JP2005320568A - 薄膜形成装置及び膜厚監視方法 - Google Patents

薄膜形成装置及び膜厚監視方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 高精度な膜厚監視を実現することで、高精度な光学膜厚を有する光学素子を作製可能な薄膜形成装置及び膜厚監視方法を提供すること。
【解決手段】 薄膜形成装置1は、ガラス基板(製品基板)2及び複数のモニタ基板(膜厚監視用基板)(φ22×1t、S−BSL7(株式会社オハラ製))に薄膜を形成する成膜装置15と、薄膜形成中にモニタ基板を回転する回転ギア(回転機構)16と、各モニタ基板に形成される薄膜を介して、ガラス基板2に形成される薄膜の膜厚を監視する膜厚監視機構17とを備えている。
【選択図】 図1

Description

本発明は、薄膜形成装置及び膜厚監視方法に関する。
カメラ、顕微鏡等の光学機器に用いられる光学素子には、目的に応じて反射防止膜や干渉フィルタのような光学薄膜が設けられている。これらの光学薄膜は1層のみからなるものもあれば、200層を超えるものまで様々であるが、所望の光学特性を得るためには、各層の膜厚を正確に制御することが重要である。こうした薄膜の作製には真空蒸着法やスパッタリング法が用いられるが、上述したように膜厚を制御するために光学膜厚監視計にて膜厚を監視するのが一般的である。
薄膜の膜厚は公知のように光干渉を利用して計測可能で、膜厚の増加にともない光強度はsinθのカーブを描く。このsinθのカーブの1/2波長分が、光学薄膜の光学膜厚1/4λ(λは監視光の波長)に相当する。したがって、光学膜厚監視計の膜厚測定原理は、目的の光学膜厚ndに対する光量変化を予めシミュレーションにより計算し、膜厚監視用基板に一定の面積を有する測定光を当てて、薄膜の光干渉により反射又は透過される光を光学膜厚監視計の受光部で取り込み、目的の光量を検知した時点で成膜を止めて膜厚を制御するものである。ここで、nは薄膜の屈折率、dは薄膜の物理膜厚であり、光学膜厚ndはこれらの積で表される。薄膜の屈折率nは成膜材料の種類である程度決定されるが、成膜温度、成膜速度、導入ガスなどの成膜条件によって薄膜の屈折率nは変化する。
真空蒸着法で薄膜を作製する際に使用する真空蒸着装置は、真空チャンバの下部に成膜材料の蒸発源を一つ以上有し、これらの蒸発源から発した成膜材料が製品基板及び膜厚監視用基板に到達して成膜が行われる。この膜厚監視用基板は真空チャンバの上部中央に位置し、成膜材料の蒸発源は膜厚監視用基板の鉛直下方から前後若しくは左右にずれて配置されているのが一般的である。
この膜厚監視用基板を監視する装置として、成膜される領域に回転可能なホルダに設けられた複数の膜厚監視用基板のうちの1枚を配置して、真空蒸着法により薄膜を形成し、薄膜が形成された膜厚監視用基板を透過する光量の変化を測定することによって、製品基板に形成される薄膜の膜厚を監視する装置が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
この装置では、膜厚とともに成膜速度を同時に監視するため、製品基板に薄膜を1層形成する毎にホルダを回転させて、成膜される領域に別の膜厚監視用基板を配置するようにしている。
薄膜の高精度化が進み、数十から200層を越える薄膜を製品基板上に形成するために膜厚監視用基板にて膜厚監視を行う際には、上述した複数の膜厚監視用基板のうち、1枚の膜厚監視用基板で数層分の膜厚を監視している。
特公平6−89450号公報(第1図、第3図)
しかしながら、上記従来の膜厚監視方法においては、例えば、膜厚監視用基板の鉛直下方からずれた左方の蒸発源から発した成膜材料が膜厚監視用基板に到達する場合、膜厚監視用基板の膜厚は、蒸発源に近い左側が厚くなる。また、膜厚監視用基板の鉛直下方からずれた右方の蒸発源から発する場合は、この逆の現象となる。このような状態で薄膜を形成した場合、膜厚監視用基板に成膜された多層膜は、ホルダに設けられた開口部の範囲で薄膜の膜厚分布が発生する。
