センサプレー
ト40にはモニタ基板21〜30に対応したそれぞれの
位置に孔が開口されており、この孔をセンサ支持板44
に固定されたフォトセンサ41が光学的に読み取るよう
になっている。
【0025】ドーム42の上部には、保持プレート33
に対向して略同径の円盤状の遮蔽板43が設置されてお
り、遮蔽板43には開口42Aに当たる位置に、モニタ
ケース2が通過することのできる開口43Aが設けられ
ている。
【0026】次に、この実施の形態による膜厚監視方法
について説明する。被成膜基板であるガラス基板31
を、成膜面が下向きになるように基板ホルダー32にセ
ットする。チャンバー1を開放し、ドーム42の開口4
2Bに基板ホルダー32を挿入する。次に、モニタ基板
21〜30をセットした10個のモニタケース2を、モ
ニタ基板21〜30が下側になるように保持プレート3
3に挿入する。このときにおいては、保持プレート33
は昇降シリンダ34の駆動により、図4に示す上昇位置
にある。
【0027】次に、チャンバー1を密閉し、図示しない
排気手段によりチャンバー1内の排気を開始するととも
に、ヒータ3を駆動させてガラス基板31を250℃に
なるように加熱制御する。同時に、モータ4を駆動して
ドーム42を回転数3rpmで定速回転させるととも
に、モータ35を駆動して保持プレート33を回転数3
rpmで定速回転させる。
【0028】図8は、加熱開始からのガラス基板31お
よびモニタ基板の温度変化を示すが、ガラス基板31の
温度は加熱開始後20分で安定し、モニタ基板21、2
3、25、27、29の温度は、さらに20分経過後
(加熱開始後40分)に、いずれも270℃±2.5℃
で安定する。チャンバー1内の真空度が2.6×10
Pa以上になり、すべてのモニタ基板の温度が均一安
定化した時点で成膜の準備を開始する。
【0029】フォトセンサ41がモニタ基板21に対応
するセンサプレート40の孔を検知したときに、モータ
35の駆動を中止して保持プレート33の回転を停止さ
せる。このとき、モニタ基板21を収容したモニタケー
ス2が遮蔽板43の開口43Aの直上に位置する。
【0030】昇降シリンダ34を駆動して保持プレート
33を下降させると、モニタ基板21を収容したモニタ
ケース2のみが、遮蔽板43の開口43Aおよびギア7
の中心孔を通過する。この通過により、モニタ基板21
がドーム42の開口42A上の成膜位置に位置する。一
方、モニタ基板22〜30を収容した他の9個のモニタ
ケース2は、遮蔽板43上に留まる。
【0031】成膜の開始に先立って、モータ4を駆動し
てドーム42の回転速度を3rpmから15rpmに上
昇させる。電子銃16の電流値を上昇させて成膜材料1
4を加熱し、シャッタ18を開放してガラス基板31お
よびモニタ基板21に対し成膜材料14の成膜を行う。
この成膜では、膜厚監視計19によりモニタ基板21上
の膜厚を測定し、所定の膜厚に達した時点で、シャッタ
18を閉じるとともに電子銃16の電流値を下げる。
【0032】次に、電子銃15の電流値を上昇させて成
膜材料13を加熱し、シャッタ17を開放してガラス基
板31およびモニタ基板21に成膜材料13の成膜を行
う。膜厚監視計19によりモニタ基板21上の膜厚を判
定し、所定の膜厚に達したとき、シャッタ17を閉じる
とともに電子銃15の電流値を下げる。
【0033】以下同様にして、成膜材料14,13を交
互にガラス基板31およびモニタ基板21に成膜する。
適当な層数を成膜したところで、モニタ基板21をモニ
タ基板22に交換し、成膜を続行し目標とする多層膜を
得る。
【0034】このような実施の形態によれば、成膜作業
開始前にすでに複数のモニタ基板の温度が均一で且つ安
定化しているため、モニタ基板を交換しても膜厚監視の
精度が低下することがなく、その結果、ガラス基板に成
膜された膜厚を極めて高精度に制御することが可能とな
る。なお、本実施の形態では10個のモニタ基板を使用
したが、モニタ基板の個数はこれに限ったものではな
い。
【0035】[比較例1]この比較例では、実施の形態
1の構成において、ヒータ3を駆動させてガラス基板3
1を250℃になるように加熱制御する際、モニタ基板
21を監視位置に位置させたまま、保持プレート33を
回転させることなく成膜を行った。その他の作動は、実
施の形態1と同様である。
【0036】加熱開始からのガラス基板31およびモニ
タ基板の温度変化を図9に示す。ガラス基板31の温度
は加熱開始後20分で安定するが、モニタ基板21、2
3、25、27、29の温度は、さらに30分経過した
