JP2003238841A - 顔料分散組成物 - Google Patents

顔料分散組成物

Info

Publication number
JP2003238841A
JP2003238841A JP2002037861A JP2002037861A JP2003238841A JP 2003238841 A JP2003238841 A JP 2003238841A JP 2002037861 A JP2002037861 A JP 2002037861A JP 2002037861 A JP2002037861 A JP 2002037861A JP 2003238841 A JP2003238841 A JP 2003238841A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
pigment
general formula
group
dispersion composition
pigment dispersion
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2002037861A
Other languages
English (en)
Inventor
Kenji Ikeda
賢治 池田
Eri Komori
恵理 小森
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fuji Photo Film Co Ltd filed Critical Fuji Photo Film Co Ltd
Priority to JP2002037861A priority Critical patent/JP2003238841A/ja
Publication of JP2003238841A publication Critical patent/JP2003238841A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Optical Filters (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 凝集を効果的に防止でき、良好な分散を実現
し、流動性に富み安定性が改良された顔料分散組成物、
特にカラーフィルター用の顔料分散組成物を提供する。 【解決手段】 バインダー樹脂、顔料、顔料分散剤、及
び溶剤を含有する顔料分散組成物であって、前記溶剤が
下記一般式(I)で表される化合物を含有することを特
徴とする顔料分散組成物。 【化1】 〔一般式(I)中、R1は炭素数3以上の分岐してもよ
いアルキル基を表し、R2は炭素数1以上のアルキレン
基を表し、R3は炭素数1以上のアルキル基を表す。〕

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は顔料分散組成物に関
し、特に、良好な分散を実現し流動性に富み凝集を効果
的に防止できる安定性が改良されたカラーフィルター用
の顔料分散組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、顔料は鮮明な色調と高い着色
力とを示し、多くの分野で広汎に使用されてきている。
これらの顔料の中でも実用上重要なものは、一般に微細
な粒子のものが多く、該顔料の凝集を防ぎ微細化するこ
とによって鮮明な色調と高い着色力とが得られる。しか
し、顔料をより微細化していくと、該顔料の分散液は高
粘度を示すことが多い。このため、この顔料分散液を工
業的規模で調製した場合は、該顔料分散液の分散機から
の取り出しが困難となったり、パイプラインによる輸送
ができなくなったり、更には貯蔵中にゲル化して使用不
能となったりする、等の問題がある。
【0003】ところで、前記顔料を含有する着色感光性
組成物は、液晶ディスプレイ等に用いるカラーフィルタ
ーの材料等として有用であり、該着色感光性組成物を用
いてカラーフィルターを製造する場合、品質、製造安定
性等の点で優れる顔料分散法が広く採用されている。こ
の顔料分散法においては、前記着色感光性組成物の塗布
液を透明基板上に塗布して着色感光性層を設け、パター
ン露光した後、現像して第一色目の画素パターンを形成
し、これを複数回繰り返して、該透明基板上に複数色の
画素パターンを形成する。
【0004】しかし、ここでは着色材として顔料を用い
るため、該顔料の微細化が十分でない場合には、該顔料
により光が散乱、吸収され、光透過率が低下してしま
う。更に、該顔料による光の散乱、複屈折等で偏光軸が
回転し、液晶表示装置のコントラストも低下してしま
う、等の問題がある(1990年第7回色彩光学コンフ
ァレンス、512色表示10.4”サイズTFT−LC
D用カラーフィルター、植木、小関、福永、山中)。こ
のため、前記着色感光性組成物においては、前記顔料を
高度に微細化した状態で分散させておくことが必要とさ
れる。
【0005】そこで、従来においては、流動性、分散性
等に優れた顔料分散液あるいは着色感光性組成物を得る
ため、種々の分散剤を使用することが知られている。該
分散剤は、ポリマー系分散剤と低分子化合物分散剤とに
大別でき、前記ポリマー系分散剤としては、ポリアクリ
ル酸塩、マレイン酸ナトリウムオレフィン共重合体、末
端カルボキシル基含有ポリエステル(特公昭54−34
009号公報)、テトラキス(2−ヒドロキシアルキ
ル)エチレンジアミンを出発物質とする酸性基及び/又
は塩基性基を有するポリエステル(特開平2−2452
31号公報)、マクロモノマー(末端にエチレン性不飽
和基を有するオリゴマー)、水酸基を有するモノマー、
カルボキシ基含有モノマー及びこれら以外のモノマーの
4種からなる共重合体(特開平8−259876号公
報)等が知られている。また、前記低分子化合物分散剤
としては、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチ
レンアルキルアミン、アルキルジアミン、アルカノール
アミン誘導体(米国特許第3536510号)等が知ら
れており、顔料母核を導入した分散剤の例が、特公平5
−72943号公報、特開平8−48890号公報に記
載されている。
【0006】一方、鮮明な色調と高い着色力とを示す顔
料を含有した着色感光性組成物は、例えばカラープルー
フやカラーフィルター等を作製するための画像形成材料
として有用である。該着色感光性組成物を用いて着色画
像を形成する場合、一般に、着色感光性組成物の塗布液
