JP2003246860A - 分子鎖末端アルコキシ基封鎖ジオルガノポリシロキサンの連続的製造方法 - Google Patents

分子鎖末端アルコキシ基封鎖ジオルガノポリシロキサンの連続的製造方法

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JP2003246860A
JP2003246860A JP2002049158A JP2002049158A JP2003246860A JP 2003246860 A JP2003246860 A JP 2003246860A JP 2002049158 A JP2002049158 A JP 2002049158A JP 2002049158 A JP2002049158 A JP 2002049158A JP 2003246860 A JP2003246860 A JP 2003246860A
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典克 樋口
Takao Takemasa
隆夫 武政
Toshio Okuyama
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 小さな反応装置で大量の分子鎖末端アルコキ
シ基封鎖ジオルガノポリシロキサンを迅速に製造できる
方法を提供する。 【解決手段】 (A)分子鎖末端シラノール基封鎖ジオ
ルガノポリシロキサンと(B)テトラアルコキシシラン
またはオルガノトリアルコキシシランとを脱アルコール
縮合反応させることによる分子鎖末端アルコキシ基封鎖
ジオルガノポリシロキサンの製造方法において、縮合反
応を(C)酸性触媒存在下で、かつ、動的な混合機能を
有さない管状反応装置内において連続的に行うことを特
徴とする分子鎖末端アルコキシ基封鎖ジオルガノポリシ
ロキサンの連続的製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、動的な混合機能を
有さない管状反応装置内における縮合反応による分子鎖
末端アルコキシ基封鎖ジオルガノポリシロキサンの連続
的な製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】分子鎖両末端アルコキシ基封鎖ジオルガ
ノポリシロキサンは、室温硬化性オルガノポリシロキサ
ン組成物の主剤として重要であり、分子鎖両末端シラノ
ール基封鎖ジオルガノポリシロキサンとテトラアルコキ
シシランもしくはオルガノトリアルコキシシランとを、
触媒不在下あるいは縮合反応触媒の存在下で脱アルコー
ル縮合させることにより、しかも、バッチ式で製造する
ことが知られている(特開昭55−43119号公報、
特公平3−4566号公報、特公平5−72424号公
報参照)。例えば、特開昭55−43119の実施例1
では、撹拌器と窒素取入口と還流凝縮器を備えたガラス
製反応器に25℃の粘度が400mPa・sの分子鎖両
末端シラノール基封鎖ジメチルポリシロキサン200
部、テトラエチルオルソシリケート26部を添加し、系
を窒素置換し、撹拌しながら約170℃で18時間還流
させ、110〜120℃で約6時間ストリッピングして
分子鎖両末端トリエトキシシロキシ基封鎖ジメチルポリ
シロキサン油を得ている。特公平5−72424の参考
例2では、25℃の粘度が12,000mPa・sの分
子鎖両末端シラノ‐ル基封鎖ジメチルポリシロキサン1
00部とメチルトリメトキシシラン10部と触媒として
のエチレンジアミン0.4部とを、還流冷却器を取り付
けた反応器に投入し、撹拌しながら70℃で6時間加熱
し、次いで20mmHgの減圧下で95℃に加熱して副
生したメタノールと余剰のメチルトリメトキシシランを
留去することにより粘度が13000mPa・sの分子
鎖両末端メチルジメトキシシロキシ基封鎖ジメチルポリ
シロキサン油を得ている。しかし、これらの製造方法で
は、縮合反応終了後に揮発分を減圧下で除去しなければ
ならないので目的物の製造に長時間を要し、大量に製造
をするためにはより大型の反応装置が必要であり、反応
