JP2005154804A - 光学薄膜成膜装置及び光学薄膜成膜方法 - Google Patents

光学薄膜成膜装置及び光学薄膜成膜方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 製品基板上に成膜された光学薄膜の膜厚を設計目標どおりに成膜できる光学薄膜成膜装置及び光学薄膜成膜方法を提供すること。
【解決手段】 本実施形態に係る光学薄膜成膜装置1は、真空槽2内に配設され光学薄膜3が成膜されて製品となる製品基板(基板)5上に光学薄膜3を成膜する装置であって、製品基板5に対向して真空槽2の底部側でかつ中心から偏った位置に配設された二つの蒸着源7,8と、真空槽2の上方側で製品基板5を保持して蒸着源7,8上を通過可能な球面ドーム(基板保持部)10と、蒸着源7,8のそれぞれの直上に配され蒸着源7,8と球面ドーム10との間を遮蔽可能なシャッター11、12と、製品基板5に成膜された光学薄膜3の光学特性値を計測する特性評価手段13と、膜厚制御を行う膜厚制御システム15とを備えている。
【選択図】 図2

Description

本発明は、光学素子等の基板上に単層若しくは多層の反射防止膜や多層のフィルタ等の光学薄膜を成膜する際の光学薄膜成膜装置、及び、光学薄膜成膜方法に関する。
光学薄膜を基板上に成膜する際の膜厚の制御方法には、光学的膜厚制御方法や電気的制御方法(水晶式膜厚制御方法)、時間的制御方法等がある。これらの方法のうち、現在、多く利用されている方法は光学的膜厚制御法である。
この方法の原理について説明する。屈折率nの透明基板の上に、屈折率n、幾何学的膜厚dの光学薄膜が蒸着された場合、この光学薄膜の反射率R、若しくは透過率Tは、波長λの光の位相変化δの周期関数になっている。この位相δは式(1)に示すように、波長λと光学的膜厚ndとの関数でもある。
Figure 2005154804
したがって、測定する光の波長λを固定して光学的膜厚ndを変化させると、その反射率R、若しくは、透過率T(T=100−R)は、式(2)に示すように、周期的に変化することになる。
Figure 2005154804
このような、膜厚変化による反射率や透過率の変化に着目して、基板に成膜する光学薄膜の膜厚制御を行うのが光学的膜厚制御法である。
この光学的膜厚制御法により成膜する成膜装置として、真空槽の底部に蒸発源を配置し、その上方に製品基板(例えば、製品となるレンズ等)保持用のドームを配置し、ドームの中心部に設けられた孔内に特性モニタ基板、及び、膜厚制御モニタ基板を配設して構成されるものが提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
この装置は、ドームを中心部の中心軸回りに回転させつつ、ドームに保持した製品基板上に蒸発源からの蒸発物質を光学膜厚として成膜させる際に、この製品基板に積層される光学薄膜の光学特性から屈折率や膜厚を検知するために、特性モニタ基板に対して光を投光し、その反射光を受光するための投受光部、及び、計測部を設け、計測部による測定値を制御手段の演算部に取り込むようにしている。
したがって、特性モニタ基板上の積層膜の光学特性を計測し、その結果に基づいて膜厚誤差を予測し、次に積層される膜厚制御モニタの制御波長を修正し、各層毎に最適な制御波長を選ぶことで、膜厚制御の精度を向上できるようにしている。
特開2002−4047号公報(第1図)
しかしながら、上記従来の光学薄膜成膜装置では、蒸発源と、特性モニタ基板及び製品基板とのそれぞれの距離が異なるために各基板上に異なる膜厚で成膜されるとともに、真空槽内に温度分布があるため蒸着基板の表面温度が場所によって異なってしまい特性モニタ基板と製品基板との間に温度差が生じ、蒸着膜の屈折率等の光学特性が変わるという問題があった。特に、高精度な多層膜を成膜する際には、僅かな屈折率変動、膜厚誤差でも光学特性の違いを生むことから、特性モニタ基板に成膜された光学薄膜の光学特性から製品基板保持用のドームに配置した製品基板に成膜された光学薄膜の膜厚を予測しようとしても膜厚誤差が生じてしまう課題があった。
本発明は上記事情に鑑みて成されたものであり、製品基板上に成膜された光学薄膜の膜厚を設計目標どおりに成膜できる光学薄膜成膜装置及び光学薄膜成膜方法を提供することを目的とする。
本発明は、上記課題を解決するため、以下の手段を採用する。
