JP2003237030A - 印刷装置 - Google Patents

印刷装置

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JP2003237030A
JP2003237030A JP2002044510A JP2002044510A JP2003237030A JP 2003237030 A JP2003237030 A JP 2003237030A JP 2002044510 A JP2002044510 A JP 2002044510A JP 2002044510 A JP2002044510 A JP 2002044510A JP 2003237030 A JP2003237030 A JP 2003237030A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 版胴の1回転中に複数枚の用紙への印刷が行
える第2の印刷モードに係る動作が実行された場合、ス
リップとか用紙の変形などで用紙を搬送できなかったと
きには、プレスローラは用紙が無いにも拘らず通常の印
刷と同じように押圧するようになってしまい、プレスロ
ーラがインキ等で汚れたり、版胴上のマスタにプレスロ
ーラ表面のインキが再転移して汚してしまうという問題
点等を解決する。 【解決手段】 プレスローラ21の版胴1に対する押圧
を緊急的に解除する解除カム67および第2ソレノイド
77等を備えた緊急押圧解除手段79と、版胴1上の製
版済みのマスタ8に向けて用紙38が給送されて来なか
った場合等に、緊急押圧解除手段79を作動させる制御
装置100とを有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、印刷装置に関し、
さらに詳しくは、孔版印刷装置等を含む印刷装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】熱可塑性樹脂フィルムと、和紙繊維とか
合成繊維あるいは和紙繊維および合成繊維を混抄したも
の等からなる多孔質支持体とを貼り合わせたラミネート
構造の孔版マスタ(以下、「マスタ」という)を、サー
マルヘッドの発熱素子に接触させて加熱穿孔・製版し、
この製版されたマスタ(以下、「製版済みのマスタ」と
いうときがある)を、樹脂あるいは金属網体製のメッシ
ュスクリーンを複層巻着した構成の多孔性円筒状の回転
自在な版胴に巻装し、版胴内部に設けられたインキ供給
部材より版胴上の製版済みのマスタにインキを供給し、
プレスローラや圧胴等あるいは中押しローラと呼ばれる
押圧手段(以下、代表して「プレスローラ」とする)で
版胴上の製版済みのマスタに用紙を連続的に押し付け
て、版胴の開孔部分、マスタの穿孔部分よりインキを滲
み出させ印刷を行う感熱デジタル式の孔版印刷装置が知
られている。
【0003】このような孔版印刷装置に使用されている
多孔性円筒状の版胴は、インキが滲み出す開口部と、マ
スタの先端部を挟持・保持するクランパおよびステージ
部が配設されている非開口部とに分けられる。開口部の
範囲は、印刷される印刷用紙(以下、「用紙」という)
の最大用紙サイズに合わせて設定され、例えばA3サイ
ズの用紙を最大用紙サイズとすると、外周方向で約42
0mm前後の開口長さを有する版胴が用いられる。この
版胴に使用されるマスタとしては、その開口部の開口後
端部を覆うようにやや長いマスタが用いられ、版胴の外
周面に巻装される。プレスローラはこの版胴の開口部分
に対応する範囲で当接回転して用紙を押圧するようにな
っている。
【0004】使用される用紙は、常に最大用紙サイズの
ものを用いて印刷されるわけではなく、印刷可能な最大
用紙サイズよりも小さい用紙が用いられる場合も多い。
上述したように、版胴の大きさは最大用紙サイズに合わ
せて設定され、版胴に巻装されるマスタもその開口部よ
りも長いマスタが常に用いられる。そのため、小さい用
紙を用いて印刷を行う場合には、実際の印刷に使用しな
いマスタの余白部分が多くなってしまい、マスタの多孔
性支持体部分に付着して廃棄されるインキなどと共に、
マスタが無駄に消費されてしまうという基本的な問題点
があった。
【0005】例えば、A3サイズの用紙に対応している
版胴でA4サイズの用紙に印刷する場合などでは、マス
タの約1/2程度が無駄に消費されてしまうことにな
る。そこで、印刷される用紙の用紙サイズに合わせて複
数の版胴を用意して、用紙サイズに合わせてマスタをカ
ットしたりして無駄に消費されるサプライとしてのマス
タやインキの消費量を低減することが行われている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ような孔版印刷装置では、複数の版胴を用意して使用す
ることが必要となるので面倒であると共に、多種多様な
用紙に対応させるには、版胴の種類が非常に多くなって
しまうし、またその版胴に合わせるために装置が複雑か
つ高価なものになってしまうという問題点がある。
【0007】また、孔版印刷装置では用紙サイズに拘ら
ず版胴の1回転ごとに1枚の用紙に印刷が行われるよう
になっている。そのため、小さいサイズの用紙に印刷す
る場合には、実際に印刷に使用される領域が版胴の外周
長の1/5程度のときもあり、残りの4/5はただ空回
転しているだけの無駄な領域となってしまい、結局用紙
1枚印刷する当たりの印刷時間が長く掛かってしまうこ
ととなって印刷効率が悪かった。そこで、小サイズの用
紙に印刷する場合には、版胴に巻装される1版のマスタ
に同一の製版画像や異種の製版画像を複数面製版・形成
し、版胴1回転中に連続的にその小サイズの用紙を供給
して印刷を行うことが試されている。
【0008】しかし、従来の孔版印刷装置では、版胴の
回転と同期して回転する印圧カムを用いてプレスローラ
の版胴への接離動作を制御していて、版胴の1回転につ
いて版胴の開口部の全域に亘ってプレスローラを押圧す
るようになっているために、複数面の製版画像のうちの
最前部に対応して送られる小サイズの用紙について最初
の1枚目から搬送ミスが発生したときにはプレスローラ
の押圧を解除することができるが、連続して送られる2
枚目の小サイズの用紙が搬送ミスを起こしたときのプレ
スローラの押圧解除ができないので、プレスローラは用
紙が無い状態で版胴上のマスタに接触することになり、
プレスローラがマスタ表面に滲み出てくるインキで汚れ
てしまうという問題点があった。
【0009】また、版胴とプレスローラ等との間に用紙
が搬送されたことを検知する用紙センサに用紙が到達し
ても、スリップとか用紙の変形などで搬送できなかった
場合には、制御手段は用紙が正常に搬送されて来て用紙
有りと判断して、プレスローラを非印刷位置で保持する
係止手段による非印刷位置でのプレスローラの保持状態
を解除してしまうために、換言すればプレスローラを版
胴に接離させる変位手段を作動させてしまうために、プ
レスローラは用紙が無いにも拘らず通常の印刷と同じよ
うに押圧するようになってしまい、プレスローラがイン
キ等で汚れたり、版胴上のマスタにプレスローラ表面の
インキが再転移して汚してしまうという問題点もあっ
た。
【0010】そこで、本発明は、かかる事情に鑑みてな
されたものであって、版胴1回転中に1枚または複数枚
の用紙を連続して給送した場合に、搬送ミス等が発生し
てもプレスローラ等の押圧手段がインキ等で汚れてしま
うなどの問題点を解消できる印刷装置を提供することを
第1の目的とする。また、用紙が何らかの原因で搬送さ
れなかった不送り等の場合に、プレスローラ等の押圧手
段の汚損を最小限に留めることができる印刷装置を提供
することを第2の目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、上述した課題
を解決して上記目的を達成するために、請求項ごとの発
明においては以下の構成を採っていることを特徴とする
ものである。請求項1記載の発明は、製版されたマスタ
を巻装する版胴と、該版胴に接離自在な押圧手段とを具
備し、上記押圧手段が給送されて来た用紙を版胴上のマ
スタに相対的に押し付けて印刷を行う印刷装置におい
て、上記押圧手段の上記版胴に対する押圧を緊急的に解
除する緊急押圧解除手段を有し、上記版胴上のマスタに
向けて用紙が給送されて来なかった場合等に、上記緊急
押圧解除手段を作動させることにより上記押圧を緊急的
に解除可能にしたことを特徴とする。
【0012】ここで、「押圧手段が給送されて来た用紙
を版胴上のマスタに相対的に押し付けて印刷を行う印刷
を行う」構成・方式としては、製版済みのマスタを介し
て版胴の外周面に接離自在な押圧手段としてのプレスロ
ーラを版胴の外周面に押し付けるプレスローラ方式と、
製版済みのマスタを介して版胴の外周面に接離自在な押
圧手段としての圧胴を版胴の外周面に押し付けて印刷を
行う圧胴接離方式と、製版済みのマスタを介して圧胴の
外周面に接離自在な版胴を圧胴の外周面に押し付けて印
刷を行う版胴接離方式と、それらの併用方式とがある。
版胴接離方式には、版胴全体を圧胴に向けて押し付ける
ドラム全体接離方式と、版胴内の中押しローラを圧胴に
向けて押し出し、版胴(印刷ドラムの版胴)のみを押し
付ける版胴押し出し方式とがある。版胴押し出し方式と
しては、例えば、特開平1−204781号や、特開平
3−197078号あるいは特開平3−254984号
公報等に開示されているような金属製スクリーンを内側
から外側に向けて膨出させる、いわゆる中押しローラ方
式(インキ供給ローラを兼ねるものも含む)のものが挙
げられる。
【0013】請求項2記載の発明は、請求項1記載の印
刷装置において、画像情報に応じてマスタを製版する製
版手段と、上記製版手段が1版のマスタに対して1枚の
用紙を対象とし製版画像を形成する第1の製版処理を行
い、かつ、第1の製版処理されたマスタを巻装した版胴
の1回転中に1枚の用紙を対応させて印刷する第1の印
刷モードおよび上記製版手段が1版のマスタに対して複
数枚の用紙を対象として上記版胴の回転方向に沿って分
割された複数の製版画像を形成する第2の製版処理を行
い、かつ、第2の製版処理されたマスタを巻装した版胴
の1回転中に複数枚の用紙を対応させて印刷する第2の
印刷モードの何れかに切り換えるための印刷モード切換
手段とを有することを特徴とする。ここで、請求項2等
における「1版のマスタ」とは、版胴に巻装される1枚
のマスタと同義である。
【0014】請求項3記載の発明は、請求項2記載の印
刷装置において、給紙台上の用紙を1枚ずつ送り出す給
紙手段と、上記給紙手段を駆動する給紙駆動手段と、送
り出された用紙を上記版胴に向けてタイミングを取って
給送するレジスト手段と、上記レジスト手段を駆動する
レジスト駆動手段と、上記版胴と上記押圧手段とが圧接
して形成される印刷ニップ部における用紙排出方向の下
流側に設けられ上記印刷ニップ部で印刷された用紙の先
端を検知する排紙検知手段と、上記印刷モード切換手段
からの第1の印刷モード設定に係る信号に基づいて、第
1の製版処理を行うように上記製版手段を制御し、か
つ、第1の製版処理されたマスタを巻装した版胴の1回
転中に上記給紙手段が1枚の用紙を送り出すように上記
給紙駆動手段を制御した後、上記レジスト手段が第1の
製版処理されたマスタの製版画像の位置にタイミングを
合わせて1枚の用紙を給送するように上記レジスト駆動
手段を制御し、なおかつ、印刷中に上記排紙検知手段に
より印刷された用紙の先端が検知されないときその信号
に基づいて、上記緊急押圧解除手段を作動させる第1の
制御手段とを有することを特徴とする。
【0015】請求項4記載の発明は、請求項2記載の印
刷装置において、給紙台上の用紙を1枚ずつ送り出す給
紙手段と、上記給紙手段を駆動する給紙駆動手段と、送
り出された用紙を上記版胴に向けてタイミングを取って
給送するレジスト手段と、上記レジスト手段を駆動する
レジスト駆動手段と、上記印刷モード切換手段からの第
2の印刷モード設定に係る信号に基づいて、第2の製版
処理を行うように上記製版手段を制御し、かつ、第2の
製版処理されたマスタを巻装した版胴の1回転中に上記
複数の製版画像に対応して上記給紙手段が複数枚の用紙
を順次送り出すように上記給紙駆動手段を制御した後、
上記レジスト手段が上記複数の製版画像の位置ごとにタ
イミングを合わせて複数枚の用紙を連続的に順次給送す
るように上記レジスト駆動手段を制御する第2の制御手
段とを有することを特徴とする。
【0016】請求項5記載の発明は、請求項4記載の印
刷装置において、上記製版手段を駆動させて上記版胴の
回転方向に沿って1版のマスタに分割された複数の同一
製版画像を形成すべく設定するための同一製版画像設定
手段および上記製版手段を駆動させて上記版胴の回転方
向に沿って1版のマスタに分割された複数の異種製版画
像を形成すべく設定するための異種製版画像設定手段の
うちの少なくとも一方を有し、第2の制御手段は、上記
同一製版画像設定手段または上記異種製版画像設定手段
からの信号を加味して上記制御を行うことを特徴とす
る。
【0017】請求項6記載の発明は、請求項4または5
記載の印刷装置において、上記給紙手段と上記レジスト
手段の間に設けられ上記給紙手段から送り出された用紙
の先端を検知する第1の用紙検知手段、上記レジスト手
段と上記版胴との間に設けられ上記レジスト手段から給
送された用紙の先端を検知する第2の用紙検知手段およ
び上記版胴と上記押圧手段とが圧接して形成される印刷
ニップ部における用紙排出方向の下流側に設けられ上記
印刷ニップ部で印刷された用紙の先端を検知する排紙検
知手段のうちの少なくとも1つの検知手段と、上記少な
くとも1つの検知手段により用紙の先端が検知されない
ときその出力信号に基づいて、上記緊急押圧解除手段を
作動させる第3の制御手段とを有することを特徴とす
る。
【0018】請求項7記載の発明は、請求項1ないし6
の何れか一つに記載の印刷装置において、情報を報知す
る報知手段と、用紙のサイズと1版のマスタに形成され
るべき上記製版画像または上記各製版画像のサイズとが
合っているか否かを判断し、上記用紙のサイズと上記製
版画像または上記各製版画像のサイズとが合っていない
とき、上記報知手段をしてその旨の報知をさせる第4の
制御手段とを有することを特徴とする。ここで、報知手
段は、情報の認識性の向上を図る上からは、印刷装置の
操作パネルに配設することが好ましい。
【0019】請求項8記載の発明は、請求項7記載の印
刷装置において、マスタに形成されるべき製版画像のサ
イズを検知する画像サイズ検知手段と、用紙のサイズを
検知する用紙サイズ検知手段とを有することを特徴とす
る。
【0020】請求項9記載の発明は、請求項7記載の印
刷装置において、上記マスタに形成されるべき製版画像
のサイズを検知する画像サイズ検知手段と、用紙のサイ
ズを設定するための用紙サイズ設定手段とを有すること
を特徴とする。
【0021】請求項10記載の発明は、請求項7記載の
印刷装置において、上記マスタに形成されるべき製版画
像のサイズを設定する画像サイズ設定手段と、上記用紙
のサイズを検知する用紙サイズ検知手段とを有すること
を特徴とする。
【0022】請求項11記載の発明は、請求項7記載の
印刷装置において、上記マスタに形成されるべき製版画
像のサイズを設定する画像サイズ設定手段と、上記用紙
のサイズを設定するための用紙サイズ設定手段とを有す
ることを特徴とする。
【0023】請求項9および11における「用紙サイズ
設定手段」は、操作性の向上を図る上からは、印刷装置
の操作パネルに配設することが好ましい。
【0024】請求項12記載の発明は、請求項1ないし
11の何れか一つに記載の印刷装置において、上記緊急
押圧解除手段は、上記押圧を緊急的に解除するための解
除カムと、上記解除カムを駆動する解除カム駆動手段と
を有することを特徴とする。
【0025】
【発明の実施の形態】以下、図を参照して実施例を含む
本発明の実施の形態(以下「実施形態」という)を説明
する。本実施形態や変形例等に亘り、同一の機能および
形状等を有する部材や構成部品等の構成要素について
は、同一符号を付すことにより一度説明した後ではその
説明を省略する。図および説明の簡明化を図るため、図
に表されるべき構成要素であっても、その図において特
別に説明する必要がないものは適宜断わりなく省略する
ことがある。
【0026】まず、図1を参照して、本実施形態に係る
印刷装置の一例としての孔版印刷装置200の全体構成
について説明する。孔版印刷装置200は、図1に示す
ように、図1の右側上方に配置されロール状に巻かれた
マスタ8を製版する製版装置16と、図1における略中
央部に配置され製版されたマスタ8(以下、「製版済み
のマスタ8」という)を外周面に巻装する版胴1と、こ
の版胴1の外周面に接離自在であり該版胴1上の製版済
みのマスタ8に用紙38を押し付ける押圧手段としての
プレスローラ21と、製版装置16の下方に配置され、
給紙台としての給紙トレイ37上に積載された用紙38
を版胴1とプレスローラ21との間に向けて給紙する給
紙装置30と、版胴1およびプレスローラ21を挟んで
給紙装置30に対向して配置され印刷された用紙38
(以下、「印刷済みの用紙38」という)を版胴1から
剥離して排紙台としての排紙トレイ59に排出する排紙
装置54と、図9に示すように、版胴1および製版装置
16(図9では省略している)が配設された本体フレー
ム130の上部に配置され原稿受け台134上から移送
される原稿133の画像または読取部としてのコンタク
トガラス135上に載置された図示しない原稿の画像を
読み取る原稿読取装置20とを具備する。
【0027】孔版印刷装置200は、上記した装置や構
成要素の他に、排紙装置54と原稿読取装置20との間
であって版胴1の左近傍に配置され版胴1の外周面から
剥ぎ取られた使用済みのマスタ8を図示しない排版箱に
排出する公知の排版装置(図示せず)等とを具備してい
る。該排版装置は、例えば特許第2756224号公報
(特開平7−52515号公報)の図1に記載されてい
るものと同様の構成を具備している。
【0028】製版装置16は、マスタ8をマスタ搬送方
向X1に繰り出し可能に支持するマスタ支持手段として
のマスタ支持部材8cと、画像情報に応じて繰り出され
たマスタ8を加熱製版するサーマルヘッド11と、サー
マルヘッド11にマスタ8を押圧しながらマスタ搬送方
向X1下流側にマスタ8を回転しながら搬送するプラテ
ンローラ10と、プラテンローラ10により搬送されて
来たマスタ8を適度の張力を付与しながらさらにマスタ
搬送方向X1下流側に搬送する搬送ローラ対12,12
と、製版済みのマスタ8または未製版のマスタ8を所定
の長さに切断するカッタ13と、プラテンローラ10お
よび搬送ローラ対12,12により搬送されてきたマス
タ8に適度の張力を付与しながら版胴1の拡開したクラ
ンパ7に向けて搬送する反転ローラ対14,14等とを
具備する。
【0029】マスタ8は、連続シート状をなし、合成樹
脂製のロール芯8bに巻き付けられてマスタロール8a
が形成される。ロール芯8bはマスタロール8aの両端
面から突出していてマスタ8の幅よりも長く形成されて
いる。マスタロール8aは、両端側のロール芯8bがマ
スタ支持部材8cにより反時計回りに回転自在に支持さ
れていて、マスタ支持部材8cに対して着脱自在となっ
ている。両端側のマスタ支持部材8cは、製版装置16
におけるマスタ搬送方向X1に沿ってその左右両側に配
設されている図示しない製版側板対に取り付け固定され
ている。したがって、マスタ8は、マスタ支持部材8c
によって、マスタロール8aからマスタ搬送方向X1に
繰り出し可能に支持されている。
【0030】マスタ8は、例えば厚さが1〜5μmの熱
可塑性樹脂フィルムと、合成繊維等からなる多孔質支持
体とを貼り合わせたラミネート構造をなす。なお、マス
タは、これに限らず、例えば和紙繊維、あるいは和紙繊
維および合成繊維を混抄したもの等からなる多孔質支持
体と熱可塑性樹脂フィルムとを貼り合わせたものや、い
わゆる実質的に熱可塑性樹脂フィルムのみからなるマス
タ等も用いられる。
【0031】サーマルヘッド11は、プラテンローラ1
0のプラテンローラ軸と平行に延在して設けられてい
て、図示しないカムおよびバネ部材等を備えた接離機構
により、マスタ8を介してプラテンローラ10に接離自
在となっている。サーマルヘッド11は、上記バネ部材
によりプラテンローラ10に接触する向きに付勢されて
いる。サーマルヘッド11の主走査方向には、プラテン
ローラ10にマスタ8を介して当接する部位に多数の発
熱素子(図示せず)が配設されている。サーマルヘッド
11は、図11に示すA/D変換部150および画像信
号処理部151を経て、サーマルヘッド駆動制御部15
3で処理されて送出されるデジタル画像信号に基づき上
記発熱素子を選択的に加熱することにより、マスタ8を
選択的に加熱溶融穿孔・製版する製版手段としての周知
の機能を有する。
【0032】プラテンローラ10は、金属製の芯金を介
してプラテンローラ軸と一体的に形成されている。プラ
