JP2003236846A - 樹脂成形体の製造方法 - Google Patents

樹脂成形体の製造方法

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resin
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resin molded
shape
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Mitsutoshi Noguchi
光敏 野口
Masahiro Yano
正裕 矢野
Toshio Kobayashi
敏男 小林
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Toto Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 基材本来の意匠性を損なわずに耐久性の高い
撥水表面を持つ材料を容易かつ安価に作製するための製
造方法を提供すること。 【解決手段】 深さ5μm〜100μm、ピッチ10μm〜200μ
mの周期的な表面加工を施した成形型表面に、シリコー
ン樹脂、フッ素樹脂のうちから選ばれる少なくとも1種
類以上の樹脂を塗布した成形型を用いて、基材を形成す
る樹脂組成物を射出成形、プレス成形または射出プレス
成形または注型成形のうちのいずれかの方法により成形
して厚み300nm以下の表面層を有する樹脂成形体を形成
することを特徴とする樹脂成形体の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、超撥水性を樹脂成
形体表面に付与する樹脂成形体の製造方法に関する。た
だし、超撥水性とは水に対する接触角が150度以上を示
す性質である。
【0002】
【従来の技術】水に対する接触角が150度以上を示す超
撥水性表面を形成するためには、表面に微細な凹凸形状
を有する撥水表面を形成する方法が一般的である。
【0003】従来、超撥水性を樹脂成形体表面に付与す
る方法としては、例えば、撥水性処理を施した微粒子を
撥水性塗料中に分散させることで数μmオーダーの凹凸
形状を有する表面を形成した撥水性塗料などが考案され
ている。
【0004】しかしながら、この方法では表面に物理的
な負荷がかかったときに塗料中に分散した微粒子が表面
より脱落して凹凸形状が破壊され、高度な撥水性が短期
間で失われてしまったり、表面層が基材から剥離するな
どの問題点があった。また、基材の前処理・後処理など
の工程が増加し、コストアップとなっていた。
【0005】そのため、特開平7-197017号公報に開示さ
れているように、樹脂基材表面に凹凸表面が形成され、
5μm以上の撥水性樹脂材料をコーティングした樹脂成形
品などが考案されているが、5μmの厚みがあるために樹
脂基材本来の意匠性が損なわれてしまうこと、コーティ
ング層が破損した際に外観異常が発生し意匠性が損なわ
れてしまうことなどの問題があった。
【0006】その他、耐久性の高い凹凸表面を有する成
形体を作製するために、NC加工などにより表面形状加工
を行っていたが、非常に高価なものだった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明では、基材本来
の意匠性を損なわずに耐久性の高い撥水表面を持つ材料
を容易かつ安価に作製するための製造方法を提供するこ
とを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段およびその作用・効果】本
発明では、上記課題を解決するために、深さ5μm〜100
μm、ピッチ10μm〜200μmの周期的な表面加工を施した
成形型表面に、シリコーン樹脂、フッ素樹脂のうちから
選ばれる少なくとも1種類以上の樹脂を塗布した成形型
を用いて、基材を形成する樹脂組成物を射出成形、プレ
ス成形または射出プレス成形または注型成形のうちのい
ずれかの方法により成形して厚み300nm以下の表面層を
有する樹脂成形体を形成することを特徴とする樹脂成形
体の製造方法を提供する。
【0009】所望の成形型の形状は深さ5μm〜100μm、
ピッチ10μm〜200μmであり比較的容易に加工できるレ
ベルである。高度な微細加工を施す必要がないため、容
易かつ安価に成形型の加工を行うことができる。
【0010】超撥水性は、水滴と固体表面の接触面積の
増加、溝内部に存在する空気を巻き込む事で発現される
ことが知られている。成形型に施した形状の深さが5μm
より小さいとき、またはピッチが200μmより大きいとき
は、超撥水性を発現するために十分な空気が溝内部に巻
き込まれず、接触角の上昇率が小さい。そのために充分
な撥水性能が得られない。成形型に施した形状の深さが
