JP2003234544A - 窒化物系半導体レーザ素子とその製造方法 - Google Patents

窒化物系半導体レーザ素子とその製造方法

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JP2003234544A
JP2003234544A JP2002029128A JP2002029128A JP2003234544A JP 2003234544 A JP2003234544 A JP 2003234544A JP 2002029128 A JP2002029128 A JP 2002029128A JP 2002029128 A JP2002029128 A JP 2002029128A JP 2003234544 A JP2003234544 A JP 2003234544A
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plane
layer
based semiconductor
semiconductor laser
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Toshiyuki Okumura
敏之 奥村
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Sharp Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 発振閾値電流密度が低くかつ信頼性が向上し
た窒化物系半導体レーザ素子を提供する。 【解決手段】 窒化物系半導体レーザ素子は、基板
(1)上においてウルツァイト構造の窒化物系半導体か
らなるn型層(2〜5,7,8)とp型層(10〜1
2)とに挟まれていてInとGaとを含む窒化物系導体
からなる量子井戸構造活性層(9)を含み、この量子井
戸構造活性層(9)はその下地層(8)の結晶学的(1
−10n)面(ただし、n=1〜7)または(11−2
m)面(ただし、m=1〜13)に接して形成されてい
ることを特徴としている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は窒化物系半導体レー
ザ素子とその製造方法に関し、特に、InとGaとを含
む窒化物系半導体よりなる量子井戸構造活性層を含む窒
化物系半導体レーザ素子とその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】紫外から緑色の波長範囲内の発光波長を
有する半導体レーザ素子用の半導体材料として、窒化物
系半導体(GaInAlN)が用いられている。窒化物
系半導体を用いた半導体レーザ素子は、たとえばTechni
cal Digest of InternationalWorkshop on Nitride Sem
iconductors (IWN2000) WA2−1に記載されており、そ
の断面図が図5に示されている。
【0003】図5の半導体レーザ素子は、主面として結
晶学的(0001)面(c面)を有するサファイア基板
101、GaN層102、n−GaNコンタクト層10
3、n−Al0.08Ga0.92Nクラッド層104、n−G
aNガイド層105、In0. 10Ga0.90N量子井戸層と
In0.02Ga0.98N障壁層とを含む多重量子井戸構造活
性層106、p−Al0.16Ga0.84N層107、p−G
aNガイド層108、p−Al0.15Ga0.85N層とGa
N層が交互に積層されてなるp型クラッド層109、p
−GaNコンタクト層110、p側電極111、n側電
極112、および電流狭窄用SiO2膜113を含んで
いる。ここで、GaN層102は、幅2μmのストライ
プ状で12μmの周期で形成されている。また、多重量
子井戸構造活性層106は3.5nm厚のIn0.10Ga
0.90N量子井戸層と7.0nm厚のIn0.02Ga0.98
障壁層の3ペアを含み、それらの量子井戸層と障壁層が