テンローラ10は、プラテンローラ軸の両端部が上記製
版側板対に回転可能に支持されていることにより、時計
回りに回転自在となっている。プラテンローラ10は、
タイミングベルトやギヤ等の回転伝達部材(図示せず)
を介して、ステッピングモータからなるマスタ搬送モー
タ10aに連結され、これにより時計回りに回転駆動さ
れる。上記構成のとおり、プラテンローラ10がマスタ
搬送モータ10Aにより時計回りに回転駆動されること
により、マスタ8はマスタロール8aから引き出される
こととなる。
【0033】搬送ローラ対12,12は、バネ等の付勢
手段により適度な押圧力を与えられて互いに圧接して設
けられていて、各ローラ軸の両端部が上記製版側板対に
回転自在に支持されていることにより互いに反対方向に
回転自在となっている。搬送ローラ対12,12は、上
側の搬送ローラ12がプラテンローラ10の周速度(搬
送速度)よりもわずかに速い周速度(搬送速度)で回転
するように、図示しない複数のギヤ等の回転伝達部材、
および例えばパウダー式電磁クラッチ(図示せず)を介
してマスタ搬送モータ10Aに連結されている。マスタ
搬送モータ10Aを介してのプラテンローラ10および
搬送ローラ対12,12周りの駆動系は、例えば本願出
願人が提案した特開平11−77949号公報の図2に
示されている回転伝達機構と同じ機構を採用している。
【0034】上記パウダー式電磁クラッチは、プラテン
ローラ10とサーマルヘッド11との間のニップ部から
マスタ8を無理に引き摺り出さないような所定の張力と
してのフロントテンションをプラテンローラ10と搬送
ローラ対12,12との間のマスタ8に付与する機能を
有する。上記のとおり、搬送ローラ対12,12は、マ
スタ8との間で滑りながら適度なフロントテンションを
製版済みのマスタ8に付与するようになっている。
【0035】カッタ13は、固定刃13bおよび可動刃
13aを備えたギロチンタイプの公知のものである。カ
ッタ13は、上記ギロチンタイプに限らず、可動刃がマ
スタ搬送方向X1と直行するマスタ幅方向に回転しなが
ら移動する回転刃移動タイプのものを用いてもよい。
【0036】反転ローラ対14,14は、カッタ13に
隣るマスタ搬送方向X1下流側に配設されていて、金属
製の軸と一体的に形成されている。反転ローラ対14,
14は、バネ等の付勢手段により適度な押圧力を与えら
れて互いに圧接して設けられていて、上記各軸の両端部
が上記製版側板対に回転自在に支持されていることによ
り互いに反対方向に回転自在となっている。上側の反転
ローラ14は、複数のギヤあるいはベルト等の回転伝達
部材(図示せず)を介してマスタ搬送モータ10Aに連
結され、これにより時計回りに回転駆動される。
【0037】反転ローラ対14,14は、マスタ搬送モ
ータ10Aを含む上記回転伝達部材によって、プラテン
ローラ10の周速度(搬送速度)よりも速い周速度(搬
送速度)で回転するように設定されていて、マスタ8と
の間で滑りながら適度のフロントテンションをマスタ8
に付与するようになされている。上側の反転ローラ14
の軸端には、自身へのマスタ搬送モータ10Aの回転駆
動力を断接する電磁クラッチ(図示せず)が設けられて
いる。該電磁クラッチは、例えば、パウダー式電磁クラ
ッチもしくはヒステリシス式電磁クラッチからなる。な
お、上記電磁クラッチに代えて、マスタ搬送モータ10
Aとは独立したステッピングモータで単独駆動してもよ
い。反転ローラ対14,14に隣るマスタ搬送方向X1
下流側には、製版済みのマスタ8の先端を版胴1のクラ
ンパ7に案内するための湾曲したガイド板15が反転ロ
ーラ対14,14の各軸方向に延在して設けられてい
る。
【0038】版胴1は、多孔性で円筒状の支持円筒体
と、その支持円筒体の外周を覆うように複数層巻き付け
られた樹脂あるいは金属網体製のメッシュスクリーン
(図示せず)との2層構造からなる。版胴1は、インキ
通過性の多数の開孔を有する開口部1a(印刷可能領
域)と、クランパ7等が設けられている非開口部(非印
刷可能領域)とを備えた周知の構成を有する。版胴1
は、図示しない端板フランジの外周部に巻着・固設され
ていて、後述するインキパイプ5を兼ねる支軸5の周り
に回転自在に支持されている。
【0039】版胴1の大きさは、実施例的に言えば、例
えばA3サイズの用紙38に印刷を行うことが可能なA
3サイズの大きさ、すなわちA3サイズの1版のマスタ
8を巻装可能な大きさを有しており、その外周直径が1
80mm(版胴1の外周長としては約565mm)に、
その幅方向(回転中心軸線方向)の寸法が350mm程
度に設定されている。
【0040】版胴1は、図示しないギヤやベルト等の駆
動伝達手段を介してメインモータ17に連結されてい
て、メインモータ17により図中矢印方向(時計回り)
に回転駆動される。メインモータ17としては、例えば
制御用のDCモータが使用されている。メインモータ1
7の出力軸17aには、光学式のロータリエンコーダ1
8とこれを挟み付けてロータリエンコーダ18との協働
作用によりパルスを発生する版胴センサ19が設けられ
ている。この版胴センサ19は、透過型の光学センサか
らなり、版胴1の回転速度(印刷速度)の制御や回転位
置の割り出し等のために用いられる。
【0041】版胴1の内部には、図示しない側板に回転
自在に支持されていて、図示しないギヤ等の駆動伝達手
段によりメインモータ17の回転駆動力が伝達されて版
胴1と同期して図中矢印方向(時計回り)に回転駆動さ
れ、版胴1の内周面に接触してインキを供給するインキ
ローラ2と、インキローラ2とわずかな間隙を置いて平
行に配置されインキローラ2との間に断面楔状のインキ
溜まり4を形成するドクタローラ3と、インキ溜まり4
へインキを供給するインキパイプ5とが配置されてい
る。インキローラ2、ドクタローラ3およびインキパイ
プ5がインキ供給手段を構成する。インキ溜まり4のイ
ンキは、版胴1の外部に設けられた図示しないインキパ
ック等より図示しないインキポンプで吸引され、インキ
パイプ5の供給孔より供給されて混練される。インキ溜
まり4のインキは、ドクタローラ3により計量されなが
らインキローラ2の外周面上に薄膜状に供給され、さら
にインキローラ2の外周面が版胴1の上記支持円筒体内
周面に接触することにより版胴1の開口部1a部分に供
給される。
【0042】版胴1の上記非開口部外周面上の一部分に
は、版胴1の一つの母線に沿って設けられた強磁性体製
のステージ6と、このステージ6の両側端に設けられた
クランパ軸に回動自在に取り付けられ、ステージ6の平
面部に対して開閉自在なゴム磁石を有するクランパ7と
がそれぞれ設けられている。クランパ7は、図示しない
本体フレーム側に設けられた開閉装置(図示せず)によ
り所定位置において開閉される。版胴1は、クランパ7
が図1に示す略右横に位置する状態、すなわち給版位置
において停止されるようになっている。版胴1は、上記
インキパックや上記インキポンプ等と一体的になされた
版胴ユニットとして構成されており、孔版印刷装置20
0の上記本体フレームに対してインキパイプ5の軸線方
向に挿脱自在になっている。
【0043】図1において紙面奥側の版胴1の端板フラ
ンジおよびこの端板フランジ近傍の上記本体フレーム側
には、図5に示すように、版胴1の回転位置を検出する
ことにより給紙装置30の図1および図6に示す給紙モ
ータ45およびレジストモータ50への起動(スター
ト)・トリガ情報を与える構成要素が配設されている。
すなわち、図5に示すように、版胴1における右奥側の
上記端板フランジの外側壁には、給紙開始用遮光板12
1とレジスト開始用遮光板122とが版胴1の同円周上
に所定の間隔をおいてそれぞれ取り付けられている。
【0044】一方、各遮光板121,122近傍の上記
本体フレーム側には、給紙開始用遮光板121とレジス
ト開始用遮光板122とが取り付けられている版胴1の
同円周上に対向してこれらを挟む態様で、給紙レジスト
センサ120が取り付けられている。給紙レジストセン
サ120は、発光部および受光部を具備する透過型の光
学センサである。
【0045】インキローラ2に対向する版胴1の外周面
の下方近傍には、プレスローラ21が配設されている。
プレスローラ21は、版胴1上の製版済みのマスタ8に
用紙38を押し付ける印刷位置とこの印刷位置から離れ
た非印刷位置(図1に示す初期位置でもある)との間で
変位自在に構成されている。プレスローラ21が版胴1
の外周面から離間する点(押圧領域の後端)は、インキ
付着によるプレスローラ21の汚れを防止するために、
製版済みのマスタ8の版胴1への巻装長さよりもやや短
めに設定されている。プレスローラ21の版胴1に対す
る押圧範囲は、図1に示すように、版胴1の開口部1a
の前縁部分P1より当接し、版胴1上に巻装されている
製版済みのマスタ8の後縁手前部分P2で版胴1から離
間するように設定されている。
【0046】プレスローラ21における図1より見て奥
側の端部には、プレスローラ21を、印刷位置と非印刷
位置との間で変位させるための変位手段29が配設され
ている。変位手段29は、アーム軸22a、プレスアー
ム対22,22、加圧アーム23、カムフォロア24、
加圧バネ25、印圧カム軸26および印圧カム27等か
ら主に構成されている。
【0047】アーム軸22aは、上記本体フレーム側に
固設された筐体側板(図示せず)に回転自在に支持され
ている。プレスローラ21は、その横幅が版胴1の開口
部1aの横幅よりもやや長い長さとなるように形成され
ており、その中心部にはプレスローラ軸21aが挿通固
着されている。プレスローラ軸21aの両端部は、図1
における紙面の手前側および奥側に配置されたアーム軸
22aにその一端側が固定されたプレスアーム対22,
22の他端側に回転自在に支持されていて、版胴1上の
製版済みのマスタ8に用紙38を介して圧接したときに
従動回転するようになっている。
【0048】アーム軸22aの端部には、加圧アーム2
3の一端部が固着されている。加圧アーム23の略中央
部には、カムフォロア24が回転自在に軸を持って保持
されている。加圧アーム23の他端部側には、プレスロ
ーラ21を常に版胴1の外周面に圧接する向きに付勢す
る加圧バネ25(引張バネ)の一端が係止され、加圧バ
ネ25の他端は上記筐体側板側に係止されている。この
加圧バネ25により、加圧アーム23の他端側は、アー
ム軸22aを中心として時計回りに揺動する向きに付勢
されている。加圧アーム23の他端部には、後述する係
止部材60の係止爪60aと係合可能な切欠23aが一
体的に形成されていて、係止部材60と係脱可能となっ
ている。
【0049】一方、図1および図2に示すように、カム
フォロア24近傍の上記筐体側板には、版胴1の回転と
同期して回転する印圧カム27を固着した印圧カム軸2
6が回転自在に支持されている。印圧カム27は、小径
部と大径部とが形成された例えば板カムからなる。印圧
カム軸26には、図示しないベルトプーリまたはギヤ等
が固設されていて、印圧カム軸26は、図示しないベル
トやギヤ等の駆動伝達手段を介してメインモータ17に
連結されている。これにより、印圧カム27は、版胴1
の回転と同期して回転するようになっている。加圧バネ
25により、カムフォロア24は印圧カム27に常に当
接する向きに付勢されている。したがって、プレスロー
ラ21を駆動する押圧駆動手段は、メインモータ17、
加圧バネ25および印圧カム27から主に構成されてい
る。
【0050】なお、変位手段29を構成する加圧アーム
23、カムフォロア24、加圧バネ25および印圧カム
27等は、上述したように図1の紙面の奥側のみに配設
する例に限らず、プレスローラ21の均一な押圧力を版
胴1の外周面に付与すべく、プレスアーム対22,22
と同様に、図1の紙面の手前側に同一形状および同一位
相をもって配設しても勿論構わない。
【0051】図1において、符号64は、通紙時以外は
プレスローラ21を図1に示す非印刷位置(厳密には非
印刷位置よりもさらに僅かに離間した初期位置である)
で保持するための係止手段を示す。係止手段64は、印
圧解除手段とも呼ばれており、係止部材60、支軸6
1、第1ソレノイド62および引張バネ63から主に構
成される。
【0052】係止部材60は、上記筐体側板に植設され
た支軸61の周りに揺動自在になされていて、その一端
部には上記した係合爪60aが一体的に形成されてい
る。係止部材60の他端部には、係合爪60aを加圧ア
ーム23の切欠23aに常に係合する向きに付勢する引
張バネ63の一端が形成されている。引張バネ63の他
端は、上記筐体側板側に係止されている。また、係止部
材60の他端部における引張バネ63の配置部と対向す
る側には、上記筐体側板に固設された第1ソレノイド6
2のプランジャ62aがピンを介して連結されている。
第1ソレノイド62は、プル型を用いている。
【0053】上述した構成のとおり、第1ソレノイド6
2に通電されて第1ソレノイド62がオンされることに
より、変位手段29を作動させることとなり、後述する
詳細動作を介してプレスローラ21が印刷位置を占め
る。これによって、プレスローラ21は用紙38を版胴
1上の製版済みのマスタ8に従動回転しながら連続的に
押し付ける。第1ソレノイド62への通電が遮断され第
1ソレノイド62がオフされることにより、変位手段2
9を非作動にさせることとなり、後述する詳細動作を介
してプレスローラ21が印刷位置から離れた図1に示す
非印刷位置(初期位置)を占める。第1ソレノイド62
は、後述する制御装置100によりオン/オフ制御され
る。
【0054】図1ないし図4において、符号79は、プ
レスローラ21の版胴1に対する押圧を緊急的に解除す
る緊急押圧解除手段を示す。緊急押圧解除手段79は、
解除カムギヤ65、解除カム駆動ギヤ66、解除カム6
7、解除カム軸68、クラッチギヤ70、クラッチ胴7
1、スリーブ72、スプリングクラッチ73、カム駆動
軸74、カム駆動ギヤ75、ストッパ76、第2ソレノ
イド77、スプリング78から主に構成される。
【0055】図2に示すように、解除カム67は、解除
カムギヤ65と一体的に固設されており、印圧カム軸2
6に回転自在に支持されている。解除カム67は、印圧
カム27と別体的に設けられていて、小径部と大径部と
が形成された例えば板カムからなり、印圧カム27と同
様の形状を有している。解除カム軸68は、上記筐体側
板に回転自在に支持されている。解除カムギヤ65は、
解除カム軸68の一端側に固設された解除カム駆動ギヤ
66と常時噛み合っている。印圧カム軸26と解除カム
軸68とは、互いに反対方向に回転駆動されるようにな
っている。本実施例では図1に示すように、印圧カム2
7および印圧カム軸26は時計回りに、解除カム駆動ギ
ヤ66は反時計回りに回転し、解除カム駆動ギヤ66で
駆動される解除カム67は印圧カム27と同じ時計回り
に回転される。
【0056】解除カム軸68の他端側には、クラッチ胴
71が固設されている。クラッチギヤ70は、解除カム
軸68の他端側に回転自在に支持されている。クラッチ
ギヤ70とクラッチ胴71との間には、スプリング73
aを巻き付けて構成されたスプリングクラッチ73が介
装されている。後述するように、クラッチギヤ70から
スプリングクラッチ73を介してクラッチ胴71に回転
力が伝達されるようになっている。
【0057】スプリングクラッチ73には、その外周部
に扇形の凸部72aを有するスリーブ72が設けられて
いる。スプリングクラッチ73におけるスプリング73
aの一端は、クラッチギヤ70の右側突出部外周に巻か
れていると共にスリーブ72に固定され、スプリングク
ラッチ73におけるスプリング73aの他端は、クラッ
チ胴71に固定されている。それ故に、クラッチ胴7
1、スリーブ72およびスプリングクラッチ73は、一
体的に回転するように構成されている。スプリングクラ
ッチ73は、回転駆動の方向に合わせてスプリング73
aの巻き方向が設定されており、回転力伝達時にスプリ
ング73aが巻き込まれてスプリング内径が小さくなる
ように上記巻き方向が決められ、いわゆる一方向性クラ
ッチ(ワンウェイクラッチ)として使用されるものであ
る。
【0058】クラッチギヤ70の近傍には、上記筐体側
板に回転自在に支持され、メインモータ17の回転力が
伝達されて駆動されるカム駆動軸74が設けられてい
る。カム駆動軸74の端部にはカム駆動ギヤ75が固設
されていて、このカム駆動ギヤ75は、クラッチギヤ7
0と常時噛み合っていてクラッチギヤ70を反時計回り
に回転駆動する。本実施形態ではカム駆動軸74を駆動
する駆動手段は、メインモータ17の回転力が図示しな
い回転伝達手段を介して伝達される構成による駆動手段
を採用しているが、これに限らず、メインモータ17と
別個に設けられ少なくとも印刷時に回転駆動される、あ
るいは常時回転駆動される電動モータ等であってもよ
い。
【0059】図3および図4に示すように、クラッチ胴
71およびスリーブ72の近傍の上記筐体側板には、ス
トッパ支軸76Aに軸支された略U字形のストッパ76
が配設されている。ストッパ76は、例えば板金等でで
きていて、ストッパ76の両端部には、スリーブ72の
凸部72aと選択的に係合する第1係合部76aおよび
第2係合部76bが形成されている。
【0060】第1係合部76a形成側のストッパ76の
端部には、第2ソレノイド77のプランジャがピンを介
して連結されており、後述する制御装置100によりオ
ン/オフ制御される。第2ソレノイド77は、プル型を
用いており、上記筐体側板側に固定されている。ストッ
パ76と第2ソレノイド77本体との間には、圧縮バネ
からなるスプリング78がプランジャ77aに巻着され
る態様で介装されている。それ故に、スプリング78の
付勢力によって、ストッパ76はストッパ支軸76Aを
中心として常に図において時計回りに揺動する習性を与
えられている。上記のとおり、第2ソレノイド77およ
び上記駆動手段は、解除カム67を駆動する解除カム駆
動手段としての機能を有する。
【0061】図3および図4に示されている何れの状態
においても、スリーブ72の凸部72aは、ストッパ7
6の第1係合部76a、第2係合部76bに突き当て・
係合していて、その回転を阻止・停止させられており、
カム駆動軸74の回転は解除カム軸68に伝達されな
い。これらの状態では、ストッパ76によるスリーブ7
2の回転阻止力の方が、クラッチギヤ70の右側突出部
外周面とこれに巻かれているスプリング73aとの間の
摩擦力より大きいためクラッチギヤ70は空転している
だけである。したがって、カム駆動軸74の回転は解除
カム軸68に伝達されず、解除カム67はその位置に停
止したままである。
【0062】図3に示すように、ストッパ76の第1係
合部76aがスリーブ72の凸部72aと係合していて
スリーブ72の回転が阻止されている状態では、クラッ
チギヤ70とクラッチ胴71との連結は断たれていて、
図1に示すように解除カム67の大径部はカムフォロア
24の略反対側で保持されるようになっている。図3に
示す状態から図4に示すように、第2ソレノイド77に
通電されて第2ソレノイド77がオンされることによ
り、プランジャ77aがスプリング78の付勢力に抗し
て図4中矢印上向きに引き上げられることによって、ス
トッパ76の第1係合部76aとスリーブ72の凸部7
2aとの係合が解除されると、図2においてスプリング
クラッチ73が接続された状態となる。これにより、カ
ム駆動軸74の回転がスプリングクラッチ73を介して
クラッチ胴71に伝達される。すなわち、クラッチ胴7
1、スリーブ72、スプリングクラッチ73およびクラ
ッチギヤ70が一体で矢印で示す反時計回り方向に回転
し、上記駆動手段の回転力が解除カム軸68、解除カム
駆動ギヤ66と噛合する解除カムギヤ65を介して解除
カム67に伝達されて、解除カム67の大径部が図1に
おいて略右真横位置まで回転してカムフォロア24を押
し付けることとなる。
【0063】そして、クラッチ胴71が矢印で示す反時
計回り方向に所定角度回転して、図4に示すように、ス
トッパ76の第2係合部76bがスリーブ72の凸部7
2aに係合することによりスリーブ72の回転を阻止さ
れると、スプリングクラッチ73の接続が再び断たれ
て、解除カム67の大径部が図1において略反対位置ま
で回転した後にその位置で保持される。これにより、カ
ムフォロア24が解除カム67の大径部に乗り上げた状
態で保持されて、プレスローラ21が版胴1との押圧状
態から緊急的に離間して非印刷位置を占めた状態で保持
される。
【0064】次いで、所定時間後、第2ソレノイド77
への通電が遮断されて第2ソレノイド77がオフされる
と、スプリング78の付勢力によってストッパ76が上
記したとは反対の時計回りに回転することにより、スト
ッパ76の第2係合部76bとスリーブ72の凸部72
aとの係合が解除されることで、スプリングクラッチ7
3が再度接続された状態となり、これにより上記したと
同様にクラッチ胴71等とクラッチギヤ70が一体で回
