JP2003238254A - セラミックスラリー - Google Patents
セラミックスラリーInfo
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 ホウ素を含む酸化物セラミックスにおける成
形時のゲル化を抑制したセラミックスラリーを提供す
る。 【構成】 セラミックスラリーのセラミック粉末として
酸化ホウ素を使用し、樹脂バインダー中の水酸基をホウ
素に対して50mol%以下、有機溶剤中の水分量がホ
ウ素に対して10mol%以下となるように組成する。
形時のゲル化を抑制したセラミックスラリーを提供す
る。 【構成】 セラミックスラリーのセラミック粉末として
酸化ホウ素を使用し、樹脂バインダー中の水酸基をホウ
素に対して50mol%以下、有機溶剤中の水分量がホ
ウ素に対して10mol%以下となるように組成する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば、積層コン
デンサ、フィルタ等のセラミック部品に使用するセラミ
ックスラリーに関するものである。
デンサ、フィルタ等のセラミック部品に使用するセラミ
ックスラリーに関するものである。
【0002】
【従来の技術】積層コンデンサ、フィルタ等のセラミッ
ク部品の内部電極には、従来より、銀パラジウム(Ag
−Pd)合金が用いられているが、Pdは高価であるた
め、Agの組成比を大きくすることで、部品のコストダ
ウンを図っている。
ク部品の内部電極には、従来より、銀パラジウム(Ag
−Pd)合金が用いられているが、Pdは高価であるた
め、Agの組成比を大きくすることで、部品のコストダ
ウンを図っている。
【0003】また、Agの融点はPdよりも低いため、
セラミック部品におけるAgの組成比が大きいほど、低
温で焼結できるセラミックスであることが望ましい。そ
こで、従来は、セラミック誘電体の焼結温度を下げるた
め、焼結助剤として酸化ホウ素(B2O3)を添加する方
法が採られている。
セラミック部品におけるAgの組成比が大きいほど、低
温で焼結できるセラミックスであることが望ましい。そ
こで、従来は、セラミック誘電体の焼結温度を下げるた
め、焼結助剤として酸化ホウ素(B2O3)を添加する方
法が採られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、酸化ホ
ウ素を含むセラミック粉末と、ポリビニルアルコールや
水酸基量の多いポリビニルブチラール等の樹脂と、水分
を含有する溶媒とを混合すると、酸化ホウ素が溶媒中の
水と反応してB(OH)4 -イオンが生成し、樹脂の側鎖に
ある水酸基と反応して、樹脂どうしを結び付けてスラリ
ーをゲル化させてしまう。そのため、最終的なシート形
成が困難になるという問題がある。
ウ素を含むセラミック粉末と、ポリビニルアルコールや
水酸基量の多いポリビニルブチラール等の樹脂と、水分
を含有する溶媒とを混合すると、酸化ホウ素が溶媒中の
水と反応してB(OH)4 -イオンが生成し、樹脂の側鎖に
ある水酸基と反応して、樹脂どうしを結び付けてスラリ
ーをゲル化させてしまう。そのため、最終的なシート形
成が困難になるという問題がある。
【0005】水系セラミックスラリーの製造方法とし
て、例えば、特開平7−187809号公報には、ホウ
素によるゲル化を抑制するため、セラミック粉末と樹脂
としてポリビニルアルコールを使用したセラミックスラ
リーが開示されている。この方法は、水系スラリーにお
いて、多価アルコールを添加してホウ酸と反応させ、樹
脂との反応を抑えるものである。
て、例えば、特開平7−187809号公報には、ホウ
素によるゲル化を抑制するため、セラミック粉末と樹脂
としてポリビニルアルコールを使用したセラミックスラ
リーが開示されている。この方法は、水系スラリーにお
いて、多価アルコールを添加してホウ酸と反応させ、樹
脂との反応を抑えるものである。
【0006】また、セラミックスラリーの製造に、粉末
としてH3BO3(ホウ酸)を使用した場合、以下の式
(1),(2)に示す反応が生じる。つまり、ホウ酸
は、空気中や溶剤中の水分と反応して樹脂を架橋し、ゲ
ル化の原因となるB(OH)4 -イオンを生成させるという
問題がある。
としてH3BO3(ホウ酸)を使用した場合、以下の式
(1),(2)に示す反応が生じる。つまり、ホウ酸