交互に積層されている。
【0004】図5のレーザ素子の製造方法においては、
窒化物系半導体層を形成するために有機金属気相成長法
(MOCVD法)が用いられている。まずサファイア基
板101上にGaN層102を形成後、このGaN層1
02をストライプ状に加工し、その上にn−GaNコン
タクト層103からp−GaNコンタクト層110まで
の半導体レーザ素子構造を積層している。さらに、レー
ザ素子における注入電流を狭窄するために、p型クラッ
ド層109とp−GaNコンタクト層110はリッジス
トライプ状に加工されている。これにより、電流注入さ
れるストライプ状の領域が活性領域となる。その後、サ
ファイア基板101を研磨により薄くしてから、劈開技
術を用いることにより共振器端面を形成している。図5
の例においては、GaN層102をストライプ状に加工
した後に半導体レーザ素子構造を積層しているが、多重
量子井戸構造活性層106は平坦な面上に形成されてい
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】図5に示されているよ
うな従来例の窒化物系半導体レーザ素子では、連続的な
電流注入によって発光特性が急速に劣化するという問題
があり、この半導体レーザ素子を実用化するためには素
子の信頼性を向上させることが重要な課題である。この
急速な特性劣化の原因としては、活性層に用いられてい
る窒化物系半導体結晶中に存在する欠陥が電流注入によ
って増殖することが考えられており、それらの欠陥を低
減する試みがなされてきた。
【0006】例えば、特開平10−312971号公報
では、平坦な表面を有しかつ欠陥の少ない活性層を得る
ために、まず基板上の結晶成長領域をマスクによって制
限し、その基板上でファセット構造を生じるように半導
体層の結晶成長を行う。さらに結晶成長を継続してこの
ファセット構造を完全に埋め込んで平坦な表面を有する
半導体下地層を形成し、その上に窒化物系半導体レーザ
素子構造を積層している。
【0007】また、特開2001−160539公報で
は、基板上に結晶成長により形成された窒化物系半導体
下地層の表面である(0001)面を斜めに研磨するこ
とによって、原子的ステップ構造を有するいわゆるオフ
角度基板を形成し、その上に窒化物系半導体レーザ素子
構造を積層することによって活性層中の欠陥を低減する
技術が示されている。このように斜め研磨を利用した場
合、例えばオフ角度を2度にしようとすれば、1cm四
方の基板に関して窒化物系半導体下地層の厚さを350
μm以上に成長させなければならない。したがって、こ
の技術では大きなオフ角度を得ることが困難であり、微
小なオフ角度の基板上で窒化物系半導体レーザ素子構造
の結晶成長を行うことになる。
【0008】他方、これらの欠陥に関する課題とは別
に、窒化物系半導体の混晶材料においては、相分離に起
因して空間的に不均一な組成を有する混晶を生じ、すな
わち組成の揺らぎが生じる得ることが知られている。特
に、窒化物系半導体レーザ素子の活性層としてよく用い
られるInGaNにおいては、相分離によってIn濃度
が空間的に揺らぎ、このことに起因してInGaN量子
井戸構造活性層内において高いIn濃度を有するドット
状の領域が形成され得る。これらのドットのサイズは非
常に小さいので、量子ドットとして機能させることが考
えられている。
【0009】しかしながら、従来の窒化物系半導体レー
ザ素子には、次のような問題がある。すなわち、特開2
001−160539公報に示された従来例では、半導
体レーザ素子構造を形成するための基板の表面をc面か
ら微小な角度で傾斜させてその上に半導体レーザ素子構
造を積層しても発光特性の劣化を生じ、信頼性が十分に
改善された窒化物系半導体レーザ素子を得ることが困難
である。さらに、従来の窒化物系半導体レーザ素子では
InGaN活性層の相分離によるIn濃度の揺らぎが存
在するので、このIn濃度揺らぎの結果として生じる光
学利得のエネルギ的な広がりにより、発振波長において