転し、上記駆動手段の回転力が解除カム軸68、解除カ
ム駆動ギヤ66と噛合する解除カムギヤ65を介して解
除カム67に伝達されて、解除カム67の大径部が図1
に示す位置近傍に回転され、次いでストッパ76が所定
角度回転して図3に示すようにストッパ76の第1係合
部76aがスリーブ72の凸部72aと係合することに
よって、スプリングクラッチ73の接続が再度断たれ
て、解除カム67の大径部が図1に示す初期位置まで回
転した後その位置で保持される。なお、解除カム67が
動作するときには、係止手段64の第1ソレノイド62
がオフ制御されることにより、プレスローラ21が非印
刷位置に保持されるようになっている。
【0065】給紙装置30は、図1および図7に示すよ
うに、用紙38を繰り出し可能に積載して昇降自在な上
記した給紙トレイ37と、給紙トレイ37上の用紙38
に接触してレジストローラ対31,32のニップ部に向
けて用紙38を1枚ずつ分離して搬送する給紙手段とし
ての給紙ローラ35および分離部材36と、用紙38の
用紙サイズを検出する用紙サイズ検出手段109と、版
胴1の外周面とプレスローラ21との間に後述するタイ
ミングを取って用紙38を給送するレジスト手段として
のレジストローラ対31,32等とを具備している。
【0066】給紙トレイ37は、図示しない給紙トレイ
昇降モータおよびワイヤ式昇降機構等を備えた駆動装置
(図示せず)により、積載された用紙38の最上位が常
に給紙ローラ35に所定の押圧力(用紙38が搬送可能
な押圧力)をもって接触するように、すなわち用紙38
の増減に連動して用紙38が搬送可能な範囲の押圧力で
接触する状態を保持しつつ昇降される。給紙トレイ37
は、多くの用紙種類および用紙サイズを使用できる構造
を有すると共に、その用紙積載容量を例えば用紙サイズ
A3やA4の用紙38で500枚以上を積載可能とする
孔版印刷装置に適した構造を有する。
【0067】給紙トレイ37には、図7に示すように、
用紙サイズに応じて用紙38の両側端を位置決め揃える
ための一対のサイドフェンス110a,110bが用紙
幅方向Yに移動自在に配設されている。図7において、
用紙サイズ検出手段109は、サイドフェンス対110
a,110bの用紙幅方向Yの移動に連動して用紙38
の用紙サイズを決定するものである。用紙サイズ検出手
段109は、移動自在なサイドフェンス対110a,1
10bと、給紙トレイ37の下部に配設されている不動
部材に回動自在に取り付け支持されたピニオン116
と、サイドフェンス110aの下部端縁部に形成されピ
ニオン116と噛み合うラック部115と、サイドフェ
ンス110bの下部端縁部に形成されラック部115に
対向してピニオン116と噛み合うラック部114と、
サイドフェンス110bのラック部114に対向する下
部端縁部において下方に突出して折り曲げられ適宜の間
隔をもって切り欠かれた複数の切欠きを備えた遮閉部1
14aと、給紙トレイ37の上記不動部材に適宜の間隔
をもって固設され遮閉部114aとそれぞれ選択的に係
合する複数(ここでは2つ)の横サイズ検知センサ11
8a,118bと、給紙トレイ37の上記不動部材にお
ける給紙方向Xに適宜の間隔をあけて固設された複数
(ここでは3つ)縦サイズ検知センサ119a,119
b,119cとから主に構成されている。
【0068】各横サイズ検知センサ118a,118b
は、発光部および受光部を具備した透過型の光学センサ
であり、遮閉部114aとそれぞれ選択的に係合するこ
とにより用紙38における用紙幅方向Yの長さ・サイズ
を検出する。縦サイズ検知センサ119a,119b,
119cは、反射型の光学センサである。縦サイズ検知
センサ119a,119b,119cは、用紙38にお
ける給紙方向Xの長さ・サイズを検知する。各横サイズ
検知センサ118a,118bおよび各縦サイズ検知セ
ンサ119a,119b,119cを総称して、用紙サ
イズ検知センサ群117という。用紙サイズ検知センサ
群117は後述する制御装置100に電気的に接続され
ており、これらの用紙サイズ検知センサ群117で検出
されたサイズ信号データを組み合わせて制御装置100
のCPU101が判断することにより、用紙38の用紙
サイズを決定するものである。用紙サイズ検知センサ群
117は、用紙38の用紙サイズを検知する用紙サイズ
検知手段としての機能を有する他、縦サイズ検知センサ
119aは用紙38の有無を検知する用紙有無検知手段
としての機能も有する。
【0069】なお、用紙38における用紙幅方向Yの長
さ・サイズを検出する横サイズ検知センサおよび用紙3
8における給紙方向Xのサイズを検知する縦サイズ検知
センサとしては、説明の簡明化のためにそれぞれ2つお
よび3つとしたが、これ以上配設してより多くのサイズ
を検知できるようにすることが好ましい。このような用
紙サイズ検知方式の詳細としては、本願出願人が以前に
提案した、例えば特開平9−30714号公報等に開示
されている技術を挙げることができる。用紙サイズ検知
方式としては、上述したような方式に限定されず、他の
方式、例えば給紙側板(サイドフェンス)に連動して摺
動子がスライドして、用紙サイズに応じて配置されてい
る紙サイズ検知板の各端子と接触・接続して検知するも
の等であってもよい。
【0070】給紙ローラ35は、図6に示すように、金
属製の給紙ローラ軸35aと一体的に形成されていて、
給紙ローラ軸35aの一端部が上記筐体側板に回転自在
に支持されている。給紙ローラ軸35aの一端部には、
歯付きの給紙ローラプーリ47が取り付けられている。
給紙ローラ軸35aと給紙ローラプーリ47との間に
は、用紙搬送方向Xにのみ用紙38を搬送するように給
紙ローラ35を回転させる、つまり時計回りにのみ回転
させるためのワンウェイクラッチ(図示せず)が配設さ
れている。
【0071】分離部材36は、用紙38に対する摩擦係
数の高いゴムや樹脂で形成され給紙ローラ35に当接可
能となっている分離パッドと呼ばれる部材を有してい
る。この分離パッドは、付勢手段としての図示しない圧
縮バネにより給紙ローラ35に押し付けられる向きに付
勢されている。
【0072】図6に示すように、給紙ローラプーリ47
の下方には、給紙ローラ35を回転駆動する給紙駆動手
段としての給紙モータ45が上記筐体側板に固定して設
けられている。給紙モータ45は、パルス入力で駆動す
るモータとしての例えばステッピングモータからなり、
その出力軸には歯付きの給紙モータプーリ46が固設さ
れている。給紙ローラプーリ47と給紙モータプーリ4
6との間には、歯付きの給紙モータベルト48が掛け渡
されている。これにより、給紙ローラ35と給紙モータ
45とは給紙モータベルト48およびを上記ワンウェイ
クラッチを介して回転駆動力伝達関係にある。
【0073】図1および図6に示すように、レジストロ
ーラ上31は金属製のレジストローラ軸31aと、レジ
ストローラ下32は金属製のレジストローラ軸32aと
それぞれ一体的に形成されていて、各レジストローラ軸
31a,32aの両端部が上記筐体側板に回転自在に支
持されている。下側のレジストローラ軸32aの一端部
には、歯付きのレジストローラプーリ52が取り付けら
れている。
【0074】レジストローラ下32は、レジストローラ
軸32aを介して、上記筐体側板に移動不能にかつ回転
自在に支持されている。レジストローラ上31は、レジ
ストローラ下32に対して所定のタイミングで当接する
ように接離自在に設けられている。図8において、符号
40は、レジストローラ上31をレジストローラ下32
に所定のタイミングで当接させるレジストローラ接離手
段を示す。レジストローラ接離手段40は、レジストア
ーム41、レジストアーム軸41a、駆動アーム42、
カムフォロア42A、レジストカム43、加圧スプリン
グ44から主に構成される。
【0075】レジストアーム41の基端は、上記筐体側
板に回転自在に支持されたレジストアーム軸41aに固
設されていて、レジストアーム41の自由端は、レジス
トローラ上31のレジストローラ軸31aを回転自在に
支持している。レジストアーム軸41aには、自由端に
カムフォロア42Aを回転可能に支持した駆動アーム4
2の基端がレジストアーム41に対して略直交する角度
で固設されている。それ故に、レジストアーム41およ
び駆動アーム42は、レジストアーム軸41aの周りに
略L字形状をなして一体で揺動可能となっている。
【0076】カムフォロア42Aの近傍には、上記筐体
側板に回転自在に軸を持って支持され大径部および小径
部を有するレジストカム43がカムフォロア42Aに対
向して配設されている。駆動アーム42の略中央部と上
記筐体側板との間には、加圧スプリング44(引張バ
ネ)が張設されている。加圧スプリング44の付勢力に
よって、カムフォロア42Aはレジストカム43の大径
部に当接する向きの習性を、またレジストローラ上31
はレジストローラ下32に当接する向きの習性をそれぞ
れ常時付与されている。レジストカム43の軸は、図示
しない回転伝達手段を介してメインモータ17に連結さ
れていて、版胴1の回転と同期して回転するようになっ
ている。したがって、レジストローラ上31は、レジス
トローラ接離手段40によって、レジストローラ下32
に対して所定のタイミングで当接することとなる。
【0077】図8に示すように、レジストカム43の小
径部がカムフォロア42Aと非接触で対向している状態
・時機では、レジストローラ上31はレジストローラ下
32に当接していて、これにより形成されるニップ部で
用紙38を挟持し搬送可能な状態とされる。
【0078】図1および図6に示すように、レジストロ
ーラ下32の下方には、レジストローラ対31,32を
回転駆動するレジスト駆動手段としてのレジストモータ
50が上記筐体側板に固定して設けられている。レジス
トモータ50は、パルス入力で駆動するモータとしての
例えばステッピングモータからなり、その出力軸には歯
付きのレジストモータプーリ51が固設されている。レ
ジストローラプーリ52とレジストモータプーリ51と
の間には、歯付きのレジストモータベルト53が掛け渡
されている。これにより、レジストローラ下32とレジ
ストモータ50とはレジストモータベルト53を介して
回転駆動力伝達関係にある。
【0079】図1において、レジストローラ対31,3
2の配置位置から給紙ローラ35および分離部材36で
構成される分離搬送部までの用紙搬送経路XAには、給
紙ローラ35により搬送された用紙38の先端および後
端を検知する第1の用紙検知手段としての第1用紙セン
サ33が配設されている。第1用紙センサ33は、第1
用紙センサ33の配置位置(用紙38の先端を検知でき
る位置)よりも上流側の用紙搬送経路XAに用紙38が
留まっていることを検知する機能も有する。
【0080】また、版胴1とプレスローラ21との間か
らレジストローラ対31,32のニップ部までの用紙搬
送経路XAには、レジストローラ対31,32から送り
出された用紙38の先端および後端を検知する第2の用
紙検知手段としての第2用紙センサ34が配設されてい
る。第2用紙センサ34は、第2用紙センサ34の配置
位置(用紙38の先端を検知できる位置)よりも上流側
であって第1用紙センサ33の配置位置(用紙38の先
端を検知できる位置)よりも下流側の用紙搬送経路XA
に用紙38が留まっていることを検知する機能も有す
る。第1用紙センサ33および第2用紙センサ34は、
発光部および受光部を具備した反射型の光学センサであ
る。
【0081】なお、第1用紙センサ33の配置位置(用
紙38の先端が検知できる位置)から給紙ローラ35の
ニップ部中心までの用紙搬送経路XAの距離は、給紙ト
レイ37に積載して搬送可能な例えばハガキサイズの長
さよりも少なくとも短く設定されている。それ故に、例
えばハガキの先端がレジストローラ対31,32のニッ
プ部で挟持され給送状態にあるハガキの後端は、少なく
とも給紙ローラ35と分離部材36とで挟持されている
状態にある。
【0082】排紙装置54は、図1に示すように、版胴
1の外周面に近接自在に設けられ、印刷済みの用紙38
を版胴1上の製版済みのマスタ8から剥離する剥離爪5
5と、剥離爪55で剥離された印刷済みの用紙38を吸
引しつつ搬送する吸着搬送装置56と、上記した排紙ト
レイ59とから主に構成されている。
【0083】吸着搬送装置56は、搬送ローラ前57a
と搬送ローラ後57bとの間に張設された多孔性の搬送
ベルト57cと、回転することにより印刷済みの用紙3
8を搬送ベルト57c上に吸着する吸引ファン58とか
ら構成されている。搬送ローラ後57bは、図示しない
排紙駆動モータにより回転駆動される。吸引ファン58
は、内蔵されたファンモータにより回転駆動される。搬
送ベルト57cは、上記駆動モータにより版胴1の周速
度よりも速い搬送速度で駆動されるように設定されてい
る。
【0084】剥離爪55は、版胴1の外周面にプレスロ
ーラ21が圧接することにより形成される印刷ニップ部
における下流近傍に設けられている。剥離爪55は、版
胴1の回転と同期して回転駆動されるカムおよびバネ等
を具備した剥離爪変位手段(図示せず)により、版胴1
の外周面に近接して版胴1上の製版済みのマスタ8から
印刷済みの用紙38を強制的に剥離する剥離位置と、こ
の剥離位置から離間して版胴1の外周面から突出したク
ランパ7配置部との接触を避ける非剥離位置との間で変
位自在に構成されている。
【0085】吸着搬送装置56における用紙排出方向の
上流側であって搬送ベルト57cの下方近傍には、剥離
された印刷済みの用紙38の先端および後端を検知する
排紙検知手段としての排紙センサ39が配設されてい
る。排紙センサ39は、反射型の光学センサである。排
紙センサ39配置部の搬送ベルト57cの真上周辺に
は、上記光学センサからの出射光および反射光を通すた
めの図示しない開口部が設けられている。
【0086】原稿読取装置20は、図9に示すように、
複数枚の原稿133を積載する上記した原稿受け台13
4と、原稿133を載置する読取部としてのコンタクト
ガラス135と、原稿133を搬送する原稿搬送ローラ
対136および原稿搬送ローラ137と、搬送される原
稿133をガイドするガイド板138,139と、原稿
133をコンタクトガラス135に沿って搬送する複数
の原稿搬送ベルト140と、読み取られた原稿133を
積載する原稿トレイ141と、コンタクトガラス135
を除く上記各部材を支持しコンタクトガラス135に対
して接離・開閉自在に設けられた圧板142と、原稿1
33の画像を照明しつつ走査して読み取るための反射ミ
ラー143,144および蛍光灯145と、走査して読
み取られた画像の反射光を集束するレンズ146と、集
束された画像の反射光を処理するCCD(電荷結合素
子)等を備えた画像センサ147等とを具備している。
【0087】上記構成中、原稿受け台134、原稿搬送
ローラ対136、原稿搬送ローラ137、各ガイド板1
38,139、原稿搬送ベルト140および原稿トレイ
141によって、コンタクトガラス135(読取部)上
に原稿133を1枚ずつ給送する自動原稿給送手段とし
ての自動原稿搬送装置(以下、「ADF」という)14
8が構成されている。また、コンタクトガラス135、
各反射ミラー143,144、蛍光灯145、レンズ1
46および画像センサ147によって、原稿133の画
像をコンタクトガラス135(読取部)上で読み取る原
稿読取手段としてのスキャナ装置132が、各反射ミラ
ー143,144、蛍光灯145およびレンズ146に
よって原稿走査光学系が、それぞれ構成されている。
【0088】画像センサ147は受光した反射光に対応
して光電変換をし、これにより得られた画像信号を図1
1に示すアナログ/デジタル(以下、「A/D」と略記
する)変換部150に入力する。
【0089】コンタクトガラス135の下方近傍には、
搬送される原稿133またはコンタクトガラス135上
に載置された図示しない原稿の図において搬送方向(左
右方向)の原稿の長さを検知する原稿縦サイズ検知セン
サ149a,149bおよび搬送される原稿133また
はコンタクトガラス135上に載置された図示しない原
稿の図において紙面の手前側および奥側の長さを検知す
る図示しない原稿横サイズ検知センサが配設されてい
る。原稿縦サイズ検知センサ149a,149bおよび
上記原稿横サイズ検知センサによって、搬送される原稿
133またはコンタクトガラス135上に載置された図
示しない原稿のサイズが検知され、以下、これらを原稿
サイズ検知センサ群149と総称する。原稿サイズ検知
センサ群149の原稿縦サイズ検知センサ149a,1
49bおよび上記原稿横サイズ検知センサは、共に反射
型の光学センサであり、コンタクトガラス135上にお
ける反射量の違いにより原稿133の輪郭・サイズおよ
び原稿133の有無を検知する。原稿サイズ検知センサ
群149からの信号は、後述する制御装置100に入力
される。原稿サイズ検知センサ群149からの信号に基
づいて、制御装置100は原稿サイズ(等倍のときに
は、マスタ8に製版・形成されるべき製版画像のサイズ
でもある)を判定し認識する。原稿受け台134の下方
には、原稿受け台134上に残存している原稿133を
検知する原稿検知センサ131が配設されている。原稿
検知センサ131は、原稿受け台134上の原稿133
が無くなったときに制御装置100に信号を出力する。
【0090】次に、図10を参照して操作パネル80の
細部構成を説明する。操作パネル80は、孔版印刷装置
200に所定の動作等をさせるべく指示等をするための
ものであり、図9に示した原稿読取装置20の近傍に配
設されている。操作パネル80には、図10に示すよう
に、原稿画像の読み取りから排版、製版、給版、給紙、
版付け印刷(以下、「版付け」という)、排紙工程に至
るまでの一連の工程(動作)を起動するための製版起動
手段としての製版スタートキー81と、印刷枚数等を設
定・入力するためのテンキー83と、このテンキー83
で設定・入力された印刷枚数分の印刷動作の起動を行う
ための印刷スタートキー82と、原稿サイズに対してマ
スタ8に製版・形成されるべき製版画像のサイズ、すな
わち印刷画像サイズを拡大したり縮小したりする際の変
倍率を設定するための図示しない変倍率設定キーと、操
作の状態やメッセージあるいは各種キーで選択されてい
る機能等の表示をしたり、その機能を選択・設定するた
めの操作内容を随時表示したりする液晶表示部85と、
版胴1の回転速度である印刷速度の設定値としての印刷
速度レベル1〜5の5段階の中から1つの印刷速度を選
択的に設定するための印刷速度設定手段としての速度ダ
ウンキー88aおよび速度アップキー88bを備えた印
刷速度設定キー88と、速度ダウンキー88aまたは速
度アップキー88bにより設定された設定印刷速度を表
示するためのLED(発光ダイオード)ランプ群からな
る速度表示器89とが配置されている。
【0091】液晶表示部85は、孔版印刷装置200に
係る各種情報を報知する報知手段としての機能を有す
る。液晶表示部85は、図示しない液晶駆動回路を介し
て駆動され、各種メッセージや警告を表示するメッセー
ジ表示部86と、マスタ8や用紙38のジャム箇所等を
絵で表示する絵表示部87とを有し、下位概念的には情
報を表示する表示手段としての機能を有する。さらに具
体的には、液晶表示部85は、用紙サイズと原稿サイズ
(つまり、製版済みのマスタ8における単一の製版画像
または複数の製版画像のサイズ)とが合っていないとき
や、上記変倍率設定キーにより設定された変倍率と用紙
サイズとが合っていないときに、その旨の表示を行う機
能も有する。
【0092】速度表示器89において、中央部のハッチ
ングを施した「設定印刷速度:3速」は、通常使用され
る印刷速度に対応した標準印刷速度であって、速度ダウ
ンキー88aまたは速度アップキー88bを押下しなか
った場合に自動的に設定されるようになっている。速度
表示器89は、速度ダウンキー88aまたは速度アップ
キー88bの1回ごとの押下により、1から5までの5
段階の設定印刷速度に切り換えられる印刷速度を点灯表
示する。速度ダウンキー88aおよび速度アップキー8
8bは、速度表示器89の近傍に配置されていて、1回
押すごとに、印刷速度:1速〜5速の何れか1つの印刷
速度に対応した各LEDランプの点灯を順次切り換える
機能も有しており、これにより、ユーザが選択した印刷
速度が速度表示器89にて目視確認できるようになって
いる。
【0093】操作パネル80は、上記したものの他に、
本実施形態に特有の構成を有している。すなわち、操作
パネル80には、図11に示す画像信号処理部151お
よびサーマルヘッド駆動制御部153を介してサーマル
ヘッド11を駆動させて版胴1の回転方向に沿って1版
のマスタ8に分割された複数の同一製版画像を形成する
同一画像製版モードを設定するための同一画像製版モー
ド設定手段としての同一画像製版モード設定キー97
と、図11に示す画像信号処理部151およびサーマル
ヘッド駆動制御部153を介してサーマルヘッド11を
駆動させて版胴1の回転方向に沿って1版のマスタ8に
