JP2014011294A - 分光式研磨モニタ装置の波長較正方法、およびウェハの研磨方法 - Google Patents

分光式研磨モニタ装置の波長較正方法、およびウェハの研磨方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2014011294A
JP2014011294A JP2012146671A JP2012146671A JP2014011294A JP 2014011294 A JP2014011294 A JP 2014011294A JP 2012146671 A JP2012146671 A JP 2012146671A JP 2012146671 A JP2012146671 A JP 2012146671A JP 2014011294 A JP2014011294 A JP 2014011294A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
spectrum
wafer
wavelength
polishing
reflected light
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2012146671A
Other languages
English (en)
Inventor
Yoichi Kobayashi
洋一 小林
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ebara Corp
Original Assignee
Ebara Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Ebara Corp filed Critical Ebara Corp
Priority to JP2012146671A priority Critical patent/JP2014011294A/ja
Publication of JP2014011294A publication Critical patent/JP2014011294A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Finish Polishing, Edge Sharpening, And Grinding By Specific Grinding Devices (AREA)
  • Mechanical Treatment Of Semiconductor (AREA)

Abstract

【課題】研磨装置が設置される工場内で、簡単に分光式研磨モニタ装置の波長較正を実施することができる方法を提供する。
【解決手段】分光式研磨モニタ装置の波長較正方法は、均一な厚さの膜が形成された基準ウェハの表面に光を照射して、該基準ウェハからの反射光を受光し、受光した反射光を波長に従って分解することにより基準スペクトルを生成し、基準ウェハの表面に光を照射して、該基準ウェハからの反射光を受光し、受光した反射光を波長に従って分解することにより現在のスペクトルを生成し、現在のスペクトルを基準スペクトルに一致させるための波長の補正式を生成する。
【選択図】図6

Description

本発明は、ウェハを研磨する研磨装置に使用される分光式研磨モニタ装置の波長較正方法、およびそのような分光式研磨モニタ装置を備えた研磨装置を用いてウェハを研磨する方法に関する。
ウェハを研磨する研磨装置には、通常、主に絶縁膜(透明膜)の研磨の進行状態を監視し、および/または研磨終点を検出する目的で分光式研磨モニタ装置が搭載される。図1は、分光式研磨モニタ装置を備えた研磨装置を模式的に示す斜視図である。図1に示すように、研磨テーブル30は、テーブル軸30aを介してその下方に配置されるテーブルモータ19に連結されており、このテーブルモータ19により研磨テーブル30が矢印で示す方向に回転されるようになっている。この研磨テーブル30の上面には研磨パッド10が貼付されており、研磨パッド10の上面がウェハWを研磨する研磨面10aを構成している。トップリング31はトップリングシャフト16の下端に固定されている。トップリング31は、真空吸着によりその下面にウェハWを保持できるように構成されている。トップリングシャフト16は、図示しない上下動機構により上下動するようになっている。
研磨テーブル30の内部には、ウェハWの膜厚に従って変化する膜厚信号を取得する光学式膜厚センサ40が配置されている。この光学式膜厚センサ40は、記号Aで示すように研磨テーブル30と一体に回転し、トップリング31に保持されたウェハWの膜厚信号を取得する。光学式膜厚センサ40は処理部5に接続されており、光学式膜厚センサ40により取得された膜厚信号は処理部5に送られるようになっている。
ウェハWの研磨は次のようにして行われる。トップリング31および研磨テーブル30をそれぞれ矢印で示す方向に回転させ、研磨液供給機構32から研磨パッド10上に研磨液(スラリー)を供給する。この状態で、下面にウェハWを保持したトップリング31は、トップリングシャフト16により下降されてウェハWを研磨パッド10の研磨面10aに押し付ける。ウェハWの表面は、研磨液に含まれる砥粒の機械的作用と研磨液の化学的作用により研磨される。
分光式研磨モニタ装置は、光学式膜厚センサ40と処理部5と記憶装置6とから基本的に構成されており、ウェハから反射した光を波長に従って分解して、波長ごとの光の強度を示すスペクトルを生成し、このスペクトルの変化から絶縁膜の研磨の進捗を監視する。
図2は、分光式研磨モニタ装置の原理を説明するための模式図であり、図3はウェハWと研磨テーブル30との位置関係を示す平面図である。図2に示す例では、ウェハWは、下層膜と、その上に形成された上層膜とを有している。光学式膜厚センサ40は、投光部42および受光部43から構成されるセンサヘッドと、受光部43に接続された分光器44とを有している。これら投光部42および受光部43は、ウェハWの表面に対向して配置されている。投光部42は、研磨テーブル30が1回転するたびにウェハWの中心を含む複数の領域に光を照射する。
ウェハWに照射された光は、媒質(図2の例では水)と上層膜との界面と、上層膜と下層膜との界面で反射し、これらの界面で反射した光の波が互いに干渉する。この光の波の干渉の仕方は、上層膜の厚さ(すなわち光路長)に応じて変化する。このため、ウェハWからの反射光から生成されるスペクトルは、上層膜の厚さに従って変化する。分光器44は、反射光を波長に従って分解し、反射光の強度を波長ごとに測定する。処理部5は、分光器44から得られた反射光の強度データである膜厚信号からスペクトルを生成する。このスペクトルは、光の波長と強度との関係を示す線グラフ(すなわち分光波形)として表される。