は、空気中や溶剤中の水分と反応して樹脂を架橋し、ゲ
ル化の原因となるB(OH)4 -イオンを生成させるという
問題がある。
【0007】
H3BO3 + 2H2O → B(OH)4 - + H3O++ …(1)
B(OH)4 - + 4ROH → B(OR)4 - + 4H2O …(2)
ここで、Rは、樹脂(ポリビニルブチラール)の主鎖を
表し、ROHは、樹脂の水酸基部分である。また、B
(OR)4 -は、ホウ素が樹脂どうしを結び付け(架橋
し)、ゲル化している状態を表している。
表し、ROHは、樹脂の水酸基部分である。また、B
(OR)4 -は、ホウ素が樹脂どうしを結び付け(架橋
し)、ゲル化している状態を表している。
【0008】本発明は、上述した課題に鑑みなされたも
のであり、その目的とするところは、ホウ素を含む酸化
物セラミックスにおいて、成形時におけるゲル化を抑制
したセラミックスラリーを提供することである。
のであり、その目的とするところは、ホウ素を含む酸化
物セラミックスにおいて、成形時におけるゲル化を抑制
したセラミックスラリーを提供することである。
【0009】本発明の他の目的は、フィルム等の支持体
への付着性に優れたセラミックスラリーを提供すること
である。
への付着性に優れたセラミックスラリーを提供すること
である。
【0010】
【課題を解決するための手段】かかる目的を達成し、上
述した課題を解決する一手段として、例えば、以下の構
成を備える。すなわち、酸化ホウ素(B2O3)を含むセ
ラミック粉末と、有機溶剤と、樹脂バインダーとを混合
してなるセラミックスラリーであって、上記有機溶剤中
の水分量がホウ素に対して10mol%以下であり、か
つ、上記樹脂バインダー中の水酸基がホウ素に対して5
0mol%以下であることを特徴とする。
述した課題を解決する一手段として、例えば、以下の構
成を備える。すなわち、酸化ホウ素(B2O3)を含むセ
ラミック粉末と、有機溶剤と、樹脂バインダーとを混合
してなるセラミックスラリーであって、上記有機溶剤中
の水分量がホウ素に対して10mol%以下であり、か
つ、上記樹脂バインダー中の水酸基がホウ素に対して5
0mol%以下であることを特徴とする。
【0011】例えば、上記セラミック粉末に含まれる酸
化ホウ素は、ホウ酸(H3BO3)を添加したセラミック
粉末を400℃以上の温度で加熱処理し、上記ホウ酸が
脱水してなる酸化ホウ素であることを特徴とする。
化ホウ素は、ホウ酸(H3BO3)を添加したセラミック
粉末を400℃以上の温度で加熱処理し、上記ホウ酸が
脱水してなる酸化ホウ素であることを特徴とする。
【0012】また、例えば、上記セラミック粉末の加熱
処理を、400℃以上1300℃以下の温度範囲で行う
ことを特徴とする。
処理を、400℃以上1300℃以下の温度範囲で行う
ことを特徴とする。
【0013】さらに、例えば、上記樹脂バインダーは、
ポリビニルブチラールであることを特徴とする。
ポリビニルブチラールであることを特徴とする。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、添付図面を参照して、本発
明に係る実施の形態例を詳細に説明する。なお、ここで
は、適宜、本発明に係る技術と従来技術とを比較しなが
ら、実施の形態例、および実施例について詳述する。
明に係る実施の形態例を詳細に説明する。なお、ここで
は、適宜、本発明に係る技術と従来技術とを比較しなが
ら、実施の形態例、および実施例について詳述する。
【0015】本実施の形態例に係るセラミックスラリー
は、酸化ホウ素を含むセラミック粉末、有機溶剤、およ
び樹脂バインダーを混合することによって生成される。
そこで、最初に各構成成分について順に説明する。
は、酸化ホウ素を含むセラミック粉末、有機溶剤、およ
び樹脂バインダーを混合することによって生成される。
そこで、最初に各構成成分について順に説明する。
【0016】<粉 末>従来は、上述したように、セラ
ミックスラリーの製造に粉末成分としてH3BO3(ホウ
酸)を使用していた。それは、ホウ酸が粉末状で計量が
容易であり、組成ずれを小さくできるからである。
ミックスラリーの製造に粉末成分としてH3BO3(ホウ
酸)を使用していた。それは、ホウ酸が粉末状で計量が
容易であり、組成ずれを小さくできるからである。
【0017】しかし、既に述べたように、ホウ酸には、