分割された複数の異種製版画像を形成する異種画像製版
モードを設定するための異種画像製版モード設定手段と
しての異種画像製版モード設定キー98と、サーマルヘ
ッド11が1版のマスタ8に対して1枚の用紙38を対
象とし製版画像を形成する第1の製版処理を行い、か
つ、第1の製版処理されたマスタ8を巻装した版胴1の
1回転中に1枚の用紙38を対応させて印刷する第1の
印刷モードが設定されていることを表示するための第1
の印刷モード設定表示手段としての第1の印刷モード設
定表示ランプ95と、サーマルヘッド11が1版のマス
タ8に対して複数枚の用紙38を対象とし版胴1の回転
方向に沿って分割された複数の製版画像を形成する第2
の製版処理を行い、かつ、第2の製版処理されたマスタ
8を巻装した版胴1の1回転中に複数枚の用紙38を対
応させて印刷する第2の印刷モードを設定するための第
2の印刷モード設定手段としての第2の印刷モード設定
キー96と、用紙サイズを手動で設定するための用紙サ
イズ設定手段90を構成するA4サイズ設定キー91お
よびA3サイズ設定キー92と、原稿サイズを手動で設
定するための原稿サイズ設定手段106を構成するA4
サイズ設定キー107およびA3サイズ設定キー108
とが配置されている。
【0094】同一画像製版モード設定キー97および異
種画像製版モード設定キー98の下部(図10の紙面の
奥側)には、LEDが配設されていて、同一画像製版モ
ード設定キー97または異種画像製版モード設定キー9
8が押されたときに上記LEDが点灯して同一画像製版
モードまたは異種画像製版モードが設定されたことが表
示されるようになっている。
【0095】第1の印刷モード設定表示ランプ95は、
例えばLEDからなる。第1の印刷モード設定表示ラン
プ95は、孔版印刷装置200に配置されている図示し
ない電源スイッチが投入された直後の初期状態や、第2
の印刷モード設定キー96が2回押されたときに自動的
に点灯して第1の印刷モードが自動的に設定されるよう
になっている。第2の印刷モード設定キー96の下部
(図10の紙面の奥側)には、LEDが配設されてい
る。第2の印刷モード設定キー96が1回押されたとき
に上記LEDが点灯して第2の印刷モードが設定された
ことが表示されると共に、第1の印刷モード設定表示ラ
ンプ95が消灯して第1の印刷モード設定が解除された
ことが表示されるようになっている。第2の印刷モード
設定キー96が2回押されたときに上記LEDが消灯す
ると共に、第1の印刷モード設定表示ランプ95が点灯
して第1の印刷モードが設定されたことが表示されるよ
うになっている。したがって、第2の印刷モード設定キ
ー96は、第1の印刷モードおよび第2の印刷モードの
何れかに切り換える印刷モード切換手段としての機能を
有する。なお、上記印刷モード切換手段は、上記した構
成に限らず、第1の印刷モードを設定するための第1の
印刷モード設定手段としての第1の印刷モード設定キー
と、第2の印刷モード設定キー96に代えて、第2の印
刷モードを設定するための第2の印刷モード設定手段と
しての第2の印刷モード設定キーと、第1の印刷モード
設定キーの押下により第1の印刷モードが設定されたこ
とを表示する第1の印刷モード表示手段(例えばLED
からなる)と、第2の印刷モード設定キーの押下により
第2の印刷モードが設定されたことを表示する第2の印
刷モード表示手段(例えばLEDからなる)との組み合
わせ構成等でもよい。
【0096】A4サイズ設定キー91およびA3サイズ
設定キー92の下部(図10の紙面の奥側)には、LE
Dが配設されていて、A4サイズ設定キー91またはA
3サイズ設定キー92の押された側の上記LEDが点灯
して、その用紙サイズが設定されたことが表示されるよ
うになっている。同様に、A4サイズ設定キー107お
よびA3サイズ設定キー108の下部(図10の紙面の
奥側)には、LEDが配設されていて、A4サイズ設定
キー107またはA3サイズ設定キー108の押された
側の上記LEDが点灯して、その原稿サイズが設定され
たことが表示されるようになっている。
【0097】なお、用紙サイズ設定手段90と用紙サイ
ズ検知センサ群117と、原稿サイズ設定手段106と
原稿サイズ検知センサ群149とは、それぞれの最終的
な機能が重複するので、何れか一方が配設されていれば
よく、他方は無くても構わない。同一画像製版モード設
定キー97および異種画像製版モード設定キー98は、
少なくとも何れか一方を有していればよい。
【0098】また、用紙サイズ設定手段90や原稿サイ
ズ設定手段106による用紙サイズや原稿サイズの具体
的例としては、説明を簡明化するためにA4サイズとA
3サイズとの2種類を挙げたが、勿論これに限らず、適
宜その目的や用途に応じてさらに多くの用紙サイズや原
稿サイズの設定が可能になされることは言うまでもな
い。また、用紙サイズ設定手段90や原稿サイズ設定手
段106は、これらに限らず、印刷速度設定キー88お
よび速度表示器89と同様の態様で、それぞれ1つの設
定キーと複数種類以上の多くのサイズを表示可能な表示
器とで構成してもよい。操作パネル80は、これに限ら
ず、例えば用紙サイズや原稿サイズの設定について、表
示画面を切り替えながら設定する公知の方式のものであ
っても構わない。
【0099】次に、図11を参照して孔版印刷装置20
0の主な制御構成を説明する。図11において、制御装
置100は、孔版印刷装置200の主として原稿読取動
作、製版動作、給紙動作および印刷動作を制御する。制
御装置100は、CPU101(中央演算処理装置)、
図示しないI/O(入出力)ポート、ROM102(読
み出し専用記憶装置)、電池付きのRAM103(読み
書き可能な記憶装置)および図示しない電池付きのタイ
マ等を備え、それらが図示しない信号バスによって接続
された構成を有するマイクロコンピュータを具備してい
る。
【0100】制御装置100は、図1にも示すように、
本体フレーム130内の制御基板配置部に設けられてい
る。この制御基板配置部には、図11に示すように、画
像センサ147から送信されるアナログの画像信号をA
/D変換するA/D変換部150と、A/D変換部15
0を経由して送信されるデジタルの画像信号データを処
理する画像信号処理部151と、画像信号処理部151
から送信されるデジタルの画像信号データを記憶するビ
ットマップメモリからなる画像メモリ152と、サーマ
ルヘッド11を駆動制御するサーマルヘッド駆動回路
(図示せず)を含むサーマルヘッド駆動制御部153と
が配設されている。
【0101】制御装置100のCPU101(以下、説
明の簡明化を図るため、単に「制御装置100」という
ときがある)は、上記入力ポートやセンサ入力回路等を
介して、画像信号処理部151と、操作パネル80の上
記した各種キーとそれぞれ電気的に接続されていて、画
像信号処理部151からのデータ信号や上記各種キーか
らのオン/オフ信号を受信する。また、制御装置100
は、上記入力ポートやセンサ入力回路等を介して、版胴
センサ19と、第1用紙センサ33と、第2用紙センサ
34と、排紙センサ39と、用紙サイズ検知センサ群1
17と、原稿サイズ検知センサ群149と、給紙レジス
トセンサ120とそれぞれ電気的に接続されていて、上
記各センサ19,33,34,39,117,149,
120からのオン/オフ信号やデータ信号を受信する。
【0102】制御装置100は、上記出力ポートおよび
液晶駆動回路や発光ダイオード駆動回路、モータ駆動回
路、ソレノイド駆動回路等を介して、画像信号処理部1
51と、操作パネル80の液晶表示部85や各種表示器
と、マスタ搬送モータ10Aと、メインモータ17と、
給紙モータ45と、レジストモータ50と、第1ソレノ
イド62と、第2ソレノイド77とそれぞれ電気的に接
続されていて、各種の指令信号を画像信号処理部15
1、液晶表示部85や各種表示器、上記各モータ10
A,17,45,50や各ソレノイド62,77にそれ
ぞれ送信する。
【0103】本実施形態では、制御装置100は、以下
の制御機能を有する。第1に、制御装置100は、上記
印刷モード切換手段からの第1の印刷モード設定に係る
信号に基づいて、第1の製版処理を行うようにサーマル
ヘッド駆動制御部153を介してサーマルヘッド11を
制御し、かつ、第1の製版処理をされたマスタ8を巻装
した版胴1の1回転中に給紙ローラ35が1枚の用紙3
8を送り出すように給紙モータ45を制御した後、レジ
ストローラ対31,32が版胴1上の第1の製版処理を
されたマスタ8における製版画像の位置にタイミングを
合わせて1枚の用紙38を給送するようにレジストモー
タ50を制御し、なおかつ、印刷中に排紙センサ39に
より印刷された用紙38の先端が検知されないときその
信号に基づいて、緊急押圧解除手段を作動させる、すな
わち解除カム67が駆動されるように解除カム駆動手段
(第2ソレノイド77等)を制御する第1の制御手段と
しての制御機能を有すると共に、係止手段64の第1ソ
レノイド62をオフするように制御する制御機能を有す
る。
【0104】第2に、制御装置100は、第2の印刷モ
ード設定キー96からの第2の印刷モード設定に係る信
号および同一画像製版モード設定キー97からの同一画
像製版モード設定に係る信号に基づいて、版胴1の回転
方向に沿って1版のマスタ8に分割された複数の同一製
版画像を製版・形成するようにサーマルヘッド駆動制御
部153を介してサーマルヘッド11を制御し、かつ、
版胴1の1回転中に版胴1上のマスタ8における複数の
同一製版画像に対応して給紙ローラ35が複数枚の用紙
38を順次送り出すように給紙モータ45を制御した
後、レジストローラ対31,32が版胴1上のマスタ8
における複数の同一製版画像の位置ごとにタイミングを
合わせて複数枚の用紙38を連続的に順次給送するよう
にレジストモータ50を制御する第2の制御手段として
の制御機能を有する。
【0105】第3に、制御装置100は、第2の印刷モ
ード設定キー96からの第2の印刷モード設定に係る信
号および異種画像製版モード設定キー98からの異種画
像製版モード設定に係る信号に基づいて、版胴1の回転
方向に沿って1版のマスタ8に分割された複数の異種製
版画像を製版・形成するようにサーマルヘッド駆動制御
部153を介してサーマルヘッド11を制御し、かつ、
版胴1の1回転中に版胴1上のマスタ8における複数の
異種製版画像に対応して給紙ローラ35が複数枚の用紙
38を順次送り出すように給紙モータ45を制御した
後、レジストローラ対31,32が版胴1上のマスタ8
における複数の異種製版画像の位置ごとにタイミングを
合わせて複数枚の用紙38を連続的に順次給送するよう
にレジストモータ50を制御する第2の制御手段として
の制御機能を有する。
【0106】第4に、制御装置100は、第2または第
3の制御機能に付加して、第1用紙センサ33、第2用
紙センサ34および排紙センサ39のうちの少なくとも
1つのセンサにより用紙38の先端が検知されないとき
その出力信号に基づいて、緊急押圧解除手段を作動させ
る、すなわち解除カム67が駆動されるように解除カム
駆動手段(第2ソレノイド77等)を制御する第3の制
御手段としての制御機能を有すると共に、係止手段64
の第1ソレノイド62をオフするように制御する制御機
能も有する。
【0107】第5に、制御装置100は、用紙サイズと
1版のマスタ8に製版・形成されるべき製版画像または
複数の同一製版画像または複数の異種製版画像のサイズ
とが合っているか否かを判断し、用紙サイズと製版画像
または複数の同一製版画像または複数の異種製版画像の
サイズとが合っていないとき、液晶表示部85のメッセ
ージ表示部86および絵表示部87にその旨の表示(報
知)をさせる第4の制御手段としての制御機能を有す
る。これに加えて、ユーザが所望する印刷物だけを確実
に得るようにする上からは、メインモータ17の回転駆
動を禁止したり給紙モータ45の回転駆動を禁止したり
することにより印刷動作等を禁止する制御機能を制御装
置100に付加してもよい。
【0108】制御装置100の第5の制御機能におい
て、制御装置100は、用紙サイズに係る情報および1
版のマスタに製版・形成されるべき製版画像のサイズに
係る情報を、以下の各種検知手段および各種設定手段の
2つの手段の組み合わせにより出力される信号に基づい
て認識する。すなわち、第1の組み合わせは1版のマス
タ8に形成されるべき製版画像または複数の同一製版画
像または複数の異種製版画像のサイズを検知する画像サ
イズ検知手段と用紙サイズ検知センサ群117とであ
り、第2の組み合わせは上記画像サイズ検知手段と用紙
サイズ設定手段90とであり、第3の組み合わせは1版
のマスタ8に形成されるべき製版画像または複数の同一
製版画像または複数の異種製版画像のサイズを設定する
画像サイズ設定手段と用紙サイズ検知センサ群117と
であり、第4の組み合わせは上記画像サイズ設定手段と
用紙サイズ設定手段90との組み合わせである。
【0109】第6に、制御装置100は、上記各種キー
を押したことにより生成される出力信号に基づいて、そ
の機能やモードが設定された結果として発光ダイオード
駆動回路を介して上記各LEDを点灯・表示させる制御
機能も有する。
【0110】ROM102には、CPU101の上記諸
制御機能を発揮させるための後述する動作順序を表した
フローチャートに係るプログラムや、関係データ等が予
め記憶されている。ROM102には、給紙モータ45
の回転駆動により給紙ローラ35の配置位置(分離部材
とのニップ部中心)から第1用紙センサ33の配置位置
(用紙38の先端を検知できる位置)までの用紙搬送経
路XAの一定の距離について、用紙38が搬送される所
定の時間や給紙モータ45に供給される所定のパルス数
に関する関係データ、レジストモータ50の回転駆動に
よりレジストローラ対31,32の配置位置(ニップ部
中心)から第2用紙センサ34の配置位置(用紙38の
先端を検知できる位置)までの用紙搬送経路XAの一定
の距離について、用紙38が搬送される所定の時間やレ
ジストモータ50に供給される所定のパルス数に関する
関係データ、および第2用紙センサ34の配置位置(用
紙38の先端を検知できる位置)から排紙センサ39ま
での用紙搬送経路XAの一定の距離について、用紙38
が搬送される所定の時間に関する関係データが予め記憶
されている。
【0111】上記各所定の時間や上記各パルス数は、厳
密には給紙条件(用紙種類、用紙サイズや両面印刷にお
ける片面印刷済みの用紙使用等の組み合わせ)に応じ
て、給紙ローラ35および分離部材36であるいはレジ
ストローラ対31,32で用紙38のスリップ量がそれ
ぞれ異なることに着目して、上記給紙条件(用紙種類、
用紙サイズや両面印刷における片面印刷済みの用紙使用
等の組み合わせ)に対応して予め実験等によって設定し
ておくことが好ましい。上記プログラムや関係データの
変更は、PROM(プログラマブルROM)としたり、
ROM102のチップ交換によって変更したりしてもよ
い。
【0112】RAM103は、CPU101での判断結
果や計算結果を一時記憶したり、上記各センサ、上記各
設定手段や上記検知手段等からの出力信号等を随時記憶
したりしてこれら信号の入出力を行う。上記タイマは、
給紙モータ45の起動時点から第1用紙センサ33のオ
ン信号出力時点までの、レジストモータ50の起動時点
から第2用紙センサ34のオン信号出力時点までの、お
よび第2用紙センサ34のオン信号出力時点から排紙セ
ンサ39のオン信号出力時点までの時間等を計時する計
時手段としての機能を有する。上記タイマの計時機能に
代えて、給紙モータ45の起動時点からの同モータ45
に供給され入力されるパルス数を計数したり、レジスト
モータ50の起動時点から同モータ50に供給され入力
されるパルス数を計数したりするパルス数計数手段とし
ての機能を制御装置100のCPU101に付与しても
よい。
【0113】ここで、後述する動作を理解しやすいよう
に、第1の製版処理および第1の印刷モードと比較した
態様での、第2の製版処理および第2の印刷モードの具
体例を挙げて説明しておく。
【0114】本実施形態では、マスタ8に形成される複
数の製版画像の面数に応じて用紙38の給送枚数を設定
できるようになっている。特に、マスタ8のサイズに対
して用紙サイズが小さい場合に、そのマスタ8に複数面
の製版画像が形成されたときには、制御装置100から
の指令により複数面の製版画像ごとに給紙ローラ35が
複数枚の用紙38を連続的に順次送り出すように給紙モ
ータ45が制御された後、レジストローラ対31,32
が複数面の製版画像の位置ごとにタイミングを合わせて
複数枚の用紙38を連続的に順次給送するようにレジス
トモータ50が制御される。
【0115】第1の製版処理とは、上述したように、サ
ーマルヘッド11が1版のマスタ8に対して1枚の用紙
38を対象とした製版画像を形成する製版処理動作であ
り、従来の孔版印刷装置等に搭載されている製版装置や
製版給版装置によって実行される通常の製版動作と同じ
ものである。同様に、第1の印刷モードとは、第1の製
版処理されたマスタ8を巻装した版胴1の1回転中に1
枚の用紙38を対応させて印刷する印刷動作であり、従
来の孔版印刷装置によって実行される通常の印刷動作と
同じものである。
【0116】これに対して、第2の製版処理は、図13
に具体的な一実施例として示したように、サーマルヘッ
ド11が1版のマスタ8に対して複数枚(以下、実施例
的には2枚とする)の用紙38を対象とし版胴1の回転
方向に沿って分割された複数(以下、実施例的には2面
とする)の製版画像を形成する製版処理動作である。
【0117】図13において、1版のマスタ8の左端側
が版胴1のクランパ7で係止・固定される先端余白部で
ある。1版のマスタ8のサイズとしては、一実施例的に
言えば、例えばA3サイズ(すなわち、マスタ搬送方向
X1(用紙搬送方向X)の長さで例えば530mm、そ
の幅方向の長さで例えば320mm)を用いているもの
として説明する。符号8Aは第2の製版処理の実行によ
って1版のマスタ8に形成される第1面の製版画像(以
下、「第1面製版画像」という)を、符号8Bは第2面
の製版画像(以下、「第2面製版画像」という)を表し
ている。図13に例示されているとおり、第1面製版画
像8Aおよび第2面製版画像8Bは、1枚の原稿133
の画像情報に基づいて図11に示す画像信号処理部15
1およびサーマルヘッド駆動制御部153を介してサー
マルヘッド11を駆動させて、版胴1の回転方向に沿っ
て1版のマスタ8に分割された2面の同一製版画像を形
成する同一画像製版モードを設定する同一画像製版モー
ド設定キー97の押下によって設定できる。
【0118】図示を省略しているが、互いに異なる異種
の第1面製版画像および第2面製版画像は、例えば2枚
の原稿133の画像情報に基づいて図11に示す画像信
号処理部151およびサーマルヘッド駆動制御部153
を介してサーマルヘッド11を駆動させて、版胴1の回
転方向に沿って1版のマスタ8に分割された2面の異種
製版画像を形成する異種画像製版モードを設定する異種
画像製版モード設定キー98の押下によって設定でき
る。
【0119】このように、第2の製版処理では、同一画
像製版モード設定キー97または異種画像製版モード設
定キー98を押下することにより、同一画像製版モード
および異種画像製版モードの何れか一方を選択すること
ができる。それ故に、同一画像製版モードを選択した場
合には、例えば同じ原稿133の画像情報に基づいて連
続して2枚の用紙38に印刷することで印刷時間を短縮
することができるし、異種画像製版モードを選択した場
合には、例えば2枚の原稿133の画像情報に基づい
て、1版のマスタ8を用いて一度に2頁分の印刷を行え
ることになる。
【0120】実施例的に上述したように、第1の印刷モ
ードが設定されたときには、1版のマスタ8に対して1
枚の用紙38への印刷が実行され、第2の印刷モードが
設定された場合には、1版のマスタ8に対して2枚の用
紙38への印刷が実行される。第2の印刷モードが設定
されたときの本発明の実施例としては、勿論上記した例
に限らず、3枚以上の用紙38を対象とした第2の製版
処理動作も可能であり、最大サイズのマスタ8に対して
3枚以上に分割した態様で用いられる用紙38のサイズ
のときには、その分割数に応じた製版画像の形成が行え
るものである。
【0121】第2の印刷モードが設定されたときに印刷
に使用される用紙サイズの具体例としては、例えばA4
サイズ(横、すなわち用紙搬送方向Xの長さで210m
m、その幅方向の長さで297mm)を用いるものとし
て説明する。なお、用紙搬送方向Xは、図13や図14
に括弧を付して示したように、用紙搬送方向Xと平行な
マスタ搬送方向X1および平面図的に展開した版胴1の
回転方向でもある。
【0122】図13において、版胴1上に巻装される1
版(1つ)のマスタ8に対して複数面の製版画像例とし
て示されているように、1版の製版済みのマスタ8に形