図4は、処理部5によって生成されたスペクトルを示す図である。図4において、横軸は反射光の波長を表わし、縦軸は反射光の強度から導かれる相対反射率を表わす。この相対反射率とは、反射光の強度を表わす1つの指標であり、具体的には、反射光の強度と所定の基準強度との比である。各波長において反射光の強度(実測強度)を所定の基準強度で割ることにより、装置の光学系や光源固有の強度のばらつきなどの不要な要素が実測強度から除去され、これにより上層膜の厚さ情報のみを反映したスペクトルを得ることができる。
所定の基準強度は、例えば、膜が形成されていないシリコン基板(ベアウェハ)を研磨パッド10上に水を供給しながら研磨しているときに得られた反射光の強度とすることができる。実際の研磨では、実測強度からダークレベル(光を遮断した条件下で得られた背景強度)を引き算して補正実測強度を求め、さらに基準強度から上記ダークレベルを引き算して補正基準強度を求め、そして、補正実測強度を補正基準強度で割り算することにより、相対反射率が求められる。具体的には、相対反射率R(λ)は、次の式(1)を用いて求めることができる。
Figure 2014011294
ここで、λは波長であり、E(λ)はウェハからの反射光の強度であり、B(λ)は基準強度であり、D(λ)はダークレベル(光を遮断した条件下で測定された光の強度)である。基準強度B(λ)は、分光器44、投光部42、受光部43などの光伝達部品が交換されるたびに、これら部品の個体差を除去するために取得される。また、これら光伝達部品の経時変化を除去する目的で定期的に基準強度B(λ)が取得される。
各波長において反射光の強度(実測強度)を所定の基準強度で割る目的は、図4に示す縦軸方向の成分、すなわち光の強度を較正することである。これに対し、図4に示す横軸方向の成分、すなわち光の波長を較正する作業は、通常は、分光器の出荷時に一回行われるのみである。この波長較正は、図5に示すような水銀ランプの輝線に基づいて行われる。
分光器の波長のずれは、分光器内の光学要素(スリット、回折格子、検出器など)の配置が変化した場合に起こりうる。しかしながら、分光器の経時変化は比較的小さいため、通常は、研磨装置を運用しているときの波長較正は行われていない。研磨装置の累積運転時間がある程度長くなると、水銀ランプを用いて波長較正を行うこともあるが、そのような較正作業は半導体デバイス製造工場での通常の保守作業とは異なるため、作業効率の悪化を招くことがあり、研磨装置の誤操作の原因になる場合もあった。
特開2004−154928号公報 特開2009−99842号公報
近年、半導体デバイスの微細化に伴い、研磨装置のより精密な研磨性能に対する要求が高まっており、分光式研磨モニタ装置の精度に対する要求も厳しくなっている。このため、従来の研磨モニタ装置では問題とされなかった波長ずれが無視できなくなっている。
そこで、本発明は、研磨装置が設置される工場内で、簡単に分光式研磨モニタ装置の波長較正を実施することができる方法を提供することを目的とする。また、本発明は、そのような分光式研磨モニタ装置でウェハの研磨を監視しながらウェハを研磨する方法を提供することを目的とする。
上述した目的を達成するために、本発明の一態様は、ウェハの研磨の進捗を監視するための分光式研磨モニタ装置の波長較正方法であって、均一な厚さの膜が形成された基準ウェハの表面に光を照射して、該基準ウェハからの反射光を受光し、前記受光した反射光を波長に従って分解することにより基準スペクトルを生成し、前記基準ウェハの表面に光を照射して、該基準ウェハからの反射光を受光し、前記受光した反射光を波長に従って分解することにより現在のスペクトルを生成し、前記現在のスペクトルを前記基準スペクトルに一致させるための波長の補正式を生成することを特徴とする。
本発明の好ましい態様は、前記基準スペクトルの生成は、研磨パッドに水を供給しながら、前記基準ウェハを前記研磨パッドに摺接させて前記基準ウェハを研磨する第1の水研磨を行い、前記第1の水研磨を行っているときに、前記基準ウェハの表面に光を照射して、該基準ウェハからの反射光を受光し、前記第1の水研磨中に受光した反射光を波長に従って分解することにより前記基準スペクトルを生成する工程であり、前記現在のスペクトルの生成は、前記研磨パッドに水を供給しながら、前記基準ウェハを前記研磨パッドに摺接させて前記基準ウェハを研磨する第2の水研磨を行い、前記第2の水研磨を行っているときに、前記基準ウェハの表面に光を照射して、該基準ウェハからの反射光を受光し、前記第2の水研磨中に受光した反射光を波長に従って分解することにより前記現在のスペクトルを生成する工程であることを特徴とする。
本発明の好ましい態様は、前記補正式は、前記現在のスペクトルの極大点および極小点を、前記基準スペクトルの対応する極大点および極小点に一致させるための補正式であることを特徴とする。
本発明の好ましい態様は、前記補正式は、前記現在のスペクトルの極大点および極小点の波長をx座標、前記基準スペクトルの対応する極大点および極小点の波長をy座標とする複数の座標を生成し、前記複数の座標によってxy座標系上に特定される複数の点に対して回帰分析を行うことにより得られる回帰式であることを特徴とする。
本発明の好ましい態様は、前記基準スペクトルは、前記反射光を波長に従って分解することにより得られたスペクトルにスプライン補間を適用することで得られたスペクトルであり、前記現在のスペクトルは、前記反射光を波長に従って分解することにより得られたスペクトルにスプライン補間を適用することで得られたスペクトルであることを特徴とする。
本発明の好ましい態様は、前記基準ウェハは、単層膜が形成されたブランケットウェハであることを特徴とする。
本発明の好ましい態様は、前記単層膜は、単層酸化膜であることを特徴とする。
本発明の好ましい態様は、前記単層膜の厚さは、少なくとも500nmであることを特徴とする。
本発明の好ましい態様は、前記基準スペクトルは、前記基準ウェハの中心部からの反射光を波長に従って分解することにより生成され、前記現在のスペクトルは、前記基準ウェハの中心部からの反射光を波長に従って分解することにより生成されることを特徴とする。
本発明の好ましい態様は、前記基準スペクトルは、前記基準ウェハの複数の領域からの反射光を波長に従って分解することにより生成された複数のスペクトルの平均スペクトルであり、前記現在のスペクトルは、前記基準ウェハの複数の領域からの反射光を波長に従って分解することにより生成された複数のスペクトルの平均スペクトルであることを特徴とする。
本発明の好ましい態様は、前記基準ウェハの前記複数の領域は、前記基準ウェハの表面全体に分布する複数の領域であることを特徴とする。
本発明の好ましい態様は、基準スペクトルと前記現在のスペクトルとの変化量が所定のしきい値を上回ったときは、前記研磨モニタ装置に不具合が発生していると判断することを特徴とする。
