JP2003234630A - チップ型電子部品の製造方法 - Google Patents

チップ型電子部品の製造方法

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JP2003234630A
JP2003234630A JP2002034150A JP2002034150A JP2003234630A JP 2003234630 A JP2003234630 A JP 2003234630A JP 2002034150 A JP2002034150 A JP 2002034150A JP 2002034150 A JP2002034150 A JP 2002034150A JP 2003234630 A JP2003234630 A JP 2003234630A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 積層体端面から接着剤が後退されており、そ
れによって外部電極と素子基板の電極との電気的接続の
信頼性に優れているチップ型電子部品を、煩雑な工程を
実施することなく、かつ余分な加工装置を必要とするこ
となく、安価にかつ確実に得ることを可能とするチップ
型電子部品の製造方法を提供する。 【解決手段】 圧電共振子1の少なくとも片面に、熱硬
化性の接着剤5,6を用いてケース基板3,4を貼り合
わせ、接着剤5,6を加熱により硬化させ、積層体1を
得る工程と、熱硬化性接着剤5,6の未硬化成分が分解
するが、硬化成分が分解しない温度に加熱することによ
り、接着剤5,6の端部5a,6aを積層体1の端面1
a,1bから後退させ、スリットBを形成する工程と、
スリットB内に至るように外部電極13,14を端面1
a,1bに形成する工程とを備える、チップ型電子部品
の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、素子基板とケース
基板とが接着剤を介して貼り合わされてなる積層体を有
するチップ型電子部品の製造方法に関し、より詳細に
は、該積層体の端面に形成される外部電極と、素子基板
の電極との電気的接続の信頼性を高める構造が備えられ
たチップ型電子部品の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、素子基板とケース基板とが接着剤
を介して貼り合わせてなる積層体を有する種々のチップ
型電子部品が知られている。この種のチップ型電子部品
では、素子基板の電極と積層体端面に形成された外部電
極との電気的接続の信頼性に優れていることが求められ
る。
【0003】上記のような要求を満たすものとして、特
開平8−167823号公報には、図5に示す圧電共振
部品101が開示されている。圧電共振部品101は、
板状の圧電共振子102を有する。圧電共振子102
は、圧電基板102aの上面及び下面に励振電極10
3,104を形成した構造を有する。励振電極103,
104が圧電基板102aを介して対向する部分におい
てエネルギー閉じ込め型の圧電振動部が構成されてい
る。圧電共振子102の上下には、封止基板107,1
08が、接着剤110,111を介して貼り合わされて
いる。このようにして構成された積層体の端面に、外部
電極115,116が形成されている。
【0004】励振電極103が、積層体の一方端面に引
き出されて外部電極115に電気的に接続されており、
励振電極104が積層体の他方端面に引き出されて外部
電極116に電気的に接続されている。
【0005】この励振電極103,104と外部電極1
15,116との電気的接続の信頼性を高めるために、
接着剤110,111の端部が、積層体の端面よりも後
退されている。すなわち、接着剤110,111の端部
を溶剤を用いて溶解したり、レーザービームによる消
去、紫外線等による分解あるいはサンドブラストなどの
研磨により、接着剤110,111の端部が後退されて
いる。従って、外部電極115,116が、接着剤11
0,111の後退している部分まで入り込み、励振電極
103,104と面接触的に接続されている。よって、
外部電極115,116と、励振電極103,104と
の電気的接続の信頼性が高められている。
【0006】特公平7−120913号公報において
も、同様に接着剤を研削やサンドブラスト法などにより
加工し接着剤を端部から後退させる方法が開示されてい
る。また、特開平11−234071号公報には、積層
体端面をバレル研磨することにより、内部電極が露出す
る溝を形成し、それによって内部電極と外部電極との端
面における電気的接続の信頼性を高める方法が開示され
ている。
【0007】他方、特開平9−8588号公報には、図
5に示した圧電共振部品101の製造に際し、接着剤1
10,111の塗布領域を予め、積層体の端面から後退
するように限定することにより、接着剤110,111
