JP3892525B2 - 膜厚モニタ装置ならびに真空蒸着方法および真空蒸着装置 - Google Patents

膜厚モニタ装置ならびに真空蒸着方法および真空蒸着装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、真空蒸着によって基体に薄膜を形成する真空蒸着装置で用いる膜厚モニタ装置に関し、また、その膜厚モニタ装置を用いた真空蒸着方法および真空蒸着装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、真空雰囲気中で、蒸着材料から成る蒸発源を蒸発させ蒸着対象物の表面に蒸気を付着させて薄膜を形成する真空蒸着装置が知られている。例えば光学部品を製造する分野などでは、この真空蒸着装置により、例えばガラス基板に、反射防止膜や、反射増加膜、あるいは光学フィルタ膜などが形成される。これらの膜は一般に多層膜であり、蒸発源を切り換えて薄膜形成を繰り返すことで必要な層数に形成される。
【0003】
図8は従来の真空蒸着装置の一例を示す断面側面図である。
この真空蒸着装置102は図8に示すように、真空チェンバ104、第1および第2の蒸発手段106A、106B、基板ホルダ108、膜厚モニタ用のモニタ基体の支持手段110、光学特性測定手段112などにより構成されている。真空チェンバ104の底部近傍の側壁には排気口114が形成されており、真空チェンバ104の内部は、この排気口114を通じて不図示の真空ポンプにより排気が行われることで必要な真空状態が確保される。
真空チェンバ104の底面には第1および第2の蒸発手段106A、106Bが近接して配設され、それぞれ、ルツボ116A、116B、そのシャッタ118A、118B、電子銃120A、120Bなどを含んで構成されている。ルツボ116A、116Bにはそれぞれ、蒸発源である第1および第2の蒸着材料が充填され、シャッタ118A、118Bはその上部に近接して配置されている。
【0004】
シャッタ118A、118Bはルツボ116A、116Bの上部を被う大きさを有し、回転柱119A、119Bにより回転可能に支持されている。
そして、回転柱119A、119Bがモータ122A、122Bにより回転駆動されることでシャッタ118A、118Bの回転位置が変化し、シャッタ118A、118Bの開閉が行われる。
すなわち、シャッタ118A、118Bを開放状態とするときは、シャッタ118A、118Bの位置はルツボ116A、116Bの上部から外れた位置とされ、各シャッタ118A、118Bを閉鎖状態とするときは、各シャッタ118A、118Bの位置がルツボ116A、116Bの上部の位置(図8の位置)とされる。
ルツボ116A、116Bの側部には電子銃120A、120Bが配設されており、この電子銃120A、120Bから放出された電子が点線A、Bにより示すようにルツボ116A、116B内の蒸着材料に入射することで蒸着材料が蒸発する。
【0005】
基板ホルダ108は円盤状に形成され、多数の開口124が形成されている。基板ホルダ108の上面中央には回転軸126が固着され、この回転軸126により支持されて、真空チェンバ104内の上部に、下面を第1および第2の蒸発手段106A、106Bに向けて配置されている。
回転軸126は真空チェンバ104の天井部に回転可能に支持され、基板ホルダ108と反対側の端部は真空チェンバ104の上部に配設されたモータ128の出力軸に連結されている。
【0006】
膜厚モニタ用のモニタ基体の支持手段110は、支持板130、モニタ基体132の回転駆動手段134を含んで構成され、真空チェンバ104内の基板ホルダ108と第1の蒸発手段106Aとの間の基板ホルダ108寄りの箇所に配置されている。
支持板130は、一端部が真空チェンバ104の側壁に固着され、略水平に支持されている。
そして、支持板30の先端寄りの箇所には開口136が形成されている。モニタ基体132は円盤状に形成されたガラス基板から成り、支持板130上の開口136近傍に、中心を開口136からずらして載置される。
【0007】
回転駆動手段134は回転駆動軸138を含み、回転駆動軸138は、支持板130の上方に、支持板130に近接し、かつ支持板130とほぼ平行に開口136に向けて延設されている。その先端部は直角に屈曲し、先端140が、上述のように配置されたモニタ基体132の略中心に係合する構成となっている。回転駆動軸138の、先端140と反対側の端部は真空チェンバ104の側壁を貫通して外部に延出され、不図示のモータに連結されている。
支持手段110の上方には、基板ホルダ108に近接し、基板ホルダ108と略平行に膜厚補正板142が配置されている。
【0008】
光学特性測定手段112は、光源144、光検出器146、分光器148などにより構成されている。真空チェンバ104の底壁150には窓152が形成されており、上記光源144、光検出器146、分光器148はこの窓152の外側に、窓152に近接して配置されている。