本発明に係る光学薄膜成膜装置は、真空槽内に配設された基板上に光学薄膜を成膜する装置において、前記基板に対向して配設された蒸着源と、前記基板を保持して前記蒸着源上を通過可能な基板保持部と、前記基板に成膜された前記光学薄膜の光学特性値を計測する特性評価手段とを備えていることを特徴とする。
この光学薄膜成膜装置は、従来のようにモニタ用の基板を用意する必要がなく、特性評価手段にて基板保持部上の製品基板に実際に成膜された光学薄膜の光学特性値を計測することによって、成膜状況を評価することができる。
また、本発明に係る光学薄膜成膜装置は、前記光学薄膜成膜装置であって、前記特性評価手段が、前記基板へ光を投光する投光部と、前記基板を透過或いは反射した前記投光部からの光を受光する受光部とを備えていることを特徴とする。
この光学薄膜成膜装置は、投光部から基板に向かって光を投光し、受光部により基板を透過或いは反射した光を受光することによって、基板を真空槽内に載置した状態のまま光学薄膜の単色透過率や分光透過率を直接計測することができ、その透過光量を膜厚制御に使用することができる。
本発明に係る光学薄膜成膜方法は、真空槽内に配設された基板上に光学薄膜を成膜する方法において、前記基板に対向して配設された蒸着源上を前記基板を保持して通過可能な基板保持部に前記基板を取り付ける工程と、前記基板上に前記光学薄膜を成膜する工程と、前記基板上に成膜された光学薄膜の光学特性値を計測する特性評価工程と、前記光学薄膜の設計膜厚と実際に成膜された膜厚との膜厚誤差量を算出して成膜条件に反映する工程とを備えている。
この光学薄膜成膜方法は、特性評価工程と成膜条件に反映する工程とを備えているので、多層を成膜する際、成膜途中でも真空槽内から基板を取り出すことなく層と層との成膜間で基板保持部上の基板に成膜された光学薄膜の光学特性値の測定を行うことができる。また、実際に成膜された膜厚と設計膜厚との膜厚誤差量を算出し、誤差があった場合、特性評価を行った層以降の成膜にて、設計目標値の光学特性となるように成膜条件を変更して膜厚を修正することができる。
また、本発明に係る光学薄膜成膜方法は、前記光学薄膜成膜方法であって、前記特性評価工程が、前記基板に一層が成膜されて積層される毎に行われることを特徴とする。
この光学薄膜成膜方法は、一層毎の透過光量等の光学特性値を計測することができ、設計膜厚との誤差が大きくなりすぎる前に成膜条件に反映する工程に移り成膜条件を変更して膜厚を修正し設計値と同様の膜厚に成膜することができる。
また、本発明に係る光学薄膜成膜方法は、前記光学薄膜成膜方法であって、前記特性評価工程が、前記基板に複数層が成膜された光学薄膜に対して行われることを特徴とする。
この光学膜厚成膜方法は、所定の数の層が積層された状態で分光透過率等の光学特性値を計測することができ、成膜条件に反映する工程に移って以降の成膜条件をこの値に基づいて変更して膜厚を修正し設計値と同様の膜厚に成膜することができる。
本発明によれば、モニタ用の基板への成膜状況との誤差による膜厚誤差がなく、光学薄膜の膜厚を設計目標値どおりに成膜することができる。また、モニタ用の基板等のモニタ機構を不要にでき装置コストを低減することができる。
本発明に係る光学薄膜成膜装置の第1の実施形態について、図1から図4を参照しながら説明する。
本実施形態に係る光学薄膜成膜装置1は、図1及び図2に示すように、真空槽2内に配設され光学薄膜3が成膜されて製品となる製品基板(基板)5上に光学薄膜3を成膜する装置であって、製品基板5に対向して真空槽2の底部側でかつ中心から偏った位置に配設された二つの蒸着源7,8と、真空槽2の上方側で製品基板5を保持して蒸着源7,8上を通過可能な球面ドーム(基板保持部)10と、蒸着源7,8のそれぞれの直上に配され蒸着源7,8と球面ドーム10との間を遮蔽可能なシャッター11、12と、製品基板5に成膜された光学薄膜3の光学特性値を計測する特性評価手段13と、膜厚制御を行う膜厚制御システム15とを備えている。
シャッター11、12は、シャッター支持棒11a、12aにそれぞれ支持されており、シャッター11、12が蒸発源7、8の直上と、そこから外れた位置との間を移動することにより各層の成膜開始、終了が行われ、各層の膜厚制御を行う。
蒸着源7は、高屈折率材料としてTaとされてシャッター11の下に配され、蒸着源8は、低屈折率材料としてSiOとされてシャッター12の下に配されている。
なお、球面ドーム10の周縁部に近接した蒸着源7,8との間には製品基板5に成膜される光学薄膜3の膜厚を均一にするための補正板16、17がそれぞれ配設されている。
