JP2003236749A - 研磨装置及び研磨方法 - Google Patents

研磨装置及び研磨方法

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JP2003236749A JP2003017159A JP2003017159A JP2003236749A JP 2003236749 A JP2003236749 A JP 2003236749A JP 2003017159 A JP2003017159 A JP 2003017159A JP 2003017159 A JP2003017159 A JP 2003017159A JP 2003236749 A JP2003236749 A JP 2003236749A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】研磨装置に関し、研磨の際の振動を高感度に検
出して研磨のバラツキを精度良く、しかもリアルタイム
で検出して研磨時間を短縮し、また、ゴミの存在の確認
を容易にするとともに、定盤の振動の伝達を無線で正常
に行うとともに、研磨状態を捉えるために利用される研
磨固有の振動の検出能力を改善すること。 【解決手段】研磨対象物を支持する第1の定盤3と、前
記第1の定盤3を回転させる駆動機構21と、前記第1
の定盤3に対向して配置され、且つ内部に空洞2aが形
成された第2の定盤2と、前記第2の定盤2に張り付け
られた研磨布1と、前記第1の定盤3又は前記第2の定
盤2に取り付けられ、研磨時の振動信号を出力する振動
検出器10と、少なくとも前記第1の定盤3と前記第2
の定盤2の一方の研磨動作を制御する制御部17とを有
することを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、研磨装置及び研磨
方法に関し、より詳しくは半導体素子を構成する絶縁膜
や導電膜の表面などの平坦化に用いる研磨装置及び研磨
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】半導体記憶装置などの半導体装置は年々
集積度が増し、その内部回路の配線の多層化もさらに進
んでいる。その配線の多層化を可能にするために、化学
機械研磨(以下、CMP(chemical mechanical polishi
ng) という)技術を利用して配線上の層間絶縁膜が平坦
化されている。CMP技術では時間的、コスト的な面か
ら研磨の終点検出や自動化が重視されている。
【0003】しかし、その研磨の終了時期については、
研磨布の劣化などが原因で研磨速度が一定に保てないた
めに、時間的に制御したとしても厳密に決定することは
できなかった。従って、これまでは短時間の研磨を行っ
ては一旦研磨を中止して被研磨物の研磨状態を観察す
る、といった作業を平坦面が得られるまで繰り返してい
た。このような方法では手間や時間もかかるので実用的
でない。
【0004】CMPの終点検出はこれまで、定盤(ヘッ
ドともいう)を回転させるモータのトルクの変化を検出
してその変化に基づいて研磨面の摩擦抵抗をモニタする
方法があった。しかし、この方法は高周波成分が皆無の
ため、研磨面の擦り摩擦力の位置的、時間的平均を得る
に過ぎないので、感度が悪く、さらにヘッドの構造によ
っては使用できない場合もある。例えば、ヘッドと筐体
が弾性体で接合されるような構造を有するエアバック方
式では、研磨面の摩擦の影響が回転軸に伝わりにくくな
り、著しく感度が低下して実用にならない。
【0005】また、光学式膜厚計で研磨物を測定して終
点を検出する方法もあるが、リアルタイムで検出できな
い。また、窒化シリコン膜とSiO2膜を同時に研磨する場
合には、光学式膜厚計でその研磨膜厚を精度良く測定す
ることができない。
【0006】そこで、モーターの回転トルクや定盤の振
動の変化に基づいて研磨の終点検出を行うことが、特開
平6-320416号、特開平6- 45299号公報において提案され
ている。しかし、それらの公報では、研磨面が単に平坦
化された否かではなくて、研磨が進んで異質の材料が研
磨面に露出し、これにより研磨面の摩擦抵抗が変化して
振動が変化した時点を終点としている。
【0007】また、研磨面と研磨布との摩擦による定盤
の歪みを、歪みセンサで測定する方法が特開平6-320416
号公報に記載されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかし、歪みセンサを
使用する研磨装置では、研磨により生じる振動が小さい
ので、研磨装置のモータ振動などの機械的振動(音)が
バックグラウンドノイズとして混入するので、十分な感
度が得られない。この結果、研磨面の全領域の研磨状態
を精度良く検知したり或いは終点を検出することは難し
く、基本的な研磨を終えた後に、さらに追加の研磨が必
要となる。
【0009】また、研磨面と研磨布との摩擦により生じ
るヘッドの歪みを歪みセンサで測定する場合には、その
歪みは歪みセンサに現れるほど大きくはない。しかも、
研磨装置自体の振動をフイルタで低減しても、歪みセン
サによりウェハ表面の凹凸の変化は検出できないのが実
状である。なぜならば歪みセンサは高い振動周波数に感
度が無いからである。
【0010】従来の研磨装置では、研磨布の目立てや交
換の時期に関する客観的な指標がないので、それらの作
業を無用に行いがちである。
【0011】さらに、研磨の際のゴミ(異物)により研
磨面に傷が付いたとしても、研磨終了後に研磨対象物を
取り出してその研磨面を顕微鏡で観察することにより始
めて傷の存在がわかることになる。CMPによる研磨の
際のゴミの発生及び混入に対しては何等の対策もとられ
ておらず、研磨面の傷を観察することで間接的に評価し
ていた。
【0012】一方、従来では研磨終了後に研磨評価を行
っているので、1ロット(通常は25枚程度)の初期の
段階でゴミが混入して被研磨物の表面に傷が付きはじめ
ても、その1ロットが終了するまではゴミの混入は気が
つかなかった。このため、研磨面を傷付けるようなゴミ
が入ってから後に研磨される被研磨物には当然に傷が付
くので、半導体ウェハのような研磨対象物が無駄に消費
される。しかも、傷付いた研磨面からその一部が欠落し
てゴミとなり、さらにゴミが増加することもある。
【0013】また、研磨の際にゴミが存在しても、その
場所が特定できないので、ゴミを除去するために研磨布
全体を交換することもあり、そのような場合には手間が
かかってしまう。
【0014】さらに、上記した特許公開公報では、定盤
振動検出のための信号を定盤の上から増幅器に伝達する
ことが記載されているが、その信号伝達を無線で行おう
とする場合には、定盤を回転させるためのモータのシャ
フトによって無線信号が一時的に途切れてしまう。
【0015】ところで、研磨量は、パターンの形状に依
存し、しかも加圧力、回転数、研磨液流量、研磨布の表
面状態などの研磨条件によって大幅に変化する。従っ
て、時間で研磨量を制御する場合には、ロット毎に一旦
試し研磨を行い、研磨速度を確認することを行っている
が、これでは手間がかかってしまう。しかも、パターン
の異なる複数種類のロットについて研磨を行う場合に
は、試し研磨の占める時間が増えてスループットが低下
する。
【0016】本発明の目的は、研磨の際の振動を高感度
に検出して研磨のバラツキを精度良く、しかもリアルタ
イムで検出して研磨時間を短縮し、また、ゴミの存在の
確認を容易にするとともに、定盤の振動の伝達を無線で
正常に行うとともに、研磨状態を捉えるために利用され
る研磨固有の振動の検出能力を改善することができる研
磨装置及び研磨方法を提供することを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】上記した課題は、図1に
例示するように、研磨対象物を支持する第1の定盤3
と、前記第1の定盤3を回転させる駆動機構21と、前
記第1の定盤3に対向して配置され、且つ内部に空洞2
aが形成された第2の定盤2と、前記第2の定盤2に張
り付けられた研磨布1と、前記第1の定盤3又は前記第
2の定盤2に取り付けられ、研磨時の振動信号を出力す
る振動検出器10と、少なくとも前記第1の定盤3と前
記第2の定盤2の一方の研磨動作を制御する制御部17
とを有することを特徴とする研磨装置によって解決す
る。
【0018】または、図15に例示するように、被研磨
物を支持する第一の定盤3と、前記第一の定盤3に対向
して配置される第二の定盤2と、前記第二の定盤2に張
り付けられる研磨布1aと、前記第一の定盤3又は前記
第二の定盤2に取付けられた振動検出器10と、少なく
とも前記第1の定盤3又は前記第2の定盤2を駆動する
駆動機構21と、前記振動検出器10が取付けられた側
の前記第一の定盤3又は前記第二の定盤2に取り付けら
れ、且つ前記振動検出器10によって検出された情報を
無線送信する送信部13と、前記送信部13から出力さ
れた無線信号を受信する受信部14と、前記受信部14
に接続されて、受信した前記無線信号を解析する信号解
析部15と、前記信号解析部15からの信号に基づい
て、研磨停止、研磨条件を変更を指示する信号を少なく
とも前記駆動機構に出力する制御部17と、前記振動検
出器10が取り付けられた前記第一の定盤3又は前記第
二の定盤2の回転軸の周囲に取付けられ且つ前記送信部
13に接続された環状の送信アンテナ25と、前記回転
軸の延長上に取付けられ且つ前記受信部14に接続され
る受信アンテナ26とを有することを特徴とする研磨装
置。
【0019】この場合、図19に例示するように、前記
振動検出器10Aの出力に基づく振動信号の振幅レンジ
を広げるための対数アンプ34cと、前記受信部14の
出力側に接続されて前記受信部からの出力信号を変換す
る逆対数アンプ35とを有することを特徴とする。
【0020】上記した研磨装置において、図39〜図4
7に例示するように、研磨対象物を支持する第1の定盤
3と、前記第1の定盤3に対向して配置される第2の定
盤2と、前記第2の定盤2に張り付けられる研磨布1d
と、前記第1の定盤3を前記研磨布1d上の一定範囲内
で周期的に移動させる駆動手段8,21と、前記第1の
定盤3の振動強度又は前記駆動手段の駆動トルクの値
を、前記第1の定盤の位置成分を含む関数で割算してそ
の結果を研磨状態信号として出力し、該研磨状態信号の
変化を時間で微分し、その微分値に基づいて研磨終了を
検出する研磨終点検出手段77とを有することを特徴と
する研磨装置によって解決する。
【0021】上記した課題は、図48に例示するよう
に、被研磨物Wを支持する定盤3と、該被研磨物Wを研
磨する研磨布1と、前記研磨布1と前記被研磨物Wの摩
擦によって前記研磨布1の移動方向又は前記定盤の回転
方向に引きずられる前記第定盤3の変位の変化を測定す
る変位検出器61〜63とを有することを特徴とする研
磨装置により解決する。
【0022】この研磨装置において、前記研磨布1との
摩擦によって平坦化される前記被研磨物Wの平坦化速度
と前記変位検出器61〜63の出力信号とを対応させ、
該出力信号の変化が該平坦か速度の所定の範囲内又は所
定の値に達した時を研磨終点として判別する研磨終点判
別手段15を有することを特徴とする。
【0023】上記課題は、図39〜図47に例示するよ
うに、研磨対象物を支持する第1の定盤と、該第1の定
盤に対向して配置される第2の定盤と、該第2の定盤に
張り付けられた研磨布とを備えた研磨装置を用いる研磨
方法において、駆動手段により、前記第1の定盤を前記
研磨布上の一定範囲内で周期的に移動させ、前記第1の
定盤の振動強度又は前記駆動手段の回転トルクの値を、
前記第1の定盤の位置成分を含む関数で割算してその結
果を研磨状態信号とし、該研磨状態信号の変化を時間で
微分し、その微分値に基づいて研磨を終了する工程を含
むことを特徴とする研磨方法により解決する。
【0024】上記研磨方法において、前記関数は、前記
研磨布の回転中心からの距離に比例する比例関数である
ことを特徴とする。また、前記研磨布において、略等密
度に溝又は孔が形成されている場合は、前記関数は、前
記研磨布の回転中心からの距離の二乗に比例する関数で
あることを特徴とする。さらに、前記関数には、前記第
2の定盤の回転数が含まれることを特徴とする。
【0025】上記課題は、図26〜図28に例示するよ
うに、研磨対象物を支持する第1の定盤と、該第1の定
盤に対向して配置される第2の定盤と、該第2の定盤に
張り付けられる研磨布とを使用して、該研磨対象物を前
記研磨布により研磨する研磨方法において、振動検出器
によって、前記第1の定盤又は前記第2の定盤の研磨時
の振動を検出し、前記振動検出器により検出された振動
強度の異常を検出し、該振動強度の異常検出時間が前記
第2の定盤の回転周期よりも短い場合に、前記第1の定
盤と前記第2の定盤の駆動を制御することを有すること
