JP2003237613A - 車両用後輪操舵装置 - Google Patents

車両用後輪操舵装置

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JP2003237613A
JP2003237613A JP2002044568A JP2002044568A JP2003237613A JP 2003237613 A JP2003237613 A JP 2003237613A JP 2002044568 A JP2002044568 A JP 2002044568A JP 2002044568 A JP2002044568 A JP 2002044568A JP 2003237613 A JP2003237613 A JP 2003237613A
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actuator
steering
rear wheels
worm
irreversible
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JP2002044568A
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Hiroshi Furuumi
洋 古海
Kunio Shirakawa
邦雄 白川
Kiyohide Nagase
清英 永瀬
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Honda Motor Co Ltd
Original Assignee
Honda Motor Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 アクチュエータで後輪を操舵する車両用後輪
操舵装置において、後輪の転舵角が外力等により不用意
に変化するのを防止する。 【解決手段】 アクチュエータから後輪に駆動力を伝達
する動力伝達経路の上流側および下流側に、アクチュエ
ータ側から後輪側への駆動力の伝達を許容して逆方向の
駆動力の伝達を阻止するウオームギヤ42および不可逆
クラッチ機構51をそれぞれ配置する。後輪側からアク
チュエータ側に逆伝達される駆動力を不可逆クラッチ機
構51およびウオームギヤ42の両方で遮断し、後輪の
転舵角が変化するのを確実に防止することができるだけ
でなく、不可逆クラッチ機構51およびウオームギヤ4
2の一方が故障した場合でも駆動力の逆伝達を阻止する
機能を維持することができる。特に、ウオームギヤ42
に比べてガタの少ない不可逆クラッチ機構51を下流側
に配置したので、路面からの荷重に対する後輪の剛性感
を効果的に高めることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ステアリングホイ
ールの操作による前輪の操舵に連動してアクチュエータ
で後輪を操舵する車両用後輪操舵装置に関する。
【0002】
【従来の技術】かかる車両用後輪操舵装置は、例えば特
開平6−127409号公報により公知である。
【0003】ところで、車両用後輪操舵装置のアクチュ
エータの制御系に異常が発生した場合、後輪の転舵角を
固定して四輪操舵状態から前輪操舵状態に切り換えるこ
とで、車両が支障なく走行を継続できるようにする必要
がある。このとき、異常が発生したときの後輪の転舵角
が小さい場合(例えば、1°以下)には、そのままアク
チュエータへの通電を遮断し、また異常が発生したとき
の後輪の転舵角が大きい場合には、アクチュエータを一
時的に駆動して後輪の転舵角をゼロに戻した後に、アク
チュエータへの通電を遮断するようになっている。
【0004】このように後輪の転舵角を固定した状態で
車両が走行するとき、路面からの荷重によって後輪の転
舵角が変化してしまうと、その後の車両の走行に支障が
発生する可能性がある。そこで従来は、アクチュエータ
から後輪への駆動力伝達経路にウオームギヤを配置し、
正常時にアクチュエータ側から後輪側への駆動力の伝達
を許容しながら、異常時に後輪側からアクチュエータ側
への駆動力の伝達を阻止することで、後輪の転舵角の変
化を防止していた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、ウオー
ムギヤだけで後輪側からアクチュエータ側への駆動力の
逆伝達を阻止することは困難であり、走行を継続する間
に後輪の転舵角が外力等により次第に変化する可能性が
あった。
【0006】本発明は前述の事情に鑑みてなされたもの