さらに詳しくは、光源144は、その光出射面が、窓152を通じて支持板130の開口136を臨むように配置されている。
また、分光器148は、その光入射面が、窓152を通じて支持板130の開口136を臨むように配置されている。そして、光検出器146は、その光入射面が、窓152および分光器148を通じて支持板130の開口136を臨むように配置されている。
【0009】
このように構成された真空蒸着装置102で、例えば光学部品を成すガラス基板の表面に多層膜を形成する場合には、蒸着対象のガラス基板154を、中心を開口124の中心にほぼ一致させた状態で基板ホルダ108上に載置し、そして、モータ128に給電して基板ホルダ108を回転させる。
次に、モータ122Aに給電してシャッタ118Aを一定の角度だけ回転させ開放状態に設定する。
その結果、ルツボ116A内の第1の蒸着材料の蒸気はルツボ116Aから放出され、基板ホルダ108により支持されたガラス基板154の表面に、開口124を通じて付着する。
【0010】
これによりガラス基板154の表面に第1の蒸着材料の薄膜が形成されるが、その膜厚は、シャッタ118の開放時間、すなわち蒸着時間を制御することにより、目標とする膜厚が得られるよう図る。
この蒸着時間の制御は、モニタ基体132からの反射光をモニタすることにより行う。上述のようにシャッタ118Aを開放することで、ガラス基板154に対する蒸着が行われるが、同時に、第1の蒸着材料の蒸気は、支持板130の開口136を通じてモニタ基体132の表面にも付着して薄膜を形成する。
そして、時間の経過と共にこの薄膜もしだいに厚くなり、その結果薄膜の干渉によって、光源144からモニタ基体132に入射した光の反射率はしだいに変化する。
したがって、予めガラス基板154に目標とする厚さの薄膜が形成されたときの、モニタ基体132における反射率を実験などにより求めておけば、その反射率となったときシャッタ118Aを閉じて蒸着を停止すれば、ガラス基板154に目標とする厚さの薄膜が形成されることになる。
【0011】
このような制御を行うため、光源144からは少なくともシャッタ118が開放されている間、光を窓152および開口136を通じモニタ基体132に向けて放射させ、その反射光は、開口136および窓152を通じて分光器148に入射する。
そして、必要な波長成分の光のみが分光器148を通過して光検出器146に入射し、電気信号に変換される。この電気信号のレベルが反射率に対応しているため、光検出器146が出力する信号のレベルが所定値に達したときシャッタ118を閉じ、蒸気の放出を阻止する。これにより、ガラス基板154には目標とする厚さの薄膜が形成される。
【0012】
第1の蒸発材料による薄膜がこのようにして形成されると、次に、回転駆動軸138によってモニタ基体132を支持板130上で一定の角度だけ回転させ、モニタ基体132の非蒸着領域が開口136を通じて露出するように設定する。そして、シャッタ118Aに代って、上述した第2の蒸発手段106Bのシャッタ118Bを開放し、第2の蒸着材料の蒸気を放出させる。
これにより、各ガラス基板154では、第1の蒸発材料による薄膜の上に、第2の蒸発材料が付着し、その薄膜が形成される。
また、モニタ基体表面の開口136を通じた露出領域にも、上述の場合と同様に第2の蒸発材料が付着してその薄膜が形成される。
そして、光検出器146の出力信号が所定レベルに到達したとき、シャッタを閉じることで、各ガラス基板154に形成された第1の蒸着材料による薄膜の上に、目標とする厚さの第2の蒸着材料による薄膜が形成される。
以降、第1および第2の蒸発手段106A、106Bのシャッタ118A、118Bを交互に切り換えて開放することで、ガラス基板154には第1および第2の蒸着材料が交互に積層した多層膜が形成される。
【0013】
ところで、2つの蒸発手段は真空チェンバ104内の特定の位置に配置されているので、ルツボ116A、116Bから放出された蒸気の濃度は、真空チェンバ104内で均一ではなく、一般に真空チェンバ104の中心部では高く、周辺に近づくほど低くなっている。
膜厚補正板142はこのような濃度の不均一を補正するために設けられており、基板ホルダ108が回転している結果、基板ホルダ108上に配列されたガラス基板154は、中央部のものほど長い時間、蒸気が遮られることになる。そのため、周辺部で蒸気濃度が低いことが補正され、中央部に配置されたガラス基板154と、周辺部に配置されたガラス基板154とにおける膜厚の差が緩和される。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
このような従来の真空蒸着装置102では、蒸着時間の制御は上述したようにモニタ基体132の反射率を測定することで行い、その反射率が目標値に到達したところでシャッタ118A、118Bを閉じている。