成された複数面の製版画像に対するレジストローラ対3
1,32による用紙38の用紙給送モードの態様として
は、例えば、1版のマスタ8(例えばA3サイズ)に対
して用紙搬送方向Xで前方(下流側)に位置する第1面
製版画像8Aと、後方(上流側)に位置する第2面製版
画像8Bとを所定の間隔LAをもって製版・形成し、そ
の第1面製版画像8Aに対応して給送される先行する1
枚目の用紙38a(図13の左側の用紙38であり、以
下、「先行用紙38a」という。例えばA4サイズ)と
第2面製版画像8Bに対応して給送される後続する2枚
目の用紙38b(図13の右側の用紙38であり、以
下、「後続用紙38b」という。例えばA4サイズ)を
所定の間隔LBをもって所定のタイミングを取って給送
する態様である(LA>LB)。この場合、上述したと
おり、2面の製版画像8A,8B同士が同じ内容のもの
であるときには版胴1の1回転中に2枚の用紙38(先
行用紙38aおよび後続用紙38b)への印刷が行え、
異なる内容のものであるときには版胴1の1回転中に原
稿2頁分の印刷が行えることになる。
【0123】版胴1上に巻装された1版のマスタ8に形
成する第1面製版画像と第2面製版画像とのマスタ搬送
方向X1における種々の間隔LAに対する間隔LBにつ
いての2枚の用紙38a,38bの用紙給送モードの態
様としては、図13に示した以外に、例えば図13に示
した第1面製版画像8Aと第2面製版画像8Bとのマス
タ搬送方向X1における所定の間隔LAよりもそれを詰
めて製版すると共に、図13に示した2枚の用紙38の
所定の間隔LBよりもそれを詰めて給送してもよい。こ
の場合の用紙給送モードの態様は、第1面製版画像8A
に対応して給送される先行用紙38aの搬送速度より
も、第2面製版画像8Bに対応して給送される後続用紙
38bのそれを所定時間だけ速めて給送する態様であ
る。
【0124】上記したと別の用紙給送モードの態様とし
ては、例えば図13に示した第1面製版画像8Aと第2
面製版画像8Bとのマスタ搬送方向X1における所定の
間隔LAよりもそれをさらに詰めて製版すると共に、図
13に示した先行用紙38aと後続用紙38bとの所定
の間隔LBを無くして一部重なるように、給送してもよ
い。この場合、第1面製版画像8Aに対応して送り出さ
れた先行用紙38aの搬送速度よりも、第2面製版画像
8Bに対応して給送される後続用紙38bのそれをさら
に速めて、すなわち給送タイミングを速めて先行用紙3
8aと後続用紙38bとの一部が重なるように給送する
態様である。
【0125】先行用紙38aおよび後続用紙38bを含
めた用紙38の給送タイミングは、レジストローラ対3
1,32(正確にはレジストローラ下32)の回転開始
時機、すなわちレジストモータ50の回転駆動開始時機
(起動時機)によって設定されるようになっている。
【0126】レジストローラ対31,32による用紙3
8の給送開始から給送完了までは、レジストローラ下3
2を回転駆動するレジストモータ50の回転量、つまり
レジストモータ50として用いられているステッピング
モータのステップ数および第2用紙センサ34による用
紙38の先端検知および後端検知により、また版胴セン
サ19による版胴1の回転量検知を参照して制御装置1
00で判断される。また、給紙ローラ35による用紙3
8の送り出し開始から送り出し完了までは、給紙ローラ
35を回転駆動する給紙モータ45の回転量、つまり給
紙モータ45として用いられているステッピングモータ
のステップ数および第1用紙センサ33による用紙38
の先端検知および後端検知により、また版胴センサ19
による版胴1の回転量検知を参照して制御装置100で
判断される。版胴1とプレスローラ21との圧接による
用紙38への印刷開始から印刷完了までは、メインモー
タ17の回転量、つまり給紙レジストセンサ120およ
び版胴センサ19による版胴1の印刷開始時機およびそ
の回転量検知により、制御装置100で判断される(図
15参照)。
【0127】図12のタイミングチャートおよび図13
において、1版のマスタ8に対して第1面製版画像8A
および第2面製版画像8Bを所定の間隔LAをもって形
成した場合に、第1面製版画像8Aおよび第2面製版画
像8Bに対応して2枚の用紙38a,38bを所定の間
隔LBをもって所定の給送タイミングを取って給送する
内容が示されている。給紙ローラ35の回転(オン)に
より第1面製版画像8Aに対応して先行用紙38aが送
り出されると、第1面製版画像8Aとのレジストタイミ
ングを取ってレジストローラ下32が回転を開始(オ
ン)されることにより先行用紙38aが版胴1に向けて
給送され、次いで、所定時間経過後に第2面製版画像8
Bに対応して、第1面製版画像8Aの場合と同様に後続
用紙38bの送り出し・給送が連続して行われる。
【0128】次に、制御装置100による制御の下にな
される動作について説明する。 (動作例1)まず、図1ないし図11、図16および図
17を参照して、動作例1について説明する。この動作
例1は、図16および図17に示すフローチャートに第
1の印刷モードに係る動作として表されている。図17
に示すステップS16以外は従来の孔版印刷装置に係る
動作と同様であるため、ステップS1における第1の印
刷モードの設定から版付け動作に至るまでの細部動作の
図示はステップS2における製版処理を除き省略してい
る。動作例1では、第1の印刷モードに係る動作を理解
しやすくするために、実施例的に原稿サイズ検知センサ
群149と用紙サイズ検知センサ群117とが使用され
ると共に、マスタサイズとしてA3のものが、原稿サイ
ズおよび用紙サイズとして、それぞれA3サイズのもの
が用いられるものとする。
【0129】先ず、ユーザが上記電源スイッチをオンす
ると、第1の印刷モードが自動的に設定されて、第1の
印刷モード設定表示ランプ95が点灯する(ステップS
1参照)。次いで、ADF148の原稿受け台134に
A3サイズの原稿133がセットされ、これに前後して
印刷に使用する用紙サイズとしてA3サイズの用紙38
を給紙トレイ37上に補充積載する。このとき、用紙サ
イズ検知センサ群117により、給紙トレイ37上に積
載された用紙38の用紙サイズとしてA3サイズが自動
的に検出され、その信号が制御装置100へ送信されR
AM103に記憶される。なお、給紙トレイ37上に所
定の用紙サイズの用紙38が積載収容されていないとき
や用紙38が無いときには、操作パネル80における液
晶表示部85のメッセージ表示部86および絵表示部8
7にその旨の警告表示がなされる。
【0130】次いで、操作パネル80の製版スタートキ
ー81が押されると製版スタート信号が生成されて、こ
れが制御装置100に入力されることによって排版から
排紙に亘る一連の動作が自動的に行われる。最初に排版
動作と並行して製版動作が行われるが、これに先後し
て、上記給紙トレイ昇降モータがオンすることにより給
紙トレイ37が上昇して、最上の用紙38が給紙ローラ
35に当接することにより、図示しない給紙位置検知セ
ンサのオン検知によって最上の用紙38が給紙可能な状
態になったことが制御装置100により判断されると、
給紙装置30では給紙待機状態となる。
【0131】メインモータ17が回転駆動されることに
より版胴1が回転し、上記排版装置により、版胴1に巻
装されている使用済みのマスタ8が剥離され上記排版箱
に搬送・排出される。次いで、版胴1はクランパ7が図
1において略右真横位置となる給版位置まで回転して停
止し、クランパ7が上記開閉装置により開放されて給版
待機状態となる。
【0132】版胴1が給版位置で停止するのに前後して
上記排版動作と並行して、原稿読取装置20のADF1
48が作動することにより1枚の原稿133が読取部で
あるコンタクトガラス135上に送出されると、スキャ
ナ装置132の作動によってその原稿133の画像が光
学情報として読み取られる。この時、原稿サイズ検知セ
ンサ群149により、原稿受け台134上にセットされ
た原稿133の原稿サイズとしてA3サイズが自動的に
検出され、その信号が制御装置100へ送信される。さ
らに、読み取られた原稿反射の光学情報は、画像センサ
190によってアナログの電気信号に変換される。その
アナログの電気信号はA/D変換部150でデジタル信
号に変換された後に、画像信号処理部151を介して、
デジタル画像信号データとして画像メモリ152に一度
記憶される。画像信号処理部151は、画像メモリ15
2に記憶格納されている製版すべき画像情報としてのデ
ジタル画像信号データを順次呼び出しながら、版胴1に
巻装される1枚のマスタ8としての1版のマスタ8に形
成されるべき製版画像に対応した画像情報の画像領域を
検知・認識し、その画像領域に係る信号を制御装置10
0へ送信する。ここで、画像領域とは、マスタ8に形成
されるべき製版画像に対応した画像情報の最外縁部の大
きさを意味する。
【0133】ここで、制御装置100は、用紙サイズと
1版のマスタ8に形成されるべき製版画像のサイズとが
合っているか否かを判断する。ここでは、用紙サイズと
1版のマスタ8に形成されるべき製版画像のサイズとが
合っているので、問題なく動作が進行する。しかし、用
紙サイズと製版画像のサイズとが合っていないときや、
用紙サイズと、上記変倍率設定キーで設定した変倍率に
よって変倍された製版画像のサイズとが合わないと制御
装置100が判断・認識するとき、制御装置100から
の指令によって液晶表示部85のメッセージ表示部86
および絵表示部87にその旨の警告表示がなされる。ユ
ーザはメッセージ表示部86および絵表示部87の警告
表示内容を見て、適切な用紙サイズの用紙38を選択・
積載したり、上記変倍率設定キーで適切な変倍率に変更
する操作等を行うこととなる。
【0134】上記動作と同時的に、画像信号処理部15
1は、サーマルヘッド11の上記発熱素子を発熱駆動制
御するためのデジタル画像信号をサーマルヘッド駆動制
御部153へ送信する。ステップS2において、サーマ
ルヘッド駆動制御部153より送出されるデジタル画像
信号によって、サーマルヘッド11の上記多数の発熱素
子が主走査方向にパルス状に通電されて選択的に発熱さ
れると共に、マスタ搬送モータ10Aが回転駆動される
ことにより、プラテンローラ10、搬送ローラ対12,
12および反転ローラ対14,14が回転を開始して、
マスタロール8aからマスタ8が引き出されつつマスタ
搬送方向X1に搬送されながら、マスタ8の上記熱可塑
性樹脂フィルム部分が画像情報に応じて選択的に加熱穿
孔される製版が行われる。この製版初期時から版胴1へ
の製版済みのマスタ8の給版時(後述する)までは、反
転ローラ対14,14の上記電磁クラッチはオンされて
いて、マスタ搬送モータ10Aの回転駆動力が反転ロー
ラ対14,14に伝達される状態にある。
【0135】そして、マスタ8の先端部がガイド板15
に案内されてステージ6に対して拡開しているクランパ
7の間に挿入され、反転ローラ対14,14等が所定の
角度回転して、これに対応してマスタ搬送モータ10A
のステップ数がある設定値に達し、製版済みのマスタ8
の先端部がステージ6とクランパ7との間に届いたと判
断されると、上記開閉装置によりクランパ7が閉じら
れ、製版済みのマスタ8の先端部がステージ6とクラン
パ7との間に吸着・挾持される。
【0136】製版済みのマスタ8の先端部のクランプ
後、メインモータ17の回転駆動により版胴1が回転を
再開して、製版済みのマスタ8が反転ローラ対14,1
4により搬送されて版胴1の外周面へ巻装されるべく給
版されるが、この版胴1の外周面への巻装時には巻装シ
ワを発生させることなく行われる。この時、上記電磁ク
ラッチがオフすることにより、版胴1の回転力によって
マスタ8を介して反転ローラ対14,14が連れ回り・
従動回転することとなるので、マスタ8に適度な張力が
作用して巻装シワの発生をより確実に防止することがで
きる。
【0137】マスタ搬送モータ10Aの所定ステップ数
の回転駆動により、マスタ8への製版および設定量の製
版済みのマスタ8の搬送が終了したと判断されると、カ
ッタ13が作動して製版済みのマスタ8が切断されると
共に、マスタ搬送モータ10Aの回転駆動が停止される
ことによりプラテンローラ10、搬送ローラ対12,1
2および反転ローラ対14,14の回転が停止する。
【0138】そして、切断された製版済みのマスタ8の
後端が、版胴1の回転によって製版装置16内から引き
出され、版胴1の外周面に完全に巻き取られた段階で版
胴1への製版済みのマスタ8の巻装が終了する。ここ
で、製版済みのマスタ8の版胴1の外周面への巻装長さ
は、プレスローラ21がマスタ8の後端より外れて版胴
1における開口部1aの後部領域に対して押圧すること
によるプレスローラ21の汚れを防止するために、版胴
1から離間する点よりもやや長目に設定されている。
【0139】版胴1への製版済みのマスタ8の巻装が完
了すると、版胴1が所定の周速度で図1に示す矢印方向
に回転し始めることにより、給紙・印刷工程が開始され
る。なお、用紙38の先端が第2用紙センサ34を横切
り・通過するまでは、換言すれば第2用紙センサ34に
より用紙38の先端がオン検知されるまでは、制御装置
100によって係止手段64の第1ソレノイド62がオ
フされたままに制御されているため変位手段29は非作
動状態にあり、これによりプレスローラ21は非印刷位
置、すなわち版胴1の外周面から離間した初期位置で保
持されている。説明の都合上から、給紙・印刷・排紙動
作については、不送りやジャムあるいは用紙38の巻き
上がり等が発生しない正常に印刷される場合の動作を始
めに説明する(図16および図17に示すフローチャー
トのステップS3ないしステップS13参照)。
【0140】版胴1が矢印方向に回転して、先ず、図5
に示した給紙開始用遮光板121が給紙レジストセンサ
120と係合することにより、給紙レジストセンサ12
0がオンして給紙スタート信号が生成され、この信号が
トリガとなって給紙モータ45が起動(回転駆動開始)
する。給紙モータ45が図6において時計回りに回転駆
動されることにより、給紙モータプーリ46、給紙モー
タベルト48、給紙ローラプーリ47および上記ワンウ
ェイクラッチを介して、給紙ローラ軸35aおよび給紙
ローラ35が時計回りに回転することで、給紙ローラ3
5と接触している給紙トレイ37上の最上の用紙38
が、搬送されながら分離部材36との協働作用によって
1枚に分離されて用紙搬送方向Xの下流側であるレジス
トローラ対31,32のニップ部に向けて給送される
(ステップS3およびステップS4参照)。
【0141】図1において、給紙ローラ35の回転によ
り用紙38の先端がレジストローラ対31,32のニッ
プ部に向けて正常に給送され、すなわち用紙38の先端
が、上記タイマで計時される所定の時間内(あるいは給
紙モータ45に供給される所定のパルス数内、以下、こ
の括弧内の記載を省略する)に第1用紙センサ33によ
り検知されて第1用紙センサ33がオン(以下、「オン
検知」という)し、この信号が制御装置100に入力さ
れる。この後、制御装置100からの指令に基づき、給
紙モータ35は所定のパルス数(所定のステップ数)分
回転した後停止する。この時、レジストローラ接離手段
40におけるレジストカム43の版胴1の回転に同期し
た所定の回転・タイミングによって、レジストローラ上
31が下降してレジストローラ下32に当接すること
で、所定のニップ部が形成される。
【0142】用紙38は、給紙モータ35が停止するま
での間、第1用紙センサ33で検知された位置から所定
ステップ数分送られることによって、レジストローラ対
31,32のニップ部で用紙38の先端が当接した後、
用紙38の先端部に所定の湾曲した撓みが形成された状
態で保持される。
【0143】ここで、用紙38が正常に送り出されたこ
とは、次のことに基づく。すなわち、給紙ローラ35の
配置位置(分離部材とのニップ部中心)から第1用紙セ
ンサ33の配置位置(用紙38の先端を検知できる位
置)までの用紙搬送経路XAの距離は一定であるため、
給紙ローラ35の回転速度(周速度、換言すれば用紙3
8の搬送速度でもある)を一定とし、かつ、用紙38が
正常に送り出されたとすれば上記距離について用紙38
が搬送されるに要する時間あるいは給紙モータ45に供
給されるパルス数も所定の時間内あるいはパルス数内と
なる(ステップS5およびステップS6参照)。
【0144】次いで、版胴1が図1における矢印方向に
さらに回転して、レジスト開始用遮光板122が給紙レ
ジストセンサ120と係合することにより、給紙レジス
トセンサ120がオンしてレジストスタート信号が生成
され、この信号がトリガとなってレジストモータ50が
起動(回転駆動開始)する。レジストモータ50が図6
において反時計回りに回転駆動され、レジストモータプ
ーリ51、レジストモータベルト53およびレジストロ
ーラプーリ52を介して、レジスト下軸32aおよびレ
ジストローラ下32が反時計回りに回転することで、レ
ジストローラ対31,32のニップ部で当接して待機し
ている用紙38の先端が、レジストローラ上31とで押
圧されながら給送され、版胴1とプレスローラ21との
間に向けて送り出される(ステップS7およびステップ
S8参照)。
【0145】次いで、ステップS9において、レジスト
ローラ対31,32により給送された用紙38の通過が
正常に行われ、すなわち用紙38の先端が、上記タイマ
で計時される所定の時間内(あるいはレジストモータ5
0に供給される所定のパルス数内、以下、この括弧内の
記載を省略する)に第2用紙センサ34によってオン検
知されることによって、この信号が制御装置100に入
力される。そして、制御装置100からの指令に基づき
係止手段64の第1ソレノイド62に通電がなされ、第
1ソレノイド62がオンすることにより変位手段29を
作動させる。
【0146】ここで、用紙38が版胴1とプレスローラ
21との間に向けて正常に送り出されたことは、次のこ
とに基づく。すなわち、レジストローラ対31,32の
配置位置(ニップ部中心)から第2用紙センサ34の配
置位置(用紙38の先端を検知できる位置)までの用紙
搬送経路XAの距離は一定であるため、レジストモータ
50の回転速度(周速度、換言すれば用紙38の搬送速
度でもある)を一定とし、かつ、用紙38が正常に給送
されたとすれば上記距離について用紙38が給送される
に要する時間あるいはレジストモータ50に供給される
パルス数も所定の時間内あるいはパルス数内となること
に基づく。
【0147】第1ソレノイド62がオンすることで、プ
ランジャ62aが吸引され、これにより係止部材60が
引張バネ63の付勢力に抗して支軸61を中心に反時計
回りに揺動し、係止部材60の係止爪60aに切欠23
aを係止させている加圧アーム23の他端部側は、その
係止を解除されて加圧バネ25の付勢力によってアーム
軸22aを中心に時計回りに揺動する。加圧アーム23
の他端部側の揺動により、カムフォロア24の外周面が
印圧カム27の輪郭周面と当接し、カムフォロア24の
外周面が印圧カム27の小径部周面と対向し非当接状態
となる印圧カム27の回転位置で、プレスアーム対2
2,22はアーム軸22aを中心に加圧バネ25の付勢
力によって時計回りに揺動し上昇することとなる。これ
により、プレスローラ21は、その外周面が版胴1上の
製版済みのマスタ8に用紙38を押し付ける印刷位置に
変位して、プレスローラ21は従動回転しながら版胴1
上の製版済みのマスタ8に用紙38を連続的に押し付け
ることで、製版済みのマスタ8を版胴1の外周面に密着
させそれにインキを充填させるためのいわゆる版付けが
行われる。この版付けでは、版胴1の開口部1aの開孔
部分から製版済みのマスタ8の穿孔部分へとインキが滲
み出てきて用紙38の表面に転移されることで孔版印刷
が行われる。
【0148】この時、インキローラ2も版胴1の回転方
向と同一方向に回転する。インキ溜まり4のインキは、
インキローラ2の回転によりインキローラ2の表面に付
着され、インキローラ2とドクターローラ3との間隙を
通過する際にその量を規制され、版胴1の内周面に供給
される。またこの時、レジストローラ接離手段40にお
けるレジストカム43の所定の回転・タイミングによっ
て、レジストローラ上31は、版胴1の所定の回転位置
でレジストローラ下32から上昇して離間すると共に、
レジストモータ50も所定のパルス数(所定のステップ
数)分回転駆動された後停止する。
【0149】なお、版胴1が図1中矢印方向に回転し
て、クランパ7が版胴1に圧接しているプレスローラ2
1の近傍に至ると、版胴1の回転と同期して回転駆動さ
れていた印圧カム27が、その大径部周面をカムフォロ
ア24の外周面に接する位置に回転させているので、プ
レスローラ21は版胴1の外周面から外側へ突出してい
るクランパ7から離間することとなり、プレスローラ2
1とクランパ7部位との干渉が避けられる。
【0150】そして、版付け・孔版印刷された用紙38
はプレスローラ21で押圧された状態で版胴1の図1中
