JP2003128912A - 酸化チタン含有ポリアミド組成物およびそれからなる成形品 - Google Patents

酸化チタン含有ポリアミド組成物およびそれからなる成形品

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Hirofusa Yamamoto
浩房 山本
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 酸化チタンを含むポリアミド組成物からなる
成形品、特に繊維製品を経済的に安定して生産するため
に、再溶融時、例えば溶融紡糸により繊維を製造する時
モノマー、オリゴマーの生成抑制、成形口金孔周辺での
酸化チタン汚れ抑制および濾過圧力上昇抑制の面から繊
維製品を得るのに特に好適なポリアミド組成物を提供す
る。 【解決手段】酸化チタンを含有したポリアミド組成物で
あって、該ポリアミド組成物1kgに対して8ミリモル
以上25ミリモル以下のマグネシウムを含有することを
特徴とする酸化チタン含有ポリアミド組成物とすること
であり、特に、酸化チタン含有量がポリアミド組成物中
に0.3重量%以上であることを特徴とするポリアミド
組成物とすることである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は酸化チタン含有ポリ
アミド組成物に関する。特に溶融紡糸時のモノマー、オ
リゴマー等の低重合物の発生を低減することにより、紡
糸時の口金孔周辺においてポリアミドよりブリードアウ
トした酸化チタンによる汚れを抑制することで紡糸操業
性を改善することができるポリアミド組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリアミドは機械的性質、化学的性質、
熱的性質において優れた特性を有することから、衣料
用、産業用等の繊維用途あるいはエンジニアリングプラ
スチック及びフィルム用途として幅広く使用されてい
る。
【0003】通常、繊維、樹脂成形品、フィルムなど
は、ポリアミドを形成することが可能な例えばε-カプ
ロラクタムなどのモノマーの重合、チップ化、及び必要
に応じて重合体中に含まれる未反応の低重合体及び水分
の除去などの工程を経て得られたポリアミドペレットを
再度溶融し成形することにより得られる。
【0004】ポリカプラミドの場合では、原料であるε
-カプロラクタム及びそのオリゴマーの開閉環平衡の関
係から、重合後のポリマー中には約10〜12重量%の
低重合物を含む。このため、一般的に溶融成形前にこれ
らの低重合物を熱水などにより可能な限り除去する方法
が採用されているが、平衡反応のため再溶融するとモノ
マー、オリゴマーが再生し、成形口金表面が汚染され
る。特に溶融紡糸により繊維を製造する場合、溶融時に
生成するモノマー、オリゴマーは、口金表面汚れによる
糸切れの原因となり、さらに衣料用繊維の場合、繊維の
艶消し剤として酸化チタンが配合されることがあるが、
紡糸時に酸化チタンが口金孔周辺でブリードアウトし口
金孔周辺に異物を形成するため、前記したモノマー、オ
リゴマーとともに特に生産の安定化、生産性向上をはか
る上で大きな障害となっていた。
【0005】このため、例えば特開平8−231711
号公報において、成形装置の口金汚染低減を目的に、ポ
リアミドのアミノ末端基やカルボキシル末端基量を極端
に低く制限し、かつ低分子量成分の含有量を規制する方
法が提案されているが、この方法ではモノアミン、モノ
カルボン酸などの末端封鎖剤を多く添加する必要があ
り、この場合、成形加工に必要な重合度のポリアミドを
得るためには重合に長時間要したり減圧重合など特殊な
重合が必要となり、熱分解反応による品質劣化の可能
性、また、工業的規模の生産においては経済的観点で抜
本的な解決策が求められていた。
【0006】また、ポリアミドとアルカリ土類金属化合
物、特に水酸化マグネシウムと酸化マグネシウムとの混
晶からなり、0.01Torr以下、250℃溶融時の環状モノマ
ー量が規定以下のポリアミド組成物(特開平10−25
9306号公報)が提案されているが、通常使用圧力で
のモノマーにオリゴマーをも含めた低重合物量について
記載が無く、特に酸化チタンを含有するポリアミドにお
いては前記問題を解決することに関する記載は皆無であ
る。また、水酸化マグネシウムと酸化マグネシウムとの