装置が大きくなると昇温や減温により長時間を要し、装
置の設置場所を広くしなければならないという問題があ
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】そこで本発明者らは、
かかる問題のない製造方法を開発すべく鋭意検討した結
果、本発明に到達した。本発明の目的は小さな反応装置
で大量の分子鎖末端アルコキシ基封鎖ジオルガノポリシ
ロキサンを迅速に製造することができる方法を提供する
ことにある。
【0004】
【課題の解決手段と作用】本発明は、(A)分子鎖末端
シラノール基封鎖ジオルガノポリシロキサンと(B)テ
トラアルコキシシランまたはオルガノトリアルコキシシ
ランとを脱アルコール縮合反応させることによる分子鎖
末端アルコキシ基封鎖ジオルガノポリシロキサンの製造
方法において、縮合反応を(C)酸性触媒存在下で、か
つ、動的な混合機能を有さない管状反応装置内において
連続的に行うことを特徴とする分子鎖末端アルコキシ基
封鎖ジオルガノポリシロキサンの連続的製造方法に関す
る。特には、 (A)成分として、一般式(1):HO−(R2SiO)n
−H (式中、Rは一価炭化水素基または一価ハロゲン化炭化
水素基であり、nは25℃における粘度が10〜1,0
00,000mPa・sとなる正数を表す)で示される
分子鎖末端シラノール基封鎖ジオルガノポリシロキサン
を使用し、 (B)成分として、一般式(2): R1 aSi(OR24-a (式中、R1は一価炭化水素または一価ハロゲン化炭化
水素基であり、R2はアルキル基またはアルコキシアル
キル基であり、aは0または1である)で示されるアル
コキシシランを使用し、分子鎖末端アルコキシ基封鎖ジ
オルガノポリシロキサンが 一般式(3): (R2O)3-a(R1)aSiO−(R2SiO)n−Si(R1)
a(R2O)3-a (式中、R、R1、R2、n、aは前記どおりである)で
示されるものであり、(A)成分中のシラノール基1モ
ル当たり(B)成分を1モル以上とすることを特徴とす
る分子鎖末端アルコキシ基封鎖ジオルガノポリシロキサ
ンの連続的製造方法に関する。
【0005】この製造方法では、(A)成分中のシラノ
−ル基と(B)成分中のケイ素原子結合アルコキシ基が
脱アルコール縮合反応して分子鎖末端アルコキシ基封鎖
ジオルガノポリシロキサンが生成する。その際、(C)
成分の触媒作用により縮合反応が促進される。
【0006】(A)成分は、分子鎖両末端がシラノール
基で封鎖されたジオルガノポリシロキサン、または、分
子鎖片末端がシラノール基で封鎖され、他末端が式−S
iR3 (式中、Rは前記どおりである)で示されるトリ
オルガノシロキシ基で封鎖されたジオルガノポリシロキ
サンである。分子鎖両末端がシラノール基で封鎖された
ジオルガノポリシロキサンの代表例は、上記一般式
(1)で示される。一般式(1)中のRは一価炭化水素
基または一価ハロゲン化炭化水素基であり、一価炭化水
素基としてはアルキル基、アルケニル基、アリール基、
アラルキル基が例示される。アルキル基としてはメチル
基、エチル基、プロピル基、ヘキシル基、オクチル基、
ドデシル基が例示される。アルケニル基としてはビニル
基、アリル基、ブテニル基、ヘキセニル基が例示され
る。アリ−ル基としてはフェニル基、ナフチル基が例示
される。一価ハロゲン化炭化水素基としては3−クロル
プロピル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基、3,
3,4,4,4−ペンタフルオロブチル基が例示される。
(A)成分の分子鎖を構成するシロキサン単位としては
ジメチルシロキサン単位、メチルアルキルシロキサン単
位、メチルフェニルシロキサン単位、メチル(3,3,3
−トリフルオロプロピル)シロキサン単位、ジフェニル
シロキサン単位が例示される。(A)成分の具体例とし
てはジメチルポリシロキサン、メチルビニルポリシロキ
サン、メチルフェニルポリシロキサン、メチル(3,3,
3−トリフルオロプロピル)ポリシロキサン、ジメチル
シロキサン・メチルビニルシロキサン共重合体、ジメチ
ルシロキサン・メチルフェニルシロキサン共重合体、ジ