矢印方向の回転によってさらに搬送され、その用紙38
の先端および後端が排紙センサ39によりオン検知され
ると、版胴1上の製版済みのマスタ8に巻き上がること
なく正常に搬送されたと制御装置100により判断され
る(ステップS10ないしステップS12参照)。
【0151】こうして版付け・孔版印刷された用紙38
の先端部は、版胴1の外周面に接近する剥離爪55によ
り版胴1上の製版済みのマスタ8から剥離され、剥離さ
れた用紙38は排紙トレイ59に排出・積載される。一
方、プレスローラ21が版胴1の外周面に当接した時点
より版胴1が略4分の3周し、印圧カム27の大径部周
面とカムフォロア24とが接する時点、つまり、係止部
材60の係止爪60aと加圧アーム23の切欠23aと
が係止可能な時点において、制御装置100からの指令
により第1ソレノイド62への通電が遮断(オフ)され
る。すると、係止部材60は、引張バネ63の付勢力に
より支軸61を中心として時計回りに揺動され、その係
止爪60aに加圧アーム23の切欠23aが係止され
る。これにより、プレスローラ21は、版胴1の外周面
から離れた非印刷位置(初期位置)に復帰して保持され
て、印刷待機状態となる。
【0152】また、給紙ないしは版付け中において、プ
ラテンローラ10、搬送ローラ対12,12および反転
ローラ対14,14が回転を再開して、切断されたマス
タ8の先端が反転ローラ対14,14のニップ部に向け
て送り込まれる。マスタ搬送モータ10Aのパルス数か
ら、切断されたマスタ8の先端が反転ローラ対14,1
4のニップ部に届き挟持されたと判断されると、プラテ
ンローラ10、搬送ローラ対12,12およびおよび反
転ローラ対14,14の回転が停止し、次の製版に備え
た製版待機状態になる。
【0153】版付け終了後、ユーザは排紙トレイ59に
排出された印刷物を適宜目視して、通常の印刷動作を行
ってもよいかどうかを適宜判断し、オーケーであればテ
ンキー83で印刷枚数を設定し、印刷スタートキー82
を押すと、上記したと同様の給紙、通常印刷および排紙
の各動作がテンキー83で設定された設定枚数分につい
て順次行われる。なお、版付けされた用紙38の枚数
は、正規の通常の印刷枚数としてカウントされないよう
になっている(ステップS13参照)。通常の印刷動作
は、版付け時の印刷動作と比較して、上記したように版
付け印刷に用いられた用紙38の枚数が正規の通常の印
刷枚数としてカウントされないこと、およびユーザが所
望する設定印刷速度に応じた速度での給紙、印刷および
排紙の各動作が行われることが主に相違するだけであ
る。
【0154】次に、図16および図17のフローチャー
トを参照しながら、給紙・印刷・排紙動作について、不
送りやジャムあるいは用紙38の巻き上がり等が発生し
た場合の異常動作を説明する。
【0155】上述したと同様にステップS1からステッ
プS4に至る動作が行われて、版胴1が所定の位置に回
転した時に、給紙モータ45の起動を介しての給紙ロー
ラ35の回転により、用紙38の先端がレジストローラ
対31,32のニップ部に向けて送り出されたにも拘ら
ず、用紙38の先端が、上記タイマで計時される所定の
時間内に第1用紙センサ33により検知されなかった場
合には、制御装置100は第1用紙センサ33の配置位
置よりも用紙搬送経路XAの上流側に用紙38が留まっ
ていると判断して、第1ソレノイド62をオフしたまま
でのプレスローラ21の上昇をロック、すなわちプレス
ローラ21が非印刷位置を占めたままでの印圧解除状態
が保持される(ステップS5およびステップS14参
照)。
【0156】そして、上記したプレスローラ21の上昇
がロックされた直後のステップS15において、制御装
置100からの指令により操作パネル80のメッセージ
表示部86に用紙38の搬送ミス・ジャムの警告表示が
なされると共に、絵表示部87にその搬送ミス・ジャム
の発生箇所が点灯もしくは点滅表示され、これと同時に
メインモータ17等の回転駆動が停止する。
【0157】ユーザは、メッセージ表示部86に表示さ
れた排紙ミス・ジャム警告表示および絵表示部87に表
示された排紙ミス・ジャム発生箇所を視認した上、給紙
装置30配置箇所のフロントカバー等を開けてジャム紙
の除去作業等を行う。ジャム用紙除去後、ステップS3
からの再スタートとなる。
【0158】次に、ステップS3からステップS8まで
の動作が上記した正常の動作と同様に行われた場合、す
なわち上記タイマで計時される所定の時間内に用紙38
の先端が第1用紙センサ33で検知され、その後の動作
がステップS8まで正常に行われた場合には、以下のよ
うになる。つまり、レジストローラ対31,32の回転
により給送されたはずの用紙38の先端が第2用紙セン
サ34により検知されなかった場合には、用紙38の先
端の位置について2つの場合が想定される。
【0159】すなわち、用紙38の先端が第1用紙セン
サ33により検知されているにも拘らずレジストローラ
対31,32のニップ部まで届いていないためにレジス
トローラ対31,32で給送されなかった第1の場合
と、レジストローラ対31,32で給送されたが同ニッ
プ部でのスリップ量の過大等によって、第2用紙センサ
34の配置位置(用紙38の先端が検知できる位置)ま
で給送されなかった第2の場合とが想定される。この2
つの場合の何れかであるかは、レジストローラ対31,
32に特別の検出手段等を配設しない限り判別できない
ので、以下区別せずに同様の給送不良として扱う。
【0160】ステップS9において、所定の時間内に第
2用紙センサ34によって用紙38の先端がオン検知さ
れなかった場合には、制御装置100は第1用紙センサ
33の配置位置(用紙38の先端が検知できる位置)よ
りも下流側であって第2用紙センサ34の配置位置(用
紙38の先端が検知できる位置)よりも上流側の用紙搬
送経路XAに用紙38が留まっていると判断して、ステ
ップS14に進み、上記したと同様に第1ソレノイド6
2をオフしたままでのプレスローラ21が非印刷位置を
占めたままでの印圧解除状態が保持される。そして、上
記したと同様にステップS15において、メッセージ表
示部86に用紙38の搬送ミス・ジャムの警告表示がな
されると共に、絵表示部87にその搬送ミス・ジャムの
発生箇所が点灯もしくは点滅表示され、これと同時にメ
インモータ17等の回転駆動が停止する。
【0161】ユーザは、上記したと同様にメッセージ表
示部86に表示された排紙ミス・ジャム警告表示および
絵表示部87に表示された排紙ミス・ジャム発生箇所を
視認した上、上記フロントカバー等を開けてジャム紙の
除去作業等を行う。ジャム用紙除去後、ステップS3か
らの再スタートとなる。
【0162】次に、ステップS3からステップS11ま
での動作が上記した正常の動作と同様に行われた場合に
は、孔版印刷された用紙38はプレスローラ21で押圧
された状態で版胴1の図1中矢印方向の回転によってさ
らに搬送され、ステップS12において、その用紙38
の先端が排紙センサ39によりオン検知されたか否かが
判断され、上記タイマで計時される所定の時間内に印刷
済みの用紙38の先端が排紙センサ39によりオン検知
されなかった場合や所定の時間内に印刷済みの用紙38
の後端が排紙センサ39によりオン→オフ検知されなか
った場合には、制御装置100は用紙38が版胴1上の
製版済みのマスタ8にインキの粘着力により貼り付いて
巻き上がったと判断して、ステップS16において制御
装置100は直ちに緊急押圧解除手段79を作動させ
る。これと同時に、ステップS17において制御装置1
00は係止手段64を作動させる。
【0163】すなわち、制御装置100からの指令によ
り図3に示す状態にある第2ソレノイド77がオンされ
ることによって、プランジャ77aがスプリング78の
付勢力に抗して図4中矢印上向きに引き上げられること
で、ストッパ76の第1係合部76aとスリーブ72の
凸部72aとの係合が解除されると、図2においてスプ
リングクラッチ73が接続された状態となる。これによ
り、クラッチ胴71、スリーブ72、スプリングクラッ
チ73およびクラッチギヤ70が一体で回転し、上記駆
動手段(メインモータ17)の回転力が解除カム軸6
8、解除カム駆動ギヤ66と噛合する解除カムギヤ65
を介して解除カム67に伝達されて、解除カム67の大
径部が図1において略右真横位置となるまで時計回りに
回転してカムフォロア24を押し付けることとなり、加
圧アーム23がアーム軸22aを中心として反時計回り
に回転する。
【0164】一方、ストッパ76の第2係合部76bと
スリーブ72の凸部72aとが係合することにより、ス
プリングクラッチ73の接続が再び断たれて、解除カム
67の大径部が図1において略反対位置まで回転した後
にその位置で保持される。これにより、カムフォロア2
4が解除カム67の大径部に乗り上げた状態で保持され
て、プレスローラ21が版胴1との押圧状態から緊急的
に離間して略非印刷位置を占めた状態で保持されること
となる。この時には既に、制御装置100からの指令に
より係止手段64の第1ソレノイド62がオフされてい
ることにより変位手段29が作動していて、プレスロー
ラ21が非印刷位置を占めた初期位置状態に復帰・保持
される(ステップS16およびステップS17参照)。
【0165】そして、制御装置100からの指令により
操作パネル80のメッセージ表示部86に巻き上がりの
警告表示がなされると共に、絵表示部87にその巻き上
がりの発生箇所が点灯もしくは点滅表示され、これと同
時にメインモータ17等の回転駆動が停止する(ステッ
プS18参照)。ユーザは、メッセージ表示部86に表
示された巻き上がり警告表示および絵表示部87に表示
された巻き上がり発生箇所を視認した上、版胴1配置箇
所のフロントカバー等を開けて巻き上がり紙の除去作業
等を行う。
【0166】巻き上がり紙除去した後の所定時間後、制
御装置100からの指令により第2ソレノイド77がオ
フされる。これにより、スプリング78の付勢力によっ
てストッパ76が図4に示したとは反対の時計回りに回
転することにより、ストッパ76の第2係合部76bと
スリーブ72の凸部72aとの係合が解除されること
で、スプリングクラッチ73が再度接続された状態とな
る。これにより、上記したと同様にクラッチ胴71等と
クラッチギヤ70が一体で回転し、上記駆動手段の回転
力が解除カム軸68、解除カム駆動ギヤ66と噛合する
解除カムギヤ65を介して解除カム67に伝達されて、
解除カム67の大径部が図1に示す位置近傍に回転さ
れ、次いでストッパ76が所定角度回転して図3に示す
ようにストッパ76の第1係合部76aがスリーブ72
の凸部72aと係合することによって、スプリングクラ
ッチ73の接続が再度断たれて、解除カム67の大径部
が図1に示す初期位置まで回転した後その位置で保持さ
れることとなる。この時、第1ソレノイド62がオフ制
御されていることにより、プレスローラ21が非印刷位
置に保持されている。そして、ステップS3からの再ス
タートとなり、上記した給紙動作および印刷動作が再開
される。
【0167】(動作例2)次に、図1ないし図19を参
照して、動作例2について説明する。この動作例2は、
図16、図18および図19に示すフローチャートに第
2の印刷モードに係る動作として表されている。第2の
印刷モードに係る動作例2は、本発明に特有の動作を多
く含んでいる。動作例2では、第2の印刷モードに係る
動作を理解しやすくするために、実施例的に原稿サイズ
検知センサ群149と用紙サイズ検知センサ群117と
が使用されると共に、マスタサイズとしてA3のもの
が、原稿サイズとしてA4サイズのものが、用紙サイズ
としてA4サイズのものがそれぞれ用いられるものとす
る。以下、動作例1と相違する点を中心に説明する。
【0168】動作例2は、図18のステップS20から
始まる。動作例1で説明したように、先ず、ユーザが上
記電源スイッチをオンすると、第1の印刷モード設定表
示ランプ95が点灯して第1の印刷モードが自動的に設
定される(ステップS1参照)ので、ユーザは第2の印
刷モードを設定するために第2の印刷モード設定キー9
6を1回押すと、第2の印刷モード設定に係る信号が生
成されてその信号が制御装置100に送信・入力されR
AM103に記憶される。これにより、第2の印刷モー
ド設定キー96に内蔵されているLEDが点灯するの
で、ユーザは第2の印刷モードが設定されたことを視認
することができる。次いで、ステップS20において、
第2の製版処理における同一画像製版モードおよび異種
画像製版モードの何れが選択・設定されたか否かが判断
される。ここでは同一画像製版モードを選択・設定する
ものとして同一画像製版モード設定キー97を押下する
と、同一画像製版モード設定に係る信号が生成されてそ
の信号が制御装置100に送信・入力されRAM103
に記憶される。これにより、同一画像製版モード設定キ
ー97に内蔵されているLEDが点灯するので、ユーザ
は同一画像製版モードの設定完了を視認することができ
る。
【0169】第2の印刷モードの設定完了状態では、用
紙サイズは版胴1に巻装される1版のマスタ8の最大サ
イズよりも小さいサイズ、すなわち本実施形態および動
作例2ではマスタ8のサイズ(ここではA3サイズ)の
半分のサイズの用紙38(ここではA4サイズ)の選択
を前提としている。
【0170】次いで、ADF148の原稿受け台134
にA4サイズの原稿133がセットされ、これに前後し
て印刷に使用する用紙38のサイズとしてA4サイズの
ものを給紙トレイ37上に補充積載する。このとき、用
紙サイズ検知センサ群117により、給紙トレイ37上
に積載された用紙38の用紙サイズとしてA4サイズが
自動的に検出され、その信号が制御装置100へ送信さ
れるRAM103に記憶される。動作例1と同様に、給
紙トレイ37上に所定の用紙サイズの用紙38が積載収
容されていないときや用紙38が無いときには、メッセ
ージ表示部86および絵表示部87にその旨の警告表示
がなされる。
【0171】次いで、製版スタートキー81が押される
と、動作例1と同様に排版から排紙に亘る一連の動作が
自動的に行われる。動作例1と同様にして、給紙トレイ
37の最上の用紙38が給紙可能な状態になったことが
制御装置100により判断されると、給紙装置30では
給紙待機状態となる。動作例1と同様の排版動作が行わ
れた後、版胴1は動作例1と同様に給版待機状態とな
る。
【0172】動作例1と同様に、版胴1が給版位置で停
止するのに前後して上記排版動作と並行して、原稿読取
装置20のADF148が作動することにより1枚の原
稿133がコンタクトガラス135上に送出されると、
スキャナ装置132の作動によってその原稿133の画
像が光学情報として読み取られる。この時、原稿サイズ
検知センサ群149により、原稿受け台134上にセッ
トされた原稿133の原稿サイズとしてA4サイズが自
動的に検出され、その信号が制御装置100へ送信され
る。さらに、読み取られた原稿反射の光学情報は、画像
センサ190によってアナログの電気信号に変換され、
動作例1と同様にしてデジタル画像信号データとして画
像メモリ152に一度記憶される。
【0173】この時、制御装置100により、マスタ8
のサイズ(A3サイズ)に対する用紙サイズ(A4サイ
ズ)からマスタ8に形成可能な製版画像の面数(以下、
「製版面数」という)が割り出され、図13に例示した
ように第1面製版画像8Aと第2面製版画像8Bとの所
定の間隔LAに応じた用紙給送モードが設定される。マ
スタ8の製版面数割り出しに際しては、図12に示した
用紙38の送り出し・給送タイミングが設定される(ス
テップS21およびステップS22参照)。
【0174】ここでは説明の簡明化のため用紙給送モー
ドの設定を図13に例示したものに限定したが、これに
限らず、上述したような各種用紙給送モードの設定態様
もある。なお、図12に示した用紙38の送り出し・給
送タイミングおよび用紙給送モードの態様以外を設定・
指定するために、用紙給送モード設定手段としての用紙
給送モード設定キーを上記した操作パネル80に付加す
ると共に、上記実施形態の制御構成に組み込むことによ
って、用紙38の送り出し・給送タイミングおよび用紙
給送モードを設定してもよい。
【0175】画像信号処理部151は、画像メモリ15
2に記憶格納されている製版すべき画像情報としてのデ
ジタル画像信号データを順次呼び出しながら、版胴1に
巻装される1版のマスタ8に形成されるべき複数面の製
版画像(実施例的には図13に例示したように第1面製
版画像8Aおよび第2面製版画像8B)に対応した画像
情報の画像領域を検知・認識し、その画像領域に係る信
号を制御装置100へ送信する。
【0176】ここで、制御装置100は、用紙サイズと
1版のマスタ8に形成されるべき製版画像のサイズとが
合っているか否かを判断する。ここでは、用紙サイズ
(A4サイズ)と1版のマスタ8に形成されるべき複数
面の製版画像(実施例的には図13に例示したように第
1面製版画像8Aおよび第2面製版画像8B:共にA4
サイズ)のサイズとが合っているので、問題なく動作が
進行する。しかし、用紙サイズと製版画像のサイズとが
合っていないときや、用紙サイズと、上記変倍率設定キ
ーで設定した変倍率によって変倍された製版画像のサイ
ズとが合わないと制御装置100が判断・認識すると
き、制御装置100からの指令によって液晶表示部85
のメッセージ表示部86および絵表示部87にその旨の
警告表示がなされる。ユーザはメッセージ表示部86お
よび絵表示部87の警告表示内容を見て、適切な用紙サ
イズの用紙38を選択・積載したり、上記変倍率設定キ
ーで適切な変倍率に変更する操作等を行うこととなる。
【0177】上記動作と同時的に、画像信号処理部15
1は、サーマルヘッド11の上記発熱素子を発熱駆動制
御するためのデジタル画像信号をサーマルヘッド駆動制
御部153へ送信する。ステップS23において、製版
処理動作が行われる。すなわち、サーマルヘッド駆動制
御部153より送出されるデジタル画像信号によって、
サーマルヘッド11の上記多数の発熱素子が主走査方向
にパルス状に通電されて選択的に発熱されると共に、マ
スタ搬送モータ10Aが回転駆動されることにより、プ
ラテンローラ10、搬送ローラ対12,12および反転
ローラ対14,14が回転を開始して、マスタロール8
aからマスタ8が引き出されつつマスタ搬送方向X1に
搬送されながら、マスタ8の上記熱可塑性樹脂フィルム
部分が画像情報に応じて選択的に加熱穿孔される製版が
行われる。この時の製版内容は、制御装置100の制御
の下で、サーマルヘッド駆動制御部153が、ビットマ
ップメモリからなる画像メモリ152に取り込まれ記憶
されている製版すべき画像情報としてのデジタル画像信
号データを順次呼び出しながら、複数面の製版画像、す
なわち実施例的には図13に例示したように同一の第1
面製版画像8Aおよび第2面製版画像8Bを1版のマス
タ8のマスタ搬送方向X1の前後2面に形成するように
サーマルヘッド11を駆動させることで行われる。この
製版初期時から版胴1への製版済みのマスタ8の給版時
(後述する)までは、反転ローラ対14,14の上記電
磁クラッチはオンされていて、マスタ搬送モータ10A
の回転駆動力が反転ローラ対14,14に伝達される状
態にある。
【0178】そして、動作例1と同様にして、マスタ8
の先端部がガイド板15に案内されてステージ6に対し
て拡開しているクランパ7の間に挿入され、反転ローラ
対14,14等が所定の角度回転して、これに対応して
マスタ搬送モータ10Aのステップ数がある設定値に達
し、製版済みのマスタ8の先端部がステージ6とクラン
パ7との間に届いたと判断されると、上記開閉装置によ
りクランパ7が閉じられ、製版済みのマスタ8の先端部
がステージ6とクランパ7との間に吸着・挾持される。
製版済みのマスタ8の先端部のクランプ後、メインモー
タ17の回転駆動により版胴1が回転を再開して、製版
済みのマスタ8が反転ローラ対14,14により搬送さ
れ、動作例1と同様の動作を介して、版胴1の外周面へ
巻装シワを発生させることなく巻装される。
【0179】マスタ搬送モータ10Aの所定ステップ数
の回転駆動により、マスタ8への製版および設定量の製
版済みのマスタ8の搬送が終了したと判断されると、カ
ッタ13が作動して製版済みのマスタ8が切断されると
共に、マスタ搬送モータ10Aの回転駆動が停止される
ことによりプラテンローラ10、搬送ローラ対12,1
2および反転ローラ対14,14の回転が停止する。
【0180】そして、切断された製版済みのマスタ8の
後端が、版胴1の回転によって製版装置16内から引き
出され、版胴1の外周面に完全に巻き取られた段階で版
胴1への製版済みのマスタ8の巻装が終了する。ここ
で、製版済みのマスタ8の版胴1の外周面への巻装長さ
は、プレスローラ21がマスタ8の後端より外れて版胴
1における開口部1aの後部領域に対して押圧すること
によるプレスローラ21の汚れを防止するために、版胴
1から離間する点よりもやや長目に設定されている。
