JP2003238742A - 重荷重用空気入りタイヤ - Google Patents

重荷重用空気入りタイヤ

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JP2003238742A
JP2003238742A JP2002041771A JP2002041771A JP2003238742A JP 2003238742 A JP2003238742 A JP 2003238742A JP 2002041771 A JP2002041771 A JP 2002041771A JP 2002041771 A JP2002041771 A JP 2002041771A JP 2003238742 A JP2003238742 A JP 2003238742A
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pneumatic tire
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copolymer rubber
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JP2002041771A
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Hajime Kondo
肇 近藤
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐摩耗性、低発熱性に優れると共に、耐偏摩
耗性、抗破壊特性及び疲労破壊性が向上した重荷重用空
気入りタイヤを提供すること。 【解決手段】 (A)(a)エチレン性不飽和ニトリル
単量体単位と、(b)芳香族ビニル単量体単位と、
(c)共役ジエン単量体単位とを有し、かつ上記
(a),(b)及び(c)単位の合計量に基づき、
(a)単位5〜45重量%を含有する共役ジエン系共重
合体ゴムを含むゴム成分と、(B)カーボンブラック及
びシリカから選ばれた少なくとも一種の充填材とを含む
ゴム組成物を用いたことを特徴とする重荷重用空気入り
タイヤである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は重荷重用空気入りタ
イヤに関し、さらに詳しくは、タイヤ製造時における作
業性及び耐摩耗性が損なわれることなく、発熱性能が著
しく改良された重荷重用空気入りタイヤに関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】トラック用、建設車輛用などとして用い
られる重荷重用空気入りタイヤにおいては、耐摩耗性と
発熱性能(低発熱性)が高いレベルでバランスしていると
共に、偏摩耗性が抑制されることが望まれている。従来
より、空気入りタイヤのトレッドゴム等の耐摩耗性を改
良する方法として、一般には、カーボンブラックの粒子
径が小さく、かつストラクチャーの大きいものを使用す
ることにより、カーボンブラックとポリマー間の相互作
用を強め、ゴム補強性を向上させる手法や、カーボンブ
ラックの配合量を多くする手法が知られている。しか
し、一般にストラクチャーを大きくすれば耐疲労性が悪
化し、微粒子化することは低発熱性を悪化させる傾向に
あり、特に苛酷な条件で使用されることの多いトラック
・バス等に用いられる重荷重用空気入りタイヤにとって
は問題が大きい。また、微粒子化し過ぎたカーボンブラ
ックを使用すると、カーボンとポリマーの結合相、いわ
ゆるカーボンゲルが増加して未加硫粘度が上昇し、この
ため加工性が著しく低下し、また配合ゴム中でのカーボ
ンの分散度も低下して耐摩耗性が逆に低下するという問
題点があった。
【0003】また、低発熱性などの向上のため、シリカ
を配合することも行われているが、この場合にもシリカ
表面の極性基のために、ゴム中でのシリカの分散が困難
であるという問題があり、加硫ゴムの破壊強力や耐摩耗
性に一層の向上が望まれた。さらに、タイヤ偏摩耗性の
改善のために、スチレン−ブタジエン共重合ゴムをブレ
ンドした特定ゴム組成物を用いることも提案されている
が(特開平2−129240号公報)、耐摩耗性や低発
熱性においては必ずしも満足すべきものであった。ま
た、重荷重用空気入りタイヤのトレッドゴムには、耐摩
耗性と低発熱性能を高いレベルでバランスさせるため
に、一般に、天然ゴムなどのイソプレン系ゴムをベース
とし、補強用充填材としてカーボンブラック/シリカ併