メチルシロキサン・メチル(3,3,3−トリフルオロプ
ロピル)シロキサン共重合体が挙げられる。分子鎖片末
端がシラノール基で封鎖され、他末端がトリオルガノシ
ロキシ基で封鎖されたジオルガノポリシロキサンの代表
例は、一般式(1)において、いずれかの末端のHが−
SiR3により置換されたものである。(A)成分は分
子鎖両末端がシラノール基で封鎖されたジオルガノポリ
シロキサンと分子鎖片末端がシラノール基で封鎖された
ジオルガノポリシロキサンの混合物であってもよい。
【0007】(B)成分であるテトラアルコキシシラン
またはオルガノトリアルコキシシランの代表例は上記一
般式(2)で示される。ケイ素原子に結合したアルコキ
シ基としてはメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、
ブトキシ基、メトキシエトキシ基が例示される。R1
うち一価炭化水素基としてはRと同様な一価炭化水素基
が例示され、一価ハロゲン化炭化水素基としてはRと同
様な一価ハロゲン化炭化水素基が例示される。(B)成
分の具体例としてテトラメトキシシラン、テトラエトキ
シシラン、テトラプロポキシシランのようなテトラアル
コキシシラン;メチルトリメトキシシラン、メチルトリ
エトキシシラン、メチルトリプロポキシシラン、ビニル
トリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニ
ルトリプロポキシシラン、フェニルトリメトキシシラ
ン、フェニルトリエトキシシラン、フェニルトリプロポ
キシシラン、3,3,3−トリフルオロプロピルトリメト
キシシランが挙げられる。
【0008】(C)酸性触媒として、有機カルボン酸、
特には酢酸やプロピオン酸のような低級脂肪族カルボン
酸;有機スルホン酸;硫酸、塩酸のような無機酸が例示
されるが、ジオルガノポリシロキサンの分子鎖を切断し
ないという点で低級脂肪族カルボン酸が好ましく、その
うちでも縮合反応後に除去しやすい点で酢酸、ついでプ
ロピオン酸が好ましい。
【0009】生成物である分子鎖末端アルコキシ基封鎖
ジオルガノポリシロキサンには、(A)成分の種類に応
じて分子鎖両末端がアルコキシ基で封鎖されたものと、
分子鎖片末端がアルコキシ基で封鎖され、他末端が−S
iR3で封鎖されたものとがある。分子鎖両末端がアル
コキシ基で封鎖されたものの代表例は、一般式(3): (R2O)3-a(R1)aSiO−(R2SiO)n−Si(R1)
a(OR2)3-a で示される。分子鎖片末端がアルコキシ基で封鎖された
ものの代表例は、一般式(4): (R2O)3-a(R1)aSiO−(R2SiO)n−Si(R1)3 で示される。式中のR、R1、R2、n、aは前記どおり
であり、前記と同様のものが例示される。
【0010】(A)成分と(B)成分の仕込み割合は、
(B)成分中のシラノール基1モル当たり(A)成分が
1モル以上であることが好ましく、2モル以上であるこ
とがより好ましく、5モル〜30モルであることがさら
に好ましい。1モル未満であると未反応のシラノール基
が残存したり、(A)成分2分子以上が(B)成分1分
子と縮合反応して生成物の粘度が大きくなりすぎること
があるからである。(C)成分は触媒量でよく、その種
類によって効果が異なるので具体量は提示しにくいが、
通常(A)成分と(B)成分の合計量の0.001〜5
重量%であり、好ましくは0.01〜2重量%である。
【0011】(A)成分と(B)成分と(C)成分は、
それらを貯蔵したフィードタンクから別々に管状反応装
置に供給してもよく、そのうちの2成分を予め混合した
ものと残り1成分を別々に管状反応装置に供給してもよ
く、全成分を予め混合したものを管状反応装置に供給し
てもよいが、反応効率の点で全成分を予め混合したもの
を管状反応装置に供給することが好ましい。(A)成分
と(B)成分と(C)成分の割合を一定に保持するため
に、各成分やその混合物は定量ポンプを通して管状反応
装置内に供給することが好ましい。
【0012】(A)成分と(B)成分の縮合反応は、
(C)成分存在下で、かつ、動的な混合機能を有さない