ここで、膜厚分布の「膜厚」は光学膜厚を規定するndのd(物理膜厚)に相当し、dの分布が膜厚監視用基板上で反射率分布又は透過率分布を与え、膜厚分布がある場合とない場合とで膜厚監視用基板上の各点での反射光量又は透過光量の総和に相違が生じる。したがって、膜厚監視用基板に光学膜厚分布が発生すると、目的の膜厚に相当する監視計受光部の光量を正確に把握できず、膜厚監視の精度を下げてしまう。
また、成膜中に製品基板や膜厚監視用基板に温度分布が生じた場合、膜厚監視用基板に到達した成膜材料の膜形成に影響を与えて膜厚監視用基板上で屈折率分布が発生する。この屈折率分布は、光学膜厚を規定するndのn(屈折率)に相当し、nの分布が膜厚監視用基板上で反射率分布又は透過率分布を与えてしまい、温度分布がある場合とない場合とで膜厚監視用基板上の各点での反射光量又は透過光量の総和に相違が生じる。したがって、膜厚監視用基板に光学膜厚分布が発生すると、上述と同様に膜厚監視の精度を下げてしまう。
さらに、膜厚監視用基板で光学膜厚分布が存在する場合、膜厚を測定するために膜厚監視用基板に照射する測定光の光束を広げると、膜厚分布や屈折率分布の影響による反射率又は透過率の分布を含んだ光量を測定することになる。したがって、膜厚制御の精度を上げる場合には、測定光の光束をある程度絞らなければならない。しかしながら、単位面積当たりの光強度が同じ場合は、測定光の光束を絞ると光学膜厚監視計の受光部で取り込める光量が下がり、膜厚測定の感度が下がる。
本発明は上記事情に鑑みて成されたものであり、高精度な膜厚監視を実現することで、高精度な光学膜厚を有する光学素子を作製可能な薄膜形成装置及び膜厚監視方法を提供することを目的とする。
本発明は、上記課題を解決するため、以下の手段を採用する。
本発明に係る薄膜形成装置は、膜厚監視用基板に形成される薄膜を介して、製品基板に形成される薄膜の膜厚を監視する膜厚監視機構を有する薄膜形成装置であって、薄膜形成中に前記膜厚監視用基板を回転する回転機構を備えていることを特徴とする。
また、本発明に係る膜厚監視方法は、膜厚監視用基板に薄膜を形成して製品基板に形成される薄膜の膜厚を監視する膜厚監視方法であって、薄膜形成中に前記膜厚監視用基板を回転させることを特徴とする。
この薄膜形成装置及び膜厚監視方法は、薄膜形成中に膜厚監視用基板を回転することによって、膜厚監視中の膜厚監視用基板上で膜厚分布をなくすことができ、物理膜厚dの分布をなくすことができる。
また、本発明に係る薄膜形成装置は、前記薄膜形成装置であって、前記製品基板及び前記膜厚監視用基板を加熱する加熱手段を備えていることを特徴とする。
また、本発明に係る膜厚監視方法は、前記膜厚監視方法であって、前記膜厚監視用基板の回転を、前記製品基板及び前記膜厚監視用基板を加熱しながら行うことを特徴とする。
この薄膜形成装置及び膜厚監視方法は、薄膜形成中に膜厚監視用基板を回転しながら加熱することができ、膜厚監視中の膜厚監視用基板及び製品基板を均等に加熱して温度分布をなくすことができ、屈折率nの分布をなくすことができる。
本発明によれば、光学膜厚ndで決まる反射率及び透過率分布をなくすことができ、目的の膜厚に対する正確な光量測定が可能となる。また、膜厚監視用基板の膜厚監視領域を広げても、膜厚分布や屈折率分布の影響を受けない反射率又は透過率の光量を測定することができ、光学膜厚監視計の受光部に取り込むことができる光量を増して高精度な膜厚監視を実現でき、高精度な光学薄膜を有する光学素子を得ることができる。
本発明に係る第1の実施形態について、図1から図4を参照して説明する。
本実施形態に係る薄膜形成装置1は、図1に示すように、ガラス基板(製品基板)2及び複数のモニタ基板(膜厚監視用基板)(φ22×1t、S−BSL7(株式会社オハラ製))3〜12に薄膜を形成する成膜装置15と、薄膜形成中にモニタ基板3〜12のうちの選択された一つを回転する回転ギア(回転機構)16と、各モニタ基板3〜12の選択された一つに形成される薄膜を介して、ガラス基板2に形成される薄膜の膜厚を監視する膜厚監視機構17とを備えている。