で、アクチュエータで後輪を操舵する車両用後輪操舵装
置において、後輪の転舵角が外力等により不用意に変化
するのを防止することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1に記載された発明によれば、ステアリング
ホイールの操作による前輪の操舵に連動してアクチュエ
ータで後輪を操舵する車両用後輪操舵装置において、ア
クチュエータから後輪に駆動力を伝達する動力伝達経路
の上流側に、アクチュエータ側から後輪側への駆動力の
伝達を許容して逆方向の駆動力の伝達を阻止する不可逆
ギヤ機構を配置するとともに、前記動力伝達経路の下流
側に、アクチュエータ側から後輪側への駆動力の伝達を
許容して逆方向の駆動力の伝達を阻止する不可逆クラッ
チ機構を配置したことを特徴とする車両用後輪操舵装置
が提案される。
【0008】上記構成によれば、アクチュエータから後
輪に駆動力を伝達する動力伝達経路の上流側および下流
側にそれぞれ不可逆ギヤ機構および不可逆クラッチ機構
を配置したので、後輪側からアクチュエータ側に逆伝達
される駆動力を不可逆クラッチ機構および不可逆ギヤ機
構の両方で遮断し、後輪の転舵角が変化するのを確実に
防止することができるだけでなく、不可逆クラッチ機構
および不可逆ギヤ機構の一方が故障した場合でも駆動力
の逆伝達を阻止する機能を維持することができる。特
に、不可逆ギヤ機構に比べてガタの少ない不可逆クラッ
チ機構を前記動力伝達経路の下流側に配置したので、路
面からの荷重に対する後輪の剛性感を効果的に高めるこ
とができる。
【0009】また請求項2に記載された発明によれば、
請求項1の構成に加えて、前記不可逆ギヤ機構はウオー
ムおよびウオームホイールからなり、前記ウオームホイ
ールの内部に前記不可逆クラッチ機構を配置したことを
特徴とする車両用後輪操舵装置が提案される。
【0010】上記構成によれば、不可逆ギヤ機構をウオ
ームおよびウオームホイールで構成し、ウオームホイー
ルの内部に不可逆クラッチ機構を配置したので、不可逆
ギヤ機構および不可逆クラッチ機構を相互に独立して配
置する場合に比べてスペースを節減し、後輪操舵装置全
体を小型化することができる。またウオームギヤはウオ
ームホイール側からウオーム側に駆動力を伝達する逆効
率を低く設定すると、ウオーム側からウオームホイール
側に駆動力を伝達する正効率も低下する特性を有するた
め、振動によりアクチュエータが少しずつ回転しようと
しても、前記正効率が低下したウオームギヤで駆動力の
伝達を阻止し、後輪の転舵角が変化するのを防止するこ
とができる。
【0011】尚、実施例のウオームギヤ42は本発明の
不可逆ギヤ機構に対応する。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を、添
付図面に示した本発明の実施例に基づいて説明する。
【0013】図1〜図6は本発明の第1実施例を示すも
ので、図1は四輪操舵車両の全体構成を示す図、図2は
後輪のステアリングギヤボックスの平面図、図3は図2
の3−3線断面図、図4は図3の4−4線断面図、図5
は図4に対応する作用説明図、図6はウオームギヤの正
効率および逆効率を示すグラフである。
【0014】図1に示すように、四輪操舵車両Vは操舵
可能な左右の前輪Wf,Wfと、前輪Wf,Wfの操舵
に連動して操舵可能な左右の後輪Wr,Wrとを備え
る。前輪Wf,Wfは、ドライバーによるステアリング
ホイール11の操作がステアリングシャフト12、ステ
アリングギヤボックス13、ステアリングロッド14お
よび左右のタイロッド15L,15Rを介して伝達され
ることで操舵され、ドライバーのステアリング操作をア
シストするパワーステアリング装置が必要に応じて付加
される。後輪Wr,Wrは電気モータよりなるアクチュ
エータ16で操舵されるもので、アクチュエータ16の
駆動力がステアリングギヤボックス17、ステアリング
ロッド18および左右のタイロッド19L,19Rを介
して伝達される。
【0015】後輪Wr,Wrを操舵するアクチュエータ
16は電子制御ユニットUにより制御される。電子制御
ユニットUにはステアリングホイール11の操舵角を検
出する操舵角センサSaと、車速を検出する車速センサ
Sbと、後輪Wr,Wrの転舵角(つまりステアリング
ロッド18の位置)を検出する転舵角センサScとから
の信号が入力され、電子制御ユニットUはそれらの信号
に基づいてアクチュエータ16の作動を制御するととも
に、警報手段20の作動を制御する。
【0016】具体的には、後輪Wr,Wrの転舵角は前
輪Wf,Wfの転舵角(つまり操舵角センサSaで検出