管状反応装置内で行なわれる。管状反応装置はまっすぐ
な管が代表的であるが、多少湾曲したり、屈曲していて
もよい。また、管状反応装置は複数の管状反応装置を束
ねたものであってもよい。内容物の栓流性さえ維持でき
れば管状反応装置の置き方は特に限定されず、直立方向
と斜め上下方向がある。管状反応装置の基部に原料成分
供給口が存在し、先端部近辺に反応生成物排出口が存在
することが好ましい。(A)成分と(B)成分と(C)
成分、そのうちの2成分の混合物あるいは全成分の混合
物は、供給口から管状反応装置内に導入され、縮合反応
しつつ管状反応装置内を移動し、反応生成物は先端部近
辺、すなわち、先端部あるいはその手前に存在する排出
口から排出される。管状反応装置内の内容物の流動方向
は特に限定されず、真上方向、斜め上方向、斜め下方
向、真下方向がある。動的な混合機能は攪拌羽根や、ス
クリューによりもたらされるので、本発明で使用される
管状反応装置内には攪拌羽根や、スクリューが存在しな
い。管状反応装置内には通常は何もなく、栓流性が維持
されるので、全成分の滞留時間が長くなり充分に反応す
ることができる。栓流性が維持されれば、分割・転換・
反転の作用を促す充填物やエレメントが内在してもよ
く、スタティックミキサーであってもよい。管状反応装
置内の温度が室温では縮合反応が遅くて管長が長くなり
すぎるので、管状反応装置内の温度は50〜300℃を
維持することが好ましい。そのためには、各成分あるい
はその混合物を予め昇温してから管状反応装置に供給す
るか、さらには管状反応装置の外面を加熱ジャケットで
包むか、管状反応装置を二重管にして外管に温水や熱媒
を流すとよい。管状反応装置の内径と長さは、反応原料
の種類や製造量によって変わってくるので、一概に規定
できないが、内径は0.1〜200cmであり、長さは
5〜500cmであることが好ましい。
【0013】反応生成物は副生したアルコールを含有し
ているので、通常は除去する必要がある。また、目的物
を収率よく製造するために(B)成分中のシラノール基
1モル当たり(A)成分が1モル以上、好ましくは2モ
ル以上供給するので、未反応の(B)成分が反応生成物
に混在して排出される。そのため未反応の(B)成分を
除去する必要がある。そこで、管状反応装置の川下に蒸
発器(例、薄膜蒸発器)を接続し、副生したアルコール
および未反応の(B)成分、さらには触媒残渣を蒸発さ
せて目的物から分離する。蒸発は加熱減圧下で行なうこ
とが好ましい。回収した未反応の(B)成分は原料とし
て再使用することが好ましい。そのためには回収した
(B)成分と新規な(B)成分とを混合して管状反応装
置に供給する方法や、蒸発器から管状反応装置の原料供
給口に至る管をとおして回収した(B)成分を管状反応
装置に供給する方法がある。
【0014】
【実施例】次に本発明を実施例により説明する。実施例
中、ppmとあるのは重量ppmを意味し、粘度は25
℃における値である。Meはメチル基を意味する。反応
生成物である液体のシラノール基量は、OHインデック
ス(OHI)により評価した。すなわち、25℃で液体
の粘度を測定し、液体15gにテトラブチルチタネート
0.25gを加えよく混合して3分後に粘度を測定し、
次式によりOHインデックス(OHI)を求めた。OH
I=テトラブチルチタネート添加前の粘度/テトラブチ
ルチタネート添加3分後の粘度。シラノール基量が皆無
の場合はOHI=1であり、シラノール基量が多い場合
はOHIは0に近づく傾向にある。OHIが0.9より
大なるときはシラノール基はほとんど存在しないと判断
される。また、反応生成物である液体のシラノール基の
消滅は、FT−IR(フーリエ変換赤外分光法)の36
95cm-における吸収の消滅により確認した。
【0015】
【実施例1】フィードタンク1に貯蔵された平均構造
式:HOMe2SiO(Me2SiO)900SiMe2OH
で表わされる分子鎖両末端シラノ−ル基封鎖ジメチルポ
リシロキサン(粘度:13000mPa・s)を、フィ
ードポンプ4を経て熱交換器7に送り込んで昇温し、フ
ィードタンク2に貯蔵されたテトラエトキシシランをフ