後(加熱開始後50分)でも安定することなく、186
℃〜270℃でばらついている。このような状況下で成
膜を行っても、モニタ基板を交換すると正確な膜厚監視
ができないため、ガラス基板に成膜された膜厚の精度は
低いものになる。
【0037】[実施の形態2]この実施の形態2の構成
は実施の形態1と同様であるため、詳細な説明は省略す
る。
【0038】この実施の形態では、実施の形態1におい
て、ヒータ3を駆動させてガラス基板31を250℃に
なるように加熱制御する際に、保持プレート33を3r
pmで定速回転させる代わりに、間欠回転させている。
具体的には、モータ35を駆動して保持プレート33を
モニタ基板3個分回転させた後、その位置で20秒保持
し、またモニタ基板3個分回転させるという作動を繰り
返す。
【0039】加熱開始からのガラス基板31およびモニ
タ基板の温度変化を図10に示すが、ガラス基板31の
温度は加熱開始後20分で安定し、モニタ基板21、2
3、25、27、29の温度は、いずれもさらに10分
経過後(加熱開始後30分)に270℃±2.5℃で安
定している。
【0040】この実施の形態によれば、実施の形態1と
同様の効果を奏するとともに、実施の形態1に比べ短時
間でモニタ基板の温度が均一、且つ安定化するため、加
熱開始から成膜作業開始までの時間を節約できる効果を
有している。 [実施の形態3]図5は実施の形態3の光学式膜厚監視
装置を備えた真空蒸着装置の正面からの断面図であり、
図6、図7はそれぞれモニタ基板を保持するモニタケー
スの断面図及び平面図である。
【0041】真空蒸着装置は、成膜装置と光学式膜厚監
視装置とから大きく構成されている。成膜装置は、図示
しない排気手段により内部を高真空にすることが可能な
チャンバー1と、その内部に配置された種々の装置から
なっている。
【0042】チャンバー1内部の上方には、ドーム42
が配置されており、ドーム42の中心と肩に当たる位置
には、それぞれ開口42Aと開口42Bが穿設されてい
る。ドーム42の中心位置には開口42Aと同心にリン
グ状のギア7が固定されており、ドーム42はチャンバ
ー1の外部に設けられた回転モータ4、回転軸5及びギ
ア6を介して回転可能に支持されている。
【0043】開口42Bは、被成膜基板であるガラス基
板31をセットした基板ホルダー32を挿入するための
ものである。また、チャンバー1の上部コーナーにはガ
ラス基板31を加熱するための加熱手段としてのヒータ
3が設けられている。
【0044】チャンバー1内部の下方には、成膜材料1
3を加熱するための電子銃15が配置され、その上部に
は開閉可能なシャッタ17が配置されている。また、こ
れらと左右対称な位置には、成膜材料14を加熱するた
めの電子銃16と開閉可能なシャッタ18とが配置され
ている。
【0045】光学式膜厚監視装置は、モニタ基板69を
収容するモニタケース61、モニタ基板69に成膜され
た膜厚を測定する膜厚監視計19およびモニタケース6
1を回転させる駆動機構から構成されている。
【0046】モニタケース61は、直径(φ)50mm
のモニタ基板69と、モニタ基板69を収容し外周部が
ギア65Aとなっているケース65と、ボルトによりモ
ニタ基板69をケース65に固定するためのリング形状
の押え蓋68とを有している。モニタ基板69には、図
7に示すように同心円上に等間隔に6箇所の監視エリア
51〜56が設定されている。この監視エリア51〜5
6は直径(φ)10mmとなっている。
【0047】チャンバー1の外部に設けられた支持板7
0に固定されたモータ62の駆動軸63は、チャンバー
1の上面を貫通し、その貫通端に固定された駆動ギア6
4がモニタケース61の外周のギア65Aと係合してい
る。従って、モータ62の駆動により駆動軸63、駆動
ギア64を介してモニタケース61が回転するようにな
っている。
【0048】膜厚監視計19はチャンバー1の外部上面
の中央部に設置されており、直下に位置するモニタ基板
69の監視エリア51〜56に成膜された膜厚を、反射
率の変化から光学的に測定する。
【0049】駆動軸63にはセンサプレート67が同軸
に固定されている。センサプレート67にはモニタ基板
69の監視エリア51〜56に対応したそれぞれの位置
に孔が開口しており、この孔を支持板70に固定された
フォトセンサ66が光学的に読み取るようになってい
る。
【0050】モニタケース61の直下には、モニタ基板
69の監視エリア51〜56に対応した位置に直径
(φ)12mmの孔57を有するマスクカバー60が固
定されている。