を特徴とする研磨方法によって解決する。
【0026】(作 用)本発明によれば、研磨布や定盤
の内部に空洞を形成するので、誘発された研磨時の振動
が増幅されて、振動検出の振動強度の変化の把握は容易
になる。
【0027】さらに、研磨の際の振動検出器による振動
の減衰量を実効値として捉え、この実効値の変化を時間
毎に測定してその変化の積分値又は一定時間の変化量が
零又はそれ以上になった時点を研磨の終点検出としても
よい。
【0028】この場合、第1の定盤が回転の他に研磨布
上を移動する動作を伴う場合には交流成分が大きすぎて
終点を判断しにくくなる。この場合には、第1の定盤の
位置を含む関数によって実効値を割ることにより、検出
信号を補正すると、研磨の終点検出が速く且つ正確に検
出できた。
【0029】また、本発明によれば、研磨時の振動の検
出する振動検出器の出力を無線で外部に送信する場合
に、送信アンテナと受信アンテナを同軸上に配置するよ
うにしたので、アンテナが回転したり揺動しても安定な
送受信がなされる。
【0030】さらに、定盤に取付けられる振動検出器や
送信部に電力を供給する場合にはその定盤を回転するシ
ャフトの周囲に環状導電体を取付け、この環状導電体に
接触するブラッシを通して電力を供給するようにしてい
るので、電池交換の手間や電力不足による作業停止とい
った事態が回避される。なお、環状導電体として市販の
スリップリングを用いてもよい。
【0031】さらに、本発明によれば、研磨時におい
て、定盤に取付けられた振動検出器により検出された振
動強度の異常を検出して、振動強度の異常検出時間が定
盤の回転周期よりも短い場合にゴミの存在を示す信号を
出力する信号分析部を設けるようにしているので、その
後に続く被研磨物の研磨面のゴミによる傷の発生が未然
に防止される。
【0032】また、振動強度の異常が定盤の周期よりも
長く発生する場合には、傷以外の原因なので、直ぐに研
磨を停止すると、ゴミ以外の原因による研磨装置の異常
動作を容易に検出できる。
【0033】また、振動検出器により検出した振動信号
を無線で制御部に送る場合に、対数アンプを介して振動
信号の振幅レンジを拡大して無線で送り、受信後に逆対
数アンプで振動信号を復元すると、S/N比が向上す
る。
【0034】また、研磨の進行によって変化する被研磨
物支持盤の振動を振動検出器で検出する場合に、検出時
において、被研磨物支持盤を駆動するエネルギーの供給
を一時的に停止すると、バックグラウンドノイズを大幅
に低減でき、S/N比を改善できる。
【0035】さらに他の本発明の研磨装置によれば、研
磨の際に被研磨物支持盤の位置を検出する変位検出器を
有しているので、研磨が進むにつれて研磨布と被研磨物
の摩擦力が変化して被研磨物支持盤の位置が変化し、そ
の変位の変化量により研磨の終点等を検出できる。この
場合、被研磨物支持盤の位置の変化量はバックグラウン
ドノイズとは振動周波数帯が異なるので、モータ等の振
動の影響を受けずにS/N比の良い検出が可能になる。
【0036】なお、本発明では、研磨時固有の振動を大
きくしたり、S/N比を改善する等の手法を採用してい
るので、研磨終点検出用の異物を有しないウェハの研磨
終点検出などの判断が容易になる。
【0037】
【発明の実施の形態】そこで、以下に本発明の実施形態
を図面に基づいて説明する。 (第1実施形態)図1は、本発明の第1実施形態の研磨
装置の要部を示す構成図である。
【0038】研磨装置は、モータMによって回転される
円盤状の下側定盤2と、吸着パッド(不図示)を介して
被研磨物Wを支持する円盤状の上側定盤3とを有してい
る。下側定盤2と上側定盤3内にはそれぞれ1つ又は複
数の空洞からなる共振部2a,3aが形成されている。
また、下側定盤2上には、被研磨物Wと対向接触する研
磨布1が張りつけられている。
【0039】研磨布1は例えば発泡ウレタンからなるも
ので二層構造となっている。
【0040】研磨布1の上層部には、図2(a),(b) に示
すような深さ2mm程度の第一の溝4が複数の箇所に形成
されている。第一の溝4に囲まれた矩形状の領域は例え
ば20mm四方の広さを有し、研磨時に被研磨物Wに接触
して振動を誘発する励振部5となっている。また、研磨
布1の下層部には、励振部5に重なる第二の溝(空洞)
6が形成され、その第二の溝6は、励振部5の振動に共
振するようになっている。
【0041】第一の溝4の形成領域は特に限定されるも
のではないが、例えば図2(a) 、(b) に示すようなもの
がある。図2(a) に示す第一の溝4は平面が矩形状のも
ので、十字方向に複数本形成されている。また、図2
(b) に示す第一の溝4は、直線状に縦横に複数本形成さ
れたものである。
【0042】上側定盤3は、図3に示すように、ゴムや
バネ等の弾性部7を介して内部空洞の筐体8に支持され
ていて、筐体8とは異なる動きをするようになってい
る。筐体8の上部は、シャフト駆動部21によって回転
及び上下動されるシャフト9の下端に固定されている。
筐体8と上側定盤3と弾性部7は全体でヘッドとも呼ば
れ、そのヘッド内部の空間は、上側定盤3を研磨布1に
押圧し得るような内部圧力となっている。
【0043】上側定盤3の上部又は側部には振動検出素
子(以下、加速度素子ともいう)10が取り付けられ、
その振動検出素子10の出力端は筐体8に取り付けられ
た送信機13に接続されている。振動検出素子10とし
て、例えば圧電素子加速度センサーが使用される。
【0044】筐体8と上側定盤3と弾性部7によって囲
まれる空間が所定の圧力に保持される構造のヘッドは、
エアバック式ヘッドと呼ばれる。エアバック式ヘッドで
は、上側定盤3が上にずれると上側定盤3には位置を元
に戻す下向きの圧力が加わる一方、上側定盤3が下にず
れると上側定盤3には位置を元に戻す上向きの圧力が加
わるような圧力が加えられ又はそのような圧力が保持さ
れる。その圧力は、シャフト9内の空洞を通して外部か
ら加えられる。
【0045】また、送信機13は、振動検出素子10か
らの振動周波数、振動強度に関する情報の信号を無線で
受信機14に送信し、受信機14で受けた振動情報を信
号解析部15によって分析し、得られた振動周波数と振
動強度のパワースペクトルから研磨以外の原因による固
有振動成分(例えば、研磨装置固有の振動成分)を差し
引き、その結果を例えば表示部16に表示したり、駆動
制御部17を介してシャフト9やドレッサー12を移動
したり駆動、停止したり、或いは駆動制御部17を介し
てノズル11から供給される研磨液給料量を制御したり
している。
【0046】研磨布1の表面はドレッサー12により目
立てされる。ドレッサー12の上下動及び回転動作は、
駆動制御部17によって制御される。
【0047】下側定盤2を回転させるモータMの回転数
は、駆動制御部17によって制御される。
【0048】上述した研磨装置により研磨される被研磨
物Wとしては、例えばシリコン、ゲルマニウムや化合物
半導体などのウェハや、そのようなウェハに形成された
導電膜、絶縁膜、金属膜がある。
【0049】なお、上記した第一及び第二の溝の代わり
に研磨布1に複数の小孔を形成するようにしてもよい。
【0050】そこで次に、半導体ウェハの研磨を例に挙
げて上記した研磨装置の動作を説明する。
【0051】まず、被研磨物Wとして半導体ウェハWを
上側定盤3の下面に貼った後に、かつ駆動制御部17か
らの信号により下側定盤2を回転させる。さらに、駆動
制御部17からの信号によりシャフト9を回転、下降さ
せて半導体ウェハWを研磨布1に押圧する。その研磨の
際にはノズル11を通して研磨液を研磨布1に供給す
る。
【0052】研磨が開始すると、半導体ウェハWと研磨
布1の摩擦によって半導体ウェハWが振動するので、研
磨布1に形成された振動部5が振動し、その振動は第二
の溝6や下側定盤2及び上側定盤3の共振部2a,3a
の共振によって増幅され、振動検出素子10に伝達され
る。
【0053】振動検出素子10に入力する振動として
は、摩擦による振動成分の他にシャフト9を駆動するシ
ャフト駆動部21からの振動成分が存在する。シャフト
駆動部21の固有振動は、摩擦振動を検出する振動検出
素子10のノイズになる。しかし、振動検出素子10
は、上側定盤3に取り付けられているので、シャフト9
及び筐体8に伝達したシャフト駆動部21の固有振動
は、弾性体7の振動吸収によって減衰される。この結
果、上側定盤3に伝わるシャフト駆動部21の固有振動
は弱くなるので、振動検出素子10に入力するノイズが
低減する。
【0054】振動検出素子10によって検出された振動
周波数や振動強度等の振動情報は、送信機13、受信機
14、信号解析部15を介して表示部16に表示され
る。表示部16では、例えば図4に示すような振動のパ
ワースペクトルが表示される。このパワースペクトル
は、信号解析部15によって研磨以外の原因による固有
振動成分を引いたものである。
【0055】研磨の初期段階であって研磨面の全面に凹
凸が存在する状態では、図4に見られるように低周波か
ら高周波までの広い振動周波数帯にわたり振動強度が大
きくなっていることがわかる。研磨が進んで研磨面の一
部が局部的に平坦になると、振動強度が振動周波数全体
で減少するだけでなく、500Hz程度の低い振動周波
数の振動強度の減衰が顕著になる。低周波の減衰は、研
磨面の一部が平坦に研磨されることにより起こる特有の
現象であり、全体が一様に研磨されている場合には10
00Hz前後の高周波の振動強度が減衰する。研磨面の
一部が平坦化されている場合には、駆動制御部17によ
って上側定盤3や下側定盤2の回転数や上側定盤3によ
る圧力などを調整して、研磨のバラツキを少なくする。
【0056】研磨面の全面が一様に平坦化すると振動が
生じなくなるので、図4に見られるように振動強度が全
振動周波数帯域でほぼ零になる。
【0057】このように、研磨布1に設けた励振部5の
振動誘発によって振動周波数帯域が広くかつ振動強度が
大きくなって感度が良くなるばかりでなく、研磨布1の
第二の溝6や上側定盤3及び下側定盤2の共振部2a,
3aによる共振によって振動が増幅される。
【0058】これにより、研磨面での微細な凹凸の存在
を増幅して検出することが可能になった。その振動の変
化によって研磨状態が研磨面の0.05μm以下の微小
な凹凸でも検出でき、また、研磨面の研磨バラツキの状
況を精度良く把握でき、そのバラツキが低下する方向に
研磨圧力を変えたり上側又は下側定盤2,3の回転数を
変えることにより自動的に修正して研磨バラツキを修正
することができる。これにより、研磨状態を高精度に把
握して、研磨の終了の判断を容易にしたり、追加研磨が
不要になってスループットが向上する。
【0059】振動周波数に対する振動強度のスペクトル
を信号解析部15により積分すると研磨が進行するにつ
れて積分値は次第に減少するので、積分値の時間的変化
が無くなった場合には研磨が終了したと判断して信号解
析部15から研磨終了の信号を駆動制御部17に送り、
駆動制御部17はシャフト9の回転を停止したり、シャ
フト9を上昇させたりして、半導体ウェハWと研磨布1
の接触を断って研磨を終了させる。
【0060】なお、その積分値が研磨終了時にも完全に
零にならないような場合には、その積分値が予め設定し
た基準値となったり、或いは積分値の時間的変化が予め
設定した基準値よりも小さくなった時点で研磨終了であ
ると判断してもよい。
【0061】ところで、研磨が終わらない状態で研磨布
1が磨耗すると、被研磨物Wと励振部5との摩擦が減少
して振動が生じなくなり、振動強度が急速に減衰して研
磨終了の状態とほぼ同じ特性に変化する。このような急
峻な振動強度の減衰は、振動検出素子10、送信機1
3、受信機14を介して信号解析部15によって検出さ
れ、信号解析部15により研磨布1の劣化と判断され
る。この場合には、駆動制御部17を介して研磨を中止
するとともにドレッサー12を駆動して研磨布1を目立
てすることになる。そして、目立てを終えた後に研磨を
再開する。
【0062】研磨布1の表面が滑らかになった場合に
は、振動周波数の0〜数百Hzの帯域の振動強度が数d
Bの大きさで存在するので、その振動周波数帯域での振
動強度の存在と振動強度の変化の情報に基づいて研磨布
が磨耗したことを検知してもよい。
【0063】研磨布の劣化の基準は、研磨開始から終了
までの時間が予め設定した時間よりも短い場合や、積分
値の時間的変化が指定値を超えて減少した場合を劣化基
準としてもよい。
【0064】次に、上記した研磨装置を用いて半導体装
置の配線を覆う絶縁膜を研磨する工程について説明す
る。
【0065】半導体装置の配線を形成する場合には、ま
ず、図5(a) に示すように半導体基板W1 の上に第一の
絶縁膜W2 を形成した後に、第一の絶縁膜W2 上に金属
膜を形成し、ついで、図5(b) に示すようにその金属膜
