JP2003245596A - ディスプレイパネルのパターン形成方法及び形成装置 - Google Patents

ディスプレイパネルのパターン形成方法及び形成装置

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JP2003245596A JP2002368454A JP2002368454A JP2003245596A JP 2003245596 A JP2003245596 A JP 2003245596A JP 2002368454 A JP2002368454 A JP 2002368454A JP 2002368454 A JP2002368454 A JP 2002368454A JP 2003245596 A JP2003245596 A JP 2003245596A
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照雄 丸山
Nobutaka Sotozono
信貴 外園
Takayuki Furukawa
貴之 古川
Koji Matsuo
孝二 松尾
Takashi Kanehisa
孝 兼久
Takashi Okubo
貴史 大久保
隆弘 ▲吉▼田
Takahiro Yoshida
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ディスペンサーの加減速に合わせて、高い応
答性で流量を可変でき、ディスペンサーのノズル先端が
塗布領域から非塗布領域へ或いはその逆に移行する際の
流体の高速遮断・高速開放が随意にできるディスプレイ
パネルのパターン形成方法及び装置を提供する。 【解決手段】 ペースト層を形成する有効表示領域60
aと、有効表示領域の外側にペースト層を形成しない非
有効表示領域60bを有する基板のうちの有効表示領域
をディスペンサーが相対的に走行しているときはペース
ト吐出し、非有効表示領域のときはペースト吐出を遮断
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、PDP(Plasma D
isplay Panel)、液晶、有機EL(Electro‐Luminecen
ce)、CRT(Cathode Ray Tube)等のディスプレイパ
ネルを製造する技術分野に属する。
【0002】
【従来の技術】以下、ディスプレイパネルに、蛍光体材
料或いは電極材等によるスクリーンストライプを形成す
る場合を例に挙げ、従来技術の課題について説明する。
【0003】まず、最初に蛍光体材料の場合について、
説明する。
【0004】カラー表示を行なうプラズマディスプレイ
パネル(以下PDP)では、前面板/背面板にRGB各
色で発光する蛍光体材料から成る蛍光体層を有する。
【0005】この蛍光体層は、前面板/背面板に平行線
状に形成された隔壁と隔壁の間(すなわちアドレス電極
上)に、RGB各色の蛍光体材料を充填したストライプ
を3組形成し、そのストライプの3組を平行に隣接して
多数配列した構造となっている。この蛍光体層は、スク
リーン印刷方式、フォトリソグラフィ方式等によって形
成される。
【0006】画面が大型化した場合、従来スクリーン印
刷方式では、スクリーン印刷版を精度良く位置合わせす
ることが難しく、蛍光体材料を充填しようとすると隔壁
の頂上部分にまで材料が載ってしまい、それを除去する
ために研磨行程を導入するなどの方策が必要であった。
また、スキージ圧力の違いによって、蛍光体材料の充填
量が変化し、その圧力調整は極めて微妙であり作業者の
熟練度に依存する部分が多い。そのため、前面板/背面
板の全面にわたって一定の充填量を得ることは容易では
ない。
【0007】また、感光性の蛍光体材料を使用してフォ
トリソグラフィ方式によって蛍光体層を形成することも
できるが、露光と現像の行程が必要となり、スクリーン
印刷方式と比べて行程数が多くなるため、製造コストが
高くつくという課題があった。
【0008】カラーブラウン管パネルの蛍光体スクリー
ンストライプは、露光台による写真現像方式で普通製造
される。この方式では、カラー三原色の、まず、1色に
係る蛍光体をパネル全面に塗布する。
【0009】この塗布方法として、例えば、パネル内面
に蛍光体液を注入後、パネル本体を回転させ、蛍光体液
に遠心力を与えて、蛍光体材料をパネル全面に均一化す
る、いわゆる「振りきり工法」を用いる。
【0010】次いで、蛍光体が全面に塗布された上記パ
ネルとマスクを合体し、露光台でこのカラー蛍光体のス
トライプ位置のみを露光させ、現像の化学処理を施して
露光域を残置し、残部マスク被覆域を除去する。次に、
カラー三原色の他の各色蛍光体について、同様に、マス
ク露光、現像の写真蝕刻行程を繰り返す。従って、写真
蝕刻行程を三度繰り返すことになる。
【0011】蛍光体スクリーンストライプを形成する方
法として、他に、静電塗装方式も適用される。この方式
は、原理的には写真現像方式と同様であるが、ストライ
プカラー蛍光体として帯電材を使用し、ドライコーティ
ングによって塗布する点で相違する。
【0012】上記両方式でブラウン管パネルの蛍光体ス
クリーンストライプを形成する場合、何れの方式の場合
でも、数多くの複雑な行程を経ねばならないため、大規
模の製造装置を必要とする。従って、多量生産に適する
が、多品種少量生産に対しては、効率が悪いという欠点
があった。
【0013】スクリーンストライプを形成するための課
題、すなわち、PDPにおけるスクリーン印刷方式、及
びカラーブラウン管パネルにおける「振りきり工法→写
真現像方式」に係る前述した課題を解決するために、デ
ィスペンサーを用いた直接描画方式(ダイレクトパター
ニング)が既に提案されている。
【0014】図23は、特許文献1に開示されているも
ので、PDPを対象とした蛍光体層形成装置及び形成方
法を示すものである。
【0015】450は基板、451はこの基板450を
載置する載置台、452はペースト状の蛍光体を吐出す
るディスペンサー、453はディスペンサー452の吐
出ノズルである。
【0016】この吐出ノズル453と載置台451を相
対的に移動させる搬送部を構成するために、載置台45
1の両側には、1対のY軸方向搬送装置454a、45
4bが設けられている。また、ディスペンサー452が
支持されるX軸方向搬送装置455が、上記Y軸方向搬
送装置454a、454bによってY軸方向に移動可能
に搭載されている。さらに、Z軸方向搬送装置456
が、上記X軸方向搬送装置455によってX軸方向に移
動可能に搭載されている。
【0017】上記提案によれば、従来のスクリーンマス
クを用いることなく、基板仕様を数値設定するだけで基
板450上を移動するノズル453から蛍光体が吐出さ
れて基板450のリブ間の溝に塗布されるので、任意の
サイズの基板450に対して蛍光体層を精度よく形成す
ることができると共に、基板450の仕様変更に容易に
対応できる、としている。
【0018】カラーブラウン管パネルを対象とした蛍光
体層形成装置についても、同様な提案が既に特許文献2
で開示されている。この提案によれば、製造行程及び製
造ラインとも規模を拡大させる必要がなく、単体の装置
でスクリーニングすることを可能にし、また、多品種少
量生産のブラウン管に対して量産効果を上げて製造さ
せ、さらに単体でスクリーニングするため自動化ライン
を小規模なマシンで稼動させる利点がある、としてい
る。
【0019】ところで、ディスペンサーを用いてパネル
面に蛍光体スクリーンストライプを形成する場合でも、
スクリーン印刷方式と同等の生産タクトが要望される。
【0020】しかし、塗布装置に配置できるディスペン
サーの本数には制約があり、千本〜数千本のスクリーン
ストライプをできるだけ短時間で描くためには、パネル
とノズル間の相対速度を十分に大きくとる必要がある。
【0021】そのためには、ディスペンサー、或いはパ
ネルが搭載された搬送台を高精度かつ高速で往復動作さ
せる必要がある。
【0022】ここで、パネル面は、蛍光体層を形成する
「有効表示領域」(図2の点線で囲まれた四角形の領域
60a)と、この有効表示領域の外周部に配置されて、
蛍光体層を形成しない「非有効表示領域」(図2の四角
形の領域60aの外側の四角枠状領域60b)とを有す
るものとする。
【0023】また、ディスペンサーは搬送台に搭載され
ているものとし、吐出ノズル1個の挙動に注目する。パ
ネル面の上記「有効表示領域」を連続塗布しながら高速
で走行したノズルは、パネルの端面に接近すると、減速
区間を経て速度を落とし、上記「非有効表示領域」に入
る。この非有効表示領域でUターンした後、助走区間を
経て、再び、有効表示領域を定常走行する。
【0024】すなわち、ノズルとパネル間の相対速度
は、Uターン区間の前後で大きく変化する。このとき、
ディスペンサーは次のような機能を有することが望まし
い。
【0025】ノズルとパネル間の相対速度に合わせ
て、流量を可変できる。
【0026】パネルの端面のUターン区間(非有効表
示領域を走行する区間)では、吐出量が完全に遮断でき
る。
【0027】上記Uターン区間を経て、塗布開始時の
塗布線の始点部には「細り」又は「切れ」などが発生し
ない。同様に、塗布終了時の塗布線の終点部には、「太
り」又は「溜まり」などが発生しない。
【0028】上記が実現できない場合、例えば、ノズ
ルとパネル間の相対速度が定常走行の場合と比べて小さ
くなったにもかかわらず、吐出量を低減できなければ、
蛍光塗布線の線幅と厚みは所定のスペックを越えてしま
うことになる。
【0029】生産タクトを上げる程、立上がり・立下り
時間を短く、かつ相対速度の変化率を大きくとらねばな
らない。すなわち、ディスペンサーには、より一層高い
流量制御のレスポンスが要求される。
【0030】上記の必要性は次のようである。ノズル
がパネルの端面のUターン区間(非有効表示領域)を走
行するとき、ノズルとパネル間の相対速度はゼロ及びそ
の前後の極めて低速状態となる。
【0031】もし、この区間でノズルから材料の流出が
あれば、僅かな流量でも複数本のストライプが重なるた
め、材料がパネル上に堆積することになる。その結果、
堆積した材料が吐出ノズルの先端に附着する。この状態
で再び塗布を開始した場合、吐出ノズルの先端に附着し
た流体塊が不連続にパネル面に散逸し、描画線の精度を
著しく損ねるなどのトラブルが発生した。すなわち、パ
ネルの端面のUターン区間では、ディスペンサーは吐出
量を完全に遮断できることが好ましい。
【0032】上記は、ディスペンサー方式が従来方
式、例えばスクリーン印刷方式と同等、或いはそれ以上
の品質を確保するための必須条件である。
【0033】以上要約すれば、ディスペンサーを用い
て、パネル面に蛍光体スクリーンストライプを高生産効
率で形成するためには、ディスペンサーには流体遮断・
開放が随意にできる機能を有すると共に、高い流量制御
の応答性と高い流量精度を持つのが望ましい。しかしデ
ィスペンサー方式の先行例である、例えば、特許文献
1、特許文献2には、この点の詳細な記載は見当たらな
い。
【0034】さて、ディスペンサー(液体吐出装置)は
従来から様々な分野で用いられているが、近年の電子部
品の小形化・高記録密度化のニーズにともない、微少量
の流体材料を高精度でかつ安定して供給制御する技術が
要請される様になっている。従来、液体吐出装置とし
て、図24に示す様なエアー方式によるディスペンサー
が広く用いられており、例えば非特許文献1等にその技
術が紹介されている。
【0035】この方式によるディスペンサーは、定圧源
から供給される定量の空気を容器600(シリンダ)内
にパルス的に印加させ、シリンダ内601の圧力の上昇
分に対応する一定量の液体をノズル602から吐出させ
るものである。
【0036】
【特許文献1】特開平10−27543号公報
【特許文献2】特公昭57−21223号公報
【非特許文献1】「自動化技術‘93.25巻7号」
【0037】
【発明が解決しようとする課題】このエアーの方式のデ
ィスペンサーは次の問題点があった。
【0038】(1) 吐出圧脈動による吐出量のばらつ
き。
【0039】(2) 水頭差による吐出量のばらつき。
【0040】(3) 液体の粘度変化による吐出量変
化。
【0041】上記(1)の現象は、タクトが短く吐出時
間が短い程顕著に表れる。そのため、エアーパルスの高
さを均一化するための安定化回路を施すなどの工夫がな
されている。
【0042】上記(2)は、シリンダ内の空隙部601
の容積が液体残量Hによって異なるため、一定量の高圧
エアーを供給した場合、空隙部601内の圧力変化の度
合が、上記液体残量Hによって大きく変化してしまうと
いうのがその理由である。液体残量Hが低下すれば、塗
布量が、例えば、最大値と比べて50〜60%程度減少
してしまうという問題点があった。そのために、吐出毎
に液体残量Hを検知し、吐出量が均一になる様に、パル
スの時間幅を調整する等の方策がなされている。
【0043】上記(3)は、例えば多量の溶剤を含んだ
材料の粘度が、時間とともに変化した場合に発生する。
そのための対策として、時間軸に対する粘度変化の傾向
をあらかじめコンピュータにプログラミングしておき、
粘度変化の影響を補正する様に、例えば、パルス幅を調
節する等の方策がなされていた。
【0044】上記課題に対するいずれの方策も、コンピ
ュータを含む制御系が繁雑化し、また、不規則な環境条
件(温度等)の変化に対する対応は困難であり、抜本的
な解決案にはならなかった。
【0045】エアー方式の上記課題に加えて、この方式
のディスペンサーは応答性が悪いという欠点があった。
この欠点は、シリンダ600に封じ込められた空気の圧
縮性と、エアーを狭い隙間に通過させる際のノズル抵抗
よるものである。すなわち、エアー方式の場合、シリン
ダの容積:Cと、ノズル抵抗:Rとで決まる流体回路の
時定数:T=RCが大きく、入力パルスを印加後、吐出
開始に例えば0.07〜0.1秒程度の時間遅れを見込
まねばならない。
【0046】上記エアー方式の欠点を解消するために、
吐出ノズルの入口部にニードルバルブを設けて、このニ
ードルバルブを構成する細径のスプールを軸方向に高速
で移動させることにより、吐出口を開閉させるディスペ
ンサーが実用化されている。しかし、この場合、流体の
遮断時、相対移動する部材間の隙間はゼロとなり、数ミ
クロン〜数十ミクロンの平均粒径の粉体は機械的に圧搾
作用を受け破壊される。その結果発生する様々な不具合
のため、本発明の対象となる蛍光体等の塗布への適用は
困難な場合が多い。
【0047】以上の理由から、従来ディスペンサーの構
造、或いは適用方法をそのまま導入しても、パネル面に
蛍光体スクリーンストライプを高生産効率で形成するた
めの条件を満足させるのは困難であった。
【0048】以上、ディスプレイパネルに蛍光体材料に
よるスクリーンストライプを形成する場合を例に挙げ、
従来技術の課題について説明した。蛍光体スクリーンス
トライプ以外の材料、例えば電極材料などによるパター
ン形成の場合でも課題は同様である。
【0049】そこで、本発明の目的は、ディスペンサー
に高速吐出遮断、高速吐出開放、流量制御の機能を与え
ることにより、ディスプレイパネル面に蛍光体、電極材
などの薄膜パターンを高生産効率で形成するための条
件、 ディスペンサーの加減速に合わせて、高い応答性で流
量を可変できること、 ディスペンサーのノズル先端が塗布領域から非塗布領
域へ、或いはその逆に移行する際の流体の高速遮断・高
速開放が随意にできること、等を満足させるディスプレ
イパネルのパターン形成方法及び形成装置を提供するも
のである。
【0050】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は以下のように構成する。
【0051】本発明のディスプレイパネルのパターン形
成方法は、大略、基板に対して流量可変式のディスペン
サーを相対的に移動させながら、ペーストを吐出させる
ことにより、所定の位置に順次ペーストを塗布してパタ
ーンを形成するディスプレイパネルのパターン形成方法
において、上記ディスペンサーと上記基板が上記パター
ンを形成しない領域を相対的に走行しているときは上記
ペーストの吐出は遮断状態を保つようにしたものであ
る。
【0052】本発明の第1態様によれば、基板に対して
流量可変式のディスペンサーを相対的に移動させなが
ら、ペーストを吐出させることにより、上記基板の吐出
すべき位置に、順次、上記ペーストを吐出して、あるパ
ターンのペースト層を形成するディスプレイパネルのパ
ターン形成方法において、上記ペースト層を形成する有
効表示領域と、この有効表示領域の外側に上記ペースト
層を形成しない非有効表示領域を有する上記基板のうち
の上記有効表示領域を上記ディスペンサーが相対的に走
行しているときは上記ペーストを吐出する一方、上記非
有効表示領域を上記ディスペンサーが相対的に走行して
いるときは上記ペーストの吐出を遮断するディスプレイ
パネルのパターン形成方法を提供する。
【0053】本発明の第2態様によれば、複数本の光吸
収層が表面に並列形成された基板に対してディスペンサ
ーを相対的に移動させながら、ペーストを吐出させるこ
とにより、上記光吸収層間の吐出すべき位置に、順次、
上記ペーストを吐出してあるパターンのペースト層を形
成する第1の態様に記載のディスプレイパネルのパター
ン形成方法において、上記ディスペンサーとして流量可
変式のディスペンサーを使用して上記ペーストの吐出を
制御するディスプレイパネルのパターン形成方法を提供
する。
【0054】本発明の第3態様によれば、上記ディスペ
ンサーと上記基板の相対速度に合わせて、上記ディスペ
ンサーを制御して上記ペーストの吐出量を可変させる第
2の態様に記載のディスプレイパネルのパターン形成方
法を提供する。
【0055】本発明の第4態様によれば、上記ペースト
層を形成する有効表示領域と、この有効表示領域の外側
にペースト層を形成しない非有効表示領域を有する上記
基板のうちの上記有効表示領域を上記ディスペンサーが
相対的に走行しているときは上記ペーストを吐出する一
方、上記非有効表示領域を、上記ディスペンサーが相対
的に走行しているときは上記ペーストの吐出を遮断する