100μmより大きいとき、またはピッチが10μmより小さ
いときは、充分な撥水性能は得られるものの、加工難易
度が高くなり、かつ加工時間も長くなる。さらに、長期
的使用により汚染物などが付着した場合に清掃が困難と
なり好ましくない。
【0011】表面加工を施した成形型を用いて、基材を
形成する樹脂組成物を射出成形、プレス成形または射出
プレス成形または注型成形のうちのいずれかの方法によ
り成形することにより、成形と同時に樹脂成形体表面に
成形型に施した表面加工と凹凸が反転した形状を樹脂成
形体表面に形成できるために、表面に所望の形状を有す
る樹脂成形体を容易に製造することができる。
【0012】成形した樹脂成形体を樹脂型として、前述
の方法と同様の成形を行い、樹脂成形体表面の形状を転
写した成形体、すなわち、表面加工を施した金型と同様
の表面形状を有する樹脂成形体を作製することも可能で
ある。
【0013】成形型に塗布する樹脂は工業的に容易に入
手できるシリコーン樹脂、フッ素樹脂のうちから選ばれ
る少なくとも1種類以上の樹脂であるため、容易かつ安
価に表面層を樹脂成形体表面に形成することができる。
【0014】従来の工程をそのまま利用して、シリコー
ン樹脂、フッ素樹脂のうちから選ばれる少なくとも1種
類以上の樹脂を転写し、厚み300nm以下の表面層を樹脂
成形体表面に効率良く配置することができるため、少量
の樹脂で撥水性を樹脂成形体表面に付与することができ
る。そのため、容易かつ安価に樹脂成形体を製造でき
る。
【0015】樹脂成形体表面に形成された表面層は厚み
300nm以下であり、透明な被膜を得ることができ、蓄積
する応力を低くすることができるため、密着強度を高く
することができる。さらに、表面層の厚みは可視光線の
波長よりも小さいため、厚みの不均一さなどに起因する
可視光線の干渉が起こらない。そのため、基材の持つ色
調などの意匠性を損なわない。また、長期の使用によ
り、一部の表面層が脱落した場合でも、樹脂成形体の外
観を損なうことがない。
【0016】本発明の好ましい態様においては、表面加
工を施した成形型の形状が、一方向に形成された溝形状
を周期的に有するようにする。一方向に形成された溝形
状を周期的に有するため、溝形状が形成された方向に対
して表面特性を発現させることができる。
【0017】本発明の好ましい態様においては、表面加
工を施した成形型の形状が、交差させた溝形状を周期的
に有するようにする。交差させた溝形状を周期的に有す
るため、基材の設置向きなどの配置状態に依存せず、表
面上の全方向に対して同等の表面特性を発現させること
ができる。
【0018】成形時の離型性を向上させるために、溝の
立面部を斜めに加工することができる。
【0019】本発明の好ましい態様においては、樹脂組
成物が不飽和ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、エポキ
シ樹脂、ビニルエステル樹脂のうちから選ばれる少なく
とも1種類以上の樹脂を含有することを特徴とする。そ
のため、工業的に容易に入手できる不飽和ポリエステル
樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ビニルエステル樹
脂を用いることにより、容易かつ安価な製造方法を提供
できる。
【0020】
【発明の実施の形態】以下に本発明の好ましい具体的様
態につき、図に基づいて説明する。図1は、本発明にお
ける樹脂成形体の製造方法における工程を示す図であ
る。図において、成形上型表面に深さ5μm〜100μm、ピ
ッチ10μm〜200μmの周期的な表面加工が施されてい
る。また、表面加工が施された表面上に、樹脂成形体に
転写して表面層を形成するための樹脂が塗布されてい
る。上記の成形型を用いて基材樹脂組成物を成形し、同
時に表面層を成形体表面に転写することによって、所望
とする樹脂成形体を得ることができる。尚、図1は平板
形状の樹脂成形体をプレス成形した場合の図であるが、
これに限定されるものではない。
【0021】成形型表面に深さ5μm〜100μm、ピッチ10
μm〜200μmの周期的な表面加工を施した成形型を用い
ることで、樹脂成形体の表面形状加工をを射出成形、プ
レス成形または射出プレス成形または注型成形時に同時
に行うことができるために所望の樹脂成形体を容易に製
造することができる。
【0022】表面形状を樹脂成形体の所望の部分のみに
形成するために、成形型の部分的な加工を行うことがで
きる。これにより、表面の所望の部分のみに超撥水性を
有する樹脂成形体を容易に製造することができる。
【0023】通常の樹脂成形体の成形では、成形型に離
型剤などを塗布した後、原料を型内に投入し成形を行
う。本発明では、シリコーン樹脂、フッ素樹脂のうちか