空気中や溶剤中の水分と反応して樹脂を架橋し、ゲル化
の原因となるB(OH)4 -イオンを生成させるという問題
がある。そのため、本実施の形態例では、セラミックス
ラリーの粉末として酸化ホウ素を使用する。これによっ
て、上記の式(1)で示される反応を抑制する。
空気中や溶剤中の水分と反応して樹脂を架橋し、ゲル化
の原因となるB(OH)4 -イオンを生成させるという問題
がある。そのため、本実施の形態例では、セラミックス
ラリーの粉末として酸化ホウ素を使用する。これによっ
て、上記の式(1)で示される反応を抑制する。
【0018】なお、ホウ素をホウ酸として粉末に添加し
た後、スラリーにする前に、その粉体を400℃以上で
加熱すれば、以下の式(3)で示す反応が逆に進行して
脱水が行われ、酸化ホウ素が生成される。
た後、スラリーにする前に、その粉体を400℃以上で
加熱すれば、以下の式(3)で示す反応が逆に進行して
脱水が行われ、酸化ホウ素が生成される。
【0019】
B2O3 + 3H2O → 2H3BO3 …(3)
【0020】加熱温度は、400℃以上であればよい
が、その上限については、セラミックスの焼成が始まる
温度以下であることが好ましい。結局、加熱温度は、セ
ラミックス粉末の種類に依存することになるが、概ね1
300℃以下であればよい。しかし、400℃以下の加
熱では、上記の式(3)で示す反応の逆反応が完全に進
行せず、粉末中に未反応のホウ酸が残ることになる。
が、その上限については、セラミックスの焼成が始まる
温度以下であることが好ましい。結局、加熱温度は、セ
ラミックス粉末の種類に依存することになるが、概ね1
300℃以下であればよい。しかし、400℃以下の加
熱では、上記の式(3)で示す反応の逆反応が完全に進
行せず、粉末中に未反応のホウ酸が残ることになる。
【0021】<溶剤(有機溶剤)>有機溶剤には、もと
もと水分を含有しているものがあり、また、購入時に含
有していなくても、その保管状態によって空気中の水分
を吸収する等により、水が浸入しやすい。特に、アルコ
ール類は、水との相溶性があり、その傾向が顕著であ
る。スラリー全体に含まれる水分のほとんどは、溶剤に
由来するものである。
もと水分を含有しているものがあり、また、購入時に含
有していなくても、その保管状態によって空気中の水分
を吸収する等により、水が浸入しやすい。特に、アルコ
ール類は、水との相溶性があり、その傾向が顕著であ
る。スラリー全体に含まれる水分のほとんどは、溶剤に
由来するものである。
【0022】従来は、溶剤として安価で、コストメリッ
トがあるとして、95%メタ変性アルコールを使用して
いた。しかし、95%メタ変性アルコールには4%程度
の水が入っており、この水がホウ酸と反応する。すなわ
ち、溶剤(アルコール)中の水は、上記の式(1)に示
すようにホウ酸と反応する。また、酸化ホウ素であって
も、水が、式(3)で示す反応をしてホウ酸となり、そ
のホウ酸により、さらに、式(1)に示すようにB(O
H)4 -イオンが生成される。
トがあるとして、95%メタ変性アルコールを使用して
いた。しかし、95%メタ変性アルコールには4%程度
の水が入っており、この水がホウ酸と反応する。すなわ
ち、溶剤(アルコール)中の水は、上記の式(1)に示
すようにホウ酸と反応する。また、酸化ホウ素であって
も、水が、式(3)で示す反応をしてホウ酸となり、そ
のホウ酸により、さらに、式(1)に示すようにB(O
H)4 -イオンが生成される。
【0023】溶剤中の水分量は、少ないほど好ましい
が、それを完全に除去するのは、技術的に困難を極め
る。そこで、本実施の形態例に係るセラミックスラリー
には、水分含有量の少ない、例えば、1−ブタノール、
イソプロピルアルコール、エタノール等のアルコールを
使用する。
が、それを完全に除去するのは、技術的に困難を極め
る。そこで、本実施の形態例に係るセラミックスラリー
には、水分含有量の少ない、例えば、1−ブタノール、
イソプロピルアルコール、エタノール等のアルコールを
使用する。
【0024】許容される水分量は、ここでは、粉末であ
るホウ素との関係で求める。例えば、以下の式(4)で
示す条件を満たせば、ゲル化を防ぎ、成形時においてポ
リエチレンテレフタレート(PET)フィルムから剥が
れ落ちることを抑制できる。
るホウ素との関係で求める。例えば、以下の式(4)で
示す条件を満たせば、ゲル化を防ぎ、成形時においてポ