第2の態様に記載のディスプレイパネルのパターン形成
方法を提供する。
【0056】本発明の第5態様によれば、上記ディスペ
ンサーとしてねじ溝式のディスペンサーを使用して、上
記ねじ溝式ディスペンサーの回転軸の回転制御により上
記ペーストの吐出を制御する第2の態様に記載のディス
プレイパネルのパターン形成方法を提供する。
【0057】本発明の第6態様によれば、上記ディスペ
ンサーとしてねじ溝式のディスペンサーを使用して、上
記ディスペンサーと上記基板が上記非有効表示領域を相
対的に走行しているときは上記ねじ溝式ディスペンサー
の回転軸の回転は停止、或いは上記有効表示領域を走行
しているときに対して上記回転軸を逆転させる第4の態
様に記載のディスプレイパネルのパターン形成方法を提
供する。
【0058】本発明の第7態様によれば、上記ディスペ
ンサーと上記基板が上記有効表示領域から上記非有効表
示領域へ相対的に移行するときは、上記ねじ溝式ディス
ペンサーの上記回転軸の回転数を減小させた後に停止さ
せることにより上記吐出を停止させ、或いは、減小させ
た後に停止し、さらに、上記回転軸を逆転させることに
より上記吐出を停止させる第5の態様に記載のディスプ
レイパネルのパターン形成方法を提供する。
【0059】本発明の第8態様によれば、上記ディスペ
ンサーと上記基板が上記非有効表示領域から上記有効表
示領域へ相対的に移行するときは、上記ねじ溝式ディス
ペンサーの上記回転軸の回転数を増加させた後、上記回
転軸の一定回転を維持して吐出を行なうか、或いは、増
加させた後、減小させてしかる後、上記回転軸の一定回
転を維持して吐出を行なう第5の態様に記載のディスプ
レイパネルのパターン形成方法を提供する。
【0060】本発明の第9態様によれば、上記ディスペ
ンサーとして複数本のねじ溝式ディスペンサーを使用し
て、上記複数本のねじ溝式ディスペンサーの回転数を個
別に調節して、所定の流量を設定する第5の態様に記載
のディスプレイパネルのパターン形成方法を提供する。
【0061】本発明の第10態様によれば、上記ディス
ペンサーは、ペースト圧送装置としてシリンダとピスト
ンで形成される流体輸送室に上記ペーストを供給すると
共に、上記シリンダと上記ピストンに相対的な軸方向運
動を与えることにより上記流体輸送室の空間を増減させ
て上記ペーストの吐出量を可変させる第2の態様に記載
のディスプレイパネルのパターン形成方法を提供する。
【0062】本発明の第11態様によれば、上記シリン
ダと上記ピストンの相対移動面に形成されたねじ溝に相
対的な回転運動を与えて上記ペーストを圧送する第10
の態様に記載のディスプレイパネルのパターン形成方法
を提供する。
【0063】本発明の第12態様によれば、上記ノズル
先端と上記基板が上記有効表示領域から上記非有効表示
領域へ相対的に移行するとき、上記流体輸送室の空間を
増大させて上記ペーストの吐出を停止させる第10の態
様に記載のディスプレイパネルのパターン形成方法を提
供する。
【0064】本発明の第13態様によれば、上記ノズル
先端と上記基板が上記非有効表示領域から上記有効表示
領域へ相対的に移行するとき、上記シリンダと上記ピス
トンで形成される上記流体輸送室の空間を減少させて上
記ペーストを吐出させる第10の態様に記載のディスプ
レイパネルのパターン形成方法を提供する。
【0065】本発明の第14態様によれば、上記ノズル
先端と上記基板が上記非有効表示領域を相対的に走行し
ているとき、上記シリンダと上記ピストンで形成される
上記流体輸送室の空間を増大させて上記ペーストの吐出
を停止し続ける第10の態様に記載のディスプレイパネ
ルのパターン形成方法を提供する。
【0066】本発明の第15態様によれば、上記ディス
ペンサーは、ペースト圧送装置としてシリンダとピスト
ンとこのピストンの少なくとも一部を収納するスリーブ
で形成される流体輸送室に上記ペーストを圧送すると共
に、上記シリンダと上記ピストン及び、このピストンと
上記スリーブに相対的な軸方向運動を与えることにより
上記流体輸送室の空間を増減させて上記ペーストの吐出
量を可変させる第2の態様に記載のディスプレイパネル
のパターン形成方法を提供する。
【0067】本発明の第16態様によれば、上記シリン
ダと上記ピストンの相対的な変位曲線と、上記ピストン
と上記シリンダの相対的な変位曲線とを概略逆位相とす
るか、或いは移動方向を逆にしつつ、上記ペーストの吐
出開始又は吐出停止を行なう第15の態様に記載のディ
スプレイパネルのパターン形成方法を提供する。
【0068】本発明の第17態様によれば、上記流量可
変式のディスペンサーは、軸とハウジングとを軸方向に
相対的に駆動することにより、上記軸と上記ハウジング
間の流通路の間隙を変化させて上記ペーストの流体抵抗
の増減を図って上記ペーストの吐出流量制御を行なう第
2の態様に記載のディスプレイパネルのパターン形成方
法を提供する。
【0069】本発明の第18態様によれば、上記ディス
ペンサーは、軸とハウジングとを相対的に回転させて上
記ペーストを上記ハウジングの吸入口から吐出口へ圧送
するポンピング圧力を発生させて、上記ペーストを吐出
させる第17の態様に記載のディスプレイパネルのパタ
ーン形成方法を提供する。
【0070】本発明の第19態様によれば、上記軸と上
記ハウジングとの相対移動面に形成された動圧シールに
より、上記ペーストの流出を遮蔽する第17の態様に記
載のディスプレイパネルのパターン形成方法を提供す
る。
【0071】本発明の第20態様によれば、上記ディス
ペンサーは、軸とハウジングを相対的に回転させると共
に、上記軸と上記ハウジングとを相対的に軸方向に移動
させることにより上記軸と上記ハウジング間の動圧シー
ルが形成された流通路の間隙を変化させて、上記ペース
トの流体抵抗の増減を図ることにより上記ペーストの流
量制御を行なう第19の態様に記載のディスプレイパネ
ルのパターン形成方法を提供する。
【0072】本発明の第21態様によれば、基板表面に
並列に設けられた複数本の光吸収層の間にペーストを吐
出してあるパターンのペースト層を形成するディスプレ
イパネルのパターン形成装置であって、基板を載置する
載置台と、上記ペーストを吐出する少なくとも1つのノ
ズルを有するディスペンサーと、上記ノズルと上記載置
台とを相対的に移動させる搬送部と、上記光吸収層間の
所定の位置に順次上記ペーストが吐出されるように上記
搬送部と上記ディスペンサーを制御する制御装置と、を
備えて、上記ディスペンサーはねじ溝式である、ディス
プレイパネルのパターン形成装置を提供する。
【0073】本発明の第22態様によれば、上記ディス
ペンサーは、上記ペーストの吸入孔及び吐出孔とを有し
かつ内部に流体輸送室が形成されたシリンダと、上記シ
リンダに収納されたピストンと、上記シリンダと上記ピ
ストンで形成される内部空間を増減させるために、上記
シリンダと上記ピストンに相対的な運動を与えるアクチ
ェータと、を備えて、上記吸入孔から上記流体輸送室内
に流入した上記ペーストは、上記内部空間に繋がる流路
を経て上記吐出孔に流出するように構成されている第2
1の態様に記載のディスプレイパネルのパターン形成装
置を提供する。
【0074】本発明の第23態様によれば、上記ディス
ペンサーは、ねじ溝式ディスペンサーに代えて、第1の
アクチェータと、上記第1のアクチェータによって直線
方向に駆動されるピストンと、このピストンを収納しか
つ上記ペーストの吸入孔及び吐出孔とを有するハウジン
グと、上記ピストンと同軸上に配置されたシリンダと、
上記ピストンと上記シリンダの間に相対的な回転運動を
与える第2のアクチェータとを備えて、上記ピストンと
上記ハウジングの間に、上記吸入孔及び吐出孔と連絡す
るポンプ室を形成して、上記第1のアクチェータ又は上
記第2のアクチェータの駆動による上記ピストンと上記
シリンダの相対的な回転運動或いは直線運動によって、
上記ポンプ室にポンプ作用が与えられるように構成さ
れ、かつ、上記第1のアクチェータが外部から電気磁気
的な非接触の電力供給されて移動もしくは伸縮すること
により上記ピストンを移動させる第21の態様に記載の
ディスプレイパネルのパターン形成装置を提供する。
【0075】本発明の第24態様によれば、上記ディス
ペンサーは、ねじ溝式ディスペンサーに代えて、軸と、
この軸を収納しかつ上記軸との間で形成されるポンプ室
と外部を連絡する上記ペーストの吸入口及び吐出口有す
るハウジングと、上記軸と上記ハウジングとを相対的に
回転させる装置と、上記軸と上記ハウジング間の軸方向
相対変位を与える軸方向駆動装置と、上記ポンプ室内に
流入された上記ペーストを吐出口側に圧送する装置とを
備えて、上記ポンプ室と上記吐出口の間の上記ペースト
の流体抵抗の増減を図るために、上記軸方向駆動装置に
よって上記軸と上記ハウジング間の間隙が変化するよう
に構成されている第21の態様に記載のディスプレイパ
ネルのパターン形成装置を提供する。
【0076】本発明の第25態様によれば、上記ディス
ペンサーは、ピストンと、上記ピストンを収納しかつ上
記ペーストの吸入口と吐出口とを有するハウジングと、
上記ピストンと上記ハウジングとを相対的に移動させる
第1のアクチェータと、上記ピストンの少なくとも一部
を収納し軸方向に貫通した空間を有するシリンダと、上
記シリンダと上記ハウジングとを相対的に移動させる第
2のアクチェータと、上記ピストンと上記シリンダと上
記ハウジングとで形成されるポンプ室に外部より上記吸
入口から上記ペーストを供給して上記吐出口より吐出さ
せる第21の態様に記載のディスプレイパネルのパター
ン形成装置を提供する。
【0077】本発明の第26態様によれば、上記ディス
ペンサーは、シリンダに収納されたピストンと、上記シ
リンダと上記ピストンで形成される内部空間を増減させ
るために、上記シリンダと上記ピストンに相対的な運動
を与えるアクチェータと、上記シリンダを収納或いは上
記シリンダと一体化し、かつ、上記ペーストの吸入孔及
び吐出孔とを有するハウジングと、上記ハウジング内部
に形成された流体輸送室から構成され、上記吸入孔から
上記流体輸送室内に流入した上記ペーストは、上記内部
空間に繋がる流路を経て上記吐出孔に流出するように構
成されているディスプレイパネルのパターン形成装置を
提供する。
【0078】本発明の第27態様によれば、上記ピスト
ンとその対向面の隙間は、上記ペースト遮断時、吐出材
料に含まれる粒子の粒径よりも大きく形成されているデ
ィスペンサーを用いている、第26の態様に記載のディ
スプレイパネルのパターン形成装置を提供する。
【0079】本発明の第28態様によれば、上記吸入口
から上記吐出ノズルに至る流通路において、上記ペース
ト遮断時の最小隙間は8μm以上である、第27の態様
に記載のディスプレイパネルのパターン形成装置を提供
する。
【0080】本発明の第29態様によれば、上記制御装
置は、上記ペースト層を形成する有効表示領域と、この
有効表示領域の外側に上記ペースト層を形成しない非有
効表示領域を有する上記基板のうちの上記有効表示領域
を上記ディスペンサーが相対的に走行しているときは上
記ペーストを吐出する一方、上記非有効表示領域を上記
ディスペンサーが相対的に走行しているときは上記ペー
ストの吐出を遮断するように制御する、第21の態様に
記載のディスプレイパネルのパターン形成装置を提供す
る。
【0081】本発明の第30態様によれば、上記ペース
ト層として電極層を形成する有効表示領域と、上記有効
表示領域と隣接して配置され、かつ、連続した上記電極
層と不連続の電極層を形成する準有効表示領域と、上記
有効表示領域と上記準有効表示領域の外側に仮想的に設
けられかつ電極層を形成しない非有効表示領域とを有す
る上記基板のうちの上記有効表示領域と上記準有効表示
領域とを上記ディスペンサーが相対的に走行していると
きは上記ペーストを吐出する一方、上記非有効表示領域
を上記ディスペンサーが相対的に走行しているときは上
記ペーストの吐出を遮断するようにした第1の態様に記
載のディスプレイパネルのパターン形成方法を提供す
る。
【0082】本発明の第31態様によれば、上記準有効
表示領域内で上記ペーストの吐出が開始されるか、もし
くは上記有効表示領域での吐出が上記準有効表示領域内
で遮断される第2の態様に記載のディスプレイパネルの
パターン形成方法を提供する。
【0083】本発明の第32態様によれば、等ピッチで
配設された複数本のノズルを有するディスペンサーによ
り、上記有効表示領域に隣接した上記準有効表示領域内
で上記ペーストの複数本のストライプ状の吐出を開始
後、上記有効表示領域を経由して、上記有効表示領域の
もう一方の側に隣接した上記準有効表示領域内で上記ペ
ーストの上記複数本のストライプ状の吐出を遮断する第
3の態様に記載のディスプレイパネルのパターン形成方
法を提供する。
【0084】本発明の第33態様によれば、等ピッチで
配設された複数本のノズルを有するディスペンサーによ
り、上記準有効表示領域内の上記ペースト層の中で同一
の傾斜角を有する屈曲した複数のストライプ状の電極層
だけを選び、上記準有効表示領域内、及び/又は、上記
有効表示領域内で同時的に上記複数本のストライプ状の
吐出を行なって、上記複数のストライプ状の上記電極層
を形成する第2の態様に記載のディスプレイパネルのパ
ターン形成方法を提供する。
【0085】本発明の第34態様によれば、上記準有効
表示領域内で上記ペーストの吐出を遮断するとき、上記
ディスペンサーの内部流路の隙間の増大に伴う負圧の発
生を利用して上記吐出遮断を行なう第3の態様に記載の
ディスプレイパネルのパターン形成方法を提供する。
【0086】
【発明の実施の形態】本発明の記述を続ける前に、添付
図面において同じ部品については同じ参照符号を付して
いる。
【0087】以下に、本発明にかかる実施の形態を図面
に基づいて詳細に説明する。
【0088】以下、本発明のディスプレイパネルのパタ
ーン形成方法及び形成装置をプラズマディスプレイパネ
ル(以下PDP)のPDP用基板61への蛍光体層形成
方法及び形成装置に適用した第1実施形態について、図
1の概略斜視図を用いて説明する。
【0089】50はパネルの一部を構成するPDP用基
板61を載置するための載置台であり、例えば、PDP
用基板61を位置決め保持可能な、単なる固定盤又はX
Yステージなどで構成される。載置台50の両側を挟ん
で1対のY軸方向搬送装置51、52が設けられてい
る。また、X軸方向搬送装置53が、Y−Y’方向に移
動可能に、上記Y軸方向搬送装置51、52上に搭載さ
れている。さらに、Z軸方向搬送装置54が、矢印X−
X’方向に移動可能に、上記X軸方向搬送装置53上に
搭載されている。
【0090】Z軸方向搬送装置54には、ディスペンサ
ー55を離脱可能に装着したシリンジ装着部56が、Z
−Z’方向に移動可能に搭載されている。
【0091】Y軸方向搬送装置51、52は、エンコー
ダ付きのY軸モータ57a、57bの駆動によってX軸
方向搬送装置53をY−Y’方向に搬送する。エンコー
ダからのそれぞれの出力情報(言い換えれば搬送位置情
報)は制御装置100に入力されて、Y軸モータ57
a、57bの動作制御などに使用される。
【0092】また、X軸方向搬送装置53は、エンコー
ダ付きのX軸用モータ58の駆動によってZ軸方向搬送
装置54をX−X’方向に搬送する。エンコーダからの
出力情報(言い換えれば搬送位置情報)は制御装置10
0に入力されて、X軸用モータ58の動作制御などに使
用される。
【0093】また、Z軸方向搬送装置54は、エンコー
ダ付きのZ軸用モータ89の駆動によってシリンジ装着
部56をZ−Z’方向に搬送する。エンコーダからの出
力情報(言い換えれば搬送位置情報)は制御装置100
に入力されて、Z軸用モータ89の動作制御などに使用
される。
【0094】Y軸モータ57a、57bはモータドライ
バ91a,91bを介して、X軸用モータ58はモータ
ドライバ92を介して、Z軸用モータ89はモータドラ
イバ93を介して、ディスペンサー55はディスペンサ
ー制御部94を介して、それぞれ、制御装置100に接
続されている。Y軸モータ57a、57b、X軸用モー
タ58、Z軸用モータ89、ディスペンサー55は、そ
れぞのエンコーダからの出力情報を基に、制御装置10
0により、動作制御される。
【0095】なお、X軸方向搬送装置53とY軸方向搬
送装置51、52とにより、吐出ノズルを載置台50に
対してを相対的に移動させる搬送部の一例を構成として
いる。搬送部の他の例としては、図27に示しかつ後述
するXYテーブルである。
【0096】ディスペンサー55には、基板撮像装置の
一例としてのCCDセンサもしくはラインセンサなどの
基板位置検出カメラ90が固定され、基板位置検出カメ
ラ90により撮像された画像情報は、制御装置100に
入力される。制御装置100には、データ及びプログラ
ムなど記憶するメモリ101が接続されている。
【0097】上記した構成を有する上記パターン形成装
置によって、PDP用の基板61に蛍光層が形成され
る。
【0098】まず、赤色(R)蛍光体層形成用のペース
ト状蛍光体を収容したシリンジ59をディスペンサー5
5に着脱可能に装着する。
【0099】図2に示すように、PDP用基板61は、
PDPの有効表示部に対応する蛍光体層を形成する有効
表示領域60aと、この有効表示領域60aの外側例え
ば外周部に配置されかつ蛍光体層を形成しない非有効表
示領域60bとを有する。この基板61を載置台50の
所定位置に載置して固定する。
【0100】例えば、42インチのPDP用基板の場
合、厚さ3.0mmのガラス板からなる基板61の有効
表示領域60aには、予め矢印X−X’方向に平行に長
さL=560mm、高さH=100μm、幅W=50μ
mのリブ(光吸収層或いは)が、ピッチPの間隔を保っ
て、1921本形成されている。この1921本のリブ
によって1920本の溝が形成されているので、R、
G、B蛍光体は、それぞれ640本(=1920本/
3)の溝に塗布されることになる。
【0101】まず、準備動作として、PDP用基板61
に対するディスペンサー55による蛍光体層の画線の位
置を決める方法について説明する。
【0102】例えば、基板位置検出カメラ90を用い
て、大略四角形のPDP用基板61の2箇所(例えば対
