JP2003239135A - ポリアミドの溶融紡糸方法 - Google Patents

ポリアミドの溶融紡糸方法

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JP2003239135A JP2002036090A JP2002036090A JP2003239135A JP 2003239135 A JP2003239135 A JP 2003239135A JP 2002036090 A JP2002036090 A JP 2002036090A JP 2002036090 A JP2002036090 A JP 2002036090A JP 2003239135 A JP2003239135 A JP 2003239135A
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spinneret
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Hajime Fujii
一 藤井
Hirofusa Yamamoto
浩房 山本
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 溶融紡糸時におけるモノマー、オリゴマー等
の低重合物の生成を抑制し、かつ、紡糸口金表面を水蒸
気でシールすることで、溶融紡糸時の紡糸口金表面汚れ
を抑制し紡糸操業性を改善することができるポリアミド
の溶融紡糸方法を提供する。 【解決手段】 重合前、重合中あるいは重合後のいずれ
かの段階にマグネシウム化合物を、ポリアミド100g
に対してマグネシウムとして0.5ミリモル以上、30
ミリモル未満の範囲となるように重合反応系またはポリ
アミドに添加する工程(工程A)、紡糸口金表面に水蒸
気を供給しながら、工程Aで得られたポリアミドを紡糸
する工程を含む溶融紡糸方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はポリアミドの溶融紡
糸方法に関する。特に溶融紡糸時のモノマー、オリゴマ
ー等の低重合物の生成を抑制し、紡糸口金表面に付着、
堆積される低重合物、ポリマー糸条等の酸化劣化反応を
抑制することで、酸化劣化物による紡糸口金吐出孔周り
の汚れを大幅に抑制でき、紡糸操業性を改善したり、紡
糸口金表面の清掃周期を延長することができるポリアミ
ド繊維の溶融紡糸方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリアミドは機械的性質、化学的性質、
熱的性質において優れた特性を有することから、衣料
用、産業用等の繊維用途あるいはエンジニアリングプラ
スチック及びフィルム用途として幅広く使用されてい
る。
【0003】通常、繊維、樹脂成形品、フィルムなど
は、ポリアミドを形成することが可能な例えばε−カプ
ロラクタムなどのモノマーの重合、チップ化、及び必要
に応じて重合体中に含まれる未反応の低重合体及び水分
の除去などの工程を経て得られたポリアミドペレットを
再度溶融し成形することにより得られる。
【0004】ポリカプラミドの場合では、原料であるε
−カプロラクタム及びそのオリゴマーの開閉環平衡の関
係から、重合後のポリマー中には約10〜12重量%の
低重合物を含む。このため、一般的に溶融成形前にこれ
らの低重合物を熱水などにより可能な限り除去する方法
が採用されているが、平衡反応のため再溶融するとモノ
マー、オリゴマー等の低重合物が再生し、紡糸口金表面
が汚染される。特に溶融紡糸により繊維を製造する場
合、溶融時に低重合物がポリマー糸条から昇華あるいは
ブリードアウトしたり、ポリマー糸条自身が紡糸口金表
面に付着したりして紡糸口金表面に滞留し、これが酸化
劣化などにより変性し蓄積される。
【0005】これらのうち特にポリマ吐出孔周辺に蓄積
した酸化劣化変性物は、糸条が曲がって吐出されたり、
流線が不安定となるいわゆるポリマー糸条の「曲がり」
や「ピクツキ」現象を引き起こし糸切れの主原因とな
る。このため、糸切れが増加する直前に紡糸を一時中断
し、へら等の道具を用いて紡糸口金表面を清掃して、そ
の後紡糸を再開するのが普通であるが、紡糸時の糸切れ
や紡糸口金表面の清掃による紡糸中断は、生産の安定