用系を配合することが行われている。しかしながら、ゴ
ム成分としてイソプレン系ゴムを主体とするものは、特
に大型タイヤにおいては、過加硫による加硫戻りに起因
して低発熱性能が悪化しやすく、また耐摩耗性や耐偏摩
耗性も低下することもあり、これらの特性の更なる向上
が望まれた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
状況下で、耐摩耗性、低発熱性に優れると共に、耐偏摩
耗性、抗破壊特性及び疲労破壊性が向上した重荷重用空
気入りタイヤを提供することを目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者は、前記目的を
達成するために、鋭意研究を重ねた結果、ニトリル基を
共役ジエン系共重合体ゴムを用いることにより、カーボ
ンブラックやシリカのゴム分散性が大幅に向上すること
を知見し、これに基づいて本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、(A)(a)エチレン性不飽和ニ
トリル単量体単位と、(b)芳香族ビニル単量体単位
と、(c)共役ジエン単量体単位とを有し、かつ上記
(a),(b)及び(c)単位の合計量に基づき、
(a)単位5〜45重量%を含有する共役ジエン系共重
合体ゴムを含むゴム成分と、(B)カーボンブラック及
びシリカから選ばれた少なくとも一種の充填材とを含む
ゴム組成物を用いたことを特徴とする重荷重用空気入り
タイヤを提供するものである。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明のタイヤに用いられるゴム
組成物においては、(A)成分として、以下に示す共役
ジエン共重合体ゴムを含むゴム成分が用いられる。当該
共役ジエン共重合体ゴムは、(a)エチレン性不飽和ニ
トリル単量体単位と、(b)芳香族ビニル単量体単位
と、(c)共役ジエン単量体単位とを有するものであ
り、(a)単位は、上記(a),(b)及び(c)単位
の合計量に基づき、5〜45重量%を含有することが必
要である。(a)単位であるエチレン性不飽和ニトリル
単位の含有量が5重量%未満ではシリカ分散性が不良と
なり、破壊特性,耐摩耗性,低発熱性が十分に向上しな
い場合がある。一方、この含有量が45重量%を越える
と共役ジエン共重合体ゴムのガラス転移点(Tg)が高
くなりすぎ、ゴム弾性体としての性質が失われる。この
エチレン性不飽和ニトリル単位の好ましい含有量は、8
〜35重量%であり、特に9〜20重量%が好ましい。
ここで、単量体(a)としては、アクリロニトリル及び
メタクリロニトリル等が挙げられるが、これらのうち、
アクリロニトリルが好ましい。これらの単量体(a)は
1種のみを用いてもよいし、2種以上を併用することも
できる。
【0007】(b)単位である芳香族ビニル単量体単位
の含有量としては、10〜50重量%を含有することが
好ましい。この含有量が10重量%未満では得られる加
硫ゴムの耐摩耗性が不十分となるおそれがあり、一方、
50重量%を超えると得られる加硫ゴムの反発弾性が小
さくなり、tanδが大きくなりやすい。この芳香族ビ
ニル単量体単位の好ましい含有量は15〜40重量%で
ある。単量体(b)としては、スチレン、2−メチルス
チレン、3−メチルスチレン、4−メチルスチレン、α
−メチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、2,4−
ジイソプロピルスチレン、4−tert−ブチルスチレ
ン及びtert−ブトキシスチレン等が挙げられるが、
これらのうち、スチレンが特に好ましい。これらの単量
体(b)は1種のみを用いてもよいし、2種以上を併用
することもできる。単量体(c)としては、1,3−ブ
タジエン、イソプレン、2,3−ジメチル−1,3−ブタ
ジエン、及びクロロプレンなどが挙げられるが、これら
のうち、1,3−ブタジエン、イソプレンが特に好まし
い。これらの単量体(c)は1種のみを用いてもよい
し、2種以上を併用することもできる。
【0008】共役ジエン系共重合体ゴムにおける繰り返
し単位において、単量体(c)からなる単量体単位の含
有量は20〜81重量%が好ましく、さらに好ましくは
50〜80重量%である。単量体(c)からなる単量体
単位の含有量が20重量%未満であると、得られる加硫
ゴムの反発弾性が小さくなり、tanδが大きくなるこ
とがある。前記共役ジエン系共重合体ゴムは、必要に応