混晶配合量が多く紡糸時の濾圧上昇などの問題がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明では酸
化チタンを含むポリアミド組成物からなる成形品、特に
繊維製品を経済的に安定して生産するために、再溶融
時、例えば溶融紡糸により繊維を製造する時モノマー、
オリゴマーの生成抑制、成形口金孔周辺での酸化チタン
汚れ抑制および濾過圧力上昇抑制の面から繊維製品を得
るのに特に好適なポリアミド組成物を提供することを課
題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するた
め、本発明は主として次のような構成を有している。
【0009】すなわち、(1)酸化チタンを含有したポ
リアミド組成物であって、該ポリアミド組成物1kgに
対して8ミリモル以上25ミリモル以下のマグネシウム
を含有することを特徴とする酸化チタン含有ポリアミド
組成物、(2)酸化チタン含有量がポリアミド組成物中
に0.3重量%以上であることを特徴とする請求項1記
載のポリアミド組成物、(3)前記ポリアミドが主とし
てポリカプラミドからなる、(1)または(2)いずれ
か記載のポリアミド組成物、(4)ポリアミド組成物か
らなる成形品であって、熱水抽出法により検出される低
重合物量が1.6重量%以下である(1)〜(3)のい
ずれかに記載のポリアミド組成物からなる成形品、であ
る。
【0010】
【発明の実施の形態】以下本発明を詳細に説明する。
【0011】本発明に言うポリアミドは、いわゆる炭化
水素基が主鎖にアミド結合を介して連結された高分子量
体であって、その種類は特に制限されないが、好ましく
は、主としてポリカプラミドからなるポリアミドである
ことが好ましい。ここで言う主としてとは、カプラミド
単位として80モル%以上であることを言い、さらに好
ましくは90モル%以上であることが好ましい。その他
の成分としては、特に制限はないが、例えば、ポリドデ
カノアミド、ポリヘキサメチレンアジパミド、ポリヘキ
サメチレンアゼラミド、ポリヘキサメチレンセバカミ
ド、ポリヘキサメチレンドデカノアミド、ポリメタキシ
リレンアジパミド、ポリヘキサメチレンテレフタラミ
ド、ポリヘキサメチレンイソフタラミド等を構成するモ
ノマーである、アミノカルボン酸、ジカルボン酸、ジア
ミンなどの単位が挙げられる。
【0012】本発明のポリアミドは、常法で重合するこ
とができ、例えば、ε-カプロラクタムとおよび少量の
水の混合物を反応器内で大気圧下、240〜270℃の
条件で10〜15時間加熱するか、あるいは加圧条件で
初期重合させた後さらにその後の常圧下での重合反応な
どにより液相重合を行い、得られたポリアミドを常法に
より反応器から吐出、冷却、ペレタイズ化、抽出、乾燥
するなどの操作を経て得る方法が挙げられる。
【0013】また、必要に応じて重合前、重合中あるい
は重合後のポリアミド原料あるいはポリアミドに酢酸、
プロピオン酸、吉草酸、カプロン酸、エナント酸、トリ
デカン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン
酸、ラウリル酸、リノール酸のような脂肪族モノカルボ
ン酸、シクロヘキサンカルボン酸のような脂環式モノカ
ルボン酸、安息香酸、フェニル酢酸等の芳香族モノカル
ボン酸およびこれらモノカルボン酸と同様にアミノ基と
反応する酸無水物、また、ブチルアミン、ペンチルアミ
ン、ヘキシルアミン、ヘプチルアミン、オクチルアミン
のような脂肪族モノアミン、シクロへキシルアミンのよ
うな脂環式モノアミン、ベンジルアミンのような芳香族
モノアミンなどを添加しこれらをポリマー末端に反応付
加させても良い。
【0014】重合により得られるポリアミドの重合度が
低すぎる場合は重合時の初期加熱温度を上げ、逆にポリ
アミドの重合度が高すぎる場合は重合時の初期加熱温度
を下げればよい。このようにポリアミドの重合度は主に
重合温度により制御することができる。
【0015】重合されたポリアミドは、90〜120℃
程度の熱水とポリアミドを接触させ、低重合物を抽出す
る。抽出操作後にポリアミドに含まれる低重合物は、ポ
リマ粉末化後の熱水可溶成分として通常1.0〜1.5
重量%である。抽出操作を終えたポリアミドは約10%
程度の水分を含むために乾燥する。ポリアミドの乾燥方
法は1.3kPa以下の減圧下でバッチ方式に加熱する
方法、あるいはポリアミドと加熱された窒素とを連続的
に接触させる方法が挙げられる。大量生産を行う場合は
