JP3857911B2 - 複合圧電体およびその製造方法 - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、超音波探触子などに用いられる複合圧電体およびその製造方法、ならびに当該複合圧電体を用いた超音波探触子および超音波検査装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
複合圧電体は、圧電体と樹脂とを種々の形態で複合させた圧電材料であり、振動の周波数帯域を広くすることができるため、医療用超音波診断装置などに用いられる超音波探触子に利用することが検討されている。1−3型と呼ばれる複合圧電体は、多数の柱状圧電体が規則的または不規則に配列され、その隙間部分を樹脂が埋めた構造を有する複合体であり、高感度化・広帯域化に適していることが指摘されている。
【0003】
体外から体内を診断するため用いられる超音波探触子では、主に3〜10MHz程度の超音波周波数帯域が使用される。このような帯域で超音波を送受信する1−3型の複合圧電体を作製するとき、柱状圧電体の長さをL、柱状圧電体の長手方向に垂直な断面のサイズをSとした場合における比率(L/S)を5以上に設計すると、最も優れた性能が発揮されると考えられている。従って、1−3型の複合圧電体を3〜10MHz程度の周波数帯域の超音波探触子に適用するには、長さLが160〜500μm程度、断面サイズSが30〜100μm程度以下の柱状圧電体を多数配列した構造体を形成する必要がある。
【0004】
なお、本明細書では、比率(L/S)を「柱状圧電体のアスペクト比」と称することとする。ここで、サイズSは、柱状圧電体の断面が円のときは、その直径であり、柱状圧電体の断面が長方形のときは、その長辺の長さである。また、柱状圧電体の断面が台形の場合は、下底の長さをサイズSと呼ぶことにする。
【0005】
複合圧電体の有用性は、古くから指摘されてきているが、実際の超音波診断装置用の超音波探触子として、現在まで商品化されている例は多くない。その主な理由は、(1)求められる柱状圧電体の構造が極めて微細で、複合圧電体の製造が困難である点、および、(2)製造が可能であるとしても、高い製造コストが必要となる点にある。
【0006】
近年では、血管内から血管狭窄の可能性を診断するため、血管壁の詳細な観察が可能となる高周波(15〜20MHz)の超音波診断用探触子が求められている。このような周波数帯で振動し得る複合圧電体を作製するには、長さLが80〜100μm程度、断面サイズSが16〜20μm程度以下で、アスペクト比が5以上となるような柱状圧電体を多数配列した構造体を形成する必要がある。しかしながら、このような構造を有する複合圧電体を従来の製造方法で製造することは極めて困難である。
【0007】
以下、従来の1−3型複合圧電体の製造方法を説明する。
【0008】
特許1789409号公報や特許1590342号公報は、ブロック状圧電体に対して機械加工で縦横に切断溝を形成した後、切断溝にエポキシ樹脂などの有機高分子などを充填・硬化させることにより、1−3型の複合圧電体を製造する方法を開示している。この方法は、「ダイス・アンド・フィル法」と呼ばれており、切断溝は、ダイシング加工法などの機械加工法によって形成される。
【0009】
特公平5−33836号公報は、ダイス・アンド・フィル法で行われてきたダイシング加工法に代えて、レーザ加工法を用いる製造方法を開示している。この方法では、レーザ光で圧電セラミックスに溝を形成した後、溝に樹脂が充填され、硬化させられる。
【0010】
上記のいずれの従来技術も、10MHz程度までの超音波探触子に用いられる複合圧電体の製造に適用することは可能であるが、それ以上の高周波帯域に用いられる複合圧電体の製造に適用することは殆ど不可能である。また、上記従来技術を10MHz程度までの超音波探触子に適用する場合であっても、その製造が極めて困難であるか、あるいは、可能であったとしても製造コストが高くなるという問題がある。
【0011】
複合圧電体の他の製造方法としては、「IEEE 1997 ULTRASONIC SYMPOSIUM, pp.877-881, 1997」(以下、先行技術文献1と記す。)や「IEEE1998 Microelectro Mechanics Systems Workshop, pp.223-228 ,1998」(以下、先行技術文献2と記す。)に開示された方法がある。
【0012】
先行文献1の製造方法は、次の通りである。
【0013】
まず、X線を用いたディープリソグラフィにより、アスペクト比の高い空孔を有する樹脂型を形成する。この空孔にセラミックス・スラリを充填した後、エッチングなどにより樹脂を除去してからセラミックスを焼結させる。こうして、高アスペクト比の微細な柱状圧電体を多数配列した構造体を製造することができる。この構造体における柱状圧電体の隙間に有機高分子を充填すれば、1−3型の複合圧電体を製造することができる。
【0014】
先行文献2の製造方法は、次の通りである。
【0015】
まず、シリコン基板に対して、ディープ・エッチングにより、アスペクト比の高い空孔を形成する。この空孔にセラミックス・スラリを充填した後、シリコン基板にセラミックスを充填したまま焼結させる。焼結後、シリコン基板をエッチングなどによって除去して、高アスペクト比の微細な柱状圧電体が多数配列された構造体を形成する。その後、柱状圧電体の隙間に有機高分子を充填すれば、1−3型の複合圧電体を製造することができる。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】
上記先行技術文献は、20μm程度以下の断面サイズを有する複合圧電体の形成が可能であると記載しているが、これらの製造方法は、いずれも工程が複雑であり、型を焼失させるには複雑なプロセスと長い時間を要する。また、用いられる製造装置も高価である。その結果、製造コストの増加が大きな問題になる。
【0017】
更に、複合圧電体の圧電体としては、一般に圧電性能の高いチタン酸ジルコン酸鉛系の圧電セラミックス(PZT)が用いられるが、PZTは揮発温度の低い鉛を含むセラミックスであるため、その組成制御が困難であり、充分な圧電特性を発揮させるように焼結することは困難である。