を基板上に塗布して該着色感光性組成物による層を形成
した後、露光・現像を行なうが、この現像の際に用いる
現像液としては、環境に与える影響の少ないアルカリ性
水溶液を使用することが多く、前記着色感光性組成物に
よる層は、即ち着色感光性組成物中の結合剤(バインダ
ー)は、前記アルカリ性水溶液に可溶であることが要求
される。その一方、着色感光性組成物の塗布液に用いら
れる溶媒(顔料の分散媒)としては、塗布後の乾燥の容
易さから有機溶剤が有効である。このため、前記着色感
光性組成物中の結合剤は、酸性基を有し、かつ適当な有
機溶媒に溶解し得る性質を有する必要があり、該着色感
光性組成物においては、有機顔料は、かかる性質を有
し、酸性基を有する前記結合剤中に分散される。
【0007】このような着色感光性組成物による層は、
一般に極めて薄く、かつ、薄厚で高い着色濃度を示すこ
とが要求されることから、有機溶媒に可溶の酸性基を有
する結合剤中に、有機顔料を高度に微細化した状態で分
散させることが必要となる。しかし、前記顔料の分散
性、流動性等に優れた顔料分散物、それを含む顔料分散
組成物及び着色感光性組成物は、未だ提供されていない
のが現状である。また、特開2000−212233号
及び特開平7−198927号の各公報において、溶剤
による分散液の安定化の試みがなされているが、顔料の
種類によっては分散液の安定性が低下してしまう。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記従来に
おける諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課
題とする。即ち、本発明は、顔料の分散性や流動性に優
れ、且つ着色力が高く、アルカリ現像適性にも優れ、塗
料や印刷インキやカラー表示板等の広い範囲で好適に使
用し得る顔料分散組成物を提供することを目的とする。
更に、本発明は、該顔料分散組成物を含有し、着色力が
高く、アルカリ現像適性に優れ、カラープルーフ等の基
体上の多色画像の形成、及び液晶カラーディスプレイ等
に使用されるカラーフィルターの製造等に好適に使用し
得る顔料分散組成物を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
に、本発明者等が鋭意探究を重ねた結果、以下の知見を
得た。即ち、有機溶媒に可溶な酸性基を有する結合剤中
に、有機顔料を分散させた場合、該酸性基と有機顔料と
の間で分子間力が働いて増粘する傾向がある。この増粘
により分散安定性は向上するが、取扱性や作業性等の低
下を招く上、該有機顔料の微細化が困難になる傾向があ
る。このため、増粘を伴わずに分散を促進させ得る分散
剤が望まれ、そのような分散剤として、低分子化合物分
散剤、中でも特にアミン化合物等が知られている。しか
し、このアミン化合物等の場合、酸性基と塩を形成して
しまい、感光性樹脂層が現像液に溶解し易くなる等、後
の現像に悪影響を与え得る。アルカリ性分散剤や水易溶
性分散剤にも、前記アミン化合物等と同様な傾向があ
る、という知見である。更に、このような分散剤を用い
ても、顔料の種類によっては粘度上昇が起こってしまう
ことがある、という知見も得た。
【0010】本発明は、本発明者等による上記知見に基
づくものであり、前記課題を解決するための手段は、以
下の通りである。即ち、 <1> バインダー樹脂、顔料、顔料分散剤、及び溶剤
を含有する顔料分散組成物であって、前記溶剤が下記一
般式(I)で表される化合物を含有することを特徴とす
る顔料分散組成物である。
【化6】 〔一般式(I)中、R1は炭素数3以上の分岐してもよ
いアルキル基を表し、R2は炭素数1以上のアルキレン
基を表し、R3は炭素数1以上のアルキル基を表す。〕
【0011】<2> 前記溶剤が、さらに、下記一般式
(II)で表される化合物を含有することを特徴とする前
記<1>に記載の顔料分散組成物である。
【化7】 〔一般式(II)中、R4は炭素数3以上のアルキル基を
表す。〕
【0012】<3> 前記顔料分散剤が、下記一般式
(III)で表される化合物を含有することを特徴とする
前記<1>または<2>に記載の顔料分散組成物であ
る。
【化8】 〔一般式(III)中、AはX−Yと共にアゾ色素を形成
し得る構造成分を表す。Xは、下記構造式で表される二
価の連結基から選択される基を表す。Yは、下記一般式
(IV)で表される基を表す。〕
【化9】
【化10】 〔一般式(IV)中、Zは低級アルキレン基を表す。−NR
2は、低級アルキルアミノ基又は窒素原子を含む5員乃
至6員飽和ヘテロ環を表す。aは1又は2を表す。〕
【0013】<4> 前記バインダー樹脂が、酸性基を
有するバインダーポリマーを含有することを特徴とする
前記<1>から<3>のいずれかに記載の顔料分散組成
物である。
【0014】<5> 前記顔料分散組成物が、カラーフ
ィルター用途であることを特徴とする前記<1>から<
4>のいずれかに記載の顔料分散組成物である。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明の顔料分散組成物は、バイ
ンダー樹脂、顔料、顔料分散剤、及び溶剤を含有する顔
料分散組成物であって、該溶剤が下記一般式(I)で表
される化合物を含有することを特徴とする。以下、本発
明の顔料分散組成物に使用される溶剤、顔料分散剤、バ
インダー樹脂、顔料等について詳細に説明する。
【0016】(溶剤)本発明に係る溶剤は、下記一般式
(I)で表される化合物を含有し、必要に応じて適宜選
択したその他の成分を含有する。
【0017】
【化11】 一般式(I)中、R1は炭素数3以上の分岐してもよい
アルキル基を表し、R2は炭素数1以上のアルキレン基
を表し、R3は炭素数1以上のアルキル基を表す。
【0018】前記R1が表すアルキル基の炭素数は、好
ましくは、2以上であり、より好ましくは、3以上であ
る。前記R1が表すアルキル基として、具体的には、プ
ロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、
アミル基、イソアミル基が挙げられる。
【0019】前記R2が表すアルキレン基の炭素数は、
好ましくは、1以上3以下である。前記R2が表すアル
キレン基として、具体的には、メチレン基、エチレン
基、プロピレン基が挙げられる。
【0020】前記R3が表すアルキル基の炭素数は、好
ましくは、1以上3以下である。前記R3が表すアルキ
ル基として、具体的には、メチル基、エチル基、プロピ
ル基が挙げられる。