成膜装置15は、図示しない排気手段により内部を高真空にすることができる真空チャンバ18を備えており、真空チャンバ18内の上部にはドーム20が配されている。ドーム20の中心位置と肩位置には、それぞれ開口20A、20Bが穿設されている。開口20Aには、ガラス基板2が配された基板ホルダ21が挿入されている。ドーム20の上部には、ガラス基板2を加熱するためのヒータ(加熱手段)22が配されている。
真空チャンバ18内の図1において右側下部には、成膜材料23(SiO、株式会社オプトロン製)と、成膜材料23を加熱するための電子銃25とが配されており、これらの上方にはシャッター26が配されている。また、図1において左側下部には、成膜材料27(TiO、株式会社オハラ製)と、成膜材料27を加熱するための電子銃28とが配されており、これらの上方にはシャッター30が配されている。
真空チャンバ18の外側上部には回転モータ31が配されており、回転モータ31にはドーム回転軸32の一端が接続されている。ドーム回転軸32の他端には駆動ギア33が接続され、ドーム20の開口20Bと同心位置に配されたリング状の回転ギア16と係合されている。
回転ギア16には、開口20Bと同心位置に図示しない中心孔が設けられており、この回転ギア16の下面には、成膜中に膜厚監視を行うモニタ基板3〜12が個別に収容された後述するモニタケース36の何れか一つを保持するための、後述する監視モニタ基板ホルダ42が、前記中心孔の同軸上に配されている。
膜厚監視機構17は、モニタ基板3〜12を個別に収容するモニタケース36と、複数のモニタケース36を保持する保持プレート38と、保持プレート38を上下駆動させるとともに回転駆動させる駆動機構40と、各モニタ基板3〜12に成膜された膜厚を測定する膜厚監視計41と、成膜中に膜厚監視を行うモニタ基板3〜12を個別に収容するモニタケース36の何れか一つを保持可能な監視モニタ基板ホルダ42とを備えている。
モニタケース36は、図2に示すように、一端にフランジ43Aが形成された筒状の外枠43と、外枠43内に嵌合された中枠45とを備えており、各モニタ基板3〜12は、それぞれのモニタケース36の他端に中枠45によって押付けられた状態で収容されている。
保持プレート38は、図3に示すように、円板形状とされており、モニタ基板3〜12がそれぞれ収容されたモニタケース36をフランジ43Aで保持する複数の開口38Aが同心円上に等間隔に配されている。
駆動機構40は、真空チャンバ18の上方に固定されたモニタ用モータ46と、モニタ用モータ46の駆動軸47に接続されたモータギア48と、一端が保持プレート38の中心に固定して設けられ、他端が真空チャンバ18の上面を貫通して配され、モータギア48と係合されるギア50が他端側に配された回転軸51とを備えている。
ギア50の配設位置よりも他端側の回転軸51には、モニタ基板3〜12に対応したそれぞれの位置に孔が開口されたセンサプレート52が接続されている。この孔はセンサ支持板53に固定されたフォトセンサ55が光学的に読取可能とされている。
回転軸51の他端は、昇降装置56に接続された昇降シリンダ57と回転自在に接続されている。
膜厚監視計41は、真空チャンバ18の外部上面中央部に配設されており、直下に配されたモニタ基板に測定光を照射し、反射された反射光の光量変化から当該モニタ基板に成膜された薄膜の膜厚を光学的に測定する。
真空チャンバ18内のドーム20の上方には、保持プレート38に対向して略同径の円板状の遮蔽板58が配設されており、遮蔽板58には開口20Bに相当する位置に、モニタケース36が通過可能な開口58Aが設けられている。
次に、本実施形態に係る薄膜形成装置1及び膜厚監視方法について説明する。
まず、成膜準備作業を行う。
すなわち、ガラス基板2を成膜面が成膜材料23、27に対向するように基板ホルダ21に下向きに配する。そして、真空チャンバ18を開放してドーム20の開口20Aに基板ホルダ21を挿入する。
続いて、モニタ基板3〜12をそれぞれ配したモニタケース36をモニタ基板が成膜材料23、27に対向するように保持プレート38の開口38Aに挿入する。このとき、保持プレート38は回転軸51とともに昇降シリンダ57によって持上げられて、図4に示す位置に上昇される。