本発明の他の態様は、分光式研磨モニタ装置を備えた研磨装置を用いてウェハを研磨する方法であって、均一な厚さの膜が形成された基準ウェハの表面に光を照射して、該基準ウェハからの反射光を受光し、前記受光した反射光を波長に従って分解することにより基準スペクトルを生成し、前記基準ウェハの表面に光を照射して、該基準ウェハからの反射光を受光し、前記受光した反射光を波長に従って分解することにより現在のスペクトルを生成し、前記現在のスペクトルを前記基準スペクトルに一致させるための波長の補正式を生成し、研磨パッドに研磨液を供給しながら、ウェハを前記研磨パッドに摺接させて該ウェハを研磨し、前記ウェハを研磨しているときに、前記ウェハの表面に光を照射して、該ウェハからの反射光を受光し、前記ウェハの研磨中に受光した反射光を波長に従って分解することにより前記ウェハのモニタスペクトルを生成し、前記モニタスペクトルの波長を前記補正式を用いて補正することにより、補正されたモニタスペクトルを生成し、前記補正されたモニタスペクトルの変化に基づいて前記ウェハの研磨の進捗を監視することを特徴とする。
本発明の好ましい態様は、前記補正されたモニタスペクトルに基づいて、前記ウェハの研磨終点を決定することを特徴とする。
本発明によれば、異なる時間に取得された2つのスペクトル間の差(変化量)をなくす補正式を用いて波長が補正される。したがって、水銀ランプを用いることなく、分光式研磨モニタ装置の波長較正を行うことができる。
光学式研磨モニタ装置を備えた研磨装置を示す斜視図である。 分光式研磨モニタ装置の原理を説明するための模式図である。 ウェハと研磨テーブルとの位置関係を示す平面図である。 反射光のスペクトルを示す図である。 水銀ランプの輝線スペクトルを示す図である。 ブランケットウェハを水研磨したときの反射光のスペクトルを示す図である。 図6に示す現在のスペクトルの極大点および極小点の波長を表すx軸(横軸)と、図6に示す基準スペクトルの極大点および極小点の波長を表すy軸(縦軸)とを持つxy座標系を示す図である。 補正式を用いて図6に示す現在のスペクトルの各波長を較正(補正)した結果を示すグラフである。 図6に示す基準スペクトルおよび現在のスプラインに3次スプライン補間を適用してこれらスペクトルを補間し、補間した現在のスプライン上の極大点および極小点の波長(x座標)と、基準スペクトルの対応する極大点および極小点の波長(y座標)から特定される複数の点をxy座標系上にプロットすることによって得られたグラフを示す図である。 図9に示す回帰式を用いて図6に示す現在のスペクトルの波長を補正して得られた補正後のスペクトルを示す図である。 酸化膜の厚さが500nmのときに取得されたスペクトルを示す図である。 研磨テーブルの回転速度が60min−1、ウェハの回転速度の回転速度)が61min−1であるときのセンサヘッドのウェハ上の軌跡を示す図である。 研磨テーブルの回転速度が66min−1、ウェハの回転速度が60min−1であるときのセンサヘッドのウェハ上の軌跡を示す図である。 基準スペクトルと現在のスペクトルとの間の変化量を算出する例を説明するための図である。 ウェハの膜厚が減少するに従って波長軸に沿って移動するスペクトルを示す図である。 現在のスペクトルと複数の指標スペクトルとの比較から現在の膜厚を決定するプロセスを説明する図である。 基準スペクトルを取得する処理の流れを示すフローチャートである。 波長較正用の補正式を取得する処理の流れを示すフローチャートである。 研磨モニタ装置で膜厚を監視しながら、プロダクトウェハを研磨する方法を示すフローチャートである。 本発明の研磨方法を実行することができる研磨装置の一例を示す図である。 図20に示す研磨装置の変形例を示す断面図である。
以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。
本発明の波長較正方法および研磨方法は、図1および図2に示す研磨装置および研磨モニタ装置を用いて実施されるので、これら装置の重複する説明を省略する。図6は、単層の酸化膜が形成されたブランケットウェハを水研磨したときの反射光のスペクトルを示す図である。このブランケットウェハは、シリコン基板上に形成された均一な膜厚を有する単層の膜を有するウェハである。酸化膜の初期の厚さは約1000nmである。シリコン基板および酸化膜は、多少の不純物を含んでいてもよい。このブランケットウェハは、均一な膜が形成された基準ウェハであり、波長較正はこの基準ウェハを用いて実施される。ブランケットウェハに形成される膜は酸化膜に限らず、光を透過させる膜であればよい。また、基準ウェハの膜は、配線パターンが形成されていない多層膜であってもよい。
ブランケットウェハの水研磨は、図1に示すように、トップリング31および研磨テーブル30をそれぞれ矢印で示す方向に回転させ、研磨液供給機構32から研磨パッド10上に純水を供給しながら、トップリング31でブランケットウェハを研磨パッド10に対して押し付けることにより行われる。この水研磨中は、ブランケットウェハの研磨は実質的に進行しない。
図6において、縦軸は相対反射率を表し、横軸は光の波長を表している。図6の点線は水銀ランプを用いて分光器44(図2参照)の波長較正を行った直後にブランケットウェハを水研磨したときに取得した初期のスペクトル、すなわち基準スペクトルを示し、実線はある程度の時間が経過した後に同じブランケットウェハを水研磨したときに取得した現在のスペクトルを示している。図6に示す例では、現在のスペクトルは基準スペクトルから2nm〜4nmほど長波長側に移動している。
図7は、図6に示す現在のスペクトルの極大点および極小点の波長を表すx軸(横軸)と、図6に示す基準スペクトルの極大点および極小点の波長を表すy軸(縦軸)とを持つxy座標系を示す図である。スペクトルの極大点および極小点は、相対反射率の極大値および極小値を取る点である。図6に示すように、極大点は、黒い矢印で示されているスペクトルの局所的なピーク点であり、極小点は、白い矢印で示されているスペクトルの局所的なボトム点である。
図7のxy座標系上に描かれている複数の点は、現在のスペクトルの極大点および極小点の波長からなる横軸座標(x座標:x1,x2,x3,…)と、基準スペクトルの対応する極大点および極小点の波長からなる縦軸座標(y座標:y1,y2,y3,…)とから構成される座標((x1,y1)、(x2,y2)、(x3,y3)、…)によって特定される点である。図7に表される点は、それぞれ、図6に示す現在のスペクトルおよび基準スペクトルの極大点または極小点に対応する。図6には、4つの極大点と3つの極小点が現れている。したがって、図7には、7つの点がxy座標系上にプロットされている。
図7に示す補正式は、現在のスペクトルの波長と基準スペクトルの波長との近似的な相関関係を表す回帰式であり、これら複数の点について回帰分析を行うことによって得られる。図7に示す補正式は、3次多項式として表されている。回帰分析は、例えば最小二乗法を用いて行うことができる。ここで、スペクトル上に現れる微小なノイズ(微小変動)の影響を排除するために、スペクトルの平滑化を実施することが好ましい。そして、平滑化されたスペクトルの極大点および極小点の波長を求めることが好ましい。
このようにして得られた補正式により、現在のそれぞれの波長に対応する真の波長を推定することができる。具体的には、分光器44で使用される現在の波長を補正式のxに代入することにより、補正された波長yを取得することができる。この補正された波長yは、真の波長と推定される。