【0021】本発明の顔料分散組成物は、溶剤として上
記一般式(I)で表される化合物を含有することによ
り、凝集が効果的に防止され流動性に富み安定性に優れ
た顔料分散組成物を実現することが出来る。この安定性
のメカニズムは充分には解明されていないが、上記一般
式(I)の化学構造を有する化合物を含有する溶剤系
は、後述する顔料分散剤の溶解度を低下させ、該溶剤系
中に存在する顔料分散剤の濃度が低下し、その結果、顔
料粒子表面への分散剤の吸着量を相対的に増大せしめる
ことにより、顔料分散液の粘度上昇が効果的に抑えら
れ、該顔料分散組成物の安定性が向上すると推定され
る。
【0022】上記一般式(I)で表される化合物の具体
例としては、4−ヒドロキシ−4−メチル−2−ペンタ
ノン、5−ヒドロキシ−5−メチル−3−ヘキサノン、
5−ヒドロキシ−5−メチル−2−ヘキサノン、等が挙
げられる。この中でも、特に4−ヒドロキシ−4−メチ
ル−2−ペンタノンが、安定性に寄与する効果が大きい
ので好ましい。
【0023】また、本発明に係る溶剤は、前記一般式
(I)で表される化合物に加え、下記一般式(II)で表
される化合物を含有することが好ましい。
【0024】
【化12】 一般式(II)中、R4は炭素数3以上のアルキル基を表
す。
【0025】前記R4が表すアルキル基の炭素数は、好
ましくは、3以上5以下である。前記R4が表すアルキ
ル基として、具体的には、ブチル基、アミル基、ヘキシ
ル基、プロピル基が挙げられる。
【0026】上記一般式(II)で表される化合物の具体
例としては、1−ブタノール、1−ペンタノール、2−
ペンタノール、3−ペンタノール、イソアミルアルコー
ル、1−ヘキサノール、2−ヘキサノール、等が挙げら
れる。この中でも、特に2−ペンタノール、3−ペンタ
ノールが、安定性に寄与する効果が大きいので好まし
い。
【0027】本発明に係る溶剤としては、必要に応じて
適宜選択したその他の溶剤と併用することができる。但
し、併用する際にも、一般式(I)で表される化合物単
独、あるいは、一般式(I)で表される化合物及び一般
式(II)で表される化合物の全溶剤成分に占める割合
は、1〜99質量%が好ましく、5〜65質量%がより
好ましく、10〜30質量%が特に好ましい。該占有割
合が1%未満であると、顔料分散系の安定性が不十分で
ある場合があり、また99%超になると、分散媒体とし
ての適性を損ねることがある。
【0028】一般式(I)、一般式(II)で表される化
合物と併用できる他の溶剤としては、特に制限はなく、
公知のものの中から適宜選択することができる。例え
ば、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレン
グリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコール
モノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチル
エーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、
エチレングリコールモノエチルエーテル等の(ポリ)ア
ルキレングリコールモノアルキルエーテル及びこれらの
酢酸エステル類;酢酸エチル、酢酸n−プロピル、酢酸
i−プロピル、酢酸n−ブチル、酢酸i−ブチル等の酢
酸エステル類;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香
族炭化水素類;メチルエチルケトン、アセトン、メチル
イソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類;エ
タノール、プロパノール、ブタノール、ヘキサノール、
シクロヘキサノール、エチレングリコール、ジエチレン
グリコール、グリセリン等のアルコール類、等が挙げら
れる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以
上を併用してもよい。これらの中でも、アルキレングリ
コールモノアルキルエーテル類、及びその酢酸エステル
類、酢酸エステル類、メチルエチルケトン等が好まし
い。
【0029】一般式(I)、一般式(II)で表される化
合物を含む全溶剤の顔料分散組成物における含有量とし
ては、後述する顔料100質量部に対し、通常、10〜
1000質量部が好ましく、20〜800質量部がより
好ましく、特に30〜600質量部が好ましい。該含有
量が、10質量部未満であると、顔料分散組成物の粘度
が上昇し過ぎることがあり、また1000質量部を超え
るのは容積が過大となり資源の浪費になるので好ましく
ない。
【0030】(顔料分散剤)本発明の顔料分散組成物に
は顔料分散剤が含まれるが、該顔料分散剤としては、公
知のものの中から適宜選択することができる。具体的に
は、ノナノアミド、デカンアミド、ドデカンアミド、N
−ドデシルヘキサデカンアミド、N−オクタデシルプロ
ピオアミド、N,N−ジメチルドデカンアミド及びN,
N−ジヘキシルアセトアミド等のアミド化合物、ジエチ
ルアミン、ジヘプチルアミン、ジブチルヘキサデシルア
ミン、N,N,N’,N’−テトラメチルメタンアミ
ン、トリエチルアミン、トリブチルアミン及びトリオク
チルアミン等のアミン化合物、モノエタノールアミン、
ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N,N,
N’,N’−(テトラヒドロキシエチル)−1,2−ジ
アミノエタン、N,N,N’−トリ(ヒドロキシエチ
ル)−1,2−ジアミノエタン、N,N,N’,N‘−
テトラ(ヒドロキシエチルポリオキシエチレン)−1,
2−ジアミノエタン、1,4−ビス(2−ヒドロキシエ
チル)ピペラジン及び1−(2−ヒドロキシエチル)ピ
ペラジシ等のヒドロキシ基を有するアミン、その他、ペ
コタミド、イソニペコタミド、ニコチン酸アミド等の化
合物、等が挙げられる。これらは、市販品であってもよ
いし、適宜合成したものであってもよく、該市販品とし
ては、例えばシゲノックス−105(商品名、ハッコー
ルケミカル社製)等が挙げられる。
【0031】本発明に係る顔料分散剤として、特に下記
一般式(III)で表される化合物を含有するとき、顔料
分散系の分散状態と安定性が一層向上するので好まし
い。
【0032】
【化13】
【0033】一般式(III)中のAは、X−Yと共にア
ゾ色素を形成し得る構造成分を表す。該Aとしては、ジ
アゾニウム化合物とカップリングしてアゾ色素を形成し