ィードポンプ5を経て熱交換器8に送り込んで昇温し、
それぞれをダイナミックミキサー9に送り込んだ。ここ
でテトラエトキシシシランと該ジメチルポリシロキサン
の仕込み比は重量比で9.5:100であったので、テ
トラエトキシシランと該ジメチルポリシロキサンのモル
比30.5:1であった。該ジメチルポリシロキサンは
シラノール基を2個有しているので、シラノール基1モ
ル当たりテトラエトキシシラン15.3モルであった。
テトラエトキシシランと該ジメチルポリシロキサンの合
計供給量は表1に示すとおりとした。同時に、フィード
タンク3に貯蔵された酢酸を、フィードポンプ6を経て
ダイナミックミキサー9に連続的に供給した。酢酸濃度
は表1に示すとおりとした。ダイナミックミキサー9か
ら排出された3成分の混合物を管状反応装置11内に連
続的に供給した(第1図参照)。管状反応装置11内の
温度は表1に示すとおりとした。なお、管状反応装置1
1は内径25mm、長さ500mmであり、ジャケット
10により覆われている。ジャケット10は図示してい
ない熱媒循環装置により所定の温度に制御されている。
3成分の混合物は栓流性を維持しつつ先端方向に流動し
た。表1に示す滞留時間後に管状反応装置11の先端部
から連続的に流出した反応生成物を小型薄膜蒸発器12
(内圧:667Pa、温度:150℃)に連続的に導入
し、揮発分を分離除去した透明液体を受器13で受け
た。該揮発分は、過剰に添加され残存したテトラエトキ
シシラン、副生したエタノールおよび残存酢酸である。
該透明液体のOHIを測定して表1に示した。また、同
時にFT−IRによりシラノール基が消滅していること
を確認した。したがって、該透明液体は、平均構造式: (C25O)3SiO(Me2SiO)900Si(OC25)3 で表わされる両末端トリエトキシシロキシ基封鎖ジメチ
ルポリシロキサンであることがわかった。縮合反応させ
つつ揮発分を分離除去できるので迅速に製造できること
がわかる。
【0016】
【表1】
【0017】
【実施例2】フィードタンク1に貯蔵された平均構造
式:HOMe2SiO(Me2SiO)230SiMe2OHで
表わされる両末端シラノ−ル基封鎖ジメチルポリシロキ
サンと平均構造式:HOMe2SiO(Me2SiO)230
SiMe3で表わされる片末端シラノ−ル基封鎖ジメチ
ルポリシロキサンの混合物(前者と後者の重量比は7:
3である。粘度:400mPa・s)を、フィードポン
プ4を経て熱交換器7に送り込んで昇温し、フィードタ
ンク2に貯蔵されたテトラメトキシシランをフィードポ
ンプ5を経て熱交換器8に送り込んで昇温し、それぞれ
をダイナミックミキサー9に送り込んで充分混合した
後、管状反応装置11内に連続的に供給した(第1図参
照)。ここでテトラメトキシシランと該ジメチルポリシ
ロキサン混合物との仕込み比は重量比で9.5:100
または15:100であったので、該ジメチルポリシロ
キサン中のシラノール基1モル当たりのテトラメトキシ
シランのモル数は、表2に示すとおり、7または10で
あった。テトラメトキシシランと該ジメチルポリシロキ
サン混合物の合計供給量は表2に示すとおりとした。同
時に、フィードタンク3に貯蔵された酢酸を、フィード
ポンプ6をへてダイナミックミキサー9に連続的に供給
した。酢酸濃度は表2に示すとおりとした。ダイナミッ
クミキサー9から排出された3成分の混合物を管状反応
装置11内に連続的に供給した(第1図参照)。管状反
応装置内の温度は表2に示すとおりとした。3成分の混
合物は栓流性を維持しつつ先端方向に流動した。表2に
示す滞留時間後に管状反応装置11の先端部から連続的
に流出した反応生成物を小型薄膜蒸発器12(内圧:6
67Pa、温度:150℃)に連続的に導入し、揮発分
を分離除去した透明液体を受器13で受けた。該揮発分
は、過剰に添加されたテトラメトキシシラン、副生した
メタノールおよび酢酸である。該透明液体のOHIを測
定して表2に示した。また、同時にFT−IRによりシ
ラノール基が消滅していることを確認した。したがっ
て、該透明液体は、平均構造式: (CH3O)3SiO(Me2SiO)230Si(OCH3)3 で表わされる両末端トリメトキシシロキシ基封鎖ジメチ