【0018】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、その主な目的は、微細でアスペクト比の高い複数の柱状圧電体を有する複合圧電体を、性能を低下させること無く、安価に提供することにある。
【0019】
【課題を解決するための手段】
本発明による複合圧電体は、樹脂層と、前記樹脂層上に配列された複数の柱状圧電体とを有する単位複合シートが複数積層された構造を有している。
【0020】
好ましい実施形態において、前記柱状圧電体の長手方向に垂直な断面のサイズは、20μm以下である。
【0021】
好ましい実施形態において、前記柱状圧電体の長さをL、前記柱状圧電体の長手方向に垂直な断面の平均サイズをSとしたとき、L/Sが5以上である。
【0022】
好ましい実施形態において、積層された各単位複合シートの間には、他の樹脂層が挿入されている。
【0023】
好ましい実施形態において、各単位複合シートにおいて隣接する柱状圧電体の間には空隙が存在している。
【0024】
好ましい実施形態において、各単位複合シートにおいて隣接する柱状圧電体の間には樹脂が存在している。
【0025】
本発明による複合圧電体は、複数の柱状圧電体と、前記複数の柱状圧電体の間に位置する誘電体部分とを有する複合圧電体であって、前記柱状圧電体の長手方向に垂直な断面の形状は、柱状圧電体の中心軸に関する180°の回転に対して非対称である。
【0026】
好ましい実施形態において、前記柱状圧電体の長手方向に垂直な断面の形状は台形である。
【0027】
本発明による複合圧電体は、複数の柱状圧電体と、前記複数の柱状圧電体の間に位置する誘電体部分とを有する複合圧電体であって、前記柱状圧電体の側面の少なくとも一部が自由焼結表面である。
【0028】
好ましい実施形態において、前記複数の柱状圧電体は、前記柱状圧電体の長手方向に垂直な面に沿って2次元的に配列されている。
【0029】
好ましい実施形態において、前記複数の柱状圧電体は、前記柱状圧電体の長手方向に垂直な面に沿って行および列に配列されており、前記柱状圧電体の列は、隣接する前記柱状圧電体の列から樹脂層によって隔離されている。
【0030】
本発明による単位複合シートは、樹脂層と、前記樹脂層上に配列された複数の細線状圧電体とを備えている。
【0031】
本発明による複合シート積層体は、前記単位複合シートが複数枚積層され、前記細線状圧電体が、前記樹脂層によって挟まれることによって配置関係が固定された状態にある。
【0032】
本発明による複合圧電体は、前記記載の複合シート積層体を、前記細線状圧電体の長手方向を横切るように切断することによって作製されたものである。
【0033】
好ましい実施形態において、前記細線状圧電体の周囲は樹脂で囲まれている。
【0034】
好ましい実施形態において、前記樹脂は、単位複合シートの樹脂層の一部が流動し、硬化したものである。
【0035】
好ましい実施形態において、前記樹脂は、前記細線状圧電体の周囲に液状樹脂を含浸し、硬化したものである。
【0036】
本発明による超音波探触子は、前記いずれかの複合圧電体を備えていることを特徴とする。
【0037】
本発明による超音波検査装置は、上記超音波探触子を備えていることを特徴とする。
【0038】
本発明による単位複合シートの製造方法は、(a)板状圧電体の一表面上に樹脂層が形成された複合板を用意する工程と、(b)前記複合板の前記板状圧電体に対し、前記樹脂層を完全に分断することになく、複数の溝を形成することによって、前記板状圧電体から複数本の細線状圧電体を形成する工程とを包含する。
【0039】
本発明による単位複合シートの製造方法は、(a)板状圧電体を粘着シートによって基板上に仮固定する工程と、(b)前記板状圧電体に複数の溝を形成することにより、前記板状圧電体から複数本の細線状圧電体を形成する工程と、(c)前記基板に仮固定された複数本の前記細線状圧電体を樹脂層に転写する工程とを包含する。
【0040】
好ましい実施形態においては、前記板状圧電体の全面にわたって前記板状圧電体を薄くする工程を更に包含する。
【0041】
好ましい実施形態において、前記板状圧電体を薄くする工程は、前記板状圧電体の表面に対してサンドブラスト加工を行うことを含む。
【0042】
好ましい実施形態では、前記工程(b)において、前記板状圧電体の複数の溝は、サンドブラスト加工によって形成する。
【0043】
好ましい実施形態において、前記板状圧電体は焼結圧電セラミックスである。
【0044】
本発明による複合圧電体の製造方法は、(a)請求項17から22のいずれかに記載の製造方法によって製造された複数枚の単位複合シートを用意する工程と、(b)複数枚の前記単位複合シートを積層する工程と、(c)積層した複数枚の前記単位複合シートを一体化する工程とを包含する。
【0045】
好ましい実施形態において、前記樹脂層は、液状樹脂の塗布によって形成されたものである。
【0046】
好ましい実施形態において、前記樹脂層は半硬化樹脂シートである。
【0047】
好ましい実施形態において、前記一体化さた複数枚の単位複合シートに対して、前記細線状圧電体を横切るように方向に切断する工程を更に包含する。
【0048】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しながら、本発明による複合圧電体の実施形態を説明する。
【0049】
(実施形態1)
図1から図6を参照しながら、本実施形態の製造方法を説明する。
【0050】
まず、図1に示すように、板状圧電体1の一表面に樹脂層2を貼り付けることにより、複合板3を形成する。板状圧電体1の材料としては、例えばチタン酸ジルコン酸鉛(PZT)セラミックスを好適に用いることができる。板状のPZTセラミックスは、価格の低いセラミックス・グリーンシート(厚さ:0.07mm程度)を焼結させることによって容易かつ安価に作製できる。セラミックス・グリーンシートは、セラミックス粉と樹脂から構成された焼結前のシートであり、ドクター・ブレード法などの方法で作製され、薄層または層構造の圧電体(積層基板など)を形成する場合に好適に用いられる。板状圧電体1は、ブロック状のセラミックスを切断して作製することも可能であるが、この方法は、切断・研磨工程などのコストの高い工程を必要である。これに対して、セラミックス・グリーンシートから板状圧電体を作製する方法は、切断・研磨などの工程が不要であるため、低コスト化の観点で有利である。