角の2箇所)もしくは3箇所に形成された位置合わせマ
ーク(アライメントマーク)をそれぞれ検出する。
【0103】次に、基板位置検出カメラ90によって、
PDP用基板61の光吸収層の位置情報を検出する。こ
のとき、光吸収層は、載置台50側から投射されてPD
P用基板61を貫通した透過光もしくはディスペンサー
55側に備えた投射光のPDP用基板61での反射によ
って検出する。必要ならば画像処理を施すことにより、
白黒を明確にする。求められた光吸収層の位置情報は、
制御装置100により、メモリ101に記憶させる。こ
のとき、全ての光吸収層を検出するようにしてもよい
し、全ての光吸収層から適宜選択された一部の光吸収層
を検出して、他の光吸収層の位置情報は類推するように
してもよい。
【0104】また、上記した光吸収層の検出動作の代わ
りに、光吸収層の位置情報を予めメモリ101に記憶さ
せておき、記憶された光吸収層の位置情報を制御装置1
00で読み出すようにしてもよい。
【0105】次に、上記アライメントマークの位置情報
を基準にして、光吸収層の位置情報を基に、上パターン
形成装置の座標軸からみた塗布開始位置b(ストライプ
を書き始める位置)のXY座標を決定する。この場合、
例えば、上記アライメントマークの位置情報を基準にし
て塗布開始位置bのXY座標を決定したのち、光吸収層
の位置情報(例えば、位置bと位置cとの間の距離情
報)を基に、その他の位置(準備位置a、塗布開始位置
b、塗布終了位置c、屈曲位置d、屈曲位置e、塗布開
始位置f、塗布終了位置g、屈曲位置h、....など
の位置)のXY座標を決定する。ここで、塗布開始位置
b及び塗布終了位置c及び塗布開始位置f及び塗布終了
位置gは、それぞれ、有効表示領域60aと非有効表示
領域60bとの境界位置である。屈曲位置d及び屈曲位
置e及び屈曲位置hは、それぞれ、X又はX’方向とY
又はY’方向との移動方向を切り換えて屈曲するように
ディスペンサー55を移動させる位置である。
【0106】なお、図2の変形例として、図28には、
塗布開始位置b及び塗布終了位置c及び塗布開始位置f
が、有効表示領域60aと非有効表示領域60bとの境
界ではなく、非有効表示領域60b内に位置する場合を
例示している。よって、一般的に言えば、塗布開始位置
及び塗布終了位置は、それぞれ、非有効表示領域60b
内の任意の位置か、又は、有効表示領域60aと非有効
表示領域60bとの境界位置であり、屈曲位置は、常
に、非有効表示領域60b内の任意の位置である。
【0107】次に、光吸収層の位置情報を検出する際
に、場合によっては、レーザーなどを使用して、Z軸情
報(ディスペンサー55のノズル先端とその対向面間の
距離であって、うねりや曲がりなどの情報)も読み取
る。PDP用基板61にうねりがある場合、或いは曲面
の場合において、ディスペンサー55のノズル先端とそ
の対向面間の距離が一定となるようにZ軸を駆動する際
に、このZ軸情報は必要である。この場合も、レーザー
などを使用してZ軸情報を直接的に読み取る代わりに、
先に検出されたZ軸情報を予めメモリ101に記憶させ
ておき、記憶されたZ軸情報を制御装置100で読み出
すようにしてもよい。
【0108】次に、制御装置100の制御による吐出動
作について説明する。
【0109】最初に、ディスペンサー55をR(赤色)
蛍光体(以下、「R蛍光体」と称する。)の塗布開始の
ため、準備位置aまで移動し、Z軸情報を基に、制御装
置100の動作制御により、Z軸用モータ89を駆動し
て吐出ノズル62の先端を所定の高さに位置決めする。
【0110】次に、制御装置100の制御によりX軸用
モータ58を駆動させて吐出ノズル62を矢印X方向へ
移動させて、X軸用モータ58のエンコーダからの出力
情報により制御装置100で吐出ノズル62が塗布開始
位置bに位置したことを検出する。すると、制御装置1
00の制御により、吐出ノズル62からR蛍光体の吐出
を開始すると同時に、さらに矢印X方向へ吐出ノズル6
2を一定速度で移動させてPDP用の基板61に対する
ストライプ状の蛍光体塗布を開始する。吐出ノズル62
が1本のリブの長さL(図2)だけ塗布線を描き、X軸
用モータ58のエンコーダからの出力情報により制御装
置100で、吐出ノズル62の先端が有効表示領域60
aから非有効表示領域60bに入る塗布終了位置cに至
ったことを検出する。すると、制御装置100の制御に
より、蛍光体の吐出を停止する。その後、制御装置10
0の制御により、さらに、吐出ノズル62がX方向に移
動され続けて、X軸用モータ58のエンコーダからの出
力情報により制御装置100で、屈曲位置dに至ったこ
とを検出する。すると、X軸用モータ58の駆動を停止
して、吐出ノズル62のX方向への移動を停止する。
【0111】次に、吐出ノズル62は蛍光体の吐出を停
止したままで、制御装置100の制御により、Y軸モー
タ57a、57bが同期駆動されて、吐出ノズル62は
屈曲位置dから屈曲位置eに向けて3P(すなわち、リ
ブ(又は光吸収層)の配置ピッチPの3倍の間隔)だけ
矢印Y方向へ移動する。すなわち、制御装置100の制
御により、Y軸モータ57a、57bのエンコーダから
の出力情報により制御装置100で吐出ノズル62が屈
曲位置eに到達したことが検出されると、Y軸モータ5
7a、57bの駆動を停止して、吐出ノズル62のY方
向への移動を停止する。
【0112】次に、制御装置100の制御によりX軸用
モータ58を再び駆動させて吐出ノズル62を屈曲位置
eから塗布開始位置fに向けてX’方向に移動を開始す
る。X軸用モータ58のエンコーダからの出力情報によ
り制御装置100で吐出ノズル62が塗布開始位置fに
到達したことを検出すると、再び、吐出ノズル62から
R蛍光体の吐出を開始すると同時に、矢印X’方向へさ
らに一定速度で吐出ノズル62を移動させてPDP用の
基板61に対するストライプ状の蛍光体塗布を再開す
る。吐出ノズル62が1本のリブの長さL(図2)だけ
塗布線を描き、X軸用モータ58のエンコーダからの出
力情報により制御装置100で、吐出ノズル62の先端
が有効表示領域60aから非有効表示領域60bに入る
塗布終了位置gに至ったことを検出する。すると、制御
装置100の制御により、蛍光体の吐出を停止する。そ
の後、制御装置100の制御により、さらに、吐出ノズ
ル62がX’方向に移動され続けて、X軸用モータ58
のエンコーダからの出力情報により制御装置100で、
屈曲位置hに至ったことを検出する。すると、X軸用モ
ータ58の駆動を停止して、吐出ノズル62のX’方向
への移動を停止する。
【0113】ここで、屈曲位置hを先の屈曲位置dと読
み替えて、3P(すなわち、リブ(又は光吸収層)の配
置ピッチPの3倍の間隔)だけ矢印Y方向へ移動して新
たな準備位置aまで移動し、再び、上記したような上記
ステップを繰り返し、塗布本数が640本になると、R
蛍光体による作業は終了する。
【0114】以上が蛍光体塗布の基本ステップである
が、残されたG(緑色)蛍光体(以下、「G蛍光体」と
称する。)、B(青色)蛍光体(以下、「B蛍光体」と
称する。)の塗布については、別途設置されたG蛍光体
専用載置台を有するG蛍光体用パターン形成装置、B蛍
光体専用載置台を有するB蛍光体用パターン形成装置
に、PDP用基板61を順次移送して、それぞれのパタ
ーン形成装置でパターン形成を行なうようにしてもよ
い。或いは同一のパターン形成装置のZ軸方向搬送装置
54に、3種類(R(赤色),G(緑色),B(青色)
蛍光体塗布用)のディスペンサーをそれぞれ配置して、
それぞれの色毎に蛍光体吐出動作を行なうようにしても
よい。
【0115】なお、上記したように、吐出ノズル62の
始終端の位置(塗布開始位置b、塗布終了位置c、塗布
開始位置f、塗布終了位置gなど)と、塗布開始・終了
のタイミング、及び、ディスペンサーすなわち吐出ノズ
ル62の移動速度と同期した塗布量の制御は、制御装置
100により、予めプログラミングされた始端と終端位
置情報、及び吐出ノズル62からの変位・速度情報に基
づいて行なわれる。このようにして、リブ間の溝の内面
形状に沿ったR,G,Bの蛍光体層の形成作業がすべて
終了すると、ディスペンサー55の吐出ノズル62の先
端位置は、ホームポジション(例えば、図2の準備位置
a)に復帰する。以上、スクリーン・ストライプの塗布
行程が終了すると、基板61を搬送後、蛍光体の乾燥行
程へ移行する。
【0116】[1] ねじ溝式ディスペンサー 以下、本発明の第1実施形態にかかるPDP用基板61
への蛍光体層形成方法及び形成装置のより具体的な構造
ついて、図3〜図5(C)を用いて説明する。
【0117】図3において、350はねじ溝式のディス
ペンサー(先の説明のディスペンサー55に相当。)の
回転軸、351はこの回転軸の吐出側を収納するスリー
ブ、352はこのスリーブ351の内面と回転軸350
の相対移動面に形成されたねじ溝(溝の部分を黒く塗り
つぶしている)、353はスリーブ351に形成された
吸入口、354はスリーブ351の先端に配置された吐
出部、355はこの吐出部354に設けられた吐出ノズ
ル(先の説明の吐出ノズル62に相当。)、356は回
転軸350に固着したモータのロータ、357はモータ
のステータ、358、359は回転軸350を支持する
軸受、360、361は上記軸受358、359とモー
タステータ357を収納する上部ハウジング及び下部ハ
ウジング、352はモータの回転数を検出して制御装置
100に出力するエンコーダである。
【0118】さて、第1実施形態におけるスクリーン・
ストライプの形成方法は下記のようである。図2を用い
て説明すると、吐出ノズル355、言い換えれば、上記
ねじ溝式のディスペンサーが走行を開始するとき、吐出
ノズル355の先端は非有効表示領域60b内[図2の
準備位置a参照]にあるものとする。通常、ディスペン
サーの駆動装置であるX軸方向搬送装置53が駆動を開
始した後、ディスペンサーが定常速度に到達するまでに
は、0.01〜0.1秒の時定数を必要とする。この制
御系の時定数の大きさは、移載物の質量、モータのパワ
ー、過渡状態における許容される振動の大きさなどによ
って決定される。以下、ディスペンサーの移動速度が、
[1]非有効表示領域内で定常速度になる場合、[2]
有効表示領域内で定常速度になる場合、の2ケースに分
けて説明する。
【0119】[1]非有効表示領域内で定常速度になる
場合 図4は、上記第1実施形態における「時間に対するディ
スペンサーの移動速度」を示すものである。図5(C)
は、「ねじ溝回転数と時間の関係」を示すもので、Ns
はねじ溝回転数の基本成分である基本入力波形である。
なお、図4〜図5(C)の横軸での、「a,b,c,
d」はそれぞれ準備位置a、塗布開始位置b、塗布終了
位置c、屈曲位置dを通過する時間を意味する。
【0120】基板61上に塗布される塗布線の単位長さ
当りの総量は、ディスペンサーの速度に逆比例する。ま
た、定常状態では、ねじ溝の回転数と吐出流量Qはリニ
アに比例すること注目する。従って、上記第1実施形態
では、ディスペンサーの速度:Vsに逆比例した関係式
で、ねじ溝の回転数の基本成分である基本入力波形:N
sを設定している。
【0121】上記第1実施形態では、ディスペンサーの
速度が十分に遅い場合は、回転数の基本入力波形:Ns
を用いて、始終点を含む連続線を支障なく塗布すること
ができる。
【0122】しかし、生産タクトアップを図るために、
例えば、ディスペンサーの速度をVs>100mm/s
ecに設定するたとき、以下述べる問題が発生する。
【0123】塗布開始時の課題 上記ノズル先端が上記有効表示領域へ相対的に移行する
と同時に、ねじ溝352が形成された回転軸350の回
転を急峻に開始する。このとき、回転開始と同時に基板
61上に描画線は描けず、連続描画線が描けるまでの
間、塗布線の欠落、細り等の不具合が発生する。この理
由は、次のようである。吐出ノズル355の先端から流
出した流体は、流出開始直後は流速が小さいためにノズ
ル355から分離できず、ノズル先端に表面張力による
流体塊が形成される。流速が上昇して塗布流体の運動エ
ネルギが増加すると、表面張力に打ち勝ち、流体はノズ
ル355から離脱する。このとき、ノズル先端の流体塊
も同時に基板61上に滴下するために、塗布線の欠落、
細りの後に、ボタ落ち部分が生じる。
【0124】塗布終了時の課題 塗布の終点においては、次のようである。ノズル先端が
有効表示領域60aから非有効表示領域60bへ相対的
に移行する手前で、ねじ溝352の回転を急降下させ
る。その結果、基板61への塗布は停止するが、ノズル
先端から流体流出は完全には止まらないため、ノズル3
55がUターン区間(例えば、屈曲位置dから屈曲位置
eに至る区間)を走行中の間も、ノズル先端の流体塊は
成長し続ける。
【0125】ノズル先端が、非有効表示領域60bから
有効表示領域60aへ移行する手前で、回転を開始させ
ると、まず最初にノズル先端の流体塊のボタ落ちが発生
する。
【0126】以降、前述したように塗布線の欠落、細り
等が生じる。
【0127】上記、の課題に対して、上記第1実施
形態では、始終端に係る上述した課題を次の方法で解決
を図っている。
【0128】ねじ溝回転数の基本入力波形Ns[図5
(A)]に、補正項(補正分)ΔN[図5(B)]を加
えた入力波形Nt[図5(C)]により、ねじ溝352
を回転させる。補正項ΔNは、ディスペンサーの過渡的
な流量特性を補正するものである。塗布の開始点では、
ねじ溝352の回転を加速させた後、すみやかに定常回
転に復帰させる。その結果、吐出開始直後に表面張力に
打ち勝つ大きな運動エネルギが流体に与えられるため
に、ノズル先端に流体塊を作ることなく塗布を開始でき
る。
【0129】塗布の終了点では、図5(C)のごとく、
ねじ溝352の回転を急速に減速し停止させる。その結
果、Uターン区間(非有効表示領域60b)を走行する
前段階で、ノズル先端の流体塊を僅少の状態にでき、塗
布開始時のボタ落ちを防止できる。
【0130】また、Uターン区間を走行時している間、
ねじ溝352を緩やかに逆転させて、ノズル先端の流体
塊を若干ノズル内部に吸引させた状態を保つことによ
り、塗布開始時のボタ落ちはさらに効果的に防止でき
る。
【0131】[2]有効表示領域内で定常速度になる場
合 この場合も[1]と同様に、ディスペンサーの移動速度
に比例して決まる基本入力波形Nsに、塗布開始時の吐
出遅れと塗布終了時の流体塊の発生を防止する補正項Δ
Nを加えた入力波形Ntにより、ねじ溝を回転させれば
よい。
【0132】上記ディスペンサーを用いた直接描画方式
でスクリーンストライプを形成する場合、生産タクトの
面からディスペンサーは複数本配置されるのが好まし
い。この場合、各ディスペンサ−の流量をどのように一
致させるかが大きな課題となる。ポンプ部を含むディス
ペンサーの寸法緒元、モータ等の駆動条件を同一に設定
しても、各ディスペンサ−の流量はバラツキが生じる場
合が多い。上記第1実施形態では、流量がねじ溝の回転
数にほぼ比例することを利用して、モータの基本回転
数:Nsを基に、各ディスペンサーの回転数をδNsだ
け個別に補正すれば、流量を一致させることができる。
また、R,G,Bのそれぞれ蛍光体の流動特性の違いが
流量差をもたらす場合でも、モータの回転数の設定で補
正できる。この方法は、ねじ溝式を用いた以下示す第2
〜5実施形態にも適用できる。
【0133】以下、本発明を第2実施形態として、蛍光
体層形成方法及び形成装置に適用したディスペンサーに
ついて、図6〜図11を用いて説明する。
【0134】以下示す第2実施形態のディスペンサー
は、ピストンと該ピストンを収納するスリ−ブの間に、
相対的な回転運動と直線運動を同時に与える「2自由度
アクチュエータ」を有する。すなわち、 第1のアクチュエータでピストンを直線駆動すること
により、ピストンの吐出側端面に正負のスクイーズ圧力
を発生させる。
【0135】回転運動を与える第2のアクチュエータ
で、ねじ溝が形成されたピストンを回転させてポンピン
グ圧力を発生させ、塗布流体を吐出側に圧送する。
【0136】上記、の組み合わせにより、有効表示
領域と非有効表示領域の境界部における塗布線の高速遮
断・高速開放の制御を実現したものである。
【0137】図6において、1は第1のアクチェータで
あり、この第2実施形態では、高い位置決め精度が得ら
れ、高い応答性を持つと共に大きな発生荷重が得られる
超磁歪素子を用いている。2は第1のアクチェータ1に
よって駆動される主軸(ピストン)である。上記第1の
アクチェータ1は、ハウジング3に収納されており、こ
のハウジング3の下端部(フロント側)に、主軸2を収
納するポンプ部4が装着されている。
【0138】5は第2のアクチェータであり、主軸2と
ハウジング3の間に相対的な回転運動を与えるものであ
る。モータロータ6は上部主軸7に固着され、また、モ
ータステータ8は上部ハウジング9に収納されている。
【0139】11、12は、超磁歪素子から構成される
円筒形状のリア側超磁歪ロッド及びフロント側超磁歪ロ
ッドである。13は、超磁歪ロッド11,12の長手方
向に磁界を与えるための磁界コイルである。14、1
5、16は、超磁歪ロッド11,12にバイアス磁界を
与えるためのリア側、中間部、フロント側の永久磁石で
ある。リア側とフロント側の永久磁石14、16が、超
磁歪ロッド11,12と中間部永久磁石15を矜持する
形で配置されている。
【0140】この永久磁石14〜16は、超磁歪ロッド
11,12に予め磁界をかけて磁界の動作点を高めるも
ので、この磁気バイアスにより磁界の強さに対する超磁
歪の線形性が改善できる。
【0141】17は、超磁歪ロッド11のリア側に配置
され、磁気回路のヨーク材をであるリア側ヨーク、18
は超磁歪ロッド12のフロント側に配置され、ヨーク材
を兼ねたフロント側スリーブ、19は磁界コイル13の
外周部に配置された円筒形状のヨーク材である。
【0142】超磁歪ロッド12→永久磁石15→超磁歪
ロッド11→永久磁石14→リア側ヨーク17→ヨーク
材19→フロント側スリーブ18→16→超磁歪ロッド
12により、超磁歪ロッド11,12の伸縮を制御する
閉ループ磁気回路を形成している。なお、主軸2はこの