の端部が積層体の端面から後退されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】特開平8−16782
3号公報、特公平7−120913号公報、特開平11
−234071号公報などに記載の方法では、接着剤を
サンドブラスト、ウォータージェット、バレル研磨など
の研削方法、あるいは溶剤を用いた接着剤端部の分解、
あるいは紫外線やプラズマ等の照射による接着剤端部の
分解により、接着剤が積層体端部から後退されていた。
しかしながら、これらの方法では、積層工程後に、接着
剤110,111を後退させるために上記のような種々
の加工が必要であった。従って、加工装置や治具が必要
であり、かつ製造工程が煩雑になり、コストが高くつく
という問題があった。
【0009】特に、サンドブラスト、バレル研磨または
ウォータージェットなどの研削方法では、接着剤11
0,111のみを選択的に加工することが困難であるた
め、圧電基板102a,封止基板107,108などの
他の部分も同時に加工され、外形寸法が変化するおそれ
があった。
【0010】これに対して、特開平9−8588号公報
では、接着剤110,111による貼り合わせに先立
ち、接着剤110,111の塗布領域が、積層体の端面
から後退するように接着剤110,111が塗布され
る。この場合、貼り合わせ後に、上述したような煩雑な
加工を施す必要はない。
【0011】しかしながら、液状の接着剤をスクリーン
板などを用いて印刷する方法を用いているため、貼り合
わせよりも圧力により接着剤110,111が、端面側
にいったり、接着剤110,111を高精度に積層体端
面から後退させることが困難であった。のみならず、接
着剤110,111が、積層時の加圧力により積層体端
面側とは反対側、すなわち封止空間側に至り、特性のば
らつきを生じるおそれもあった。
【0012】本発明の目的は、上述した従来技術の欠点
を解消し、積層後に煩雑な加工工程を実施することな
く、封止基板の電極と積層体端面に付与される外部電極
との電気的接続の信頼性を高めることができ、かつ接着
剤を積層体端面から高精度に後退させることができ、さ
らに電気的特性のばらつきも生じ難い、信頼性に優れた
チップ型電子部品の製造方法を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明のチップ型電子部
品の製造方法は、素子基板と、素子基板の少なくとも片
面に、封止空間を構成するように熱硬化性の接着剤を介
してケース基板が貼り合わされており、かつ前記素子基
板及びケース基板からなる積層体の端面に、素子基板に
設けられた電極に電気的に接続される外部電極が形成さ
れているチップ型電子部品の製造方法であって、前記素
子基板と、前記ケース基板とを、前記封止空間を除く領
域であって、前記積層体の端面に至る領域において前記
接着剤を介して貼り合わせて積層体を得る工程と、前記
積層体を加熱により硬化させる工程と、前記硬化工程後
に、前記接着剤の未硬化成分が分解するが、硬化成分が
分解しない温度に加熱することにより、前記接着剤層を
前記積層体の端面から後退させてスリットを形成する工
程と、前記積層体の端面に前記スリット内に至るように
外部電極を形成する工程とを備える。
【0014】本発明に係る製造方法の特定の局面では、
上記熱硬化性の接着剤が無機充填剤を含有しており、そ
れによってスリットを形成する工程において、接着剤層
の積層体端面側部分における未硬化成分の分解・飛散に
より、接着剤の端部において無機充填剤の含有割合が相
対的に高くされる。従って、スリットを形成した後に、
サンドブラストなどにより研磨した場合、接着剤端部を
効果的に研磨することができ、接着剤の端部をより効果
的に積層体端面から後退させることができる。また、無
機充填剤の配合により、素子基板とケース基板とを接着
剤を介して貼り合わせた際の接着剤層の厚みを高精度に
制御することも可能となる。
【0015】本発明の製造方法のより限定的な局面で
は、上記熱硬化性接着剤が上記充填剤を含有しており、
スリットを形成する工程後に、積層体の端面が機械的に
研磨される。従って、上述したように、接着剤の端部
を、積層体端面からより確実に後退させることができ
る。研磨工程は、例えば、サンドブラスト加工やウォー
タージェット加工などにより行われるが、サンドブラス
ト加工を用いた場合には、容易かつ安価に加工すること
ができる。
【0016】上記無機充填剤の含有割合は、好ましく
は、接着剤の全体の体積比率で10〜50%を含めるこ
とが望ましい。10体積%未満では、サンドブラストな
どによる後の研磨工程による端部後退硬化が小さくな
り、50体積%を超えると、接着剤による素子基板とケ
ース基板との接着力が低下するおそれがある。
【0017】本発明の別の特定の局面では、上記スリッ
トを形成する工程における加熱は、熱硬化性接着剤の温