化、生産性向上をはかる上で非常に大きな障害となって
いた。
【0006】このため、例えば特開平10−25930
6号公報において、溶融紡糸でのモノマーの低重合物の
生成抑制を目的に、ポリアミドにマグネシウム化合物を
配合し、0.01Torr以下の減圧下における環状モ
ノマー含有量を規制したポリアミドが提案されている
が、通常使用圧力におけるオリゴマーをも含めた低重合
物量について記載が無く、また、紡糸口金表面に付着、
滞留した低重合物、ポリマー自身等の酸化劣化は抑制で
きないため、紡糸口金吐出孔周りにおける酸化劣化変性
物の生成抑制にはほとんど効果はない。
【0007】また、特公昭53−9291、特開昭57
−21508号公報において、紡糸口金表面に付着、滞
留したモノマー、オリゴマーの酸化劣化抑制を目的に紡
糸口金表面を水蒸気でシールする方法が提案されている
が、この方法では溶融紡糸時の低重合物の生成抑制には
効果がないため、紡糸口金表面へのモノマー、オリゴマ
ーの付着、滞留を抑制するには充分であるとはいえず、
紡糸操業性の改善効果はあるものの充分満足できるまで
には至っていなかった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明では繊
維製品を経済的に生産するために、溶融紡糸時における
モノマー、オリゴマー等の低重合物の生成抑制、紡糸口
金吐出孔周りでの酸化劣化変性物の蓄積抑制の面から繊
維製品を得るのに特に好適なポリアミド溶融紡糸方法を
提供することを課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明は主として次のような構成を有している。す
なわち、重合前、重合中あるいは重合後のいずれかの段
階にマグネシウム化合物を、ポリアミド100gに対し
てマグネシウムとして0.5ミリモル以上、30ミリモ
ル未満の範囲となるように重合反応系またはポリアミド
に添加する工程(工程A)、紡糸口金表面に水蒸気を供
給しながら、工程Aで得られたポリアミドを紡糸する工
程、を含むことを特徴とする溶融紡糸方法、により構成
される。
【0010】
【発明の実施の形態】以下本発明を詳細に説明する。
【0011】本発明に言うポリアミドは、いわゆる炭化
水素基が主鎖にアミド結合を介して連結された高分子量
体であって、その種類には特に制限されない。しかし、
溶融紡糸時にモノマー、オリゴマー等の低重合物が生成
しやすい、主としてε−カプロラクタムから構成される
ポリアミドにおいて特に有効である。ここで言う主とし
てとは、ε−カプロラクタム単位として80モル%以上
であることを言い、さらに好ましくは90モル%以上で
あることが好ましい。その他の成分としては、特に制限
はないが、例えば、ポリドデカノアミド、ポリヘキサメ
チレンアジパミド、ポリヘキサメチレンアゼラミド、ポ
リヘキサメチレンセバカミド、ポリヘキサメチレンドデ
カノアミド、ポリメタキシリレンアジパミド、ポリヘキ
サメチレンテレフタラミド、ポリヘキサメチレンイソフ
タラミド等を構成するモノマーである、アミノカルボン
酸、ジカルボン酸、ジアミンなどの単位が挙げられる。
【0012】本発明に言うポリアミドは、常法で重合す
ることができ、例えば、ε−カプロラクタムおよび少量
の水の混合物を反応器内で大気圧下、240〜270℃
の条件で10〜15時間加熱するか、あるいは加圧条件
で初期重合させた後さらにその後の常圧下での重合反応
などにより液相重合を行い、得られたポリアミドを常法
により反応器から吐出、冷却、ペレタイズ化、抽出、乾
燥するなどの操作を経て得る方法が挙げられる。また、
アミノ末端基量、カルボキシル末端基量、重合速度など
の調整のため必要に応じて重合前、重合中あるいは重合
後のポリアミド原料あるいはポリアミドに酢酸、プロピ
オン酸、吉草酸、カプロン酸、エナント酸、トリデカン
酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ラウ
リル酸、リノール酸のような脂肪族モノカルボン酸、シ
クロヘキサンカルボン酸のような脂環式モノカルボン
酸、安息香酸、フェニル酢酸等の芳香族モノカルボン酸
およびこれらモノカルボン酸と同様にアミノ基と反応す
る酸無水物、また、テレフタル酸、イソフタル酸、アジ