ら選ばれる少なくとも1種類以上の樹脂の成形型への塗
布が、一般の離型剤の塗布工程に相当し、樹脂成形体の
成型時に表面層の転写が行われる。従って、従来の設備
をそのまま転用し製造することができ、製造工程も従来
同様の工程で行うことができ安価に超撥水性を樹脂成形
体表面に付与することができる。また、本発明による利
点としては、表面にシリコーン樹脂、フッ素樹脂のうち
から選ばれる少なくとも1種類以上の樹脂を含有するこ
とを特徴とする表面層を効果的に配置することができる
ため、少量の材料で十分な効果を得ることができる。
【0024】本発明における成形型の加工は、ワイヤー
放電法、エッチング法、ショットブラスト法により行う
ことができるが、これらに限定されるものではない。
【0025】ただし、ワイヤー放電法とは被加工物と加
工電極とを絶縁性の加工液の中に極めて小さい間隙で対
向させ、短時間のパルス性アーク放電を繰り返すことに
より除去加工を行う方法である。直径0.02mm〜0.35mm程
度の金属線を工具電極として放電加工を行う。
【0026】ただし、エッチング法とは薬液中での化学
的溶解作用を利用して成形品を得る方法である。マスキ
ング工程により保護被膜を形成し、そのままの状態で残
したい部分を防ぎ、凹凸のある面を得ることができる。
エッチング液には強無機酸、強酸化剤、フッ化物などが
基礎になっており、塩化第二鉄溶液などが広く用いられ
る。
【0027】ただし、ショットブラスト法とは投射材に
圧力を加え、ノズルより噴射または遠心力により加速し
て工作物に衝突させ表面を加工する方法である。マスキ
ング工程により保護被膜を形成し、そのままの状態で残
したい部分を防ぎ、凹凸のある面を得ることができる。
投射材には、スチールショット、スチールグリッド、ワ
イヤカット、砥粒、ガラスビーズ、有機物など種々のも
のが用いられ、投射方式には遠心投射式、エア加速式、
ベルト投射式、水噴射式などの方法がとられる。
【0028】本発明では、成形型の表面形状を一方向に
形成された溝形状を周期的に有するようにする。そのた
め、溝形状が形成されている平行方向に対して超撥水性
が発現する。一方向に形成された溝形状を周期的に有す
る表面を図2に示したが、これに限定されるものではな
い。
【0029】本発明では、成形型の表面形状を交差させ
た溝形状を周期的に有するようにする。そのため、一方
向に形成された溝形状とは異なり、溝形状が形成されて
いる方向に依存することなく超撥水性を発現させること
ができる。交差させた溝形状を周期的に有する表面を図
3に示したが、これに限定されるものではない。
【0030】シリコーン樹脂、フッ素樹脂のうちから選
ばれる少なくとも1種類以上の樹脂に、粒径10nm〜1μm
の撥水性表面を有する粒子を含有することができる。例
えば、粉末状フッ素樹脂、シリカ粒子などがあげられる
がこれらに限定されるものではない。これにより、深さ
5μm〜100μm、ピッチ10μm〜200μmの周期的な表面形
状内に1μm以下の凹凸が形成され、水の接触角をさらに
向上させることができる。また、これを工業的に容易に
入手可能な粒子を用いることで、安価に所望の形状を得
ることができる。
【0031】成形時に離型剤を使用する場合、離型剤中
に粒径10nm〜1μmの撥水性表面を有する粒子を含有する
ことができる。例えば、粉末状フッ素樹脂、シリカ粒子
などがあげられるがこれらに限定されるものではない。
これにより、深さ5μm〜100μm、ピッチ10μm〜200μm
の周期的な表面形状内に1μm以下の凹凸が形成され、水
の接触角をさらに向上させることができる。また、これ
を工業的に容易に入手可能な粒子を用いることで、安価
に所望の形状を得ることができる。
【0032】固体表面上における液体の接触角は、固体
-液体界面、固体-気体界面、液体-気体界面の張力のつ
りあいによって定まるが、固体表面が平滑面であった場
合の水の接触角は最大で115.2度である。しかし、固体
表面が微細な凹凸構造を有し、固体表面に比べて大きな
実表面積を有することにより、固体-液体界面、固体-気
体界面の張力が見かけ上増加し、平滑面上とは異なる張
力のつりあいが生じることにより、その結果、撥水性が
向上し、水の接触角150度以上という超撥水性が発現す
ることとなる。
【0033】本発明で用いるシリコーン樹脂高分子とし
ては、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシ
ロキサン、ジフェニルポリシロキサン及びこれらのシリ
コーンに有機基を反応させたシリコーンとしてアミノ変
性、エポキシ変性、カルボキシル変性、カルビノール変
性、メタクリル変性、メルカプト変性、フェノール変
性、ポリエーテル変性、メチルスチリル変性、アルキル
変性、脂肪酸エステル変性等の変性シリコーンなどがあ