図8は、図7に示す補正式を用いて図6に示す現在のスペクトルの各波長を較正(補正)した結果を示すグラフである。具体的には、図8の実線は、補正された波長を持つ補正後の現在のスペクトルを示す。図8から分かるように、補正されたスペクトルは、基準スペクトルにほぼ一致する。このように、補正式は、反射光のスペクトルの波長軸方向のずれ(ドリフト)をなくすための波長補正式である。
図8に示すグラフにおいて、特に650nm以上の波長領域においては、補正後のスペクトルと基準スペクトルとの間には若干の差がある。そこで、基準スペクトルおよび現在のスペクトルを3次スプライン曲線を用いて補間することが好ましい。例えば、スペクトル上の相対反射率が波長2nmの間隔で表されている場合は、そのスペクトルに3次スプライン補間を適用して波長0.1nm間隔で相対反射率を示すスペクトルを生成する。そして、補間された現在のスペクトルと補間された基準スペクトルの極大点および極小点の波長を用いて図7に示す方法と同様にして回帰分析を行う。
図9は、図6に示す基準スペクトルおよび現在のスプラインに3次スプライン補間を適用してこれらスペクトルを補間し、補間された現在のスプライン上の極大点および極小点の波長(x1,x2,x3,…)と、補間された基準スペクトルの対応する極大点および極小点の波長(y1,y2,y3,…)からなる座標((x1,y1)、(x2,y2)、(x3,y3)、…)によって特定される複数の点をxy座標系上にプロットすることによって得られたグラフを示す。図9に示す3次多項式は、xy座標系上にプロットされた複数の点について回帰分析を行って取得した回帰式(補正式)である。
さらに、このようにして得られた補正式を用いて図6に示す現在のスペクトルの波長を補正して得られた補正後のスペクトルを図10に示す。図10から分かるように、補正されたスペクトルと基準スペクトルはほぼ完全に重なっており、図10の結果はスプライン補間が波長の較正に効果的であることを示している。したがって、研磨パッド10上に研磨液(スラリー)を供給しながら所望のウェハを研磨しているときに取得されたスペクトルの波長に、上記補正式を適用することにより、極めて精度の高い波長較正が実現される。
分光器44が測定可能な波長の下限値および上限値をそれぞれλL,λUとし、酸化膜の屈折率をn、酸化膜の厚さをd、スペクトルの極大点および極小点の波長のうち最大波長での入射光と反射光との位相差をkλ/2(kは自然数)、スペクトル上に現れる極大点および極小点の数をKとすると、次の式(2)および式(3)が成り立つ。
Figure 2014011294
Figure 2014011294
式(2)および式(3)から、次の式が導かれる。
Figure 2014011294
ここで、nが約1.46,λLが約400nm、λUが約800nm、Kが4以上とすると、
d>410nm
となる。
波長較正のための補正式である回帰式を求めるためには、ある程度の数の極大点および極小点がスペクトル上に存在することが必要である。上記条件下では、酸化膜の厚さが410nmよりも大きいときに、極大点および極小点の数は4つ以上となる。図11は、酸化膜の厚さが500nmのときに取得されたスペクトルを示す図である。図11の例では、2つの極大点および2つの極小点がスペクトル上に現れている。光学定数の波長依存性やスペクトルの極大点および極小点検出の確実性を考慮すると、膜厚は500nm以上であることが好ましい。
本発明の分光式研磨モニタ装置の波長較正方法においては、ブランケットウェハの膜厚が均一である条件下でスペクトルを取得することが重要である。図3に示すように、投光部42および受光部43(これらを総称してセンサヘッドという)がウェハWを横切りながら、ウェハWに光を当て、その反射光を受光する。図6乃至図11に示す例では、ウェハの中心からの反射光から生成されたスペクトルが使用されている。
しかしながら、成膜方法によっては、ブランケットウェハの中心での局所的な膜厚が他の領域での膜厚と異なっていることがある。このような場合、光の照射位置の僅かなずれは、膜厚の差に起因したスペクトルのばらつきを生じさせ、結果として正確な波長較正ができない場合がある。
そこで、センサヘッドがウェハ上に描く複数の軌跡がウェハの周方向において均等に分布するのに必要な時間またはそれ以上の時間で水研磨を行い、その水研磨中にウェハのほぼ全面に光を当て、その反射光を受光し、反射光から複数のスペクトルを生成し、これら複数のスペクトルの平均スペクトルを生成することが好ましい。図12は、研磨テーブル30の回転速度が60min−1、ウェハの回転速度(トップリング31の回転速度)が61min−1であるときのセンサヘッドのウェハ上の軌跡である。この例では、センサヘッドの軌跡がウェハの周方向において均等に分布するために必要な時間は、60秒である。したがって、水研磨は少なくとも60秒行われ、その間に複数のスペクトルが取得される。
図13に示す例では、研磨テーブル30の回転速度が66min−1、ウェハの回転速度(トップリング31の回転速度)が60min−1である。この例では、センサヘッドの軌跡がウェハの周方向において均等に分布するために必要な時間は、10秒である。したがって、図13に示す回転速度条件では、図12に示す回転速度条件に比べて、より短い時間で波長較正用のスペクトルを取得することができる。
図12および図13に示す例では、ウェハの表面全体に分布する複数の領域に光が照射され、ウェハ表面上の複数の領域から戻ってくる反射光が波長に従って分解されて複数のスペクトルが生成され、これら複数のスペクトルの平均スペクトルが生成される。上記基準スペクトルおよび現在のスペクトルは、このようにして取得された平均スペクトルである。したがって、ウェハ表面内での構造的なばらつきの影響を排除することができ、より正確な波長補正のための補正式を取得することができる。
図6のグラフに示すように、スペクトルの波長は時間とともに基準スペクトルの波長から徐々にずれてくる。しかしながら、この波長のずれが大きすぎる場合に波長較正(補正用の回帰線の係数算出)を行うことは、例えば、取り付けねじの緩みなどのハードウエアの不具合の発見を遅らせることに繋がるおそれがある。
そこで、波長較正の前に、波長のずれが許容範囲内にあるか否かを処理部5によりチェックすることが好ましい。例えば、同一のブランケットウェハを水研磨しているときに取得された基準スペクトルと現在のスペクトルとの間の変化量が、所定のしきい値を上回ったときは、ハードウエアの不具合を知らせる警報を発することが好ましい。この場合、処理部5は、警報信号を図示しない表示部または警報機に送信する。上記スペクトルの変化量は、基準スペクトルと現在のスペクトルとの間での相対反射率の差の絶対値の平均、または相対反射率の差の二乗値の平均として表すことができる。
図14は、基準スペクトルと現在のスペクトルとの間の変化量を算出する例を説明するための図である。図14において、Rs(λ)は基準スペクトル上の波長λにおける基準相対反射率を表し、Rc(λ)は現在のスペクトル上の波長λにおける現在の相対反射率を表している。基準スペクトルと現在のスペクトルとの間での相対反射率の差の絶対値の平均Avは次の式(5)で表され、基準スペクトルと現在のスペクトルとの間での相対反射率の差の二乗値の平均Avは次の式(6)で表される。