磁気回路に影響を与えないように、非磁性材料を用いて
いる。すなわち、超磁歪ロッド11,12、磁界コイル
13、永久磁石14〜16、リア側ヨーク17、フロン
ト側スリーブ18、ヨーク材19により、磁界コイル1
3に与える電流で超磁歪ロッド11,12の軸方向の伸
縮を制御できる超磁歪アクチェータ(第1のアクチェー
タ1)を構成している。
【0143】20は上部主軸7を回転自在、かつ軸方向
に移動可能に収納するリア側スリーブである。このリア
側スリーブ20もまた軸受38により、中間ハウジング
21に対して回転自在に支持されている。
【0144】22はリア側ヨーク17とリア側スリーブ
20の間に装着されたバイアスバネである。このバイア
スバネ22から加わる軸方向荷重により、超磁歪ロッド
11,12はバイアス永久磁石14〜16を介在して、
上下のリア側ヨーク17,フロント側スリーブ18に押
圧される形で把持されている。この結果、超磁歪ロッド
11,12には常に軸方向に圧縮応力が加わるため、繰
り返し応力が発生した場合に、引っ張り応力に弱い超磁
歪素子の欠点が解消される。
【0145】フロント側スリーブ18は主軸2を軸方向
移動可能に収納している。モータ5から伝達された主軸
2の回転動力は、主軸2、フロント側スリーブ18の間
に設けられた回転伝達キー23によってフロント側スリ
ーブ18に伝達される。また、フロント側スリーブ18
も軸受24によって、ハウジング3に回転自在に支持さ
れている。
【0146】上記構成により、モータ5の回転動力は主
軸2とフロント側スリーブ18のみに伝達され、脆性材
料である超磁歪素子に捻りトルクは発生しない。
【0147】また、リング状に形成された超磁歪素子1
1、12と永久磁石14〜16は、非磁性材料の主軸2
を貫通する形で配置されている。また、主軸2の外周部
と上記超磁歪ロッド及び上記永久磁石の内周部の間の隙
間は十分に小さく設定している。その結果、装置の回転
時に各部材に加わる遠心力の影響によって、上記超磁歪
ロッド及び上記永久磁石の軸芯が大きくずれることはな
い。
【0148】すなわち、各部材を貫通して設けられた主
軸2は、脆性材料である超磁歪素子に対して圧縮応力以
外は与えない「保護機能」と、回転時の「軸芯ズレの防
止機能」を兼ねている。
【0149】25は、第2のアクチェータであるモータ
5の上部に配置された上部主軸7の回転位置情報を検出
するためのエンコーダである。また、26は上部主軸7
(及び主軸2)の上端面27の軸方向変位を検出するた
めの変位センサーである。
【0150】上記構成により、回転運動と微少変位の直
線運動の制御を同時に、かつ独立して行うことができる
「2自由度・複合動作アクチュエータ」が実現できる。
さらに、この第2実施形態では、第1のアクチェータに
超磁歪素子を用いたために、超磁歪ロッド11,12
(及び主軸2)を直線運動させるための動力を、外部か
ら非接触で与えることができる。
【0151】超磁歪素子に加えた入力電流と変位は比例
するため、変位センサーなしのオープンループ制御で
も、上記主軸2の軸方向位置決め制御は可能である。し
かし、上記第2実施形態のような位置検出手段(機構又
は装置)を設けてフィードバック制御をすれば、超磁歪
素子のヒステリシス特性も改善できるため、より高い精
度の位置決めができる。
【0152】さて、上記第2実施形態では、主軸2の軸
方向位置決め機能を用いて、主軸2の定常回転状態を保
ったままで、主軸2の吐出側端面の隙間の大きさを任意
に制御することができる。この機能を用いて、吸入口3
2から吐出ノズル33に至るいかなる流通路の区間も機
械的に非接触の状態で、始終端における粉粒体の遮断・
開放の制御ができる。その原理をポンプ部4の詳細図で
ある図7、及びピストンの変位と発生圧力の関係を示す
図8〜図11を用いて説明する。
【0153】図7において、28は主軸2の外表面に形
成された流体を吐出側に圧送するためのラジアル溝(図
6では溝の部分を黒く塗りつぶしている一方、図7では
溝の部分にハッチングしている。)、29は流体シー
ル、30はシリンダである。
【0154】この主軸2とシリンダ30の間で、主軸2
とシリンダ30の相対的な回転によってポンピング作用
を得るためのポンプ室31(流体輸送室)を形成してい
る。また、シリンダ30には、ポンプ室31と連絡する
吸入孔32が形成されている。33はシリンダ30の下
端部に装着された吐出ノズル、34はシリンダ30の吐
出側端面に締結された吐出プレートである。35は主軸
2の吐出側端面、主軸2の吐出側端面35の対向面36
の中央部に吐出ノズル33の開口部37が形成されてい
る。図4で説明した流体圧送手段(機構又は装置)であ
るラジアル溝28は、スパイラルグルーブ動圧軸受とし
て知られている公知のものであり、また、ねじ溝ポンプ
としても利用されている。
【0155】さて実施形態では、超磁歪素子で駆動され
る主軸2(以下ピストンと呼ぶ。)が回転と同時に高速
の直線運動ができることを利用して、次の方法で塗布線
の始終端に係る課題の解決を図った。
【0156】塗布開始時には、ピストンを急速に降下
させると同時にモータの回転を開始する。
【0157】塗布終了時には、ピストンを上昇させる
と同時にモータの回転を停止する。
【0158】上記第2実施形態では、ピストンを超磁歪
素子で駆動しているため、ピストンの入力信号に対する
出力変位の応答性は、10−3sec(1000Her
z)のオーダーである。隙間の変化に対するスクイーズ
圧力発生の間の時間遅れは僅少であるため、モータで回
転数制御を行った第1実施形態の場合と比べて、流量制
御の応答性は1桁〜2桁高い。
【0159】図8は、超磁歪素子によって駆動されるピ
ストンの変位曲線、図9はモータの回転数を、N=0r
pmからN=200rpmまで立ち上げたときに発生す
るねじ溝のポンピング圧力Ppを示す。図10はピスト
ンを上昇・下降させることによって発生する、吐出ノズ
ルの上流側におけるスクーズ圧力Psの解析結果を示
す。図11は、上記ねじ溝のポンピング圧力Ppとスク
ーズ圧力Psを合成した圧力Pn(=Pp+Ps)であ
る。このスクーズ圧力Psは、次の(1)式のReyn
olds方程式を表1の条件下で解いて求めたものであ
る。
【0160】
【数1】 (1)式において、Pは圧力、μは流体の粘性係数、h
は対向面間の隙間、rは半径方向位置、tは時間、Uは
x方向相対速度、Vはy方向相対速度、である。また、
右辺が、隙間が変化するときに発生するスクイーズアク
ション効果をもたらす項である。
【0161】(1)塗布開始時 塗布開始前の状態では、モータの回転は停止しており、
ピストンはその対向面との間隙:Xp=40μmの状態
にある。t=0.02秒でピストンが間隙:Xp=40
→30μmへ急降下を開始すると、吐出ノズルの上流側
圧力:Pnは急上昇する。その理由は、(1)式のRe
ynolds方程式がdh/dt<0のとき発生するス
クイーズ作用によるものである。スクイーズ作用は、粘
性流体を用いた流体軸受の動圧効果の一種である。この
スクイーズ効果による急峻なピーク圧力(オーバーシュ
ート)の発生により、吐出ノズル先端での表面張力に打
ち勝つ大きな運動エネルギが流体に与えられるために、
ノズル先端に流体塊を作ることなく塗布を開始できる。
【0162】始点における塗布線をスムーズに描かせる
ためオーバーシュート圧力は、ピストンのストロークが
大きい程、立ち上がり時間が短い程大きい。すなわち、
吐出ノズル先端の流体の表面張力に打ち勝ちと共に、始
点での塗布線の「太り」にならない範囲で、このオーバ
ーシュート圧力の大きさを設定すればよい。
【0163】(2)定常走行時 0.03<t<0.07秒の間は、ピストンはその対向
面との間隙:Xp=30μmの状態を保ちながら、ねじ
溝の回転によるポンピング圧力Pbによる定量吐出によ
り、連続線が塗布される。ピストンとその対向面の間に
も流体抵抗があるが、間隙:Xp=30μmの流体抵抗
は十分に小さいために、必要流量を吐出させることがで
きた。
【0164】この区間ではスクイーズ圧力の発生はな
い。この理由は、スクイーズ圧力は隙間hが変化してい
るときのみ発生するからである。
【0165】(3)塗布終了時 t=0.07秒で,モータの減速と同時に、ピストンが
間隙:Xp=30→40μmへ上昇を開始すると、吐出
ノズルの上流側圧力Pnは、図11で示すように、一時
的に急降下する。圧力が急降下する理由は、ピストンが
急上昇してもスラスト端面とその対向面で形成される空
隙部のギャップはまだ十分に狭く、空隙部の外周部から
中心部の間で、求心方向の流体抵抗があるからである。
この流体抵抗により、容易には外周部から流体は補給さ
れず、圧力は降下する。理論的には、Reynolds
方程式((1)式)のdh/dt>0となる逆スクイー
ズ作用とも言うべき効果による。
【0166】大きなマイナス圧力となっているのは、R
eynolds方程式が流体の圧縮性を考慮していない
からである。実際は気泡などの発生により流体圧力は絶
対圧力ゼロ以下(Pn<0.0MPa)にはならない。
【0167】この急峻な負圧発生によって、吐出ノズル
からの流体が遮断されるだけでなく、ノズル先端の流体
塊をノズル内部に若干量吸引させるサックバックの効果
が得られる。スクイーズ圧力による負圧発生後は、モー
タの回転は停止しているため、ねじ溝のポンピング圧力
による吐出はない。従って、ノズルが非有効表示領域
(Uターン区間)を通過している間、ノズル内部の流体
のメニスカスは、ノズル先端で流体塊を作ることなく同
一の位置を保ち続ける。そのため、前述した流体塊のボ
タ落ちなどのトラブルは回避できる。
【0168】なお、実施形態では、ピストンとその対向
面の最小隙間は、Xmin=20μmに設定している。
実施形態の蛍光体の粒径はφd=7〜9μmであり、X
min>φdであるため、吸入口から吐出口に至る通路
で蛍光体の微粒子を機械的に圧搾・破損することはな
い。
【0169】すなわち、上記ピストンとその対向面の隙
間は、上記ペースト遮断時、吐出材料に含まれる粒子の
粒径よりも大きく形成されている。上記吸入口から上記
吐出ノズルに至る流通路において、上記ペースト遮断時
の最小隙間は、8μm以上が好ましい。
【0170】
【表1】
【0171】上記第2実施形態では、塗布線の始点・終
点をスムーズに描かせるためのオーバーシュート圧力と
サックバック圧力を、ピストンの軸方向運動によって得
ることができた。上記第2実施形態では、ピストン変位
曲線(図8に一例を示す)は任意の形状を設定すること
ができる。また、ピストンを駆動する超磁歪素子は高い
応答性をもつために、変位曲線が急峻な変化をしても十
分に追従できる。すなわち、超磁歪素子の変位・速度制
御により、モータの回転数制御ではできない微妙な始終
端の吐出圧力と流量の制御ができる。
【0172】上記第2実施形態では、超磁歪素子の軸方
向変位の制御と、モータの回転数制御を組み合わせるこ
とにより、連続塗布線の始終端の課題を解決すると共
に、Uターン区間において、吐出ノズルから材料のリー
クが無い完全遮断状態を任意の時間保つことができる。
第1実施形態で示したように、モータ回転数の基本入力
波形Nsに、補正項ΔNを加える方法と上記第2実施形
態の方法を組み合わせてもよい。
【0173】Uターン区間を十分に短く設定できる場合
は、後述する実施形態のように、モータの回転を維持し
たままで、ピストンのみの駆動により終点での流量遮断
と始点での開放ができる。
【0174】上記第2実施形態では、超磁歪素子を用い
た2自由度アクチュエータにより、ピストンに軸方向移
動と回転の両方の機能を与えてポンプ部を構成した。こ
の構成の代わりに、例えば、軸方向に移動しない回転軸
(外周側ピストン)を円筒形状として、この回転軸に中
心軸(内周側ピストン)を挿入し、回転軸をモータで駆
動し、中心軸を固定側に設置された電磁歪素子等で軸方
向に駆動させる構成でもよい。この場合、内周側ピスト
ンの吐出側端面とその対向面の隙間を増減させることに
より、終点での流量遮断と始点での開放ができる。要
は、流体輸送室の空間を増減できればよいのである。ま
た、外周側ピストンとこの外周側ピストンを収納する固
定側の相対移動面にねじ溝を形成すれば、上記第2実施
形態と同様に流体圧送手段(機構又は装置)にできる。
【0175】ディスプレイパネルのPDP用基板61の
外周部(図2の63)に障害物(例えばウオール)があ
る場合は、ディスペンサーの本体と障害物が接触しない
範囲で、吐出ノズル33の全長を長くとればよい。
【0176】また、流体圧送手段(機構又は装置)であ
るねじ溝ポンプは、本発明を実施する上で必ずしも必要
ではない。外部に設置された圧力源(ポンプ或いはエア
ー圧)を利用して、流体をポンプ室31に供給してもよ
い。この場合はピストンにねじ溝は形成する必要は無
い。例えば、流体圧送手段(機構又は装置)にエアー圧
を利用して、かつUターン区間を十分に短く設定できる
場合は、ピストンのみの駆動により、始終点での流量遮
断と開放の制御をすればよい。
【0177】以下、本発明の第3実施形態について、図
12〜図16を用いて説明する。第3実施形態は、ディ
スプレイパネルのPDP用基板61における塗布行程に
おいては、連続吐布停止後、塗布を再開させるまでの時
間、すなわち、ディスペンサーが非表示領域(Uターン
区間)を走行するために与えられる時間は、極めて短い
時間しか許されないという量産上の制約条件を逆に利用
したものである。すなわち、この「短い有限の時間のみ
有効な流量制御手段(機構又は装置)」を有するマイク
ロ・ディスペンサー(仮称)と、外部に設置された「流
体圧力の発生源」を組み合わせることにより、極めてシ
ンプルな構成で、前述したディスペンサー塗布方式にお
ける始終端の課題を解決したものである。
【0178】図12に、本発明の第3実施形態に適用し
たマイクロ・ディスペンサー200の正面断面図を示
す。201は直動型のアクチュエータであり、超磁歪素
子等による電磁歪型のアクチュエータ、静電型アクチュ
エータ或いは電磁ソレノイド等より構成される。上記第
3実施形態では、高い位置決め精度が得られ、高い応答
性を持つと共に大きな発生荷重が得られる超磁歪素子を
用いた。
【0179】202は第1のアクチュエータ201によ
って駆動されるピストン、203はこのピストン2を吐
出側端部で収納する固定スリーブ、204はアクチュエ
ータ201を収納するハウジング、205は固定スリー
ブ203を吐出側で固定する下部ハウジングである。2
06は超磁歪材料から構成される円筒形状の超磁歪ロッ
ドであり、この超磁歪ロッド206は第1及び第2バイ
アス永久磁石207、208を上下に挟んだ形で、上部
ヨーク209とヨーク材を兼ねた固定スリーブ203の
間に固定されている。210は超磁歪ロッド206の長
手方向に磁界を与えるための磁界コイル、211は円筒
形状のヨークでありハウジング204に収納されてい
る。超磁歪ロッド206→第1バイアス永久磁石207
→上部ヨーク209→ヨーク211→固定スリーブ20
3→第2バイアス永久磁石208→超磁歪ロッド206
により、超磁歪ロッド206の伸縮を制御する閉ループ
磁気回路を形成している。すなわち、部材206〜21
1により、磁界コイルに与える電流で超磁歪ロッドの軸
方向の伸縮量を制御できる超磁歪アクチュエータ1を構
成している。ピストン202は円筒形状をした上部ヨー
ク209と一体化して上方向にも伸びており、上部スリ
ーブ212に収納されている。ピストン202はこの上
部スリーブ212に対して、軸方向に移動可能なよう
に、軸受部213によって支持されている。上部スリー
ブ212と上部ヨーク209の間には、超磁歪ロッド2
06に機械的な軸方向与圧を与えるバイアスバネ214
が設けられている。上部スリーブ212の上端の中心部
には、ピストン202の端面位置を検出する変位センサ
ー215が調節自在に配置されている。216はピスト
ン202の小径部であるピストン細径軸、217は下部
ハウジング205に形成された吸入口、218はノズル
部、219はこのノズル部218に形成された吐出ノズ
ルである。吸入口217から流入した加圧流体は、固定
スリーブ203と下部ハウジング205で形成される流
体貯蔵室220に流入し、さらに後述する流体絞り部2
21を経て、吐出ノズル219に流入する。ピストン細
径軸216の吐出側端面とその対向面及び下部ハウジン
グ205の間で、吐出流量を制御する流量制御部222
が構成されている。
【0180】図13は前述した流量制御部222の近傍
の拡大図であり、223はピストン細径軸216(ピス
トン202)の吐出側端面、224はスリーブ203の
吐出側端面、225は223,224の対向面である。
226はピストン細径軸216と固定スリーブ203の
内面の間に設けられた流体シールである。228は吐出
ノズルの入口部に形成された液溜まり部である。ピスト
ン細径軸216の吐出側端面223とその対向面225
により、ピストン202の上昇・下降によって、容積の
変化するポンプ室227(流体輸送室)を形成してい
る。
【0181】以下、流体制御部222が下記表2の条件
で構成された場合について、前述したReynolds
方程式((1)式)を用いて、吐出流量を求める解析を
行なった。
【0182】解析条件は、流体の粘度:μ=10,00
0cps、体積弾性係数:K=300kg/cm
(29.5MPa)、境界部(流体絞り部221の外周
部)圧力:Ps=20kg/cm(2.06MPa)
である。
【0183】
【表2】
【0184】上記条件下で得られる吐出流量の解析結果
を図14に示す。
【0185】(1) 解析のスタート段階(t=0)で
は、流量(圧力)の初期値を適当な値を仮定している
が、すみやかに一定値に収束する。0<t<0.03秒
の間は連続描画の状態にある。
【0186】(2) t=0.03秒でピストンが上昇
を始めると、吐出流量は急速に低下し、開始から0.0
03sec(3msec)程度の立下り時間でたちまち
吐出は遮断される。
【0187】(3) 0.03<t<0.08秒の区間
では、吐出流量はゼロである。この区間はピストンは一
定の速度で上昇中である。
【0188】表2から、実施形態ではピストンストロー
ク:Xst=50μm、ピストン動作時間:Tp=0.