球面ドーム10は、真空槽2の上部に配置された駆動モータ18と支持軸20を介して真空槽2のほぼ中央位置で回転可能に支持されている。
球面ドーム10上には、上下を貫通する複数の孔21が図3に示すように同心円状に設けられ、各孔21に製品基板5がそれぞれ保持されている。
なお、製品基板保持部は球面ドーム10に限らず、平面ドーム、段付きドーム、自公転ドームであっても構わない。
特性評価手段13は、製品基板5のうち膜厚測定用に定めた一つの製品基板5aへモニタ光を投光する投光部22と、製品基板5を透過した投光部22からのモニタ光を受光する受光部23とを備えている。
投光部22は、真空槽2の外部に配されてモニタ光を発する光源25と、光源25からの光を平行光として真空槽2の側面上方に設けられた透明な窓26を介して製品基板5aに照射する投光側光学系ユニット27とを備えている。
光源25には、ハロゲンランプ光源を用いている。
受光部23は、真空槽2の底面の中央位置に設けられた透明の窓28を介して、投光部22から投光され、かつ、球面ドーム10が回転することによりモニタ光の光路を横切る製品基板5aを透過したモニタ光を集光するための受光側光学系ユニット30と、モニタ光の透過光量を光学薄膜の光学特性値として計測する分光測定機31と、受光側光学系ユニット30と分光測定機31とをつなぐ光ファイバ32とを備えている。
分光測定機31は、波長400nmから700nmの間で段階的に透過光を測定することができる。また、一つの特定波長(例えば、波長500nm)の光量を測定することができる。
膜厚制御システム15は、分光測定機31と接続されて、光学薄膜3の設計膜厚に応じて式1、式2により予め算出された透過率と対応する所定の透過光量の変化値と分光測定機31にて計測された実測の透過光量の変化値とが一致したときにシャッター11或いはシャッター12を交互に移動動作するための移動操作信号を図示しない制御装置本体に送信する機能を有している。
なお、光学特性値としては透過光量に限られず、偏光、位相差等でも構わない。また、垂直入射、斜入射での光学特性を計測することでも構わない。
窓26、28には、光の全波長域に渡って透過率の高い石英ガラスを用いることが好ましく、投光部22、受光部23の配設位置は、真空槽の底面に投光部、真空槽の上方に受光部としても構わない。
次に、本実施形態に係る光学薄膜成膜装置1により40層の光学薄膜3からなる光学フィルタを成膜する成膜方法、作用及び効果について、以下、説明する。
光学薄膜成膜方法は、図4に示すように、製品基板5に対向して配設された蒸着源7,8上を製品基板5を保持して通過可能な球面ドーム10に製品基板5を取り付ける工程(S01)と、製品基板5上に光学薄膜3を成膜する工程(S02)と、製品基板5上に成膜された光学薄膜3の光学特性値である透過光量の変化値を計測する特性評価工程(S03)と、光学薄膜3の設計膜厚と実際に成膜された膜厚との膜厚誤差量を算出して成膜条件に反映する工程(S04)とを備えている。
特性評価工程(S03)は、さらに、投光側光学系ユニット27と受光側光学系ユニット30との間を、製品基板5aが通過する毎に製品基板5aを透過する光のうちの1つの特定波長の透過光量の計測(S03−1)と、製品基板5aに複数層が積層された後に球面ドーム10の回転を一旦止めて、波長を400nmから700nmの間で段階的に変化させて各波長毎の透過光量の計測を分光測定機31にて行い、この透過光量から分光透過率の演算(S03−2)を行う。
製品基板を取り付ける工程(S01)にて、製品基板5を球面ドーム10の各孔21に取り付ける。
次に、製品基板5上に光学薄膜3を成膜する工程(S02)を行う。
まず、蒸着源7,8の上方をシャッター11、12で覆い、蒸着法に基づき成膜準備を行う。
そして、駆動モータ18を駆動して球面ドーム10を支持軸20回りに回転させて製品基板5をその回転方向に移動させる。シャッター11を蒸着源7の上方から移動させると、この球面ドーム10の回転中に製品基板5、5aに蒸着源7からの蒸発物質からなる光学薄膜を成膜する。
この成膜する工程(S02)とともに、透過光量の計測(S03−1)を実施して、球面ドーム10の回転と同期させながら製品基板5a上の光学薄膜の透過光量を取り込む。そして、成膜条件に反映する工程(S04)に移行して、窓28を介して分光測定機31に取り込まれた製品基板5aの特定波長のときの透過光量と設計膜厚に応じて予め算出された光量変化値との比較を膜厚制御システム15にて行い、両者が一致したとき、或いは一定の範囲内に達したと判断したときにシャッター11、12の移動動作信号を出力する。そして蒸発源7の上方のシャッター11を覆って蒸着源7からの成膜を停止させるとともに、蒸着源8の上方のシャッター12を移動して、蒸着源8からの成膜を開始する。この蒸着源8によって成膜される光学薄膜に対しても、上述と同様に透過光量を計測し膜厚を制御する。