度よりも50℃〜100℃高い温度範囲に加熱すること
により行われる。硬化温度よりも10℃高い温度未満で
加熱した場合には、未硬化分の分解が十分に行われず、
接着剤を積層体端面から確実に後退させることが困難と
なり、硬化温度+100℃よりも高い温度に加熱した場
合には、硬化成分の分解が生じるおそれがある。
【0018】本発明のチップ型電子部品の製造方法は、
素子基板とケース基板とを貼り合わせた積層体を有する
様々なチップ型電子部品に適用されるが、本発明のある
特定の局面では、上記素子基板として、エネルギー閉じ
込め型の圧電共振部を有する圧電共振子が用いられ、該
圧電共振子の両面に上記熱硬化性の接着剤によりケース
基板が貼り合わされる。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しつつ、本発明
の具体的な実施例を説明することにより、本発明を明ら
かにする。
【0020】本実施例の製造方法では、まず、図2に示
す積層体1を得る。積層体1では、素子基板としての板
状の圧電共振子2と、第1,第2のケース基板3,4と
が、接着剤5,6を介して貼り合わされている。図3に
分解斜視図で示すように、圧電共振子2は、矩形板状の
圧電基板2aを有する。圧電基板2aの上面中央には、
励振電極7が形成されている。圧電基板2aの下面に
は、励振電極8が形成されている。励振電極7,8は、
圧電基板2aを介して対向するように配置されている。
励振電極7,8が対向されている部分において、エネル
ギー閉じ込め型の圧電振動部が構成されている。圧電基
板2aは、厚み方向に分極処理された圧電セラミックス
により構成されている。
【0021】圧電基板2aの上面においては、励振電極
7に電気的に接続される引出電極7aが形成されてい
る。引出電極7aは、圧電基板2aの上面において、端
縁2a 1に沿うように形成されている。
【0022】励振電極8は、圧電基板2aの下面におい
て、端縁2a2に沿うように形成された引出電極8aに
電気的に接続されている。端縁2a2は、上面の端縁2
1と反対側に位置している。
【0023】他方、第1のケース基板3は、アルミナな
どの絶縁性セラミックあるいは合成樹脂などの絶縁性材
料により構成される。ケース基板3の上面には、外部電
極延長部9,10が形成されている。第2のケース基板
4の下面にも、同様に外部電極延長部11,12が形成
されている。(図2参照)第2のケース基板4は、第1
のケース基板3と同様の材料で構成される。
【0024】本実施例では、上記のように構成されてい
る圧電共振子2を上面に熱硬化性の接着剤5を付与し、
ケース基板3が貼り合わされる。また、圧電共振子2の
下面には、同様に熱硬化性の接着剤6が付与され、ケー
ス基板4が貼り合わされる。このようにして、図2に示
す積層体1が得られる。なお、ケース基板3の下面及び
ケース基板4の上面には、それぞれ、エネルギー閉じ込
め型のの振動部の振動を妨げないための封止空間Aを形
成するために、凹部3a,4aが形成されている。
【0025】図2から明らかなように、上記接着剤5,
6は、得られた積層体1の端面1a,1bに至るように
形成されている。従って、端面1a、1bにこの状態で
外部電極を形成した場合、引出電極7a,8aと外部電
極との電気的接続の信頼性が十分でない。
【0026】本実施例では、上記積層体1を得た後に、
まず加熱により、熱硬化性の接着剤5,6を硬化させ
る。この硬化工程により、接着剤5,6を介して圧電共
振子2がケース基板3,4に強固に接着される。硬化温
度については、使用する接着剤5,6によっても異なる
が、例えばエポキシ系接着剤を用いる場合、150〜2
00℃程度の温度で、60〜90分維持することにより
硬化が行われる。これを熱硬化性接着剤を加熱すること
により硬化させる際の温度及び時間については、使用す
る熱硬化性の接着剤の硬化に必要な一般的な条件が用い
られる。
【0027】次に、上記硬化工程後に、接着剤の未硬化
成分が分解するが、硬化成分が分解しない温度に加熱す
る。その結果、図1(a)に示すように、未硬化成分の
分解・飛散により、接着剤5,6の外側の端部5a,6
aが積層体1の端面1a,1bから後退し、スリットB
が形成される。このスリットA,Bを形成する工程にお
ける加熱は、上記のように、接着剤5,6の未硬化成分
が分解するが、硬化成分が分解しない温度に加熱するこ
とにより行われる。この温度としては、より具体的に
は、例えば、熱硬化性の接着剤の硬化温度よりも50℃
〜100℃高い温度範囲とすればよい。硬化温度+50
℃未満の温度では、未硬化成分の分解が十分に起こらな
いおそれがあり、硬化温度+100℃よりも高い温度に
加熱した場合には硬化成分の分解が生じ、接着力が低下
するおそれがある。従って、好ましくは、熱硬化性の接
着剤5,6の硬化温度+50℃〜硬化温度+100℃の
温度範囲に加熱することによりスリットBが確実に形成