そして、上記反射率の目標値は、予めガラス基板154に目標とする厚さの薄膜が形成されたときの、モニタ基体132における反射率を実験などにより求めることで設定している。
【0015】
しかし、モニタ基体132と基板ホルダ108に支持された各ガラス基板154とは、真空チャンバ104内における位置が異なっており、また、モニタ基体132は停止しているが、ガラス基板154は回転している。
そのため、蒸発源の蒸発速度、真空チャンバ104内の真空度、さらには温度などが変化したとき、その影響度はモニタ基体132とガラス基板154とで違ったものとなる。
したがって、上述のように実験などにより反射率の目標値を決めても、実際に蒸着を行う際の蒸発速度、真空度、温度などが実験の場合と異なると、モニタ基体132の反射率が目標値となるように正確に蒸着時間を制御しても、ガラス基板154に形成される薄膜の厚さは誤差の大きいものとなってしまう。
特に、面積の広い基板ホルダ108上に一度に多数のガラス基板154を配置して真空蒸着を行う場合には、モニタ基体132と各ガラス基板154との位置的なずれが大きくなるので、上記問題は顕著に現れる。
【0016】
図9は従来の真空蒸着装置によりガラス基板に23層の多層膜を形成してロングパスフィルタとし、その透過率を測定した結果を示すグラフである。図中、横軸は波長を表し、縦軸は透過率を表している。そして、実線Oは、モニタ基体132の反射率をモニタして多層膜を形成したガラス基板の透過率を示し、破線Tは、誤差無く多層膜を形成できた場合のガラス基板の透過率を光学理論にもとづいて算出した結果を示している。
図9から分るように、実際に多層膜を形成したガラス基板では、特に530nm付近のリップル部で理論値からのずれが大きく、十分な透過率が得られていない。
【0017】
本発明は、このような問題を解決するため、常に正確な厚さで薄膜を形成できるようにする膜厚モニタ装置ならびに真空蒸着方法および真空蒸着装置を提供することにある。
【0018】
【課題を解決するための手段】
記目的を達成するため、本発明に係る膜厚モニタ装置は、真空チェンバ内に複数の基体を基体ホルダで支持し、前記基体ホルダを回転させつつ、蒸着により前記基体上に薄膜を形成する真空蒸着装置において用いる膜厚モニタ装置であって、前記基体ホルダにより支持されたモニタ基体と、前記真空チャンバに形成された窓と、前記真空チャンバの外部より前記窓を通じて前記モニタ基体に光を照射し、前記モニタ基体からの反射光を前記真空チャンバの外部で前記窓を通じて受光して、前記モニタ基体の光学特性値を測定する光学特性測定手段とを備え、前記窓は前記基体ホルダの回転の中心を取り囲んで形成され、前記光学特性測定手段は前記基体ホルダと共に回転する支持手段により支持されていることを特徴とする。
【0019】
発明に係る膜厚モニタ装置はまた、前記光学特性測定手段が、前記真空チャンバの外部より前記窓を通じて前記モニタ基体に光を照射する光源と、前記モニタ基体からの反射光を前記窓を通じて前記真空チャンバの外部で受光する光検出器とを含み、前記光検出器は、前記モニタ基体の前記光学特性値として前記モニタ基体の反射率を表す信号を出力することを特徴とする。
本発明に係る膜厚モニタ装置はまた、前記光学特性測定手段が、前記基体ホルダを挟んで蒸発手段と反対の方向から、前記モニタ基体に光を照射することを特徴とする。
【0020】
また、本発明に係る真空蒸着方法は、真空チェンバ内に複数の基体を基体ホルダで支持し、前記基体ホルダを回転させつつ、蒸着により前記基体上に薄膜を形成する真空蒸着方法であって、前記基体ホルダにより支持されたモニタ基体と、前記真空チャンバに形成された窓と、前記真空チャンバの外部より前記窓を通じて前記モニタ基体に光を照射し、前記モニタ基体からの反射光を前記真空チャンバの外部で前記窓を通じて受光して、前記モニタ基体の光学特性値を測定する光学特性測定手段とを備え、前記窓は前記基体ホルダの回転の中心を取り囲んで形成され、前記光学特性測定手段は前記基体ホルダと共に回転する支持手段により支持されている膜厚モニタ装置を設け、前記光学特性測定手段により前記モニタ基体の前記光学特性値を測定し、測定した前記光学特性値にもとづいて、蒸着により前記基体に薄膜を形成する際の蒸着時間を制御することを特徴とする。
本発明に係る真空蒸着方法はまた、前記蒸着時間を制御するとき、蒸着を開始した後、測定した前記モニタ基体の前記光学特性値が目標値となるまでを前記蒸着時間とすることを特徴とする。
【0021】