十分に高い光学利得を得ることができず、発振閾値電流
密度が増大してしまうという問題もある。
【0010】他方、InGaN量子井戸構造活性層を有
する半導体レーザ素子において形成される高いIn濃度
を有するドット状の領域により量子ドットを形成するこ
とを考える場合においても、それらの量子ドットは自発
的に発生するので、その大きさを均一にそろえることが
できない。したがって、それらのドットの大きさのばら
つきによって光学利得のエネルギ的な広がりを生じてし
まい、この場合にも発振閾値電流密度を低減できないと
いう問題がある。このような相分離によって生じるIn
濃度の揺らぎは、InとGaとを含む窒化物系半導体量
子井戸構造において特に顕著に見られるので、この量子
井戸構造を活性層として用いる半導体レーザ素子におい
ては、素子の信頼性向上とともに、この相分離によるI
n濃度の空間的揺らぎを回避するという課題を解決する
ことも必要である。
【0011】上述のような先行技術の課題に鑑み、本発
明は、発振閾値電流密度が低くかつ信頼性が向上した窒
化物系半導体レーザ素子を提供することを目的としてい
る。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明による窒化物系半
導体レーザ素子は、基板上においてウルツァイト構造の
窒化物系半導体からなるn型層とp型層とに挟まれてい
てInとGaとを含む窒化物系導体からなる量子井戸構
造活性層を含み、この量子井戸構造活性層はその下地層
の結晶学的(1−10n)面(ただし、n=1〜7)ま
たは(11−2m)面(ただし、m=1〜13)に接し
て形成されていることを特徴としている。
【0013】なお、(1−10n)面または(11−2
m)面からなる表面を有する窒化物系半導体層は、基板
の(0001)主面上において傾斜面を生じる結晶成長
により形成され得る。
【0014】また、(1−10n)面または(11−2
m)面からなる表面を有する窒化物系半導体層は、基板
の主面上において誘電体マスクにより選択的に設けられ
たストライプ状結晶成長領域上に形成されるファセット
構造を有することができる。
【0015】さらに、(1−10n)面または(11−
2m)面からなる表面を有する窒化物系半導体層は、基
板の主面上に設けられたストライプ状凹凸構造上に形成
されるファセット構造を有することができる。
【0016】本発明による窒化物系半導体レーザ素子の
製造方法は、ウルツァイト構造を有する下地の窒化物系
半導体層の結晶学的(1−10n)面(ただし、n=1
〜7)または(11−2m)面(ただし、m=1〜1
3)に接して、InとGaとを含む窒化物系半導体から
なる量子井戸構造活性層を気相成長させる工程を含むこ
とを特徴としている。
【0017】なお、その製法では、基板の(0001)
主面上で(1−10n)面または(11−2m)面から
なる表面を有する下地の窒化物系半導体層を気相成長さ
せることができる。
【0018】たとえば、基板の(0001)主面上にお
いて誘電体マスクにより選択的にストライプ状結晶成長
領域を設け、それらのストライプ状結晶成長領域上にお
いてファセット構造の発生による(1−10n)面また
は(11−2m)面からなる表面を有する下地の窒化物
系半導体層を気相成長させることができる。
【0019】あるいは、基板の(0001)主面にスト
ライプ状凹凸構造を形成し、そのストライプ状凹凸構造
上においてファセット構造の発生による(1−10n)
面または(11−2m)面からなる表面を有する下地の
窒化物系半導体層を気相成長させることができる。
【0020】
【発明の実施の形態】本発明者は、窒化物系半導体レー
ザ素子における発光特性の劣化についてその原因を調査
した結果、相分離よって生じるIn濃度の空間的な揺ら
ぎが局所的な格子歪みを引き起こして欠陥の増殖を促進
していることを見出した。したがって、In濃度の揺ら
ぎを抑制することによって、窒化物系半導体レーザ素子
の発振閾値電流値を低減できるとともに、その信頼性の
