JP3865303B2 - 光学式膜厚監視方法および装置 - Google Patents

光学式膜厚監視方法および装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、反射防止膜や干渉フィルター等の光学薄膜を作成する成膜装置に用いられる光学式膜厚監視方法および装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
カメラ、顕微鏡等の光学機器に用いられる光学素子には、目的に応じて反射防止膜や干渉フィルタのような光学薄膜が設けられている。これらの光学薄膜は1層のみからなるものもあれば、100層を超えるものまで様々であるが、所望の光学特性を得るためには、各層の膜厚を正確に制御することが重要である。こうした膜の作成には真空蒸着法やスパッリング法が用いられるが、上述したように膜厚を制御するために何らかの手段で膜厚を監視するのが一般的である。
【0003】
膜厚を監視する方法としては、特公平6−89450号公報に記載されたものが知られている。これによれば、回転可能なホルダーに設けられた複数のモニタ基板の内、1個を成膜される領域に配置して真空蒸着法により薄膜を形成し、薄膜が形成されたモニタ基板を透過する光量の変化を測定することによって、製品に形成される薄膜の膜厚を監視するものである。この方法では、膜厚とともに成膜速度を同時に監視するため、製品に薄膜を1層形成するごとにホルダーを回転させて、別のモニタ基板を成膜される領域に配置するようにしている。
【0004】
また、特開平5−106040号公報には、1枚のモニタ基板に複数の監視位置を設け、モニタ基板を回転させて監視位置を代えることにより、実サンプル基板に形成される薄膜の各層ごとの膜厚を監視することが開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
光学薄膜の屈折率は成膜される材料によって決定されるが、必ずしも一義的には定まらず、成膜時の各種パラメータ、例えば蒸着速度や基板温度によって変化することが知られている。これは、パラメータにより、形成される薄膜の密度や酸化度などが変化するためである。
【0006】
そのため、蒸着速度や基板温度は成膜の間、一定に保つのが常であり、このことは従来からも行われている。しかし、従来技術のように複数のモニタ基板を用いた場合、各モニタ基板から被成膜基板を加熱するためのヒータ等の加熱手段までの距離が異なるため、各モニタ基板の温度が同一にはならない。従って、特定のモニタ基板によって膜厚を正確に監視できたとしても、温度の異なる別のモニタ基板で膜厚を監視した場合には、被成膜基板に形成される薄膜の膜厚を正確に監視することができない。すなわち、モニタ基板に温度差がある状況で膜厚を監視しても、膜厚の精度は出ないということになる。この不具合は、1枚のモニタ基板に複数の監視位置を設ける場合も全く同様に起こるものである。
【0007】
本発明の目的は、上記問題点に鑑み、モニタ基板の温度を均一にすることにより、高精度な膜厚の監視および制御が可能な光学式膜厚監視方法および装置を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1の発明の光学式膜厚監視方法は、基板に形成される光学薄膜の光学的膜厚を監視する光学式膜厚監視方法において、光学薄膜を被成膜基板に成膜する以前に、加熱手段により前記被成膜基板を加熱するとともに、光学的膜厚を監視するための複数のモニタ基板を特定の軸の回りに連続的または間欠的に公転させ、全てのモニタ基板の温度が均一且つ安定した時点で回転を停止させ、前記モニタ基板を成膜位置に位置させることを特徴とする。
【0009】
請求項1の発明によれば、光学薄膜を被成膜基板に成膜する以前に、加熱手段により前記被成膜基板を加熱するとともに、光学的膜厚を監視するための複数のモニタ基板を特定の軸の回りに連続的または間欠的に公転させ、全てのモニタ基板の温度が均一且つ安定した時点で回転を停止させ、前記モニタ基板を成膜位置に位置させるものであるから、光学薄膜を被成膜基板に成膜する以前にモニタ基板の温度を均一にすることができ、高精度な膜厚の監視、制御が可能となる。