ルポリシロキサンと平均構造式: (CH3O)3SiO(Me2SiO)230Si(CH3)3 で表わされる片末端トリメトキシシロキシ基封鎖ジメチ
ルポリシロキサンの混合物(前者と後者の重量比7:
3)であることがわかった。縮合反応させつつ揮発分を
分離除去できるので迅速に製造できることがわかる。
【0018】
【表2】
【0019】
【実施例3】実施例2の試験番号5において、小型薄膜
蒸発器12により蒸発させて分離除去したテトラメトキ
シシランと酢酸をコンデンサー14で凝縮させて液状と
し、回収ライン16を通して、フィードタンク2に連続
的に戻して縮合反応を継続した。副生したメタノールは
コンデンサー14では凝縮させずにバキュームポンプ1
5を経て系外へ排出した。受器13にたまった透明液体
について、管状反応装置11への原料供給を開始してか
ら1時間後、24時間後および72時間後にOHIを測
定したところ、いずれも0.99であった。過剰に添加
したテトラメトキシシランは回収して再利用可能である
ことが判明した。
【0020】
【比較例1】攪拌機、温度計、還流冷却管を備えた1リ
ットルの4口フラスコに、平均構造式:HOMe2Si
O(Me2SiO)230SiMe2OHで表わされる両末端
シラノ−ル基封鎖ジメチルポリシロキサンと平均構造
式:HOMe2SiO(Me2SiO)230SiMe3で表わ
される片末端シラノ−ル基封鎖ジメチルポリシロキサン
の混合物(前者と後者の重量比は7:3である。粘度4
00mPa・s)500g、テトラメトキシシラン74
g(テトラメトキシシランと該ジメチルポリシロキサン
のモル比は16.7:1であり、シラノール基1モル当
たりテトラメトキシシランのモル数は9.8である)、
触媒としての酢酸4.5g(該ジメチルポリシロキサン
とテトラメトキシシランの合計量の900ppm)を投
入した。攪拌しつつ1時間かけて昇温し、約120℃で
還流して脱メタノール縮合反応させた。一定時間毎に反
応液を採取してOHIを測定し、60分後にOHI が
0.9以上となったことを確認した。確認後、内圧:6
67Pa、温度:150℃で5時間攪拌して残存テトラ
メトキシシラン、副生メタノールおよび残存酢酸を除去
して透明液体505gを得た。原料仕込み後、昇温、縮
合反応、加熱減圧による揮発分の除去に合計7時間も要
した。
【0021】
【発明の効果】本発明の製造方法によれば、小さな反応
装置を使用して大量の分子鎖末端アルコキシ基封鎖ジオ
ルガノポリシロキサンを迅速に連続的に製造することが
でき、また、過剰に仕込んだアルコキシシランを連続的
に回収して再利用することができるので、生産性が優れ
ている。
【0022】
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1と実施例2で使用した管状反応装置11
と周辺機器のフローチャート図である。
【図2】実施例3で使用した管状反応装置11と周辺機器
のフローチャート図である。
【0023】
【符号の説明】
1、2、3 フィードタンク 4、5、6 フィードポンプ 7、8 熱交換器 9 ダイナミックミキサー 10 ジャケット 11 管状反応装置 12 小型薄膜蒸発器 13 受器 14 コンデンサー 15 バキュームポンプ 16 回収ライン 17 モーター
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 武政 隆夫 千葉県市原市千種海岸2番2 東レ・ダウ コーニング・シリコーン株式会社生産本部 エンジニアリング部内 (72)発明者 奥山 俊夫 アメリカ合衆国ミシガン州パイングローブ 3407 Fターム(参考) 4J035 BA02 CA05U CA06M CA061 CA25M FB01 FB02 FB03 FB10 LA02

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)分子鎖末端シラノール基封鎖ジオ
    ルガノポリシロキサンと(B)テトラアルコキシシラン