また、本発明に係る真空蒸着装置は、真空チェンバ内に複数の基体を基体ホルダで支持し、前記基体ホルダを回転させつつ、蒸着により前記基体上に薄膜を形成する真空蒸着装置であって、前記基体ホルダにより支持されたモニタ基体と、前記真空チャンバに形成された窓と、前記真空チャンバの外部より前記窓を通じて前記モニタ基体に光を照射し、前記モニタ基体からの反射光を前記真空チャンバの外部で前記窓を通じて受光して、前記モニタ基体の光学特性値を測定する光学特性測定手段とを備え、前記窓は前記基体ホルダの回転の中心を取り囲んで形成され、前記光学特性測定手段は前記基体ホルダと共に回転する支持手段により支持されている膜厚モニタ装置を設け、さらに、前記光学特性測定手段により前記モニタ基体の前記光学特性値を測定する測定実行手段と、測定した前記光学特性値にもとづいて、蒸着により前記基体に薄膜を形成する際の蒸着時間を制御する蒸着時間制御手段とを設けたことを特徴とする。
本発明に係る真空蒸着装置はまた、前記蒸着時間制御手段が、前記蒸着時間を制御するとき、蒸着を開始した後、測定した前記モニタ基体の前記光学特性値が目標値となるまでを前記蒸着時間とすることを特徴とする。
【0023】
【発明の実施の形態】
次に本発明の実施の形態を実施例にもとづき図面を参照して説明する。
図1は本発明による膜厚モニタ装置の一例を備えた本発明の真空蒸着装置の一例を示す断面側面図、図2は、図1の真空蒸着装置の平面図、図3は、図1の真空蒸着装置を構成する制御手段およびその関連要素を示すブロック図である。図中、図8に示した真空蒸着装置と同一の要素には同一の符号を付し、それらに関する詳しい説明はここでは省略する。以下ではこれらの膜厚モニタ装置および真空蒸着装置について説明し、同時に本発明の真空蒸着方法の一実施例について説明する。
【0024】
本実施例の真空蒸着装置2は、膜厚モニタ装置4を備え、膜厚モニタ装置4は、モニタ基板6、真空チャンバに形成された窓8、ならびに光特性測定手段10を含んで構成されている。
モニタ基板6は、円盤状のガラス基板から成り、基板ホルダ108上に載置されている。
窓8は真空チャンバの天井に円環状に形成され、基板ホルダ108の回転の中心、したがって回転軸126を取り囲み、回転軸126と同心に形成されている。
【0025】
光特性測定手段10は、支持手段12上に搭載され、支持手段12は基板ホルダ108の半径方向に延設され、一端部が回転軸126に固着されて基板ホルダ108と共に回転する。支持手段12における、窓8に対向する箇所には開口14、16が相互に隣接して形成されている。
モニタ基板6は、支持手段12の開口14、16および窓8を通じて真空チャンバ104の外部から目視できる位置に形成された開口124の箇所に、開口124にほぼ中心を一致させて配置されている。
【0026】
光学特性測定手段10は、真空チャンバ104の外部より窓8を通じてモニタ基板6に光を照射する光源18と、モニタ基板6からの反射光を窓8を通じて真空チャンバ104の外部で受光する光検出器20と、分光器22とを含んで構成されている。
そして、光源18は、支持手段12の開口14の箇所に、その光出射面が、開口14および窓8を通じてモニタ基板6を臨むように配置され、分光器22は、支持手段12の開口16の箇所に、その光入射面が、開口16および窓8を通じてモニタ基板6を臨むように配置されている。
また、光検出器20は、その光入射面が、分光器22、開口16、ならびに窓8を通じてモニタ基板6を臨むように配置されている。
【0027】
本実施例の真空蒸着装置2を構成する制御手段44は例えばパーソナルコンピュータから成り、光学特性測定手段10により測定されたモニタ基板6の光学特性値、具体的には反射率にもとづいて、蒸着によりガラス基板154に薄膜を形成する際の蒸着時間を制御する。
【0028】
この機能を実現するため、図3のブロック図に示すように、制御手段44には、シャッタ118A、118Bをそれぞれ駆動するモータ122A、122B、電子銃120A、120B、さらに基板ホルダ108を回転させるモータ128が接続されている。
制御手段44にはまた、光学特性測定手段10の光源18と分光器22とが接続され、そして光検出器20の出力信号がA/D変換器24(図1、図2では省略)を通じて入力されている。
さらに制御手段44には、真空チェンバ104の制御に関連して真空ポンプ26、真空メータ28、排気バルブ30(いずれも図1、図2では省略)が接続されている。
なお、図1、図2では制御手段44と各部との接続は、図面が必要以上に複雑になることを避けるため省略されている。
【0029】
次に、このように構成された真空蒸着装置2によりいかに真空蒸着を行って薄膜を形成するかを説明する。
図4ないし図6は、ガラス基板154に対して真空蒸着を行って表面に多層膜を形成する手順を示すフローチャートであり、以下では適宜このフローチャートを参照する。
本実施例では、具体例としてロングパスフィルタとするガラス基板154(本発明に係わる基体)に23層の多層膜を形成し、そして、酸化チタン(TiO2 )と酸化シリコン(SiO2 )の層を交互に形成するものとする。そのため、第1の蒸発手段106Aのルツボ116Aには蒸発源として酸化チタンが充填され、一方、第2の蒸発手段106Bのルツボ116Bには蒸発源として酸化シリコンが充填されている。