【0010】
請求項2の発明の光学式膜厚監視方法は、基板に形成される光学薄膜の光学的膜厚を監視する光学式膜厚監視方法において、光学薄膜を被成膜基板に成膜する以前に、加熱手段により前記被成膜基板を加熱するとともに、光学的膜厚を監視するための単一のモニタ基板を連続的または間欠的に自転させ、モニタ基板の全ての監視エリアの温度が均一且つ安定した時点で回転を停止させ、前記モニタ基板における所定の領域を成膜位置に位置させることを特徴とする。
【0011】
請求項2の発明によれば、光学薄膜を被成膜基板に成膜する以前に、加熱手段により前記被成膜基板を加熱するとともに、光学的膜厚を監視するための単一のモニタ基板を連続的または間欠的に自転させ、モニタ基板の全ての監視エリアの温度が均一且つ安定した時点で回転を停止させ、前記モニタ基板における所定の領域を成膜位置に位置させるものであるから、光学薄膜を被成膜基板に成膜する以前にモニタ基板の温度を均一にすることができ、高精度な膜厚の監視、制御が可能となる。
【0012】
請求項3の発明の光学式膜厚監視装置は、基板に形成される光学薄膜の光学的膜厚を監視する光学式膜厚監視装置において、光学薄膜の光学的膜厚を監視するためのモニタ基板を保持する保持部材と、被成膜基板及び前記モニタ基板を加熱する加熱手段と、前記モニタ基板を連続的または間欠的に公転または自転させる回転手段とを具備しており、前記加熱手段は前記保持部材の一部を覆うように設けられており、光学薄膜を前記被成膜基板に成膜する以前に、前記加熱手段とともに前記回転手段を作動させることを特徴とする。
【0013】
請求項3の発明によれば、光学薄膜の光学的膜厚を監視するためのモニタ基板を保持する保持部材と、被成膜基板及び前記モニタ基板を加熱する加熱手段と、前記モニタ基板を連続的または間欠的に公転または自転させる回転手段とを具備しており、前記加熱手段は前記保持部材の一部を覆うように設けられており、光学薄膜を前記被成膜基板に成膜する以前に、前記加熱手段とともに前記回転手段を作動させるものであるから、モニタ基板の温度を均一にすることができ、高精度な膜厚の監視、制御が可能な光学式膜厚監視装置を提供できる。
また、請求項4の発明によれば、加熱手段により前記被成膜基板を加熱するとともに、光学的膜厚を監視するための複数のモニタ基板を加熱し、前記複数のモニタ基板の加熱時に、前記複数のモニタ基板の各々が成膜位置を複数回通過するように、前記複数のモニタ基板を特定の軸の回りに連続的または間欠的に公転させ、その後前記モニタ基板を前記成膜位置に位置させるものであるから、光学薄膜を被成膜基板に成膜する以前に複数のモニタ基板の温度を均一にすることができ、高精度な膜厚の監視、制御が可能となる。
さらに、請求項5の発明によれば、光学薄膜を被成膜基板に成膜する以前に、加熱手段により前記被成膜基板を加熱するとともに、光学的膜厚を監視するための単一のモニタ基板を加熱し、前記単一のモニタ基板の加熱時に、前記単一のモニタ基板を連続的または間欠的に自転させ、その後前記単一のモニタ基板における一部の領域を前記成膜位置に位置させるものであるから、光学薄膜を被成膜基板に成膜する以前に単一のモニタ基板の温度を均一にすることができ、高精度な膜厚の監視、制御が可能となる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の光学式膜厚監視方法および装置の実施の形態について説明する。
【0015】
[実施の形態1]
図1は本発明の実施の形態1における光学式膜厚監視装置を備えた真空蒸着装置の正面からの断面図であり、図2は複数のモニタ基板を保持する保持プレート33の上面図である。
【0016】
真空蒸着装置は、成膜装置と光学式膜厚監視装置とから大きく構成されている。成膜装置は、図示しない排気手段により内部を高真空にすることができるチャンバー1と、チャンバー1の内部に配置された種々の装置からなっている。
【0017】