げられるが、これらに限定されるものではない。
【0034】本発明で用いるフッ素樹脂高分子として
は、ポリテトラフルオロエチレン、テトラフルオロエチ
レン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体、
テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン共
重合体、テトラフルオロエチレン・エチレン共重合体、
ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデ
ン、テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレ
ン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体、ク
ロロトリフルオロエチレン・エチレン共重合体、ポリビ
ニルフルオライドなどがあげられるが、これらに限定さ
れるものではない。
【0035】本発明で用いる不飽和ポリエステル樹脂と
しては、不飽和二塩基酸として、例えばフマル酸、マレ
イン酸、無水マレイン酸及びこれらの混合物などが、飽
和二塩基酸としては、例えばテレフタル酸、フタル酸、
無水フタル酸、イソフタル酸、コハク酸、アジピン酸、
セバシン酸及びこれらの混合物などが挙げられる。一
方、多価アルコールとしては、例えばエチレングリコー
ル、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、
ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプ
ロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、ビスフ
ェノールA、水素添加ビスフェノールAなどがあげられる
が、これらに限定されるものではない。架橋性単量体と
しては、例えばスチレン、α-メチルスチレン、ジビニ
ルベンゼン、ジアリルフタレート、エチレングリコール
ジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレー
ト、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメ
チロールプロパントリメタクリレート、ペンタエリスリ
トールトリアクリレート、ペンタエリスリトールトリメ
タクリレートなどがあげられるが、これらに限定される
ものではない。
【0036】本発明で用いるアクリル樹脂としては、
(メタ)アクリル酸エステルの単一重合体、(メタ)アクリ
ル酸エステルとα,β-エチレン性不飽和高分子、多官能
(メタ)アクリル酸エステルなどの共重合体などがあげら
れるが、これらに限定されるものではない。
【0037】本発明で用いるエポキシ樹脂としては、脂
環式エポキシ樹脂、グリシジルエステル型エポキシ樹
脂、長鎖ポリオールのグリシジルエーテル型エポキシ樹
脂、ビスフェノールA、ビスフェノールFなどの2価フェ
ノールとエピクロルヒドリンより得られるビスフェノー
ル型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、ポリオ
レフィン型エポキシ樹脂などがあげられるが、これらに
限定されるものではない。
【0038】本発明で用いるビニルエステル樹脂として
は、例えば分子中にエポキシ基を少なくとも1個有する
エポキシ高分子に、アクリル酸、メタクリル酸などの重
合性不飽和結合を有するカルボキシル高分子のカルボキ
シル基との開環反応により生成する樹脂であり、ビスフ
ェノール型エポキシビニルエステル樹脂、ノボラック型
ビニルエステル樹脂、ポリオレフィン型ビニルエステル
樹脂などはあげられるが、これらに限定されるものでは
ない。
【0039】
【実施例】以下に、本発明の好ましい実施様態を実施例
に基づいて説明する。尚、本発明は、これらの実施例に
よって限定されるものではない。表1に従って、成形型
表面に表面加工を施した。表面加工には、ショットブラ
スト法、およびエッチング法を用いたが、どちらの方法
でも同様の表面加工を施すことができた。
【0040】実施例1〜3は一方向に形成された溝形状
を周期的に有する成形型、実施例4〜6は交差させた溝
形状を周期的に有する成形型である。また、比較例1は
溝形状が形成されていない平滑面を有する成形型、比較
例2、3は本発明が提供する範囲外で一方向に形成され
た溝形状を周期的に有する成形型、比較例4、5は本発
明が提供する範囲外で交差させた溝形状を周期的に有す
る成形型である。
【0041】
【表1】
【0042】上記成形型表面に、メタクリル変性シリコ
ーンなどを主体とするシリコーン樹脂を塗布し、樹脂成
形体のプレス成形を行った。基材樹脂として、三井武田