    またはオルガノトリアルコキシシランとを脱アルコール
    縮合反応させることによる分子鎖末端アルコキシ基封鎖
    ジオルガノポリシロキサンの製造方法において、縮合反
    応を(C)酸性触媒存在下で、かつ、動的な混合機能を
    有さない管状反応装置内において連続的に行うことを特
    徴とする分子鎖末端アルコキシ基封鎖ジオルガノポリシ
    ロキサンの連続的製造方法。
  2. 【請求項2】 (A)成分が、一般式(1): HO−(R2SiO)n−H (式中、Rは一価炭化水素基または一価ハロゲン化炭化
    水素基であり、nは25℃における粘度が10〜1,0
    00,000mPa・sとなる正数を表す)で示され、 (B)成分が、一般式(2): R1 aSi(OR2)4-a (式中、R1は一価炭化水素または一価ハロゲン化炭化
    水素基であり、R2はアルキル基またはアルコキシアル
    キル基であり、aは0または1である)で示され、分子
    鎖末端アルコキシ基封鎖ジオルガノポリシロキサンが 一般式(3): (R2O)3-a(R1)aSiO−(R2SiO)n−Si(R1)
    a(OR2)3-a (式中、R、R1、R2、n、aは前記どおりである)で
    示され、(A)成分中のシラノール基1モル当たり
    (B)成分を1モル以上とすることを特徴とする、請求
    項1記載の連続的製造方法。
  3. 【請求項3】 (A)成分中のシラノール基1モル当た
    り(B)成分が5モル〜30モルであることを特徴とす
    る請求項2記載の連続的製造方法。
  4. 【請求項4】 管状反応装置内の成分は栓流性を維持し
    ていることを特徴とする請求項1記載の連続的製造方
    法。
  5. 【請求項5】 管状反応装置はスタティックミキサーで
    あることを特徴とする請求項4記載の連続的製造方法。
  6. 【請求項6】 管状反応装置内の温度は50〜300℃
    であることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか
    1項記載の連続的製造方法。
  7. 【請求項7】 酸性触媒が低級脂肪族カルボン酸である
    ことを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1項ま
    たは請求項6記載の連続的製造方法。
  8. 【請求項8】 (A)成分、(B)成分および(C)成
    分をあらかじめ混合してから管状反応装置に導入するこ
    とを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1項、請
    求項6または請求項7記載の記載の連続的製造方法。
  9. 【請求項9】 管状反応装置の川下に蒸発器を接続して
    揮発分を分離除去することを特徴とする請求項1記載の
    連続的製造方法。
  10. 【請求項10】 管状反応装置の川下に蒸発器を接続し
    て未反応の(B)成分を蒸発させ回収して再使用するこ
    とを特徴とする請求項1記載の連続的製造方法。
  11. 【請求項11】 蒸発器が薄膜蒸発器であることを特徴
    とする請求項9または請求項10記載の連続的製造方
    法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010168431A (ja) * 2009-01-20 2010-08-05 Shin-Etsu Chemical Co Ltd 両末端ヒドロカルビルオキシ基封鎖ジオルガノポリシロキサンの製造方法
JP2012102175A (ja) * 2010-11-08 2012-05-31 Yokohama Rubber Co Ltd:The シリコーン樹脂の製造方法および硬化性樹脂組成物
CN104927058A (zh) * 2015-05-21 2015-09-23 深圳市新亚新材料有限公司 一种羟基聚硅氧烷封端改性方法

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