リエチレンテレフタレート(PET)フィルムから剥が
れ落ちることを抑制できる。
【0025】
(スラリー中の水分量)/(ホウ素の物質量)×100 ≦ 10[mol%
]
…(4)
つまり、本実施の形態例に係るセラミックスラリーで
は、溶剤の水総量をホウ素物質量の10[mol%]以
下にする。
は、溶剤の水総量をホウ素物質量の10[mol%]以
下にする。
【0026】<樹 脂>有機溶剤系のセラミックスラリ
ーに一般的に用いられるポリビニルブチラール樹脂は、
側鎖としてブチラール基、アセチル基、水酸基を持って
おり(側鎖水酸基の総量が多い)、その割合、および重
合度が樹脂の性質を決めている。これらの基のうち、水
酸基は、上記の式(2)に示す反応を起こして、ホウ素
と結合する。
ーに一般的に用いられるポリビニルブチラール樹脂は、
側鎖としてブチラール基、アセチル基、水酸基を持って
おり(側鎖水酸基の総量が多い)、その割合、および重
合度が樹脂の性質を決めている。これらの基のうち、水
酸基は、上記の式(2)に示す反応を起こして、ホウ素
と結合する。
【0027】樹脂どうしがホウ素によって結び付けられ
る(つまり、樹脂を架橋する)結果、樹脂本来の性質で
ある、粉末どうしを結ぶ力、および粉末とPETフィル
ムを接着させる力が得られず、成形時にPETフィルム
から剥がれる現象が発生する。また、ホウ素が水と反応
してできたB(OR)4 -イオンは、樹脂を架橋してゲル化
を招き、PETフィルムへの付着を困難にしている。
る(つまり、樹脂を架橋する)結果、樹脂本来の性質で
ある、粉末どうしを結ぶ力、および粉末とPETフィル
ムを接着させる力が得られず、成形時にPETフィルム
から剥がれる現象が発生する。また、ホウ素が水と反応
してできたB(OR)4 -イオンは、樹脂を架橋してゲル化
を招き、PETフィルムへの付着を困難にしている。
【0028】樹脂中の水酸基の量は、少ないほど好まし
いが、水酸基の存在は、シートの性質(例えば、引張強
度等)に影響を与えるため、総合的に判断する必要があ
る。そこで、本実施の形態例では、ゲル化を抑制する観
点から許容される水酸基の量を、ホウ素との関係で求め
る。
いが、水酸基の存在は、シートの性質(例えば、引張強
度等)に影響を与えるため、総合的に判断する必要があ
る。そこで、本実施の形態例では、ゲル化を抑制する観
点から許容される水酸基の量を、ホウ素との関係で求め
る。
【0029】具体的には、以下の式(5)で示す条件を
満たせば、ゲル化を防ぐことができ、PETフィルムか
らの剥がれを抑制できる。
満たせば、ゲル化を防ぐことができ、PETフィルムか
らの剥がれを抑制できる。
【0030】
(スラリー中の水酸基量)/(ホウ素の物質量)×100 ≦ 50[mol
%]
…(5)
【0031】本実施の形態例においても、従来技術と同
様、ポリビニルブチラール樹脂を使用するが、上記の式
(5)を満たし、側鎖水酸基の総量を少なくするため、
(i)水酸基(側鎖水酸基)の少ない樹脂を選択する、
(ii)樹脂量を少なくして水酸基の量を減らす、とい
う方法を併用する。こうすることによって、水酸基量を
調整するが、具体的には、上記の式(5)に示すよう
に、樹脂中の水酸基の総量を、ホウ素物質量の50[m
ol%]以下にする。
様、ポリビニルブチラール樹脂を使用するが、上記の式
(5)を満たし、側鎖水酸基の総量を少なくするため、
(i)水酸基(側鎖水酸基)の少ない樹脂を選択する、
(ii)樹脂量を少なくして水酸基の量を減らす、とい
う方法を併用する。こうすることによって、水酸基量を
調整するが、具体的には、上記の式(5)に示すよう
に、樹脂中の水酸基の総量を、ホウ素物質量の50[m
ol%]以下にする。
【0032】なお、本実施の形態例に係るセラミックス
ラリーには、上述したセラミック粉末、有機溶剤、およ
び樹脂バインダー以外にも、構成成分として、必要に応
じて分散剤、カップリング剤等の添加剤を加えてもよ
い。
ラリーには、上述したセラミック粉末、有機溶剤、およ
び樹脂バインダー以外にも、構成成分として、必要に応
じて分散剤、カップリング剤等の添加剤を加えてもよ
い。
【0033】
【実施例】次に、本実施の形態例に係るセラミックスラ
リーの実施例について詳細に説明する。図1は、セラミ
ックスラリーの粉末、溶剤、樹脂等について、各実施例
と比較例とを対比して一覧表にしたものである。