【0051】この実施の形態における膜厚監視方法につ
いて説明すると、被成膜基板であるガラス基板31を、
成膜面が下向きになるように基板ホルダー32にセット
する。チャンバー1を開放し、ドーム42の開口42B
に基板ホルダー32を挿入する。次に、ケース65にモ
ニタ基板69をセットし、押え蓋68を被せてボルトで
固定する。
【0052】チャンバー1を密閉し、図示しない排気手
段によりチャンバー1内の排気を開始するとともに、ヒ
ータ3を駆動させてガラス基板31を250℃になるよ
うに加熱制御する。同時に、モータ4を駆動してドーム
42を3rpmの回転数で定速回転させるとともに、モ
ータ62を駆動してモニタケース61を3rpmの回転
数で定速回転させる。
【0053】図11は加熱開始からのガラス基板31お
よびモニタ基板69の監視エリアの温度変化を示し、ガ
ラス基板31の温度は加熱開始後20分で安定し、モニ
タ基板69における監視エリア51、53、55の温度
は、さらに25分経過後(加熱開始後45分)に、いず
れも240℃±1.5℃で安定する。実施の形態1に比
べて温度の立ち上がりが遅く、安定時の温度が低いの
は、ヒータ3からモニタ基板69までの距離が実施の形
態1よりも遠いことによる。チャンバー1内の真空度が
2.6×10−3pa以上になり、すべての監視エリア
の温度が均一且つ安定化した時点で成膜の準備を開始す
る。
【0054】フォトセンサ66が監視エリア51に対応
するセンサプレート67の孔を検知したときに、モータ
62の駆動を中止してモニタケース61の回転を停止さ
せる。このとき、モニタ基板69の監視エリア51がマ
スクカバー60の孔57の直上に位置するようになる。
【0055】成膜作業の開始に先立って、モータ4を駆
動してドーム42の回転速度を3rpmから15rpm
に上昇させる。電子銃16の電流値を上昇させて成膜材
料14を加熱し、シャッタ18を開放してガラス基板3
1およびモニタ基板69の監視エリア51に成膜材料1
4の成膜を行う。成膜に際しては、膜厚監視計19によ
り監視エリア51上の膜厚を測定し、所定の膜厚に達し
た時点でシャッタ18を閉じるとともに電子統16の電
流値を下げる。
【0056】次に、電子銃15の電流値を上昇させて成
膜材料13を加熱し、シャッタ17を開放してガラス基
板31および監視エリア51に成膜材料13の成膜を行
う。この成膜に際しても、膜厚監視計19により監視エ
リア51上の膜厚を測定し、所定の膜厚に達したらシャ
ッタ17を閉じるとともに電子銃15の電流値を下げ
る。以下同様にして、成膜材料14,13を交互にガラ
ス基板31および監視エリア51に成膜する。
【0057】適当な層数成膜したところで、モータ62
を駆動して次の監視エリア52をマスクカバー60の孔
57の直上に位置させ、成膜を続行し目標とする多層膜
を得る。
【0058】このような実施の形態によれば、実施の形
態1と同様の効果を奏するとともに、モニタ基板が1枚
で足りるため、成膜前の準備が容易であり、また装置全
体の構成を簡略化することができる。なお、この実施の
形態では6箇所の監視エリアを設定したが、監視エリア
の数はこれに限ったものではない。
【0059】[比較例2]比較例2では、実施の形態3
の構成において、ヒータ3を駆動させてガラス基板31
を250℃になるように加熱制御する際、監視エリア5
1を監視位置に位置させたまま、モニタケース61を回
転させることなく成膜を行った。その他の作動は実施の
形態3と同様である。
【0060】図12は加熱開始からのガラス基板31お
よび監視エリアの温度変化を示す。ガラス基板31の温
度は加熱開始後20分で安定するが、監視エリア51、
53、55の温度は、さらに40分経過した後(加熱開
始後60分)でも安定せず、197℃〜234℃でばら
ついている。このような状況で成膜を行っても、モニタ
基板を交換すると正確な膜厚監視ができないため、ガラ
ス基板に成膜された膜厚の精度は低いものになる。
【0061】[実施の形態4]実施の形態4の構成は実
施の形態2と同様であり、詳細な説明は省略する。この
実施の形態4では、実施の形態2において、ヒータ3を
駆動させてガラス基板31を250℃になるように加熱
制御する際に、モニタケース61を3rpmで定速回転
させる代わりに、間欠回転させている。具体的には、モ
ータ62を駆動してモニタケース61を監視エリア5箇
所分回転させた後、その位置で20秒保持し、また監視
エリア5箇所分回転させる作動を繰り返す。
【0062】図13は、この実施の形態における加熱開
始からのガラス基板31および監視エリアの温度変化を