【0030】
制御手段44には、上記23層の各層の厚さのデータを予め入力し、制御手段44内部のメモリに記憶させておく。
蒸着対象のガラス基板154は、従来と同様に、中心を基板ホルダ108(本発明に係わる基体ホルダ)の開口124の中心にほぼ一致させた状態で基板ホルダ108上に載置しておく。
【0031】
制御手段44はまず、排気口114に接続された排気バルブ30(図3)を開放して真空ポンプ26を起動し、排気口114を通じて真空チェンバ104内の空気を排出する(ステップS1)。そして、真空メータ28(図3)からの信号により真空チェンバ104内の真空度をチェックし(ステップS2)、真空度が8×10-4Paとなったところで次のステップに進む。
制御手段44は、ステップS3で、内部のカウンタ手段のカウント値Lを1に設定する(ステップS3)。上記カウント値Lはガラス基板154に形成する層の番号に対応しており、Lが1のとき、第1層を形成することになる。
次に、制御手段44はモータ128に給電してモータ128を回転させ、基板ホルダ108および支持手段12を回転させる(ステップS4)。
【0032】
つづいて制御手段44は、ガラス基板154に形成する第L層(この場合には第1層)の膜厚Q(L)を上記メモリから読み出し、モニタ基板6の目標の反射率R(L)を計算する(ステップS5)。この反射率R(L)は次の[数1]にもとづいて計算する。
【0033】
【数1】
Figure 0003892525
【0034】
この式中、Rmは次の[数2]により表され、モニタ基板6の片側ガラス面(薄膜が形成される側)の反射率であり、[数1]はこのガラス面の裏面反射率として得られる。なお、式中の*は共役複素数であることを表している。
【0035】
【数2】
Figure 0003892525
【0036】
また、Rf(L)は、形成された薄膜の膜面のみにおける反射率であり、次の[数3]によって表される。
【0037】
【数3】
Figure 0003892525
【0038】
そして、この式を構成するB、Cは、[数4]に示すように、モニタ基板6に形成される薄膜の行列式によって表される。
【0039】
【数4】
Figure 0003892525
【0040】
[数4]に含まれるNmは、モニタ基板6の屈折率であり、さらに、M(L)は次の[数5]に示す、モニタ基板6に形成される薄膜の特性行列式によって表される。
【0041】
【数5】
Figure 0003892525
【0042】
ここで、D(L)はL番目に形成される薄膜の位相膜厚であり、L番目の薄膜の厚さをQ(L)、分光器22を通過する単色光の波長をLmとしたとき、D(L)=2πN(L)Q(L)/Lmと表される。また、N(L)はL番目の薄膜の屈折率であり、本実施例では蒸着材料の酸化チタンまたは酸化シリコンの屈折率である。なお、iは単位虚数である。
【0043】
次に、制御手段44は上記カウンタ手段のカウント値Lが1に等しいか否かを判定し(ステップS6)、この場合にはL=1であるからステップS7に進む。そして制御手段44は、分光器22を制御して通過させる単色光の波長を、モニタ基板6での反射率の変化が大きくなるような波長に設定し、さらに、光検出器20の感度を調整して、光検出器20のこのときの出力信号が表す反射率が、薄膜が形成されていないモニタ基板6の反射率に一致すように設定する(ステップS7)。
その後制御手段44は電子銃120Aを動作させて電子ビームをルツボ116Aに入射させ、ルツボ116A内の酸化チタンを溶解させる(ステップS8)。つづいて制御手段44は、不図示の酸素ボンベと真空チェンバ104とを連結する不図示の弁を開放し、真空メータ28をチェックすることで真空チェンバ104内の真空度を8×10-3Paに設定する(ステップS9)。
制御手段44はさらに、モータ122に給電してシャッタ118Aを所定の角度だけ回転させ、シャッタ118Aを開放状態にして、ルツボ116Aの上方を開放する(ステップS10)。
これにより、蒸発源からの蒸気は真空チェンバ104内を上昇し、基板ホルダ108に保持された各ガラス基板154およびモニタ基板6の表面にそれぞれ開口124を通じて付着し、薄膜を形成する。
【0044】
次に制御手段44は、ステップS11で測定実行手段として機能してモニタ基板6の反射率Rdを測定する。光源18を出た光は窓8を通過して下方に向い、モニタ基板6に入射し、そしてモニタ基板6で反射して窓8を通じて分光器22に入射する。この反射光は分光器22を通過して単色光となり光検出器20に入射する。その結果、光検出器20はモニタ基板6の反射率を表す電気信号を出力する。
この信号はA/D変換器24(図3)によりデジタル信号に変換され、制御手段44に入力される。
ここで制御手段44は蒸着時間制御手段として動作し、入力された信号が表すモニタ基板6の反射率Rdが上記目標とする反射率R(L)に等しいか否かを判定する(ステップS12)。そして、判定結果がイエスとなるまで、ステップS11、S12を繰り返す。