そして、真空チャンバ18を密閉し、図示しない排気手段により真空チャンバ18内の排気を開始するとともに、ヒータ22を駆動してガラス基板2を300℃になるように加熱制御する。同時に、回転モータ31を駆動してドーム20を回転数10rpmで定速回転させる。
その後、ドーム20の回転を一度停止し、モニタ用モータ46を駆動して保持プレート38を回転させる。フォトセンサ55が最初にモニタを行うモニタ基板3に対応するセンサプレート52の孔を検知したときに、モニタ用モータ46の駆動を中止して保持プレート38の回転を停止する。このとき、モニタ基板3を収容したモニタケース36が遮蔽板58の開口58Aの直上位置に配される。
昇降シリンダ57を駆動して保持プレート38を下降させると、モニタ基板3を収容したモニタケース36のみが遮蔽板58の開口58A及び回転ギア16の図示しない中心孔を通過する。この通過によってモニタ基板3が回転ギア16に固定された監視モニタ基板ホルダ42に保持され、ドーム20の開口20B上の成膜位置に配される。一方、モニタ基板4〜12を収容した他のモニタケース36は遮蔽板58上に留まる。
次に、成膜作業を行う。
回転モータ31を再び駆動してドーム20を回転数20rpmで定速回転させる。このとき、回転ギア16に固定された監視モニタ基板ホルダ42がドーム20と同じ回転数20rpmで回転する。そして、電子銃28の電流値を上昇して成膜材料27を加熱し、シャッター30を開放してガラス基板2及びモニタ基板3に対して成膜材料27の成膜を行う。
同時に、膜厚監視計41からモニタ基板3に測定光を照射して、モニタ基板3上の膜厚を測定し、所定の膜厚に達したときにシャッター30を閉じて電子銃28の電流値を下げる。
次の層でモニタ基板3をモニタ基板4に交換する場合は、保持プレート38を上昇してモニタ基板3〜12を収容した全てのモニタケース36を持上げ、上述と同様にモニタ用モータ46を駆動して回転軸51を介して保持プレート38を回転し、モニタ基板4が開口20Bの直上に位置したところで保持プレート38の回転を停止する。そして、再び保持プレート38を下降してモニタ基板4を収容するモニタケース36のみを、遮蔽板58の開口58A及び回転ギア16の図示しない中心孔を通過させ、回転ギア16に固定された監視モニタ基板ホルダ42に保持させる。
モニタ基板3からモニタ基板4への交換が終了した際、再び、ドーム20を上述のように回転して、今度は電子銃25の電流値を上昇して成膜材料23を加熱し、シャッター26を開放してガラス基板2及びモニタ基板4に成膜材料23の成膜を行う。
そして、膜厚監視計41によってモニタ基板4の膜厚測定を行い、所定の膜厚に達したときにシャッター26を閉じるとともに電子銃25の電流値を下げる。
こうして、モニタ基板3〜12を交換しながら成膜材料23、27を交互に蒸発させて、ガラス基板2及びモニタ基板3〜12に成膜を行い、目標とする多層膜を形成する。
なお、1枚のモニタ基板に積層する薄膜は1層に限らず、1枚に数層分を積層して膜厚監視を行ってもよい。
この薄膜形成装置1及び膜厚監視方法によれば、監視モニタ基板ホルダ42に収容されたモニタ基板が、成膜中に回転ギア16の回転にともなって回転するので、監視モニタ基板ホルダ42の鉛直下方から左右にずれた位置に配された成膜材料23、27からの左右交互の成膜に対して、モニタ基板の成膜面内での膜厚分布を削減できる。また、ヒータ22によって回転するドーム20を加熱するので、モニタ基板上の温度分布を削減できる。
したがって、成膜されたモニタ基板3〜12の開口部分の全てを膜厚監視に使用することができ、モニタ基板に照射する測定光の光束を広げることができる。この結果、膜厚監視計41の受光面積を広げることができ、単位面積当たりの光強度を従来と同じにしてもより広い面積でより多くの測定光を受光することができ、膜厚監視計41の感度を向上させて膜厚測定の精度を向上することができる。