05secであるため、ピストンの上昇速度:v=50
μm/0.05sec=1.0mm/secである。
【0189】(4) t=0.08秒でピストンが停止
すると、以降0.01sec程度の立ち上がり時間で連
続塗布の状態にすみやかに復帰する。
【0190】以上の結果から、応答性の優れたアクチュ
エータを用いて、吐出流路の内部空間を急峻に増大させ
る実施形態の方法により、0.01秒或いはそれ以下の
オーダーの極めて応答性の優れた流量制御ができること
がわかる。
【0191】但し、吐出流量がゼロである時間はピスト
ンが上昇している間だけである。この遮蔽時間は、アク
チュエータの限界ストロークと上昇速度により決まる。
【0192】超磁歪素子を用いたアクチェータの場合、
素子10mmの長さでほぼ10μmの変位が得られる。
圧電素子を採用するならば、ほぼその半分の変位とな
る。
【0193】従って、図12の実施形態において、表2
の条件下では、例えば、50mmの長さの超磁歪素子の
ロット206を用いれば、Tp=0.05秒の間、吐出
量をOFFにできる。
【0194】上記解析では、液溜り部228の容積を大
きく設定し、また、液溜り部228の流体の圧縮性を考
慮しているが、非圧縮性に近い流体ならば、前述した立
ちあがり・立下り時間は、アクチュエータの応答性の限
界に近いところまで小さくできる。
【0195】ちなみに、超磁歪素子、圧電素子などの電
磁歪素子の場合、通常、10―4secのオーダーの応
答性が得られる。
【0196】電磁ソレノイド等のアクチェータも適用可
能であり、電磁歪素子と比べて応答性は1桁程悪くなる
が、ストロークの制約(すなわち許容停止時間)は大幅
に緩和される。
【0197】本発明の原理を直感的に理解しやすくする
ために、図13の流量制御部222を図15のような電
気回路モデルに置き換えてみる。
【0198】図15において、Psは流体絞り部221
の境界圧力、Rは流体絞り部221の流体抵抗、Rn
は吐出ノズル19の流体抵抗、Qpはピストン細径軸2
16の上昇速度とピストン面積で決まる流量源の大き
さ、Qnは吐出ノズル219を通過する流量を示す。
【0199】ここで、吐出ノズル219を通過する流量
Qnは、
【0200】
【数2】
【0201】Qn<0のとき、すなわち、次の条件のと
き吐出は遮断される。
【0202】
【数3】
【0203】上記(3)式から、流量制御を可能にする
ためには、流体絞り部221を設けて、かつ、流体絞り
部221がある値以上の流体抵抗Rを持つことが必要
条件ということが分かる。この流体絞り部に相当する部
分(流路面積が他の通路と比べて絞られた部分)は、流
体の供給源から流量制御部に至る通路のいずれかに設け
れば良い。
【0204】ピストンの最下点における対向面との隙間
Xminを十分に小さく設定した場合は、ピストンの吐
出側端面224とその対向面225間の半径方向の流体
抵抗Rsにより、この流体抵抗Rsを上記流体抵抗R
に置き換えることができる。この場合は、固定スリーブ
203は省略できる。但し、流体抵抗Rsが有効な値を
持つのは、ピストンとその対向面との隙間が十分に小さ
い間だけであり、ピストンが高く上昇した状態では流量
遮断の条件である式(3)は保てなくなる。その結果、
遮断状態を保てる時間は小さくなる。
【0205】上記第3実施形態では、「短い有限の時間
のみ有効な流量制御手段(機構又は装置)」を有するデ
ィスペンサーと、外部に設置された「流体圧力の発生
源」の2つを組み合わせて、描画線の始終端の課題の解
決を図っている。千本〜数千本のスクリーンストライプ
を、高い生産効率でディスプレイパネルに描くために
は、塗布装置に配置できるディスペンサーの本数はでき
るだけ多い方が好ましい。上記第3実施形態の場合、デ
ィスペンサーは細径でかつシンプルな構成にできるた
め、図16に示すように、マルチヘッド化が容易であ
る。
【0206】図16において、250は「短い有限の時
間のみ有効な流量制御手段(機構又は装置)」を有する
マイクロ・ディスペンサー、251は「流体圧力の発生
源」であるマスターポンプ、252はガラス基板であ
る。マスターポンプ251は、等ピッチで配設された複
数本のマイクロ・ディスペンサーに、同時に、図25に
示すように、複数本のストライプ状の塗布線を描かせる
ための流量供給能力と、発生圧力が必要である。
【0207】ここで、図16のマルチヘッド化されたパ
ターン形成装置でPDP用基板61に、複数の蛍光体ペ
ースト層を同時的に吐出形成する例を図25に示す。図
25において、ディスペンサー55の図2の準備位置
a、塗布開始位置b、塗布終了位置c、屈曲位置d、屈
曲位置e、塗布開始位置f、塗布終了位置gは、それぞ
れ、1つ目のマイクロ・ディスペンサーに対しては、準
備位置a、塗布開始位置b、塗布終了位置c、屈
曲位置d、屈曲位置e、塗布開始位置fとが対応
し、2つ目のマイクロ・ディスペンサーに対しては、準
備位置a、塗布開始位置b、塗布終了位置c、屈
曲位置d、屈曲位置e、塗布開始位置fとが対応
し、3つ目のマイクロ・ディスペンサーに対しては、準
備位置a、塗布開始位置b、塗布終了位置c、屈
曲位置d、屈曲位置e、塗布開始位置fとが対応
する。そして、これらの3本の塗布線は、3本のマイク
ロ・ディスペンサーが同期して移動することにより、同
時的に吐出されて塗布される。
【0208】なお、マスターポンプ251は、図16に
示すように、多数のマイクロ・ディスペンサーに対して
1個配置するものに限らず、任意の本数のマイクロ・デ
ィスペンサーにグループ分けして、各グループに対して
1個配置するようにしてもよいし、1本のマイクロ・デ
ィスペンサーに対して1個配置するようにしてもよい。
【0209】上記第3実施形態では、このマスターポン
プ251に、第1の実施形態(図3参照)と同様の構造
であるねじ溝ポンプを用いる。ねじ溝ポンプの場合、
粉粒体(蛍光体材料)を機械的に非接触の状態で、吸入
口から吐出口に輸送できる、流量を回転数によって可
変できる、定流量特性が得られる、流動性の悪い蛍
光体材料に、回転によるせん断力を与えることにより低
粘度化が図れる、等の特徴を有する。
【0210】マスターポンプとしては、ねじ溝ポンプ以
外にも、ギヤポンプ、トロコイドポンプ、モーノポンプ
などが本発明に適用できる。また、ポンプの代わりに外
部に設置されたエアー源を利用して、エアー圧でもって
マイクロ・ディスペンサーに蛍光体材料を供給すれば、
塗布装置全体は大幅に簡素化される。
【0211】なお、回転運動と直線運動の「2自由度ア
クチュエータ」を有する第2実施形態のディスペンサー
の場合でも、直線運動を与えるアクチュエータのストロ
ークを十分大きくとれるならば、Uターン区間におい
て、本実施形態と同様の流量制御ができる。すなわち、
モータの回転を維持したままで、ピストンの直線運動の
みを制御することにより、有効表示領域と非有効表示領
域における蛍光体ペーストの吐出遮断・開放を制御でき
る。すなわち、モータの回転状態を維持したままで、 塗布開始時には、ピストンを降下させる。
【0212】塗布終了時には、ピストンを上昇させ
る。
【0213】この場合、流量制御を可能にするための条
件、流体絞り部を有しかつその流体絞り部がある値以上
の流体抵抗Rを持つという条件を満たすためには、ピ
ストンとその対向面間のスラスト抵抗以外に、ねじ溝ポ
ンプ自身が持つ内部抵抗を利用すればよい。ねじ溝ポン
プが定流量特性である程、また、流量が小さい程、吐出
遮断状態を長く保てることができる。
【0214】以下、本発明の第4実施形態について、図
17〜図19を用いて説明する。第4実施形態は、第3
実施形態におけるピストンとこのピストンを収納するス
リーブのいずれも軸方向移動できる機能を与えることに
より、塗布始終端のさらなる改良を図ったものである。
第3実施形態における「1重ピストン方式」に対して、
以下、第4実施形態のディスペンサーを「2重ピストン
方式」と呼ぶことにする。
【0215】図17において、501は上部アクチェー
タ、502は下部アクチェータ、503はこの下部アク
チェータの自由端側に固定された可動スリーブ、504
は上記上部アクチェータの自由端側505に固定された
ピストン、506はこのピストンの細径部である。50
7は上記アクチェータ501、502を収納する上部ハ
ウジングであり、508は上記アクチェータ501、5
02を構成する各圧電素子の固定部である。509は下
部ハウジングであり、上部ハウジング507と締結され
ている。510は可動スリーブ503と下部ハウジング
509間に装着された接触型のシール部、511は吸入
口である。
【0216】512は下部アクチェータ502に軸方向
バイアス荷重を与えるためのバイアスバネであり、可動
スリーブ503と下部ハウジング507間に装着されて
いる。513は下部ハウジング509に固定された下部
プレート、514はこの下部プレートの中心部でピスト
ン細径部506の端面515の対向面に位置するところ
に形成された吐出口の開口部である。516は下部プレ
ート513に締結された吐出ノズルである。517は可
動スリーブ503と下部ハウジング509で形成される
空間を利用した流体貯蔵部であり、外部に配置された流
体供給源(図示せず)と、吸入口511を介して繋がっ
ている。518は、可動スリーブ503、ピストン細径
部506、下部プレート513で形成される空間である
ポンプ室(流体輸送室)である。
【0217】519はピストン504の上端で、上部プ
レート520に固定されたピストン用変位センサーであ
り、ピストン504の固定側に対する絶対位置を検出す
る。521は上部ハウジング507の内面に固定された
差動トランス式変位センサーのステータ部、522は可
動スリーブ503側に固定されたロータ部である。差動
トランスは電気マイクロメータなどに用いられているも
ので、可動スリーブ503の軸方向位置を検出する。5
23は上部アクチェータ501(圧電素子)に軸方向バ
イアス荷重を与えるためのバイアスバネであり、ピスト
ン504と上部プレート520間に装着されている。
【0218】上記第4実施形態では、可動スリーブ50
3の軸方向位置は、差動トランスによる変位センサーに
より、正確に検出できる。そのため、2つのアクチェー
タ501、502の動作のタイミングを適格に合わせた
制御が可能になると共に、両アクチェータの厳密な変位
と速度制御ができる。
【0219】また、上記第4実施形態で示したように、
可動スリーブの位置検出に中空の検出用ロータ522と
検出用ステータ521から構成される変位センサーを用
いることにより、円筒形状のハウジング507,509
が細径のままで、ディスペンサ−全体を構成できる。
【0220】上記第4実施形態では、2つのアクチェー
タ、2つのセンサー、ピストン、吐出ノズルをいずれも
軸方向に軸対称配置した構成となっている。例えば、超
磁歪素子、圧電素子は、周知のようにその外径を数ミリ
以下の小型化が可能である。
【0221】従って、「2重ピストン方式」である上記
第4実施形態を用いれば、第3実施形態と同様に、マス
ターポンプと組み合わせたマルチヘッド・ディスペンサ
ーが容易に実現できる。
【0222】図18(A)は本発明の第4の実施形態を
適用したバルブの時間tに対するピストンの変位Xpと
可動スリーブXsの一例を示す。図18(B)はバルブ
のモデル図を示し、550はピストン、551は可動ス
リーブ、552はポンプ室(流体輸送室)、553は吐
出ノズルである。
【0223】図19は、本発明の第4の実施形態を適用
したバルブの「時間に対する吐出ノズル上流側の圧力P
n特性」を、従来バルブの対比のもとで示すものであ
る。ここで、従来バルブとは、吐出ノズルの入口部にニ
ードルバルブを設けて、このニードルバルブを構成する
スプールを軸方向に移動させることにより、吐出口を開
閉させるディスペンサーの形態を示す。すなわち、流
体の吐出開放時にピストン端面間のギャップを増大させ
る、吐出遮断時にはピストン端面間のギャップを減少
させる構造を示す。従って、第3の実施形態(1重ピス
トン方式)と比べて、ピストンの動作、は逆とな
る。
【0224】従来のバルブを用いて、流体を開放するた
めにピストン(図示せず)とその対向面のギャップXを
増加させたとき、流体輸送室であるポンプ室(図示せ
ず)の容積増大により吐出ノズル上流側(ポンプ室)の
圧力Pは、図18(A)で示すように大きく降下する。
この吐出ノズル上流側の負圧発生は、「描画の始点で線
が描けない」、或いは「描画線の細り」などの要因とな
る。
【0225】さらに、流体を遮断するためにギャップX
を小さくしたとき、吐出ノズル上流側の圧力Pは逆に大
きく増大する。この高圧発生は、流体の圧縮、或いはス
クイーズ作用と呼ばれる流体軸受の動圧効果によるもの
である。この高圧発生が不利な方向に作用して、描画の
終点で「液溜まり発生」の要因となる。
【0226】さて、本発明の第4の実施形態を適用した
バルブ用いて、図18(A)のごとく、ピストン550
と可動スリーブ551を逆位相で駆動させる。
【0227】このとき、ピストン550と可動スリーブ
551の軸方向移動が逆位相であるために、ポンプ室の
容積変化はキャンセルされる。その結果、「描画線の細
り」「液溜まり発生」などのトラブルが発生する図19
のAに対して、図19にBで示すごとく、描画開始時の
負圧発生と終了時の高圧発生が低減し、「描画線の細
り」「液溜まり発生」などのトラブルが解消されるので
ある。
【0228】なお、ピストン550の変位Xpが最下点
の位置にあるXp=Xpminのときでも、Xpmin
を十分大きく設定しておけば、ピストン550の存在が
流路抵抗(すなわち流量)に与える影響を小さくでき
る。
【0229】第1、第2のアクチュエータを駆動するド
ライバーはそれぞれ独立して設けてもよいし、或いは1
台でそれぞれのアクチュエータを逆位相で駆動してもよ
い。
【0230】ピストン或いは可動スリーブの吐出側端面
とその対向面の形状が平坦面でないバルブの場合でも、
従来バルブが抱える問題点と本発明の第4の実施形態の
適用による効果は同様である。例えば、ピストンの先端
を鋭敏な凸面とし、その対向面を凹面としてバルブを構
成しても、本発明を適用することができる。この場合
は、ピストンの凸面と対向面(固定側)の凹面を近接さ
せることにより流体を遮断する。そのため、図17の第
4実施形態とは異なり、可動スリーブが上昇してピスト
ンが降下するとき流体は遮断され、逆の場合は流体は開
放される。
【0231】この場合は、可動スリーブの変位Xsが最
下点の位置にあるXs=XsminのときでもXsmi
nが十分大きくなるように設定しておけばよい。
【0232】いずれの場合も最適な描画線を描くために
は、適用するプロセスと塗布材料の特性に合わせて、ピ
ストンと可動スリーブの変位曲線を微調整すればよい。
【0233】第3実施形態における「1重ピストン方
式」と比べて、「2重ピストン方式」である上記第4実
施形態の長所は次のようである。
【0234】塗布開放時及び定常塗布時では、ピストン
550の下降と同時に、スリーブ551を大きく上昇で
きる。スリーブ551とその対向面の隙間:Xsを十分
に大きくとれるため、吸入口から吐出ノズルに至る流通
路に大きな流体抵抗R{(3)式}を設けなくてよ
く、十分な吐出流量を確保できる。
【0235】また、塗布遮断時には、逆にスリーブ55
1とその対向面の隙間:Xsを十分に小さくできるた
め、ポンプ室552は外部と遮断された密閉状態とな
る。この密閉状態でピストン550を上昇することによ
り、ポンプ室552の圧力を急速に降下できるため、レ
スポンスの一層高い吐出遮断が可能となる。
【0236】上記第4実施形態のディスペンサーでは、
ピストンとスリーブの変位曲線は任意に設定できるた
め、始点におけるオーバーシュート圧力と、終点におけ
るサックバック圧力は要求されるプロセス条件に合わせ
て自由に設定できる。ピストンとスリーブの変位曲線は
完全な逆位相でなくてもよい。
【0237】また、超磁歪素子を用いて、第2実施形態
のごとくスリーブを回転させる構造にすれば、動圧シー
ルによる永続的な吐出遮断ができる構成も可能である。
【0238】以下、本発明を、第5実施形態として蛍光
体層形成方法及び形成装置に適用したディスペンサーに
ついて、図20〜22を用いて説明する。
【0239】以下に示す第5実施形態のディスペンサー
は、ピストンに回転運動と直線運動を同時に与える2自
由度アクチュエータを用いているという点は、第2実施
形態同様である。第5実施形態では、流体の遮断方法に
第2〜4実施形態で示したスクイーズ効果を用いるので
はなく、スラスト動圧シールによるくさび効果を利用し
ている。すなわち、 ピストンの吐出側端面とその相対移動面の間にスラス
ト動圧シールを形成し、第1のアクチュエータでピスト
ンを直線駆動させて、ピストン端面間のギャップを調節
することにより、流体の遮断・開放を制御する。
【0240】回転運動を与える第2のアクチュエータ