【0181】版胴1への製版済みのマスタ8の巻装が完
了すると、版胴1が所定の周速度で図1に示す矢印方向
に回転し始めることにより、給紙・印刷工程が開始され
る。動作例1と同様に、第2用紙センサ34により用紙
38の先端がオン検知されるまでは、制御装置100に
よって係止手段64の第1ソレノイド62がオフされた
ままに制御されているため変位手段29は非作動状態に
あり、これによりプレスローラ21は非印刷位置で保持
されている。説明の都合上から、給紙・印刷・排紙動作
については、不送りやジャムあるいは用紙38の巻き上
がり等が発生しない正常に印刷される場合の動作を始め
に説明する(図18および図19に示すフローチャート
のステップS24ないしステップS36および図15
(a)に示すタイミングチャート参照)。
【0182】版胴1が矢印方向に回転して、図5に示し
た給紙開始用遮光板121が給紙レジストセンサ120
と係合することにより、給紙レジストセンサ120がオ
ンし、この信号がトリガとなって給紙モータ45が起動
する。給紙モータ45が図6において時計回りに回転駆
動されることにより、動作例1と同様の動作を介して、
給紙ローラ35と接触している給紙トレイ37上の最上
の1枚目の用紙38(以下、「先行用紙38a」とい
う)が、搬送されながら分離部材36との協働作用によ
って1枚に分離されてレジストローラ対31,32のニ
ップ部に向けて送り出される(ステップS24およびス
テップS25参照)。
【0183】図1において、給紙ローラ35の回転によ
り先行用紙38aの先端がレジストローラ対31,32
のニップ部に向けて正常に送り出され、すなわち先行用
紙38aの先端が、上記タイマで計時される所定の時間
内に第1用紙センサ33により検知されて第1用紙セン
サ33がオン検知し、この信号が制御装置100に入力
される。この後、制御装置100からの指令に基づき、
給紙モータ35は所定のパルス数(所定のステップ数)
分回転した後停止する。この時、レジストローラ接離手
段40におけるレジストカム43の版胴1の回転に同期
した所定の回転・タイミングによって、レジストローラ
上31が下降してレジストローラ下32に当接すること
で、所定のニップ部が形成される。
【0184】先行用紙38aは、給紙モータ35が停止
するまでの間、第1用紙センサ33で検知された位置か
ら所定ステップ数分送られることによって、レジストロ
ーラ対31,32のニップ部で用紙38の先端が当接し
た後、用紙38の先端部に所定の湾曲した撓みが形成さ
れた状態で保持される。ここで、先行用紙38aが正常
に送り出されたことは、動作例1で説明した内容と同じ
ことに基づく(ステップS26、ステップS28および
ステップS29参照)。
【0185】次いで、版胴1が図1における矢印方向に
さらに回転して、レジスト開始用遮光板122が給紙レ
ジストセンサ120と係合することにより、給紙レジス
トセンサ120がオンし、この信号がトリガとなってレ
ジストモータ50が起動する。レジストモータ50が図
6において反時計回りに回転駆動され、動作例1と同様
の動作を介して、レジストローラ対31,32のニップ
部で当接して待機している先行用紙38aの先端が、レ
ジストローラ上31とで押圧されながら給送され、図1
3に示す給送タイミングを取られて版胴1とプレスロー
ラ21との間に向けて給送される(ステップS30およ
びステップS31参照)。
【0186】次いで、ステップS32において、レジス
トローラ対31,32により給送された先行用紙38a
の通過が正常に行われ、すなわち先行用紙38aの先端
が、上記タイマで計時される所定の時間内に第2用紙セ
ンサ34によってオン検知されることによって、この信
号が制御装置100に入力される(ステップS32参
照)。
【0187】そして、制御装置100からの指令に基づ
き係止手段64の第1ソレノイド62に通電がなされ、
第1ソレノイド62がオンすることにより変位手段29
を作動させる。ここで、用紙38が版胴1とプレスロー
ラ21との間に向けて正常に送り出されたことは、動作
例1で説明した内容と同じことに基づく。
【0188】第1ソレノイド62がオンすることで、動
作例1と同様の動作を介して、カムフォロア24の外周
面が印圧カム27の小径部周面と対向し非当接状態とな
る印圧カム27の回転位置で、プレスアーム対22,2
2はアーム軸22aを中心に加圧バネ25の付勢力によ
って時計回りに揺動し上昇することとなる。これによ
り、プレスローラ21は、その外周面が版胴1上の製版
済みのマスタ8に先行用紙38aを押し付ける印刷位置
に変位して、プレスローラ21は従動回転しながら版胴
1上の製版済みのマスタ8に用紙38を連続的に押し付
けることで、製版済みのマスタ8を版胴1の外周面に密
着させそれにインキを充填させるための動作例1と同様
の版付け・孔版印刷が行われる。
【0189】この時、インキローラ2も版胴1の回転方
向と同一方向に回転し、動作例1と同様の動作を介し
て、インキ溜まり4のインキは版胴1の内周面に供給さ
れる。版胴1が図1中矢印方向に回転して、クランパ7
が版胴1に圧接しているプレスローラ21の近傍に至る
と、動作例1と同様の動作を介して、プレスローラ21
は版胴1の外周面から外側へ突出しているクランパ7か
ら離間することとなり、プレスローラ21とクランパ7
部位との干渉が避けられる。
【0190】説明が前後するが、版胴1上の1版の製版
済みのマスタ8における第1面製版画像8Aに対応して
送り出された先行用紙38aの後端が第1用紙センサ3
3を通り過ぎる頃に、版胴1上の製版済みのマスタ8に
おける第2面製版画像8Bに対応した後続用紙38bが
給紙ローラ35によって送り出され、図12および図1
3を参照して説明したと同様の所定時間経過後に、先行
用紙38aの場合と同様の動作で、第2面製版画像8B
に対応して後続用紙38bの給送が、先行用紙38bの
給送後に連続して行われて、版付け・孔版印刷が行われ
る(ステップS27、ステップS28ないしステップS
33)。
【0191】なお、後続用紙38bは、給紙モータ35
が停止するまでの間、第1用紙センサ33で検知された
位置から所定ステップ数分送られることによって、レジ
ストローラ対31,32のニップ部で用紙38の先端が
当接した後、後続用紙38bの先端部に所定の湾曲した
撓みが形成された状態で保持されなければならない。し
たがって、レジストローラ接離手段40におけるレジス
トカム43は、後続用紙38bをしてその先端部に所定
の湾曲した撓みが形成された状態で保持されるような大
径部および小径部の周面形状に形成されている。
【0192】版付け・孔版印刷された先行用紙38a、
後続用紙38bは、プレスローラ21で順次押圧された
状態で版胴1の図1中矢印方向の回転によってさらに搬
送され、その先行用紙38a、後続用紙38bの先端が
排紙センサ39により所定の時間内にそれぞれオン検知
され、所定の時間内に印刷済みの先行用紙38a、後続
用紙38bの後端が排紙センサ39によりそれぞれオン
→オフ検知されると、版胴1上の製版済みのマスタ8に
巻き上がることなく正常に搬送されたと制御装置100
により判断される(ステップS33ないしステップS3
5参照)。
【0193】こうして版付け・孔版印刷された先行用紙
38a、後続用紙38bの先端部は、版胴1の外周面に
接近する剥離爪55により版胴1上の製版済みのマスタ
8から順次剥離され、剥離された先行用紙38a、後続
用紙38bは排紙トレイ59に順次排出・積載される。
一方、プレスローラ21が版胴1の外周面に当接した時
点より版胴1が略4分の3周し、印圧カム27の大径部
周面とカムフォロア24とが接する時点、つまり、係止
部材60の係止爪60aと加圧アーム23の切欠23a
とが係止可能な時点において、制御装置100からの指
令により第1ソレノイド62がオフされると、動作例1
と同様の動作を介して、プレスローラ21は版胴1の外
周面から離れた非印刷位置(初期位置)に復帰して保持
されて、印刷待機状態となる。
【0194】また、動作例1と同様に、給紙ないしは版
付け中において、プラテンローラ10、搬送ローラ対1
2,12および反転ローラ対14,14が回転を再開し
て、切断されたマスタ8の先端が反転ローラ対14,1
4のニップ部に向けて送り込まれ、マスタ搬送モータ1
0Aのパルス数から、切断されたマスタ8の先端が反転
ローラ対14,14のニップ部に届き挟持されたと判断
されると、プラテンローラ10、搬送ローラ対12,1
2およびおよび反転ローラ対14,14の回転が停止
し、次の製版に備えた製版待機状態になる。
【0195】版付け終了後、ユーザは排紙トレイ59に
排出された印刷物を適宜目視して、通常の印刷動作を行
ってもよいかどうかを適宜判断し、オーケーであればテ
ンキー83で印刷枚数を設定し、印刷スタートキー82
を押すと、上記したと同様の給紙、通常印刷および排紙
の各動作がテンキー83で設定された設定枚数分につい
て順次行われる。版付けされた先行用紙38aおよび後
続用紙38bの枚数は、動作例1と同様に正規の通常の
印刷枚数としてカウントされないようになっている(ス
テップS36参照)。通常の印刷動作は、版付け時の印
刷動作と比較して、上記したように版付け印刷に用いら
れた先行用紙38aおよび後続用紙38bの枚数が正規
の通常の印刷枚数としてカウントされないことおよびユ
ーザが所望する設定印刷速度に応じた速度での給紙、印
刷および排紙の各動作が行われることが主に相違するだ
けである。
【0196】次に、図18および図19のフローチャー
トおよび図15(b)のタイミングチャートを参照しな
がら、給紙・印刷・排紙動作について、不送りやジャム
あるいは用紙38の巻き上がり等が発生した場合の異常
動作を説明する。
【0197】上述したと同様に、ステップS24からス
テップS27に至る動作が正常に行われて、版胴1が所
定の位置に回転した時において、給紙モータ45の起動
を介しての給紙ローラ35の回転により、2枚目の後続
用紙38bの先端がレジストローラ対31,32のニッ
プ部に向けて搬送されたにも拘らず、後続用紙38bの
先端が上記タイマで計時される所定の時間内に第1用紙
センサ33により検知されなかった場合(ステップS2
8参照)には、制御装置100は第1用紙センサ33の
配置位置よりも用紙搬送経路XAの上流側に後続用紙3
8bが留まっていると判断して、ステップS37におい
て制御装置100は直ちに緊急押圧解除手段79を作動
させる。これと同時に、ステップS38において制御装
置100は係止手段64を作動させる。
【0198】すなわち、制御装置100からの指令によ
り図3に示す状態にある第2ソレノイド77がオンされ
ることによって、プランジャ77aがスプリング78の
付勢力に抗して図4中矢印上向きに引き上げられること
で、ストッパ76の第1係合部76aとスリーブ72の
凸部72aとの係合が解除されると、図2においてスプ
リングクラッチ73が接続された状態となる。これによ
り、クラッチ胴71、スリーブ72、スプリングクラッ
チ73およびクラッチギヤ70が一体で回転し、上記駆
動手段(メインモータ17)の回転力が解除カム軸6
8、解除カム駆動ギヤ66と噛合する解除カムギヤ65
を介して解除カム67に伝達されて、解除カム67の大
径部が図1において略右真横位置となるまで時計回りに
回転してカムフォロア24を押し付けることとなり、加
圧アーム23がアーム軸22aを中心として反時計回り
に回転する。
【0199】一方、ストッパ76の第2係合部76bと
スリーブ72の凸部72aとが係合することにより、ス
プリングクラッチ73の接続が再び断たれて、解除カム
67の大径部が図1において略反対位置まで回転した後
にその位置で保持される。これにより、カムフォロア2
4が解除カム67の大径部に乗り上げた状態で保持され
て、プレスローラ21が版胴1との押圧状態から緊急的
に離間して略非印刷位置を占めた状態で保持される。こ
の時には既に、制御装置100からの指令により係止手
段64の第1ソレノイド62がオフされていることによ
り、変位手段29が作動してプレスローラ21が非印刷
位置を占めた初期位置状態に復帰・保持される。この
時、図14に示すように、プレスローラ21は、版胴1
上の製版済みのマスタ8に形成されている第1面製版画
像8Aに対して先行用紙38aを押し付けて印刷した
後、図14に二点差線で示す第2面製版画像8Bに対し
てはプレスローラ21が直接的に押し付けられることな
く、版胴1の開口部1aの後半側で版胴1より離間され
て初期位置に復帰・保持されることとなる。
【0200】次いで、ステップS39に進み、制御装置
100からの指令により操作パネル80のメッセージ表
示部86に用紙38の搬送ミス・ジャムの警告表示がな
されると共に、絵表示部87にその搬送ミス・ジャムの
発生箇所が点灯もしくは点滅表示され、これと同時にメ
インモータ17等の回転駆動が停止する。ユーザは、メ
ッセージ表示部86に表示された排紙ミス・ジャム警告
表示および絵表示部87に表示された排紙ミス・ジャム
発生箇所を視認した上、給紙装置30配置箇所のフロン
トカバー等を開けてジャム紙の除去作業等を行う。
【0201】ジャム用紙除去した後の所定時間後、制御
装置100からの指令により第2ソレノイド77がオフ
されることにより、スプリング78の付勢力によってス
トッパ76が図4に示したとは反対の時計回りに回転す
ることによって、ストッパ76の第2係合部76bとス
リーブ72の凸部72aとの係合が解除されることで、
スプリングクラッチ73が再度接続された状態となる。
これにより、上記したと同様にクラッチ胴71等とクラ
ッチギヤ70が一体で回転し、上記駆動手段の回転力が
解除カム軸68、解除カム駆動ギヤ66と噛合する解除
カムギヤ65を介して解除カム67に伝達されて、解除
カム67の大径部が図1に示す位置近傍に回転され、次
いでストッパ76が所定角度回転して図3に示すように
ストッパ76の第1係合部76aがスリーブ72の凸部
72aと係合することによって、スプリングクラッチ7
3の接続が再度断たれて、解除カム67の大径部が図1
に示す初期位置まで回転した後その位置で保持されるこ
ととなる。この時、第1ソレノイド62がオフ制御され
ていることにより、プレスローラ21が非印刷位置に保
持されている。そして、ステップS24からの再スター
トとなり、上記した給紙動作が再開される。
【0202】次に、ステップS20からステップS31
に至る動作が上述したと同様に正常に行われた場合、す
なわち上記タイマで計時される所定の時間内に2枚目の
後続用紙38bの先端が第1用紙センサ33で検知さ
れ、その後の動作がステップS31まで正常に行われた
場合には、以下のようになる。つまり、レジストローラ
対31,32の回転により給送されたはずの後続用紙3
8bの先端が第2用紙センサ34により検知されなかっ
た場合には、後続用紙38bの先端の位置について動作
例1と同様の2つの場合が想定され、上記した2つの場
合の何れかであるかは、レジストローラ対31,32に
特別の検出手段等を配設しない限り判別できないので、
以下区別せずに同様の給送不良として扱う。
【0203】すなわち、ステップS32において、所定
の時間内に第2用紙センサ34によって後続用紙38b
の先端がオン検知されなかった場合には、制御装置10
0は第1用紙センサ33の配置位置(後続用紙38bの
先端が検知できる位置)よりも下流側であって第2用紙
センサ34の配置位置(後続用紙38bの先端が検知で
きる位置)よりも上流側の用紙搬送経路XAに後続用紙
38bが留まっていると判断して、ステップS37に進
み、ステップS37ないしステップS39において、ス
テップS28におけるノーの場合と同様の動作およびユ
ーザの操作が行われた後、ステップS24からの再スタ
ートとなり、上記した給紙動作が再開される。
【0204】次に、ステップS23からステップS32
までの動作が上記した正常の動作と同様に行われた場
合、すなわち上記タイマで計時される所定の時間内に先
行用紙38a、後続用紙38bの先端が第2用紙センサ
34でそれぞれ順次検知され、その後の動作がステップ
S32まで正常に行われた場合には、ステップS33に
おいて、上記したと同様に制御装置100からの指令に
基づき第1ソレノイド62に通電がなされ、第1ソレノ
イド62がオンすることにより変位手段29を作動させ
ることとなり、これによりプレスローラ21は印刷位置
に変位して、プレスローラ21は従動回転しながら版胴
1上の製版済みのマスタ8に先行用紙38a、後続用紙
38bを連続的に順次押し付けることで、孔版印刷が行
われる。次いでステップS34に進み、レジストローラ
上31は、版胴1の所定の回転位置および少なくとも後
続用紙38bをレジスト給送可能なタイミングで、レジ
ストローラ下32から上昇して同レジストローラ下32
から離間すると共に、レジストモータ50も所定のパル
ス数(所定のステップ数)分回転駆動された後停止す
る。
【0205】そして、孔版印刷された用紙38はプレス
ローラ21で押圧された状態で版胴1の図1中矢印方向
の回転によってさらに搬送され、ステップS35におい
て、先行用紙38a、後続用紙38bの先端および後端
が排紙センサ39によりそれぞれ順次、オン検知→オフ
検知されたか否かが判断され、上記タイマで計時される
所定の時間内に印刷済みの先行用紙38a、後続用紙3
8bの先端が排紙センサ39によりそれぞれ順次、オン
検知→オフ検知オン検知されなかった場合には、制御装
置100は先行用紙38a、後続用紙38bが版胴1上
の製版済みのマスタ8にインキの粘着力により貼り付い
て巻き上がったと判断して、ステップS40において制
御装置100は直ちに緊急押圧解除手段79を作動させ
ると同時に、ステップS41において制御装置100は
係止手段64を作動させる。ステップS40およびステ
ップS41における動作は、ステップS37およびステ
ップS38やステップS40およびステップS41にお
ける動作と同様であるためその説明を省略する。
【0206】次いで、ステップS42に進み、制御装置
100からの指令により操作パネル80のメッセージ表
示部86に巻き上がりの警告表示がなされると共に、絵
表示部87にその巻き上がりの発生箇所が点灯もしくは
点滅表示され、これと同時にメインモータ17等の回転
駆動が停止する。ユーザは、メッセージ表示部86に表
示された巻き上がり警告表示および絵表示部87に表示
された巻き上がり発生箇所を視認した上、版胴1配置箇
所のフロントカバー等を開けて巻き上がり紙の除去作業
等を行う。
【0207】巻き上がり紙除去した後の所定時間後、制
御装置100からの指令により第2ソレノイド77がオ
フされることにより、以下、上記したと同様の動作が行
われて、解除カム67の大径部が図1に示す初期位置ま
で回転した後その位置で保持されることとなると共に、
第1ソレノイド62がオフ制御されていることにより、
プレスローラ21が非印刷位置に保持される。そして、
ステップS24からの再スタートとなり、上記した給紙
動作および印刷動作が再開される。
【0208】図18のステップS20において、異種画
像製版モードを選択・設定した場合の動作は、同一画像
製版モードを選択・設定した場合と比較して次の内容が
主に相違する。すなわち、異種画像製版モード設定キー
98を押下すると、異種画像製版モード設定に係る信号
が生成されてその信号が制御装置100に送信・入力さ
れRAM103に記憶され、これにより異種画像製版モ
ード設定キー98に内蔵されているLEDが点灯して、
ユーザが異種画像製版モードの設定完了を視認すること
ができること、および原稿読取装置20のADF148
が作動することにより異種の2枚の原稿133がコンタ
クトガラス135上に送出されその画像情報が読み込ま
れ、これに基づいて製版処理動作が行われることであ
る。
【0209】なお、印刷された先行用紙38aおよび後
続用紙38bの排紙・排出に際しては、同一画像製版モ
ードで印刷された印刷物の場合には、同一の排紙トレイ
59に排出され、異種画像製版モードで印刷された印刷
物の場合には、ソータなどを用いて区分けされて排出さ
れるようになっている。
【0210】本実施形態では、レジストローラ対31,
32による各用紙38,38a,38bの設定印刷速度
ごとの搬送速度は、各用紙38,38a,38bが版胴
1とプレスローラ21とで挟持されるまでの間、版胴1
の周速度と同じとなるように設定されており、これによ
り、各用紙38,38a,38bの後端がレジストロー
ラ対31,32のニップ部から抜け出るまでの間に過大
な張力が各用紙38,38a,38bに作用しないよう
になされている。但し、用紙の種類によってはレジスト
ローラ対31,32のニップ部から抜け出るときのスリ
ップ量が異なるので、これを考慮して最適な上記搬送速
度を設定することが好ましい。
【0211】次に、図15を参照して、各タイミングチ
ャートを補足説明する。図15(a),(b),(c)
において、第1用紙センサ33、第1用紙センサ34、