【0051】
セラミックス・グリーンシートを焼結させることよって板状圧電体1を作製する場合、設備コスト低減の観点から、多数のセラミックス・グリーンシートを重ねて同時に焼結させることが一般的に行われる。この場合、重ねた上下のセラミックス・グリーンシートが焼結に際して接合しないように、剥離粉と言われるMgOなどの粉を各セラミックス・グリーンシート間にまぶしながら重ねていく。焼結後の板状圧電体は、剥離粉を除去するため、1枚ごとに洗浄される。板状圧電体1のサイズが30mm角程度である場合、ハンドリングなどの取り扱いを容易にするため、その厚さを50μm程度以上に設定し、充分な強度を確保する必要がある。厚さが50μm程度に達しないような薄い板状圧電体の場合、その取り扱いが困難であるため、ハンドリング中に割れや欠けが発生しやすく、製造歩留まりが低下してコストが増加するおそれがある。
【0052】
本実施形態で用いる板状圧電体1の外形は、図のX−Y−Z座標を基準にして、X方向サイズ:30mm、Y方向サイズ:30mm、Z方向サイズ:0.05mm(=50μm)である。樹脂層(厚さ:0.025mm)2は、板状圧電体1の平面的には同サイズを有しており、例えばエポキシ系半硬化樹脂シートから構成される。複合体3の作製は、次のようにして行うことができる。すなわち、片面に剥離フィルムのついたエポキシ系半硬化樹脂を板状圧電体1と重ね、これをピストン状の治具により、120枚積層し、その後、板状圧電体1と樹脂層2の積層物を治具に入れたまま加圧する。具体的には、例えば、120℃、0.1Torr以下の大気雰囲気中において、約1MPaの圧力を印加しながら、5分間加圧すれば良い。この後、雰囲気を大気に戻して圧力を解除した後、150℃で1時間保持する。こうして樹脂層2を硬化させた後、積層物を治具から取り出し、剥離フィルムを剥がすことによって120個の複合体3を得ることができる。
【0053】
板状圧電体1は、圧電性の高い材料から形成することが好ましい。本実施形態では、PZTセラミックスを用いているが、板状圧電体1の材料は、これに限定されず、例えば、チタン酸鉛、チタン酸バリウムなどのセラミックスや、水晶、ニオブ酸リチウム、PZT単結晶などの単結晶を用いることができる。
【0054】
本実施形態では、樹脂層2の形成方法としてエポキシ系半硬化樹脂シートの貼付方法を採用しているが、板状圧電体1の一表面に均一な厚さの樹脂層を形成できる方法であれば良く、スピンコート法、スクリーン印刷法などの任意の形成方法を用いることができる。
【0055】
次に、図2(a)から図2(c)を参照しながら、板状圧電体1から複数本の細線状圧電体(柱状圧電体)5を作製する方法を説明する。まず、図2(a)に示すように、複合体3を構成している板状圧電体1の露出表面に加工用マスク4を形成する。本実施形態で用いる加工用マスク4は、ストライプパターンを有しており、各ストライプ部分の幅は0.050mm(=50μm)であり、間隔も0.050mmとなるようにパターニングされている。各ストライプ部分の幅は、形成すべき細線状圧電体の幅を規定する。なお、加工用マスク4のストライプ部分の間隔をストライプ部分の幅に一致させる必要は無い。
【0056】
加工用マスク4は、感光性の樹脂シートを板状圧電体1に貼り付けた後、フォトマスクを用いて樹脂シートを露光し、現像することよって形成される。フォトマスクには、上記のストライプパターンを規定する遮光パターンが形成されており、現像・露光は、公知のフォトリソグラフィ技術を用いて行うことができる。フォトマスクのパターンを変更することにより、加工用マスク4のパターンの形状およびサイズを任意に設定することができる。
【0057】
次に、複合体3の加工用マスク4を形成した面に対し、サンドブラスト加工を行う。サンドブラスト加工は、細かい粒子(アルミナやダイアモンドの研磨粒子)を圧縮空気とともに噴射し、被加工対象を衝撃により破壊しながら加工する処理である。
【0058】
サンドブラスト加工によれば、樹脂などの柔らかい物質は破壊せずに、セラミックなどの硬い材料を選択的に脆性破壊することができる。従って、樹脂製の加工用マスク4を用いてサンドブラスト加工を行うことにより、板状圧電体1の表面のうち、加工用マスク4のストライプ部分で覆われていない領域だけを選択的に削り取り、その部分に切断溝を形成することができる。サンドブラスト加工が進行するに伴い、板状圧電体1の露出表面に形成される切断溝は深くなり、やがて板状圧電体1の背面側に配置されている樹脂層2に達する。しかし、樹脂層2も、加工用マスク4と同様にサンドブラスト加工によっては破壊されないため、板状圧電体1に形成した切断溝が樹脂層2に到達しても、樹脂層2はほとんど加工されない。このようにして、本実施形態では、図2(b)に示すように板状圧電体1から複数本の細線状圧電体5を形成することができる。図2(b)では、簡単化のため、6本の細線状圧電体5だけが図示されているが、実際には、300本の細線状圧電体5が同時に形成される。
【0059】
上記のサンドブラスト加工によれば、板状圧電体1の広い面を一括的に高速かつ精密に加工することができるが、サンドブラスト加工は、加工用マスク4の開口部の幅に対する深さの比率(アスペクト比)が大きい場合には不適当な加工方法である。しかし、本実施形態では、サンドブラスト加工によって形成される切断溝の深さ方向は、形成すべき細線状圧電体5の長手方向に平行ではなく、垂直である。このため、加工によって形成する切断溝の深さをD、切断溝の幅をWとした場合、本実施形態における比率D/Wは、1程度である。この比率D/Wは、切断溝のアスペクト比を規定しており、圧電体の材質にもよるが、1〜2程度の範囲に設定することが好ましい。そして、特に微細な加工が必要な場合は、比率D/Wを1以下に設定することが望ましい。
【0060】
本実施形態では、上述のように、柱状圧電体5の長手方向(Y方向)に対して垂直な方向から圧電体の加工を行うため、「柱状圧電体のアスペクト比」が5を超える大きさを持っていても、切断溝のアスペクト比は小さくすることができる。このため、従来は不可能とされていたようなアスペクト比を持つ柱状圧電体を容易に形成することが可能になる。