で、ねじ溝が形成されたピストンを回転させて、塗布流
体を吐出側に圧送するポンピング圧力を発生させる。
【0241】上記、を同時に実現したものである。
【0242】図20において、101は第1のアクチェ
ータであり、第2実施形態同様、超磁歪素子を用いてい
る。102は第1のアクチェータ101によって駆動さ
れる主軸(ピストン)である。上記第1のアクチェータ
は、下部ハウジング103に収納されており、この下部
ハウジング103の下端部(フロント側)に、主軸10
2を収納するポンプ部104が装着されている。
【0243】105は第2のアクチェータであり、主軸
102とハウジング103の間に相対的な回転運動を与
えるものである。モータロータ106は上部主軸107
に固着され、また、モータステータ108は上部ハウジ
ング109に収納されている。
【0244】111、112は超磁歪素子から構成され
る円筒形状のリア側超磁歪ロッド及びフロント側超磁歪
ロッドである。113は超磁歪ロッド11,12の長手
方向に磁界を与えるための磁界コイルである。114、
115、116は超磁歪ロッド111,112にバイア
ス磁界を与えるためのリア側、中間部、フロント側の永
久磁石である。リア側とフロント側の永久磁石114、
116が、超磁歪ロッド111,112と中間部永久磁
石115を矜持する形で配置されている。
【0245】117は超磁歪ロッド111のリア側に配
置され、磁気回路のヨーク材をであるリア側ヨーク、1
18は超磁歪ロッド112のフロント側に配置され、ヨ
ーク材を兼ねたフロント側スリーブ、119は磁界コイ
ル113の外周部に配置された円筒形状のヨーク材であ
る。
【0246】すなわち、超磁歪ロッド111,112、
磁界コイル113、永久磁石114〜116、リア側ヨ
ーク117、フロント側スリーブ118、ヨーク材11
9により、磁界コイルに与える電流で超磁歪ロッドの軸
方向の伸縮を制御できる超磁歪アクチェータ(第1のア
クチェータ101)を構成している。
【0247】120は上部主軸7を回転自在、かつ軸方
向に移動可能に収納するリア側スリーブである。このリ
ア側スリーブ120もまた、軸受139により、中間ハ
ウジング121に対して回転自在に支持されている。
【0248】122はリア側ヨーク117とリア側スリ
ーブ120の間に装着されたバイアスバネである。この
バイアスバネ122から加わる軸方向荷重により、超磁
歪ロッド111,112はバイアス永久磁石114〜1
16を介在して、上下のリア側ヨーク117,フロント
側スリーブ118に押圧される形で把持されている。フ
ロント側スリーブ118は主軸2を軸方向移動可能に収
納している。モータ105から伝達された主軸102の
回転動力は、主軸102、フロント側スリーブ118の
間に設けられた回転伝達キー123によってフロント側
スリーブ118に伝達される。また、フロント側スリー
ブ118も軸受124によって、ハウジング103に回
転自在に支持されている。
【0249】125は上部主軸107の回転位置情報を
検出するためのエンコーダ、126は上部主軸107
(及び主軸102)の上端面127の軸方向変位を検出
するための変位センサーである。
【0250】上記構成により、第2の実施形態同様に、
装置の主軸102が回転運動と微少変位の直線運動の制
御を同時に、かつ独立して行うことができる「2自由度
・複合動作アクチュエータ」が実現できる。
【0251】さて、上記第5実施形態では、主軸102
の軸方向位置決め機能を用いて、主軸102の定常回転
状態を保ったままで、主軸102の吐出側端面の隙間の
大きさを任意に制御することができる。この機能を用い
て、吸入口132から吐出ノズル133に至るいかなる
流通路の区間も機械的に非接触の状態で、始終端におけ
る粉粒体の遮断・開放の制御ができる。
【0252】すなわち、ディスペンサーの吐出ノズル1
33と基板が有効表示領域60a内[図2参照]を相対
的に走行するときは、主軸102は上昇した位置にあ
り、吐出側端面の隙間は十分に大きく、蛍光体ペースト
の吐出は開放されている。また、吐出ノズル133と基
板が非有効表示領域60b内[図2参照]を相対的に走
行を始める手前で主軸102は下降を開始する。その結
果、スラスト動圧シールの機能がすみやかに働き、蛍光
体ペーストの吐出は遮断される。
【0253】以下、スラスト動圧シールの原理を、ポン
プ部104の詳細図である図21と動圧シールの変位と
発生圧力の関係を示す図22(A)〜(C)を用いて説
明する。
【0254】128は主軸102の外表面に形成された
流体を吐出側に圧送するためのラジアル溝(図20では
溝の部分を黒く塗りつぶしている一方、図21では溝の
部分にハッチングしている。)、129は流体シール、
130はシリンダである。
【0255】この主軸102とシリンダ130の間で、
主軸102とシリンダ130の相対的な回転によってポ
ンピング作用を得るためのポンプ室131を形成してい
る。また、シリンダ130には、ポンプ室131と連絡
する吸入孔132が形成されている。133はシリンダ
130の下端部に装着された吐出ノズル、134はシリ
ンダ130の吐出側端面に締結された吐出プレートであ
る。135は主軸102の吐出側端面に締結されたスラ
ストプレートである。主軸102の吐出側端面136の
対向面137の中央部に吐出ノズル133の開口部13
8が形成されている。
【0256】また、スラストプレート135の吐出側端
面136スラスト動圧シールの溝139(図22(B)
では溝の部分を黒く塗りつぶしている。)が形成されて
いる。
【0257】シール用スラスト溝139は、スラスト動
圧軸受として知られている公知のものである。
【0258】さて、スラスト軸受の発生できるシール圧
力Psは次式で与えられる。
【0259】
【数4】
【0260】(4)式において、ωは回転角速度、r
はスラスト軸受の外半径、rはスラスト軸受の内半
径、fは溝深さ、溝角度、グルーブ幅とリッジ幅などで
決まる関数である。
【0261】図22(C)のグラフにおける曲線(I)
は、下記表3の条件下で、スパイラルグルーブ型スラス
ト溝を用いた場合のギャップδに対するシール圧力P
の特性を示すものである。図22(C)のグラフにおけ
る曲線(II)は、軸方向流動が無い場合について、ラ
ジアル溝のポンピング圧力と軸先端のギャップδの関係
を示す一例である。このラジアル溝のポンピング圧力
は、上記スラスト溝同様、ラジアル隙間、溝深さ、溝角
度の選択によって広い範囲で選ぶことができる。しかし
定性的には、ラジアル溝のポンピング圧力Prは軸先端
の空隙の大きさ(すなわちギャップδの大きさ)に依存
しない。
【0262】さて、シール用スラスト溝のギャップδが
十分大きいとき、例えばギャップδ=15μmのとき、
発生圧力はP=0.06kg/mm(0.69MP
a)である。
【0263】軸を回転させたままで、主軸102の端面
を固定側の対向面に接近させる。ギャップδ<10.0
μmなると、シール圧力がラジアル溝のポンピング圧力
Prより大きくなり、流体の吐出口側への流出は遮断さ
れる。
【0264】図21は流体の流出が遮断された状態を示
し、吐出ノズルの開口部138近傍の流体は、スラスト
溝139によって遠心方向のポンピング作用[図21の
矢印参照]を受けているために、開口部138近傍は負
圧(大気圧以下)となる。この効果により、遮断後、吐
出ノズル133内部に残存していた流体は再びポンプ内
部に吸引される。その結果、吐出ノズル先端で表面張力
による流体魂ができることはなく、糸引き、洟垂れが解
消されるのである。
【0265】さて、本発明の上記第5実施形態では、回
転軸を10〜数10μm程度軸方向に移動させることに
より、流体の吐出状態のON,OFFを自在に制御する
ことができる。
【0266】本発明の上記実施形態のポイントを要約す
れば、スラスト溝によるシール圧力は、ギャップδが小
さくなると急激に増大するのに対して、ラジアル溝のポ
ンピング圧力はギャップδの変化に対して極めて鈍感で
ある、という点を利用している。
【0267】なお、ラジアル溝、スラスト溝いずれも回
転側、固定側のどちらに形成してもよい。
【0268】また、微少粒子が含まれた蛍光体、電極材
料のような粉粒体を塗布する場合は、ギャップδの最小
値δminは微少粒子径φdよりも大きく設定すればよ
い。
【0269】
【数5】δmin>φd ……(5)
【0270】同一の発生圧力に対して、より大きなギャ
ップを得るためには、回転数を高くするか、スラストプ
レート135の外径を大きくかつ溝深さ、溝角度等に適
切な値を選べば良い。
【0271】
【表3】
【0272】上記第5実施形態では、スラスト動圧シー
ルが形成された吐出部に蛍光体ペーストを供給する圧力
源として、ねじ溝ポンプを用いた。このねじ溝ポンプの
代わりに、外部に設置されたポンプを塗布流体の圧力源
としてもよい。或いは、工場内で常備されたエアー圧で
もよい。要は、スラスト動圧シールが発生できる最大シ
ール圧力以下に、圧力源の供給圧を設定すればよい。
【0273】以下、上記第1〜5実施形態ともである
が、高粘度流体を吐出させる場合、ポンピング圧力、ス
クイーズ圧力共極めて大きな流体圧の発生が予想され
る。この場合、ピストンを駆動する第1のアクチェータ
には、高い流体圧に抗する大きな推力が要求されるた
め、数百〜数千Nの力が容易に出せる電磁歪型アクチェ
ータの適用が効果的である。電磁歪素子は、数MHZ以
上の周波数応答性を持っているため、主軸を高い応答性
で直線運動させることができる。そのため、高粘度流体
の吐出量を高いレスポンスで高精度に制御できる。
【0274】また、軸方向駆動手段(機構又は装置)に
超磁歪素子を用いた場合、圧電素子を用いる場合と比べ
て、伝導ブラシも省略できることから、モータ(回転手
段(機構又は装置))の負荷を軽減できると共に、全体
構成が極めてシンプルとなるため、可動部の慣性モーメ
ントを極力小さくでき、ディスペンサーの細径化が可能
である。
【0275】以上、PDP用基板として背面板に蛍光体
を塗布する場合の実施形態について説明したが、本発明
は、別の実施形態として、例えばPDP用基板としての
表面板の電極形成にも適用することができる。
【0276】図26はPDP用表面板の別の例を示すも
ので、700はPDPの有効表示部に対応する「有効表
示領域」(バス電極部)であり、蛍光体が塗布される背
面板の前述した有効表示領域60a(図2参照)と表裏
一体の領域である。701A、701Bは端子部であ
り、「準有効表示領域」と呼ぶことにする。有効表示領
域700、端子部701A、端子部701Bでガラス基
板より構成されるPDP表面板702を構成している。
703はタブ接合部である。
【0277】704は表面板702の外部の両側部(図
26の左右の側部)に設けられたペースト塗布のための
仮想領域であり、「非有効表示領域」と呼ぶことにす
る。
【0278】例えば、表面板の左側端部を始点位置(塗
布開始位置)A(或いは終点位置(塗布終了位置))と
する、電極層の一例としての電極線705は、準有効表
示領域701A内でかつ塗布開始位置Aから屈曲位置B
までのタブ接合部703と、準有効表示領域701A内
でかつ屈曲位置Bから屈曲位置Cまでの傾斜部と、準有
効表示領域701A内でかつ屈曲位置Cから有効表示境
界位置Dまでの有効表示境界近傍部と、有効表示領域7
00内でかつ有効表示境界位置Dから有効表示境界位置
Eまでの有効表示直線部と、準有効表示領域701A内
でかつ有効表示境界位置Eから塗布終了位置Fまでの終
了近傍直線部とより構成されている。従って、電極線7
05は、準有効表示領域701Aを通過して、有効表示
境界位置Dで有効表示領域700に入る。さらに有効表
示領域700を通過した電極線705は、有効表示境界
位置Eで右側の準有効表示領域701Bに入り、その直
後に塗布終了位置Fで停止する。すなわち、準有効表示
領域701B内の塗布終了位置Fは、電極線705の終
点位置(塗布終了位置)(或いは始点位置(塗布開始位
置))となる。他の電極線708,709,707も全
く同一構成であり、さらに、電極層の一例としての別の
電極線706,711,710は、塗布開始位置が表面
板の右側端部を始点位置(塗布開始位置)Gとなり、左
右反対になるだけで、基本的な構成は同じである。よっ
て、電極線706,711,710のそれぞれの傾斜部
は同一の傾斜角であり、電極線705,708,70
9,707のそれぞれの傾斜部は同一の傾斜角である。
【0279】電極線705に隣接した電極線706は、
電極線705に対して始点位置、終点位置の位置は左右
逆に形成される。電極線706に隣接した電極線707
は、電極線706に対して始点位置、終点位置の位置は
左右逆に形成される。このように、実施形態のPDPで
は、左右の準有効表示領域で停止位置を有する電極線が
交互に入れ替わるように形成される。
【0280】さて、まず、塗布方法の具体例(I)につ
いて説明する。PDPの表面板の電極形成を目的とし
た、この実施形態では、前述した第2実施形態と同様な
方法を適用する。すなわち、「2自由度アクチュエー
タ」を有するディスペンサを用いて、 第1のアクチュエータでピストンを直線駆動すること
により、ピストンの吐出側端面に正負のスクイーズ圧力
を発生させる。
【0281】回転運動を与える第2のアクチュエータ
で、ねじ溝が形成されたピストンを回転させてポンピン
グ圧力を発生させ、塗布流体を吐出側に圧送する。
【0282】上記、の組み合わせにより、(1)
有効表示領域における連続線塗布と、(2) 有効表示
領域と非有効表示領域の境界部における塗布線の遮断・
開放の制御と、(3) 準有効表示領域内での塗布線の
遮断・開放の制御と、を実現するものである。
【0283】以下、電極線705に注目し、電極材であ
る銀ペーストを塗布する場合について説明する。
【0284】(i)塗布開始時 塗布開始前の状態では、吐出ノズル33(第2実施形態
の図6参照)の先端は準有効表示領域701Aの領域に
ある。このとき、モータの回転は停止しており、ピスト
ン(主軸2)は上昇した位置にある。ディスペンサー
は、準有効表示領域704内の電極線707の塗布開始
位置A'から図26の下向きに走行開始した後、塗布開
始位置Aを通過する直前のタイミングで、モータを回転
させると同時にピストンを降下させる。既に述べたよう
に、塗布開始位置Aにおける塗布線をスムーズに描かせ
るため、オーバーシュート圧力は、ピストンのストロー
クが大きい程、立ち上がり時間が短い程、大きい。すな
わち、吐出ノズル先端の流体の表面張力に打ち勝つと共
に、塗布開始位置Aでの塗布線の「太り」にならない範
囲で、このオーバーシュート圧力の大きさを設定すれば
よい。
【0285】(ii)準有効表示領域内での走行 ピストンは、その対向面との間隙を一定に保ちながら、
ねじ溝のポンピング圧力による定量吐出により、塗布開
始位置Aから屈曲位置B及び屈曲位置Cを経て有効表示
境界位置Dまで、連続線を塗布する。この区間ではスク
イーズ圧力の発生はない。実施形態では、準有効表示領
域701A内の電極線705の線幅は、例えば、b
0.1mmであり、有効表示領域700内の線幅:b
=0.075mmより大きかった。そのため、吐出ノズ
ルが準有効表示領域内701A及び701Bを走行する
ときは、有効表示領域700を走行するときよりも、ね
じ溝の回転数を上げた状態で塗布する。
【0286】(iii)有効表示領域内での走行 有効表示境界位置Dから有効表示境界位置Eにかけての
区間では、ピストンは、その対向面との間隙を一定に保
ちながら、線幅:b=0.075mmを保つように、
ねじ溝の回転数を上記(ii)よりも下げた状態で塗布
を行なう。
【0287】(iv)準有効表示領域内での走行及び遮
断 有効表示境界位置Eを通過した後の塗布終了位置Fまで
の塗布条件は、上記(ii)と同様である。塗布終了位
置Fに到達する直前のタイミングで、モータを停止させ
ると同時にピストンを急上昇させる。このとき、hは対
向面間の隙間、tは時間として、(dh/dt)>0と
したときの負圧発生の効果により、吐出は一瞬にして遮
断される。その後、吐出ノズル先端は、吐出遮断状態の
まま、塗布終了位置Fの位置から、最短距離にある準有
効表示領域704の右端の位置G’にすみやかに移行
し、位置Gを始点位置として塗布を開始する。
【0288】以降、上記(i)〜(iv)と同様な方法
で連続線を繰り返し塗布していく。
【0289】以上述べた方法により、吐出ノズル33
と、表面板を位置決め保持するXYステージとを相対的
に走行させる時間のロスを極力低減することができて効
率の良い塗布ができる。
【0290】上記(iv)の行程において、準有効表示
領域701A,701B内でピストンを上昇させて吐出
を遮断しているが、この方法により、描画線の塗布終了
位置Fを確実なタイミングでかつ極めて高品位に形成で
きる。すなわち、塗布終了位置Fにおける描画線の「太
り」又は「溜まり」などが発生しない。もし「太り」又