うる構造成分であれば、任意に選択することができる。
以下に、前記Aの具体例を示すが、本発明はこれらの具
体例に何ら限定されるものではない。
【0034】
【化14】
【0035】
【化15】
【0036】前記一般式(III)中のXは、下記構造式で
表される二価の連結基から選択される基を表す。
【0037】
【化16】
【0038】前記一般式(III)中のYは、下記一般式(I
V)で表される基を表す。
【0039】
【化17】
【0040】一般式(IV)中のZは、低級アルキレン基を
表す。該Zは、−(CH2b−と表され、ここでbは1
〜5の整数を表し、好ましくは2又は3を表す。一般式
(IV)中の−NR2は、低級アルキルアミノ基又は窒素原
子を含む5乃至6員飽和ヘテロ環を表す。該−NR2
低級アルキルアミノ基を表す場合、−N(Cn2n+12
と表され、nは1〜4の整数を表し、好ましくは1又は
2を表す。一方、該−NR2が窒素原子を含む5乃至6
員飽和ヘテロ環を表す場合、下記構造式で表されるヘテ
ロ環が好ましい。
【0041】
【化18】
【0042】前記一般式(IV)におけるZ及び−NR
2は、それぞれ低級アルキル基、低級アルコキシ基を置
換基として有していてもよい。前記一般式(IV)中のa
は、1又は2を表し、好ましくは2を表す。
【0043】以下に、前記一般式(III)で表される化合
物の具体例を示すが、本発明はこれらの例に何ら限定さ
れるものではない。
【0044】
【化19】
【0045】
【化20】
【0046】前記一般式(III)で表される化合物の合成
例は、例えば、特開2000−239554公報に記載
されている。
【0047】本発明に係る顔料分散剤としては、前記一
般式(III)で表される化合物を単独で使用してもよい
が、必要に応じて適宜選択した前記公知の顔料分散剤と
併用もできる。但し、併用する際にも、一般式(III)
で表される化合物の全顔料分散剤に占める割合は、10
〜99質量%が好ましく、20〜99質量%がより好ま
しく、特に30〜99質量%が好ましい。該含有量が、
10質量%未満であると、顔料分散剤としての性能が十
分に発揮されないことがあり、99質量%を超えると、
顔料分散組成物の粘度上昇を抑制できないことがある。
【0048】また、本発明に係る顔料分散剤は、更に、
下記一般式(V)又は(VI)で表されるアミン化合物を含有
していてもよい。
【0049】
【化21】
【0050】前記一般式(V)において、R31及びR
32は、水素原子、又は、置換基を有していてもよいアル
キル基若しくはアラルキル基を表し、これらは互いに結
合して窒素原子を含む5員乃至6員の飽和環を形成して
もよい。この飽和環は、更に酸素原子、硫黄原子及び窒
素原子から選択される1〜3個の原子を含んでもよい。
33は、アルキレン基、又はエーテル結合を含むアルキ
レン基を表す。X3は、−CON(Y31)(Y32)、−
OCON(Y31)(Y32)、−N(Y33)CO
(Y 34)、又は、−N(Y33)CON(Y31)(Y32
を表す。Y31、Y32、Y33及びY34は、水素原子、又
は、置換基を有してもよいアルキル基、アラルキル基若
しくはアリール基を表す。
【0051】
【化22】
【0052】前記一般式(VI)において、R41、R42、R
46及びR47は、水素原子、又は、置換基を有していても
よいアルキル基若しくはアラルキル基を表し、これらは
互いに結合して窒素原子を含む5員乃至6員の飽和環を
形成してもよい。この飽和環は、更に酸素原子、硫黄原
子及び窒素原子から選択される1〜3個の原子を含んで
もよい。R44及びR45は、アルキレン基、又はエーテル
結合を合むアルキレン基を表す。Z4は、−CON(Y
41)−、−OCON(Y41)−又は−N(Y42)CON
(Y43)−、を表す。Y41、Y42及びY43は、前記一般
式(IV)におけるY31、Y32及びY33と順に同義である。
【0053】前記一般式(V)又は(VI)で表されるアミン
化合物の具体例としては、ビス(2−(1−モルホリ
ノ)エチル)テレフタルアミド等が好適に挙げられる。
【0054】また、本発明に係る顔料分散剤は、各種界
面活性剤を含有していてもよく、該界面活性剤を含有し
ていると分散安定性の向上に有効である。該界面活性剤
としては、例えば、アルキルナフタレンスルホン酸塩、
燐酸エステル塩に代表されるアニオン系界面活性剤、ア
ミン塩に代表されるカチオン系界面活性剤、アミノカル
ボン酸、ベタイン型に代表される両性界面活性剤等が挙
げられる。
【0055】本発明で全顔料分散剤の顔料分散組成物に
おける含有量としては、後述する顔料100質量部に対
し、通常、0.1〜100質量部が好ましく、1〜30
質量部がより好ましい。該含有量が、0.1質量部未満
であると、顔料分散組成物の粘度が上昇することがあ
り、100質量部を超えると、カラーフィルター等の作
製の際に、色度の調整が困難となることがある。
【0056】次に、本発明に係る顔料分散剤による顔料
の分散について説明する。本発明に係る顔料分散剤を用
いた場合、該顔料分散剤が、顔料粒子の表面に吸着す
る。このとき、顔料粒子の表面には、前記顔料分散剤に
おける窒素原子が吸着すると考えられる。顔料粒子は、
前記一般式(III)で表される化合物で覆われた状態にな
る。個々の顔料粒子の表面に前記一般式(III)で表され
る化合物が吸着しているので、顔料粒子同士は、互いに
吸着し凝集することがなく、微細化した状態のまま、前
記一般式(III)で表される化合物により均一に分散さ
れ、流動し易い状態になる。
【0057】通常の顔料分散剤を着色感光性組成物に用
いた場合には、該着色感光性組成物に含まれる、酸性基
を有するバインダーポリマー(後述)における該酸性基
と、前記顔料分散剤における窒素原子とが、塩を形成し
たり、強い分子間力で結合したりすることが多いが、本
発明に係る顔料分散剤の場合には、顔料母核を有してい
ることから、顔料との親和性の方が高いため、このよう
な挙動を抑制する一方、分散後の安定性を向上させ、窒
素原子による分散性向上の効果も高め得る。また、前記
一般式(III)で表される化合物によると、有機顔料を分
散する際、増粘を伴うことがなく、有機顔料の分散性が
良好であり、特に酸性の有機顔料に対する分散性が良好
である。
【0058】本発明に係る顔料分散剤による分散とは、
二次粒子の状態で一般に存在する顔料粒子をほぐして一
次粒子の状態にし、再凝集を防止することを意味する。
本発明に係る顔料分散剤は、顔料への吸着部位を有し、
該顔料が一次粒子の状態に分散された後での再凝集を抑