Figure 2014011294
Figure 2014011294
基準スペクトルと現在のスペクトルとの間の変化量として、上記平均Avに代えて、波長の補正量を用いてもよい。具体的には、上記回帰式(波長補正式)を用いて波長を補正し、補正された波長から現在の波長を減算することによりスペクトルの極大点および/または極小点での波長の補正量を決定し、その補正量が所定のしきい値を上回ったときは、ハードウエアの不具合を知らせる警報を発するようにしてもよい。
上述のようにして波長較正が行われた研磨モニタ装置は、ウェハの研磨の進捗を正確に監視することができ、ウェハの研磨終点を正確に決定することができる。ウェハからの反射光から生成されるスペクトルは、ウェハの膜厚が減少するに従って、図15に示すように、波長軸に沿って移動する。したがって、ウェハ研磨によって除去される膜の除去量は、膜厚にしたがって変化するスペクトルの変化量から決定することもできる。図15は、膜厚差Δαに対応する2つのスペクトルを示している。ここで、αは膜厚であり、研磨時には膜厚αは時間とともに減少する(Δα>0)。図15に示すように、スペクトルは膜厚の変化とともに波長軸に沿って移動する。異なる時間に取得された2つのスペクトル間の変化量は、これらスペクトルによって囲まれる領域(ハッチングで示す)に相当する。したがって、上記領域の面積を計算することにより、膜の除去量を決定することができる。膜の除去量Gは、次の式(7)から求められる。
Figure 2014011294
ここで、λは光の波長であり、λL,λUは監視対象とするスペクトルの波長範囲を決定する下限値および上限値であり、Rcは現在取得された相対反射率であり、Rpは前回取得された相対反射率である。上記式(7)に従って算出されたスペクトルの変化量は、膜の除去量を示す除去指標値である。処理部5は、除去指標値と、初期膜厚とから、現在の膜厚を算出することができる。
上述した膜の除去量を求める方法に代えて、処理部5は、研磨中に生成されたスペクトルと複数の指標スペクトルとを比較し、生成されたスペクトルに最も近い指標スペクトルを決定し、この決定された指標スペクトルに関連付けられた膜厚を現在の膜厚として決定するように構成されてもよい。図16は、現在のスペクトルと複数の指標スペクトルとの比較から現在の膜厚を決定するプロセスを説明する図である。複数の指標スペクトルは、研磨対象のウェハ(プロダクトウェハ)と同種のウェハを研磨することによって予め取得されたものであり、各指標スペクトルにはその指標スペクトルが取得されたときの膜厚が関連付けられている。すなわち、各指標スペクトルは、異なる膜厚のときに取得されたものであり、複数の指標スペクトルは複数の異なる膜厚に対応する。したがって、現在のスペクトルに最も近い指標スペクトルを特定することにより、現在の膜厚を推定することができる。この推定膜厚値は、膜厚を示す膜厚指標値である。
次に、基準スペクトルを取得する処理の流れについて図17に示すフローチャートを参照して説明する。ステップ1では、ベアウェハであるシリコン基板を水研磨しているときに、シリコン基板からの反射光のスペクトルが研磨モニタ装置の処理部5により取得される。この取得されたスペクトルは、上述した式(1)に示す所定の波長範囲(λL〜λU)での基準強度B(λ)を示すベーススペクトルとして定義される。ステップ2では、取得されたスペクトルはベーススペクトルとして、処理部5に接続された記憶装置6に保存される。処理部5と記憶装置6とは一体に構成されていてもよい。式(1)のダークレベルD(λ)は、光を遮断した条件下で測定され、記憶装置6に保存される。このダークレベルD(λ)の取得は、ステップ1の前後に行われることが好ましい。
ステップ3では、単層の酸化膜が形成されたブランケットウェハが水研磨され(第1の水研磨工程)、ブランケットウェハからの反射光のスペクトルが処理部5により取得される。このスペクトルは、式(1)に示す所定の波長範囲での測定強度E(λ)を表す生のスペクトルである。ステップ4では、処理部5は、ステップ3で得られたスペクトルをベーススペクトルで割ることにより、基準スペクトルを生成する。より具体的には、処理部5は、ベーススペクトルに示される基準強度B(λ)およびダークレベルD(λ)と式(1)とを用いて、上記所定の波長範囲に亘って相対反射率を算出し、図6の点線で示す基準スペクトルを生成する。
ステップ5では、基準スペクトルの極大点および極小点の波長を処理部5により検出する。ステップ6では、得られた基準スペクトルと、検出された極大点および極小点の波長が、波長較正のための基準データとして記憶装置6に保存される。ステップ1,2とステップ3〜5とを連続して行う必要はなく、これらステップの間に時間間隔を設けてもよい。
次に、波長較正用の補正式(回帰式)を取得する処理の流れについて図18に示すフローチャートを参照して説明する。ステップ1およびステップ2は、図17に示すステップ1およびステップ2と同じであるので、その重複する説明を省略する。ステップ3では、単層の酸化膜が形成された同一のブランケットウェハが水研磨され(第2の水研磨工程)、ブランケットウェハからの反射光のスペクトルが処理部5により取得される。このスペクトルは、式(1)に示す所定の波長範囲での測定強度E(λ)を表す生のスペクトルである。ステップ4では、処理部5は、ベーススペクトルに示される基準強度B(λ)およびダークレベルD(λ)と式(1)とを用いて、上記所定の波長範囲に亘って相対反射率を算出し、図6の実線で示す現在のスペクトルを生成する。通常は、測定誤差を小さくするために、基準スペクトルおよび現在のスペクトルは、同じ条件下で取得される。ステップ5では、現在のスペクトルの極大点および極小点の波長を処理部5により検出する。ステップ6では、処理部5は、記憶装置6に保存されている基準スペクトルを読み出す。ステップ7では、処理部5は、現在のスペクトルと基準スペクトルとを比較し、スペクトルの変化量を算出する。このスペクトルの変化量は、上述した式(5)または式(6)を用いて算出することができる。
ステップ8では、処理部5は、スペクトルの変化量を所定のしきい値と比較する。スペクトルの変化量が所定のしきい値を上回った場合には、ステップ9として、処理部5はハードウエアの不具合を知らせる警報信号を発する。スペクトルの変化量が所定のしきい値以下の場合には、ステップ10として、処理部5は波長較正のための補正式を生成する。上述したように、この補正式は、現在のスペクトルの極大点および極小点の波長をx座標、基準スペクトルの対応する極大点および極小点の波長をy座標とした座標によりxy座標系上に特定される複数の点に対して回帰分析を行うことによって求めることができる。次に、ステップ11として、得られた補正式は記憶装置6に保存され、記憶装置6内の補正式が更新される。