チャンバー1内部の上部には、ドーム42が配置されており、ドーム42の中心と肩に当たる位置には、それそれ開口42Aおよび開口42Bが穿設されている。ドーム42の中心位置には、開口42Aと同心にリング状のギア7が固定されており、チャンバー1の外部に設けられた回転モータ4および回転軸5、ギア6を介して回転可能に支持されている。開口42Bは、被成膜基板であるガラス基板31をセットした基板ホルダー32を挿入するためのものである。また、チャンバー1の上部コーナーにはガラス基板31を加熱するための加熱手段としてのヒータ3が設けられている。
【0018】
チャンバー1内部の下方には、成膜材料13を加熱するための電子銃15が配置され、その上部には開閉可能なシャッタ17が配置されている。また、これらと左右対称な位置に、成膜材料14を加熱するための電子銃16と開閉可能なシャッタ18が配置されている。
【0019】
光学式膜厚監視装置は、複数のモニタ基板を個別に収容するモニタケース2、複数のモニタケース2を保持する保持プレート33(図2参照)、モニタ基板に成膜された膜厚を測定する膜厚監視計19および保持プレート33を上下または回転させる駆動機構から構成されている。
【0020】
モニタ基板21は図3に示すように、モニタケース2の外枠20Aの内部に落とし込まれ、外枠20Aに挿入される中枠20Bによって押し付けられた状態で収容される。モニタ基板22〜30も同様にしてそれぞれ別のモニタケース2に収容される。
【0021】
保持プレート33は円盤形状となっており、その同心円上に等間隔に10個の開口が設けられている。それぞれの開口は、モニタ基板21〜30を収容したモニタケース2を保持可能になっている。
【0022】
保持プレート33の中心に設けられた回転軸38は、チャンバー1の上面を貫通して外部に突出している。回転軸38には、回転ギア39とその上部にセンサプレート40が同軸に固定されている。回転ギア39は、チャンバー1の上面に固定されたモータ35の駆動ギア36に螺合しており、モータ35の駆動により回転ギア39が回転し、回転軸38を介して保持プレート33が回転するようになっている。
【0023】
膜厚監視計19はチャンバー1の外部上面中央部に設置されており、直下に位置するモニタ基板に成膜された膜厚を、反射率の変化から光学的に測定するものである。
【0024】
センサプレート40は昇降シリンダ34の昇降軸37に回転可能に支持されている。センサプレート40にはモニタ基板21〜30に対応したそれぞれの位置に孔が開口されており、この孔をセンサ支持板44に固定されたフォトセンサ41が光学的に読み取るようになっている。
【0025】
ドーム42の上部には、保持プレート33に対向して略同径の円盤状の遮蔽板43が設置されており、遮蔽板43には開口42Aに当たる位置に、モニタケース2が通過することのできる開口43Aが設けられている。
【0026】
次に、この実施の形態による膜厚監視方法について説明する。被成膜基板であるガラス基板31を、成膜面が下向きになるように基板ホルダー32にセットする。チャンバー1を開放し、ドーム42の開口42Bに基板ホルダー32を挿入する。次に、モニタ基板21〜30をセットした10個のモニタケース2を、モニタ基板21〜30が下側になるように保持プレート33に挿入する。このときにおいては、保持プレート33は昇降シリンダ34の駆動により、図4に示す上昇位置にある。
【0027】
次に、チャンバー1を密閉し、図示しない排気手段によりチャンバー1内の排気を開始するとともに、ヒータ3を駆動させてガラス基板31を250℃になるように加熱制御する。同時に、モータ4を駆動してドーム42を回転数3rpmで定速回転させるとともに、モータ35を駆動して保持プレート33を回転数3rpmで定速回転させる。
【0028】
図8は、加熱開始からのガラス基板31およびモニタ基板の温度変化を示すが、ガラス基板31の温度は加熱開始後20分で安定し、モニタ基板21、23、25、27、29の温度は、さらに20分経過後(加熱開始後40分)に、いずれも270℃±2.5℃で安定する。チャンバー1内の真空度が2.6×10−3Pa以上になり、すべてのモニタ基板の温度が均一安定化した時点で成膜の準備を開始する。