じて、単量体(a)、(b)及び(c)の他、各種のエ
ステル系単量体が共重合したものとすることができる。
このエステル系単量体としては、メチル(メタ)アクリ
レート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル
(メタ)アクリレート、iso−プロピル(メタ)アク
リレート、n−アミル(メタ)アクリレート、n−ヘキ
シル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メ
タ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレー
ト等の(メタ)アクリレート類、及び酢酸ビニル等のビ
ニルエステル類が挙げられる。これらのエステル系単量
体からなる単量体単位の含有量は、共役ジエン系共重合
体ゴムの特性を損なわない範囲の量比とすることができ
るが、単量体単位全量に対して20重量%以下とするこ
とが好ましい。本発明の共役ジエン系共重合体ゴムとし
ては、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合
体などが好ましく挙げられる。また、該共重合体ゴムは
ランダム共重合体のものが好ましい。
【0009】また、共役ジエン系共重合体ゴムは、ガラ
ス転移点が−70℃〜0℃であり、かつムーニ一粘度
〔ML1+4(100℃)〕が20〜200のものが好まし
い。上記「ガラス転移点」は、用いる単量体の組成比に
よって変化するが、ASTM D3418−82(Re
approved 1988)に準じて示差走査熱量計
(DSC)により測定した場合に、−70〜0℃であ
り、−60〜―10℃であることが好ましい。更に、ガ
ラス転移の外挿開始温度と外挿終了温度との差は好まし
くは20℃以下であり、より好ましくは18℃以下、更
に好ましくは15℃以下、特に13℃以下である。
【0010】なお、下限は通常、5℃である。この温度
差が20℃を超えると、得られる加硫ゴムのウェットス
キッド抵抗が低下し、tanδも大きくなり好ましくな
い。また、上記単量体(a)からなる単量体単位の含有
量が9〜15重量%であると共に、且つガラス転移の外
挿開始温度と外挿終了温度との差が13℃以下、特に1
0℃以下であることが好ましい。ここで、ガラス転移の
外挿開始温度及び外挿終了温度はASTM D3418
−82(Reapproved 1988)に準じて示
差走査熱量系(DSC)により測定した。外挿開始温度
は、図1に示すDSCの昇温曲線において、低温側のベ
ースラインを延長した直線と、低温側の変曲点P1と高
温側の変曲点Phとの間のほぼ直線部分Lを延長した直
線とが交わる点に対応する温度軸の読みとした。また、
外挿終了温度は、図1に示すDSCの昇温曲線におい
て、高温側のベースラインを延長した直線と、直線部分
Lを延長した直線とが交わる点に対応する温度軸の読み
とした。
【0011】本発明の共役ジエン系共重合体ゴムのムー
ニー粘度[ML1+4(100℃)]は20〜200であ
ることが好ましいが、さらに30〜150であることが
好ましい。ムーニー粘度が20未満であると、得られる
加硫ゴムの耐摩耗性が低下することがある。一方、20
0を超えると、この共役ジエン系共重合体ゴムを含有す
るゴム組成物の加工性が低下することがある。また、共
役ジエン系共重合体ゴムのGPC(ゲルパーミエーショ
ンクロマトグラフ)法により測定したポリスチレン換算
の重量平均分子量は好ましくは100000以上であ
り、特に好ましくは100000〜2000000であ
る。重量平均分子量が100000未満であること、得
られる加硫ゴムの耐摩耗性が低下する傾向にあり、ta
nδが大きくなることもある。一方、2000000を
超えると、この共役ジエン系共重合体ゴムを含有するゴ
ム組成物の加工性が低下することがある。この重量平均
分子量は、重合時、ラジカル重合において一般に使用さ
れるアルキルメルカプタンに代表される連鎖移動剤を用
いることにより制御することができる。
【0012】前記共役ジエン系共重合体ゴムは、水系媒
体において上記単量体(a)、(b)及び(c)並びに
必要に応じてエステル系単量体をラジカル重合開始剤を
用いて重合させ、製造することができる。重合方法は特
に制限されないが、通常、乳化重合が好ましい。乳化重
合は一般的な方法であればよく、所定の単量体を乳化剤
の存在下に水系媒体において乳化させ、ラジカル重合開
始剤により重合を開始し、所定の重合転化率となった時