連続運転が可能な後者が有利であり、少量多品種生産の
場合は前者が有利である。通常の場合、乾燥はポリアミ
ドの融点以下の温度である100〜120℃において、
10〜30時間程度保持することにより、含水率が概ね
0.1%以下となるまで行われる。
【0016】重合度が溶融紡糸などの成形に鑑みて充分
に高くない場合、前記ポリアミドをさらに固相重合し、
重合度を必要な程度まで高めても良い。
【0017】固相重合は、上記抽出操作の後に行われる
乾燥時の温度を重合反応が進む120〜170℃程度と
すれば乾燥操作を兼ねて行うことができ、効率的かつ経
済的である。固相重合による重合度の上昇を大きくした
い場合は、温度を高くするかまたは操作時間を長くすれ
ば良い。逆に固相重合における重合度の上昇を抑制した
い場合には、乾燥操作が充分に行われる範囲において温
度を低くするか操作時間を短くすれば良い。
【0018】酸化チタンを含有したポリアミドからなる
ポリアミド組成物は、前記ポリアミドに酸化チタンを配
合することにより得られる。
【0019】酸化チタンは通常、原料モノマーに重合前
に混合されるか、あるいは重合後のポリマに溶融混練さ
れる。また酸化チタンはその分散性やポリマの耐候性を
改善する目的で表面処理されることがあるが、ここでは
それら表面処理を施されたものであっても良い。
【0020】本発明を構成する酸化チタン濃度は、ポリ
アミド組成物中に0.3重量%以上であることが好まし
く、特に1.5重量%以上10重量%以下であることが
より好ましく、さらに好ましくは4.5重量%以上10
重量%以下である。
【0021】またマグネシウム成分を含有せしめる方法
としては、ポリアミドペレットへマグネシウム化合物を
ブレンドし溶融する方法、ポリアミドペレットへ高濃度
のマグネシウムを含有するマスタペレットをブレンドし
溶融する方法、溶融状態のポリアミドへマグネシウム化
合物を添加し混練する方法、ポリアミドの重合前あるい
は重合中の段階で原料あるいは反応系へマグネシウム化
合物を添加する方法などが挙げられるが、両者が均一に
混ざればいかなる方法でも良い。
【0022】マグネシウム化合物としては、酸化マグネ
シウム、水酸化マグネシウム、炭酸マグネシウムなど、
およびこれらの混合物が挙げられるが、酸化マグネシウ
ムまたは水酸化マグネシウムを用いることが好ましい。
【0023】本発明のポリアミド組成物は酸化チタンを
含有したポリアミドからなるポリアミド組成物であっ
て、該ポリアミド組成物1kgに対して8ミリモル以上
25ミリモル以下のマグネシウムを含有する。このマグ
ネシウムは陽イオン状態あるいは塩として存在する。マ
グネシウムがポリアミド組成物1kgに対して8ミリモ
ル未満では、例えば、溶融により繊維を製造する時にお
けるモノマー、オリゴマーの再生を充分抑制することが
できず、これらモノマ、オリゴマおよびポリアミドより
ブリードアウトした酸化チタンによる成形口金孔周辺汚
染による糸切れが多く発生し操業性が不調となる。ま
た、25ミリモルより多量であっても、効果は同程度で
あり経済的観点から好ましくないばかりでなく、特に酸
化チタンを含む場合、ポリアミド中の不溶解異物として
残存したマグネシウムが酸化チタンと相まって異物除去
のため設置したフィルターでの濾過圧力上昇、成形品物
性低下などの問題を引き起こす。
【0024】本発明のポリアミド組成物には、本発明の
目的を阻害しない範囲において、ポリドデカノアミド、
ポリヘキサメチレンアジパミド、ポリヘキサメチレンア
ゼラミド、ポリヘキサメチレンセバカミド、ポリヘキサ
メチレンドデカノアミド、ポリメタキシリレンアジパミ
ド、ポリヘキサメチレンテレフタラミド、ポリヘキサメ
チレンイソフタラミド等が含有されていても良い。
【0025】本発明のポリアミド組成物の重合度は成形
性あるいは成形物の特性からの要求により適宜選択して
良いが、好ましくは98%硫酸相対粘度(ηr)として
2.1〜3.6の範囲であり、さらに好ましくは2.5
〜3.4の範囲である。
【0026】本発明のポリアミド組成物には、本発明の
効果を損なわない範囲において種々の添加剤を含んでも
良い。この添加剤を例示すれば、マンガン化合物などの
安定剤、可塑剤、滑剤、難燃剤、導電性付与剤、繊維状
強化剤などである。
【0027】本発明のポリアミド組成物は好適に公知の
成形方法を用いて成形品とすることができ、例えば、繊
維、フィルム、シート、射出成形品、押出成形品などの