次に、上述した研磨モニタ装置で膜厚を監視しながら、プロダクトウェハ(例えば、積層構造が形成されたウェハ)を研磨する方法について図19を参照して説明する。ステップ1では、処理部5は、ベーススペクトル、ダークレベル、および補正式を記憶装置6から読み出す。ステップ2では、研磨パッド10上に研磨液が供給され、ウェハの研磨が開始される。ステップ3では、ウェハが研磨されているときに、処理部5は、ウェハからの反射光のスペクトルを取得する。このスペクトルは、式(1)に示す所定の波長範囲での測定強度E(λ)を表す生のスペクトルである。ベーススペクトルは、式(1)における基準強度B(λ)を表している。ステップ4では、処理部5は、ベーススペクトルに示される基準強度B(λ)およびダークレベルD(λ)と式(1)とを用いて、上記所定の波長範囲に亘って相対反射率を算出し、ウェハの研磨の進捗を監視するためのモニタスペクトルを生成する。モニタスペクトルは、図12および図13に示す例のように、ウェハの表面全体に光を照射し、ウェハ表面上の複数の領域からの反射光を波長に従って分解することによって生成された複数のスペクトルの平均スペクトルであることが好ましい。
ステップ5では、処理部5は、モニタスペクトルの波長を補正式を用いて補正する。具体的には、モニタスペクトルの波長を補正式の変数に代入することにより、補正された波長を取得する。波長が補正されたモニタスペクトル(以下、補正されたモニタスペクトルという)は、図15に示すように、膜厚に従って変化する。したがって、処理部5は、補正されたモニタスペクトルの変化に基づいてウェハの研磨の進捗を監視する。すなわち、ステップ6では、処理部5は、補正されたモニタスペクトルから現在の膜厚を決定し、現在の膜厚を監視する。現在の膜厚は、上記式(7)を用いて算出された膜の除去指標値から現在の膜厚を算出することによって決定してもよいし、または、図16を参照して説明した方法に従って現在の膜厚を推定することによって決定してもよい。ステップ7では、処理部5は、膜厚が所定の目標値に達したか否かを決定する。膜厚が所定の目標値に達していれば、ウェハの研磨が終了される。膜厚が所定の目標値に達していなければ、ウェハの研磨が継続され、処理フローはステップ3に戻る。
図17から図19までのフローチャートは、コンピュータが読み取り可能なプログラムに従って処理部5によって自動的に実行される。上述した実施形態では、式(1)を用いて測定強度E(λ)から相対反射率を算出しているが、相対反射率を算出せずに、測定強度E(λ)をそのまま用いてもよい。この場合は、上記式(5)〜(7)の相対反射率R(λ)は、測定強度E(λ)に置き換えられる。
次に、本発明の研磨方法を実行することができる研磨装置の一例について、図20を参照して説明する。図20に示すように、光学式膜厚センサ40は研磨テーブル30に埋設されており、研磨テーブル30および研磨パッド10とともに一体に回転する。トップリングシャフト16は、ベルト等の連結手段17を介してトップリングモータ18に連結されて回転されるようになっている。このトップリングシャフト16の回転により、トップリング31が矢印で示す方向に回転するようになっている。
光学式膜厚センサ40は、ウェハWの表面に光を当て、ウェハWからの反射光を受光し、その反射光を波長にしたがって分解するように構成されている。光学式膜厚センサ40は、光をウェハWの被研磨面に照射する投光部42と、ウェハWから戻ってくる反射光を受光する受光部としての光ファイバー43と、ウェハWからの反射光を波長に従って分解し、所定の波長範囲に亘って反射光の強度を測定する分光器44とを備えている。
研磨テーブル30には、その上面で開口する第1の孔50Aおよび第2の孔50Bが形成されている。また、研磨パッド10には、これら孔50A,50Bに対応する位置に通孔51が形成されている。孔50A,50Bと通孔51とは連通し、通孔51は研磨面10aで開口している。第1の孔50Aは液体供給路53およびロータリージョイント(図示せず)を介して液体供給源55に連結されており、第2の孔50Bは、液体排出路54に連結されている。
投光部42は、多波長の光を発する光源47と、光源47に接続された光ファイバー48とを備えている。光ファイバー48は、光源47によって発せられた光をウェハWの表面まで導く光伝送部である。光ファイバー48および光ファイバー43の先端は、第1の孔50A内に位置しており、ウェハWの被研磨面の近傍に位置している。光ファイバー48および光ファイバー43の各先端は、トップリング31に保持されたウェハWに対向して配置される。研磨テーブル30が回転するたびにウェハWの複数の領域に光が照射される。好ましくは、光ファイバー48および光ファイバー43の各先端は、トップリング31に保持されたウェハWの中心に対向して配置される。
ウェハWの研磨中は、液体供給源55からは、透明な液体として水(好ましくは純水)が液体供給路53を介して第1の孔50Aに供給され、ウェハWの下面と光ファイバー48,43の先端との間の空間を満たす。水は、さらに第2の孔50Bに流れ込み、液体排出路54を通じて排出される。研磨液は水と共に排出され、これにより光路が確保される。液体供給路53には、研磨テーブル30の回転に同期して作動するバルブ(図示せず)が設けられている。このバルブは、通孔51の上にウェハWが位置しないときは水の流れを止める、または水の流量を少なくするように動作する。
光ファイバー48と光ファイバー43は互いに並列に配置されている。光ファイバー48および光ファイバー43の各先端は、ウェハWの表面に対してほぼ垂直に配置されており、光ファイバー48はウェハWの表面にほぼ垂直に光を照射するようになっている。
ウェハWの研磨中は、投光部42から光がウェハWに照射され、光ファイバー(受光部)43によってウェハWからの反射光が受光される。分光器44は、反射光の各波長での強度を所定の波長範囲に亘って測定し、得られた光強度データを処理部5に送る。この光強度データは、ウェハWの膜厚を反映した膜厚信号であり、膜厚に従って変化する。処理部5は、光強度データから波長ごとの光の強度を表わすスペクトルを生成し、さらにスペクトルからウェハWの膜厚を示す膜厚指標値を生成する。
図21は、図20に示す研磨装置の変形例を示す断面図である。図21に示す例では、液体供給路、液体排出路、液体供給源は設けられていない。これに代えて、研磨パッド10には透明窓45が設けられている。投光部42は、この透明窓45を通じて研磨パッド10上のウェハWの表面に光を照射し、受光部43は、透明窓45を通じてウェハWからの反射光を受光する。その他の構成は、図20に示す研磨装置と同様である。
上述した実施形態は、本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者が本発明を実施できることを目的として記載されたものである。上記実施形態の種々の変形例は、当業者であれば当然になしうることであり、本発明の技術的思想は他の実施形態にも適用しうる。したがって、本発明は、記載された実施形態に限定されることはなく、特許請求の範囲によって定義される技術的思想に従った最も広い範囲に解釈されるものである。