【0061】
図2(b)に示す細線状圧電体5を形成した後は、図2(c)に示すように、加工用マスク4を剥離する。こうして、多数の細線状圧電体5が樹脂層2によって保持された構成を有する単位複合シート6を作製することができる。
【0062】
細線状圧電体5の各々は、Y方向サイズが30mm、X方向サイズが約40〜50μm、Z方向サイズが50μmである。細線状圧電体5の長手方向に垂直な断面を図3に示す。図3からわかるように、本実施形態で得られる細線状圧電体5の断面は、略台形である。細線状圧電体5の上面における幅は、40〜45μm程度であり、下面における幅は55〜60μm程度である。このように側面にテーパが形成される理由は、サンドブラスト加工によってサイドエッチが生じるからである。細線状圧電体5の上面は、加工マスク4で覆われていたため、サンドブラスト加工を受けていない。本実施形態の板状圧電体1は、焼結によって作製されているため、その表面は自由焼結面であり、サンドブラスト加工を受けていない細線状圧電体5の上面や下面は、最終的にも自由焼結面から構成されている。これに対して、細線状圧電体5の側面は、加工されているため、自由焼結面ではない。
【0063】
前述したように、サンドブラスト工法によって深い孔を形成することは困難であるため、図4に示すように、矢印Aの方向から圧電体を加工して柱状圧電体5を作製しようとすると、アスペクト比が5以上の柱状圧電体を形成することは極めて困難である。しかしながら、本実施形態の製造法によれば、図4の矢印Bの方向から圧電体を加工するため、加工深さは浅く、サンドブラスト加工の高速性や一括加工可能性という利点を生かすことができる。
【0064】
なお、板状圧電体1を細線状または柱状に加工できる工法であれば、サンドブラスト加工に限定されず、ダイシング加工、超音波加工、レーザ加工など任意の加工法を用いてもよい。
【0065】
次に、上記方法によって作製した単位複合シートを120枚用意して、積層・一体化の工程を行う。なお、サンドブラスト工法によれば、一括で大量の加工が可能であるため、上記サイズの複合板3を120枚加工するのに要する時間は約2時間以下と非常に短い。このため、単位複合シートの製造時間を短くし、コストを低減できる。
【0066】
次に、図5に示すように、単位複合シートを構成する樹脂層2とは別の樹脂層2’を間に介在させながら単位複合シート6を積層する。図5では、簡単化のために、4枚の単位複合シート6が示されているが、実際には、120枚の単位複合シート6が積層される。積層に際して、各層の細線状圧電体5が相互に実質的に平行となるように配置され、最上部にはX方向サイズ:30mm、Y方向サイズ:30mm、Z方向サイズ:0.025mmのエポキシ系半硬化樹脂シートが2枚配置される。なお、図5では、隣接する2枚の単位複合シートの各々に設けられた細線状圧電体5の位置が相互に一致し、整合ているように示されているが、実際には、単位複合シート毎に細線状圧電体5の配置がシフトしていてもよい。
【0067】
こうして形成した積層物を120℃、0.1Torr以下で、約0.1MPaの圧力を印加しながら10分間放置した後、大気圧に戻し、圧力を印加することなく、180℃で1時間加熱する。こうして樹脂層2、2’を硬化し、積層物を一体化させることにより、複合シート積層体である複合圧電体10を得ることができる。得られた複合圧電体10は、X方向サイズ:30mm、Y方向サイズ:30mm、Z方向サイズ:12mmの直方体形状を有しており、1つの複合圧電体10の中には、36000本(=300×120)の細線状圧電体5が樹脂によって略平行に保持されている。
【0068】
次に、図6に示すように、複合圧電体10を細線状圧電体5の長手方向(Y方向)に垂直な面(X−Z面に平行な面)に沿って複数枚の複合圧電体10’に切断・分離する。切断ピッチを0.3mm、切しろを0.1mmに設定した場合、1つの複合圧電体10から、X方向サイズ:30mm、Y方向サイズ:0.20mm、Z方向サイズ:12mmの複合圧電体10’が100枚得られる。切断後における複合圧電体10’のZ方向サイズは、切断ピッチの変更によって調節可能である。対外から体内の診断を行うための超音波診断装置用の探触子に本実施形態の複合圧電体を用いる場合、切断後の複合圧電体10’のZ方向サイズを0.2〜2mmの範囲に設定することが好ましい。
【0069】
次に、スパッタ法により、各複合圧電体10’の上面および下面に金電極を形成した後、180℃、400Vにて分極処理を行い、圧電特性を示す複合圧電体素子を得ることができる。
【0070】
本実施形態の製造方法によれば、個々の細線状圧電体5に対して直接のハンドリングを行うことなく、また、多数の細線状圧電体5を1つずつ基板上に配列する必要も無い。更に、本製造方法によれば、従来の製造方法と比べて高価な設備を用いないでも、複合圧電体を短時間で歩留まり良く安価に製造することができる。
【0071】
このようにして作製された複合圧電体は、薄いグリーンシートを焼結した作製した圧電セラミックスを用いているため、前述のように、その両面は自由焼結表面である。また、自由焼結表面の一部は樹脂によって覆われ、加工を受けることになく、最終的な複合圧電体内においても存在することになる。圧電体の自由焼結表面は、加工を受けた表面に比べて緻密であり、耐環境性が高く、周囲の全体がサンドブラスト加工を受けた場合に比べて、好ましい特性を発揮することができる。
【0072】
また、本実施形態の複合圧電体は、単位複合シートの厚さ方向(Z方向)に沿って配列された多層構造を有している。言い換えると、X−Z面に沿って2次元的に配列された複数の柱状圧電体のうち、X方向に並んだ各列は、相互に樹脂層によって隔離されている。本実施形態の複合圧電体は、このような層構造を有しているため、横方向の干渉を少なくすることができるという効果を発揮する。
【0073】
(実施形態2)
以下、本発明による複合圧電体の第2の実施形態を説明する。
【0074】
本実施形態に係る複合圧電体は、高周波の超音波振動子に適した複合圧電体である。本実施形態が第1の実施形態と異なる点は、製造に際して、複合板3の板状圧電体1を薄くする工程を付加的に行う点にある。この工程以外の製造工程は、第1の実施形態と同様である。