ピン酸、セバシン酸のようなジカルボン酸、ブチルアミ
ン、ペンチルアミン、ヘキシルアミン、ヘプチルアミ
ン、オクチルアミンのような脂肪族モノアミン、シクロ
へキシルアミンのような脂環式モノアミン、ベンジルア
ミンのような芳香族モノアミン、ヘキサメチレンジアミ
ンのようなジアミンなどを単独あるいは複数添加しこれ
らをポリマー末端に反応付加あるいはポリアミド主鎖内
に取り込みさせても良い。
【0013】重合により得られるポリアミドの重合度が
低すぎる場合は重合時の初期加熱温度を上げ、逆にポリ
アミドの重合度が高すぎる場合は重合時の初期加熱温度
を下げればよい。このようにポリアミドの重合度は主に
重合温度により制御することができる。
【0014】重合されたポリアミドは、90〜120℃
程度の熱水とポリアミドを接触させ、低重合物(モノマ
ー、オリゴマー)を抽出する。抽出操作後にポリアミド
に含まれる低重合物は、ポリマ粉末化後の熱水可溶成分
として通常1.0〜1.5重量%である。抽出操作を終
えたポリアミドは約10%程度の水分を含むために乾燥
する。ポリアミドの乾燥方法は1.3kPa以下の減圧
下でバッチ方式に加熱する方法、あるいはポリアミドと
加熱された窒素とを連続的に接触させる方法が挙げられ
る。大量生産を行う場合は連続運転が可能な後者が有利
であり、少量多品種生産の場合は前者が有利である。通
常の場合、乾燥はポリアミドの融点以下の温度である1
00〜120℃において、10〜30時間程度保持する
ことにより、含水率が概ね0.1%以下となるまで行わ
れる。
【0015】重合度が溶融紡糸などの成形に鑑みて充分
に高くない場合、該ポリアミドをさらに固相重合し、重
合度を必要な程度まで高めても良い。
【0016】固相重合は、上記抽出操作の後に行われる
乾燥時の温度を重合反応が進む120〜170℃程度と
すれば乾燥操作を兼ねて行うことができ、効率的かつ経
済的である。固相重合による重合度の上昇を大きくした
い場合は、温度を高くするかまたは操作時間を長くすれ
ば良い。逆に固相重合における重合度の上昇を抑制した
い場合には、乾燥操作が充分に行われる範囲において温
度を低くするか操作時間を短くすれば良い。
【0017】本発明に言うポリアミドの重合度は糸ある
いはその加工品の要求特性またはそれらを安定して得る
ための適当な範囲より適宜選択して良いが、好ましくは
98%硫酸相対粘度(ηr)として2.1〜3.6の範
囲であり、さらに好ましくは2.5〜3.4の範囲であ
る。
【0018】本発明のポリアミド溶融紡糸方法では、ポ
リアミドの重合前、重合中あるいは重合後のいずれかの
段階にマグネシウム化合物をポリアミド100gに対し
て、0.5ミリモル以上30ミリモル未満、好ましくは
1〜3ミリモル添加することが重要である。マグネシウ
ムの含有量が0.5ミリモル未満では、溶融紡糸時にお
けるモノマー、オリゴマー等の低重合物の再生を充分抑
制することができず、紡糸口金表面へのモノマー、オリ
ゴマーの付着、滞留のためにポリマー糸条の曲がりやピ
クツキ現象を引き起こし糸切れが発生する。また、30
ミリモル以上としても、効果はそれ以上は改善されず、
経済的観点から好ましくないばかりか、含有量が多くな
るとマグネシウム化合物が凝集した異物が生じやすく、
繊維糸条に毛羽や単糸切れ等が多発する傾向がある。
【0019】マグネシウム成分を含有せしめる方法とし
ては、ポリアミドペレットへマグネシウム化合物をブレ
ンドし溶融する方法、溶融状態のポリアミドへマグネシ
ウム化合物を添加し混練する方法、重合前あるいは重合
中の段階で原料あるいは反応系へマグネシウム化合物を
添加する方法などが挙げられるが、両者が均一に混ざれ
ばいかなる方法でも良い。
【0020】マグネシウム化合物としては、酸化マグネ
シウム、水酸化マグネシウム、炭酸マグネシウム、およ
びこれらの混合物などが挙げられるが、とりわけ、溶融
紡糸時におけるモノマー、オリゴマー等の低重合物の再
生の抑制効果、ならびに紡糸口金表面へのモノマー、オ
リゴマーの付着や滞留による、ポリマー糸条の曲がりや
ピクツキ現象に起因する糸切れの抑制効果を顕著に発現
させる、酸化マグネシウムまたは水酸化マグネシウムを
用いることが好ましい。
【0021】本発明に言うポリアミドには、本発明の目