した操舵角)に対して所定の比率を有しており、かつ前
記比率は車速センサSbで検出した車速が大きいときに
小さくなり、車速が小さいときに大きくなるように設定
される。これにより、車庫入れ等を行う場合には後輪W
r,Wrの転舵角を大きくして小回りが利くようにし、
高速道路等を走行する場合には後輪Wr,Wrの転舵角
を小さくして車両の走行安定性を高めることができる。
【0017】またアクチュエータ16の制御系に異常が
発生した場合には、転舵角センサScで検出した後輪W
r,Wrの転舵角がゼロ(中立位置)となるようにアク
チュエータ16を作動させ、その位置でアクチュエータ
16への通電を遮断するとともに、警報手段20を作動
させてドライバーに警報が発せられる。このように後輪
Wr,Wrの操舵が不能になったときに、その転舵角を
ゼロ(中立位置)に戻すことにより、それ以後は前輪操
舵車両として走行を継続することができる。
【0018】次に、図2〜図4に基づいて後輪Wr,W
rのステアリングギヤボックス17の構造を説明する。
【0019】ステアリングギヤボックス17は、ステア
リングロッド18を摺動自在に支持するケーシング21
と、ケーシング21の上面開口部にボルト22…で結合
したカバー23とを備えており、ケーシング21に一対
のボールベアリング24,25で支持した出力軸26に
一体に形成したピニオン26aが、ステアリングロッド
18に一体に形成したラック18aに噛合する。出力軸
26の下端は下側のボールベアリング25に対してナッ
ト27で軸方向に位置決めされ、そのナット27の下方
がケーシング21にねじ結合したキャップ28で覆われ
る。
【0020】ケーシング21に出力軸26と直交する方
向に形成した貫通孔21aに、先端に摺動部材29を備
えた押圧部材30が摺動自在に嵌合する。前記貫通孔2
1aの開口端にねじ結合したばね座31との間に配置し
たスプリング32により、押圧部材30はステアリング
ロッド18に向けて付勢されており、その先端の摺動部
材29がステアリングロッド18の背面に摺動自在に当
接することで、ステアリングロッド18の摺動抵抗を増
加させることなくラック18aおよびピニオン26aの
噛合関係を適正に保持することができる。
【0021】出力軸26の上部に同軸に配置された入力
軸33の上端が、ケーシング21のカバー23にボール
ベアリング34を介して支持される。入力軸33の上端
はナット35によりボールベアリング34に対して軸方
向に位置決めされ、そのナット35の上方がカバー23
にねじ結合したキャップ36で覆われる。ケーシング2
1に一対のボールベアリング37,38を介してウオー
ム軸39が支持されており、ウオーム軸39に一体に形
成したウオーム40が入力軸33に一体に形成したウオ
ームホイール41に噛合する。ウオーム40およびウオ
ームホイール41よりなるウオームギヤ42は、本発明
の不可逆ギヤ機構を構成する。
【0022】ケーシング21に前記アクチュエータ16
がボルト43,43で固定されており、アクチュエータ
16の回転軸16aにウオーム軸39が直列に結合され
る。従って、アクチュエータ16を駆動すると、回転軸
16aに接続されたウオーム軸39と共にウオーム40
が回転し、ウオームに40に噛合するウオームホイール
41が回転することで入力軸33が回転する。
【0023】ウオームホイール41の下面を窪まして形
成した凹部41aに、入力軸33側から出力軸26側へ
の駆動力の伝達を許容し、出力軸26側から入力軸33
側への駆動力の伝達を規制する不可逆クラッチ機構51
が配置される。以下、不可逆クラッチ機構51の構造の
一例を説明する。
【0024】不可逆クラッチ機構51は、ケーシング2
1に固定されたアウター部材52と、出力軸26に固定
されてアウター部材52の内周に同軸に配置されたイン
ナー部材53とを備えており、入力軸33の下端がボー
ルベアリング54を介してインナー部材53の内周に相
対回転自在に支持される。概略円筒状のインナー部材5
3の外周面には45°間隔で8個の平坦面53a…が形
成さており、各々の平坦面53aと円筒状のアウター部
材52の内周面との間に、スプリング55で相互に離反
する方向に付勢された一対のニードルころ56A,56
Bが配置される。
【0025】ウオームホイール41の凹部41aから軸
方向に突出する複数のピン57…が、インナー部材53
の端面に形成した複数のピン孔58…に緩く嵌合してお
り、ピン57…とピン孔58…との間には環状の隙間α
(図4参照)が形成される。またウオームホイール41
の凹部41aから軸方向に突出する複数の係合解除突起
59…が、対をなすニードルころ56A,56Bの円周