【0029】
フォトセンサ41がモニタ基板21に対応するセンサプレート40の孔を検知したときに、モータ35の駆動を中止して保持プレート33の回転を停止させる。このとき、モニタ基板21を収容したモニタケース2が遮蔽板43の開口43Aの直上に位置する。
【0030】
昇降シリンダ34を駆動して保持プレート33を下降させると、モニタ基板21を収容したモニタケース2のみが、遮蔽板43の開口43Aおよびギア7の中心孔を通過する。この通過により、モニタ基板21がドーム42の開口42A上の成膜位置に位置する。一方、モニタ基板22〜30を収容した他の9個のモニタケース2は、遮蔽板43上に留まる。
【0031】
成膜の開始に先立って、モータ4を駆動してドーム42の回転速度を3rpmから15rpmに上昇させる。電子銃16の電流値を上昇させて成膜材料14を加熱し、シャッタ18を開放してガラス基板31およびモニタ基板21に対し成膜材料14の成膜を行う。この成膜では、膜厚監視計19によりモニタ基板21上の膜厚を測定し、所定の膜厚に達した時点で、シャッタ18を閉じるとともに電子銃16の電流値を下げる。
【0032】
次に、電子銃15の電流値を上昇させて成膜材料13を加熱し、シャッタ17を開放してガラス基板31およびモニタ基板21に成膜材料13の成膜を行う。膜厚監視計19によりモニタ基板21上の膜厚を判定し、所定の膜厚に達したとき、シャッタ17を閉じるとともに電子銃15の電流値を下げる。
【0033】
以下同様にして、成膜材料14,13を交互にガラス基板31およびモニタ基板21に成膜する。適当な層数を成膜したところで、モニタ基板21をモニタ基板22に交換し、成膜を続行し目標とする多層膜を得る。
【0034】
このような実施の形態によれば、成膜作業開始前にすでに複数のモニタ基板の温度が均一で且つ安定化しているため、モニタ基板を交換しても膜厚監視の精度が低下することがなく、その結果、ガラス基板に成膜された膜厚を極めて高精度に制御することが可能となる。なお、本実施の形態では10個のモニタ基板を使用したが、モニタ基板の個数はこれに限ったものではない。
【0035】
[比較例1]
この比較例では、実施の形態1の構成において、ヒータ3を駆動させてガラス基板31を250℃になるように加熱制御する際、モニタ基板21を監視位置に位置させたまま、保持プレート33を回転させることなく成膜を行った。その他の作動は、実施の形態1と同様である。
【0036】
加熱開始からのガラス基板31およびモニタ基板の温度変化を図9に示す。ガラス基板31の温度は加熱開始後20分で安定するが、モニタ基板21、23、25、27、29の温度は、さらに30分経過した後(加熱開始後50分)でも安定することなく、186℃〜270℃でばらついている。このような状況下で成膜を行っても、モニタ基板を交換すると正確な膜厚監視ができないため、ガラス基板に成膜された膜厚の精度は低いものになる。
【0037】
[実施の形態2]
この実施の形態2の構成は実施の形態1と同様であるため、詳細な説明は省略する。
【0038】
この実施の形態では、実施の形態1において、ヒータ3を駆動させてガラス基板31を250℃になるように加熱制御する際に、保持プレート33を3rpmで定速回転させる代わりに、間欠回転させている。具体的には、モータ35を駆動して保持プレート33をモニタ基板3個分回転させた後、その位置で20秒保持し、またモニタ基板3個分回転させるという作動を繰り返す。
【0039】
加熱開始からのガラス基板31およびモニタ基板の温度変化を図10に示すが、ガラス基板31の温度は加熱開始後20分で安定し、モニタ基板21、23、25、27、29の温度は、いずれもさらに10分経過後(加熱開始後30分)に270℃±2.5℃で安定している。
【0040】
この実施の形態によれば、実施の形態1と同様の効果を奏するとともに、実施の形態1に比べ短時間でモニタ基板の温度が均一、且つ安定化するため、加熱開始から成膜作業開始までの時間を節約できる効果を有している。
[実施の形態3]