リーの実施例について詳細に説明する。図1は、セラミ
ックスラリーの粉末、溶剤、樹脂等について、各実施例
と比較例とを対比して一覧表にしたものである。
【0034】<実施例1>実施例1に係るセラミックス
ラリーは、最初に、ポットに混合溶剤(トルエン:1−
ブタノール:メチルエチルケトン=4:3:3)を10
0重量部、フタル酸ベンジルn−ブチルを2重量部、水
酸基量25mol%のポリビニルブチラールを12重量
部、セラミック誘電体粉末を100重量部、およびB2
O3を5重量部仕込み、所定時間(例えば、15時
間)、分散させた。
ラリーは、最初に、ポットに混合溶剤(トルエン:1−
ブタノール:メチルエチルケトン=4:3:3)を10
0重量部、フタル酸ベンジルn−ブチルを2重量部、水
酸基量25mol%のポリビニルブチラールを12重量
部、セラミック誘電体粉末を100重量部、およびB2
O3を5重量部仕込み、所定時間(例えば、15時
間)、分散させた。
【0035】なお、実施例1では、スラリーにする前に
おける加熱処理は行っていない(図1の該当欄「加熱処
理」を参照のこと)。
おける加熱処理は行っていない(図1の該当欄「加熱処
理」を参照のこと)。
【0036】このようにして得られたスラリーを、脱泡
処理した後、シリコン系離型処理を施したポリエチレン
テレフタレート(PET)フィルム上に、隙間100μ
mのドクターブレードに塗布して乾燥させた。その結
果、シートがフィルムに付着した。
処理した後、シリコン系離型処理を施したポリエチレン
テレフタレート(PET)フィルム上に、隙間100μ
mのドクターブレードに塗布して乾燥させた。その結
果、シートがフィルムに付着した。
【0037】<実施例2>実施例2に係るセラミックス
ラリーは、混合溶剤として(トルエン:イソプロピルア
ルコール:メチルエチルケトン=4:3:3)を100
重量部、水酸基量32mol%のポリビニルブチラール
を16重量部、およびB2O3を6重量部仕込んだ。その
他の条件は、実施例1と同様である。
ラリーは、混合溶剤として(トルエン:イソプロピルア
ルコール:メチルエチルケトン=4:3:3)を100
重量部、水酸基量32mol%のポリビニルブチラール
を16重量部、およびB2O3を6重量部仕込んだ。その
他の条件は、実施例1と同様である。
【0038】そこで、実施例2に係るスラリーをPET
フィルム上に塗布したところ、得られたシートは、乾燥
後もフィルムに付着して剥離しなかった。
フィルム上に塗布したところ、得られたシートは、乾燥
後もフィルムに付着して剥離しなかった。
【0039】<実施例3>実施例3に係るセラミックス
ラリーは、あらかじめセラミック誘電体粉末を100重
量部、およびH3BO3を9重量部、混合して、400℃
で4時間、加熱した。また、加熱後のものを用いて、水
酸基量25mol%のポリビニルブチラールを18重量
部とした。
ラリーは、あらかじめセラミック誘電体粉末を100重
量部、およびH3BO3を9重量部、混合して、400℃
で4時間、加熱した。また、加熱後のものを用いて、水
酸基量25mol%のポリビニルブチラールを18重量
部とした。
【0040】その他の条件は、上記の実施例1と同じで
ある。そして、スラリーをPETフィルム上に塗布した
ところ、得られたシートは、乾燥後もフィルムに付着し
ていた。
ある。そして、スラリーをPETフィルム上に塗布した
ところ、得られたシートは、乾燥後もフィルムに付着し
ていた。
【0041】<比較例1>ホウ素をH3BO3として6重
量部添加し、水酸基量32mol%のポリビニルブチラ
ールを14重量部添加する。その他の条件は、上記の実
施例1と同様にして、スラリーをPETフィルム上に塗
布した。その結果、得られたシートは、乾燥後に反りが
生じて、フィルムに付着しなかった。
量部添加し、水酸基量32mol%のポリビニルブチラ
ールを14重量部添加する。その他の条件は、上記の実
施例1と同様にして、スラリーをPETフィルム上に塗
布した。その結果、得られたシートは、乾燥後に反りが
生じて、フィルムに付着しなかった。
【0042】<比較例2>ホウ素をH3BO3として19
重量部、混合溶剤として、トルエン:95%メタ変性ア
ルコール:メチルエチルケトン=4:3:3を100重
量部添加する他は、上記の実施例1と同様である。スラ
リーをPETフィルム上に塗布し、結果として得られた