【0045】
ステップS12での判定結果がイエスとなると、制御手段44は、モータ122Aを制御してシャッタ118Aを閉じ(ステップS13)、蒸発源から蒸気が上方に飛ぶことを阻止し、さらに、上述した酸素ボンベと真空チェンバ104とを連結する弁を閉鎖して、真空チェンバ104への酸素の導入を停止する(ステップS14)。
つづいて制御手段44は電子銃120Aをオフにして電子ビームの蒸発源(酸化チタン)への入射を停止させる(ステップS15)。
その後、制御手段44は、上記カウンタ手段のカウント値Lを1だけインクリメントした後(ステップS16)、カウント値Lが24に等しいか否かを判定する(ステップS17)。この場合L=2であるから、この判定結果はノーとなり、制御手段44は、次の層をガラス基板154に形成すべくステップS5に戻り、最初の層を形成したときと同様に、膜厚Q(L)をメモリから読み出し、その膜厚を用いて目標の反射率R(L)を算出する(ステップS5)。
【0046】
次に、制御手段44は、カウンタ手段のカウント値Lが1か否かを判定し(ステップS6)、この場合にはLは2であるからステップS18に進み、光検出器20の感度を調整して、光検出器20の出力信号が表す反射率を反射率R(L−1)に一致させる。
その後、制御手段44はLが奇数か否かを判定し(ステップS19)、この場合にはLは偶数(L=2)であるため、ステップS20に進む。なお、Lが奇数の場合には、ステップS8に進み、上述した一連の処理を行う。
ステップS20で、制御手段44は電子銃120Bを動作させて電子ビームを第2の蒸発手段のルツボ116Bに入射させ、ルツボ内の酸化シリコンを溶解させる。
制御手段44はさらに、モータ122Bに給電してシャッタ118Bを所定の角度だけ回転させ、シャッタ118Bを開放状態にして、第2の蒸発手段106Bのルツボ116Bの上方を開放する(ステップS21)。
これにより、蒸発源からの蒸気は真空チェンバ104内を上昇し、基板ホルダ108に保持された各ガラス基板154およびモニタ基板6の表面にそれぞれ開口124を通じて付着し、薄膜を形成する。
【0047】
次に、制御手段44は測定実行手段として動作して、モニタ基板6の反射率Rdを測定する(ステップS22)。第1層の場合と同様、光源18を出た光は上述のように窓8を通過して下方に進んでモニタ基板6に入射しており、この光はモニタ基板6で反射して窓8を通じて分光器22に入射する。そして分光器22を通過して単色光となり、光検出器20に入射するので、光検出器20はモニタ基板6の反射率Rdを表す電気信号を出力する。
この信号はA/D変換器24によりデジタル信号に変換され、制御手段44に入力される。ここで制御手段44は蒸着時間制御手段として動作して、入力された信号が表すモニタ基板6の反射率Rdが、上記目標とする反射率R(L)に等しいか否かを判定する(ステップS23)。そして、判定結果がイエスとなるまで、ステップS22、S23を繰り返す。
【0048】
ステップS23での判定結果がイエスとなると、制御手段44は、モータ122Bを制御してシャッタ118Bを閉じ(ステップS24)、蒸発源(酸化シリコン)から蒸気が上方に飛ぶことを阻止し、つづいて制御手段44は電子銃120Bをオフにして電子ビームの蒸発源(酸化シリコン)への入射を停止させる(ステップS25)。
その後、制御手段44は、第1層目の場合と同様に、上記カウンタ手段のカウント値Lを1だけインクリメントした後(ステップS16)、カウント値Lが24に等しいか否かを判定する(ステップS17)。この場合L=3であるから、この判定結果はノーとなり、制御手段44はステップS5に戻る。
【0049】
制御手段44は、以降、カウント値Lが24になるまでこのような処理を繰り返した後、L=24になったところでステップS17からステップS26に進み、モータ128への給電を停止して基板ホルダ108および支持手段12の回転を止め(ステップS26)、さらに真空ポンプ26を停止させる(ステップS27)。また、不図示の大気導入弁を開放して、真空チェンバ104内に大気を導入し(ステップS28)、ガラス基板154に対する多層膜の形成を終了する。
【0050】
図7は実施例の真空蒸着装置2によりガラス基板154に23層の多層膜を形成して、ガラス基板154の透過率を測定した結果を示すグラフである。図中、横軸は波長を表し、縦軸は透過率を表している。そして、点線Nは、モニタ基体6の反射率をモニタして多層膜を形成したガラス基板154の透過率を示し、破線Tは、誤差無く多層膜を形成できた場合のガラス基板の透過率を光学理論にもとづいて算出した結果を示している。
このグラフから分るように、実際のガラス基板の透過率(点線N)は理論値(破線T)に極めてよく一致している。
【0051】