ケミカル(株)製不飽和ポリエステルBMCを用いた。
【0043】成形体表面形状をオリンパス(株)製レーザ
ー顕微鏡OLS1100型を用いて測定した。成形型表面形状
が樹脂成形体に転写されていることが確認された。断面
プロファイルの観察により樹脂成形体表面形状の深さ、
ピッチ、溝間隔を測定することができる。
【0044】上記成形型を用いて、樹脂成形体を作製し
たときの表面接触角を表2に示した。接触角の測定には
協和界面化学(株)製接触角計CA-X150型で測定を用い
た。本発明では、水の接触角150度以上となる樹脂成形
体を作製できることを示している。
【0045】
【表2】
【0046】本発明の超撥水表面の耐久性を確認するた
め、試験片に硬質スポンジを当接し、水を滴下し、12.5
g/cm2の荷重をかけ往復10000回のラビング試験を行い、
接触角の測定を行った。接触角の測定には協和界面化学
(株)製接触角計CA-X150型で測定を用いた。表3に結果
を示した。本発明の樹脂成形体は、実使用環境における
摩擦に対し、十分な耐久性を有していることを示してい
る。
【0047】
【表3】
【0048】以上の結果は、本発明における製造方法に
よって、超撥水性を有する樹脂成形体を製造できること
を示している。また、上記成形体が十分な耐久性を有す
ることを示している。
【0049】
【発明の効果】以上のように、本発明では、基材本来の
意匠性を損なわずに耐久性の高い撥水表面を持つ材料を
容易かつ安価に作製するための製造方法を提供すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明における樹脂成形体の製造方法におけ
る工程を示す図。
【図2】 本発明における一方向に形成された溝形状を
周期的に有する表面を示す図
【図3】 本発明における交差させた溝形状を周期的に
有する表面を示す図
【符号の説明】
1:成形上型 2:成形下型 3:基材を形成する樹脂組成物 4:表面層を形成する樹脂 5:樹脂成形体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B29K 63:00 B29K 63:00 67:00 67:00 C08L 101:00 C08L 101:00 (72)発明者 小林 敏男 福岡県北九州市小倉北区中島2丁目1番1 号 東陶機器株式会社内 Fターム(参考) 4F071 AA31 AA42 AA49 AF04 BB01 BB03 BB05 4F202 AA21 AA24 AA39 AF01 AJ03 AJ05 AJ09 CA01 CA09 CA11 CD23 CK11

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 深さ5μm〜100μm、ピッチ10μm〜200μ
    mの周期的な表面加工を施した成形型表面に、シリコー
    ン樹脂、フッ素樹脂のうちから選ばれる少なくとも1種
    類以上の樹脂を塗布した成形型を用いて、基材を形成す
    る樹脂組成物を射出成形、プレス成形または射出プレス
    成形または注型成形のうちのいずれかの方法により成形
    して厚み300nm以下の表面層を有する樹脂成形体を形成
    することを特徴とする樹脂成形体の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記成形型の表面加工を施した部位の表
    面形状は、一方向に形成された溝形状を周期的に有する
    形状であることを特徴とする請求項1に記載の樹脂成形
    体の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記成形型の表面加工を施した部位の表
    面形状は、交差させた溝形状を周期的に有することを特
    徴とする請求項1に記載の樹脂成形体の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記樹脂組成物は、不飽和ポリエステル
    樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ビニルエステル樹
    脂のうちから選ばれる少なくとも1種類の樹脂を含有す
    ることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載
    の樹脂成形体の製造方法。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれか1項に記載の樹
    脂成形体の製造方法により製造されたことを特徴とする
    樹脂成形体。
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