図5は実施の形態3の光学式膜厚監視装置を備えた真空蒸着装置の正面からの断面図であり、図6、図7はそれぞれモニタ基板を保持するモニタケースの断面図及び平面図である。
【0041】
真空蒸着装置は、成膜装置と光学式膜厚監視装置とから大きく構成されている。成膜装置は、図示しない排気手段により内部を高真空にすることが可能なチャンバー1と、その内部に配置された種々の装置からなっている。
【0042】
チャンバー1内部の上方には、ドーム42が配置されており、ドーム42の中心と肩に当たる位置には、それぞれ開口42Aと開口42Bが穿設されている。ドーム42の中心位置には開口42Aと同心にリング状のギア7が固定されており、ドーム42はチャンバー1の外部に設けられた回転モータ4、回転軸5及びギア6を介して回転可能に支持されている。
【0043】
開口42Bは、被成膜基板であるガラス基板31をセットした基板ホルダー32を挿入するためのものである。また、チャンバー1の上部コーナーにはガラス基板31を加熱するための加熱手段としてのヒータ3が設けられている。
【0044】
チャンバー1内部の下方には、成膜材料13を加熱するための電子銃15が配置され、その上部には開閉可能なシャッタ17が配置されている。また、これらと左右対称な位置には、成膜材料14を加熱するための電子銃16と開閉可能なシャッタ18とが配置されている。
【0045】
光学式膜厚監視装置は、モニタ基板69を収容するモニタケース61、モニタ基板69に成膜された膜厚を測定する膜厚監視計19およびモニタケース61を回転させる駆動機構から構成されている。
【0046】
モニタケース61は、直径(φ)50mmのモニタ基板69と、モニタ基板69を収容し外周部がギア65Aとなっているケース65と、ボルトによりモニタ基板69をケース65に固定するためのリング形状の押え蓋68とを有している。モニタ基板69には、図7に示すように同心円上に等間隔に6箇所の監視エリア51〜56が設定されている。この監視エリア51〜56は直径(φ)10mmとなっている。
【0047】
チャンバー1の外部に設けられた支持板70に固定されたモータ62の駆動軸63は、チャンバー1の上面を貫通し、その貫通端に固定された駆動ギア64がモニタケース61の外周のギア65Aと係合している。従って、モータ62の駆動により駆動軸63、駆動ギア64を介してモニタケース61が回転するようになっている。
【0048】
膜厚監視計19はチャンバー1の外部上面の中央部に設置されており、直下に位置するモニタ基板69の監視エリア51〜56に成膜された膜厚を、反射率の変化から光学的に測定する。
【0049】
駆動軸63にはセンサプレート67が同軸に固定されている。センサプレート67にはモニタ基板69の監視エリア51〜56に対応したそれぞれの位置に孔が開口しており、この孔を支持板70に固定されたフォトセンサ66が光学的に読み取るようになっている。
【0050】
モニタケース61の直下には、モニタ基板69の監視エリア51〜56に対応した位置に直径(φ)12mmの孔57を有するマスクカバー60が固定されている。
【0051】
この実施の形態における膜厚監視方法について説明すると、被成膜基板であるガラス基板31を、成膜面が下向きになるように基板ホルダー32にセットする。チャンバー1を開放し、ドーム42の開口42Bに基板ホルダー32を挿入する。次に、ケース65にモニタ基板69をセットし、押え蓋68を被せてボルトで固定する。
【0052】
チャンバー1を密閉し、図示しない排気手段によりチャンバー1内の排気を開始するとともに、ヒータ3を駆動させてガラス基板31を250℃になるように加熱制御する。同時に、モータ4を駆動してドーム42を3rpmの回転数で定速回転させるとともに、モータ62を駆動してモニタケース61を3rpmの回転数で定速回転させる。
【0053】