5 処理部
6 記憶装置
10 研磨パッド
16 トップリングシャフト
17 連結手段
18 トップリングモータ
19 テーブルモータ
30 研磨テーブル
31 トップリング
32 研磨液供給機構
40 光学式膜厚センサ
42 投光部
43 受光部(光ファイバー)
44 分光器
47 光源
48 光ファイバー
50A 第1の孔
50B 第2の孔
51 通孔
53 液体供給路
54 液体排出路
55 液体供給源

Claims (25)

  1. ウェハの研磨の進捗を監視するための分光式研磨モニタ装置の波長較正方法であって、
    均一な厚さの膜が形成された基準ウェハの表面に光を照射して、該基準ウェハからの反射光を受光し、
    前記受光した反射光を波長に従って分解することにより基準スペクトルを生成し、
    前記基準ウェハの表面に光を照射して、該基準ウェハからの反射光を受光し、
    前記受光した反射光を波長に従って分解することにより現在のスペクトルを生成し、
    前記現在のスペクトルを前記基準スペクトルに一致させるための波長の補正式を生成することを特徴とする方法。
  2. 前記基準スペクトルの生成は、研磨パッドに水を供給しながら、前記基準ウェハを前記研磨パッドに摺接させて前記基準ウェハを研磨する第1の水研磨を行い、前記第1の水研磨を行っているときに、前記基準ウェハの表面に光を照射して、該基準ウェハからの反射光を受光し、前記第1の水研磨中に受光した反射光を波長に従って分解することにより前記基準スペクトルを生成する工程であり、
    前記現在のスペクトルの生成は、前記研磨パッドに水を供給しながら、前記基準ウェハを前記研磨パッドに摺接させて前記基準ウェハを研磨する第2の水研磨を行い、前記第2の水研磨を行っているときに、前記基準ウェハの表面に光を照射して、該基準ウェハからの反射光を受光し、前記第2の水研磨中に受光した反射光を波長に従って分解することにより前記現在のスペクトルを生成する工程であることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  3. 前記補正式は、前記現在のスペクトルの極大点および極小点を、前記基準スペクトルの対応する極大点および極小点に一致させるための補正式であることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  4. 前記補正式は、前記現在のスペクトルの極大点および極小点の波長をx座標、前記基準スペクトルの対応する極大点および極小点の波長をy座標とする複数の座標を生成し、前記複数の座標によってxy座標系上に特定される複数の点に対して回帰分析を行うことにより得られる回帰式であることを特徴とする請求項3に記載の方法。
  5. 前記基準スペクトルは、前記反射光を波長に従って分解することにより得られたスペクトルにスプライン補間を適用することで得られたスペクトルであり、
    前記現在のスペクトルは、前記反射光を波長に従って分解することにより得られたスペクトルにスプライン補間を適用することで得られたスペクトルであることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  6. 前記基準ウェハは、単層膜が形成されたブランケットウェハであることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  7. 前記単層膜は、単層酸化膜であることを特徴とする請求項6に記載の方法。
  8. 前記単層酸化膜の厚さは、少なくとも500nmであることを特徴とする請求項7に記載の方法。
  9. 前記基準スペクトルは、前記基準ウェハの中心部からの反射光を波長に従って分解することにより生成され、
    前記現在のスペクトルは、前記基準ウェハの中心部からの反射光を波長に従って分解することにより生成されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  10. 前記基準スペクトルは、前記基準ウェハの複数の領域からの反射光を波長に従って分解することにより生成された複数のスペクトルの平均スペクトルであり、
    前記現在のスペクトルは、前記基準ウェハの複数の領域からの反射光を波長に従って分解することにより生成された複数のスペクトルの平均スペクトルであることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  11. 前記基準ウェハの前記複数の領域は、前記基準ウェハの表面全体に分布する複数の領域であることを特徴とする請求項10に記載の方法。
  12. 基準スペクトルと前記現在のスペクトルとの変化量が所定のしきい値を上回ったときは、前記研磨モニタ装置に不具合が発生していると判断することを特徴とする請求項1に記載の方法。
  13. 分光式研磨モニタ装置を備えた研磨装置を用いてウェハを研磨する方法であって、
    均一な厚さの膜が形成された基準ウェハの表面に光を照射して、該基準ウェハからの反射光を受光し、
    前記受光した反射光を波長に従って分解することにより基準スペクトルを生成し、
    前記基準ウェハの表面に光を照射して、該基準ウェハからの反射光を受光し、
    前記受光した反射光を波長に従って分解することにより現在のスペクトルを生成し、
    前記現在のスペクトルを前記基準スペクトルに一致させるための波長の補正式を生成し、
    研磨パッドに研磨液を供給しながら、ウェハを前記研磨パッドに摺接させて該ウェハを研磨し、
    前記ウェハを研磨しているときに、前記ウェハの表面に光を照射して、該ウェハからの反射光を受光し、
    前記ウェハの研磨中に受光した反射光を波長に従って分解することにより前記ウェハのモニタスペクトルを生成し、
    前記モニタスペクトルの波長を前記補正式を用いて補正することにより、補正されたモニタスペクトルを生成し、
    前記補正されたモニタスペクトルの変化に基づいて前記ウェハの研磨の進捗を監視することを特徴とする方法。
  14. 前記基準スペクトルの生成は、前記研磨パッドに水を供給しながら、前記基準ウェハを前記研磨パッドに摺接させて前記基準ウェハを研磨する第1の水研磨を行い、前記第1の水研磨を行っているときに、前記基準ウェハの表面に光を照射して、該基準ウェハからの反射光を受光し、前記第1の水研磨中に受光した反射光を波長に従って分解することにより前記基準スペクトルを生成する工程であり、
    前記現在のスペクトルの生成は、前記研磨パッドに水を供給しながら、前記基準ウェハを前記研磨パッドに摺接させて前記基準ウェハを研磨する第2の水研磨を行い、前記第2の水研磨を行っているときに、前記基準ウェハの表面に光を照射して、該基準ウェハからの反射光を受光し、前記第2の水研磨中に受光した反射光を波長に従って分解することにより前記現在のスペクトルを生成する工程であることを特徴とする請求項13に記載の方法。