向上も達成される。
【0021】さらに本発明者が検討したところ、Inと
Gaとを含む窒化物系半導体からなる量子井戸構造にみ
られるIn濃度の空間的な揺らぎは、相分離によって生
じる組成の不均一化の効果とIn原子およびGa原子の
拡散による組成の均一化の効果という2つの要因が競合
した結果として発生していることを見出した。したがっ
て、この量子井戸構造における相分離による組成の不均
一化を低減するためには、拡散による組成の均一化の効
果を増大させればよい。
【0022】この拡散の効果を増大するには原子を動き
やすくして拡散係数を大きくすることが考えられるが、
そのためには結晶成長温度を高める必要がある。ところ
が、そのように成長温度を高めれば、In原子が成長表
面から離脱するなどの問題が生じて、逆に欠陥を大幅に
増加させてしまう。
【0023】そこで、本発明者は、In原子とGa原子
を結晶成長面内で等方的に移動させずに、ある一方向に
対してのみ移動しやすくすることによって、拡散係数が
同じでも結晶成長中における拡散による組成の均一化の
効果を大幅に増大させ得ることを初めて見出した。これ
は、原子の移動をある一方向のみに限定することによっ
て、等方的に移動し得る場合に比べて、実効的に拡散が
促進されて組成の均一化の効果が増大することに起因し
ている。
【0024】(実施例1)図1は、本発明の実施例1に
よる窒化物系半導体レーザ素子を示す模式的な断面図で
ある。このレーザ素子は、(0001)面(c面)を主
面として有するサファイア基板1、GaNバッファ層
2、n−GaNコンタクト層3、n−In0. 1Ga0.9
クラック防止層4、n−Al0.1Ga0.9N第1クラッド
層5、選択的結晶成長領域を規定するためのSiO2
電体マスク6、n−Al0.1Ga0.9N第2クラッド層
7、n−GaNガイド層8、2層のIn0.15Ga0.85
量子井戸層と3層のIn0.03Ga0.97N障壁層とを含む
多重量子井戸構造活性層9、p−GaNガイド層10、
p−Al0.1Ga0.9Nクラッド層11、p−GaNコン
タクト層12、電流狭窄のためのSiO2絶縁膜13、
p側電極14、およびn側電極15を含んでいる。
【0025】図1の窒化物系半導体レーザ素子は、以下
のようにMOCVD法(有機金属気相堆積法)を利用し
て作製し得る。ただし、本発明において利用し得る気相
堆積法はMOCVD法に限られず、窒化物系半導体層を
エピタキシャル成長させ得る方法であればよく、MBE
法(分子線エピタキシ法)やHVPE法(ハイドライド
気相エピタキシ法)などの他の気相成長法を用いること
もできる。
【0026】まず、所定の結晶成長炉内に配置された
(0001)面(c面)を主面として有する厚さ350
μmのサファイア基板1上に、TMG(トリメチルガリ
ウム)とNH3を原料に用いて、基板温度550℃でG
aNバッファ層2を厚さ35nmに成長させる。このよ
うにサファイア基板1上にまず低温でバッファ層2を形
成することにより、その上に積層される窒化物系半導体
層は、基板主面に対してc軸が垂直に配向したウルツァ
イト構造を有するように成長する。次に基板温度を10
50℃まで上昇させて、TMG、NH3、およびSiH4
を用いて、厚さ3μmのSiドープn−GaNコンタク
ト層3を成長させる。
【0027】その後、基板温度を750℃に下げ、TM
G、NH3、SiH4、およびTMI(トリメチルインジ
ュウム)を用いて、厚さ0.1μmのSiドープn−I
0. 1Ga0.9Nクラック防止層4を成長させる。次に、
再び基板温度を1050℃に上げて、TMG、NH3
SiH4、およびTMA(トリメチルアルミニウム)を
原料に用いて、厚さ1.0μmのSiドープn−Al
0.1Ga0.9N第1クラッド層5を成長させる。
【0028】以上の結晶成長終了後、一旦エピタキシャ
ルウエハを成長炉から取り出し、電子ビーム蒸着技術、
フォトリソグラフィ技術、およびエッチング技術を利用
して、ウエハ表面に厚さ200nmのSiO2誘電体マ