【0075】
まず、前述した方法により、図7(a)に示す複合板3を用意する。次に、この複合板3の板状圧電体1に対して、その厚さ(Z方向サイズ)を減ずる工程を行い、図7(b)に示す薄い複合体3へと加工する。本実施形態では、板状圧電体1の厚さを0.050mmから0.020(=20μm)にまで薄くする。
【0076】
この後、図2(a)に示す加工マスク4と同様の加工マスクを用いて、板状圧電体1から多数の細線状圧電体を形成する。この際、本実施形態で用いる加工マスクのストライプ部分の幅を0.020mm(=20μm)に設定する。マスク材料や露光装置の改良が進んだため、現在では、0.020mm程度の微細なパターンを有する加工用マスクを高い精度で形成することができる。前述したように、マスクのストライプ部分の幅は細線状圧電体の幅を規定するので、本実施形態では、第1の実施形態における複合圧電体に比べて細線状圧電体の断面が小さくなる。しかし、本実施形態では、サンドブラスト加工の対象となる板状圧電体1を薄くしているため、切断溝のアスペクト比を小さく維持しながら幅の狭い細線状圧電体を高い精度で形成することができる。なお、加工用マスクの形成工程以降の工程は、第1の実施形態と同様に行われる。
【0077】
こうして作製した単位複合シートを前述の方法で積層し、一体化した後、切断、電極形成、および分極処理を行うことにより、X方向サイズ:30mm、Y方向サイズ:30mm、Z方向サイズ:0.100mmの複合圧電体が150枚得られる。
【0078】
このように本実施形態では、樹脂層2に貼り付けた板状圧電体1の厚さを減ずるため、板状圧電体1として低価格のPZTセラミックスを用い、断面サイズSが0.020mm程度の柱状圧電体が多数配列さた複合圧電体を作製している。最終的な複合圧電体における柱状圧電体の長さ(Y方向サイズ)を「L」とした場合、柱状圧電体のアスペクト比であるL/Sは、5以上になり、高周波の超音波を送受信するのに適した構造が得られる。
【0079】
本実施形態によれば、高価な設備を用いずに、高周波に対応した複合圧電体を短時間・低コストで製造することが可能である。
【0080】
(実施形態3)
以下、本発明による複合圧電体の第3の実施形態を説明する。
【0081】
まず、図8に示すように、板状圧電体1を粘着シート8でガラス製の基板7に仮固定する工程を行う。本実施形態では、板状圧電体1として、実施形態1と同様に、X方向サイズが30mm、Y方向サイズが30mm、Z方向サイズが0.050mmの圧電セラミックスを用いる。粘着シート8としては、熱剥離シートを用いる。この粘着シート8は、熱剥離シートに限定されず、板状圧電体1を保持し、切断加工に際しては板状圧電体1が粘着シート8から剥離することなく、加工後に何らかの作用によって剥離させることが可能なものであれば良い。例えば、UV光照射による剥離シートなども粘着シート8として用いることができる。
【0082】
次に、図9に示すように、板状圧電体1に平行な切溝を複数本形成することにより、板状圧電体1を切断して複数本の細線状圧電体5を形成する。具体的には、図2(a)から図2(c)を参照しながら説明した方法と同様の方法により、加工マスク4を形成した後、サンドブラスト加工を行う。こうして、図9に示すように、細線状圧電体5が粘着シート8によって基板7上に仮固定された構造を得ることができる。本実施形態では、第1の実施形態と同様に、加工マスクのストライプ部分の幅および間隔を0.050mmに設定している。
【0083】
次に、図10(a)に示すように、基板7に仮固定された複数本の細線状圧電体5をシート状の樹脂層2と対向させる。樹脂層2としては、厚さ0.050mm程度のエポキシ系半硬化樹脂シートを好適に用いることができる。
【0084】
次に、樹脂層2を細線状圧電体5と接触させた状態の樹脂層2および基板7に対して、例えば約0.1MPaの圧力を印加し、120℃で10分間加熱する。この加圧・加熱処理により、樹脂層2と細線状圧電体5とが接着するとともに、粘着シート8の熱剥離効果が生じるため、図10(b)に示すように、細線状圧電体5は粘着シート8から剥離し、樹脂層2に転写される。
【0085】
本実施形態では、樹脂層2としてエポキシ系半硬化樹脂シートを用いているが、樹脂層2は、同様の効果が発揮されるものであれば、他の接着シートであってもよい。また、液状の樹脂などを印刷法などによって細線状圧電体5の上に塗布し、樹脂の層を形成した後、これを硬化させてから剥離してもよい。
【0086】
300本の細線状圧電体5は、上記の転写工程により、基板7上における配置を高い精度で維持したま粘着シート2の上に移動する。こうして、単位複合シートが作製される。
【0087】
この単位複合シートを120枚用意して、図11に示すように積層した後、最上部にX方向サイズが30mm、Y方向サイズが30mm、Z方向サイズが0.050mmの樹脂層を配置する。そして、次に、例えば、120℃、0.1Torr以下の大気雰囲気中において、0.1MPa程度の圧力を印加しながら、10分間保持する。この後、雰囲気を大気に戻して、圧力を解除した後、180℃で1時間保持する。こうして、樹脂層2を硬化させ、積層物を一体化することにより、複合圧電体10を形成する。
【0088】
本実施形態において、転写に用いた樹脂層2は、熱剥離シートからの転写の際には120℃以下の熱履歴しか経ていないため、その転写後も接着力が持続しており、積層物を一体化するとき、新たな接着シートを介在させる必要がない。このため、積層物を一体化する工程に要する時間が実施形態1の場合に比べて短縮され、低コスト化を更に達成することができる。
【0089】
なお、一体化した複合圧電体10は、X方向サイズ:30mm、Y方向サイズ:30mm、Z方向サイズ:12mmの直方体形状を有しており、この複合圧電体の中では36000本の細線状圧電体が樹脂層によって平行に保持されている。
【0090】
(実施形態4)
以下、本発明による複合圧電体の第4の実施形態を説明する。
【0091】