制するために、酸性基を有するバインダーを共存させる
ことにより、立体反発性を付与することができる。本発
明に係る顔料分散剤による顔料の分散は、該顔料分散剤
と、顔料との直接の混合により効果的に達成され、顔料
以外に分散され得る粒子ができるだけ存在しない状態で
行なうのが好ましい。このような状態で顔料の分散を行
なうと、前記顔料分散剤が該顔料粒子の周囲に瞬時に吸
着し、該顔料粒子が良好に分散し、良好に流動し、該顔
料粒子同士の凝集が効果的に抑制される。一方、顔料粒
子以外に分散され得る粒子が存在した状態で顔料の分散
を行なうと、前記顔料分散剤が、目的とする顔料粒子の
表面に吸着せず、他の粒子表面に吸着し、該顔料分散剤
の顔料分散効果が損なわれることがある。したがって、
例えば、感光材料等を製造する場合等において、顔料を
良好に分散させた状態で該感光材料等中に含有させるに
は、該顔料と前記顔料分散剤とを早い時期に混合し、分
散前、又は分散中に、酸性基を有するバインダーポリマ
ーを添加することが好ましく、感光層用塗布液等の調製
時等の遅い時期に前記顔料分散剤を添加・混合するのは
好ましくない。
【0059】(バインダー樹脂)本発明の顔料分散組成
物には、バインダー樹脂、顔料、顔料分散剤、及び溶剤
が含有されるが、該バインダー樹脂としては酸性基を有
するバインダーポリマーを含有することが好ましい。上
記酸性基を有するバインダーポリマーとしては、前記顔
料の分散安定性を付与し得る化合物であり、例えば、
(メタ)アクリル酸と(メタ)アクリル酸エステルとの
共重合体、スチレンと無水マレイン酸との共重合体、及
びスチレン−無水マレイン酸共重合体とアルコール類と
の反応生成物、等が挙げられる。これらは、1種単独で
使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これら
の中でも、顔料分散安定性に優れ、相溶性に優れ、所望
の強度及び軟化温度等を満たすものが好ましく、具体的
には(メタ)アクリル酸と(メタ)アクリル酸エステル
との共重合体が好ましい。
【0060】前記酸性基を有するバインダーポリマーの
重量平均分子量は、5000〜200000が好まし
い。該重量平均分子量が5000未満であると、乾燥塗
布膜の形成に支障をきたすことがあり、また、2000
00を超えると、顔料分散組成物の粘度が高くなり過ぎ
ることがある。
【0061】前記酸性基を有するバインダーポリマーの
顔料分散組成物中における含有量としては、該顔料10
0質量部に対し、10〜200質量部が好ましく、20
〜150質量部がより好ましい。該含有量が10質量部
未満であると、立体反発効果が得られなくなることがあ
り、200質量部を超えると、分散液の粘度が高くなり
過ぎることがある。
【0062】(顔料)本発明の顔料分散組成物には、通
常、有機顔料が用いられる。該有機顔料としては、例え
ば、黄色顔料、オレンジ顔料、赤色顔料、バイオレット
顔料、青色顔料、緑色顔料、ブラウン顔料、黒色顔料等
が挙げられる。
【0063】前記黄色顔料としては、例えば、C.I.
ピグメントイエロー20、C.I.ピグメントイエロー
24、C.I.ピグメントイエロー12、C.I.ピグ
メントイエロー17、C.I.ピグメントイエロー8
3,C.I.ピグメントイエロー86、C.I.ピグメ
ントイエロー93、C.I.ピグメントイエロー10
9、C.I.ピグメントイエロー110、C.I.ピグ
メントイエロー117、C.I.ピグメントイエロー1
25、C.I.ピグメントイエロー137、C.I.ピ
グメントイエロー138、C.I.ピグメントイエロー
139、C.I.ピグメントイエロー185、C.I.
ピグメントイエロー147、C.I.ピグメントイエロ
ー148、C.I.ピグメントイエロー153、C.
I.ピグメントイエロー、C.I.ピグメントイエロー
154、C.I.ピグメントイエロー166、C.I.
ピグメントイエロー168、C.I.ピグメントイエロ
ー185、等が挙げられる。
【0064】前記オレンジ顔料としては、例えば、C.
I.ピグメントオレンジ36、C.I.ピグメントオレ
ンジ43、C.I.ピグメントオレンジ51、C.I.
ピグメントオレンジ55、C.I.ピグメントオレンジ
59、C.I.ピグメントオレンジ61、C.I.ピグ
メントオレンジ71、等が挙げられる。
【0065】前記赤色顔料としては、例えば、C.I.
ピグメントレッド9、C.I.ピグメントレッド97、
C.I.ピグメントレッド122、C.I.ピグメント
レッド123、C.I.ピグメントレッド149、C.
I.ピグメントレッド168、C.I.ピクメントレッ
ド177、C.I.ピグメントレッド180、C.I.
ピグメントレッド192、C.I.ピグメントレッド2
15、C.I.ピグメントレッド216、C.I.ピグ
メントレッド217、C.I.ピグメントレッド22
0、C.I.ピグメンレッド223、C.I.ピグメン
トレッド224、C.I.ピグメントレッド226、
C.I.ピグメントレッド227、C.I.ピグメント
レッド228、C.I.ピグメントレッド240、C.
I.ピグメントレッド48:1、C.I.ピグメントレ
ッド209、C.I.ピグメントレッド146、C.
I.ピグメントレッド11、C.I.ピグメントレッド
81、C.I.ピグメントレッド213、C.I.ピグ
メントレッド272、C.I.ピグメントレッド27
0、C.I.ピグメントレッド255、C.I.ピグメ
ントレッド264、C.I.ピグメントレッド254、
等が挙げられる。
【0066】前記バイオレット顔料としては、例えば、
C.I.ピグメントバイオレット19、C.I.ピグメ
ントバイオレット23、C.I.ピグメントバイオレッ
ト29、C.I.ピグメントバイオレット30、C.
I.ピグメントバイオレット37、C.I.ピクメンド
バイオレット40、C.I.ピグメントバイオレット5
0、等が挙げられる。
【0067】前記青色顔料としては、例えば、C.I.
ピグメントブルー15、C.I.ピグメントブルー1
5:6、C.I.ピグメントブルー22、C、I.ピグ
メントブルー60、C.I.ピグメントブルー64、等
が挙げられる。
【0068】前記緑色顔料としては、例えば、C.I.
ピグメントグリーン7、C.I.ピクメントグリーン3
6、等が挙げられる。前記ブラウン顔料としては、例え
ば、C.I.ピグメントブラウン23、C.I.ピグメ
ントブラウン25、C.I.ピグメントブラウン26、
等が挙げられる。前記黒色顔料としては、例えば、C.