点で重合停止剤により重合を停止する方法が挙げられ
る。
【0013】前記共役ジエン系共重合体ゴムの製造にお
いて、上記単量体(a)の仕込み方が重要であり、重合
系に分割して添加することが好ましい。単量体(a)の
一部を重合開始前に投入し、残部を重合過程において重
合系に間欠的に、あるいは連続的に添加することが好ま
しい。また、重合途中で測定される全単量体仕込み分の
重合転化率が10〜95%、好ましくは20〜80%と
なった後に、単量体(a)の残部を一括して又は分割し
て又は連続的に添加することが好ましい。なお、単量体
(a)の全量を重合開始前に重合系に投入して共重合さ
せた場合、共重合ゴムのガラス転移の開始温度と終了温
度との差が20℃を超えて大きくなる傾向にあり、好ま
しくない。また、重合開始前の上記単量体(a)の初期
仕込み量は、使用する単量体(a)全量に対して、好ま
しくは20〜95重量%、より好ましくは20〜90重
量%、更に好ましくは30〜85重量%である。
【0014】乳化剤としては、アニオン系界面活性剤、
ノニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤及び両性
界面活性剤が挙げられる。また、ふっ素系の界面活性剤
を使用することもできる。これらの乳化剤としては、ア
ニオン系界面活性剤が多用され、例えばカプリン酸、ラ
ウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、オレイン酸、
ステアリン酸等の炭素数10以上の長鎖脂肪酸のカリウ
ム塩又はナトリウム塩等の他、ロジン酸塩等を使用する
ことができる。ラジカル重合開始剤としては、ベンゾイ
ルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、ter
t−ブチルヒドロパーオキサイド、クメンヒドロパーオ
キサイド、パラメンタンヒドロパーオキサイド、ジーt
ert−ブチルヒドロパーオキサイド及びジクミルパー
オキサイド等の有機過酸化物を使用することができる。
また、アゾビスイソブチロニトリルにより代表されるア
ゾ化合物、過硫酸カリウムにより代表される無機過酸化
物、及びこれら過酸化物と硫酸第一鉄との組み合わせに
より代表されるレドックス系触媒等を用いることもでき
る。これらのラジカル重合開始剤は1種のみ用いてもよ
いし、2種以上を併用することもできる。
【0015】また、共役ジエン系共重合体ゴムの分子量
を調節するため、連鎖移動剤として、tert−ドデシ
ルメルカプタン、n−ドデシルメルカプタン等のアルキ
ルメルカプタン類などの連鎖移動剤を使用することもで
きる。重合は酸素を除去した反応器を用いて0〜100
℃で行うことができ、重合温度は0〜80度であること
が特に好ましい。重合方式は連続式でもよいし、回分式
であってもよく、重合温度等、あるいは攪拌等の操作条
件等を反応途中で適宜変更することもできる。重合停止
剤としては、ヒドロキシルアミン、ジエチルヒドロキシ
ルアミン等のアミン化合物などを用いることができる。
重合停止後、生成した共役ジエン系共重合体ゴムラテッ
クスから、共役ジエン系共重合体ゴムをクラムとして凝
固させ、このクラムを洗浄し、脱水した後、ドライヤー
等により乾燥することにより、共役ジエン系共重合体ゴ
ムとすることができる。
【0016】本発明のタイヤに用いられるゴム組成物に
おいて、(A)成分のゴム成分として、前記共役ジエン
系共重合体ゴムを少なくとも30重量%含むことが好ま
しい。この量が30重量%未満では所望の物性を有する
ゴム組成物が得られないことがある。ゴム成分中の該共
役ジエン系共重合体ゴムの好ましい含有量は35重量%
以上であり、特に40〜100重量%が好適である。
【0017】上記の共役ジエン系共重合体ゴムと併用さ
れるゴム成分としては、天然ゴム及びジエン系合成ゴム
が挙げられ、ジエン系合成ゴムとしては、例えばスチレ
ン−ブタジエン共重合体(SBR),ポリブタジエン
(BR),ポリイソプレン(IR),ブチルゴム(II
R),エチレン−プロピレン共重合体及びこれらの混合
物等が挙げられる。これら、本発明における共役ジエン
系共重合体ゴムと併用されるゴム成分の中では、天然ゴ
ム,ポリブタジエン,ポリイソプレンが好ましく、これ
らのゴムはゴム成分中、0〜70重量%であることが好
ましい。
【0018】次に、前記(B)成分として、カーボンブ
ラック,シリカは各単独で用いてもよく、また、カーボ
ンブラックとシリカとを併用してもよい。ここで、カー