本実施形態に係る複合圧電体は、高周波の超音波振動子に適した複合圧電体である。本実施形態は、製造に際して、複合板3の板状圧電体1を薄くする工程を付加的に行う点と、加工マスクのストライプ部分の幅を0.02mm程度と狭くする点を除けば、第3の実施形態と同じである。また、板状圧電体1を薄くする工程や、加工マスクの形成工程などは、第2の実施形態と同様である。
【0092】
(実施形態5)
以下、本発明による複合圧電体の第5の実施形態を説明する。
【0093】
本実施形態では、実施形態1から実施形態4の複合圧電体10を用意した後、複合圧電体の空隙部分に充填用樹脂9を含浸し、硬化させる。その後は、上記の各実施形態と同様にして、複合圧電体10の切断工程、電極形成工程、分極処理を行う。
【0094】
実施形態1から実施形態4の複合圧電体10では、例えば図5に示すように、各単位複合シート上に配列された細線状圧電体5の間に空隙部分が存在し、その空隙部分は空気によって満たされた状態にある。空気も誘電体であるため、複合圧電体として機能させるためには、この空隙部分を他の誘電体材料で埋める必要性は無い。しかしながら、空隙部分を硬化可能な誘電体材料で埋め込み、硬化させれば、複合誘電体の機械的強度を高めることができ、また、複合圧電体10の振動モードを適切に調節することができるので好ましい。
【0095】
本実施形態では、図12に示すように、細線状圧電体2の間に形成されている空隙部分に対し、誘電体材料として樹脂9を充填することにより、複合圧電体10の機械的強度を高めている。
【0096】
本実施形態によれば、切断などの工程での破損が生じにくくなり、歩留まりが向上する結果、製造コストを更に低減できる。また、空隙部分が樹脂9で埋められていると、電極が形成される2つの面が空隙部分を介して連通していないため、無電解めっきを用いて電極を形成しても、2つの電極が短絡することを容易に防止できる。このため、大量の複合圧電体に対して一括的に電極を形成することができ、低コスト化を更に進めることができるようになる。
【0097】
(実施形態6)
以下、本発明による複合圧電体の第6の実施形態を説明する。
【0098】
本実施形態では、第5の実施形態とは異なる方法を用いて、各細線状圧電体5を樹脂で取り囲む。
【0099】
本実施形態では、各細線状圧電体5が樹脂層2の間に配置されるようにして複数枚の複合シートを積層し、一体化する際、積層物に印加する圧力を高くする。具体的には、120℃、0.1Torr以下の雰囲気中において、1MPaの圧力を積層物に印加し、10分間放置した後、大気圧に戻し、圧力をかけたまま180℃、1時間加熱する。このように比較的高い圧力を印加しながら、接着および一体化を行うと、積層に際して単位複合シート間に挿入したエポキシ系半硬化樹脂シートや未硬化の樹脂層が流動して細線状圧電体5の隙間を埋める。その結果、図13に示すように隙間のすべてが樹脂で充填された複合圧電体10が得られる。これ以降の工程は、他の実施形態と同様である。
【0100】
本実施形態では、上述のようにして空隙部分に樹脂を充填することにより、複合圧電体としての機械的強度を高めることができる。また、切断などの工程での破損が生じにくくなり、歩留まりが向上する。その結果、製造コストを低減できる。また、本実施形態では、電極形成に無電解めっきを用いることができるため、大量の複合圧電体に対して一括的に電極を形成することができ、低コスト化を実現できる。
【0101】
本実施形態は、第5の実施形態と比べると、積層後における樹脂充填工程を省略できるため、製造時間の短縮を可能とし、製造コストを更に低減することができる。
【0102】
(実施形態7)
以上の各実施の形態では、単位複合シートにおける細線状圧電体の形状を全て直線とし、細線状圧電体を平行に配列している。しかし、単位複合シートにおける圧電体の形状は、直線に限定されず、また、平行配列にも限定されない。例えば、図14から図16に示すように、多様の形態の細線状圧電体を形成しても良い。図14は、細線状圧電体が平行に配置されていない例を示している。図15は、細線状圧電体がまっすぐに伸びておらず、屈曲している例を示している。図16は、細線状圧電体が連結し、格子パターンを形成している例を示している。図17は、細線状圧電体の断面が四角形ではなく、多角形である例を示している。このような断面を有する細線状圧電体を、例えば、サンドブラスト加工によって形成するには、サンドブラスト加工における研磨粒子の噴射時間を制御すればよい。細線状圧電体の長手方向に垂直な断面は、直線の辺から構成された多角形である必要はなく、一部が曲線から構成された形状を有していても良い。加工用マスクを取り除いた後、例えば、サンドブラスト加工または他の加工を付加的に短時間行うことにより、細線状圧電体の露出表面をなだらかな曲面形状に変化させることが可能である。細線状圧電体の側面が曲面形状を有すると、隣接する圧電体同士の間で振動モードの干渉が起こりにくくなるので好ましい。
【0103】
(実施形態8)
上記の各実施形態では、単位複合シートを積層する際、同じ形状の単位複合シートを用い、かつ細線状圧電体が同じ方向を向くように単位複合シートを配置しているが、本発明は、このような配置に限定されない。例えば、図18に示すように、各単位複合シートの向きをずらし、細線状圧電体の長手方向が単位複合シート毎に回転していても良い。
【0104】
また、図14から図17に示している単位複合シートを任意の組合せで積層し、一体化させても良い。更に、単位複合シートを積層し、一体化した複合シート積層体を切断する際、切断面が平面ではなく、曲面となるようにしてもよい。
【0105】
また、単位複合シートの樹脂層は、平坦である必要はなく、湾曲していてもよい。
【0106】
(実施形態9)
上記各実施形態では、圧電体を保持する樹脂層として、開口部の無い連続した1枚のシートを用いているが、樹脂層は、そのようなシートに限定されない。例えば、図19に示すように、一部に開口部2aが形成された樹脂層2を用いても良い。また、一部の厚さが他の部分と異なる樹脂層を用いても良い。
【0107】
(実施形態10)