I.ピグメントブラック7、等が挙げられる。
【0069】これらの顔料は1種単独で使用してもよい
し、2種以上を併用してもよい。本発明においては、こ
れらの中でも、ピグメントイエロー138、ピグメント
イエロー139、ピグメントイエロー185、ピグメン
トイエロー83、等の酸性基を有する顔料が好ましく、
ピグメントイエロー138、ピグメントイエロー13
9、ピグメントイエロー185、ピグメントレッド25
4、ピグメントグリーン36、ピグメントブルー15等
が特に好ましい。
【0070】前記顔料の顔料分散組成物における含有量
としては、通常5〜80質量%が好ましく、10〜70
質量%がより好ましい。該含有量が5質量%未満である
と、着色力が十分でないことがあり、80質量%を超え
ると、顔料分散組成物の粘度が上昇し製造及び作業適性
が悪化することがある。
【0071】(顔料分散組成物の調製)本発明の顔料分
散組成物は、例えば、以下の方法により調製することが
できる。 (1)前記顔料と前記顔料分散剤とを予め混合して得ら
れる組成物を、前記有機溶剤(又はビヒクル)に添加し
て分散させる方法、(2)前記有機溶剤(又はビヒク
ル)に、前記顔料と前記顔料分散剤とを別々に添加して
分散させる方法、(3)前記顔料と前記顔料分散剤とを
予め別々に前記有機溶剤(又はビヒクル)に分散し、得
られた分散体を混合する方法(この場合、前記顔料分散
剤を前記有機溶剤のみで分散してもよい)、(4)前記
有機溶剤(又はビヒクル)に前記顔料を分散した後、得
られた分散体に前記顔料分散剤を添加する方法。
【0072】前記ビヒクルとは、塗料が液体状態にある
ときに顔料を分散させている媒質の部分をいい、液状で
あって前記顔料と結合して塗膜を固める成分(バインダ
ー)や、これを溶解希釈する成分(前記有機溶剤)等を
含む。
【0073】前記顔料を分散させる際に使用する分散機
械としては、特に制限はなく、例えば、ニーダー、ロー
ルミル、アトライタ、スーパーミル、ディゾルバー、ホ
モミキサー、サンドミル、等の公知の分散機が挙げられ
る。
【0074】前記顔料分散組成物を用いた着色画像の形
成は、例えば、該顔料分散組成物を含む塗布液を、支持
体上に塗布乾燥して該顔料分散組成物の層を形成し、或
いは仮支持体上に形成されたこの顔料分散組成物の層を
支持体上に転写し、その上に公知のポジ型又はネガ型の
感光性樹脂組成物の層を形成し、露光し現像して、次い
で未露光の前記感光性樹脂組成物の層と共に同じ領域の
前記顔料分散組成物の層を除去する方法等により行なう
ことができる。
【0075】(着色感光性組成物)前記着色感光性組成
物は、前記顔料分散組成物と感光性組成物とを少なくと
も含有する。
【0076】前記感光性組成物としては、例えば、特開
平3−282404号公報に記載されている感光性組成
物等が挙げられ、具体的には、ネガ型ジアゾ樹脂とバイ
ンダからなる感光性組成物、光重合性組成物、アジド化
合物とバインダとからなる感光性組成物、桂皮酸型感光
性組成物、等が挙げられる。前記感光性組成物として
は、アルカリ水溶液により現像可能なものと、有機溶剤
により現像可能なものとが知られているが、公害防止及
び労働安全性等の点でアルカリ水溶液により現像可能な
ものが好ましい。
【0077】前記感光性組成物の中でも光重合性組成物
が特に好ましい。該光重合性組成物は、酸性基を有する
バインダーポリマーと、エチレン性不飽和二重結合を二
個以上有する多官能モノマーと、光重合開始剤とを少な
くとも含有する。
【0078】前記顔料分散組成物に含有される酸性基を
有するバインダーポリマーとは、前記本発明の顔料分散
組成物に好適に含有される酸性基を有するバインダーポ
リマーである。
【0079】前記酸性基を有するバインダーポリマーの
前記着色感光性組成物における含有量としては、全固形
分に対し、20〜80質量%程度である。前記含有量
が、20質量%未満であると、塗布膜の形成上問題が生
ずることがあり、80質量%を超えると、他の素材の能
力が発揮され難くなることがある。
【0080】前記エチレン性不飽和二重結合を二個以上
有する多官能モノマーとしては、例えば、特開昭60−
258539号公報に記載されているような公知の(メ
タ)アクリル酸エステル、ウレタン(メタ)アクリレー
ト、(メタ)アクリル酸アミド、アリル化合物、ビニル
エステル、等が挙げられる。これらは1種単独で使用し
てもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中で
も、(メタ)アクリル酸エステルが好ましい。
【0081】前記エチレン性不飽和二重結合を有する多
官能モノマーの前記着色感光性組成物における含有量と
しては、全固形分に対し、10〜60質量%が好まし
い。前記含有量が、10質量%未満であると、露光時に
おける硬化力が不足することがあり、60質量%を超え
ると、他の素材の能力が発揮され難くなることがある。
【0082】前記光重合開始剤としては、波長が約30
0〜500nmに少なくとも約50の分子吸光係数を有
する化合物を少なくとも1種使用するのが好ましく、こ
のような化合物としては、例えば、特開平2−4866
4号公報、特開平1−152449号公報、及び特開平
2−153353号公報に記載されているような、芳香
族ケトン類、ロフィン2量体、ベンゾイン、ベンゾイン
エーテル類、ポリハロゲン類、等が挙げられる。これら
は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用して
もよい。これらの中でも、4,4’−ビス(ジエチルア
ミノ)ベンゾフェノンと2−(o−クロロフェニル)−
4,5−ジフェニルイミダゾール2量体の組み合わせ、
及び4−[p−N,N−ジ(エトキシカルボニルメチ
ル)-2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジ
ン]が好ましい。
【0083】前記光重合開始剤の前記着色感光性組成物
における含有量としては、着色感光性組成物の全固形分
に対し、0.2〜10質量%が好ましい。前記含有量
が、0.2質量%未満であると、露光感度が低くなるこ
とがあり、10質量%を超えると、露光感度が高くなり
すぎる(制御が困難になる)ことがある。
【0084】前記着色感光性組成物は、例えば、前記顔
料分散組成物と、前記感光性組成物とを、適宜選択した
条件、手法に従って混合することにより調製することが
できる。
【0085】前記着色感光性組成物を用いた着色画像の
形成は、基本的に下記(1)〜(3)の工程により行な
うことができる。 (1)前記顔料分散組成物を調製した後、これを用いて
前記着色感光性組成物を調製する工程、(2)得られた