をパターニングして配線パターンW3 を形成する。その
後に、図6(a) に示すように、配線パターンW3 を保護
するための第二の絶縁膜W4 を形成する。配線パターン
3 と第一の絶縁膜W 2 によって形成される段差は、第
二の絶縁膜W4 の表面に凹凸となって現れる。第二の絶
縁膜W4 の表面は、上記した研磨装置によって終点が検
出されるまで研磨され、その研磨面は図6(b) に示すよ
うに平坦になった。
【0066】第二の絶縁膜W4 が、例えばTEOSを使
用したSiO2膜である場合には、研磨速度が大きいので、
図7(a) に示すように、第二の絶縁膜W4 の上にCVD
により窒化シリコン膜W5 が形成される場合もある。そ
の窒化シリコン膜W5 の表面には凹凸が現れる。第二の
絶縁膜W4 と窒化シリコン膜W5 の表面は本発明の研磨
装置によって終点が検出されるまで研磨され、その研磨
面は図7(b) に示すように平坦になる。窒化シリコンは
SiO2よりも硬いので、窒化シリコン膜W5 が存在する場
合の研磨量は、窒化シリコン膜W5 が存在しない場合の
研磨量よりも少ない。
【0067】第二の絶縁膜W4 だけを研磨する場合に
は、その研磨面は図8(a) 〜(c) のように変化し、これ
らの場合に振動検出素子10に入力する振動の波形は図
10に示すように研磨が進行するにつれて小さくなる。
【0068】一方、第二の絶縁膜W4 及び窒化シリコン
膜W5 を研磨する場合には、図9(a),(b) に示すよう
に、初期の状態で全体を覆っていた窒化シリコン膜W5
は、研磨が進むにつれて一部が消失し、その部分から第
二の絶縁膜W4 が露出することになる。さらに窒化シリ
コン膜W5 と第一の絶縁膜W4 を研磨すると、研磨面が
平坦化した時点で研磨の終点が検出され、研磨は停止さ
れる。その研磨面には、図9(c) に示すように、第一の
絶縁膜W4 のみが露出する場合もあるし、一部に窒化シ
リコン膜W5 が残っている場合もある。
【0069】これらの研磨の際に振動検出素子10に入
力する振動の波形はほぼ図10に示すようになる。
【0070】従って、上記した研磨装置は、特開平6−
320416号公報に記載されているように膜質の変化
によって振幅が大きくなるような状況を捉えるものでは
なく、研磨面の平坦性が良くなるにつれて振動強度が減
少する事象を捉え、振動の減少が所定の基準に達した段
階で研磨終点を判断して研磨を停止する構成となってい
る。
【0071】なお、上記した振動検出素子10は上側定
盤3に複数個取り付けてもよい。例えば、縦方向の振動
と横方向の振動を別々に検出して研磨状態をさらに詳細
に検出してもよい。また、振動検出素子10の振動は縦
方向の振動でなく、横方向又は円周方向の振動であって
もよく、円周方向の振動については第8、9実施形態で
詳述する。また、振動検出素子10の取り付け場所を上
側定盤3でなく下側定盤3としてもよい。その取付け箇
所については、以下の実施形態でも同様に適用される。 (第2実施形態)図11は、本発明の第2実施形態を示
す側面図である。
【0072】本実施形態では、図11に示すように、セ
ラミックや水晶等の圧電材料からなる振動検出素子(加
速度素子)18を上側定盤3の中間層に介在させてい
る。これにより、被研磨物Wの研磨面に垂直な振動は勿
論のこと、研磨面の面に沿って生じる捩れ方向の摩擦、
即ち「ずり摩擦力」を検出できる。ずり摩擦力は、研磨
面の一部が局所的に平坦化すると急激に減少するので、
全体的に均一に研磨したい場合には、急激に減少しない
ように研磨条件(例えば研磨圧力、研磨速度)を調整し
て研磨のバラツキを解消させる。
【0073】この実施形態の振動検出素子18は、第1
実施形態と同様に送信機13に接続される。また、この
振動検出素子18は、研磨布1に励振部5を有しない研
磨装置にも適用してもよい。 (第3実施形態)図12は、本発明の第3実施形態を示
す側面図である。
【0074】本実施形態では、図12に示すように、歪
みゲージのようなフィルム状の圧力センサ19を被研磨
物Wと上側定盤3の間に介在させている。これにより、
被研磨物Wが研磨面に垂直な方向に受ける圧力変化を電
気抵抗の変化として検出することにより、垂直方向の振
動周波数や振動強度を検出できる。この圧力センサ19
として圧力分布を検出できるタイプのものを用いてもよ
い。
【0075】この実施形態の振動検出素子18は、第1
実施形態と同様に送信機13に接続されるが、研磨布に
上記した励振部を有しない研磨装置にも適用できる。 (第4実施形態)上記した実施形態では被研磨物を上側
定盤に取り付け、研磨布を下側定盤に貼り付けるように
したが、図13に示すように、被研磨物Wを下側定盤2
に取り付け、研磨布1を上側定盤3に貼り付けるように
してもよい。
【0076】この実施形態でも、研磨布1には励振部5
が設けられ、また振動検出素子10及び送信機13が上
側定盤3に取り付けられている。
【0077】なお、本実施形態でも研磨布1には第1実
施形態と同様に第二の溝6を形成したり、上側定盤3や
下側定盤2には空洞からなる共振部2a,3aを設けて
もよい。 (第5実施形態)上記した実施形態では、シャフトで上
側定盤を回転する機構となっているが、図14に示すよ
うに、回転機構のない上側定盤20を使用するいわゆる
デッドウェイト型の研磨装置を使用する場合にも、上側
定盤20に振動検出素子10や送信機13を搭載しても
よい。この場合、下側定盤2上の研磨布1に励振部5を
設けたり、上側定盤20や下側定盤2に空洞からなる共
振部を設けてもよい。
【0078】なお、図14において、図1と同一符号は
同一要素を示している。 (第6実施形態)図15は、本発明の第6実施形態の側
面図である。本実施形態では、電池を使用せずに送信機
に電力を供給する構造と、送信機と受信機を無線で接続
する構造を有する研磨装置を示す。図15において図1
と同一符号は同一要素を示している。
【0079】図15において、シャフト9の上には、モ
ーターを有するシャフト駆動部21が取り付けられ、こ
のシャフト駆動部21は弾性体22を介して揺動装置2
3に取り付けられている。揺動装置23は、ベルト24
に接続されて研磨布1aの上面に沿って縦横に移動可能
に配置されている。
【0080】また、上側定盤3には振動検出素子(例え
ば加速センサー) 10が、上側定盤3の中心から定盤半
径の1/4〜3/4だけ離れた位置に取り付けられてい
る。また送信機13が取付けられた筐体8の外周面には
送信機13に接続された送信用アンテナ25が少なくと
も1周形成されている。また、揺動装置の外周面には受
信用アンテナ26が少なくとも1周形成され、受信用ア
ンテナ26は弾性体22及びベルト24に沿って配置さ
れた信号線27を介して図1に示した受信機14に接続
される。なお、受信用アンテナ26は、接地されたシー
ルド線27aに囲まれている。
【0081】一方、シャフト9の周囲には、その表面か
ら絶縁された環状導体28が形成され、この環状導体2
8には導電性のブラッシ29が接触しており、導電性ブ
ラッシ29は外部に引き出される電力供給用配線に接続
されている。また、環状導体28からはシャフト9の内
部又は外部に沿って電線30が引き出されており、その
電線30は送信機13の電源端子に接続されている。そ
の電線30は絶縁物によって被覆されている。
【0082】なお、上側定盤3を筐体8に支持するため
の弾性部7が絶縁体である場合には、上側定盤3と送信
機13の間にはアース電位を確保するために上側定盤3
を導電体により形成するか或いは上側定盤3の表面に金
属を蒸着してそれらをアース線に接続する必要がある。
これにより接地電位であるシャフト9の長さ方向に引か
れる電線30は1本で足りることになる。
【0083】このような研磨装置によれば上側定盤3を
シャフト9により回転する場合でも、送信機13から出
力された信号は上側定盤3の周囲にある略環状の送信用
アンテナ25を通して無線で送信される。その無線信号
は、シャフト駆動部21の周囲の略環状の受信用アンテ
ナ26を介して図1に示す受信機14に入力することに
なるので、無線信号がシャフト9によって妨害されるこ
とがなくなる。この場合、揺動装置23が揺動しても送
信用アンテナ25と受信用アンテナ26は同時に揺動
し、そのうちの送信用アンテナ25が回転する。なお、
受信用アンテナ26は回転することはない。
【0084】送信用アンテナ25と受信用アンテナ26
は、それらのうちの一方をシャフト9の周囲に略環状に
配置すれば送受信が可能になる。しかし、シャフト9の
揺動による送受信状態の不安定性を避けるためには、上
記したように送信用アンテナ25と受信用アンテナ26
の双方を環状にした上で、それらを同軸上に配置するこ
とが好ましい。
【0085】一方、送信機13で消費される電力は、シ
ャフト9に沿って配置された電線30を通して供給され
るので、送信機13に電力を供給するための電池の交換
の手間が不用となり、しかも、電力不足による研磨の中
断を回避してスループットを向上することができる。
【0086】なお、研磨布1aは、第1実施形態のよう
に励振部が形成されたものであってもよい。また、電力
供給系統及び信号伝達系統以外は、第1実施に示した構
造を採用してもよい。 (第7実施形態)第1実施形態や第6実施形態に示した
研磨装置を複数台使用して、複数の被研磨物を並行して
研磨する場合に管理システムを構築する必要があるの
で、その実施形態を図16に基づいて説明する。
【0087】図16において、上記した構造を有する複
数の研磨装置m1 〜mn には、周波数の異なる信号f1
〜fn を送信する上記した送信機13が取付けられ、送
信機13にはそれぞれ上記した振動検出素子10が接続
されている。また、それらの送信機13は、フィルター
により特定の振動周波数帯域のみを送信するように構成
されている。
【0088】各送信機13から出力された信号は送信用
アンテナ25及び受信用アンテナ26を介して無線で伝
搬される。
【0089】送信用アンテナ25の上方の受信用アンテ
ナ26に入力した周波数の異なる信号f1 〜fn は合成
器31を介して受信機32に入力するようになってい
る。受信機32は、信号解析部33が一定量の受信デー
タを要求する毎に複数の送信機13の信号f1 〜fn を
時分割で順に同調して、同調した信号を信号解析部33
に送信するとともに、オートチューニング(自動周波数
制御) 機構を有している。オートチューニング機構は、
同調すべき信号の周波数の変動を参照周波数の範囲内に
自動的に保持する機構なので、各信号f1 〜fn の周波
数が温度変化などにより僅かにずれても、受信不能とい
った不都合が回避される。このため、送信機13の送信
周波数が温度変化などによって変動しても、常に最良の
受信状態で受信される。
【0090】また、受信機32は、同調した信号と同一
か最も近い周波数の信号f1 〜fnとして信号解析部3
3に伝送するので、信号解析部33での信号処理は正常
に行われる。
【0091】信号解析部33では、時分割された信号f
1 〜fn の情報に基づいて各研磨装置m1 〜mn の駆動
制御部17を制御して定盤の駆動、停止や圧力調整、或
いは定盤の回転数の調整を行ったり、又はドレッサーを
駆動、停止する。
【0092】なお、チューニングは、周波数の大きさ順
に行ってこれを何度も繰り返す。
【0093】以上により、複数の研磨装置を効率良く且
つ最適に管理することができる。 (第8実施形態)本実施形態では、研磨面の円周方向
(又は回転方向)の振動によって研磨を制御する研磨装
置について説明する。図17は、第8実施形態を示す研
磨装置の側面図であり、図18は、ヘッドの底面図を示
している。図17において、図1及び図15と同一符号
は同一要素を示し、また、図示しない部分は図1及び図
15の何れかと同じ機構となっている。
【0094】本実施形態において、エアバック式の筐体
8と上側定盤3を接続する弾性体7は特に材料を限定さ
れるものでないが、布を挟み込んだ多層構造のゴムシー
トを使用したり、そのゴムシートを複数枚重ねたものを
使用すれば機械的強度の大きいものが得られる。
【0095】上側定盤3の上には振動検出素子10Aが
取付けられていて、図18に示すように上側定盤3の円
周方向の微小振動を検出する向きとなっている。その振
動検出素子10Aは、その向きを変えることによって検
知すべき振動の方向を選択できる構造となっている。前
述した第1〜第7の実施形態における振動検出素子10
は上下の振動を検出する向きに配置されている。
【0096】振動検出素子10は、信号線を介して筐体
8上の送信機13Aに接続されている。送信機13Aの
信号出力端は筐体8外周面の環状の送信用アンテナ25
に接続され、また、送信機13Aの電源端は図15で示
した環状導電体28に接続されている。送信用アンテナ
25から出力される無線信号を受ける側の機構は、図1