シートは、乾燥後に反りが生じて、フィルムに付着しな
かった。
重量部、混合溶剤として、トルエン:95%メタ変性ア
ルコール:メチルエチルケトン=4:3:3を100重
量部添加する他は、上記の実施例1と同様である。スラ
リーをPETフィルム上に塗布し、結果として得られた
シートは、乾燥後に反りが生じて、フィルムに付着しな
かった。
【0043】<比較例3>混合溶剤として、トルエン:
95%メタ変性アルコール:メチルエチルケトン=4:
3:3を100重量部、水酸基量32mol%のポリビ
ニルブチラールを10重量部添加する。その他の条件
は、上記の実施例1と同様である。そこで、スラリーを
PETフィルム上に塗布したところ、得られたシート
は、乾燥後に反りが生じて、フィルムに付着しなかっ
た。
95%メタ変性アルコール:メチルエチルケトン=4:
3:3を100重量部、水酸基量32mol%のポリビ
ニルブチラールを10重量部添加する。その他の条件
は、上記の実施例1と同様である。そこで、スラリーを
PETフィルム上に塗布したところ、得られたシート
は、乾燥後に反りが生じて、フィルムに付着しなかっ
た。
【0044】<比較例4>B2O3を4重量部、水酸基量
40mol%のポリビニルブチラールを20重量部添加
する。その他の条件は、上記の実施例1と同様である。
スラリーをPETフィルム上に塗布し、得られたシート
は、乾燥後に反りが生じて、フィルムに付着しなかっ
た。
40mol%のポリビニルブチラールを20重量部添加
する。その他の条件は、上記の実施例1と同様である。
スラリーをPETフィルム上に塗布し、得られたシート
は、乾燥後に反りが生じて、フィルムに付着しなかっ
た。
【0045】<比較例5>セラミック誘電体粉末を10
0重量部と、ホウ素をH3BO3として12重量部を、あ
らかじめ混合して、400℃で加熱処理したものを用い
る。混合溶剤として、トルエン:イソプロピルアルコー
ル:メチルエチルケトン=4:3:3を100重量部、
水酸基量40mol%のポリビニルブチラールを28重
量部添加する。その他は、上記の実施例1と同様であ
り、スラリーをPETフィルム上に塗布した。得られた
シートは、乾燥後に反りが生じて、フィルムに付着しな
かった。
0重量部と、ホウ素をH3BO3として12重量部を、あ
らかじめ混合して、400℃で加熱処理したものを用い
る。混合溶剤として、トルエン:イソプロピルアルコー
ル:メチルエチルケトン=4:3:3を100重量部、
水酸基量40mol%のポリビニルブチラールを28重
量部添加する。その他は、上記の実施例1と同様であ
り、スラリーをPETフィルム上に塗布した。得られた
シートは、乾燥後に反りが生じて、フィルムに付着しな
かった。
【0046】以上説明したように、本実施の形態例によ
れば、セラミックスラリーのセラミック粉末として酸化
ホウ素を使用し、樹脂バインダー中の水酸基をホウ素に
対して50mol%以下とし、かつ、有機溶剤中の水分
量がホウ素に対して10mol%以下となるように組成
することで、酸化ホウ素が樹脂を架橋する原因となる加
水分解物B(OH)4 -となるのを抑制することができる。
れば、セラミックスラリーのセラミック粉末として酸化
ホウ素を使用し、樹脂バインダー中の水酸基をホウ素に
対して50mol%以下とし、かつ、有機溶剤中の水分
量がホウ素に対して10mol%以下となるように組成
することで、酸化ホウ素が樹脂を架橋する原因となる加
水分解物B(OH)4 -となるのを抑制することができる。
【0047】また、有機溶剤中の水分量を減らすこと
で、加水分解物と反応する樹脂の水酸基量が減るため、
スラリーのゲル化を防ぐことができる。
で、加水分解物と反応する樹脂の水酸基量が減るため、
スラリーのゲル化を防ぐことができる。
【0048】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の構成によ
れば、成形時におけるゲル化を抑制したセラミックスラ
リーを提供できる。
れば、成形時におけるゲル化を抑制したセラミックスラ
リーを提供できる。
【0049】また、本発明の構成によれば、支持体への
付着性に優れたセラミックスラリーを提供できる。
付着性に優れたセラミックスラリーを提供できる。
【図1】本発明の実施の形態例に係るセラミックスラリ
ーの粉末、溶剤、樹脂等について、各実施例と比較例を
対比して示す図である。