される。
【0028】また、上記スリットを形成する際の加熱時
間については、使用する熱硬化性の接着剤の種類によっ
ても異なるが、5分〜30分程度加熱すればよい。5分
以下の場合には、未硬化成分の分解が十分に起こらない
ことがあり、30分以上加熱しても、それ以上接着剤
5,6の端部5a,6aの後退効果が飽和するため、エ
ネルギーコストを低減するには30分以下とすることが
望ましい。
【0029】接着剤5,6として、エポキシ系接着剤を
用いた場合、より具体的には、該エポキシ系接着剤の硬
化温度は160℃程度である場合、スリット形成に際し
ての加熱は250℃以上の温度で5分〜30分程度加熱
することにより行われる。
【0030】なお、上記接着剤5,6を構成する熱硬化
性の接着剤としては、特に限定されず、エポキシ系接着
剤、ウレタン系接着剤、シリコン系接着剤、ポリイミド
系接着剤などが挙げられる。好ましくは、接着強度に優
れ、後述の接着剤5,6の端部の後退硬化が十分に得ら
れるため、エポキシ系接着剤が用いられる。
【0031】また、接着剤5,6には、シリカまたはタ
ルクなどの適宜の無機充填剤が配合されている。無機充
填剤の配合割合は、接着剤5,6全体の10〜50体積
%とすることが望ましい。無機充填剤の配合割合が10
体積%未満の場合には、後述のサンドブラスト等による
研磨工程において接着剤5,6の端部をさらに後退させ
る効果が十分に得られないことがあり、50体積%を超
えると、接着剤5,6の接着力が低くなるおそれがあ
る。
【0032】上記無機充填剤としては、シリカ、タル
ク、MgSiO3、Al23、Al(OH)3などの適宜
の無機充填剤を用いることができる。本実施例では、上
記のように、スリットを形成する工程の加熱により、接
着剤5,6の未硬化成分が分解し、接着剤5,6の端部
5a,6aが積層体1の端面1a,1bから後退され
る。
【0033】より好ましくは、このスリットBを形成し
た後に、サンドブラストなどの研磨工程が実施される。
この研磨工程を実施することにより、接着剤5,6の端
部5a,6aが、積層体1の端面1a,1bからより確
実に後退される。これを、図4を参照して説明する。
【0034】図4(a)に示すように、接着剤5に無機
充填剤5bが分散されているとする。この場合、上記ス
リットAの形成工程において、加熱されると、接着剤5
中の未硬化成分が分解・飛散し、図4(b)に示すよう
に、端部5aが積層体1の端面1aから後退される。こ
の場合、未硬化成分が分解・飛散するため、端部5a近
傍では、無機充填剤5bの密度が残りの部分に比べて高
くなる。(図4(b)参照)。
【0035】従って、この状態において、サンドブラス
トなどにより研磨した場合、端部5a近傍において無機
充填剤の配合割合が高いため、端部5aがサンドブラス
トにより効果的に研磨される。従って、破線Cで示す位
置までサンドブラストにより接着剤5の端部をより確実
に後退させることができる。
【0036】すなわち、接着剤5,6に無機充填剤が配
合されている場合、上記のように、研磨工程を実施した
場合、接着剤5,6の端部5a,6aをより確実に端面
1a,1bから後退させることができる。
【0037】次に、図1(b)に示すように、積層体1
の端面1a、1bに、導電ペースト塗着・硬化、あるい
は蒸着、めっきもしくはスパッタリングなどの薄膜形成
方法により外部電極13,14が形成される。外部電極
13,14は、上記スリットBに入り込む。従って、外
部電極13,14は、引出電極7a,8aと面接触的に
接触する。よって、外部電極13,14と励振電極7,
8との電気的接続の信頼性が高められる。なお、外部電
極13,14は、前述した外部電極延長部9〜12に電
気的に接続されるように形成される。
【0038】上記のように、本実施例の製造方法によれ
ば、接着剤5,6を硬化させるために加熱した後に、さ
らに未硬化成分が分解するが、硬化成分が分解しない温
度に加熱する工程を実施するだけで、接着剤5,6を端
面1a,1bから確実に後退させることができる。従っ
て、接着剤の硬化に必要な加熱装置をそのまま用い、加
熱条件を変更して引き続き加熱処理を行うだけで、接着
剤5,6の端部5a,6aを後退させることができるた
め、余分な加工装置を必要としない。また、煩雑な別種
類の加工工程を実施する必要もない。
【0039】なお、上記実施例では、スリットBを形成
する工程後に、好ましくはサンドブラストなどの研磨工
程が行われたが、この研磨工程は必ずしも施されずとも
よい。
【0040】また、上記実施例では、エネルギー閉じ込
め型の圧電共振子1の上下にケース基板3,4が接着剤
5,6を介して貼り合わされた積層体が用意されたが、
使用する素子基板としては、圧電共振子以外の他の電子
部品用素子基板であってもよい。例えば、素子基板とし
て、サーミスタやコンデンサなどが構成される素子基板