5で示した環状の受信用アンテナ26を含む構成となっ
ている。
【0097】なお、図17中符号34は、後述する第1
のアンプ34aとフィルタ34bと第2のアンプ34c
を集積した回路を示している。
【0098】その送信系と受信系の回路は図19のよう
になる。
【0099】振動検出素子10Aは、第1のアンプ34
aとフィルタ34bと第2のアンプ34cを介して送信
機13Aに有線で接続されている。振動検出素子10A
は、50mV/G(約50μV/ガル)相当以上の感度
であってノイズレベルが1mG(約1ガル)相当以下の
ものが使用され、振動検出素子10Aとして加速度セン
サを使用する場合には、その共振周波数が20kHz以
上であり、または、研磨の進行に伴って振動強度が変化
する周波数に共振をもつものである。
【0100】第1のアンプ34aは増幅率500、フィ
ルタは10Hz〜30KHzのバンドパス、第2のアン
プ34cは増幅率1/50の特性のものが使用され、送
信機13Aとして例えばFM送信機が用いられる。
【0101】そのアンプ34a,34cはそれぞれ市販
のオペアンプを適用できる。また、フィルタ34bは、
研磨条件や被研磨物の変化や研磨装置改造による振動モ
ードの変化にすぐに対応できるように、グラフィックイ
コライザのように中心周波数の異なるバンドパスフィル
タを複数個組み合わせたものを使用したり、或いはプロ
グラマブル・バンドパスフィルタを使用し、各振動周波
数帯域の透過率を変えるようにしてもよい。グラフィッ
クイコライザを用いたフィルタの特性の一例を図20に
示す。なお、各バンドパスフィルタは、それぞれ、減衰
率が34dB/oct以上、帯域幅が中心の周波数と同
等以下又は1kHz程度のものを使用することが好まし
い。
【0102】一方、受信系では、受信用アンテナ26に
接続された受信機14は、図1に示す信号解析部15、
駆動制御部17を有する処理部35を有し、処理部35
はFFTアナライザ又はCPUボード又は所謂パソコン
によって構成される。処理部35は例えば10Hz程度
から30kHz程度までの振動周波数のスペクトルを得
るようにする。
【0103】以上は研磨固有の振動を測定するための構
造について説明しているが、実際には、下側定盤2や上
側定盤3を回転するためのモータなどの振動が振動検出
素子10Aに入力する。そこで、研磨装置自体の振動が
原因となる上側定盤3の振動が50mG(約50ガル)
以下になるような構造にすることが好ましい。50mG
以下か否かを判断する方法として、被研磨物Wとして平
坦なウェハを用いた場合に上側定盤3に及ぼす研磨振動
を測定すればよい。
【0104】次に、上記した構造の研磨装置を使用して
研磨終点を検出することについて説明する。
【0105】まず、下側定盤2と上側定盤3を回転させ
るとともに、下側定盤2の下に貼り付けた被研磨物Wを
下側定盤2上の研磨布1に押しつけて被研磨物Wの研磨
を開始する。研磨布1は第1実施形態で説明したような
格子状の溝4と振動部5を有している。
【0106】上側定盤3の円周方向の0〜25kHzの
振動の周波数とその振動の強度の関係が研磨時間によっ
てどのように変化するかを調べたところ図21のような
結果が得られ、研磨が進むにつれて振動周波数の帯域全
体で振動強度が低下することがわかる。
【0107】このことから、振動検出素子10Aによっ
て検出された振動信号は、送信機13A、受信機14な
どを介して処理部35に入力する。処理部35では、基
準値であるリファレンススペクトルと測定中の振動信号
とを比較し、例えば、特定の周波数域における振動強度
の積分値とリファレンススペクトルの積分値との比が所
定の閾値以下になったとき、或いは、特定の周波数域の
振動強度の積分値の時間変化量が所定の閾値以下になっ
たときに、研磨の終了と判定する。
【0108】振動信号の検出精度は、無線送信機13A
の性能に大きく影響する。第1及び第2のアンプ34
a,34cとフィルタ34bに要求される特性や送信す
る振動信号は次のような手順を踏んで決定される。
【0109】まず、有線で上側定盤3の振動強度を測定
する。次に、振動強度信号を増幅した電圧がフィルタ3
4bの許容入力電圧を越えないような値となるように第
1のアンプ34aの増幅率を決定する。さらに、フィル
タ34bを通過した振動強度信号を増幅して得られる電
圧が送信機13Aの許容入力電圧を越えないような値に
なるように第2のアンプ34cの増幅率が決定される。
【0110】また、フィルタ34bの振動強度周波数の
透過周波数帯域を決定する場合にはまず、実際に研磨を
行いながら無線送信し、研磨が進行しても振動強度が変
化しない振動周波数を調べ、この振動周波数を透過させ
ないような透過周波数帯域を決定する。研磨が進行して
も振動強度が変化しない振動成分は、研磨装置自身に起
因する振動ノイズである。
【0111】研磨布1の劣化や研磨液の濃度変化は、予
め測定しておいたスペクトルと実測のスペクトルの形状
を比較することにより知ることができる。これらの情報
が不要であって研磨終点のみを知りたい場合には、送信
機13Aの前段で特定の周波数域の振動強度信号をその
実効値に対応する直流信号に変換し、これを送信機13
Aから受信機14に送るようにしてもよい。
【0112】また、振動信号を無線送信する際に振幅レ
ンジを拡大するために、振動信号を対数アンプ34cで
増幅してから送信機13Aで無線送信し、その無線信号
を受信機14で受信した後にその受信信号を処理部35
内の逆対数アンプで元の信号を再現するようにしてもよ
い。
【0113】なお、本実施形態では、図15に示すと同
じように環状導電体28を使用して発振器13Aに電力
を供給する構造となっているが、電池を使用する構造と
してもよい。また、送信機13Aは、無線でなく、電源
供給用に使用した環状導電体28と同じ構造の信号用環
状導電体を使用して有線で受信機14に送信してもよ
い。さらに、送信機13Aは、筐体8の外部に取り付け
ているが、振動検出素子10と同様に筐体8内の空洞の
内部に取り付けてもよい。
【0114】図17では、1個の下側定盤2の上に1個
の上側定盤3を配置したが、1個の下側定盤2の上に複
数個の上側定盤を配置したり、或いは下側定盤2と上側
定盤3の組を複数備えた研磨装置を使用する場合には、
研磨の進行や終了を各ヘッド毎に上記した構成を設け
て、各々独立に研磨を制御するようにする。
【0115】本実施形態で説明したアンプやフィルタ
は、第1〜第7の実施形態の研磨装置に適用してもよ
い。 (第9実施形態)上記した第8実施形態では、1つの振
動検出素子10Aを取付ける場合について説明したが、
振動検出素子10Aと同じ重さの錘又は第2の振動検出
素子を上側定盤3の上に振動検出素子10Aと中心対称
にして取付けると、回転する上側定盤3のバランスがよ
くなって回転時の振動が安定する。
【0116】第2の振動検出素子を取付けた装置を示す
と図22のようになり、この構成では以下に示すような
回路構成を採ることによって2つの振動検出素子10
A,10Bの振動ノイズを低減できる。
【0117】その振動ノイズは測定方向に対して直角方
向の振動成分によるものである。振動検出素子10A,
10Bは、一般に、測定方向に対して直角方向となる振
動成分に数%の感度を有する。本実施形態において、そ
の直角方向の振動成分は縦方向の振動である。
【0118】図22において、2つの振動検出素子10
A,10Bにそれぞれ入力する2つの縦方向の振動ノイ
ズは、図23(a),(b) に示すように逆方向の場合と、図
24(a),(b) に示すように同方向の場合がある。
【0119】図23に示すような逆方向で縦の振動ノイ
ズが生じる場合には図25(a) に示すように、振動検出
素子10A,10Bの出力端に接続された第1のアンプ
34d,34eの出力端に加算器36を接続し、その加
算器36の出力端をフィルタ34bに接続することにな
る。この場合、図22(a) の実線の矢印で示すように、
2つの振動検出素子10A,10Bはそれぞれ上側定盤
3の回転振動を同一円周方向で検出するように配置す
る。
【0120】このような振動検出素子10A,10Bの
配置にして、第1のアンプ34d,34eの出力側に加
算回路36を挿入することによって縦方向の振動ノイズ
を打ち消して低減することができ、しかも、フィルタ3
4bに入力する円周方向の振動強度が2倍になるのでS
/N比が改善される。
【0121】これに対して、図24(a),(b) に示すよう
な同方向の縦の振動ノイズが生じる場合には図25(b)
に示すように、振動検出素子10A,10Bの出力端に
接続された第1の増幅器34d,34eの出力端に減算
器38を接続し、その減算器38の出力端をフィルタ3
4bに接続する。この場合、図22(a) の破線の矢印で
示すように、2つの振動検出素子10A,10Bはそれ
ぞれ上側定盤3の回転振動を逆方向で検出するように配
置する。
【0122】このような振動検出素子10A,10Bの
配置にして、第1のアンプ24d,34eの出力側に減
算器38を挿入することによって逆向きの振動ノイズを
加えて振動ノイズを低減できる。しかも、逆方向に検出
された円周方向の振動強度は、減算器38によって絶対
値が2倍になるので、フィルタ34bに入力する円周方
向の振動強度が2倍になり、S/N比が改善される。
【0123】上側定盤3が、図23(a),(b) に示すよう
な縦振動となるか或いは図24(a),(b) に示すような縦
振動になるかは研磨装置や研磨条件によって異なるの
で、予めどちらの縦振動をとるかを調査しておく必要が
ある。そのような縦の振動は、2つの振動検出素子10
A,10Bの取付け方向を変えたり、信号の加算器と減
算器を入れ換えて、一番ノイズの少ない構成を選べばよ
い。
【0124】なお、本実施形態では、円周方向の振動成
分を検出対象とし、縦方向の振動成分を除くようにした
が、縦方向の振動成分を検出対象とする場合には、円周
方向の振動成分を除去対象とするが、この場合には2つ
の振動検出素子の向きを調整する必要がある。 (第10実施形態)図26は、本発明の第10実施形態
を示す側面図である。
【0125】本実施形態は、研磨中にゴミにより研磨面
が傷つくことを防止するとともに、ゴミの除去を容易に
するものである。研磨面を傷つけるようなゴミとして
は、研磨液に含まれる酸化シリコンが乾燥して固まった
ものや、被研磨物のかけらなどがある。
【0126】図26において、デッドウェイト型の上側
定盤41を使用し、その表面には加速度検出素子(振動
検出素子)42が取り付けられている。また、上側定盤
41の下には被研磨物Wとして例えば半導体ウェハを張
りつけ、これを下側定盤43に張り付けられた研磨布4
4の上に載置する。
【0127】また、下側定盤43の側部には光反射率が
高いマーカー45が取付けられ、マーカーが所定位置に
有るか否かは下側定盤43の側方のマーカー位置検出器
46によって検出される。マーカー検出器46は発光素
子と受光素子を有し、マーカー45による反射光により
受光量が増加するので、マーカー45の有無が検出され
る。
【0128】上側定盤41の加速度センサー42の信号
は、第1実施形態で示した送信機13、受信機14を介
して信号解析部15に入力される。
【0129】上記した研磨装置において、下側定盤43
を回転させて研磨布44により被研磨物Wを研磨する。
この場合、被研磨物Wは図示しないアームによって一定
の方向に移動される。そして、マーカー45が1回転す
る間に加速度センサー42によって検出された上側定盤
41の振動情報を図1に示す送信機13、受信機14を
介して信号処解析部15に少なくとも1度、或いは連続
して入力する。
【0130】正常に研磨がなされる場合には図27(a)
のような振動周波数と振動強度のスペクトルが得られる
が、研磨布44上のゴミによって被研磨物Wの研磨面が
傷付くと図27(b) のように一部の周波数で振動強度が
増加する。増加の判断基準となるスペクトルは、予め調
べておいてもよいし、傷付く前のスペクトルを用いても
よい。
【0131】そのような、振動強度の異常によってゴミ
の存在が明らかになった場合に、駆動制御部17は、ノ
ズル11を通して水を研磨布44に供給させながらドレ
ッサー12を駆動して研磨布44の表面からゴミを下側
定盤43の外部に排出させた後に、再び研磨を再開させ
る、といった制御を行う。
【0132】ところで、ゴミの位置を特定したい場合に
は次のような処理を行う。
【0133】研磨の際には、上側定盤41の振動情報を
信号解析部15に連続して入力すると、マーカー検出器
46によってマーカー43の検出時が分かるので、これ
を時間軸にマーカー位置として記録し、併せて異常信号
を記録してゆくと、例えば図28のような特性が得られ
る。マーカー位置は一定周期で現れるので、研磨面にゴ
ミによる傷が発生した場合には、異常信号の発生時を時