次に、第2の実施形態について図5及び図6を参照しながら説明する。
なお、上述した第1の実施形態と同様の構成要素には同一符号を付すとともに説明を省略する。
第2の実施形態と第1の実施形態との異なる点は、本実施形態に係る薄膜形成装置60の膜厚監視機構61が、使用前の複数のモニタ基板62を真空チャンバ18内で保持する円筒状に立設された使用前モニタ基板ホルダ63と、回転ギア16の上部の膜厚監視位置でモニタ基板62を保持する監視モニタ基板ホルダ64と、使用後の複数のモニタ基板62を真空チャンバ18内で保持する円筒状に立設された使用後モニタ基板ホルダ65と、各基板モニタホルダ63、64、65間でモニタ基板62を入れ替える基板輸送機構66とを備えているとした点である。
基板輸送機構66は、回転ギア16上で回転する円板状の回転子67と、一端が回転子67の中心に接続され、ドーム回転軸32と平行に立設された軸68と、軸68の他端に軸68と回転自在に接続されて一端側の回転子67を軸68に沿って上下方向に昇降させる昇降シリンダ57と、図示しないモータと、このモータの回転運動を軸68に伝達して回転子67を回転させるギア70とを備えている。
回転子67には、モニタ基板62を着脱自在に引掛けて保持可能な掛かり部が設けられた三つの孔67Aが設けられている(図6)。
基板輸送機構66は、昇降シリンダ57とモータの駆動によって回転子67を上下運動及び回転運動させることによって、使用前のモニタ基板62を使用前モニタ基板ホルダ63から取り出し、監視モニタ基板ホルダ64に保持させ、使用後モニタ基板ホルダ65に収容する動作を行う。
次に、本実施形態に係る膜厚形成装置60及び膜厚監視方法について説明する。
まず、第1の実施形態と同様に、成膜準備作業を行う。
すなわち、ガラス基板2を基板ホルダ21に下向きに配し、真空チャンバ18を開放してドーム20の開口20Aに基板ホルダ21を挿入する。
続いて、モニタ基板62が収容された使用前モニタ基板ホルダ63と使用後モニタ基板ホルダ65とを、それぞれ真空チャンバ18内に挿入して取り付ける。
真空チャンバ18を密閉し、第1の実施形態と同様に真空チャンバ18内を排気するとともに、ヒータ22を駆動してガラス基板2を加熱し、ドーム20を定速回転させる。
そして、成膜作業を行う。このとき、使用前モニタ基板ホルダ63及び使用後モニタ基板ホルダ65によって未使用のモニタ基板と使用済みのモニタ基板を、回転子67の回転に伴って監視モニタ基板ホルダ64との間で順次1枚ずつ送り出したり戻したりして第1の実施形態と同様に膜厚監視を行う。
この膜厚形成装置60及び膜厚監視方法によれば、第1の実施形態と同様の作用・効果を得ることができ、膜厚監視計としての感度を向上することができる。
なお、本発明の技術範囲は上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば、上記実施形態では、薄膜形成を真空蒸着法によって行っているが、イオンプレーティング法、イオンアシスト法、スパッタリング法等であっても構わない。また、膜厚監視計41は反射式膜厚監視計に限らず、透過式膜厚監視計であっても構わない。さらに、成膜材料は、TiO、SiOに限らず、HfO、ZrO、Ta、Y、Pr11、Nb、La、チタン酸ランタン、Al、CeF、LaF、MgO、MgFの何れか、又は、これらの混合物であっても構わない。
第1の実施形態に係る膜厚形成装置1及び膜厚監視方法による成膜実施例を説明する。
成膜材料27にて1層分の成膜を行って回転を止めた後のモニタ基板3の膜厚分布を図7に示す。モニタ基板3の回転軸に対し、モニタ基板3を止めた位置における成膜材料23側と成膜材料27側とで膜厚分布に差がないことがわかった。
また、図8に示すように、モニタ基板3の成膜面内でモニタ基板3の回転中心Oを通り、成膜材料23側をXの増加方向、成膜材料27側をXの減少方向になるX軸を設定し、X=−9mmから9mmまで3mm刻みでX軸上に7つの反射率測定点(監視波長=500nm)を設定する。X=0での膜厚を80nmとすると、図9に示すように、全ての測定点で膜厚が80nmであった。また、X=0での温度を300℃とすると、図10に示すように、全ての測定点で温度が300℃であった。この場合、各測定点での反射率は、何れも表1に示すように、23.35%であった。
