JP2007059597A - 膜厚評価方法、研磨終点検出方法及びデバイス製造装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 膜の研磨中に、膜の表面に光を照射して時間差Δtを隔てた研磨時間t及び研磨時間t−Δtの反射スペクトルの差分信号を算出し、差分信号を解析することによって研磨時間tにおける膜の膜厚を評価する膜厚評価方法において、研磨時間t及び研磨時間t−Δtの反射スペクトルの振幅強度を揃えるように補正する補正ステップと、差分信号の微小変動を抑制する抑制ステップと、差分信号の振幅の中心を揃える振幅成形ステップと、差分信号から不良成分を除去する除去ステップと、の少なくとも1つを実行する。このようにすると、評価された膜厚のばらつきが小さくなり、膜を研磨する際に研磨中の膜厚を正確に評価できる。
【選択図】 図1
Description
また、本発明の他の目的は、膜を研磨する際に研磨中の膜厚を正確に評価して研磨終点を正確に把握できる研磨終点検出方法を提供することである。
まず、ウェハに形成された酸化膜及び金属膜等を研磨する際に、研磨中の膜厚の評価に用いる光学モデルについて説明する。
R0(x)=Acos{4π(d+Δd)x}+B ・・・(2)
デバイスの製造プロセスでウェハに形成された酸化膜及び金属膜等を研磨する場合、比例定数Bは、波数xに対して依存性を有するが、研磨中の膜厚差Δdに対して変化が緩慢であるため、次式(3)の光学モデルで表される差分信号R1(x)−R0(x)で除去できる。
=Acos(4πdx)−Acos{4π(d+Δd)x}
=2Asin(2πΔdx)×sin{2π(2d+Δd)x} ・・・(3)
ここで、式(3)の光学モデルにおいて、1/(2d+Δd)を1周期とする短周期のサインカーブに、1/Δdを1周期とする長周期のサインカーブが重なっている。よって、差分信号R1(x)−R0(x)について、この短周期から2d+Δdが算出され、これから所定のΔdを差し引いて1/2を掛けると膜厚が算出される。
デバイス製造装置1は、表面側に研磨パッド2が配置された回転テーブル3、及び、研磨パッド2に対向した回転自在の研磨ヘッド4を有している。この研磨ヘッド4の研磨パッド2側に、ウェハ10が配置されている。
ここで、屈折率をnとし、波長をλとし、算出される波数をkとして式で表すと、
k=2πn/λ ・・・(4)
となる。なお、波数kの単位をcm-1としてデータ処理する。
Dm(k)=Rm(k)−Rm-x(k) ・・・(5)
となる。例えば、図2に例示する差分信号Dm(k)は、計測12回目以降の所定の反射スペクトルと、この所定の反射スペクトルの回から11回遡った回の反射スペクトルとの差分信号であり、xは“11”である。
ここで、反射スペクトルRm(k)、Rm-x(k)は、計測方法の問題から、約10%以下の絶対値のゆらぎを有する。この反射スペクトルの絶対値のゆらぎの影響を抑えるため、反射スペクトルRm(k)及び反射スペクトルRm-x(k)の絶対値が揃うように補正処理する。具体的には、式(5)において、Rm-x(k)の振幅強度の平均値がRm(k)の振幅強度の平均値に揃うように、Rm-x(k)の振幅強度の平均値に補正係数を掛けて補正処理する。補正係数をCとし、補正処理された差分信号をDm’(k)として式で表すと、
Dm’(k)=Rm(k)−Rm-x(k)×C ・・・(6)
となる。
次に、振幅強度不良を除去するため、差分信号Dm’(k)をスクリーニングする。図5は、振幅強度不良を有する差分信号を示す図である。図5において、横軸は波数、縦軸は差分信号を表している。
A≧1 ・・・(7)
となる。スクリーニングすることで、振幅強度不良を除去して図4の正常波形を算出できるようになる。
0.8<K1/K2<1.2 ・・・(8)
となる。スクリーニングすることで、周期不良を除去して図4の正常波形を算出できるようになる。
ここで、事前に評価した概略の研磨レートをrとし、算出された膜厚をd(t)として式で表すと、
d(t)=π/k−rΔt/2 ・・・(9)
となる。
なお、差分信号Dm’(k)の波数kの周期が大きくなって計測波数領域と同程度になり、波数kの周期を算出しにくくなる場合、算出された差分信号Dm’(k)のサインカーブと、データベースに記憶されたサインカーブとを比較し、適合したデータベースのサインカーブに対応する周期及び振幅強度を、算出された差分信号Dm’(k)の周期及び振幅強度として取得してもよい。このデータベースには、周期及び振幅強度をパラメータとしたサインカーブが複数記憶されている。
ここで、時間差Δtを、時間差Δtよりも普遍性のある位相差に変換する。反射率計測の中心波長をλCとし、研磨される膜の屈折率をnとし、変換された位相差をφとして式で表すと、
φ=4nπrΔt/λC ・・・(10)
となる。
λC/8n≦rΔt≦3λC/8n ・・・(11)
となる。
欠落するデータ数を減少させるため、時間差Δtを1つでなくて複数用意し、研磨時間t及び複数の研磨時間t−Δtの反射スペクトルの複数の差分信号Dm’(k)を算出する。例えば、時間差Δtを5個用意し、5個の差分信号Dm’(k)を算出する。図12は、位相差128°の差分信号を示す図である。図13は、位相差157°の差分信号を示す図である。図14は、位相差171°の差分信号を示す図である。図15は、位相差185°の差分信号を示す図である。図16は、位相差257°の差分信号を示す図である。図17は、図12〜図16の差分信号を重ね合わせて示す図である。図12〜図17において、横軸は研磨回数、縦軸は膜厚を表している。