方向両側に、それぞれ隙間βを介して臨んでいる。隙間
α,βの関係はα>β(図4参照)に設定される。
【0026】次に、上記構成を備えた本発明の実施例の
作用について説明する。
【0027】前輪Wf,Wfの操舵に伴って後輪Wr,
Wrを操舵すべくアクチュエータ16が作動すると、そ
の回転軸16aの回転はウオーム軸39およびウオーム
40を介してウオームホイール41に伝達される。ウオ
ームホイール41が図5の矢印A方向に回転すると、図
4に示す隙間αが隙間βよりも大きく設定されているこ
とから、ウオームホイール41と一体のピン57…がイ
ンナー部材53のピン孔58…に当接する前に、ウオー
ムホイール41と一体の係合解除突起59…が一方のニ
ードルころ56A…を押圧し、スプリング55…の弾発
力に抗して他方のニードルころ56B…に向けて移動さ
せる。その結果、前記一方のニードルころ56A…はイ
ンナー部材53の平坦面53a…とアウター部材52の
内周面とにより区画された楔状の空間に噛み込むことが
阻止され、やがて隙間αが詰まってウオームホイール4
1のピン57…がインナー部材53のピン孔58…に当
接する。しかして、ウオームホイール41の矢印A方向
の回転は、ピン57…からピン孔58…を介してインナ
ー部材53に伝達され、そこから出力軸26、ピニオン
26aおよびラック18aを介してステアリングロッド
18に伝達され、後輪Wr,Wrを左右一方に操舵す
る。
【0028】逆に、ウオームホイール41が図5の矢印
B方向に回転すると、ウオームホイール41と一体の係
合解除突起59…が他方のニードルころ56B…を押圧
し、スプリング55…の弾発力に抗して一方のニードル
ころ56A…に向けて移動させるため、前記他方のニー
ドルころ56B…はインナー部材53の平坦面53a…
とアウター部材52の内周面とにより区画された楔状の
空間に噛み込むことが阻止される。従って、隙間αが詰
まってウオームホイール41のピン57…がインナー部
材53のピン孔58…に当接すると、ウオームホイール
41の矢印B方向の回転は、ピン57…からピン孔58
…を介してインナー部材53に伝達され、そこから出力
軸26、ピニオン26aおよびラック18aを介してス
テアリングロッド18に伝達され、後輪Wr,Wrを左
右他方に操舵する。
【0029】以上のように、アクチュエータ16が左右
何れの方向に回転した場合でも、その駆動力が不可逆ク
ラッチ機構41を介して支障なく伝達されることで、後
輪Wr,Wrを左右何れの方向にも操舵することができ
る。
【0030】さて、後輪Wr,Wrの操舵系に異常が発
生すると、電子制御ユニットUからの指令で後輪Wr,
Wrの転舵角がゼロになるようにアクチュエータ16が
作動した後、アクチュエータ16への通電が停止され
る。この状態で車両Vが走行を継続すると、後輪Wr,
Wrが路面から受ける荷重がステアリングロッド18か
らラック18a、ピニオン26aおよび出力軸26を介
して不可逆クラッチ機構51のインナー部材53に伝達
される。
【0031】インナー部材53が図4の矢印C方向に回
転しようとすると、一方のニードルころ56A…がイン
ナー部材53の平坦面53a…とアウター部材52の内
周面とにより区画された楔状の空間に即座に噛み込むこ
とにより、ケーシング21と一体のアウター部材52に
インナー部材53が結合され、インナー部材53はケー
シング21に回転不能にロックされる。逆に、インナー
部材53が図4の矢印D方向に回転しようとすると、他
方のニードルころ56B…がインナー部材53の平坦面
53a…とアウター部材52の内周面とにより区画され
た楔状の空間に即座に噛み込むことにより、ケーシング
21と一体のアウター部材52にインナー部材53が結
合され、インナー部材53はケーシング21に回転不能
にロックされる。
【0032】以上のように、アクチュエータ16への通
電を停止した状態で路面から後輪Wr,Wrに荷重が加
わっても、その荷重による駆動力がアクチュエータ16
に逆伝達されるのを不可逆クラッチ機構51が阻止する
ため、後輪Wr,Wrの転舵角が不用意に変化して走行
状態に影響が出るのを防止することができる。
【0033】ところで、ウオームギヤ42はウオーム4
0側からウオームホイール41側に駆動力を伝達するだ
けで、ウオームホイール41側からウオーム40側への
駆動力の伝達を阻止する機能を有している。従って、万
一不可逆クラッチ機構51が正常に機能せずに、後輪W
r,Wrからの駆動力が不可逆クラッチ機構51を介し
てウオームギヤ42に伝達された場合でも、その駆動力