的を阻害しない範囲において、ポリドデカノアミド、ポ
リヘキサメチレンアジパミド、ポリヘキサメチレンアゼ
ラミド、ポリヘキサメチレンセバカミド、ポリヘキサメ
チレンドデカノアミド、ポリメタキシリレンアジパミ
ド、ポリヘキサメチレンテレフタラミド、ポリヘキサメ
チレンイソフタラミド等が含有されていても良い。
【0022】本発明に言うポリアミドには、本発明の効
果を損なわない範囲において種々の添加剤を含んでも良
い。この添加剤を例示すれば、マンガン化合物などの安
定剤、酸化チタン(TiO2)などの着色剤、可塑剤、
滑剤、難燃剤、導電性付与剤、繊維状強化剤などであ
る。
【0023】本発明のポリアミド溶融紡糸方法では、紡
糸口金表面に水蒸気を供給することが重要であり、その
水蒸気量は、紡糸口金面積1cm2当たり10ミリグラ
ム/min以上、500ミリグラム/min未満が好ま
しく、さらに好ましくは100〜350ミリグラム/m
inである。ここで、水蒸気は飽和水蒸気であっても過
熱水蒸気でも良い。水蒸気量が10ミリグラム/min
未満では、紡糸口金表面に滞留した低重合物、ポリマー
自身等の酸化劣化を充分抑制することができず、紡糸口
金吐出孔周りに黒色の析出物として蓄積され、ポリマー
糸条の曲がりやピクツキ現象を引き起こし糸切れが発生
する場合がある。また、500ミリグラム/min以上
とすると、過剰の水蒸気吹き出しのためポリマー糸条の
揺れが大きくなり糸切れが多発したり、糸の太さ変動な
ど品質上の問題を引き起こす場合がある。
【0024】紡糸口金表面に水蒸気を供給する方法とし
ては、一定流量の水をヒーター等で加熱、気化させなが
ら紡糸口金表面に供給したり、過熱水蒸気の状態で一定
流量ずつ紡糸口金表面に供給する方法があるが、紡糸口
金表面に供給する水蒸気量が本発明の範囲内に含まれて
いればよく、本発明はこれらに限定されるものではな
い。
【0025】かかる本発明のポリアミド繊維は、熱水抽
出法により検出される低重合物(モノマー、オリゴマ
ー)量が好ましくは1.8重量%以下である。かかる範
囲とすることにより、特に溶融紡糸時のモノマー、オリ
ゴマー等の低重合物発生を低減し紡糸時の紡糸口金表面
汚れをより良好に抑制し、糸切れが更に抑制され、優れ
た製糸操業性が実現できる。
【0026】ここで、熱水抽出法により検出される低重
合物(モノマー、オリゴマー)量は、次の方法により定
義される。 (1)試料を水分率が0.03重量%以下となるまで乾
燥後秤量し、その重量をW1とする。なお、試料がペレ
ットの場合は、試料を粉砕後、1インチあたり35メッ
シュと115メッシュのフルイにかけ、35メッシュを
通過し、115メッシュに留まる粉末を試料として分取
する。 (2)(1)項で秤量した試料を試料重量に対して20
0倍以上の重量の沸騰水で4時間抽出する。 (3)(2)項で得られた試料を水洗し、ついで再び水
分率が0.03重量%以下となるまで乾燥後秤量し、そ
の重量をW2とする。 (4)上記W1,W2から下式により算出する。
【0027】 低重合物量(重量%)=(W1−W2)/W1×100
【0028】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに詳細に説
明する。物性の測定方法は次の通りである。
【0029】A.低重合物(モノマー、オリゴマー)量 先述の方法を用いた。
【0030】実施例1〜5、比較例4、5 水分を3重量%含有するε−カプロラクタムを、常法に
より重合した後ペレット化し、熱水抽出により低重合物
(モノマー、オリゴマー)量が1.3重量%のポリアミ
ドペレットを得た。このポリアミドペレットを水分率
0.03重量%以下になるまで乾燥した後、マグネシウ
ム化合物として表1に示す量の酸化マグネシウムを粉末
ブレンドした。
【0031】これらを、270℃で溶融し80個の吐出
孔を有する直径10cmの紡糸口金から吐出、表1に示
す量の過熱水蒸気(常圧、180℃)を紡糸口金下部に
設けた水蒸気噴出孔から紡糸口金表面に供給し、また、
糸条を通常の方法で冷却しつつ紡糸し、3500m/m
inの速度で巻き取り、150デシテックス80フィラ
メントの繊維糸条を得た。紡糸開始から紡糸口金汚れに
より糸切れが発生するまでの時間と、紡糸により得られ