間軸に記録する。これにより、マーカー通過の時間的間
隔とマーカー通過時から異常信号発生までの時間との割
合から、研磨布44の中心からマーカー45を結ぶ線を
基準にしてそこからゴミの発生した角度θが容易に求ま
る。
【0134】そこで、信号解析部15は駆動制御部17
に駆動信号を送ってドレッサー122を駆動して、少な
くともその角度θの法線に沿って研磨布44の表面をド
レッサー12を駆動させるとゴミの除去が短時間で行わ
れる。
【0135】また、ドレッサー後にも同じ位置で異常信
号が発生したり、被研磨物Wを交換しても同じ位置で異
常信号が発生するような場合には、研磨を即時停止する
とともに異常信号を発生させて作業員に知らせ、作業員
は異常信号の原因を取り除くことなる。これにより、次
の被研磨物Wの研磨は正常な状態で開始することができ
るので、無駄に消費される被研磨物W、例えば半導体ウ
ェハの数が減り、また研磨効率が良くなる。
【0136】ところで、図28に示すように、マーカー
の1周期以内で異常信号が止まれば異常信号がゴミによ
るものであることがわかる。しかし、1周期以上続く場
合にはゴミ以外の原因による異常信号の発生の可能性が
大きいので、この場合には信号解析部によって研磨を完
全に停止させ構成にし、停止指令と同時に異常信号音を
発するようにして作業員に知らせる必要がある。 (第11実施形態)本実施形態では、振動検出素子の出
力のS/N比や振動検出素子に入力する振動のS/N比
を改善するための装置を図29〜図35に基づいて説明
する。振動検出素子に入力する振動のノイズは、被研磨
物Wと研磨布1の摩擦によって生じる振動以外の振動で
あって主にモータから発生し、このようなノイズを以下
にバックグラウンドノイズという。
【0137】なお、図29〜図35において、振動検出
素子10を上側定盤(ヘッドの底板)3の上面中央に置
いているのは、被振動検出物Wと研磨布1の相対速度が
安定して検出の誤差が小さくなるなるからである。本実
施形態の基本的な構造は第1又は第7実施形態と同じで
あり、それらの実施形態と同じ符号は、同じ要素を示し
ている。
【0138】図29は、ヘッドの筐体8内の空洞におい
て、防音/吸音材50により間隙を介して振動検出素子
10を囲む構造を採用したものである。防音/吸音材5
0は、上側定盤3が自由に振動できるような蛇腹式スプ
リング、ゴム等の弾性材や多孔性樹脂などにより構成さ
れている。
【0139】このような構成を採用することにより、筐
体8内の空間を伝達するバックグラウンドノイズを防
音、吸音して、振動検出素子10に入力するS/N比を
向上することができる。しかも、防音/吸音材50と振
動検出素子10の間に間隙が形成されているので、防音
/吸音材50と振動検出素子10の摩擦による新たなノ
イズが発生することがない。
【0140】上側定盤3の固有振動周波数とバックグラ
ウンドノイズの振動周波数とを一致させないようにする
と、さらにS/N比が改善される。
【0141】なお、図29中符号51は、被研磨物Wの
厚さバラツキを吸収するために上側定盤3と被研磨物W
の間に介在されたインナーシートを示している。
【0142】図30は、図29に示した振動検出素子1
0と上側定盤3の間に共振板52を介在させた装置であ
る。共振板52は、測定しようとする特定の振動周波数
で共振するもので、例えばスプリングコイルなどから形
成されている。
【0143】これによれば、共振板52の共振周波数と
相違する周波数のバックグラウンドノイズは、共振板5
2によって遮蔽されて振動検出素子10への入力が妨げ
られるので、振動検出素子10への入力のS/N比は向
上する。
【0144】図31は、図30に示した共振器10の側
方にアンプ53を取り付けた装置である。
【0145】振動検出素子10自体のインピーダンスが
高い場合に、アンプ53との接続配線が長ければ振動検
出素子10の出力信号にノイズが入り易くなるが、共振
器10とアンプ53を上側定盤3上に取り付けることに
よりその接続配線を短くして振動信号に加わるノイズを
大幅に低減でき、これによりS/N比が改善される。
【0146】図32に示す研磨装置のヘッドにおいて、
上側定盤3とインナーシート51の双方にはそれらを貫
通する孔54が形成されており、その孔54の中には振
動検出素子10と被検出物Wに接触する振動伝達用針5
5が挿通されている。研磨布1との摩擦によって被検出
物Wに生じた振動は、インナーシート51によって吸収
されずに振動伝達用針55を介して振動検出素子10に
伝達されるので、振動検出素子10に入力する振動強度
が大きくなってS/N比が向上する。
【0147】図33は、図29に示した振動検出素子1
0と上側定盤3の間に振動板56を介在させ、且つ筐体
8の上にバックグラウンド測定用の第2の振動検出素子
57を搭載した装置である。第2の振動検出素子57か
ら出力されたバックグラウンドノイズの信号は、振動制
御部58によって逆位相に変換された後に、その振動制
御部58によってその逆位相の信号と同じ波形で振動板
56を振動させるようにした装置である。振動板56
は、例えばピエゾ素子などの圧電材料から形成されたも
のがある。
【0148】この装置によれば、振動板56により発生
する振動は、振動検出素子10に入力するバックグラウ
ンドノイズを打ち消すので、研磨布1と被研磨物Wによ
り発生する振動を選択的に振動検出素子10に入力する
ことが可能になり、S/N比が大幅に向上する。
【0149】ところで、振動検出素子10の共振周波数
0 はそれ以外の周波数に比べて5〜10倍の感度があ
る。しかし、検出しようとする振動の周波数f1 がその
共振周波数f0 と一致しない場合がある。この場合に
は、図34に示すように、検出した周波数f1 の振動を
周波数変換回路59に入力して、この周波数変換回路5
9により検出した振動周波数f1 と同じ強度又は比例し
た強度で振動板56を周波数f0 で発振させ、その周波
数f0 の振動を振動検出素子10にフィードバックする
ことにより、高感度な振動検出が可能になる。この場
合、振動数f0 の振動について第1又は第6実施形態で
示したような処理を行う。
【0150】図35は、図29に示した振動検出素子1
0を上側定盤3の上に複数個配置するとともに、それら
の振動検出素子10と上側定盤3の間に個々に振動板5
2を介在させた装置である。そして、各振動板52に一
定の信号を加えることにより、振動検出素子10の感度
の検査を行って検出しようとする振動の周波数に対し最
も感度が良い振動検出素子10を図示しない選択回路に
より選択するようにしている。
【0151】これにより振動検出素子10の特性のバラ
ツキを回避するとともに、劣化した振動検出素子10の
代わりに電気回路によって別なものに選択することがで
き、振動検出素子10の交換作業の手間を軽減すること
ができる。
【0152】S/N比を改善する上記以外の方法とし
て、振動検出時に研磨装置の一部又は全てのモータの電
源供給を停止させてもよく、これによれば、バックグラ
ウンドノイズは大幅に減少する。その停止時間は数秒以
下とし、この程度の時間であればヘッド及び下側定盤2
は慣性によって回転するので研磨処理は続行される。ま
た、振動検出には数秒以下の時間あれば十分であり、振
動検出に支障はない。そのモータの電源供給の停止は、
図1に示すような駆動制御部17の制御信号によって行
われる。
【0153】また、振動検出素子10の出力は、第8実
施形態に示したようなアンプ、フィルタを通して外部に
取り出すか、或いはA/D変換してから外部に取り出す
ことにより、信号伝達系で生じるノイズを低減すること
ができる。A/D変換した信号を無線送信する場合に
は、図17に示す発振器13Aと振動検出素子10Aの
間にA/D変換器(不図示)を介在させる。
【0154】さらに、ヘッドが揺動しているような場合
には、ヘッドの方向が変化する場所ではその揺動による
バックグラウンドノイズが大きくなるので、振動の検知
を避ける。
【0155】なお、各振動検出素子の一例として米国バ
イブロメータ社の圧電素子加速センサーの型名CE507M10
1 、CE507M301 があり、これらのセンサーを使用する場
合には、図36に示すように、高感度が得られる共振周
波数f0 で振動強度を検出するのが好ましい。このこと
は上記した各実施形態についても適用できる。
【0156】次に、測定結果を図37及び図38に示
す。
【0157】図37は、振動の周波数スペクトルが研磨
時間の経過とともにどのように変化すかを示す一例であ
る。これによれば、研磨時間の経過とともに、振動強度
が低下することがわかる。
【0158】図38は、図37のようなスペクトルにお
いて、特定の周波数範囲のスペクトルを積分し、一定時
間経過毎の積分値の差を算出して記載したものである。
これによれば、研磨時間経過とともに、積分値の変化量
が小さくなって研磨による平坦化が進行していることが
わかる。積分値の変化が無くなった時が研磨の終点とな
る。この終点の判断は上記した各実施形態についても適
用できる。 (第12実施形態)図39(a) は、本発明の第12実施
形態に係る研磨装置の機械部分を示す断面図、図39
(b) は、下側定盤を示す平面図である。図40は、本発
明の第12実施形態に係る研磨装置の信号処理部分を示
す回路図である。なお、これらの図において、図1、図
15と同じ符号は同じ要素を示している。
【0159】図39(a) において、シャフト駆動部21
の側方には上側定盤3の位置を検出する位置検出器61
が配置されている。この位置検出器61は、シャフト駆
動部21に取り付けた検知板62に光を照射する発光素
子61aと、検知板62からの反射光を受光する受光素
子61bを有している。位置検出器61は、受光素子6
1bの入射光量に応じてシャフト駆動部21からの距離
Lを測定し、その測定データを後述するコンピュータ7
7に入力するものである。発光素子61aとしては例え
ば半導体レーザを使用し、受光素子61bとしてはフォ
トダイオードを使用する。
【0160】下側定盤2には、縦横に複数本の溝4aが
切られている研磨布1dが張り付けられており、研磨布
1dは、下側定盤2とともにモータMによって研磨時に
回転される。その研磨布1d上では、研磨の際に、上側
定盤3が点aと点bの間を往復動し、さらに上側定盤3
は定速で回転するようになっている。その上側定盤3の
往復動及び回転は、弾性体7、筐体8、シャフト9を介
してシャフト駆動部21から伝達される。シャフト駆動
部21の動作は第1実施形態と同様にして駆動制御部1
7によって制御される。
【0161】上側定盤3に取り付けられた振動検出素子
10の出力端は、図40に示すように、整流器63を介
して電圧が印加され、さらにコンデンサ64、アンプ6
5、ローパスフィルタ66及びハイパスフィルター67
を介してFM送信機34Bに接続されている。振動検出
素子10から出力された振動信号は、コンデンサ64で
機械的及び電気的ノイズが除かれ、アンプ65により増
幅された後に、ローパスフィルタ66とハイパスフィル
タ67によって特定振動数帯域に狭められてFM送信機
34Bに入力する。その特定振動数帯域は、例えばロー
パスフィルタ66が18kHz以上の振動信号を除去
し、ハイパスフィルター67が8kHz以下の振動信号
を除去するものである場合には、8kHz〜18kHz
となる。
【0162】FM送信機34Bは、振動信号を筐体8周
囲の送信用アンテナ25から無線でFM受信機69へ送
信する。
【0163】シャフト駆動部21の周囲に取り付けられ
た受信アンテナ26に入力した振動信号は、図40に示
すように、FM受信機69で受信される。
【0164】FM受信機69の出力端には記録装置70
が接続されていて、記録装置70に格納された振動信号
データは、データライブラリの作成、周波数解析、処理
回路の調整などに利用される。また、FM受信機69の
出力端は、1kHzハイパスフィルター71、第1のア
ンプ72、整流回路73、0.5Hzローパスフィルタ
ー74、第2のアンプ75、A/D変換器76を介して
コンピュータ77に接続されている。そのハイパスフィ
ルター71は振動信号の直流成分をカットするもので、
また、整流回路73とローパスフィルター74は振動信
号の特定振動数帯域を積分して振動数の実効値を求める
ものである。
【0165】上記したコンピュータ77では振動信号を
図41のフローチャートに従って演算及び表示が行われ
る。
【0166】まず、上側定盤3の回転中心が研磨布面上
を移動せずに、上側定盤3の回転のみによって研磨対象
物Wを研磨する場合について説明する。
【0167】コンピュータ77では、連続して入力する
振動信号の実効値を1秒間に10個の割合(10Hz)
で順次サンプリングし、ついで、サンプリングした10
個のデータD1 の平均値を計算し、その平均値を1つの