着色感光性組成物を基板上に塗布し乾燥して、又は、別
の仮支持体上に塗布し乾燥して形成した層を基板上に転
写して、着色感光性組成物による層を形成する工程、
(3)基板上に形成された着色感光性組成物による層を
露光、現像し、パターンを形成する工程。
【0086】液晶ディスプレイ等に用いたカラーフィル
ターの製造は、前記(2)及び(3)の工程を繰り返し
行い、2色目以降のパターンを組み合わせることにより
行なうことができる。転写法によるカラーフィルターの
製造方法は、例えば、特開平4−208940号公報、
特開平5−72724号公報、特開平5−80503号
公報、特開平5−173320号公報等に記載されてい
る。
【0087】前記基板としては、ガラス板や透明プラス
ティック板等の透明材料が一般に用いられる。前記基板
と前記着色感光性組成物との密着力を向上させるため
に、市販の各種シランカップリング剤等を前記着色感光
性組成物に添加するか、或いはあらかじめ前記基板をカ
ップリング処理しておいてもよい。
【0088】前記着色感光性組成物の塗布液の前記基板
への塗布は、スピンコーター、ロールコーター、バーコ
ーター、カーテンコーター等の公知の塗布手段を用いて
行なうことができる。
【0089】前記仮支持体上に形成された前記着色感光
性組成物による層を、前記基板上に転写する方法として
は、常圧下又は減圧下でヒートロールラミネーターを用
いる方法が好適に挙げられる。
【0090】前記現像の際に使用される現像液の例とし
ては、アルカリ金属又はアルカリ土類金属の水酸化物又
は炭酸塩、炭酸水素塩、アシモニア水、4級アンモニウ
ム塩の水溶液、等が挙げられる。これらは1種単独で使
用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの
中でも、炭酸ナトリウム水溶液が特に好ましい。
【0091】
【実施例】以下に、本発明の実施例について具体的に説
明するが、本発明はこれらの実施例によって何ら限定さ
れるものではない。
【0092】[実施例1]下記組成の黄色の顔料分散組
成物を調製した。 ・C.I.ピグメントイエロー138 6.4g ・例示化合物2の顔料分散剤 0.6g ・メタクリル酸/メタクリル酸ベンジル共重合体 15.8g (共重合モル比28/72、重量平均分子量3万、40%1−メトキシ−2− プロピルアセテート溶液) ・4−ヒドロキシ−4−メチル−2−ペンタノン 28.6g ・1−メトキシ−2−プロピルアセテート(MFG−Ac) 28.6g
【0093】上記組成の黄色の顔料組成物を「モーター
ミルM−50」(アイガー社製)で、直径0.65mm
のジルコニアビーズを用い、周速9m/sで6時間分散
し、黄色顔料分散組成物を調製した。
【0094】上記で得られた顔料分散組成物について、
下記の試験評価を行なった。 (1)粘度測定 顔料分散組成物の試料について、E型粘度計を用いてそ
の粘度を測定し、増粘の程度を評価した。測定結果を下
記の表1に示す。
【0095】(2)コントラスト測定 顔料分散組成物をガラス基板上に乾燥厚みが6μmにな
るように塗布し、試験用サンプルを作製した。2枚の偏
光板の間にこのサンプルを置き、偏光軸が平行の時と垂
直の時との透過光量を測定し、その比をコントラストと
した。(「1990年第7回色彩光学コンファレンス、
512色表示10.4”サイズTFT−LCD用カラー
フィルター、植木、小関、福永、山中」を参考にし
た。) 測定結果を下記の表1に示す。
【0096】[実施例2]実施例1の顔料分散組成物に
おいて、さらに、3−ペンタノール28.6gを加えた
こと以外は、実施例1と同様にして黄色の顔料分散組成
物を調製し、実施例1と同様の評価を行なった。
【0097】[実施例3]実施例1の顔料分散組成物に
おいて、1−メトキシ−2−プロピルアセテート(MF
G−Ac)28.6gを2−ペンタノール28.6gに
代えたこと以外は、実施例1と同様にして黄色の顔料分
散組成物を調製し、実施例1と同様の評価を行なった。
【0098】[実施例4]下記組成の赤色の顔料分散組
成物を調製した。 ・C.I.ピグメントレッド254 6.4g ・例示化合物2の顔料分散剤 0.6g ・メタクリル酸/メタクリル酸ベンジル共重合体 15.8g ・4−ヒドロキシ−4−メチル−2−ペンタノン 28.6g ・1−メトキシ−2−プロピルアセテート 28.6g
【0099】[比較例1]実施例1の顔料分散組成物に
おいて、4−ヒドロキシ−4−メチル−2−ペンタノン
28.6gと1−メトキシ−2−プロピルアセテート
(MFG−Ac)28.6gとを、1−メトキシ−2−
プロピルアセテート(MFG−Ac)57.2gに代え
たこと以外は、実施例1と同様にして黄色の顔料分散組
成物を調製し、実施例1と同様の評価を行なった。
【0100】[比較例2]実施例4の顔料分散組成物に
おいて、4−ヒドロキシ−4−メチル−2−ペンタノン
28.6gと1−メトキシ−2−プロピルアセテート
(MFG−Ac)28.6gとを、1−メトキシ−2−
プロピルアセテート(MFG−Ac)57.2gに代え
たこと以外は、実施例4と同様にして赤色の顔料分散組
成物を調製し、実施例1と同様の評価を行なった。
【0101】
【表1】
【0102】表1の結果から、本発明に従う溶剤を含有
する顔料分散組成物は、粘度が低く、高いコントラスト
が得られることが明らかになった。高いコントラストが
得られるのは、顔料粒子が微細化された状態で分散して
いるためであると考えられる。一方、比較例の顔料分散
組成物の場合、粘度が高過ぎて分散が出来なかった。
【0103】
【発明の効果】本発明によると、前記従来における諸問
題を解決することができる。また、本発明によると、顔
料を凝集させず該顔料の安定かつ良好な分散性、流動性
を実現し、かつ光透過性にも優れた顔料分散組成物を提
供することができる。また、本発明によると、該顔料分
散組成物を含有し、着色力が高く、アルカリ現像適性に
優れ、カラープルーフ等の基体上の多色画像の形成や、
液晶カラーディスプレイ等に使用されるカラーフィルタ
ーの製造等に好適に使用し得る顔料分散組成物を提供す
ることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08L 101/00 C08L 101/00 G02B 5/20 101 G02B 5/20 101 Fターム(参考) 2H048 BA43 BA45 BA47 BB42 4J002 BC041 BG011 BG031 BH011 EC036 EE036 EQ017 EU047 EU127 EU237 EV287 FD098 FD206 FD207 GP00