成形体に加工された態様をとることができる。とりわけ
本発明の効果が最も効果的に反映できる繊維とすること
が好ましい。
【0028】かかる本発明のポリアミド組成物からなる
成形品は、熱水抽出法により検出される低重合物量が好
ましくは1.6重量%以下である。このためには溶融時
間は15分以内であることが好ましいが限定されるもの
ではない。
【0029】かかる範囲とすることにより、特に溶融紡
糸時のモノマー、オリゴマー等の低重合物発生を低減
し、ブリードアウトした酸化チタンによる口金孔周辺汚
れをより良好に抑制し、糸切れが更に抑制され、優れた
製糸操業性が実現できる。
【0030】1.6重量%を超えると口金吐出孔から排
出されたポリアミドよりモノマー、オリゴマーが昇華あ
るいはブリードアウトし酸化チタンとともに口金面を汚
すこととなり糸切れが増加し、製糸操業性が悪化する。
【0031】ここで、熱水抽出法により検出される低重
合物量は、次の方法により定義される。
【0032】(1)試料を粉砕した後、1インチあたり
35メッシュと115メッシュのフルイにかけ、35メ
ッシュを通過し、115メッシュに留まる粉末を分取す
る。
【0033】(2)(1)項で得られた粉末を水分率が
0.03重量%以下となるまで乾燥後秤量し、その重量
をW1とする。
【0034】(3)(2)項で秤量した粉末を粉末重量
に対して200倍以上の重量の沸騰水で4時間抽出す
る。
【0035】(4)(3)項で得られた粉末を水洗し、
ついで再び水分率が0.03重量%以下となるまで乾燥
後秤量し、その重量をW2とする。
【0036】(5)上記W1,W2から下式により算出
する。 低重合物量(重量%)=(W1−W2)/W1×10
0。
【0037】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに詳細に説
明する。物性等の測定方法は次の通りである。
【0038】A.低重合物量 先述((1)〜(5))の方法を用いた。
【0039】B.紡糸時フィルタ濾圧上昇 紡糸フィルタの濾過圧力上昇速度が大きく、紡糸開始か
ら24時間までに圧力が30MPaを超えた場合に紡糸
不能と判断し、表1に ”×”を記した。
【0040】C.糸切れまでの時間 紡糸開始から、糸切れまでの時間とした。
【0041】ε-カプロラクタムの重合 水分を3重量%含有するε−カプロラクタム中に、3重
量%の水および1.8重量%の酸化チタンを含む混合物
を常法により重合した後ペレット化し、熱水抽出により
低重合物量が1.3重量%のポリアミド組成物Aを得
た。ポリアミド組成物Aに含まれる酸化チタン量はポリ
アミド組成物中に2.0重量%であった。
【0042】水分を3重量%含有するε−カプロラクタ
ム中に、3重量%の水および4.5重量%の酸化チタン
を含む混合物を常法により重合した後ペレット化し、熱
水抽出により低重合物量が1.2重量%のポリアミド組
成物Bを得た。ポリアミド組成物Bに含まれる酸化チタ
ン量はポリアミド組成物中に4.8重量%であった。
【0043】水分を3重量%含有するε−カプロラクタ
ム中に、3重量部の水および0.36重量部の酸化チタ
ンを含む混合物を常法により重合した後ペレット化し、
熱水抽出により低重合物量が1.3重量%のポリアミド
組成物Cを得た。ポリアミド組成物Cに含まれる酸化チ
タン量はポリアミド組成物中に0.4重量%であった。
【0044】実施例1 ポリアミド組成物Aを水分率0.03重量%以下になる
まで乾燥した後、ポリアミド組成物1kgに対して酸化
マグネシウム粉末を0.4g(10ミリモル)の割合で
ブレンドした。
【0045】これを押出機で260℃で溶融混練(溶融
時間10分)、目開き10μmのフィルタで濾過し、口
金周辺部の発生ガスの強制除去を行いながら、丸孔口金
から吐出させ、冷却、給油し、巻取速度4800m/分
で高速直接延伸紡糸を行い、44デシテックス13フィ
ラメントのポリアミド繊維糸条を得た。糸切れまでの時
間と、得られた繊維糸条について低重合物量を測定し
た。結果を表1に示す。
【0046】実施例2 ポリアミド組成物Bを水分率0.03重量%以下になる
まで乾燥した後、ポリアミド組成物1kgに対して酸化
マグネシウム粉末を0.4g(10ミリモル)の割合で
ブレンドした。
【0047】これを実施例1と同一の方法により44デ
シテックス13フィラメントのポリアミド繊維糸条を得
た。糸切れまでの時間と、得られた繊維糸条について低