点データD2 とする。
【0168】次に、点データD2 をそのまま経時的に画
像表示すると凹凸の多い線が得られるので、その線を平
滑に表示するために5つの点データD2 の平均値を求め
て点表示データD3 を得る。この場合、演算された順に
1つずつ点データD2 を繰上げながら5つの点データD
2 の平均を求めるようにすると、点表示データD3 は1
秒間に1個得られることになる。このような平均を移動
平均という。
【0169】この移動平均により得られた点表示データ
は、順次、コンピュータの画像表示部77Dに描かれ、
点表示データが複数描かれることにより振動強度曲線が
得られる。
【0170】ところで、サンプリングされたデータD1
は、上記した実施形態から推測されるように、上側定盤
3が単に回転するだけの場合には研磨に進むにつれて緩
やかに減衰していくことになる。
【0171】しかし、上側定盤3が回転以外の動作、例
えば研磨布1d上で往復動作を伴う場合には、点表示デ
ータD3 は図42(a) の一点鎖線で示すように交流成分
を含むようになるので、研磨の終点が検出しにくくな
る。例えば、図42(a) の一点鎖線の曲線を微分すると
図42(b) の一点鎖線のような曲線となるので、その微
分値が零になった時点を研磨の終点として判断すること
はできない。
【0172】そこで、上側定盤3が研磨布1d上で点a
・点b間で往復動作する場合には、10Hzでサンプリ
ングした実効値のデータD1 をそれぞれ補正係数ηで割
算する補正を行い、その後に点データD2 、点表示デー
タD3 を求め、ついで点表示データD3 を画像表示部7
7Dに表示すると、図42(a) の実線で示す曲線が得ら
れる。そしてその曲線の微分を示す曲線は図42(b) の
実線で示す曲線が得られる。通常、往復動作の周期は数
十秒程度以上なので、点データD2 に対して補正関数で
割算してもよい。
【0173】回転している上側定盤3が、図39(b) に
示すように、下側定盤2の回転中心O0 からの直径方向
にある2つの点aと点bの間を往復する場合には、距離
rの時間的変化は図43(a) のようになり、補正係数η
は図43(b) のようなr2 /r1 2となる。例えば、点a
と点b間の距離が32mm、上側定盤3の移動速度vが2
mm/秒である場合には、図43(b) の波形の周期Tは3
2秒となる。この場合のr1 は134mmである。
【0174】このような補正係数ηは次のようにして決
定される。
【0175】研磨布1dの回転中心からの距離rにある
研磨対象物Wの研磨面の微小部分Pが角速度ωで回転す
る研磨布1dにより擦られることを考えると、微小部分
Pと研磨布1dとの相対速度はrωの関数となる。この
距離rは、位置検出器61からの位置データに基づいて
求められる。なお、微小部分Pは上側定盤3の回転中心
とした。
【0176】また、研磨布1dの表面には図44(a),
(b) に示すように、一定の密度で溝4e又は小孔4fが
掘ってあるものがあり、この場合には、研磨布1dが1
回転する間に微小部分Pが溝4e又は小孔4fと接触す
る接触回数pはrωの関数となる。また、図44(c),
(d) に示すように、溝4g又は小孔4hが、研磨布1d
の回転中心から放射状に拡がっている場合には、研磨布
1dが1回転する間に微小部分Pが溝4G又は小孔4H
と接触する接触回数pはωの関数となる。なお、溝及び
小孔が形成されていない研磨布を使用する場合には、微
小部分Pの溝及び小孔による影響を考慮する必要がなく
なる。
【0177】そこで、上記した相対速度rωと接触回数
pとの積を補正関数ηとした。補正関数ηの基本は表1
のようになる。
【0178】なお、研磨液の種類、研磨布の材料などの
要因は研磨中には殆ど変化しないと考えられるので、補
正係数ηには含めないことにした。また、上側定盤3が
回転以外の動作を伴わない場合にはrは一定であるので
rを1とし、また、上側定盤3の回転数は研磨中に変化
しないのが一般的であり、ωを1として補正関数ηを決
めてもよい。さらに、補正関数ηは、係数を含むような
ものであってもよい。例えば、図39(b) 、図43(b)
に示すように、距離rを距離r1 (定数)で割ってもよ
い。
【0179】
【表1】
【0180】以上のように、補正されたサンプリングデ
ータDsは、図41に示すように、10Hzで平均化さ
れた後に、点データD2 に変換され、ついで、点表示デ
ータD3 に変換される。そして、点表示データD3 は、
画像表示部77dにおいて、例えば図42(a) の実線の
ように研磨時間と振動強度の関係で表示される。
【0181】さらに、コンピュータ77内では点表示デ
ータD3 に基づいて描かれた曲線の微分値(dV/d
t)又は時間変化量ΔVが演算される。その演算結果
は、例えば図42(b) の実線のように曲線として画像表
示部77dに表示される。
【0182】点表示データの時間変化量ΔVの演算は、
例えば、現在の点表示データD3 から10個前の点表示
データD3 を差し引いた値で示される。この例の場合、
時間変化量ΔVは、1秒間に1個のデータとなって表示
される。
【0183】その微分値(dV/dt)又は時間変化量
ΔVが零又はそれ以上になった時点を研磨終点とし、そ
の終点検出結果は画像表示部77Dに表示される。
【0184】以上のような演算及び表示を行うコンピュ
ータ77は、第1実施形態で示す駆動制御部17として
機能するので、研磨終点を検出した時点で研磨の停止を
シャフト駆動部21に指令する。
【0185】ところで、上側定盤3が研磨布1d上で2
点a,b間を往復する軌跡は、研磨布1dの回転中心0
0 から直径方向にあるとは限らない。例えば図45(a)
に示すように、直径方向に直交する直線状の軌跡となっ
て存在したり、或いは図46(a) に示すように、ロボッ
トのアームによって上側定盤3が揺動されて、上側定盤
3の軌跡が円弧状になることもある。
【0186】これらの場合、上側定盤3の回転中心と研
磨布1dの回転中心O0 の間の距離rは、図45(a) に
示す軌跡の場合には図45(b) のように時間的に変化
し、また、図46(a) に示す軌跡の場合には図46(b)
のように時間的に変化する。
【0187】コンピュータ77においては、位置検出器
61によって検出されたデータに基づいて実効値測定時
の距離rを演算し、補正関数ηとして利用する。
【0188】ところで、上側定盤3に回転動作だけを付
与した場合には、補正関数ηを考慮する必要はなく、そ
の点表示データによる曲線は図47(a) のようになり、
その微分値を示す曲線は図47(b) のようになる。な
お、図47(a),(b) における曲線Aは、TEOSを使用
して形成されたSiO2膜を研磨した状態を示し、また、曲
線Bは、そのSiO2膜の上にさらに窒化シリコン膜を形成
した後にそれらの膜を研磨した状態を示している。
【0189】なお、上記した説明では、上側定盤3の振
動強度に基づいて研磨終点を検出することについて説明
した。しかし、研磨の進行状況は、シャフト駆動部21
に内蔵したモータのトルクの変化としても捕らえられ
る。従って、上記したようにトルクの実効値を求めて、
その実効値をサンプリングしたり補正する手段によって
研磨状況を把握したり、終点検出をすることができる。 (第13実施形態)本実施形態では、ヘッドと研磨布の
摩擦による振動(音)を測定するのではなく、ヘッドと
研磨布の摩擦力の変化に基づいて研磨状態や研磨終点を
測定するようにした装置の一例を示す。
【0190】図48は、第12実施形態の要部を示す断
面図及び底面図である。図48において、図1、図1
5、図17と同じ符号は同じ要素を示している。
【0191】図48(a),(b) において、研磨布1が上面
に貼り付けられた下側定盤2は、シャフト駆動部21に
よって所定の回転数によって回転される。また、研磨布
1の上面に押しつけられて研磨される被研磨物Wは、エ
アバック式のヘッドの底部にある金属製の上側定盤3の
下面にインナーパッド51を介して貼り付けられてい
る。上側定盤3の周囲には側壁3bが固定され、その側
壁3bとヘッドの筐体(支持体)8は弾性部7を介して
接続されている。筐体8の中央には、筐体8を回転させ
るための筒状のシャフト9が取付けられている。また、
シャフト9及び筐体8の周囲には、筒状のヘッドカバー
80が回転不可能に取り付けられており、ヘッドの研磨
液による汚染が防止されている。
【0192】上側定盤3の上面には、上側定盤の横方向
の変位(ずれ)量を縦方向の変位量に変換するための傾
斜面(不図示)が形成されている。
【0193】筐体8の底面には、上側定盤3の側壁3b
の変位を検出するための第1の変位検出器81が取り付
けられ、また、ヘッドカバー80の底面には上側定盤3
の側壁3bの変位を検出するための第2の変位検出器8
2が取り付けられ、さらに、上側定盤3の傾斜面の上方
にある筐体8内の天井面には、傾斜面との距離の変位を
検出するための第3の変位検出器83が取り付けられて
いる。
【0194】第1、第2及び第3の変位検出器81〜8
3は針の伸縮によって変位量を検出する触針式変位計
や、上側定盤側壁3bとの距離の変化によるキャパシタ
の変化量によって変位量を検出する容量式変位計や、上
側定盤側壁3bとの距離の変化による磁束密度の変化量
によって変位量を検出する渦電流変位計、光の反射によ
って距離を検出する光学式変位計などがある。
【0195】このような第1〜第3の変位検出器81〜
83は、図48(b) のヘッドの底面図に示すように複数
個配置してもよいし、1つずつ配置してもよい。また、
第1〜第3の変位検出器81〜83は、図48(a),(b)
のように全て設ける必要はなく、少なくとも1つ取り付
ければよい。
【0196】第1〜第3の変位検出器81〜83の出力
は、図19に示すようなアンプ34a,34c、フィル
タ34bを介して送信機13bに接続され、送信機13
bから発振された検出信号は受信機14を介して処理部
35に入力するように構成され、処理部35は、変位信
号の変化によって研磨終点を判断したり、研磨条件を変
えることになる。
【0197】なお、特に図示していないが、上記した実
施形態と同様に研磨液供給用ノズルやドレッサが研磨布
1の上方に配置されている。
【0198】また、第1及び第2の変位検出器81、8
2に研磨液や水がかからないように透明なカバーで保護
するようにしてもよい。第3の変位検出器83は、筐体
8内に配置されるのでカバーは不要である。
【0199】次に、このような研磨装置を使用した研磨
終点検出について説明する。
【0200】まず、平坦な標準ウェハをインナーパッド
51の下面に取り付けて研磨動作を行わせると、上側定
盤3の位置は図49(a) から図49(c) のように変化す
る。この時の第1〜第3の変位検出器81〜83の変位
信号を規準信号として記録する。標準ウェハは規準信号
測定後に外される。
【0201】次に、被研磨物Wとして層間膜が形成され
たウェハをインナーパッド51の下面に取り付けて研磨
作業を行わせると、図49(a) の位置に存在した上側定
盤3は筐体8の移動にともなって図49(b) のように変
位する。このような上側定盤3な変位が生じるのは、被
研磨物Wと研磨布1との摩擦が大きいので上側定盤3周
囲の弾性体7に加わる応力が大きくくずれるからであ
る。このため、上側定盤3が筐体8の移動方向に引かれ
るように偏ってしまう。これを初期状態とし、このとき
第1〜第3の変位検出器81〜83により検出された変
位量を最大値とする。
【0202】そして、研磨を続けると時間の経過ととも
に被研磨物Wと研磨布1との摩擦が少しずつ小さくなり
上側定盤3は図49(c) のように筐体8の中央寄りに位
置するようになる。さらに上側定盤3の変化も小さくな
って、図50に示すように、第1〜第3の変位検出器8
1〜83により検出される変位の変化量も徐々に小さく
なり遂には変化量が零又は零に近くなり、この状態で研
磨を停止する。研磨の停止は、筐体3を持ち上げること
により研磨圧力を低減するか被研磨物Wを研磨布1から
離すことで行う。
【0203】なお、上側定盤3の変位の変化量によって
終点検出がし難い場合には、図51に示すように、変位
量と規準信号を比べて一致した時点あるいは差がほとん
どなくなった時点を研磨の終了点としてもよい。終点検
出がし難い例として、例えば被研磨物W内に終点検出の
ための異物質を形成している場合に、平坦化されてその
異物質が露出したときにさらに変位が増加することがあ
る。
【0204】このような定盤の変位を調べる場合には、
変位検出器81〜83の出力信号の変化は緩やかであっ
て直流成分として測定すればよい。また、筐体8、上側
定盤3及び研磨布1の回転に伴って変位検出器81〜8
3の検出信号が数十Hzの低周波の場合にはその低周波
成分のみを検出信号として抽出すればよい。バックグラ