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 バインダー樹脂、顔料、顔料分散剤、及
    び溶剤を含有する顔料分散組成物であって、 前記溶剤が下記一般式(I)で表される化合物を含有す
    ることを特徴とする顔料分散組成物。 【化1】 〔一般式(I)中、R1は炭素数3以上の分岐してもよ
    いアルキル基を表し、R2は炭素数1以上のアルキレン
    基を表し、R3は炭素数1以上のアルキル基を表す。〕
  2. 【請求項2】 前記溶剤が、さらに、下記一般式(II)
    で表される化合物を含有することを特徴とする請求項1
    に記載の顔料分散組成物。 【化2】 〔一般式(II)中、R4は炭素数3以上のアルキル基を
    表す。〕
  3. 【請求項3】 前記顔料分散剤が、下記一般式(III)
    で表される化合物を含有することを特徴とする請求項1
    または2に記載の顔料分散組成物。 【化3】 〔一般式(III)中、AはX−Yと共にアゾ色素を形成
    し得る構造成分を表す。Xは、下記構造式で表される二
    価の連結基から選択される基を表す。Yは、下記一般式
    (IV)で表される基を表す。〕 【化4】 【化5】 〔一般式(IV)中、Zは低級アルキレン基を表す。−NR
    2は、低級アルキルアミノ基又は窒素原子を含む5員乃
    至6員飽和ヘテロ環を表す。aは1又は2を表す。〕
  4. 【請求項4】 前記バインダー樹脂が、酸性基を有する
    バインダーポリマーを含有することを特徴とする請求項
    1から3のいずれか1項に記載の顔料分散組成物。
  5. 【請求項5】 前記顔料分散組成物が、カラーフィルタ
    ー用途であることを特徴とする請求項1から4のいずれ
    か1項に記載の顔料分散組成物。
JP2002037861A 2002-02-15 2002-02-15 顔料分散組成物 Pending JP2003238841A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002037861A JP2003238841A (ja) 2002-02-15 2002-02-15 顔料分散組成物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002037861A JP2003238841A (ja) 2002-02-15 2002-02-15 顔料分散組成物

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2003238841A true JP2003238841A (ja) 2003-08-27

Family

ID=27779329

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002037861A Pending JP2003238841A (ja) 2002-02-15 2002-02-15 顔料分散組成物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2003238841A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN100405091C (zh) * 2003-12-17 2008-07-23 住友化学株式会社 颜料分散抵抗剂

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN100405091C (zh) * 2003-12-17 2008-07-23 住友化学株式会社 颜料分散抵抗剂

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3946309B2 (ja) 着色感光性組成物
JP4082818B2 (ja) 顔料分散剤、それを含む顔料分散組成物及び着色感光性組成物
JP4234869B2 (ja) 顔料分散剤、それを含む顔料分散組成物及び着色感光性組成物
TW518430B (en) Pigment-dispersed composition, colored photosensitizing composition using it, and color filter
JP3967783B2 (ja) 顔料分散組成物及びそれを用いた着色感光性組成物
JP4486279B2 (ja) 顔料分散剤、顔料分散組成物、及び着色感光性組成物
JP2000234007A (ja) 顔料分散剤、それを含む顔料分散組成物及び着色感光性組成物
JP2002179976A (ja) 顔料分散組成物、それを用いた着色感光性組成物及びカラーフィルタ
JP2003252864A (ja) ベンズイミダゾロン化合物、並びに、これを含有する顔料分散剤、顔料分散組成物および着色感光性組成物
JP2002047441A (ja) 顔料分散剤、それを含む顔料分散組成物及び着色感光性組成物
JP2001335711A (ja) キノフタロン系化合物、それを含む顔料分散剤、顔料分散組成物及び着色感光性組成物
US6678099B2 (en) Reflective color filter
JP2003096056A (ja) ベンゾイミダゾロン化合物、顔料分散剤、及びこれを含む顔料分散組成物並びに着色感光性組成物
JP2003183260A (ja) ベンズイミダゾロン化合物、並びに、これを含有する顔料分散剤、顔料分散組成物および着色感光性組成物
JP2003081948A (ja) アシルアセチルアミノベンゾイミダゾロン化合物、顔料分散剤、及びこれを含む顔料分散組成物並びに着色感光性組成物
JP2003081972A (ja) トリアジン化合物、顔料分散剤、及びこれを含む顔料分散組成物並びに着色感光性組成物
JP4244269B2 (ja) 重合体、顔料分散組成物及び着色感光性組成物
JP2002226587A (ja) 重合体、顔料分散組成物及び着色感光性組成物
JP2003277366A (ja) ベンズイミダゾロン化合物、並びに、これを含有する顔料分散剤、顔料分散組成物および着色感光性組成物
JP2003238842A (ja) 顔料分散組成物
JPH0931351A (ja) 顔料分散組成物、それを用いた着色画像の形成方法及び着色画像
JP2003128947A (ja) アゾ化合物、顔料分散剤、及びこれを含む顔料分散組成物並びに着色感光性組成物
JP3902259B2 (ja) 顔料分散組成物、それを用いた着色画像の形成方法及び着色画像
JP2003238841A (ja) 顔料分散組成物
JP2003183536A (ja) 顔料分散組成物およびこれを含む着色感光性組成物