スク6を幅15μmのストライプ状に25μmの周期で
形成する。このとき、SiO2誘電体マスク6上ではそ
の表面に垂直な方向に結晶成長が進行しにくいので、こ
のSiO2誘電体マスク6のストライプ外に選択的に結
晶成長領域が設けられることになる。なお、このストラ
イプは、結晶学的<1−100>方向に沿って形成され
た。
【0029】その後、再びこのエピタキシャルウエハを
成長炉内に配置し、基板温度を1050℃として、TM
G、NH3、SiH4、およびTMAを用いて、Siドー
プn−Al0.1Ga0.9N第2クラッド層7を成長させ
る。この時、ウエハ表面に設けられたストライプ状のS
iO2誘電体マスク6の効果として選択的に結晶成長が
進行し、SiO2誘電体マスク6が形成されていない領
域を中心にファセット構造が形成される。本実施例で
は、SiO2誘電体マスク6のストライプを<1−10
0>方向に形成したので、このファセット構造の傾斜面
となるファセット面は(11−2m)面になるが、本実
施例では(11−26)面(すなわち、m=6)が形成
されている。
【0030】次に、原料ガスからTMAを削除して、基
板温度は1050℃のままで厚さ0.1μmのSiドー
プn−GaNガイド層8を成長させる。続けて、基板温
度を750℃に下げて、TMGとNH3とTMIを原料
に用いて、In0.03Ga0.97N障壁層(厚さ5nm)、
In0.15Ga0.85N量子井戸層(厚さ3nm)、In
0.03Ga0.97N障壁層(厚さ5nm)、In0.15Ga
0.85N量子井戸層(厚さ3nm)、およびIn0.03Ga
0.97N障壁層(厚さ5nm)を順次成長させることによ
り、多重量子井戸構造活性層(トータル厚さ21nm)
9を形成する。この時、InGaNからなる多重量子井
戸構造活性層9は、ファセット構造の傾斜面である(1
1−26)面上に形成されることになる。
【0031】その後、再び基板温度を1050℃に上
げ、TMG、NH3、およびCp2Mgを用いて、厚さ
0.1μmのMgドープp−GaNガイド層10を成長
させる。次に、基板温度は1050℃のままでTMAを
原料ガスに追加し、厚さ1.0μmのMgドープp−A
0.1Ga0.9Nクラッド層11を成長させる。続いて、
基板温度は1050℃のままで原料ガスからTMAを削
除し、厚さ0.1μmのMgドープp−GaNコンタク
ト層12を成長させ、こうして窒化物系エピタキシャル
ウエハを完成させる。
【0032】その後、このウエハを800℃の窒素ガス
雰囲気中でアニールして、Mgドープのp型層を低抵抗
化する。
【0033】続いて、フォトリソグラフィとドライエッ
チング技術を利用して、2μm幅のストライプ状リッジ
構造を形成するように、p−GaNコンタクト層12と
p−Al0.1Ga0.9Nクラッド層11をエッチングす
る。この時、ファセット面である(11−26)面に対
して垂直な方向にドライエッチングを行うことによっ
て、図1に示されているように多重量子井戸構造活性層
9に対して垂直なリッジ構造を形成できた。
【0034】その後、同様にフォトリソグラフィとドラ
イエッチング技術を利用して、200μm幅のストライ
プ状にn−GaNコンタクト層3が露出するまでエッチ
ングを行って、メサ構造を作製する。続いて、リッジ構
造の側面とリッジ以外のp型層表面を覆うように厚さ2
00nmのSiO2絶縁膜13を電流阻止層として形成
する。さらに、このSiO2絶縁膜13とp−GaNコ
ンタクト層12の表面を覆うようにニッケルと金の積層
からなるp側電極14を形成し、エッチングにより露出
したn−GaNコンタクト層3の表面にチタンとアルミ
ニウムの積層からなるn側電極15を形成して、窒化物
系半導体レーザ素子ウエハが完成する。
【0035】その後、ウエハのサファイア基板1の裏面
を研磨して、ウエハ厚さを50μmに削減する。薄くさ
れたウエハをリッジストライプに垂直な面で劈開するこ
とによってレーザの共振器端面を形成し、リッジストラ
イプに沿ったレーザ共振器を形成する。ここでは、共振