は「溜まり」が大きく発生すれば、近接する電極線間で
の電気特性に重大な影響を与えてしまう。終端位置Fを
逆に始点位置として描画線を描く方法もあるが、最適な
オーバーシュート圧力の設定方法が終端制御の場合と比
べてややデリケートとなる。有効表示領域700内の線
幅と、準有効表示領域内701A、701Bの線幅の設
定は、ねじ溝の回転数以外では、吐出ノズルとステージ
の相対速度を調節してもよい。
【0291】次に、塗布方法の具体例(II)として、
マルチヘッドで電極線を塗布する場合について述べる。
マルチヘッドのシステムとしては、1個のマスターポン
プと複数個のマイクロポンプの組み合わせによる、例え
ば図16に示す様な構成でもよい。
【0292】準有効表示領域内701A及び701Bで
は、各電極線の傾斜角が異なるために、並列ピッチで配
置されたマルチヘッドでは、同時に準有効表示領域内の
複数本の電極線を塗布することは困難である。そのため
に、次の方法で塗布を行った。
【0293】まず、ステップS1として、電極線705
を描く場合、準有効表示領域内701Aの位置Cを始点
として有効表示領域700を通過し、準有効表示領域内
701Bの位置Fで塗布を終了させる。このとき同時
に、同一のパターンを有する他の電極線(例えば70
7)も、並列ピッチで配置されたヘッドにより、位置
C’を始点として、位置F’で塗布を終了させる。マル
チヘッド全体を左側から右側へ走行させた後、次は、ヘ
ッド全体を右側から左側へ走行させて塗布する。この繰
り返し動作により、複数平行線から構成される電極線塗
布は完了する。
【0294】次に、ステップS2の塗布に進む。準有効
表示領域701A,701B内において、傾斜角が異な
る各電極線をマルチヘッドで描く場合は次のような方法
を用いる。準有効表示領域701A,701B内におい
て、それぞれの傾斜角が異なる電極線から構成される電
極線のグループをAA〜AA(図26参照、nはグ
ループの総数)とすると、このグループはPDPの表面
板では複数セット形成される。そこで、複数個のグルー
プAA〜AAの中から同一の傾斜角を有する電極線
を選び、それをグループBBとする。グループBBは、
例えば、電極線705、708、709である。グルー
プBBの各電極線は、ノズルとPDPの表面板を保持す
るXYステージとを相対的にXY方向に移動させれば、
同時に塗布することができる。
【0295】以上、マルチヘッドを用いて、有効表示領
域内で複数平行線の電極線を描くプロセス(ステップS
1)と、準有効表示領域内において、同一傾斜角の電極
線を描くプロセス(ステップS2)を分けて行う場合に
ついて説明した。
【0296】有効表示領域内での複数電極線の塗布(ス
テップS1)は、電極線の長さが長いためにヘッド数が
多いほど、生産タクトの点で有利となる。
【0297】準有効表示領域内での電極線の塗布(ステ
ップS2)は、マルチヘッドの中から、ふさわしい位置
にあるヘッド(図26ではn=3個)だけを選び、塗布
に用いることになる。この場合、ステップS1と比べ
て、塗布の繰り返し回数が多くなるが、準有効表示領域
内での電極線は長さが短いために、さほどのタクトの遅
れにはならない。上記準有効表示領域内での塗布方法で
は、塗布線の「始端」と「終端」の両方に高品位の塗布
が要求される。マルチヘッドを1個のマスターポンプと
複数個のマイクロポンプの組み合わせで構成し、かつ、
このマイクロポンプに第4実施形態で説明した「2重ピ
ストン方式」を用いれば、描画線の始終端は共に高品位
で描くことができる。
【0298】さらに、塗布方法の具体例(III)とし
て、マルチヘッドで、有効表示領域700と準有効表示
領域701A、701B内にある電極線を一気に描く場
合について述べる。この場合は、描画線は、例えば「終
端」のみの制御で良く、マルチヘッドのヘッド数は、グ
ループAA〜AAの数(図26ではn=3個)だけ
でよい。マルチヘッドのシステム構成としては、1個の
マスターポンプと複数個のマイクロポンプの組み合わせ
による、例えば図16に示す様な構成でもよい。マイク
ロポンプは、ピストンの上昇・下降に伴う負圧・正圧の
発生を利用して、描画線の始終端の制御を行う方法を用
いれば、シンプルな構造を採用できる。或いは、上記具
体例(I)で説明した、2自由度アクチュエータを有す
るディスペンサを複数本配列してもよい。
【0299】具体的には、図26において、同一の傾斜
角を有する電極線として、例えば、電極線705、70
8、709を選ぶ。各ヘッドのノズル間の間隔は、電極
層の塗布パターンから予め決められているものである。
以降の各ヘッドの塗布方法は、具体例(I)と同様な方
法が採用できるため、詳細は省略する。
【0300】また、上記基板に対して上記ディスペンサ
ーが相対的に走行する別の例として、図27に示すよう
に、ディスペンサー304を固定フレーム303に取付
けた状態で、XYステージを直交するXY方向に移動さ
せる機構について説明する。Z軸用モータ302により
Z軸方向にのみ昇降可能にディスペンサー304を固定
フレーム303に取付けた状態で、XYステージを直交
するXY方向に移動させる機構について説明する。これ
に対して、固定フレーム側に固定されたX軸用モータ3
00の駆動により、Y軸テーブル307がX方向に進退
し、Y軸テーブル307に固定されたY軸用モータ30
1の駆動により、基板306が位置決め保持される基板
載置テーブル305がY方向に進退する。
【0301】このように構成すれば、ディスペンサー3
04は、Z軸用モータ302によりZ軸方向にのみ昇降
させるだけで、XY方向に対しては、基板載置テーブル
305がそれぞれの方向に移動することにより、上記基
板に対する上記ディスペンサーの相対的な走行を実現す
ることができる。
【0302】上記実施形態において、上記ディスペンサ
ーと上記基板が上記有効表示領域から上記非有効表示領
域へ相対的に移行するとき、上記ねじ溝式ディスペンサ
ーの上記回転軸の回転数を減小させた後に停止させるこ
とにより上記吐出を停止させ、或いは、減小させた後に
停止し、さらに、上記回転軸を例えば10msec以下
の間のみ逆転させて例えば10μm程度ペーストを持ち
上げることにより上記吐出を停止させるようにしてもよ
い。
【0303】また、これに代えて、上記ディスペンサー
と上記基板が上記非有効表示領域から上記有効表示領域
へ相対的に移行するとき、上記ねじ溝式ディスペンサー
の上記回転軸の回転数を増加させた後、上記回転軸の一
定回転を維持して吐出を行なうか、或いは、増加させた
後、減小させてしかる後、上記回転軸の一定回転を維持
して吐出を行なうようにしてもよい。
【0304】さらに、上記実施形態において、複数本の
ねじ溝式ディスペンサーが配置されているとき、複数本
のねじ溝式ディスペンサーの回転数を個別に調節して、
所定の流量を設定することもできる。
【0305】上記種々の実施形態では、ピストンに軸方
向駆動させる装置に超磁歪アクチュエータを用いてい
る。しかしながら、もし、描画線の始終端を、それ程、
高品位に形成する必要がなければ、超磁歪アクチュエー
タの代わりに、応答性は低下するが、リニアモータ、電
磁ソレノイド等を用いてもよい。
【0306】以上、ディスプレイパネルに連続線を描く
連続塗布の実施形態について説明したが、本発明は、間
欠塗布にも適用できる。この場合も、塗布開始と終了時
における始終端制御の考え方を適用することができる。
或いは、超高速の間欠塗布で、隣接する流体塊を自然流
動により連結させて、擬似的な連続線にする塗布にも適
用できる。
【0307】なお、上記様々な実施形態のうちの任意の
実施形態を適宜組み合わせることにより、それぞれの有
する効果を奏するようにすることができる。
【0308】本発明は、添付図面を参照しながら好まし
い実施形態に関連して充分に記載されているが、この技
術の熟練した人々にとっては種々の変形や修正は明白で
ある。そのような変形や修正は、添付した請求の範囲に
よる本発明の範囲から外れない限りにおいて、その中に
含まれると理解されるべきである。
【0309】
【発明の効果】本発明のディスプレイパネルのパターン
形成方法及び形成装置により、従来のスクリーンマスク
を用いることなく、例えば基板仕様を数値設定するだけ
で、任意のサイズの基板に対して、例えば蛍光体層、電
極層などを精度よく形成することができると共に、基板
の仕様変更に容易に対応できる。また、高速プロセスに
対応できるために、従来工法と比べても生産タクトの点
で遜色がなく、廃棄する材料がないために、材料ロスを
大幅に削減できる。
【0310】製造行程及び製造ラインとも規模を拡大さ
せる必要がなく、単体の装置でスクリーニングすること
を可能にし、また、多品種少量生産のディスプレイパネ
ルに対して量産効果を上げて製造させ、さらに単体でス
クリーニングするため自動化ラインを小規模なマシンで
稼動できる。その効果は絶大である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のディスプレイパネルのパターン形成
方法を実施するためのパターン形成装置を、第1実施形
態として、PDP用基板の蛍光体層形成装置に適用した
場合の概略斜視図である。
【図2】 上記PDP用基板の有効表示領域と非有効表
示領を示す図である。
【図3】 本発明に適用した第1実施形態によるディス
ペンサーを示す正面断面図である。
【図4】 第1実施形態において、時間に対するディス
ペンサーの移動速度を示す図である。
【図5】 (A)は第1実施形態における時間に対する
ねじ溝回転数基本成分を示す図、(B)は第1実施形態
における時間に対するねじ溝回転数補正分を示す図、
(C)は第1実施形態における時間に対するねじ溝回転
数を示す図である。
【図6】 本発明に適用した第2実施形態によるディス
ペンサーを示す正面断面図である。
【図7】 図6の吐出部詳細図である。
【図8】 第2実施形態において、時間に対するピスト
ン変位を示す図である。
【図9】 第2実施形態において、時間に対するねじ溝
圧力を示す図である。
【図10】 第2実施形態において、時間に対するスク
イーズ圧力を示す図である。
【図11】 第2実施形態において、時間に対する吐出
ノズル上流側圧力を示す図である。
【図12】 本発明に適用した第3実施形態によるディ
スペンサーを示す正面断面図である。
【図13】 図12の流量制御部詳細図である。
【図14】 第3実施形態において、時間に対する吐出
流量を示す図である。
【図15】第3実施形態において、流量制御部の電気回
路モデルを示す図である。
【図16】 本実施形態のパターン形成装置をCRTの
蛍光体層装置やPDP用基板のパターン形成装置などに
適用して多数のスクリーンストライプを同時的に描く場
合の概略斜視図である。
【図17】 本発明に適用した第4実施形態によるディ
スペンサーを示す正面断面図である。
【図18】 (A),(B)は、それぞれ、第4の実施
形態において、時間に対するピストンとスリーブの変位
を示す図である。
【図19】 第4の実施形態において、時間に対する吐
出ノズル上流側圧力を示す図である。
【図20】 本発明に適用した第5実施形態によるディ
スペンサーを示す正面断面図である。
【図21】 第5の実施形態において、ポンプ部の拡大
図である。
【図22】 (A),(B),(C)は、それぞれ、第
5の実施形態において、シール圧力とギャップの関係を
示す図である。
【図23】 従来に提案されたディスペンサー方式蛍光
体層装置の概略斜視図である。
【図24】 従来のエアー式ディスペンサーを示す図で
ある。
【図25】 図16のパターン形成装置により、複数本
のマイクロ・ディスペンサーで、同時に、複数の塗布線
を描かせる状態を説明するための説明図である。
【図26】 上記実施形態のパターン形成装置により、
PDP用基板の電極線を描く状態を説明するための説明
図である。
【図27】 本発明の別の実施形態にかかるパターン形
成装置であって、ディスペンサーを固定してパネル側を
移動させるパターン形成装置の斜視図である。
【図28】図2の変形例にかかる上記PDP用基板の有
効表示領域と非有効表示領を示す図である。
【符号の説明】
1…第1のアクチェータ、2…主軸、3…ハウジング、
4…ポンプ部、5…第2のアクチェータ、6…モータロ
ータ、7…上部主軸、8…モータステータ、9…上部ハ
ウジング、11,12…リア側超磁歪ロッド及びフロン
ト側超磁歪ロッド、13…磁界コイル、14、15、1
6…リア側、中間部、フロント側の永久磁石、17…リ
ア側ヨーク、18…フロント側スリーブ、19…ヨーク
材、20…リア側スリーブ、21…中間ハウジング、2
2…バイアスバネ、23…回転伝達キー、24…軸受、
25…エンコーダ、26…変位センサー、27…上端
面、28…ラジアル溝、29…流体シール、30…シリ
ンダ、31…ポンプ室、32…吸入口、33…吐出ノズ
ル、34…吐出プレート、35…吐出側端面、36…対
向面、37…開口部、38…軸受、50…載置台、5
1,52…Y軸方向搬送装置、53…X軸方向搬送装
置、54…Z軸方向搬送装置、55…ディスペンサー、
56…シリンジ装着部、57a、57b…Y軸モータ、
58…X軸用モータ、59…シリンジ、60a,700
…有効表示領域、60b,704…非有効表示領域、6
1…PDP用基板、62…吐出ノズル、63…PDP用
基板の外周部、89…Z軸用モータ、90…基板位置検
出カメラ、91a,91b…モータドライバ、92…モ
ータドライバ、93…モータドライバ、94…ディスペ
ンサー制御部、100…制御装置、101…メモリ、1
02…主軸、103…下部ハウジング、104…ポンプ
部、105…第2のアクチェータ、106…モータロー
タ、107…上部主軸、108…モータステータ、10
9…上部ハウジング、111,112…リア側超磁歪ロ
ッド及びフロント側超磁歪ロッド、113…磁界コイ
ル、114,115,116…リア側、中間部、フロン
ト側の永久磁石、117…リア側ヨーク、118…フロ
ント側スリーブ、119…ヨーク材、120…リア側ス
リーブ、121…中間ハウジング、122…バイアスバ
ネ、123…回転伝達キー、124…軸受、125…エ
ンコーダ、126…変位センサー、127…上端面、1
28…ラジアル溝、129…流体シール、130…シリ
ンダ、131…ポンプ室、132…吸入孔、133…吐
出ノズル、134…吐出プレート、135…スラストプ
レート、136…吐出側端面、137…対向面、138
…開口部、139…軸受、200…マイクロ・ディスペ
ンサー、201…直動型のアクチュエータ、202…ピ
ストン、203…固定スリーブ、204…ハウジング、
205…下部ハウジング、206…超磁歪ロッド、20
7,208…第1及び第2バイアス永久磁石、209…
上部ヨーク、210…磁界コイル、211…ヨーク、2
12…上部スリーブ、213…軸受部、214…バイア
スバネ、215…変位センサー、216…ピストン細径
軸、217…吸入口、218…ノズル部、219…吐出
ノズル、220…流体貯蔵室、221…流体絞り部、2
22…流量制御部、300…X軸用モータ、301…Y
軸用モータ、302…Z軸用モータ、303…固定フレ
ーム、304…ディスペンサー、305…基板載置テー
ブル、306…基板、307…Y軸テーブル、701
A、701B…準有効表示領域、702…PDP表面
板、703…タブ接合部、705、708、709…電
極線、706…電極層、a…準備位置、b,f…塗布開
始位置、c,g…塗布終了位置、d,e,h…屈曲位
置。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B05D 7/00 B05D 7/00 H H01J 9/227 H01J 9/227 E 11/02 11/02 B (72)発明者 古川 貴之 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 松尾 孝二 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 兼久 孝 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 大久保 貴史 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 ▲吉▼田 隆弘 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 Fターム(参考) 4D075 AC06 AC08 AC84 CA22 CA48 CB09 DA06 DB13 DC24 EA05 EA45 4F041 AA02 AA05 AB01 BA02 BA10 BA12 BA23 BA34 BA38 BA56 4F042 AA02 AA06 AA27 AB00 BA05 BA06 BA12 BA25 CB24 5C028 FF01 FF16 5C040 GC19 GG09 JA13 MA26