ウンドノイズのような高周波信号はフィルタによって除
去されるので、変位検出器81〜83の感度は振動検出
素子10に比べて高くなる。そのように検出信号が直流
の場合、或いは周波数帯域が0〜100Hz前後と狭い
場合には、高周波の場合よりも検出器への伝達精度が良
いので、上記した振動測定の場合に比べて高感度測定が
可能になる。
【0205】ところで、第1の変位検出器81は、ヘッ
ドと同期して回転しているので、上側定盤3の測定する
範囲が変わらないので上側定盤3の形状のバラツキの影
響を受けない。しかし、第1の変位検出器81は、上側
定盤3が1回転する間に上側定盤3との距離が変化する
ので、変位信号の強度や変位方向が自転周波数に対応し
て周期的に変化する。この自転周波数は、最大でも10
0Hz前後であり、しかもヘッドの回転と同期している
からS/N比を劣化させない。
【0206】第2の変位検出器82は、変位信号が周期
的に変わらずに上側定盤3の変化量をリニアに検出でき
るが、筐体8や上側定盤3の形状のバラツキの影響を受
けやすい。
【0207】第3の変位検出器83は、上側定盤3の上
に形成した斜面の上下動を被検出対象としてるが、その
ような斜面をなくして上側定盤3の上面の上下動を被検
出対象としてもよい。
【0208】このような変位検出器81〜82を複数取
り付けることにより、筐体8や上側定盤3の前後、左右
及び上下の変位を測定することにより、総合的な情報量
が豊富になってが受ける種々の力を総合して、ウェハの
脱落、ウェハの破損、研磨条件(研磨液の供給、研磨布
の異常、圧力の変更、回転数の変更など)についてさら
に多くの情報を得ることができる。
【0209】また、上側定盤3の側壁3bの検出場所に
図52(a),(b) に示すような半球形の突起91,92又
は図示しない窪みを形成しておけば、同一場所における
多方向の変位を検出することができる。
【0210】なお、複数の研磨対象物Wを同時に研磨す
る場合には図39に示すヘッドを複数同時に起動させる
ことになる。各ヘッドの下での研磨のバラツキが10パ
ーセント以下の場合には、全てのヘッドで研磨終点を検
出する必要はなく一部のヘッド(1つでもよい)に変位
検出器81〜83や上記実施形態の振動検出素子10を
取り付けるだけいよい。この場合には、変位検出器81
〜83又は振動検出素子10を取り付けたヘッドが終点
に達したときに、全ヘッドの研磨を停止することによっ
ても良好な結果がえらる。なお、その終点に達した後で
所定の時間だけ研磨を過剰に行ってもよい。
【0211】また、全てのヘッドに振動検出素子や変位
検出器を取付けるには、研磨の終点検出を終えた順にヘ
ッド(上側定盤3)を上昇させて研磨を停止させて全て
の研磨が終わるまで待機させるてもよい。
【0212】複数のヘッドの研磨の停止指令は、図1や
図19に示した制御部17,35によって行わせる。
【0213】
【発明の効果】以上述べたように本発明によれば、研磨
時の振動を誘発する機構を研磨布に形成するようにして
いるので、研磨時に生じる振動の振動強度が大きくなる
とともに、振動検出素子により検出できる振動周波数帯
域が広くなって、研磨条件を緻密に制御でき、また研磨
の終点検出を容易にできる。そのような機構としては、
研磨布に複数の溝を形成し、その溝に囲まれた領域での
振動を誘発させるものがある。
【0214】この場合、研磨布や定盤の内部に空洞を形
成すると、誘発された研磨時の振動が増幅されて、振動
検出の振動強度の変化の把握を容易にできる。
【0215】また、振動検出素子から得られる振動情報
を周波数分析し、研磨以外の原因による固有振動成分を
差し引いた振動強度を時間毎に積分し、積分値が基準値
を下回った時、又はその積分値の時間的変化が基準値を
下回った時の何れかの時点で、研磨停止の信号を送る信
号解析手段により研磨を停止するようにしたので、研磨
の終点検出が容易にできる。
【0216】その信号解析手段では、研磨開始から研磨
停止までの時間が設定時間よりも短い場合と、前記積分
値の時間的変化が指定値を越えて減少した場合とのいず
れかで、研磨布劣化信号を示す信号を出力するので、研
磨の終了か研磨布の劣化かの判断が容易になり、研磨作
業を最適にできる。
【0217】研磨の際に、特定の振動周波数の振動強度
の減少率が他の振動周波数のそれに比べて大きい場合に
は、研磨が一様に行われていないことが実験的に確認さ
れているので、そのような振動強度の減衰を検知して研
磨条件を変えて研磨が一様になるように研磨条件を変え
るて研磨を最適にできる。
【0218】さらに、研磨の際の振動検出器による振動
の減衰量を実効値として捉え、この実効値の変化を時間
毎に測定してその変化の積分値又は一定時間の変化量が
零又はそれ以上になった時点を研磨の終点検出とする場
合であって、第1の定盤が回転の他に研磨布上を移動す
る動作を伴う場合には、第1の定盤の位置を含む関数に
よって実効値を割ることにより検出信号を補正すると、
研磨の終点検出が速く且つ正確に検出できる。
【0219】また、本発明によれば、研磨時の振動の検
出する振動検出素子の出力を無線で外部に送信する場合
に、送信アンテナと受信アンテナを同軸上に配置するよ
うにしたので、アンテナが回転したり揺動のある状態で
でも送受信を安定にすることができる。
【0220】さらに、定盤に取付けられる振動検出素子
や送信部に電力を供給する場合にはその定盤を回転する
シャフトの周囲に環状導電体を取付け、この環状導電体
に接触するブラッシを通して電力を供給するようにして
いるので、電池交換の手間や電力不足による作業停止と
いった事態を回避できる。
【0221】また本発明によれば、複数の研磨を同時に
行い、研磨情報を無線で送受信する場合に自動周波数制
御機構を用いているので、温度変化による周波数変動が
生じても安定した受信状態にすることができる。
【0222】さらに、本発明によれば、研磨時におい
て、定盤に取付けられた振動検出素子により検出された
振動強度の異常を検出して、振動強度の異常検出時間が
定盤の回転周期よりも短い場合にゴミの存在を示す信号
を出力する信号分析部を設けるようにしているので、そ
の後に続く被研磨物の研磨面のゴミによる傷の発生を未
然に防止できる。
【0223】さらに別の本発明によれば、内部が空洞で
機密保持される筐体から防振されたエアバック式の上側
定盤を有する構造において、円周方向の振動を検出する
ような振動検出素子を上側定盤に取り付け、その振動検
出素子から出力された振動強度又は振動スペクトルの信
号の変化によって研磨の終了などを行わせているので、
エアバック式の上側定盤の回転方向の振動強度やそのス
ペクトルの変化を知ることにより、研磨状態の変化を判
断することが容易になる。
【0224】また、振動検出素子からの信号をバンドパ
スフィルタを介して制御部に出力するようにすると、研
磨装置や研磨条件に合わせて、研磨装置固有の周波数の
振動に依存する振動成分を除去して、実際の研磨によっ
て発生する振動だけを選択することができる。
【0225】また、振動検出素子により検出した振動信
号を無線で制御部に送る場合に、対数アンプを介して振
動信号の振幅レンジを拡大して無線で送り、受信後に逆
対数アンプで振動信号を復元すると、S/N比が向上す
る。
【0226】また、振動検出素子による出力信号が小さ
い場合に、振動検出素子を複数接続することにより出力
信号を大きくすることができる。しかも、それら複数の
振動検出素子によって不要な振動成分も大きくなるの
で、その不要な振動成分が互いに打ち消しあい且つ必要
な振動成分が加算されるように振動検出素子の向きや配
置を選択するようにしているので、不要な振動成分によ
るノイズを低減してS/N比を向上できる。
【0227】また、他の本発明の研磨装置によれば、研
磨の進行によって変化する被研磨物支持盤の振動を振動
検出素子で検出する場合に、その振動検出素子の周囲に
防音材を配置しているために、モータなどのバックグラ
ウンドノイズの振動検出素子への入力を抑制してS/N
比を改善できる。
【0228】また、研磨の進行によって変化する被研磨
物支持盤の振動を振動検出素子で検出する場合に、検出
しようとする振動の周波数を振動検出素子の最大感度周
波数に変換するようにしたので、S/N比を改善でき
る。
【0229】また、研磨の進行によって変化する被研磨
物支持盤の振動を振動検出素子で検出する場合に、検出
しようとする振動周波数と同じ周波数の固有振動周波数
を有する振動板を被研磨物支持盤と振動検出素子の間に
介在させたので、振動検出素子に入力する検出振動を共
振させて増幅することができ、S/N比が改善される。
【0230】また、研磨の進行によって変化する被研磨
物支持盤の振動を振動検出素子で検出する場合に、被研
磨物支持盤を貫通して振動検出素子と被研磨物に接触す
る振動伝達体を設けたので、被研磨物から振動検出素子
への振動伝達効率が良くなってS/Nを改善できる。
【0231】また、研磨の進行によって変化する被研磨
物支持盤の振動を振動検出素子で検出する場合に、検出
時において、被研磨物支持盤を駆動するエネルギーの供
給を一時的に停止するようにしたので、バックグラウン
ドノイズを大幅に低減でき、S/N比を改善できる。
【0232】また、研磨の進行によって変化する被研磨
物支持盤の振動を振動検出素子で検出する場合に、検出
しようとする振動周波数とバックグラウンドノイズの振
動周波数とを相違させるとともに、被研磨物支持盤の固
有振動周波数と検出しようとする振動周波数を同じにし
たので、S/N比を改善できる。
【0233】また、研磨の進行によって変化する被研磨
物支持盤の振動を振動検出素子で検出する場合に、バッ
クグラウンドノイズと逆位相で振動する振動板を被研磨
物支持盤と振動検出素子の間に介在させたので、振動検
出素子へのバックグラウンドノイズの入力を排除してS
/N比を改善できる。
【0234】また、研磨の進行によって変化する被研磨
物支持盤の振動を振動検出素子で検出する場合に、被研
磨物支持盤上に振動検出素子を複数取り付けて選択可能
にしたので、振動検出素子の故障による交換の手間が軽
減できる。
【0235】さらに他の本発明の研磨装置によれば、研
磨の際に被研磨物支持盤の位置を検出する変位検出器を
有しているので、研磨が進むにつれて研磨布と被研磨物
の摩擦力が変化して被研磨物支持盤の位置が変化し、そ
の変位の変化量により研磨の終点等を検出できる。この
場合、被研磨物支持盤の位置の変化量はバックグラウン
ドノイズとは振動周波数帯が異なるので、モータ等の振
動の影響を受けずにS/N比の良い検出が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の第1実施形態の研磨装置を示
す構成図である。
【図2】図2(a),(b) は、本発明の第1実施形態の研磨
装置に適用される研磨布の溝を示す平面図である。
【図3】図3は、本発明の第1実施形態の研磨装置に用
いるヘッドを一部切断した斜視図である。
【図4】図4は、本発明の第1実施形態の研磨装置を使
用して研磨する過程で振動検出素子によって検出された
振動周波数と振動強度の関係を示すスペクトルである。
【図5】図5(a),(b) は、半導体装置製造の一部の工程
を示す断面図である。
【図6】図6(a),(b) は、本発明の第1実施形態の研磨
装置を使用して半導体装置の絶縁膜を研磨する第1例を
示す断面図である。
【図7】図7(a),(b) は、本発明の第1実施形態の研磨
装置を使用して半導体装置の絶縁膜を研磨する第2例を
示す断面図である。
【図8】図8(a) 〜(c) は、本発明の第1実施形態の研
磨装置を使用して半導体装置の絶縁膜を研磨の推移の第
1例を示す断面図である。
【図9】図9(a) 〜(c) は、本発明の第1実施形態の研
磨装置を使用して半導体装置の絶縁膜を研磨の推移の第
2例を示す断面図である。
【図10】図10は、本発明の第1実施形態の研磨装置
の振動検出素子から出力される振動の変化を示す波形図
である。
【図11】図11は、本発明の第2実施形態に係る研磨
装置のヘッド部分を示す側面図である。
【図12】図12は、本発明の第2実施形態に係る研磨
装置のヘッド部分を示す側面図である。
【図13】図13は、本発明の第3実施形態に係る研磨
装置のヘッド部分を示す側面図である。
【図14】図14は、本発明の第5実施形態に係る研磨
装置のヘッド部分を示す側面図である。
【図15】図15(a) は、本発明の第6実施形態の研磨
装置を示す側面図、図15(b) はその送信アンテナ及び
受信アンテナの配置関係を示す斜視図である。
【図16】図16は、本発明の第7実施形態の研磨装置
の回路構成を示すブロック図である。
【図17】図17は、本発明の第8実施形態の研磨装置
を示す側面図である。
【図18】図18は、本発明の第8実施形態の研磨装置
の上側定盤の底面図である。