を用いてもよい。また、ケース基板は、素子基板の一方
面にのみ接着剤を介して積層されていてもよい。
【0041】
【発明の効果】本発明に係る製造方法によれば、熱硬化
性の接着剤を加熱により硬化させて素子基板とケース基
板とを結合してなる積層体を得た後に、接着剤の未硬化
成分が分解するが硬化成分が分解しない温度に加熱する
ことにより、接着剤が積層体の端面から後退され、端面
に開いたスリットが形成される。従って、該スリット内
に至るように外部電極を形成することにより、外部電極
と素子基板の電極とがスリット内において面接触的に接
続されるため、外部電極と素子基板の電極との電気的接
続の信頼性を高めることができる。
【0042】しかも、熱硬化性の接着剤の加熱硬化に際
しての加熱の後に同じ加熱処理を施すだけで上記接着剤
が積層体の端面から後退される。従って、接着剤を積層
体の端面から後退させるために、別種類の加工装置を用
意する必要がない。まだ、煩雑な別種類の加工工程を施
す必要も必ずしもない。従って、電気的接続の信頼性に
優れたチップ型電子部品を、安価にかつ効率よく生産す
ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)及び(b)は、本発明の一実施例におい
て、加熱によりスリットが端面に開くように形成された
積層体を示す正面断面図及び外部電極が付与されたチッ
プ型電子部品の正面断面図。
【図2】本発明の一実施例において接着剤を用いて素子
基板の上下にケース基板を貼り合わせた状態を示す正面
断面図。
【図3】図2に示した積層体を得るのに用いられる圧電
共振子及び第1,第2のケース基板を説明するための分
解斜視図。
【図4】(a)及び(b)は、無機充填剤を配合した場
合の硬化を説明するための図であり、(a)は上記充填
剤含有接着剤を介して素子基板とケース基板とが貼り合
わされている構造を示す部分切欠拡大表面断面図であ
り、(b)はスリット形成後の状態を示す部分切欠拡大
正面断面図。
【図5】従来のチップ型圧電共振部品の正面断面図
【符号の説明】
1…積層体 1a,1b…端面 2…圧電共振子 2a…圧電基板 3,4…ケース基板 5,6…接着剤 5a,6a…端部 5b…無機充填剤 7,8…励振電極 13,14…外部電極 B…スリット

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 素子基板と、素子基板の少なくとも片面
    に、封止空間を構成するように熱硬化性の接着剤を介し
    てケース基板が貼り合わされており、かつ前記素子基板
    及びケース基板からなる積層体の端面に、素子基板に設
    けられた電極に電気的に接続される外部電極が形成され
    ているチップ型電子部品の製造方法であって、 前記素子基板と、前記ケース基板とを、前記封止空間を
    除く領域であって、前記積層体の端面に至る領域におい
    て前記接着剤を介して貼り合わせて積層体を得る工程
    と、 前記積層体を加熱により硬化させる工程と、 前記硬化工程後に、前記接着剤の未硬化成分が分解する
    が、硬化成分が分解しない温度に加熱することにより、
    前記接着剤層を前記積層体の端面から後退させてスリッ
    トを形成する工程と、 前記積層体の端面に前記スリット内に至るように外部電
    極を形成する工程とを備えることを特徴とする、チップ
    型電子部品の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記熱硬化性接着剤が、無機充填剤を含
    有している、請求項1に記載のチップ型電子部品の製造
    方法。
  3. 【請求項3】 前記スリットを形成する工程後に、前記
    積層体の端面を機械的に研磨する工程をさらに備える、
    請求項2に記載のチップ型電子部品の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記機械的研磨工程が、サンドブラスト
    加工により行われる、請求項3に記載のチップ型電子部
    品の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記スリットを形成する工程における加
    熱が、前記熱硬化性接着剤の硬化温度よりも50℃〜1
    00℃高い温度範囲に加熱することにより行われる、請
    求項1〜3のいずれかに記載のチップ型電子部品の製造
    方法。
  6. 【請求項6】 前記素子基板が、エネルギー閉じ込め型
    の圧電共振部を有する圧電共振子であり、前記圧電共振
    子の両面に、前記熱硬化性接着剤により貼り合わされて
    いる、請求項1〜5のいずれかに記載のチップ型電子部
    品の製造方法。
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