Claims (34)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板(61)に対して流量可変式のディ
    スペンサー(55)を相対的に移動させながら、ペース
    トを吐出させることにより、上記基板の吐出すべき位置
    に、順次、上記ペーストを吐出して、あるパターンのペ
    ースト層を形成するディスプレイパネルのパターン形成
    方法において、 上記ペースト層を形成する有効表示領域(60a,70
    0)と、この有効表示領域の外側に上記ペースト層を形
    成しない非有効表示領域(60b,704)を有する上
    記基板のうちの上記有効表示領域を上記ディスペンサー
    が相対的に走行しているときは上記ペーストを吐出する
    一方、上記非有効表示領域を上記ディスペンサーが相対
    的に走行しているときは上記ペーストの吐出を遮断する
    ディスプレイパネルのパターン形成方法。
  2. 【請求項2】 複数本の光吸収層が表面に並列形成され
    た基板に対してディスペンサーを相対的に移動させなが
    ら、ペーストを吐出させることにより、上記光吸収層間
    の吐出すべき位置に、順次、上記ペーストを吐出してあ
    るパターンのペースト層を形成する請求項1に記載のデ
    ィスプレイパネルのパターン形成方法において、 上記ディスペンサーとして流量可変式のディスペンサー
    を使用して上記ペーストの吐出を制御するディスプレイ
    パネルのパターン形成方法。
  3. 【請求項3】 上記ディスペンサーと上記基板の相対速
    度に合わせて、上記ディスペンサーを制御して上記ペー
    ストの吐出量を可変させる請求項2に記載のディスプレ
    イパネルのパターン形成方法。
  4. 【請求項4】 上記ペースト層を形成する有効表示領域
    (60a)と、この有効表示領域の外側にペースト層を
    形成しない非有効表示領域(60b)を有する上記基板
    のうちの上記有効表示領域を上記ディスペンサーが相対
    的に走行しているときは上記ペーストを吐出する一方、
    上記非有効表示領域を、上記ディスペンサーが相対的に
    走行しているときは上記ペーストの吐出を遮断する請求
    項2に記載のディスプレイパネルのパターン形成方法。
  5. 【請求項5】 上記ディスペンサーとしてねじ溝式のデ
    ィスペンサーを使用して、上記ねじ溝式ディスペンサー
    の回転軸の回転制御により上記ペーストの吐出を制御す
    る請求項2に記載のディスプレイパネルのパターン形成
    方法。
  6. 【請求項6】 上記ディスペンサーとしてねじ溝式のデ
    ィスペンサーを使用して、上記ディスペンサーと上記基
    板が上記非有効表示領域を相対的に走行しているときは
    上記ねじ溝式ディスペンサーの回転軸の回転は停止、或
    いは上記有効表示領域を走行しているときに対して上記
    回転軸を逆転させる請求項4に記載のディスプレイパネ
    ルのパターン形成方法。
  7. 【請求項7】 上記ディスペンサーと上記基板が上記有
    効表示領域から上記非有効表示領域へ相対的に移行する
    ときは、上記ねじ溝式ディスペンサーの上記回転軸の回
    転数を減小させた後に停止させることにより上記吐出を
    停止させ、或いは、減小させた後に停止し、さらに、上
    記回転軸を逆転させることにより上記吐出を停止させる
    請求項5に記載のディスプレイパネルのパターン形成方
    法。
  8. 【請求項8】 上記ディスペンサーと上記基板が上記非
    有効表示領域から上記有効表示領域へ相対的に移行する
    ときは、上記ねじ溝式ディスペンサーの上記回転軸の回
    転数を増加させた後、上記回転軸の一定回転を維持して
    吐出を行なうか、或いは、増加させた後、減小させてし
    かる後、上記回転軸の一定回転を維持して吐出を行なう
    請求項5に記載のディスプレイパネルのパターン形成方
    法。
  9. 【請求項9】 上記ディスペンサーとして複数本のねじ
    溝式ディスペンサーを使用して、上記複数本のねじ溝式
    ディスペンサーの回転数を個別に調節して、所定の流量
    を設定する請求項5に記載のディスプレイパネルのパタ
    ーン形成方法。
  10. 【請求項10】 上記ディスペンサーは、ペースト圧送
    装置としてシリンダとピストンで形成される流体輸送室
    に上記ペーストを供給すると共に、上記シリンダと上記
    ピストンに相対的な軸方向運動を与えることにより上記
    流体輸送室の空間を増減させて上記ペーストの吐出量を
    可変させる請求項2に記載のディスプレイパネルのパタ
    ーン形成方法。
  11. 【請求項11】 上記シリンダと上記ピストンの相対移
    動面に形成されたねじ溝に相対的な回転運動を与えて上
    記ペーストを圧送する請求項10に記載のディスプレイ
    パネルのパターン形成方法。
  12. 【請求項12】 上記ノズル先端と上記基板が上記有効
    表示領域から上記非有効表示領域へ相対的に移行すると
    き、上記流体輸送室の空間を増大させて上記ペーストの
    吐出を停止させる請求項10に記載のディスプレイパネ
    ルのパターン形成方法。
  13. 【請求項13】 上記ノズル先端と上記基板が上記非有
    効表示領域から上記有効表示領域へ相対的に移行すると
    き、上記シリンダと上記ピストンで形成される上記流体
    輸送室の空間を減少させて上記ペーストを吐出させる請
    求項10に記載のディスプレイパネルのパターン形成方
    法。
  14. 【請求項14】 上記ノズル先端と上記基板が上記非有
    効表示領域を相対的に走行しているとき、上記シリンダ
    と上記ピストンで形成される上記流体輸送室の空間を増
    大させて上記ペーストの吐出を停止し続ける請求項10
    に記載のディスプレイパネルのパターン形成方法。
  15. 【請求項15】 上記ディスペンサーは、ペースト圧送
    装置としてシリンダとピストンとこのピストンの少なく
    とも一部を収納するスリーブで形成される流体輸送室に
    上記ペーストを圧送すると共に、上記シリンダと上記ピ
    ストン及び、このピストンと上記スリーブに相対的な軸
    方向運動を与えることにより上記流体輸送室の空間を増
    減させて上記ペーストの吐出量を可変させる請求項2に
    記載のディスプレイパネルのパターン形成方法。
  16. 【請求項16】 上記シリンダと上記ピストンの相対的
    な変位曲線と、上記ピストンと上記シリンダの相対的な
    変位曲線とを概略逆位相とするか、或いは移動方向を逆
    にしつつ、上記ペーストの吐出開始又は吐出停止を行な
    う請求項15に記載のディスプレイパネルのパターン形
    成方法。
  17. 【請求項17】 上記流量可変式のディスペンサーは、
    軸とハウジングとを軸方向に相対的に駆動することによ
    り、上記軸と上記ハウジング間の流通路の間隙を変化さ
    せて上記ペーストの流体抵抗の増減を図って上記ペース
    トの吐出流量制御を行なう請求項2に記載のディスプレ
    イパネルのパターン形成方法。
  18. 【請求項18】 上記ディスペンサーは、軸とハウジン
    グとを相対的に回転させて上記ペーストを上記ハウジン
    グの吸入口から吐出口へ圧送するポンピング圧力を発生
    させて、上記ペーストを吐出させる請求項17に記載の
    ディスプレイパネルのパターン形成方法。
  19. 【請求項19】 上記軸と上記ハウジングとの相対移動
    面に形成された動圧シールにより、上記ペーストの流出
    を遮蔽する請求項17に記載のディスプレイパネルのパ
    ターン形成方法。
  20. 【請求項20】 上記ディスペンサーは、軸とハウジン
    グを相対的に回転させると共に、上記軸と上記ハウジン
    グとを相対的に軸方向に移動させることにより上記軸と
    上記ハウジング間の動圧シールが形成された流通路の間
    隙を変化させて、上記ペーストの流体抵抗の増減を図る
    ことにより上記ペーストの流量制御を行なう請求項19
    に記載のディスプレイパネルのパターン形成方法。
  21. 【請求項21】 基板表面に並列に設けられた複数本の
    光吸収層の間にペーストを吐出してあるパターンのペー
    スト層を形成するディスプレイパネルのパターン形成装
    置であって、 基板を載置する載置台と、 上記ペーストを吐出する少なくとも1つのノズルを有す
    るディスペンサーと、 上記ノズルと上記載置台とを相対的に移動させる搬送部
    と、 上記光吸収層間の所定の位置に順次上記ペーストが吐出
    されるように上記搬送部と上記ディスペンサーを制御す
    る制御装置と、を備えて、 上記ディスペンサーはねじ溝式である、ディスプレイパ
    ネルのパターン形成装置。
  22. 【請求項22】 上記ディスペンサーは、 上記ペーストの吸入孔及び吐出孔とを有しかつ内部に流
    体輸送室が形成されたシリンダと、 上記シリンダに収納されたピストンと、 上記シリンダと上記ピストンで形成される内部空間を増
    減させるために、上記シリンダと上記ピストンに相対的
    な運動を与えるアクチェータと、 とを備えて、 上記吸入孔から上記流体輸送室内に流入した上記ペース
    トは、上記内部空間に繋がる流路を経て上記吐出孔に流
    出するように構成されている請求項21に記載のディス
    プレイパネルのパターン形成装置。
  23. 【請求項23】 上記ディスペンサーは、ねじ溝式ディ
    スペンサーに代えて、 第1のアクチェータと、 上記第1のアクチェータによって直線方向に駆動される
    ピストンと、 このピストンを収納しかつ上記ペーストの吸入孔及び吐
    出孔とを有するハウジングと、 上記ピストンと同軸上に配置されたシリンダと、 上記ピストンと上記シリンダの間に相対的な回転運動を
    与える第2のアクチェータとを備えて、 上記ピストンと上記ハウジングの間に、上記吸入孔及び
    吐出孔と連絡するポンプ室を形成して、上記第1のアク
    チェータ又は上記第2のアクチェータの駆動による上記
    ピストンと上記シリンダの相対的な回転運動或いは直線
    運動によって、上記ポンプ室にポンプ作用が与えられる
    ように構成され、かつ、上記第1のアクチェータが外部
    から電気磁気的な非接触の電力供給されて移動もしくは
    伸縮することにより上記ピストンを移動させる請求項2
    1に記載のディスプレイパネルのパターン形成装置。
  24. 【請求項24】 上記ディスペンサーは、ねじ溝式ディ
    スペンサーに代えて、 軸と、 この軸を収納しかつ上記軸との間で形成されるポンプ室
    と外部を連絡する上記ペーストの吸入口及び吐出口有す
    るハウジングと、 上記軸と上記ハウジングとを相対的に回転させる装置
    と、 上記軸と上記ハウジング間の軸方向相対変位を与える軸
    方向駆動装置と、 上記ポンプ室内に流入された上記ペーストを吐出口側に
    圧送する装置とを備えて、 上記ポンプ室と上記吐出口の間の上記ペーストの流体抵
    抗の増減を図るために、上記軸方向駆動装置によって上
    記軸と上記ハウジング間の間隙が変化するように構成さ
    れている請求項21に記載のディスプレイパネルのパタ
    ーン形成装置。
  25. 【請求項25】 上記ディスペンサーは、 ピストンと、 上記ピストンを収納しかつ上記ペーストの吸入口と吐出
    口とを有するハウジングと、 上記ピストンと上記ハウジングとを相対的に移動させる
    第1のアクチェータと、 上記ピストンの少なくとも一部を収納し軸方向に貫通し
    た空間を有するシリンダと、 上記シリンダと上記ハウジングとを相対的に移動させる
    第2のアクチェータと、 上記ピストンと上記シリンダと上記ハウジングとで形成
    されるポンプ室に外部より上記吸入口から上記ペースト
    を供給して上記吐出口より吐出させる請求項21に記載
    のディスプレイパネルのパターン形成装置。
  26. 【請求項26】 上記ディスペンサーは、 シリンダに収納されたピストンと、 上記シリンダと上記ピストンで形成される内部空間を増
    減させるために、上記シリンダと上記ピストンに相対的
    な運動を与えるアクチェータと、 上記シリンダを収納或いは上記シリンダと一体化し、か
    つ、上記ペーストの吸入孔及び吐出孔とを有するハウジ
    ングと、 上記ハウジング内部に形成された流体輸送室から構成さ
    れ、 上記吸入孔から上記流体輸送室内に流入した上記ペース
    トは、上記内部空間に繋がる流路を経て上記吐出孔に流
    出するように構成されているディスプレイパネルのパタ
    ーン形成装置。
  27. 【請求項27】 上記ピストンとその対向面の隙間は、
    上記ペースト遮断時、吐出材料に含まれる粒子の粒径よ
    りも大きく形成されているディスペンサーを用いてい
    る、請求項26に記載のディスプレイパネルのパターン
    形成装置。
  28. 【請求項28】 上記吸入口から上記吐出ノズルに至る
    流通路において、上記ペースト遮断時の最小隙間は8μ
    m以上である、請求項27に記載のディスプレイパネル
    のパターン形成装置。
  29. 【請求項29】 上記制御装置は、上記ペースト層を形
    成する有効表示領域(60a,700)と、この有効表
    示領域の外側に上記ペースト層を形成しない非有効表示
    領域(60b,704)を有する上記基板のうちの上記
    有効表示領域を上記ディスペンサーが相対的に走行して
    いるときは上記ペーストを吐出する一方、上記非有効表
    示領域を上記ディスペンサーが相対的に走行していると
    きは上記ペーストの吐出を遮断するように制御する、請
    求項21に記載のディスプレイパネルのパターン形成装
    置。
  30. 【請求項30】 上記ペースト層として電極層(70
    5)を形成する有効表示領域(700)と、上記有効表
    示領域と隣接して配置され、かつ、連続した上記電極層
    と不連続の電極層(706)を形成する準有効表示領域
    (701A、701B)と、上記有効表示領域と上記準
    有効表示領域の外側に仮想的に設けられかつ電極層を形
    成しない非有効表示領域(704)とを有する上記基板
    のうちの上記有効表示領域と上記準有効表示領域とを上
    記ディスペンサーが相対的に走行しているときは上記ペ
    ーストを吐出する一方、上記非有効表示領域を上記ディ
    スペンサーが相対的に走行しているときは上記ペースト
    の吐出を遮断するようにした請求項1に記載のディスプ
    レイパネルのパターン形成方法。
  31. 【請求項31】 上記準有効表示領域内で上記ペースト
    の吐出が開始されるか、もしくは上記有効表示領域での
    吐出が上記準有効表示領域内で遮断される請求項2に記
    載のディスプレイパネルのパターン形成方法。
  32. 【請求項32】 等ピッチで配設された複数本のノズル
    を有するディスペンサーにより、上記有効表示領域に隣
    接した上記準有効表示領域内で上記ペーストの複数本の
    ストライプ状の吐出を開始後、上記有効表示領域を経由
    して、上記有効表示領域のもう一方の側に隣接した上記
    準有効表示領域内で上記ペーストの上記複数本のストラ
    イプ状の吐出を遮断する請求項3に記載のディスプレイ
    パネルのパターン形成方法。
  33. 【請求項33】 等ピッチで配設された複数本のノズル
    を有するディスペンサーにより、上記準有効表示領域内
    の上記ペースト層の中で同一の傾斜角を有する屈曲した
    複数のストライプ状の電極層だけを選び、 上記準有効表示領域内、及び/又は、上記有効表示領域
    内で同時的に上記複数本のストライプ状の吐出を行なっ
    て、上記複数のストライプ状の上記電極層を形成する請
    求項2に記載のディスプレイパネルのパターン形成方
    法。
  34. 【請求項34】 上記準有効表示領域内で上記ペースト
    の吐出を遮断するとき、上記ディスペンサーの内部流路
    の隙間の増大に伴う負圧の発生を利用して上記吐出遮断
    を行なう請求項3に記載のディスプレイパネルのパター
    ン形成方法。
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