ボンブラックとしては特に制限はなく、従来ゴムの補強
用充填材として慣用されているものの中から任意のもの
を選択して用いることができる。このカーボンブラック
としては、例えばFEF,SRF,HAF,ISAF,
SAF等が挙げられる。好ましくはヨウ素吸着量(I
A)が60mg/g以上で、かつ、ジブチルフタレート
吸油量(DBP)が80ミリリットル/100g以上の
カーボンブラックである。このカーボンブラックを用い
ることにより、諸物性の改良効果は大きくなるが、特
に、耐摩耗性に優れるHAF,ISAF,SAFが好ま
しい。また、シリカとしては特に制限はなく、従来ゴム
の補強用充填材として慣用されているものの中から任意
に選択して用いることができる。例えば湿式シリカ(含
水ケイ酸),乾式シリカ(無水ケイ酸),ケイ酸カルシ
ウム,ケイ酸アルミニウム等が挙げられるが、中でも破
壊特性の改良効果並びにウェットグリップ性及び低転が
り抵抗性の両立効果が最も顕著である湿式シリカが好ま
しい。
【0019】ここで、カーボンブラックの配合量が80
重量部を超えたり、シリカとの合計量が120重量部を
超えると所望の物性を有するゴム組成物が得られにく
く、本発明の目的が達せられないおそれがある。配合効
果及び物性などの面から、このカーボンブラックの好ま
しい配合量は、5〜70重量部の範囲であり、かつシリ
カとの合計配合量は100重量部以下が好ましい。本発
明のタイヤに用いる前記ゴム組成物においては、所望に
より、シランカップリング剤を配合することができる。
このシランカップリング剤としては、特に制限はなく、
従来ゴム組成物に使用されている公知のもの、例えばビ
ス(3−トリエトキシシリルプロピル)ポリスルフィ
ド,γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン,γ−
アミノプロピルトリエトキシシラン,N−フェニル−γ
−アミノプロピルトリメトキシシラン,N−β(アミノ
エチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシランなど
を用いることができる。この所望により用いられるシラ
ンカップリング剤の配合量は、前記シリカに対して、通
常1〜20重量%の範囲で選定される。この量が1重量
%未満ではカップリング剤としての効果が充分に発揮さ
れにくく、また、20重量%を超えるとゴム成分のゲル
化を引き起こすおそれがある。カップリング剤としての
効果及びゲル化防止などの点から、このシランカップリ
ング剤の好ましい配合量は、5〜15重量%の範囲であ
る。
【0020】前記ゴム組成物には、本発明の目的が損な
われない範囲で、所望により、通常ゴム工業界で用いら
れる各種薬品、例えば加硫剤,加硫促進剤,プロセス
油,老化防止剤,スコーチ防止剤,亜鉛華,ステアリン
酸などを含有させることができる。本発明の重荷重用空
気入りタイヤに用いられるゴム組成物は、ロール、イン
ターナルミキサー等の混練り機を用いて混練りすること
によって得られ、成形加工後、加硫を行い、タイヤトレ
ッド,アンダートレッド,カーカス,サイドウォール,
ビード部分等のタイヤ用途に用いることができるが、特
にトレッド用ゴムとして好適に使用される。本発明の空
気入りタイヤは、通常の方法によって製造される。
【0021】
【実施例】次に、本発明を実施例によりさらに詳細に説
明するが、本発明は、これらの例によってなんら限定さ
れるものではない。なお、重合体の物性は、下記の方法
に従って測定した。 <重合体の物性>重合体の重量平均分子量(Mw)の測
定はゲルパーミエーションクロマトグラフィ[GPC;
東ソー製HLC−8020、カラム;東ソー製GMH−
XL(2本直列)]により行い、示差屈折率(R1)を
用いて、単分散ポリスチレンを標準としてポリスチレン
換算で行った。重合体のムーニー粘度は東洋精機社製の
RLM−01型テスターを用いて、100℃で測定し
た。重合体中の結合アクリロニトリル単位含有量は、元
素分析による窒素含有量から算出して求めた。重合体中
のスチレン単位含有量は1H−NMRスペクトルの積分
比より算出した。重合体のガラス転移点(Tg)はパー
キンエルマー社製の示差走査熱分析機(DSC)7型装
置を用い−100℃まで冷却した後に10℃/minで
昇温する条件で測定した。
【0022】製造例1(重合体A:非油展共役ジエン系
共重合体ゴム) 重合用容器に、水を200部、ロジン酸石鹸を4.5
部、ブタジエンを80部、スチレンを12部、及びアク