上記の工程を繰り返し実施した後、40層中、例えば、16層成膜後の成膜する工程(S02)の際に、分光透過率の演算(S03−2)を実施する。すなわち、球面ドーム10の回転を一旦停止し、製品基板5a上の薄膜について、光源25から投光され製品基板5aを透過した光の400nmから700nmまでの波長域での透過率を測定する。そして、16層の光学薄膜を成膜したときに得られる基準分光透過率の設計値と同等の分光透過率を示していた場合、再度球面ドーム10を回転して再び成膜する工程(S02)を実施して成膜を続けた。設計値と一致していない場合には、成膜条件に反映する工程(S04)にて成膜条件の調整を行い、同様に再び成膜する工程(S02)を実施し、40層まで成膜する。
こうして、40層成膜したときに得られる基準分光透過率が設計値と同様の光学特性を有する光学薄膜3を得る。
この光学薄膜成膜装置1及び光学薄膜成膜方法によれば、従来のようにモニタ用の基板を用意する必要がなく、特性評価手段13にて球面ドーム10上の製品基板5、5aに実際に成膜された光学薄膜3の光学特性値を計測することによって、成膜状況を評価することができる。
また、特性評価手段13にて、投光部22から製品基板5aに向かって光を投光し、受光部23により製品基板5aを透過した光を受光することによって、製品基板5、5aを真空槽2内に載置した状態のまま光学薄膜の単色透過率や分光透過率を直接計測することができ、その透過光量を膜厚制御に使用することができる。
また、特性計測工程(S03)と成膜条件に反映する工程(S04)とを備えているので、多層を成膜する際、成膜途中でも真空槽2内から製品基板5、5aを取り出すことなく層と層との成膜間で球面ドーム10上の製品基板5に成膜された光学薄膜の光学特性評価を行うことができ、光学特性値から設計膜厚との膜厚誤差量を算出することができる。
また、誤差量があった場合、特性評価を行った層以降の成膜にて、設計目標値の光学特性となるように成膜条件を変更して膜厚を修正することができる。
この際、透過光量の計測(S03−1)にて一層毎の透過光量等の光学特性値を計測することができ、設計膜厚との誤差が大きくなりすぎる前に成膜条件に反映する工程に移り成膜条件を変更して膜厚を修正し設計値と同様の膜厚に成膜することができる。
また、分光透過率の演算(S03−2)にて、所定の数の層が積層された状態での分光透過率等を計測することができ、この値に基づいて成膜条件に反映する工程に移って以降の成膜条件を変更して膜厚を修正し設計値と同様の膜厚に成膜することができる。
次に、第2の実施形態について図5を参照しながら説明する。
なお、上述した第1の実施形態と同様の構成要素には同一符号を付すとともに説明を省略する。
第2の実施形態と第1の実施形態との異なる点は、第1の実施形態では、特性評価手段13の受光部23が真空槽2の底面側に設けられ、モニタ光の光路を横切る製品基板5aを透過したモニタ光を集光するための受光側光学系ユニット30を備えているとしたが、本実施形態に係る光学薄膜成膜装置33の特性評価手段35は、光源25から照射したモニタ光の光路を横切る製品基板5aの反射光を受光するとした点である。
光学系ユニット36は、光源25からの光を平行光として製品基板5aに照射するとともに、製品基板5aにて反射した光を光ファイバ37に導くように分光するよう配されている。
光ファイバ37は分光測定機31に接続されており、製品基板5aからの反射光は分光測定機31に入光するように構成されている。
また、球面ドーム10の中心部には膜厚制御用の水晶式制御計38が配設されており、成膜条件に反映する工程(S04)の際に、この水晶式制御計38にて計測された膜厚を膜厚制御システム40に送信するようにされている。
次に、本実施形態にて40層の光学フィルタとしてTa層とSiO層とが交互に積層された光学薄膜41を成膜する場合について説明する。
まず、上記第1の実施形態と同様に、製品基板を取り付ける工程(S01)にて、製品基板5を球面ドーム10の各孔21に取り付ける。
次に、製品基板5、5a上に光学薄膜41を成膜する工程(S02)を行う。