図11は加熱開始からのガラス基板31およびモニタ基板69の監視エリアの温度変化を示し、ガラス基板31の温度は加熱開始後20分で安定し、モニタ基板69における監視エリア51、53、55の温度は、さらに25分経過後(加熱開始後45分)に、いずれも240℃±1.5℃で安定する。実施の形態1に比べて温度の立ち上がりが遅く、安定時の温度が低いのは、ヒータ3からモニタ基板69までの距離が実施の形態1よりも遠いことによる。チャンバー1内の真空度が2.6×10−3pa以上になり、すべての監視エリアの温度が均一且つ安定化した時点で成膜の準備を開始する。
【0054】
フォトセンサ66が監視エリア51に対応するセンサプレート67の孔を検知したときに、モータ62の駆動を中止してモニタケース61の回転を停止させる。このとき、モニタ基板69の監視エリア51がマスクカバー60の孔57の直上に位置するようになる。
【0055】
成膜作業の開始に先立って、モータ4を駆動してドーム42の回転速度を3rpmから15rpmに上昇させる。電子銃16の電流値を上昇させて成膜材料14を加熱し、シャッタ18を開放してガラス基板31およびモニタ基板69の監視エリア51に成膜材料14の成膜を行う。成膜に際しては、膜厚監視計19により監視エリア51上の膜厚を測定し、所定の膜厚に達した時点でシャッタ18を閉じるとともに電子統16の電流値を下げる。
【0056】
次に、電子銃15の電流値を上昇させて成膜材料13を加熱し、シャッタ17を開放してガラス基板31および監視エリア51に成膜材料13の成膜を行う。この成膜に際しても、膜厚監視計19により監視エリア51上の膜厚を測定し、所定の膜厚に達したらシャッタ17を閉じるとともに電子銃15の電流値を下げる。以下同様にして、成膜材料14,13を交互にガラス基板31および監視エリア51に成膜する。
【0057】
適当な層数成膜したところで、モータ62を駆動して次の監視エリア52をマスクカバー60の孔57の直上に位置させ、成膜を続行し目標とする多層膜を得る。
【0058】
このような実施の形態によれば、実施の形態1と同様の効果を奏するとともに、モニタ基板が1枚で足りるため、成膜前の準備が容易であり、また装置全体の構成を簡略化することができる。なお、この実施の形態では6箇所の監視エリアを設定したが、監視エリアの数はこれに限ったものではない。
【0059】
[比較例2]
比較例2では、実施の形態3の構成において、ヒータ3を駆動させてガラス基板31を250℃になるように加熱制御する際、監視エリア51を監視位置に位置させたまま、モニタケース61を回転させることなく成膜を行った。その他の作動は実施の形態3と同様である。
【0060】
図12は加熱開始からのガラス基板31および監視エリアの温度変化を示す。ガラス基板31の温度は加熱開始後20分で安定するが、監視エリア51、53、55の温度は、さらに40分経過した後(加熱開始後60分)でも安定せず、197℃〜234℃でばらついている。このような状況で成膜を行っても、モニタ基板を交換すると正確な膜厚監視ができないため、ガラス基板に成膜された膜厚の精度は低いものになる。
【0061】
[実施の形態4]
実施の形態4の構成は実施の形態2と同様であり、詳細な説明は省略する。
この実施の形態4では、実施の形態2において、ヒータ3を駆動させてガラス基板31を250℃になるように加熱制御する際に、モニタケース61を3rpmで定速回転させる代わりに、間欠回転させている。具体的には、モータ62を駆動してモニタケース61を監視エリア5箇所分回転させた後、その位置で20秒保持し、また監視エリア5箇所分回転させる作動を繰り返す。
【0062】
図13は、この実施の形態における加熱開始からのガラス基板31および監視エリアの温度変化を示し、ガラス基板31の温度は加熱開始後20分で安定し、監視エリア51、53、55の温度は、さらに15分経過後(加熱開始後35分)、いずれも240℃±1.5℃で安定している。
【0063】
この実施の形態4よれば、実施の形態3と同様の効果を奏するとともに、実施の形態3に比べ短時間でモニタ基板の温度が均一且つ安定化するため、加熱開始から成膜作業開始までの時間を節約することが可能となる。
【0064】
【発明の効果】