このように、本実施例では、薄膜を形成すべきガラス基板154を支持する基板ホルダ108によりモニタ基板6が支持され、そのモニタ基板6の反射率を光学特性測定手段10により測定して蒸着時間を制御する。
すなわち、薄膜を形成すべきガラス基板と同じ位置的条件で配置され、そしてガラス基板と同様に回転するモニタ基板6によって、形成される薄膜の厚さをモニタするので、ガラス基板における膜厚を極めて正確に制御することが可能である。
そして、実施例のように基板ホルダ108により多数のガラス基板を支持する構成としても、従来に比べモニタ基板6と各ガラス基板との位置的なずれが小さいので、どのガラス基板にも精度よく薄膜を形成できる。したがって、一度に多数のガラス基板に薄膜を形成することが可能となり、製造効率の向上を実現できる。
【0052】
以上、本発明の実施例について説明したが、これはあくまでも一例であり、本発明はこの例に限定されず種々の形態で実施することができる。
施例では一例としてロングパスフィルタを形成したが、本発明は無論これ以外にも様々な機能の薄膜を形成する場合に適用でき、例えばローパスフィルタ、ショートパスフィルタ、ビームスプリッタ、反射防止膜、反射増加膜などを形成する場合にも有効である。
そして、薄膜を形成する基体の材料や、多層膜の層数、あるいは蒸着材料などは、上記以外のものであっても本発明は無論有効である。
【0053】
【発明の効果】
以上説明したように本発明の膜厚モニタ装置では、薄膜を形成すべき基体を支持する基体ホルダによりモニタ基体が支持され、光学特性測定手段は、そのモニタ基体に光を照射し、反射光を受光してモニタ基体の光学特性値を測定する。そして、基体に形成される薄膜の厚さの制御は、この光学特性値を膜厚の指標として用いることで行うことができる。
この膜厚モニタ装置では、薄膜を形成すべき基体と同じ位置的条件で配置され、基体と同様に回転するモニタ基体によって、形成される薄膜の厚さをモニタでき、したがって基体における膜厚を極めて正確に制御することが可能である。
本発明の真空蒸着方法では、薄膜を形成すべき基体を支持する基体ホルダによりモニタ基体が支持され、光学特性測定手段により、そのモニタ基体に光を照射し、反射光を受光してモニタ基体の光学特性値を測定する。そして、蒸着時間の制御は、この光学特性値を膜厚の指標として用いることで行うことができる。
この真空蒸着方法では、薄膜を形成すべき基体と同じ位置的条件で配置され、基体と同様に回転するモニタ基体によって、形成される薄膜の厚さをモニタできるので、基体における膜厚を極めて正確に制御することが可能である。
【0054】
本発明の真空蒸着装置では、薄膜を形成すべき基体を支持する基体ホルダによりモニタ基体が支持され、測定実行手段は、光学特性測定手段により、そのモニタ基体に光を照射し、反射光を受光してモニタ基体の光学特性値を測定する。そして、蒸着時間制御手段は、測定実行手段が測定した光学特性値を膜厚の指標として用いることで蒸着時間を制御する。
この真空蒸着装置では、薄膜を形成すべき基体と同じ位置的条件で配置され、基体と同様に回転するモニタ基体によって、形成される薄膜の厚さをモニタできるので、基体における膜厚を極めて正確に制御することが可能である。
そして本発明では、基体ホルダにより多数の基体を支持しても、従来に比べモニタ基体と各基体との位置的なずれが小さいので、どの基体にも精度よく薄膜を形成できる。したがって、一度に多数の基体に薄膜を形成することが可能となり、製造効率の向上を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による膜厚モニタ装置の一例を備えた本発明の真空蒸着装置の一例を示す断面側面図である。
【図2】図1の真空蒸着装置の断面平面図である。
【図3】図1の真空蒸着装置を構成する制御手段およびその関連要素を示すブロック図である。
【図4】ガラス基板に対して真空蒸着を行って表面に多層膜を形成する手順を示すフローチャートである。
【図5】ガラス基板に対して真空蒸着を行って表面に多層膜を形成する手順を示すフローチャートである。
【図6】ガラス基板に対して真空蒸着を行って表面に多層膜を形成する手順を示すフローチャートである。
【図7】実施例の真空蒸着装置によりガラス基板に23層の多層膜を形成して、ガラス基板の透過率を測定した結果を示すグラフである。
【図8】従来の真空蒸着装置の一例を示す断面側面図である。
【図9】従来の真空蒸着装置によりガラス基板に23層の多層膜を形成して、ガラス基板の透過率を測定した結果を示すグラフである。
【符号の説明】
2 真空蒸着装置
4 膜厚モニタ装置
6 モニタ基板
8 窓
10 光特性測定手段
12 支持手段
18 光源
20 光検出器
22 分光器
24 A/D変換器
44 制御手段
104 真空チェンバ
106A 第1の蒸発手段
106B 第2の蒸発手段
108 基板ホルダ

Claims (11)