【図19】図19は、本発明の第8実施形態の研磨装置
の信号系統を示すブロック図である。
【図20】図20は、本発明の第8実施形態の研磨装置
に適用される複数のバンドパスフィルタの通過周波数と
信号透過率の関係の一例を示す図である。
【図21】図21は、本発明の第8実施形態の研磨装置
の振動検出素子により検出された振動周波数と振動強度
の関係を示すスペクトルである。
【図22】図22(a),(b) は、本発明の第9実施形態の
研磨装置の側面図とその研磨装置の上側定盤の底面図で
ある。
【図23】図23(a),(b) は、本発明の第9実施形態の
研磨装置の上側定盤の縦方向の振動の第1例を示す側面
図である。
【図24】図23(a),(b) は、本発明の第9実施形態の
研磨装置の上側定盤の縦方向の振動の第2例を示す側面
図である。
【図25】図25(a),(b) は、本発明の第9実施形態に
適用される信号系統の2つの例を示すブロック図であ
る。
【図26】図26(a),(b) は、本発明の第10実施形態
の研磨装置の側面図と平面図である。
【図27】図27(a),(b) は、本発明の第10実施形態
による振動周波数と振動強度の関係を示すスペクトルで
ある。
【図28】図28は、本発明の第10実施形態の研磨装
置によるゴミによる異常信号とそれ以外の異常信号を示
すスペクトル図である。
【図29】図29は、本発明の第11実施形態の研磨装
置において、ヘッド内に吸音材を設けた例を示す部分断
面図である。
【図30】図30は、本発明の第11実施形態の研磨装
置において、振動検出素子の底部に振動体を取り付けた
例を示す部分断面図である。
【図31】図31は、本発明の第11実施形態の研磨装
置において、振動検出素子の底部に振動体を取り付けた
例を示す部分断面図である。
【図32】図32は、本発明の第11実施形態の研磨装
置において、振動検出素子と被検出物の間に振動伝達用
針を介在させた例を示す部分断面図である。
【図33】図33は、本発明の第11実施形態の研磨装
置において、振動検出素子に入力するノイズ振動を除去
する回路を設けた例を示す部分断面図である。
【図34】図34は、本発明の第11実施形態の研磨装
置において、振動検出素子に入力する振動周波数を変化
する回路を設けた例を示す部分断面図である。
【図35】図35は、本発明の第11実施形態の研磨装
置において、振動検出素子とその底面に取り付ける振動
板を複数設けた例を示す部分断面図である。
【図36】図36は、本発明の研磨装置に適用される振
動検出素子の振動周波数と感度の関係を示す特性図であ
る。
【図37】図37は、本発明の第11実施形態の研磨装
置において検出された研磨固有振動の周波数と強度の関
係を示すスペクトルである。
【図38】図38は、本発明の第11実施形態の研磨装
置において検出された研磨固有振動のスペクトルの積分
値の時間経過による変化量を示す特性図である。
【図39】図39(a),(b) は、本発明の第12実施形態
の研磨装置の側面図と、下側定盤及び研磨布を示す平面
図である。
【図40】図40は、本発明の第12実施形態の研磨装
置の信号系統を示すブロック図である。
【図41】図41は、本発明の第12実施形態の研磨装
置のコンピュータの信号処理を示すブロック図である。
【図42】図42(a) は、本発明の第12実施形態の研
磨装置においてサンプリングデータを平均して表示した
補正前の振動強度曲線と、補正された振動強度曲線を示
す図であり、図42(b) は、補正前と補正後のの振動強
度曲線の微分した曲線を示す図である。
【図43】図43(a) は、本発明の第12実施形態の研
磨装置において、上側定盤が研磨布の直径方向に移動す
る場合の上側定盤の回転中心と研磨布の回転中心の距離
rの変化を示す波形図、図43(b) は、その距離rを用
いた補正関数の波形図である。
【図44】図44(a) 〜(d) は、本発明の第12実施形
態の研磨装置に使用される研磨布のバリエーションを示
す平面図である。
【図45】図45(a) は、本発明の第12実施形態の研
磨装置において、上側定盤の移動軌跡の第2の例を示す
平面図、図45(b) は、その移動軌跡における上側定盤
の回転中心と研磨布の回転中心の距離rの変化を示す波
形図である。
【図46】図46(a) は、本発明の第12実施形態の研
磨装置において、上側定盤の移動軌跡の第3の例を示す
平面図、図46(b) は、その移動軌跡における上側定盤
の回転中心と研磨布の回転中心の距離rの変化を示す波
形図である。
【図47】図47は、本発明の第12実施形態の研磨装
置において、上側定盤が研磨布上を移動しない場合の時
間的変化を示す振動強度曲線、図47(b) はその振動強
度曲線の微分曲線である。
【図48】図48(a),(b) は、本発明の第13実施形態
の研磨装置の要部を示す断面図及び底面図である。
【図49】図49(a) 〜(c) は、本発明の第13実施形
態の研磨装置のヘッドの底面の研磨による変化を示す底
面図である。
【図50】図50は、本発明の第13実施形態の研磨装
置において、研磨の進行による上側定盤の変位の変化量
を示す図である。
【図51】図51は、本発明の第13実施形態の研磨装
置において、研磨の進行による上側定盤の変位の変化量
と規準信号の比較を示す図である。
【図52】図52(a),(b) は、本発明の第13実施形態
の研磨装置において、振動検出領域に突起を形成した状
態を示すヘッドの部分断面図である。
【符号の説明】
1、1d 研磨布 2 下側定盤 2a 空洞 3 上側定盤 3a 空洞 3b 側壁 4 第一の溝 5 第二の溝 6 第二の溝(空洞) 7 弾性部 8 指示体 9 シャフト 10、10A、10B 振動検出素子 11 ノズル 12 ドレッサー 13、13A 送信機 14 受信機 15 駆動制御部 16 表示部 21 シャフト駆動部 22 弾性部 23 揺動装置 24 ベルト 25 送信用アンテナ 26 受信用アンテナ 27 信号線 28 環状導電体 29 ブラッシ 30 電線 31 合成器 32 受信機 33 信号解析部 34a、34d、34e 第1のアンプ 34b フィルタ 34c 第2のアンプ 34B FM送信機 35 処理部 41 上側定盤 42 加速度センサー 43 下側定盤 44 研磨布 45 マーカー 46 マーカー検出器 50 防音/吸音材 51 インナーシート 52 共振板 53 アンプ 54 孔 55 振動伝達用針 56 振動板 57 振動検出素子 58 振動制御部 59 周波数変換回路 61 位置検出器 62 検知板 63 整流器 64 コンデンサ 65 アンプ 66 ローパスフィルタ 67 ハイパスフィルタ 69 FM受信機 70 記録装置 71 フィルター 72 第1のアンプ 73 整流回路 74 ローパスフィルター 75 第2のアンプ 76 A/D変換器 77 コンピュータ 81、82、83 変位検出器 91、92 突起
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中村 亘 神奈川県川崎市中原区上小田中4丁目1番 1号 富士通株式会社内 Fターム(参考) 3C034 AA08 AA13 BB92 CA24 CB03 3C058 AA07 AA09 AC02 BA09 BA13 BB02 BC02 CB01 CB02 DA13 DA17

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】研磨対象物を支持する第1の定盤と、 前記第1の定盤を回転させる駆動機構と、 前記第1の定盤に対向して配置され、且つ内部に空洞が
    形成された第2の定盤と、 前記第2の定盤に張り付けられた研磨布と、 前記第1の定盤又は前記第2の定盤に取り付けられ、研
    磨時の振動信号を出力する振動検出器と、 少なくとも前記第1の定盤と前記第2の定盤の一方の研
    磨動作を制御する制御部とを有することを特徴とする研
    磨装置。
  2. 【請求項2】研磨対象物を支持する第1の定盤と、 前記第1の定盤に対向して配置される第2の定盤と、 前記第2の定盤に張り付けられる研磨布と、 前記第1の定盤又は前記第2の定盤に取付けられた振動
    検出器と、 少なくとも前記第1の定盤又は前記第2の定盤を駆動す
    る駆動機構と、 前記振動検出器が取付けられた側の前記第1の定盤又は
    前記第2の定盤に取り付けられ、且つ前記振動検出器に
    より検出された振動情報を無線送信する送信部と、 前記送信部から出力された無線信号を受信する受信部
    と、 前記受信部に接続されて、受信した前記無線信号を解析
    する信号解析部と、 前記信号解析部からの信号に基づいて、研磨停止又は研
    磨条件の変更を指示する信号を少なくとも前記駆動機構
    に出力する制御部と、 前記振動検出器が取り付けられた前記第1の定盤又は前
    記第2の定盤の回転軸の周囲に取付けられ、且つ前記送
    信部に接続された環状の送信アンテナと、 前記回転軸の延長上に取付けられ、且つ前記受信部に接
    続される受信アンテナとを有することを特徴とする研磨
    装置。
  3. 【請求項3】前記振動検出器の出力に基づく振動信号の
    振幅レンジを広げるための対数アンプと、 前記受信部の出力側に接続されて前記受信部からの出力
    信号を変換する逆対数アンプとを有することを特徴とす
    る請求項2記載の研磨装置。
  4. 【請求項4】研磨対象物を支持する第1の定盤と、 前記第1の定盤に対向して配置される第2の定盤と、 前記第2の定盤に張り付けられる研磨布と、 前記第1の定盤を前記研磨布上の一定範囲内で周期的に
    移動させる駆動手段と、 前記第1の定盤の振動強度又は前記駆動手段の駆動トル
    クの値を、前記第1の定盤の位置成分を含む関数で割算
    してその結果を研磨状態信号とし、該研磨状態信号の変
    化を時間で微分し、その微分値に基づいて研磨終了を検
    出する研磨終点検出手段とを有することを特徴とする研
    磨装置。
  5. 【請求項5】研磨対象物を支持する定盤と、 前記定盤の周辺部を弾性体を介して支持し、且つ内部が
    空洞の筐体と、 前記研磨対象物を研磨する研磨布と、 前記研磨布と前記研磨対象物の摩擦によって前記研磨布
    の移動方向又は前記筐体の移動方向に引きずられる前記
    定盤の前記筐体に対する相対位置を測定する変位検出器
    とを有することを特徴とする研磨装置。
  6. 【請求項6】前記研磨布との摩擦によって平坦化される
    前記研磨対象物の平坦化速度と前記変位検出器の出力信
    号とを対応させ、該出力信号の変化が該平坦化速度の所
    定の範囲内又は所定の値に達した時を研磨終点として判
    別する研磨終点判別手段を有することを特徴とする請求
    項5記載の研磨装置。
  7. 【請求項7】研磨対象物を支持する第1の定盤と、該第
    1の定盤に対向して配置される第2の定盤と、該第2の
    定盤に張り付けられた研磨布とを備えた研磨装置を用い
    る研磨方法において、 駆動手段により、前記第1の定盤を前記研磨布上の一定
    範囲内で周期的に移動させ、 前記第1の定盤の振動強度又は前記駆動手段の回転トル
    クの値を、前記第1の定盤の位置成分を含む関数で割算
    してその結果を研磨状態信号とし、該研磨状態信号の変
    化を時間で微分し、その微分値に基づいて研磨を終了す
    る工程を含むことを特徴とする研磨方法。
  8. 【請求項8】前記関数は、前記研磨布の回転中心からの
    距離に比例する比例関数であることを特徴とする請求項
    7記載の研磨装置。
  9. 【請求項9】前記研磨布において、略等密度に溝又は孔
    が形成されている場合は、前記関数は、前記研磨布の回
    転中心からの距離の二乗に比例する関数であることを特
    徴とする請求項7記載の研磨方法。
  10. 【請求項10】前記関数には、前記第2の定盤の回転数
    が含まれることを特徴とする請求項7記載の研磨方法。
  11. 【請求項11】研磨対象物を支持する第1の定盤と、該
    第1の定盤に対向して配置される第2の定盤と、該第2
    の定盤に張り付けられる研磨布とを使用して、該研磨対
    象物を前記研磨布により研磨する研磨方法において、 振動検出器によって、前記第1の定盤又は前記第2の定
    盤の研磨時の振動を検出し、 前記振動検出器により検出された振動強度の異常を検出
    し、該振動強度の異常検出時間が前記第2の定盤の回転
    周期よりも短い場合に、前記第1の定盤と前記第2の定
    盤の駆動を制御することを有することを特徴とする研磨
    方法。
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