示し、ガラス基板31の温度は加熱開始後20分で安定
し、監視エリア51、53、55の温度は、さらに15
分経過後(加熱開始後35分)、いずれも240℃±
1.5℃で安定している。
【0063】この実施の形態4よれば、実施の形態3と
同様の効果を奏するとともに、実施の形態3に比べ短時
間でモニタ基板の温度が均一且つ安定化するため、加熱
開始から成膜作業開始までの時間を節約することが可能
となる。
【0064】
【発明の効果】本発明によれば、複数のモニタ基板を連
続的または間欠的に公転させることにより、モニタ基板
の温度を均一にすることが可能になるため、高精度な膜
厚の監視および制御が可能となる。また、本発明によれ
ば、単一のモニタ基板を連続的または間欠的に自転させ
ることにより、モニタ基板の温度を均一にすることが可
能となるため、高精度な膜厚の監視および制御が可能と
なる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に用いる真空蒸着装置の正面からの断面
図である。
【図2】図1の装置に用いる保持プレートの平面図であ
る。
【図3】図1の装置に用いるモニタケースの断面図であ
る。
【図4】保持プレートが上昇した状態を示す図1に対応
した断面図である。
【図5】本発明に用いる別の真空蒸着装置の正面からの
断面図である。
【図6】図5の装置に用いるモニタケースの断面図であ
る。
【図7】図5の装置に用いるモニタケースの平面図であ
る。
【図8】実施の形態1の温度上昇を示す特性図である。
【図9】比較例1の温度上昇を示す特性図である。
【図10】実施の形態2の温度上昇を示す特性図であ
る。
【図11】実施の形態3の温度上昇を示す特性図であ
る。
【図12】比較例2の温度上昇を示す特性図である。
【図13】実施の形態4の温度上昇を示す特性図であ
る。
【符号の説明】
2 モニタケース 3 ヒータ 13 14 成膜材料 21 モニタ基板 31 ガラス基板(被成膜基板) 33 保持プレート 44 フォトセンサ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 渡邊 正 東京都渋谷区幡ヶ谷2丁目43番2号 オリ ンパス光学工業株式会社内 (72)発明者 和田 順雄 東京都渋谷区幡ヶ谷2丁目43番2号 オリ ンパス光学工業株式会社内 (72)発明者 鵜澤 邦彦 東京都渋谷区幡ヶ谷2丁目43番2号 オリ ンパス光学工業株式会社内 (72)発明者 出口 武司 東京都渋谷区幡ヶ谷2丁目43番2号 オリ ンパス光学工業株式会社内 Fターム(参考) 2F065 AA30 BB23 CC21 NN20 PP13 4K029 AA09 BC07 BD00 CA01 DA08 DB14 DB21 EA01

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板に形成される光学薄膜の光学的膜厚
    を監視する光学式膜厚監視方法において、光学薄膜を被
    成膜基板に成膜する以前に、加熱手段により前記被成膜
    基板を加熱するとともに、光学的膜厚を監視するための
    複数のモニタ基板を特定の軸の回りに連続的または間欠
    的に公転させることを特徴とする光学式膜厚監視方法。
  2. 【請求項2】 基板に形成される光学薄膜の光学的膜厚
    を監視する光学式膜厚監視方法において、光学薄膜を被
    成膜基板に成膜する以前に、加熱手投により前記被成膜
    基板を加熱するとともに、光学的膜厚を監視するための
    単一のモニタ基板を連続的または間欠的に自転させるこ
    とを特徴とする光学式膜厚監視方法。
  3. 【請求項3】 基板に形成される光学薄膜の光学的膜厚
    を監視する光学式膜厚監視装置において、光学薄膜の光
    学的膜厚を監視するためのモニタ基板と、被成膜基板を
    加熱する加熱手段と、前記モニタ基板を連続的または間
    欠的に公転または自転させる回転手段とを具備してお
    り、光学薄膜を前記被成膜基板に成膜する以前に、前記
    加熱手段とともに前記回転手段を作動させることを特徴
    とする光学式膜厚監視装置。
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JP5319856B1 (ja) * 2012-06-13 2013-10-16 株式会社シンクロン 膜厚測定装置及び成膜装置

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