排紙センサ39のオンを表す線上に括弧を付した符号
は、1枚目の先行用紙38a、2枚目の後続用紙38b
が正常に送り出し・給送・排出搬送されたことを示す。
【0212】図15(a)に示されているタイミングチ
ャートは、第2の印刷モードに係る動作が実行された場
合であって、1枚目の先行用紙38a、2枚目の後続用
紙38bが各センサ33,34,39を通過して正常に
送り出し・給送・印刷・排出搬送されたときを表してい
る。
【0213】図15(b)に示されているタイミングチ
ャートは、第2の印刷モードに係る動作が実行された場
合であって、2枚目の後続用紙38bが各センサ33,
34,39を通過しなかったときに第2ソレノイド77
の作動タイミングを説明するためのものである。
【0214】図15(c)に示されているタイミングチ
ャートは、第1の印刷モードおよび第2の印刷モードに
係る動作が実行された場合であって、用紙38や1枚目
の先行用紙38aが第2用紙センサ34を通過しなかっ
たときに第2ソレノイド77の作動タイミングを説明す
るためのものである。また、破線で示すものは第1用紙
センサ33および第2用紙センサ34を通過したにも拘
わらず排紙センサ39に届かなかったときに、第2ソレ
ノイド77の作動タイミングを説明するためのものであ
る。
【0215】動作例1および2では、原稿サイズに係る
製版画像領域および用紙サイズを制御装置100に認識
させるために、原稿サイズ検知センサ群149と用紙サ
イズ検知センサ群117とを使用したが、これに限定さ
れず、原稿サイズ検知センサ群149および原稿サイズ
設定手段106の何れか1つと、用紙サイズ検知センサ
群117および用紙サイズ設定手段90の何れか1つと
の2つの組み合わせでもよい。これらの動作は、上記し
た構成および動作例から極めて容易に実施できるので、
その説明を省略する。
【0216】上記実施形態では、例えば外来ノイズなど
が原因で第2ソレノイド77を介して解除カム67の動
作が不安定になっても、版胴1の回転と同期して回転す
る印圧カム27を有することにより、この印圧カム27
によって、プレスローラ21が版胴1の後端側で確実に
版胴1から離間させられるので、プレスローラ21が版
胴1のクランパ7突出部に乗り上げてしまうことで、プ
レスローラ21やクランパ7がダメージ(損傷)を受け
たりしてしまうことが防止される。
【0217】上記実施形態では緊急押圧解除手段79の
構成部品としてスプリングクラッチ73を用いて解除カ
ム67を回転・保持させているが、これに限らず、緊急
押圧解除手段として電磁クラッチと電磁ブレーキ装置を
用いて印圧カム27を緊急的に回転・保持するような方
式でもよい。
【0218】画像情報は、原稿読取装置20によって読
み取られた原稿133の画像情報に限らず、例えばパー
ソナル・コンピュータ(以下、「パソコン」という)か
ら送信される画像情報でもよい。この場合、例えばパソ
コン・コントローラを介して画像信号処理部151に上
記パソコンからの画像情報に係るデジタル画像信号を入
力するようにすればよい。
【0219】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
上述したような従来の印刷装置の有する諸問題点を解決
して新規な印刷装置を提供することができる。請求項ご
との効果を挙げれば以下のとおりである。請求項1記載
の発明によれば、版胴上のマスタに向けて用紙が給送さ
れて来なかった場合等に、押圧手段の版胴に対する押圧
を緊急的に解除する緊急押圧解除手段を作動させること
が可能となり、これにより押圧手段の版胴に対する押圧
を緊急的に解除することが可能となるので、版胴に対す
る押圧手段の接触範囲を従来よりもわずかにできて、押
圧手段が版胴上のマスタに直接的に接触することによる
押圧手段自体のインキ汚れや、押圧手段表面のインキの
汚れが版胴上のマスタに再転移することによるマスタの
インキ汚れも最小限にすることができるようになり、上
記各インキ汚れの清掃等に伴う印刷の停止等によるリカ
バリー(回復)のためのロス時間も少なくできると共
に、インキ汚れの清掃等を行わなければならないという
煩わしさも少なくできる。
【0220】請求項2記載の発明によれば、第1の印刷
モードおよび第2の印刷モードの何れかに切り換えるた
めの印刷モード切換手段を有することにより、特に、版
胴の1回転中に複数枚の用紙への印刷を行える第2の印
刷モードが選択・設定された場合に、版胴上の製版され
たマスタにおける複数の製版画像に対応して連続して給
送される例えば2枚目以降の用紙が給送されて来ないと
きにも押圧手段の版胴に対する押圧を緊急的に解除する
ことが可能となるので、請求項1記載の発明の効果を奏
する。加えて、第2の印刷モードが選択・設定され実行
された場合の基本的な効果、すなわち用紙のサイズごと
に見合う版胴を準備することをなくして、マスタの利用
効率を高められることによりマスタの無駄等を少なくし
て印刷効率の向上および印刷時間の短縮が可能となる効
果も奏する。
【0221】請求項3記載の発明によれば、従来から存
する第1の印刷モードが設定された場合であって、印刷
中に排紙検知手段により印刷された用紙の先端が検知さ
れないとき、第1の制御手段は緊急押圧解除手段を作動
させることにより、押圧手段の版胴に対する押圧が緊急
的に解除されるので、すなわち押圧手段が版胴より緊急
的に離間されるので、押圧手段が版胴表面と接触してイ
ンキで汚れてしまうことが防止されるという効果を奏す
る。
【0222】請求項4および5記載の発明によれば、第
2の制御手段は、印刷モード切換手段からの第2の印刷
モード設定に係る信号に基づいて、また同一製版画像設
定手段または異種製版画像設定手段からの信号を加味し
て第2の印刷モードに係る動作を実行させるので、版胴
の1回転中に1枚の用紙への印刷を行う第1の印刷モー
ドに係る動作を実行する場合と比べて、印刷効率を向上
させることができ、しかも、版胴の1回転中に複数枚の
用紙への印刷を行えることにより印刷時間を短縮するこ
とができる。また、異種製版画像設定手段を選択するこ
とにより第2の印刷モードに係る動作が実行されたとき
には、1版のマスタを用いて例えば原稿複数頁分の印刷
を行える。
【0223】請求項6記載の発明によれば、第3の制御
手段は、第1の用紙検知手段、第2の用紙検知手段およ
び排紙検知手段のうちの少なくとも1つの検知手段によ
り用紙の先端が検知されないときその出力信号に基づい
て、緊急押圧解除手段を作動させるので、請求項4およ
び5記載の発明の効果に加えて、版胴上のマスタに向け
て用紙が給送されて来なかった場合等、すなわち例えば
搬送ミスや不送り等によるジャム発生の場合にこれを確
実に検知できて、請求項1記載の発明の効果を奏する。
【0224】請求項7記載の発明によれば、第4の制御
手段は、用紙のサイズと1版のマスタに形成されるべき
製版画像または各製版画像のサイズとが合っているか否
かを判断し、用紙のサイズと製版画像または各製版画像
のサイズとが合っていないとき、情報を報知する報知手
段をしてその旨の報知をさせるので、請求項1ないし6
の何れか一つに記載の発明の効果に加えて、ユーザは用
紙のサイズと製版画像または各製版画像のサイズとが合
っていないことを確実に認識できるようになり、ユーザ
の所望しない印刷物を事前に排除して、ユーザの所望す
る印刷物だけを得ることが可能となる。
【0225】請求項8記載の発明によれば、マスタに形
成されるべき製版画像のサイズを検知する画像サイズ検
知手段と、用紙のサイズを検知する用紙サイズ検知手段
とを有するので、請求項7記載の発明の効果を奏する。
【0226】請求項9記載の発明によれば、マスタに形
成されるべき製版画像のサイズを検知する画像サイズ検
知手段と、用紙のサイズを設定するための用紙サイズ設
定手段とを有するので、請求項7記載の発明の効果を奏
する。
【0227】請求項10記載の発明によれば、マスタに
形成されるべき製版画像のサイズを設定する画像サイズ
設定手段と、用紙のサイズを検知する用紙サイズ検知手
段とを有するので、請求項7記載の発明の効果を奏す
る。
【0228】請求項11記載の発明によれば、マスタに
形成されるべき製版画像のサイズを設定する画像サイズ
設定手段と、用紙のサイズを設定するための用紙サイズ
設定手段とを有するので、請求項7記載の発明の効果を
奏する。
【0229】請求項12記載の発明によれば、緊急押圧
解除手段は、押圧手段の版胴に対する押圧を緊急的に解
除するための解除カムと、解除カムを駆動する解除カム
駆動手段とを有するので、簡単かつ信頼性高い構成で確
実に、押圧手段の版胴に対する押圧を緊急的に解除する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示す孔版印刷装置の要部
の一部断面正面図である。
【図2】緊急押圧解除手段の要部の一部断面側面図であ
る。
【図3】緊急押圧解除手段の要部構成および動作を示す
正面図である。
【図4】緊急押圧解除手段の要部構成および動作を示す
正面図である。
【図5】給紙開始用遮光板およびレジスト開始用遮光板
の版胴の端板への配置例およびこれらと給紙レジストセ
ンサとの係合状態を示す斜視図である。
【図6】給紙ローラおよびレジストローラ上の駆動機構
を示す要部の正面図である。
【図7】給紙トレイに配設されている用紙サイズ検知手
段の要部の斜視図である。
【図8】レジストローラ接離手段の要部の一部断面正面
図である。
【図9】原稿読取装置の要部の正面図である。
【図10】操作パネルの要部の平面図である。
【図11】上記実施形態における制御構成を示すブロッ
ク図である。
【図12】上記実施形態における給紙ローラおよびレジ
ストローラ下の作動タイミングを説明するためのタイミ
ングチャートである。
【図13】第2の印刷モードにおける用紙給送モードの
設定例およびプレスローラの押圧状態を説明するための
図である。
【図14】図13において、2枚目の後続用紙が搬送ミ
スや不送り等により給送されない場合に、緊急押圧解除
手段を作動させた時のプレスローラの押圧状態を説明す
るための図である。
【図15】(a)は1枚目の先行用紙、2枚目の後続用
紙が各センサを通過して正常に搬送され印刷されるとき
のタイミングチャート、(b)は2枚目の後続用紙が各
センサを通過しなかったときに第2ソレノイドの作動タ
イミングを説明するためのタイミングチャート、(c)
は用紙や1枚目の先行用紙が第2用紙センサを通過しな
かったときに、また破線で示すものは第1および第2用
紙センサを通過したにも拘わらず排紙センサに届かなか
ったときに、第2ソレノイドの作動タイミングを説明す
るためのタイミングチャートである。
【図16】上記実施形態における第1の印刷モードに係
る要部の動作順序を示すフローチャートである。
【図17】図16の続きのフローチャートである。
【図18】図16の続きのフローチャートであって、第
2の印刷モードに係る要部の動作順序を示すフローチャ
ートである。
【図19】図18の続きのフローチャートである。
【符号の説明】
1 版胴 2 インキローラ 8 マスタ 8A 複数の製版画像の一例としての第1面製版画像 8B 複数の製版画像の一例としての第2面製版画像 11 製版手段としてのサーマルヘッド 16 製版装置 17 版胴駆動手段および押圧駆動手段としてのメイン
モータ 21 押圧手段としてのプレスローラ 27 印圧カム 29 変位手段 30 給紙装置 31,32 レジスト手段としてのレジストローラ対 33 第1の用紙検知手段としての第1用紙センサ 34 第2の用紙検知手段としての第2用紙センサ 35 給紙手段としての給紙ローラ 37 給紙台としての給紙トレイ 38 用紙 38a 先行用紙 38b 後続用紙 39 排紙検知手段としての排紙センサ 45 給紙駆動手段としての給紙モータ 50 レジスト駆動手段としてのレジストモータ 62 係止手段を構成する第1ソレノイド 64 係止手段 67 解除カム 77 解除カム駆動手段を構成する第2ソレノイド 79 緊急押圧解除手段 80 操作パネル 85 報知手段としての液晶表示部 90 用紙サイズ設定手段 95 第1の印刷モード設定表示手段としての第1の印
刷モード設定表示ランプ 96 印刷モード切換手段および第2の印刷モード設定
手段としての第2の印刷モード設定キー 97 同一画像製版モード設定手段としての同一画像製
版モード設定キー 98 異種画像製版モード設定手段としての異種画像製
版モード設定キー 100 第1ないし第4の制御手段としての制御装置 101 第1ないし第4の制御手段を構成するCPU 102 ROM 106 画像サイズ設定手段を構成する原稿サイズ設定
手段 117 用紙サイズ検知手段としての用紙サイズ検知セ
ンサ群 149 画像サイズ検知手段を構成する原稿サイズ検知
手段群 152 画像メモリ 200 印刷装置の一例としての孔版印刷装置 X 用紙搬送方向 X1 マスタ搬送方向 XA 用紙搬送経路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B41L 13/04 B41L 13/16 B 13/16 B65H 5/06 F B65H 5/06 5/12 5/12 7/06 7/06 9/14 9/14 B41F 33/14 C Fターム(参考) 2C250 EA36 EA46 EB05 EB50 3F048 AA05 AB01 BA05 BA07 BA12 BA14 BB03 BB05 BD03 CC03 DA06 DA07 DB12 EA02 EB39 3F049 DA11 DB02 LA07 LB03 3F101 CA14 LA07 LB03 3F102 AA13 AB01 BA02 BB02 CA05 CB01 DA08 EA03 FA08

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】製版されたマスタを巻装する版胴と、該版
    胴に接離自在な押圧手段とを具備し、上記押圧手段が給
    送されて来た用紙を版胴上のマスタに相対的に押し付け
    て印刷を行う印刷装置において、 上記押圧手段の上記版胴に対する押圧を緊急的に解除す
    る緊急押圧解除手段を有し、上記版胴上のマスタに向け
    て用紙が給送されて来なかった場合等に、上記緊急押圧
    解除手段を作動させることにより上記押圧を緊急的に解
    除可能にしたことを特徴とする印刷装置。
  2. 【請求項2】請求項1記載の印刷装置において、 画像情報に応じてマスタを製版する製版手段と、 上記製版手段が1版のマスタに対して1枚の用紙を対象
    とし製版画像を形成する第1の製版処理を行い、かつ、
    第1の製版処理されたマスタを巻装した版胴の1回転中
    に1枚の用紙を対応させて印刷する第1の印刷モードお
    よび上記製版手段が1版のマスタに対して複数枚の用紙
    を対象として上記版胴の回転方向に沿って分割された複
    数の製版画像を形成する第2の製版処理を行い、かつ、
    第2の製版処理されたマスタを巻装した版胴の1回転中
    に複数枚の用紙を対応させて印刷する第2の印刷モード
    の何れかに切り換えるための印刷モード切換手段と、 を有することを特徴とする印刷装置。
  3. 【請求項3】請求項2記載の印刷装置において、 用紙を1枚ずつ送り出す給紙手段と、 上記給紙手段を駆動する給紙駆動手段と、 送り出された用紙を上記版胴に向けてタイミングを取っ
    て給送するレジスト手段と、 上記レジスト手段を駆動するレジスト駆動手段と、 上記版胴と上記押圧手段とが圧接して形成される印刷ニ
    ップ部における用紙排出方向の下流側に設けられ上記印
    刷ニップ部で印刷された用紙の先端を検知する排紙検知
    手段と、 上記印刷モード切換手段からの第1の印刷モード設定に
    係る信号に基づいて、第1の製版処理を行うように上記
    製版手段を制御し、かつ、第1の製版処理されたマスタ
    を巻装した版胴の1回転中に上記給紙手段が1枚の用紙
    を送り出すように上記給紙駆動手段を制御した後、上記
    レジスト手段が第1の製版処理されたマスタの製版画像
    の位置にタイミングを合わせて1枚の用紙を給送するよ
    うに上記レジスト駆動手段を制御し、なおかつ、印刷中
    に上記排紙検知手段により印刷された用紙の先端が検知
    されないときその信号に基づいて、上記緊急押圧解除手
    段を作動させる第1の制御手段と、 を有することを特徴とする印刷装置。
  4. 【請求項4】請求項2記載の印刷装置において、 用紙を1枚ずつ送り出す給紙手段と、 上記給紙手段を駆動する給紙駆動手段と、 送り出された用紙を上記版胴に向けてタイミングを取っ
    て給送するレジスト手段と、 上記レジスト手段を駆動するレジスト駆動手段と、 上記印刷モード切換手段からの第2の印刷モード設定に
    係る信号に基づいて、第2の製版処理を行うように上記
    製版手段を制御し、かつ、第2の製版処理されたマスタ
    を巻装した版胴の1回転中に上記複数の製版画像に対応
    して上記給紙手段が複数枚の用紙を順次送り出すように
    上記給紙駆動手段を制御した後、上記レジスト手段が上
    記複数の製版画像の位置ごとにタイミングを合わせて複
    数枚の用紙を連続的に順次給送するように上記レジスト
    駆動手段を制御する第2の制御手段と、 を有することを特徴とする印刷装置。
  5. 【請求項5】請求項4記載の印刷装置において、 上記製版手段を駆動させて上記版胴の回転方向に沿って
    1版のマスタに分割された複数の同一製版画像を形成す
    べく設定するための同一製版画像設定手段および上記製
    版手段を駆動させて上記版胴の回転方向に沿って1版の
    マスタに分割された複数の異種製版画像を形成すべく設
    定するための異種製版画像設定手段のうちの少なくとも
    一方を有し、 第2の制御手段は、上記同一製版画像設定手段または上
    記異種製版画像設定手段からの信号を加味して上記制御
    を行うことを特徴とする印刷装置。
  6. 【請求項6】請求項4または5記載の印刷装置におい
    て、 上記給紙手段と上記レジスト手段の間に設けられ上記給
    紙手段から送り出された用紙の先端を検知する第1の用
    紙検知手段、上記レジスト手段と上記版胴との間に設け
    られ上記レジスト手段から給送された用紙の先端を検知
    する第2の用紙検知手段および上記版胴と上記押圧手段
    とが圧接して形成される印刷ニップ部における用紙排出
    方向の下流側に設けられ上記印刷ニップ部で印刷された
    用紙の先端を検知する排紙検知手段のうちの少なくとも
    1つの検知手段と、 上記少なくとも1つの検知手段により用紙の先端が検知
    されないときその出力信号に基づいて、上記緊急押圧解
    除手段を作動させる第3の制御手段と、 を有することを特徴とする印刷装置。
  7. 【請求項7】請求項1ないし6の何れか一つに記載の印
    刷装置において、 情報を報知する報知手段と、 用紙のサイズと1版のマスタに形成されるべき上記製版
    画像または上記各製版画像のサイズとが合っているか否
    かを判断し、上記用紙のサイズと上記製版画像または上
    記各製版画像のサイズとが合っていないとき、上記報知
    手段をしてその旨の報知をさせる第4の制御手段と、 を有することを特徴とする印刷装置。
  8. 【請求項8】請求項7記載の印刷装置において、 マスタに形成されるべき製版画像のサイズを検知する画
    像サイズ検知手段と、用紙のサイズを検知する用紙サイ
    ズ検知手段とを有することを特徴とする印刷装置。
  9. 【請求項9】請求項7記載の印刷装置において、 上記マスタに形成されるべき製版画像のサイズを検知す
    る画像サイズ検知手段と、用紙のサイズを設定するため
    の用紙サイズ設定手段とを有することを特徴とする印刷
    装置。
  10. 【請求項10】請求項7記載の印刷装置において、 上記マスタに形成されるべき製版画像のサイズを設定す
    る画像サイズ設定手段と、上記用紙のサイズを検知する
    用紙サイズ検知手段とを有することを特徴とする印刷装
    置。
  11. 【請求項11】請求項7記載の印刷装置において、 上記マスタに形成されるべき製版画像のサイズを設定す
    る画像サイズ設定手段と、上記用紙のサイズを設定する
    ための用紙サイズ設定手段とを有することを特徴とする
    印刷装置。
  12. 【請求項12】請求項1ないし11の何れか一つに記載
    の印刷装置において、 上記緊急押圧解除手段は、上記押圧を緊急的に解除する
    ための解除カムと、上記解除カムを駆動する解除カム駆
    動手段とを有することを特徴とする印刷装置。
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