上記各実施形態では、各単位複合シート上における細線状圧電体の配置関係は固定されているが、複数の単位複合シートを積層し、一体化する工程において、或る単位複合シート上の細線状圧電体に対する他の単位複合シート上の細線状圧電体の相対的な配置関係が変化する可能性がある。通常の用途に使用される複合圧電体の場合、細線状圧電体の相互の位置関係が変化しても、圧電特性はほとんど影響を受けない。このため、細線状圧電体の位置決め(アライメント)は特に必要ないが、何らかの理由により、細線状圧電体の相対的な配置関係を高い精度で規定する場合は、積層工程に際して、画像認識による位置めを行うことが好ましい。
【0108】
単位複合シートを積層するときの位置合わせを容易に行うために、図20に示すように、単位複合シートの樹脂層(細線状圧電体に接していない面)に周期的に複数の突起11を配列しても良い。突起11の配列ピッチは、樹脂層2に対向配置される他の単位複合シートの細線状圧電体5のピッチと同一に設定される。単位複合シートを積層する際、隣接する2つの突起11の間に形成された凹部に細線状圧電体が収まるように各突起11の大きさや形状が設計される。このような突起11は、隣接する細線状圧電体の空隙を減少させ、複合圧電体の強度を向上させる機能も発揮し得る。また、本実施形態によれば、第5の実施形態のように空隙部分に樹脂を充填する場合、より少ない量の樹脂で全空隙を充填できる。また、第6の実施形態のように樹脂層を流動化して、圧電体を樹脂で取り囲むようにする場合、より低い圧力で積層一体化工程を実行すればよくなる。
【0109】
(実施形態11)
以下、本発明による超音波探触子の実施形態を説明する。
【0110】
本実施形態では、第6の実施形態における複合圧電体(細線状圧電体の断面一辺0.020mm、厚さ0.100mm)を超音波探触子として用いる。
【0111】
以下、本実施形態の超音波探触子を製造する方法を説明する。
【0112】
まず、前述の複合圧電体を切断することにより、縦12mm、横12mm、厚さ0.1mmのサイズを有する複合圧電体を作製する。次に、無電解めっきにより、複合圧電体の上面および下面にニッケル/金の電極を形成した後、端面に付着した電極をサンドペーパーにより剥離することにより、上下面の電極を相互に電気的に分離する。
【0113】
次に、分極処理を行う。具体的には、上面の電極を接地し、下面の電極に+200Vの電圧を印加し、この状態を温度180℃で1時間保持する。こうして得られた複合圧電体は、電気機械結合係数68%、メカニカルQ=10の結果が得られる。
【0114】
図21に示すように、上記の複合圧電体の超音波放射面12側に、音響整合層13を設け、背面側にはバッキング材14を設ける。音響整合層13は、樹脂にセラミックスフィラーを混入させ、一体化したしてものであり、バッキング材14は、鉄粉を分散させたゴムである。複合圧電体の超音波放射面側の電極を接地し、背面側の電極を駆動電極として送受信回路15と接続する。
【0115】
図22は、上記の構成を有する超音波探触子16の特性を示すグラフであり、図23は、同様の構成において複合圧電体の代わりに圧電セラミックスを用いた超音波探触子の特性を示すグラフである。図22(a)および図23(a)は、それぞれ、超音波探触子の送受信波形を示しており、図22(b)および図23(b)は、その周波数帯域特性を示している。
【0116】
図22および図23からわかるように、複合圧電体を用いた超音波探触子は、従来の圧電セラミックを用いた超音波探触子と略同等の送受信感度を発揮し、−6dBの比帯域幅では約50%以上の広帯域化を実現できる。
【0117】
(実施形態12)
本実施形態では、実施形態11の超音波探触子を図24に示すように超音波診断装置本体17に接続する。超音波診断装置本体17は、図24に示すように、超音波信号を超音波探触子に放射させるための電圧信号を送り出す送信部18と、超音波探触子から出力される電圧信号を受け取る受信部19と、超音波信号の送受信に関する種々の制御を行うシステムコントロール部20と、得られた超音波信号に基づいて画像を形成する画像構成部21と、画像構成部21から出力された画像信号に基づいて画像を表示する画像表示部22を備えている。超音波診断装置本体17の各部には、公知の構成を採用することができる。
【0118】
図24の超音波診断装置を用いて人体の画像化を行えば、広帯域化された超音波探触子の有利な効果により、深部までの画像を鮮明に高い分解能で観察することが可能となり、高精度な診断が可能となる。
【0119】
【発明の効果】
本発明によれば、細線状圧電体が樹脂層上に配置された単位複合シートを積層一体化させることにより、複合圧電体を得る。細線状圧電体は樹脂層によって任意の位置に固定保持されており、細線状圧電体の位置が積層一体化工程においても変動しない。このため、破損しやすい細線状圧電体を直接ハンドリングする必要が無く、また多数の細線状圧電体を配列させる工程が不要である。更に、細線状圧電体の大きさや本数に応じて適当な加工方法を選択することにより、高価な設備を用いずに、複合圧電体を短時間かつ低コストで製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】複合板を形成する工程の一例を示す斜視図である。
【図2】複合板における板状圧電体を細線状圧電体に加工する工程の一例を示す斜視図である。
【図3】細線状圧電体の長手方向に垂直な断面図である。
【図4】細線状圧電体を得るための加工方向を示す斜視図である。
【図5】複合圧電体を形成する工程の一例を示す斜視図である。
【図6】複合圧電体を切断する工程の一例を示す斜視図である。
【図7】複合板の板状圧電体の厚さを減ずる工程の一例を示す斜視図である。
【図8】板状圧電体を仮固定する工程の一例を示す斜視図である。
【図9】板状圧電体を加工する工程の一例を示す斜視図である。
【図10】細線状圧電体を樹脂層に転写する工程の一例を示す斜視図である。
【図11】複合圧電体を形成する工程の一例を示す斜視図である。
【図12】複合圧電体の隙間に樹脂を充填する工程の一例を示す斜視図である。
【図13】複合圧電体を形成する工程の一例を示す斜視図である。
【図14】細線状圧電体のパターンの変形例を示す斜視図である。
【図15】細線状圧電体のパターンの他の変形例を示す斜視図である。
【図16】細線状圧電体のパターンの更に他の変形例を示す斜視図である。
【図17】細線状圧電体の形状の変形例を示す斜視図である。
【図18】単位複合シートの積層形態の変形例を示す斜視図である。