  1. 真空チェンバ内に複数の基体を基体ホルダで支持し、前記基体ホルダを回転させつつ、蒸着により前記基体上に薄膜を形成する真空蒸着装置において用いる膜厚モニタ装置であって、
    前記基体ホルダにより支持されたモニタ基体と、
    前記真空チャンバに形成された窓と、
    前記真空チャンバの外部より前記窓を通じて前記モニタ基体に光を照射し、前記モニタ基体からの反射光を前記真空チャンバの外部で前記窓を通じて受光して、前記モニタ基体の光学特性値を測定する光学特性測定手段とを備え
    前記窓は、前記基体ホルダの回転の中心を取り囲んで形成され、前記光学特性測定手段は、前記基体ホルダと共に回転する支持手段により支持されている、
    とを特徴とする膜厚モニタ装置。
  2. 前記光学特性測定手段は、前記真空チャンバの外部より前記窓を通じて前記モニタ基体に光を照射する光源と、前記モニタ基体からの反射光を前記窓を通じて前記真空チャンバの外部で受光する光検出器とを含み、前記光検出器は、前記モニタ基体の前記光学特性値として前記モニタ基体の反射率を表す信号を出力する請求項1記載の膜厚モニタ装置。
  3. 前記光学特性測定手段は、前記基体ホルダを挟んで蒸発手段と反対の方向から、前記モニタ基体に光を照射する請求項1記載の膜厚モニタ装置。
  4. 真空チェンバ内に複数の基体を基体ホルダで支持し、前記基体ホルダを回転させつつ、蒸着により前記基体上に薄膜を形成する真空蒸着方法であって、
    前記基体ホルダにより支持されたモニタ基体と、
    前記真空チャンバに形成された窓と、
    前記真空チャンバの外部より前記窓を通じて前記モニタ基体に光を照射し、前記モニタ基体からの反射光を前記真空チャンバの外部で前記窓を通じて受光して、前記モニタ基体の光学特性値を測定する光学特性測定手段とを備え
    前記窓は、前記基体ホルダの回転の中心を取り囲んで形成され、前記光学特性測定手段は、前記基体ホルダと共に回転する支持手段により支持されている、
    厚モニタ装置を設け、
    前記光学特性測定手段により前記モニタ基体の前記光学特性値を測定し、
    測定した前記光学特性値にもとづいて、蒸着により前記基体に薄膜を形成する際の蒸着時間を制御する、
    ことを特徴とする真空蒸着方法。
  5. 前記蒸着時間を制御するとき、蒸着を開始した後、測定した前記モニタ基体の前記光学特性値が目標値となるまでを前記蒸着時間とする請求項記載の真空蒸着方法。
  6. 前記光学特性測定手段は、前記真空チャンバの外部より前記窓を通じて前記モニタ基体に光を照射する光源と、前記モニタ基体からの反射光を前記窓を通じて前記真空チャンバの外部で受光する光検出器とを含み、前記光検出器は、前記モニタ基体の前記光学特性値として前記モニタ基体の反射率を表す信号を出力する請求項または記載の真空蒸着方法。
  7. 前記光学特性測定手段は、前記基体ホルダを挟んで蒸発手段と反対の方向から、前記モニタ基体に光を照射する請求項または記載の真空蒸着方法。
  8. 真空チェンバ内に複数の基体を基体ホルダで支持し、前記基体ホルダを回転させつつ、蒸着により前記基体上に薄膜を形成する真空蒸着装置であって、
    前記基体ホルダにより支持されたモニタ基体と、
    前記真空チャンバに形成された窓と、
    前記真空チャンバの外部より前記窓を通じて前記モニタ基体に光を照射し、前記モニタ基体からの反射光を前記真空チャンバの外部で前記窓を通じて受光して、前記モニタ基体の光学特性値を測定する光学特性測定手段とを備え
    前記窓は、前記基体ホルダの回転の中心を取り囲んで形成され、前記光学特性測定手段は、前記基体ホルダと共に回転する支持手段により支持されている、
    厚モニタ装置を設け、
    さらに、前記光学特性測定手段により前記モニタ基体の前記光学特性値を測定する測定実行手段と、
    測定した前記光学特性値にもとづいて、蒸着により前記基体に薄膜を形成する際の蒸着時間を制御する蒸着時間制御手段とを設けた、
    ことを特徴とする真空蒸着装置。
  9. 前記蒸着時間制御手段は、前記蒸着時間を制御するとき、蒸着を開始した後、測定した前記モニタ基体の前記光学特性値が目標値となるまでを前記蒸着時間とする請求項記載の真空蒸着装置。
  10. 前記光学特性測定手段は、前記真空チャンバの外部より前記窓を通じて前記モニタ基体に光を照射する光源と、前記モニタ基体からの反射光を前記窓を通じて前記真空チャンバの外部で受光する光検出器とを含み、前記光検出器は、前記モニタ基体の前記光学特性値として前記モニタ基体の反射率を表す信号を出力する請求項または記載の真空蒸着装置。
  11. 前記光学特性測定手段は、前記基体ホルダを挟んで蒸発手段と反対の方向から、前記モニタ基体に光を照射する請求項または10記載の真空蒸着装置。
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