た繊維糸条中に含有される低重合物量を測定した。結果
を表1に示す。
【0032】比較例1 水分を3重量%含有するε−カプロラクタムを、常法に
より重合した後ペレット化し、熱水抽出により低重合物
(モノマー、オリゴマー)量が1.3重量%のポリアミ
ドペレットを得た。このポリアミドペレットを水分率
0.03重量%以下になるまで乾燥した。
【0033】このマグネシウム化合物を含まないポリア
ミドペレットを、270℃で溶融し80個の吐出孔を有
する直径10cmの紡糸口金から吐出、糸条を通常の方
法で冷却しつつ紡糸し、3500m/minの速度で巻
き取り、150デシテックス80フィラメントの繊維糸
条を得た。ここで紡糸口金表面への水蒸気供給は行わな
かった。紡糸開始から紡糸口金汚れにより糸切れが発生
するまでの時間と、紡糸により得られた繊維糸条中に含
有される低重合物量を測定した。結果を表1に示す。
【0034】比較例2 水分を3重量%含有するε−カプロラクタムを、常法に
より重合した後ペレット化し、熱水抽出により低重合物
(モノマー、オリゴマー)量が1.3重量%のポリアミ
ドペレットを得た。このポリアミドペレットを水分率
0.03重量%以下になるまで乾燥した。
【0035】このマグネシウム化合物を含まないポリア
ミドペレットを、270℃で溶融し80個の吐出孔を有
する直径10cmの紡糸口金から吐出、表1に示す量の
過熱水蒸気(常圧、180℃)を紡糸口金下部に設けた
水蒸気噴出孔から紡糸口金表面に供給し、また、糸条を
通常の方法で冷却しつつ紡糸し、3500m/minの
速度で巻き取り、150デシテックス80フィラメント
の繊維糸条を得た。紡糸開始から紡糸口金汚れにより糸
切れが発生するまでの時間と、紡糸により得られた繊維
糸条中に含有される低重合物量を測定した。結果を表1
に示す。
【0036】比較例3 水分を3重量%含有するε−カプロラクタムを、常法に
より重合した後ペレット化し、熱水抽出により低重合物
(モノマー、オリゴマー)量が1.3重量%のポリアミ
ドペレットを得た。このポリアミドペレットを水分率
0.03重量%以下になるまで乾燥した後、マグネシウ
ム化合物として表1に示す量の酸化マグネシウムを粉末
ブレンドした。
【0037】これを、270℃で溶融し80個の吐出孔
を有する直径10cmの紡糸口金から吐出、糸条を通常
の方法で冷却しつつ紡糸し、3500m/minの速度
で巻き取り、150デシテックス80フィラメントの繊
維糸条を得た。ここで紡糸口金表面への水蒸気供給は行
わなかった。紡糸開始から紡糸口金汚れにより糸切れが
発生するまでの時間と、紡糸により得られた繊維糸条中
に含有される低重合物量を測定した。結果を表1に示
す。
【0038】実施例6 水分を3重量%含有するε−カプロラクタムを、常法に
より重合した後ペレット化し、熱水抽出により低重合物
(モノマー、オリゴマー)量が1.3重量%のポリアミ
ドペレットを得た。このポリアミドペレットを水分率
0.03重量%以下になるまで乾燥した。これを2軸ス
クリュータイプのエクストルーダーを用いて、温度25
0℃で溶融しつつ、マグネシウム化合物として表1に示
す添加量となるように酸化マグネシウムを定量フィーダ
ーで供給、混練してペレット化した。このポリアミドペ
レットを水分率0.03重量%以下になるまで乾燥し
た。
【0039】これを、270℃で溶融し80個の吐出孔
を有する直径10cmの紡糸口金から吐出、表1に示す
量の過熱水蒸気(常圧、180℃)を紡糸口金下部に設
けた水蒸気噴出孔から紡糸口金表面に供給し、また、糸
条を通常の方法で冷却しつつ紡糸し、3500m/mi
nの速度で巻き取り、150デシテックス80フィラメ
ントの繊維糸条を得た。紡糸開始から紡糸口金汚れによ
り糸切れが発生するまでの時間と、紡糸により得られた
繊維糸条中に含有される低重合物量を測定した。結果を
表1に示す。
【0040】実施例7 水分を3重量%含有するε−カプロラクタムに、マグネ
シウム化合物として表1に示す量の酸化マグネシウムを
加えた。これを常法により重合した後ペレット化し、熱
水抽出により低重合物(モノマー、オリゴマー)量が
1.3重量%のポリアミドペレットを得た。このポリア
ミドペレットを水分率0.03重量%以下になるまで乾
燥した。
【0041】これを、270℃で溶融し80個の吐出孔