なお、10個のサンプルについて、以上説明した膜厚評価方法に用いて実際に研磨中の膜厚を評価してみたところ、時間差Δtを1つ用意する場合、膜厚は設定値から最大で93nm、最小で−68nmばらついていた。また、時間差Δtを5つ用意する場合、膜厚は設定値から最大で42nm、最小で−24nmばらついていた。設定値からのばらつきは100nm〜−100nmであり、デバイスの製造プロセスにおいて有効であることが確認された。
2 研磨パッド
2a 覗き窓
3 回転テーブル
3a 貫通孔
4 研磨ヘッド
5 スラリー
6 光学ヘッド
7 分光反射率計測装置
8 コンピュータ
10 ウェハ
Claims (11)
- 膜の研磨中に、前記膜の表面に光を照射して時間差Δtを隔てた研磨時間t及び研磨時間t−Δtの反射スペクトルの差分信号を算出し、前記差分信号を解析することによって前記研磨時間tにおける前記膜の膜厚を評価する膜厚評価方法において、
前記研磨時間t及び前記研磨時間t−Δtの反射スペクトルの振幅強度を揃えるように補正する補正ステップと、
前記差分信号の微小変動を抑制する抑制ステップと、
前記差分信号の振幅の中心を揃える振幅成形ステップと、
前記差分信号から不良成分を除去する除去ステップと、
の少なくとも1つを有することを特徴とする膜厚評価方法。 - 前記補正ステップは、前記研磨時間t−Δtの反射スペクトルの振幅強度の平均値を、前記研磨時間tの反射スペクトルの振幅強度の平均値に揃えるように補正することを特徴とする請求項1記載の膜厚評価方法。
- 前記抑制ステップは、前記差分信号を構成する各データポイントの中の所定データポイントの値を、前記所定データポイント、前記所定データポイントの直前の所定数のデータポイント、及び、前記所定データポイントの直後の前記所定数のデータポイントの平均値に置換して成形することを特徴とする請求項1記載の膜厚評価方法。
- 前記振幅成形ステップは、前記差分信号を構成する各データポイントの中の所定データポイントの値を、前記所定データポイント、前記所定データポイントの直前の所定数のデータポイント、及び、前記所定データポイントの直後の前記所定数のデータポイントを直線近似し、直線近似された直線の傾きに置換して成形することを特徴とする請求項1記載の膜厚評価方法。
- 前記除去ステップは、前記差分信号から振幅強度が所定の範囲以外となった前記不良成分を除去することを特徴とする請求項1記載の膜厚評価方法。
- 前記除去ステップは、前記差分信号から周期が所定の範囲以外となった前記不良成分を除去することを特徴とする請求項1記載の膜厚評価方法。
- 前記研磨時間t及び複数の研磨時間t−Δtの反射スペクトルの複数の差分信号を算出することを特徴とする請求項1記載の膜厚評価方法。
- 前記膜を研磨するレートをr、反射スペクトルの計測可能な波長の範囲の中心波長をλC、前記膜の屈折率をnとしたときに、前記時間差Δtを、λC/8n≦rΔt≦3λC/8nの範囲に設定することを特徴とする請求項1記載の膜厚評価方法。
- データベースに周期及び振幅強度をパラメータとしたサインカーブをあらかじめ複数記憶し、前記差分信号のサインカーブと前記データベースに記憶されたサインカーブとを比較することにより、前記差分信号の周期及び振幅強度を取得することを特徴とする請求項1記載の膜厚評価方法。
- 膜の研磨中に、前記膜の表面に光を照射して時間差Δtを隔てた研磨時間t及び研磨時間t−Δtの反射スペクトルの差分信号を算出し、前記差分信号を解析することによって前記研磨時間tにおける前記膜の膜厚を評価し、算出された前記膜厚に基づいて研磨終点を検出する研磨終点検出方法において、
前記研磨時間t及び前記研磨時間t−Δtの反射スペクトルの振幅強度を揃えるように補正する補正ステップと、
前記差分信号の微小変動を抑制する抑制ステップと、
前記差分信号の振幅の中心を揃える振幅成形ステップと、
前記差分信号から不良成分を除去する除去ステップと、
の少なくとも1つを有することを特徴とする研磨終点検出方法。 - 膜を研磨してデバイスを製造するデバイス製造装置において、
前記膜を研磨する研磨手段と、
前記膜の研磨中に、前記膜の表面に光を照射して時間差Δtを隔てた研磨時間t及び研磨時間t−Δtの反射スペクトルを計測する計測手段と、
前記研磨時間t及び前記研磨時間t−Δtの反射スペクトルの差分信号を算出する差分信号算出手段と、
前記差分信号を解析することによって前記研磨時間tにおける前記膜の膜厚を評価する膜厚算出手段と、を有し、
前記研磨時間t及び前記研磨時間t−Δtの反射スペクトルの振幅強度を揃えるように補正する補正手段と、
前記差分信号の微小変動を抑制する抑制手段と、
前記差分信号の振幅の中心を揃える振幅成形手段と、
前記差分信号から不良成分を除去する除去手段と、
の少なくとも1つを有することを特徴とするデバイス製造装置。
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