重合物量を測定した。結果を表1に示す。
【0048】実施例3 ポリアミド組成物Cを水分率0.03重量%以下になる
まで乾燥した後、ポリアミド組成物1kgに対して酸化
マグネシウム粉末を0.6g(15ミリモル)の割合で
ブレンドした。
【0049】これを実施例1と同一の方法により44デ
シテックス13フィラメントのポリアミド繊維糸条を得
た。糸切れまでの時間と、得られた繊維糸条について低
重合物量を測定した。結果を表1に示す。
【0050】比較例1 ポリアミド組成物Aを水分率0.03重量%以下になる
まで乾燥した後、マグネシウム化合物をブレンドせず、
その後は実施例1と同一の方法により44デシテックス
13フィラメントのポリアミド繊維糸条を得た。糸切れ
までの時間と、得られた繊維糸条について低重合物量を
測定した。結果を表1に示す。
【0051】比較例2 ポリアミド組成物Bを水分率0.03重量%以下になる
まで乾燥した後、マグネシウム化合物をブレンドせず、
その後は実施例1と同一の方法により44デシテックス
13フィラメントのポリアミド繊維糸条を得た。糸切れ
までの時間と、得られた繊維糸条について低重合物量を
測定した。結果を表1に示す。
【0052】比較例3 ポリアミド組成物Bを水分率0.03重量%以下になる
まで乾燥した後、ポリアミド1kgに対して酸化マグネ
シウム粉末を1.6g(40ミリモル)の割合でブレン
ドした。
【0053】これを実施例1と同一の方法により44デ
シテックス13フィラメントのポリアミド繊維糸条を得
た。しかしフィルタの濾過圧力上昇速度が大きく糸切れ
まで紡糸を継続することができなかった。得られた繊維
糸条について低重合物量を測定した。結果を表1に示
す。
【0054】比較例4 ポリアミド組成物Cを水分率0.03重量%以下になる
まで乾燥した後、マグネシウム化合物をブレンドせず、
その後は実施例1と同一の方法により44デシテックス
13フィラメントのポリアミド繊維糸条を得た。糸切れ
までの時間と、得られた繊維糸条について低重合物量を
測定した。結果を表1に示す。
【0055】
【表1】
【0056】表1の結果から明らかなように、本発明の
酸化チタンを含有したポリアミドからなるポリアミド組
成物は、再溶融後においてもモノマー、オリゴマーの生
成が抑制され、従来の酸化チタンを含有したポリアミド
からなるポリアミド組成物と比較して糸切れまでの時間
が長いという極めて顕著な効果を奏することが判る。
【0057】
【発明の効果】本発明によれば、再溶融時、特に溶融紡
糸時のモノマー、オリゴマー等の低重合物の生成を抑制
し、紡糸時の口金表面汚れを抑制することで紡糸操業性
を改善できるポリアミド組成物を提供することができ
る。 従って、各種成形品に用いられることはもちろん
のことであるが、好適に繊維成形品用途に本発明は用い
られる。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 酸化チタンを含有したポリアミドからな
    るポリアミド組成物であって、該ポリアミド組成物1k
    g中8ミリモル以上25ミリモル以下のマグネシウムを
    含有することを特徴とするポリアミド組成物。
  2. 【請求項2】 酸化チタン含有量がポリアミド組成物中
    に0.3重量%以上であることを特徴とする請求項1記
    載のポリアミド組成物。
  3. 【請求項3】 ポリアミドが主としてポリカプラミドか
    らなる請求項1または2に記載のポリアミド組成物。
  4. 【請求項4】 ポリアミド組成物からなる成形品であっ
    て、熱水抽出法により検出される低重合物量が1.6重
    量%以下である請求項1〜3のいずれかに記載のポリア
    ミド組成物からなる成形品。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015067923A (ja) * 2013-09-30 2015-04-13 東レ株式会社 カチオン可染ポリアミド繊維および織編物、縫製品

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JP2015067923A (ja) * 2013-09-30 2015-04-13 東レ株式会社 カチオン可染ポリアミド繊維および織編物、縫製品

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