  15. 前記補正式は、前記現在のスペクトルの極大点および極小点を、前記基準スペクトルの対応する極大点および極小点に一致させるための補正式であることを特徴とする請求項13に記載の方法。
  16. 前記補正式は、前記現在のスペクトルの極大点および極小点の波長をx座標、前記基準スペクトルの対応する極大点および極小点の波長をy座標とする複数の座標を生成し、前記複数の座標によってxy座標系上に特定される複数の点に対して回帰分析を行うことにより得られる回帰式であることを特徴とする請求項15に記載の方法。
  17. 前記基準スペクトルは、前記反射光を波長に従って分解することにより得られたスペクトルにスプライン補間を適用することで得られたスペクトルであり、
    前記現在のスペクトルは、前記反射光を波長に従って分解することにより得られたスペクトルにスプライン補間を適用することで得られたスペクトルであることを特徴とする請求項13に記載の方法。
  18. 前記基準ウェハは、単層膜が形成されたブランケットウェハであることを特徴とする請求項13に記載の方法。
  19. 前記単層膜は、単層酸化膜であることを特徴とする請求項18に記載の方法。
  20. 前記単層酸化膜の厚さは、少なくとも500nmであることを特徴とする請求項19に記載の方法。
  21. 前記基準スペクトルは、前記基準ウェハの中心部からの反射光を波長に従って分解することにより生成され、
    前記現在のスペクトルは、前記基準ウェハの中心部からの反射光を波長に従って分解することにより生成されることを特徴とする請求項13に記載の方法。
  22. 前記基準スペクトルは、前記基準ウェハの複数の領域からの反射光を波長に従って分解することにより生成された複数のスペクトルの平均スペクトルであり、
    前記現在のスペクトルは、前記基準ウェハの複数の領域からの反射光を波長に従って分解することにより生成された複数のスペクトルの平均スペクトルであることを特徴とする請求項13に記載の方法。
  23. 前記基準ウェハの前記複数の領域は、前記基準ウェハの表面全体に分布する複数の領域であることを特徴とする請求項22に記載の方法。
  24. 基準スペクトルと前記現在のスペクトルとの変化量が所定のしきい値を上回ったときは、前記研磨モニタ装置に不具合が発生していると判断することを特徴とする請求項13に記載の方法。
  25. 前記補正されたモニタスペクトルに基づいて、前記ウェハの研磨終点を決定することを特徴とする請求項13に記載の方法。
JP2012146671A 2012-06-29 2012-06-29 分光式研磨モニタ装置の波長較正方法、およびウェハの研磨方法 Pending JP2014011294A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012146671A JP2014011294A (ja) 2012-06-29 2012-06-29 分光式研磨モニタ装置の波長較正方法、およびウェハの研磨方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012146671A JP2014011294A (ja) 2012-06-29 2012-06-29 分光式研磨モニタ装置の波長較正方法、およびウェハの研磨方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2014011294A true JP2014011294A (ja) 2014-01-20

Family

ID=50107717

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012146671A Pending JP2014011294A (ja) 2012-06-29 2012-06-29 分光式研磨モニタ装置の波長較正方法、およびウェハの研磨方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2014011294A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN114346894A (zh) * 2020-09-29 2022-04-15 Skc索密思株式会社 抛光垫和使用该抛光垫的半导体器件的制造方法

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN114346894A (zh) * 2020-09-29 2022-04-15 Skc索密思株式会社 抛光垫和使用该抛光垫的半导体器件的制造方法
CN114346894B (zh) * 2020-09-29 2024-05-14 Sk恩普士有限公司 抛光垫和使用该抛光垫的半导体器件的制造方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5992570B2 (ja) 研磨監視方法、研磨監視装置、および研磨装置
JP6208299B2 (ja) ポリッシング装置
US9999955B2 (en) Polishing apparatus and polished-state monitoring method
JP5624099B2 (ja) 化学機械的研磨のスペクトルに基づく監視のための装置および方法
JP5534672B2 (ja) 化学機械的研磨のスペクトルに基づく監視のための装置および方法
TWI598186B (zh) 研磨方法及研磨裝置
WO2015163164A1 (ja) 研磨方法および研磨装置
US9579767B2 (en) Automatic generation of reference spectra for optical monitoring of substrates
JP2013219248A (ja) 研磨装置および研磨方法
KR20170134622A (ko) 막 두께 측정 방법, 막 두께 측정 장치, 연마 방법 및 연마 장치
JP5583946B2 (ja) 研磨終点検知方法および研磨終点検知装置
JP2011000647A (ja) 研磨監視方法
JP6469785B2 (ja) 研磨パッド
TWI793138B (zh) 基板研磨裝置及方法
JP2014011294A (ja) 分光式研磨モニタ装置の波長較正方法、およびウェハの研磨方法
US20220176513A1 (en) Polishing method, polishing monitoring method and polishing monitoring apparatus for workpiece
JP2023071317A (ja) 研磨装置および研磨方法
JP6275421B2 (ja) 研磨方法および研磨装置
JP7494096B2 (ja) ワークピースの研磨監視方法および研磨監視装置
JP2022088758A (ja) ワークピースの研磨監視方法および研磨監視装置
JP2007059597A (ja) 膜厚評価方法、研磨終点検出方法及びデバイス製造装置