リロニトリルを5部仕込んだ。その後、重合用容器の温
度を5℃に設定し、ラジカル重合開始剤としてp−メン
タンハイドロパーオキサイドを0.03部、エチレンジ
アミン4酢酸ナトリウムを0.02部、硫酸第1鉄7水
和物を0.01部、及びソジウムホルムアルデヒドスル
ホキシレートを0.03部添加して重合を開始した。重
合転化率が30%に達した時点で、アクリロニトリルを
3部更に添加し、重合転化率が60%に達した時点で、
ジエチルヒドロキシルアミンを添加して重合を停止させ
た。次いで、スチームストリッピングにより未反応単量
体を回収し、共役ジエン系ゴムラテックスを得た。ラテ
ックスに含まれる共役ジエン系共重合体ゴムのムーニー
粘度は50、結合アクリロニトリル量は10重量%、結
合スチレン量は11重量%、重量平均分子量は4500
00、ガラス転移点は−60℃であった。
【0023】製造例2(重合体B:非油展共役ジエン系
共重合体ゴム) 重合用容器に、水を200部、ロジン酸石鹸を4.5
部、ブタジエンを72部、スチレンを28部を仕込ん
だ。その後、重合用容器の温度を5℃に設定し、ラジカ
ル重合開始剤としてp−メンタンハイドロパーオキサイ
ドを0.03部、エチレンジアミン4酢酸ナトリウムを
0.02部、硫酸第1鉄7水和物を0.01部、及びソ
ジウムホルムアルデヒドスルホキシレートを0.03部
添加して重合を開始した。重合転化率が60%に達した
時点で、ジエチルヒドロキシルアミンを添加して重合を
停止させた。次いで、スチームストリッピングにより未
反応単量体を回収し、共役ジエン系ゴムラテックスを得
た。ラテックスに含まれる共役ジエン系共重合体ゴムの
ムーニー粘度は49、結合スチレン量は23.5重量
%、重量平均分子量は440000、ガラス転移点は−
61℃であった。上記により得られた重合体A,Bのミ
クロ構造を及び物性値を第1表に示す。
【0024】
【表1】
【0025】なお、実施例及び比較例の各タイヤについ
ては下記により性能評価テストを行った。 (1)耐摩耗性テスト 実車にて一般道路を50000km走行後、トレッド部
の残溝より摩耗1mm当たりの走行距離を算出し、比較
例1又は比較例3のタイヤの値を100として指数表示
した。指数が大きいほど耐摩耗性が良好である。 (2)偏摩耗性テスト 上記テストにおける50000km走行後、第2図に示
すタイヤとレッド端の偏摩耗段差量Lと幅Wを測定し、
L×Wにより摩耗量を評価し、比較例1又は比較例3に
おけるタイヤの摩耗量の値を100として指数化して表
示した。指数が大きいほど偏摩耗性は良好である。
【0026】(3)低発熱性 上記作製したタイヤを使用してドラムにて80km/h
で走行させて、転がり抵抗を測定し、比較例1又は比較
例3を100として指数表示した。指数が大きい程、低
発熱性に優れる。 (4)耐テアー性 上記作製し耐摩耗性テストを行ったタイヤで、ブロック
溝底に発生した亀裂を目視し、下記評価基準で評価し
た。 ◎:目視で、亀裂は認められなかった。 ○:微小な亀裂は認められたが、亀裂の進展は認められ
なかった。 ×:亀裂が進展し、亀裂同士が連結しているのが認めら
れた。 実施例1及び比較例1,2 製造例1で得られた重合体を用い、第2表の配合処方
(充填材としてカーボンブラック単独系)によりゴム組
成物を調製した。得られたゴム組成物をタイヤトレッド
部に使用して、サイズ11R22.5(ブロックパター
ン)のタイヤを作製し、得られたタイヤについて上記方
法で性能評価を行った。結果を第2表に示す。
【0027】
【表2】
【0028】(注) *1;6C〔N−(1,3ジメチルブチル)−N‘−フ
ェニル−p−フェニレンジアミン〕 *2;CZ(N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアジル
スルフェンアミド) 上記の結果より、実施例1は、比較例1に比べて、耐摩
耗性,耐偏摩耗性、低発熱性、耐テアー性の全てが優れ
ていることが分かる。また、天然ゴムのみを用いた従来
型のタイヤ(比較例2)に比べれば、特に偏摩耗性と耐
テアー性が格段に向上している。 実施例2及び比較例3,4 製造例2で得られた各重合体を用い、第3表配合処方
(充填材としてカーボンブラック/シリカ併用系)によ
りゴム組成物を調製した。得られたゴム組成物を用いて
実施例1と同様にしてタイヤを作製し、得られたタイヤ
について上記同様にしてタイヤの性能評価を行った。結
果を第3表に示す。
【0029】
【表3】