を有する直径10cmの紡糸口金から吐出、表1に示す
量の過熱水蒸気(常圧、180℃)を紡糸口金下部に設
けた水蒸気噴出孔から紡糸口金表面に供給し、また、糸
条を通常の方法で冷却しつつ紡糸し、3500m/mi
nの速度で巻き取り、150デシテックス80フィラメ
ントの繊維糸条を得た。紡糸開始から紡糸口金汚れによ
り糸切れが発生するまでの時間と、紡糸により得られた
繊維糸条中に含有される低重合物量を測定した。結果を
表1に示す。
【0042】実施例8 水分を3重量%含有するε−カプロラクタムを、常法に
より重合した後ペレット化し、熱水抽出により低重合物
(モノマー、オリゴマー)量が1.3重量%のポリアミ
ドペレットを得た。このポリアミドペレットを水分率
0.03重量%以下になるまで乾燥した後、マグネシウ
ム化合物として表1に示す量の水酸化マグネシウムを粉
末ブレンドした。
【0043】これを、270℃で溶融し80個の吐出孔
を有する直径10cmの紡糸口金から吐出、表1に示す
量の過熱水蒸気(常圧、180℃)を紡糸口金下部に設
けた水蒸気噴出孔から紡糸口金表面に供給し、また、糸
条を通常の方法で冷却しつつ紡糸し、3500m/mi
nの速度で巻き取り、150デシテックス80フィラメ
ントの繊維糸条を得た。紡糸開始から紡糸口金汚れによ
り糸切れが発生するまでの時間と、紡糸により得られた
繊維糸条中に含有される低重合物量を測定した。結果を
表1に示す。
【0044】
【表1】
【0045】表1の結果から明らかなように、本発明の
ポリアミド繊維は、再溶融後においてもモノマー、オリ
ゴマーの生成が抑制され、従来のポリアミド組成物と比
較して糸切れまでの時間が長いという極めて顕著な効果
を奏することが判る。
【0046】
【発明の効果】本発明によれば、溶融紡糸時におけるモ
ノマー、オリゴマー等の低重合物の生成を抑制し、か
つ、紡糸口金表面を水蒸気でシールすることで、溶融紡
糸時の紡糸口金表面汚れを抑制し紡糸操業性を改善する
ことができるポリアミドの溶融紡糸方法を提供すること
ができる。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリアミド繊維の溶融紡糸方法であっ
    て、(1)ポリアミドの重合前、重合中あるいは重合後
    のいずれかの段階にマグネシウム化合物を、ポリアミド
    100gに対してマグネシウムとして0.5ミリモル以
    上、30ミリモル未満の範囲となるように重合反応系ま
    たはポリアミドに添加する工程、(2)紡糸口金表面に
    水蒸気を供給しながら(1)の工程で得られたポリアミ
    ドを紡糸する工程、を含むことを特徴とするポリアミド
    の溶融紡糸方法。
  2. 【請求項2】 ポリアミドを構成するモノマーが、主と
    してε−カプロラクタムであることを特徴とする請求項
    1記載のポリアミドの溶融紡糸方法。
  3. 【請求項3】 マグネシウム化合物が酸化マグネシウム
    または水酸化マグネシウムであることを特徴とする請求
    項1または2記載のポリアミドの溶融紡糸方法。
  4. 【請求項4】 紡糸口金表面に供給する水蒸気量が、紡
    糸口金面積1cm2当たり10ミリグラム/min以
    上、500ミリグラム/min未満であることを特徴と
    する請求項1〜3いずれか記載のポリアミドの溶融紡糸
    方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2007247118A (ja) * 2006-03-20 2007-09-27 Toray Ind Inc 合成繊維の溶融紡糸装置および合成繊維の製造方法
US8067494B2 (en) * 2006-10-30 2011-11-29 Dow Global Technologies Llc Magnesium hydroxide-based flame retardant compositions made via in-situ hydration of polymer compounds comprising magnesium oxide

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