のアクチュエータ16への伝達はウオームギヤ42にお
いて阻止される。
【0034】このように、アクチュエータ16から後輪
Wr,Wrへの駆動力の伝達経路にウオームギヤ42と
不可逆クラッチ機構51とを直列に配置したので、後輪
Wr,Wrからアクチュエータ16への駆動力の逆伝達
を確実に阻止することができ、また不可逆クラッチ機構
51が故障した場合でもウオームギヤ42によって駆動
力の逆伝達を阻止することができる。特に、ウオームギ
ヤ42よりも少ないガタで駆動力の逆伝達を阻止する不
可逆クラッチ機構51を、ウオームギヤ42よりも後輪
Wr,Wr寄りの位置に配置したので、路面からの荷重
に対する後輪Wr,Wrの剛性を効果的に高めることが
できる。
【0035】図6のグラフは、ウオームギヤ42の正効
率および逆効率が噛合部の摩擦係数によってどのように
変化するかを示すものである。ここで、正効率とはウオ
ーム40側からウオームホイール41側に駆動力を伝達
する場合の効率であり、逆効率とはウオームホイール4
1側からウオーム40側に駆動力を伝達する場合の効率
である。ウオームギヤ42に不可逆機能を持たせるべ
く、摩擦係数が所定値以上の領域で逆効率がゼロになる
ように設定すると、それに応じて正効率も低下する特性
があることが分かる。
【0036】ところで、アクチュエータ16の停止中に
後輪Wr,Wrの転舵角が変化する理由には、上述した
後輪Wr,Wr側からアクチュエータ16側への駆動力
の逆伝達の他に、車体振動によりアクチュエータ16の
回転軸16aが少しずつ回転することがある。しかしな
がら、逆効率をゼロに設定したウオームギヤ42は正効
率も低下しているため、車体振動によりアクチュエータ
16の回転軸16aが回転しようとしても、その駆動力
は正効率が低下したウオームギヤ42により阻止されて
後輪Wr,Wrに伝達され難くなり、後輪Wr,Wrの
転舵角の変化が防止される。
【0037】以上、後輪Wr,Wrの操舵系に異常が発
生してアクチュエータ16の作動を停止させる場合につ
いて説明したが、ウオームギヤ42および不可逆クラッ
チ機構51により駆動力の逆伝達を阻止する機能は、後
輪Wr,Wrの操舵系が正常に機能している場合にも発
揮される。例えば、従来は高速直線走行時等に外力によ
り後輪Wr,Wrの転舵角が変化しないようにアクチュ
エータ16に通電して転舵角を保持していたが、本実施
例によればアクチュエータ16への通電を停止してもウ
オームギヤ42および不可逆クラッチ機構51により後
輪Wr,Wrの転舵角の変化が防止されるため、アクチ
ュエータ16の消費電力の節減に寄与することができ
る。
【0038】またウオームギヤ42のウオームホイール
41の内部に不可逆クラッチ機構51を配置したので、
ウオームギヤ42および不可逆クラッチ機構51を相互
に独立して配置する場合に比べてスペースを節減し、後
輪操舵装置全体を小型化することができる。
【0039】次に、図7および図8に基づいて本発明の
第2実施例を説明する。
【0040】第2実施例の後輪Wr,Wrのステアリン
グギヤボックス17は、アッパーハウジング61および
ロアハウジング62を備えており、入力軸33の上部は
アッパーハウジング61にボールベアリング63を介し
て支持され、入力軸33の下部はロアハウジング62の
上面にベアリングホルダ64で保持したボールベアリン
グ65に支持される。ロアハウジング62の上面に、第
1実施例のアウター部材52に対応する固定部材66が
ボルト67で固定される。ロアハウジング62に一対の
ボールベアリング24,25で支持した出力軸26の上
端に、第1実施例のインナー部材53に対応する従動部
材68が固定される。固定部材66の内部で、入力軸3
3の下端に固定した駆動部材69と、出力軸26の上端
に固定した従動部材68とが上下方向に対峙する。
【0041】固定部材66の内周面と従動部材68の外
周に形成した8個の平坦面68a…との間に、各々一対
のニードルころ56A,56Bと、それらのニードルこ
ろ56A,56Bを相互に離反する方向に付勢するスプ
リング55とが配置される。駆動部材69の下面から軸
方向に突出する複数のピン57…が、従動部材68の端
面に形成した複数のピン孔58…に緩く嵌合しており、
ピン57…とピン孔58…との間には環状の隙間αが形
成される。また駆動部材69から軸方向に突出する複数
の係合解除突起59…が、対をなすニードルころ56
A,56Bの円周方向両側に、それぞれ隙間βを介して
臨んでいる。
【0042】しかして、本実施例によっても、第1実施
例の不可逆クラッチ機構51と実質的に同一構造を有す