本発明によれば、複数のモニタ基板を連続的または間欠的に公転させることにより、モニタ基板の温度を均一にすることが可能になるため、高精度な膜厚の監視および制御が可能となる。また、本発明によれば、単一のモニタ基板を連続的または間欠的に自転させることにより、モニタ基板の温度を均一にすることが可能となるため、高精度な膜厚の監視および制御が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に用いる真空蒸着装置の正面からの断面図である。
【図2】図1の装置に用いる保持プレートの平面図である。
【図3】図1の装置に用いるモニタケースの断面図である。
【図4】保持プレートが上昇した状態を示す図1に対応した断面図である。
【図5】本発明に用いる別の真空蒸着装置の正面からの断面図である。
【図6】図5の装置に用いるモニタケースの断面図である。
【図7】図5の装置に用いるモニタケースの平面図である。
【図8】実施の形態1の温度上昇を示す特性図である。
【図9】比較例1の温度上昇を示す特性図である。
【図10】実施の形態2の温度上昇を示す特性図である。
【図11】実施の形態3の温度上昇を示す特性図である。
【図12】比較例2の温度上昇を示す特性図である。
【図13】実施の形態4の温度上昇を示す特性図である。
【符号の説明】
2 モニタケース
3 ヒータ
13 14 成膜材料
21 モニタ基板
31 ガラス基板(被成膜基板)
33 保持プレート
44 フォトセンサ

Claims (5)

  1. 基板に形成される光学薄膜の光学的膜厚を監視する光学式膜厚監視方法において、
    光学薄膜を被成膜基板に成膜する以前に、加熱手段により前記被成膜基板を加熱するとともに、光学的膜厚を監視するための複数のモニタ基板を特定の軸の回りに連続的または間欠的に公転させ、全てのモニタ基板の温度が均一且つ安定した時点で回転を停止させ、前記モニタ基板を成膜位置に位置させることを特徴とする光学式膜厚監視方法。
  2. 基板に形成される光学薄膜の光学的膜厚を監視する光学式膜厚監視方法において、
    光学薄膜を被成膜基板に成膜する以前に、加熱手段により前記被成膜基板を加熱するとともに、光学的膜厚を監視するための単一のモニタ基板を連続的または間欠的に自転させ、モニタ基板の全ての監視エリアの温度が均一且つ安定した時点で回転を停止させ、前記モニタ基板における所定の領域を成膜位置に位置させることを特徴とする光学式膜厚監視方法。
  3. 基板に形成される光学薄膜の光学的膜厚を監視する光学式膜厚監視装置において、
    光学薄膜の光学的膜厚を監視するためのモニタ基板を保持する保持部材と、
    被成膜基板及び前記モニタ基板を加熱する加熱手段と、
    前記モニタ基板を連続的または間欠的に公転または自転させる回転手段とを具備しており、
    前記加熱手段は前記保持部材の一部を覆うように設けられており、
    光学薄膜を前記被成膜基板に成膜する以前に、前記加熱手段とともに前記回転手段を作動させることを特徴とする光学式膜厚監視装置。
  4. 基板に形成される光学薄膜の光学的膜厚を監視する光学式膜厚監視方法において、
    光学薄膜を被成膜基板に成膜する以前に、加熱手段により前記被成膜基板を加熱するとともに、光学的膜厚を監視するための複数のモニタ基板を加熱し、
    前記複数のモニタ基板の加熱時に、前記複数のモニタ基板の各々が成膜位置を複数回通過するように、前記複数のモニタ基板を特定の軸の回りに連続的または間欠的に公転させ
    その後前記モニタ基板を前記成膜位置に位置させることを特徴とする光学式膜厚監視方法。
  5. 基板に形成される光学薄膜の光学的膜厚を監視する光学式膜厚監視方法において、
    光学薄膜を被成膜基板に成膜する以前に、加熱手段により前記被成膜基板を加熱するとともに、光学的膜厚を監視するための単一のモニタ基板を加熱し、
    前記単一のモニタ基板の加熱時に、前記単一のモニタ基板を連続的または間欠的に自転させ、
    その後前記単一のモニタ基板における一部の領域を前記成膜位置に位置させることを特徴とする光学式膜厚監視方法。
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