【0030】上記の結果より、実施例2は、比較例3に
比べて、耐摩耗性,耐偏摩耗性、低発熱性、耐テアー性
の全てが優れていることが分かる。また、天然ゴムのみ
を用いた従来型のタイヤ(比較例4)に比べれば、特に
偏摩耗性と耐テアー性が格段に向上している。
【0031】
【発明の効果】本発明の空気入りタイヤは、耐摩耗性、
低発熱性に優れると共に、偏摩耗性が抑制され、かつ疲
労破壊性(耐テアー性)が向上したものであり、特に耐
久性に優れた重荷重用空気入りタイヤとして好適に用い
られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における共役ジエン系ゴムのガラス転移
の外挿開始温度と外挿終了温度の求め方を示すDSCの
チャートである。
【図2】偏摩耗の程度を示すタイヤトレッド部の断面図
である。
【符号の説明】
L; 偏摩耗段差量 W; 偏摩耗幅
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08L 9/06 C08K 5/54

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)(a)エチレン性不飽和ニトリル
    単量体単位と、(b)芳香族ビニル単量体単位と、
    (c)共役ジエン単量体単位とを有し、かつ上記
    (a),(b)及び(c)単位の合計量に基づき、
    (a)単位5〜45重量%を含有する共役ジエン系共重
    合体ゴムを含むゴム成分と、(B)カーボンブラック及
    びシリカから選ばれた少なくとも一種の充填材とを含む
    ゴム組成物を用いたことを特徴とする重荷重用空気入り
    タイヤ。
  2. 【請求項2】 共役ジエン系共重合体ゴムが、(a),
    (b)及び(c)単位の合計量に基づき、(b)単位1
    0〜50重量%を含有する請求項1記載の重荷重用空気
    入りタイヤ。
  3. 【請求項3】 共役ジエン系共重合体ゴムが、ガラス転
    移点−70℃〜0℃及びムーニ一粘度〔ML1+4(100
    ℃)〕20〜200のものである請求項1又は2記載の
    重荷重用空気入りタイヤ。
  4. 【請求項4】 共役ジエン系共重合体ゴムが、ガラス転
    移の外挿開始温度と外挿終了温度との差が20℃以下の
    ものである請求項1、2又は3記載の重荷重用空気入り
    タイヤ。
  5. 【請求項5】 共役ジエン系共重合体ゴムが、アクリル
    ニトリルとスチレンとブタジエンとの共重合体である請
    求項1ないし4のいずれかに記載の重荷重用空気入りタ
    イヤ。
  6. 【請求項6】 (A)成分中に、前記共役ジエン系共重
    合体ゴムを30重量%以上含有する請求項1ないし5の
    いずれかに記載の重荷重用空気入りタイヤ。
  7. 【請求項7】 カーボンブラックとシリカとの合計配合
    量が、ゴム成分100重量部当たり30〜80重量部で
    ある請求項1ないし6のいずれかに記載の重荷重用空気
    入りタイヤ。
  8. 【請求項8】 前記充填材が、カーボンブラックの単独
    使用である請求項1ないし7のいずれかに記載の重荷重
    用空気入りタイヤ。
  9. 【請求項9】 前記充填材が、カーボンブラックとシリ
    カとの併用である請求項1ないし8のいずれかに記載の
    重荷重用空気入りタイヤ。
  10. 【請求項10】 さらに、(B)成分に対し、(C)シ
    ランカップリング剤1〜20重量%を含む請求項1ない
    し9のいずれかに記載の重荷重用空気入りタイヤ。
  11. 【請求項11】 請求項1〜10のいずれかに記載のゴ
    ム組成物をトレッドゴムに用いたことを特徴とする重荷
    重用空気入りタイヤ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008255156A (ja) * 2007-04-02 2008-10-23 Yokohama Rubber Co Ltd:The 空気入りタイヤ

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2008255156A (ja) * 2007-04-02 2008-10-23 Yokohama Rubber Co Ltd:The 空気入りタイヤ

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