る不可逆クラッチ機構51の作用により、アクチュエー
タ16側(駆動部材69側)から駆動輪Wr,Wr側
(従動部材68)側への駆動力の伝達を許容し、その逆
方向の駆動力の伝達を阻止することができ、不可逆クラ
ッチ機構51がウオームホイール41の外部に配置され
ていることを除いて、第1実施例と同様の作用効果を発
揮することができる。
【0043】以上、本発明の実施例を詳述したが、本発
明はその要旨を逸脱しない範囲で種々の設計変更を行う
ことが可能である。
【0044】例えば、不可逆ギヤ機構は実施例のウオー
ムギヤ42に限定されず、ハイポイドギヤ等の他種のギ
ヤ機構であっても良い。
【0045】
【発明の効果】以上のように請求項1に記載された発明
によれば、アクチュエータから後輪に駆動力を伝達する
動力伝達経路の上流側および下流側にそれぞれ不可逆ギ
ヤ機構および不可逆クラッチ機構を配置したので、後輪
側からアクチュエータ側に逆伝達される駆動力を不可逆
クラッチ機構および不可逆ギヤ機構の両方で遮断し、後
輪の転舵角が変化するのを確実に防止することができる
だけでなく、不可逆クラッチ機構および不可逆ギヤ機構
の一方が故障した場合でも駆動力の逆伝達を阻止する機
能を維持することができる。特に、不可逆ギヤ機構に比
べてガタの少ない不可逆クラッチ機構を前記動力伝達経
路の下流側に配置したので、路面からの荷重に対する後
輪の剛性感を効果的に高めることができる。
【0046】また請求項2に記載された発明によれば、
不可逆ギヤ機構をウオームおよびウオームホイールで構
成し、ウオームホイールの内部に不可逆クラッチ機構を
配置したので、不可逆ギヤ機構および不可逆クラッチ機
構を相互に独立して配置する場合に比べてスペースを節
減し、後輪操舵装置全体を小型化することができる。ま
たウオームギヤはウオームホイール側からウオーム側に
駆動力を伝達する逆効率を低く設定すると、ウオーム側
からウオームホイール側に駆動力を伝達する正効率も低
下する特性を有するため、振動によりアクチュエータが
少しずつ回転しようとしても、前記正効率が低下したウ
オームギヤで駆動力の伝達を阻止し、後輪の転舵角が変
化するのを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】四輪操舵車両の全体構成を示す図
【図2】後輪のステアリングギヤボックスの平面図
【図3】図2の3−3線断面図
【図4】図3の4−4線断面図
【図5】図4に対応する作用説明図
【図6】ウオームギヤの正効率および逆効率を示すグラ
【図7】本発明の第2実施例に係る、前記図3に対応す
る図
【図8】図7の8−8線断面図
【符号の説明】
11 ステアリングホイール 16 アクチュエータ 40 ウオーム 41 ウオームホイール 42 ウオームギヤ(不可逆ギヤ機構) 51 不可逆クラッチ機構 Wf 前輪 Wr 後輪
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 永瀬 清英 埼玉県和光市中央1丁目4番1号 株式会 社本田技術研究所内 Fターム(参考) 3D033 CA04 CA05 CA13 CA17 CA18 CA22 CA23 CA24 CA31 CA33 3D034 CC09 CC16 CD04 CD12 CE03 CE09 CE13 CE14

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ステアリングホイール(11)の操作に
    よる前輪(Wf)の操舵に連動してアクチュエータ(1
    6)で後輪(Wr)を操舵する車両用後輪操舵装置にお
    いて、 アクチュエータ(16)から後輪(Wr)に駆動力を伝
    達する動力伝達経路の上流側に、アクチュエータ(1
    6)側から後輪(Wr)側への駆動力の伝達を許容して
    逆方向の駆動力の伝達を阻止する不可逆ギヤ機構(4
    2)を配置するとともに、前記動力伝達経路の下流側
    に、アクチュエータ(16)側から後輪(Wr)側への
    駆動力の伝達を許容して逆方向の駆動力の伝達を阻止す
    る不可逆クラッチ機構(51)を配置したことを特徴と
    する車両用後輪操舵装置。
  2. 【請求項2】 前記不可逆ギヤ機構(42)はウオーム
    (40)およびウオームホイール(41)からなり、前
    記ウオームホイール(41)の内部に前記不可逆クラッ
    チ機構(51)を配置したことを特徴とする、請求項1
    に記載の車両用後輪操舵装置。
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