ーの粉末、溶剤、樹脂等について、各実施例と比較例を
対比して示す図である。
Claims (6)
- 【請求項1】 酸化ホウ素(B2O3)を含むセラミック
粉末と、有機溶剤と、樹脂バインダーとを混合してなる
セラミックスラリーであって、前記有機溶剤中の水分量
がホウ素に対して10mol%以下であり、かつ、前記
樹脂バインダー中の水酸基がホウ素に対して50mol
%以下であることを特徴とするセラミックスラリー。 - 【請求項2】 前記セラミック粉末に含まれる酸化ホウ
素は、ホウ酸(H3BO3)を添加したセラミック粉末を
400℃以上の温度で加熱処理し、前記ホウ酸が脱水し
てなる酸化ホウ素であることを特徴とする請求項1記載
のセラミックスラリー。 - 【請求項3】 前記セラミック粉末の加熱処理を、40
0℃以上1300℃以下の温度で行うことを特徴とする
請求項2記載のセラミックスラリー。 - 【請求項4】 前記樹脂バインダーは、ポリビニルブチ
ラールであることを特徴とする請求項1乃至3のいずれ
かに記載のセラミックスラリー。 - 【請求項5】 前記有機溶剤としてトルエン、アルコー
ル、およびケトンを4:3:3の組成比で混合したこと
を特徴とする請求項4記載のセラミックスラリー。 - 【請求項6】 前記アルコールには、少なくとも1−ブ
タノール、イソプロピルアルコール、およびエタノール
のうちの一種が含まれることを特徴とする請求項5記載
のセラミックスラリー。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002041084A JP2003238254A (ja) | 2002-02-19 | 2002-02-19 | セラミックスラリー |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002041084A JP2003238254A (ja) | 2002-02-19 | 2002-02-19 | セラミックスラリー |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003238254A true JP2003238254A (ja) | 2003-08-27 |
Family
ID=27781593
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002041084A Withdrawn JP2003238254A (ja) | 2002-02-19 | 2002-02-19 | セラミックスラリー |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2003238254A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2005139034A (ja) * | 2003-11-07 | 2005-06-02 | Murata Mfg Co Ltd | セラミックグリーンシート用スラリー組成物およびその製造方法 |
JP2006332621A (ja) * | 2005-04-26 | 2006-12-07 | Sekisui Chem Co Ltd | ポリビニルアセタール樹脂組成物 |
JP2014044084A (ja) * | 2012-08-24 | 2014-03-13 | Hitachi Powdered Metals Co Ltd | 中性子吸収材および溶融燃料の処理方法 |
KR20170126957A (ko) | 2015-03-10 | 2017-11-20 | 유니마테크 가부시키가이샤 | 함불소 붕산 pvb 컴퍼지트 |
-
2002
- 2002-02-19 JP JP2002041084A patent/JP2003238254A/ja not_active Withdrawn
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US10562989B2 (en) | 2015-03-10 | 2020-02-18 | Unimatec Co., Ltd. | Fluorine-containing boric acid PVB composite |
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