Figure 2005320568
(比較例)
膜厚監視中のモニタ基板を回転させる機構がない場合の成膜例を比較例とした。
成膜材料27にて上記実施例1と同じ条件で1層分の成膜を行った後のモニタ基板の膜厚分布を図11に示す。
一般に、真空蒸着法で成膜した薄膜の膜厚は、成膜材料の蒸発源から近いほど膜厚が厚くなる。したがって、図11に示すように、モニタ基板の成膜材料27に近いところにおいて膜厚が最も厚くなり、成膜材料27に遠いところにおいて膜厚が最も薄くなっていた。成膜材料23からの成膜についても同様で、この場合は、成膜材料27からの膜厚分布と逆になる。
図8に示す状態において、実施例1と同様に反射率測定点(監視波長=500nm)を設定する。図12に示すように、X=0における膜厚を80nmとしたとき、Xが3mm増加するにつれて膜厚Yが1nm減少する場合、各測定点における反射率は、表1に示すように、21.22%から25.35%と変化する。全測定点での反射率の和は、実施例1では163.5%であるが、本比較例では163.3%となって0.2%の差があった。
同様に、X=0における温度を300℃とした場合、図13に示すように、Xが3mm増加するにつれて温度Zが2℃減少するとともに、屈折率nが0.01減少し、Xが3mm減少するにつれて温度Zが2℃増加するとともに、屈折率nが0.01増加し、各測定点における反射率は、表2に示すように、23.31%から23.38%と変化した。そして、全測定点における反射率の和は、実施例1の場合の163.5%に対し、163.6%となって、0.1%の違いが生じた。
何れの場合も、この差が高精度な膜厚監視に影響を与える。
Figure 2005320568
本発明の第1の実施形態に係る薄膜形成装置を示す正面断面図である。 本発明の第1の実施形態に係る薄膜形成装置のモニタケースを示す断面図である。 本発明の第1の実施形態に係る薄膜形成装置の保持プレートを示す平面図である。 本発明の第1の実施形態に係る薄膜形成装置の作動状態を示す正面断面図である。 本発明の第2の実施形態に係る薄膜形成装置を示す正面断面図である。 本発明の第2の実施形態に係る薄膜形成装置の回転ギアを示す下部正面図である。 本発明の第1の実施形態に係るモニタ基板上の膜厚分布を示すグラフである。 本発明の実施例におけるモニタ基板上の反射率測定点及び温度計測点を示す図である。 本発明の実施例におけるモニタ基板上の膜厚分布を示すグラフである。 本発明の実施例におけるモニタ基板上の温度分布を示すグラフである。 本発明の比較例におけるモニタ基板上の膜厚分布を示すグラフである。 本発明の比較例におけるモニタ基板上の膜厚分布を示すグラフである。 本発明の比較例におけるモニタ基板上の温度分布を示すグラフである。
符号の説明
1 薄膜形成装置
2 ガラス基板(製品基板)
3〜12 モニタ基板(膜厚監視用基板)
16 回転ギア(回転機構)
17 膜厚監視機構
22 ヒータ(加熱手段)

Claims (4)

  1. 膜厚監視用基板に形成される薄膜を介して、製品基板に形成される薄膜の膜厚を監視する膜厚監視機構を有する薄膜形成装置であって、
    薄膜形成中に前記膜厚監視用基板を回転する回転機構を備えていることを特徴とする薄膜形成装置。
  2. 前記製品基板及び前記膜厚監視用基板を加熱する加熱手段を備えていることを特徴とする請求項1に記載の薄膜形成装置。
  3. 膜厚監視用基板に薄膜を形成して製品基板に形成される薄膜の膜厚を監視する膜厚監視方法であって、
    薄膜形成中に前記膜厚監視用基板を回転させることを特徴とする膜厚監視方法。
  4. 前記膜厚監視用基板の回転を、前記製品基板及び前記膜厚監視用基板を加熱しながら行うことを特徴とする請求項3に記載の膜厚監視方法。


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