【図19】単位複合シートを構成する樹脂層の変形例を示す図である。
【図20】単位複合シートを構成する樹脂層の他の変形例を示す図である。
【図21】本発明による超音波探触子の実施形態の断面図である。
【図22】本発明による超音波探触子の実施形態の特性を示すグラフであり、(a)は、送受信波形を示し、(b)は、その周波数帯域特性を示している。
【図23】超音波探触子の比較例の特性を示すグラフであり、(a)は、送受信波形を示し、(b)は、その周波数帯域特性を示している。
【図24】本発明による超音波診断装置の実施形態の断面図である。
【符号の説明】
1 板状圧電体
2 樹脂層
3 複合板
4 加工用マスク
5 細線状圧電体
6 単位複合シート
7 基板
8 粘着シート
9 充填用樹脂
10 複合圧電体
11 突起
12 超音波放射面
13 音響整合層
14 バッキング材
15 送受信回路
16 超音波探触子
17 超音波診断装置本体
18 送信部
19 受信部
20 システムコントロール部
21 画像構成部
22 画像表示部

Claims (29)

  1. 樹脂層と、前記樹脂層上に配列された複数の柱状圧電体とを有する単位複合シートが複数積層された構造を有している複合圧電体。
  2. 前記柱状圧電体の長手方向に垂直な断面のサイズは、20μm以下である請求項1に記載の複合圧電体。
  3. 前記柱状圧電体の長さをL、前記柱状圧電体の長手方向に垂直な断面の平均サイズをSとしたとき、L/Sが5以上である請求項1または2に記載の複合圧電体。
  4. 積層された各単位複合シートの間には、他の樹脂層が挿入されている請求項1から3のいずれかに記載の複合圧電体。
  5. 各単位複合シートにおいて隣接する柱状圧電体の間には、空隙が存在している請求項1から4のいずれかに記載の複合圧電体。
  6. 各単位複合シートにおいて隣接する柱状圧電体の間には、樹脂が存在している請求項1から4のいずれかに記載の複合圧電体。
  7. 複数の柱状圧電体と、前記複数の柱状圧電体の間に位置する誘電体部分とを有する複合圧電体であって、
    前記柱状圧電体の長手方向に垂直な断面の形状は、柱状圧電体の中心軸に関する180°の回転に対して非対称である複合圧電体。
  8. 前記柱状圧電体の長手方向に垂直な断面の形状は台形である請求項7に記載の複合圧電体。
  9. 複数の柱状圧電体と、前記複数の柱状圧電体の間に位置する誘電体部分とを有する複合圧電体であって、
    前記柱状圧電体の側面の少なくとも一部が自由焼結表面である複合圧電体。
  10. 前記複数の柱状圧電体は、前記柱状圧電体の長手方向に垂直な面に沿って2次元的に配列されている請求項7から9のいずれかに記載の複合圧電体。
  11. 前記複数の柱状圧電体は、前記柱状圧電体の長手方向に垂直な面に沿って行および列に配列されており、前記柱状圧電体の列は、隣接する前記柱状圧電体の列から樹脂層によって隔離されている請求項10に記載の複合圧電体。
  12. 樹脂層と、前記樹脂層上に配列された複数の細線状圧電体とを備えた単位複合シート。
  13. 請求項12に記載の単位複合シートが複数枚積層され、
    前記細線状圧電体が、前記樹脂層によって挟まれることによって配置関係が固定された状態にある複合シート積層体。
  14. 請求項13に記載の複合シート積層体を、前記細線状圧電体の長手方向を横切るように切断することによって作製した複合圧電体。
  15. 前記細線状圧電体の周囲は樹脂で囲まれている請求項14に記載の複合圧電体。
  16. 前記樹脂は、単位複合シートの樹脂層の一部が流動し、硬化したものである請求項15に記載の複合圧電体。
  17. 前記樹脂は、前記細線状圧電体の周囲に液状樹脂を含浸し、硬化したものである請求項15に記載の複合圧電体。
  18. 請求項1から11および14から17のいずれかひとつに記載の複合圧電体を備えた超音波探触子。
  19. 請求項18に記載の超音波探触子を備えた超音波検査装置。
  20. (a)板状圧電体の一表面上に樹脂層が形成された複合板を用意する工程と、
    (b)前記複合板の前記板状圧電体に対し、前記樹脂層を完全に分断することなく、複数の溝を形成することによって、前記板状圧電体から複数本の細線状圧電体を形成する工程と、
    を包含する単位複合シートの製造方法。
  21. (a)板状圧電体を粘着シートによって基板上に仮固定する工程と、
    (b)前記板状圧電体に複数の溝を形成することにより、前記板状圧電体から複数本の細線状圧電体を形成する工程と、
    (c)前記基板に仮固定された複数本の前記細線状圧電体を樹脂層に転写する工程と、
    を包含する単位複合シートの製造方法。
  22. 前記板状圧電体の全面にわたって前記板状圧電体を薄くする工程を更に包含する請求項20または21に記載の単位複合シートの製造方法。
  23. 前記板状圧電体を薄くする工程は、前記板状圧電体の表面に対してサンドブラスト加工を行うことを含む請求項22に記載の単位複合シートの製造方法。
  24. 前記工程(b)において、前記板状圧電体の複数の溝は、サンドブラスト加工によって形成する請求項20から23のいずれかに記載の単位複合シートの製造方法。
  25. 前記板状圧電体は焼結圧電セラミックスである請求項20から24のいずれかに記載の単位複合シートの製造方法。
  26. (a)請求項20から25のいずれかに記載の製造方法によって製造された複数枚の単位複合シートを用意する工程と、
    (b)複数枚の前記単位複合シートを積層する工程と、
    (c)積層した複数枚の前記単位複合シートを一体化する工程と、
    を包含する複合圧電体の製造方法。
  27. 前記樹脂層は、液状樹脂の塗布によって形成されたものである請求項26に記載の複合圧電体の製造方法。
  28. 前記樹脂層は、半硬化樹脂シートである請求項26に記載の複合圧電体の製造方法。
  29. 前記一体化さた複数枚の単位複合シートに対して、前記細線状圧電体を横切るように方向に切断する工程を更に包含する、請求項26から28のいずれかに記載の複合圧電体の製造方法。
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