まず、第1層のTaを成膜終了後、特性計測工程(S03)の透過光量の計測(S03−1)に移行して、球面ドーム10の回転を止めるとともに光源25から製品基板5aに向けてモニタ光を照射し、製品基板5aからの反射光を光学系ユニット36にて受光して分光測定機31にて製品基板5a上の光学薄膜の反射光量を測定した。
測定された反射光量から、成膜条件に反映する工程(S04)にて膜厚制御システム40にて成膜された製品基板5a上の膜厚を算出して設計値との比較から膜厚誤差量を算出する。この際、例えば、膜厚誤差量が物理膜厚にて0.8nm薄い場合、この値を基に、第3層以降のTa層を設計値から0.8nm厚くなるように膜厚制御システム40の初期入力制御値を修正する。
なお、特性計測工程(S03)及び成膜条件に反映する工程(S04)にて行われる、製品基板5aの反射光量測定、基板上の膜厚算出、設計値との誤差量算出、初期入力制御値の修正の一連の操作は、膜厚制御システム40の自動プログラムにて行われる。
続いて、球面ドーム10を回転して第2層目のSiO層を成膜する。
成膜後、上記と同様に球面ドーム10の回転を止めて分光測定機31にて製品基板5a上の第1層目と第2層目による光学薄膜の反射光量を測定する。
測定した反射光量から膜厚制御システム40にて、成膜された製品基板5a上の第2層面のSiO層の膜厚を算出する。この際、例えば、膜厚誤差量が物理膜厚にて0.6nm厚い場合、この値を基に、第4層以降のSiO層の膜厚を設計値から0.6nm薄くなるように初期入力制御値を修正する。
このように上記操作を繰り返し行うことにより、第1、2層目よりも第3層目以降の膜厚誤差量が小さくなっていく。
こうして、40層成膜したときに得られる反射光量が設計値と同様の光学特性を有する光学薄膜41を得る。
この光学薄膜成膜装置33及び光学薄膜成膜方法によれば、製品基板の反射光量を測定することによって、上記第1の実施形態と同様の作用・効果を得ることができる。
なお、本発明の技術範囲は上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば、上記実施形態では、蒸着法による成膜を行うとしているが、これに限定されるものではなく、スパッタリング法、イオンプレーティング法、イオンアシスト蒸着法であっても構わない。
本発明の第1の実施形態に係る製品基板及び光学薄膜を示す断面図である。 本発明の第1の実施形態に係る光学薄膜成膜装置を示す断面図である。 本発明の第1の実施形態に係る光学薄膜成膜装置の真空槽を示す下方から見た断面図である。 本発明の第1の実施形態に係る光学薄膜成膜方法を示すフロー図である。 本発明の第2の実施形態に係る光学薄膜成膜装置を示す断面図である。
符号の説明
1、33 光学薄膜成膜装置
2 真空槽
3、41 光学薄膜
5、5a 製品基板(基板)
7、8 蒸着源
10 球面ドーム(基板保持部)
11、12 シャッター
13 特性評価手段


Claims (5)

  1. 真空槽内に配設された基板上に光学薄膜を成膜する装置において、
    前記基板に対向して配設された蒸着源と、
    前記基板を保持して前記蒸着源上を通過可能な基板保持部と、
    前記基板に成膜された前記光学薄膜の光学特性値を計測する特性評価手段とを備えていることを特徴とする光学薄膜成膜装置。
  2. 前記特性評価手段が、前記基板へ光を投光する投光部と、
    前記基板を透過或いは反射した前記投光部からの光を受光する受光部とを備えていることを特徴とする請求項1に記載の光学薄膜成膜装置。
  3. 真空槽内に配設された基板上に光学薄膜を成膜する方法において、
    前記基板に対向して配設された蒸着源上を前記基板を保持して通過可能な基板保持部に前記基板を取り付ける工程と、
    前記基板上に前記光学薄膜を成膜する工程と、
    前記基板上に成膜された光学薄膜の光学特性値を計測する特性評価工程と、
    前記光学薄膜の設計膜厚と実際に成膜された膜厚との膜厚誤差量を算出して成膜条件に反映する工程とを備えていることを特徴とする光学薄膜成膜方法。
  4. 前記特性評価工程が、前記基板に一層が成膜されて積層される毎に行われることを特徴とする請求項3に記載の光学薄膜成膜方法。
  5. 前記特性評価工程が、前記基板に複数層が成膜された光学薄膜に対して行われることを特徴とする請求項3に記載の光学薄膜成膜方法。

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