器の長さを500μmとした。さらに、この共振器端面
にはSiO2層とTiO2層が交互に3層ずつ積層された
λ(波長)/4誘電体多層反射膜を形成し、共振器端面
の反射率を60%とする。
【0036】続いて、このレーザ素子バーを個々のレー
ザ素子チップに分割する。そして、サファイア基板1を
下にして素子チップをステムにマウントし、ワイヤーボ
ンディングにより各電極とリード端子とを接続して、窒
化物系半導体レーザ素子が完成する。
【0037】このようにして作製された窒化物系半導体
レーザ素子の発振波長は410nm、発振閾値電流は4
0mAであり、良好なレーザ特性が得られた。また、こ
のレーザ素子においては発光特性の劣化も見られず、信
頼性が大幅に改善された。このように低い発振閾値電流
値と高い信頼性を有する窒化物系半導体レーザ素子が得
られるのは、In原子とGa原子の表面移動を量子井戸
層上においてある一方向のみに限定した結晶成長により
InGaN多重量子井戸構造活性層9を形成したので、
原子が等方的に移動できる場合に比べて、実効的に拡散
が促進されて組成の均一化の効果が増大し、In濃度の
空間的な揺らぎが抑えられたことによると考えられる。
【0038】図2において、本実施例におけるInGa
N多重量子井戸構造活性層9の結晶成長中の断面が模式
的に図解されている。本実施例ではこの多重量子井戸構
造活性層9を形成する下地面として、n−GaNガイド
層8の(11−26)面を使用している。この指数面を
有する下地面は、図2に示されるように、原子的には
(0001)面(c面)を表面とするテラス部分と<0
001>方向(c軸方向)の1原子層厚さの段差を有す
るステップ部分とを含む周期構造の表面形状を有してい
る。本実施例での(11−26)面においては、ステッ
プ状の段差の大きさは、c軸方向の1原子層の厚さに相
当する0.52nmである。また、平均的表面を表す
(11−26)面の法線とテラス部を構成するc面の法
線とのなす角度は28度であるので、テラス部分の幅は
0.98nmになる。
【0039】このような段差構造を有する下地面にIn
GaN量子井戸構造を結晶成長させれば、気相中から表
面に付着したIn原子やGa原子は、図2中の矢印Aの
方向には自由に移動できるが、矢印Bの方向には1原子
層のステップを乗り越える必要があるので移動が抑制さ
れる。すなわち、原子の移動が矢印Aで示される方向の
みに限定されることになって、原子が等方的に移動でき
る場合に比べて、実効的に拡散が促進されて組成の均一
化の効果が増大する。これによりInGaNからなる多
重量子井戸構造活性層6中における空間的なIn濃度揺
らぎが大幅に改善されて、低い発振閾値電流値と高い信
頼性を有する窒化物系半導体レーザ素子が得られた。
【0040】なお、本実施例では多重量子井戸構造活性
層9を形成する下地面としてn−GaNガイド層8の
(11−26)面を利用しているが、下地面方位はこれ
に限られず、一般に(11−2m)面(ただし、m=1
〜13)であれば本実施例と同等の特性を有する窒化物
系半導体レーザ素子が得られる。
【0041】図3のグラフにおいては、面指数mの値が
種々に変更されたこと以外は本実施例と同様に作製され
た窒化物系半導体レーザ素子に関して、発振閾値電流値
の面指数m依存性が示されている。このグラフから分か
るように、mが13より大きければ、テラス部を構成す
るc面の幅が広くなり過ぎるので図2中の矢印Bの方向
への原子移動の抑制効果が低減し、In濃度の空間的揺
らぎが大きくなる。他方、mが1より小さくなれば、テ
ラス部を構成するc面の幅が狭くなり過ぎるので、矢印
Aの方向にも原子の移動が抑制されてしまう。この結
果、原子の移動をある一方向のみに限定する効果が低減
し、やはりIn濃度の空間的揺らぎが大きくなる。
【0042】また、本実施例ではSiO2誘電体マスク
6のストライプ方向を<1−100>方向に形成した
が、<11−20>方向に形成してもよい。その場合、
Siドープn−Al0.1Ga0.9N第2クラッド層7を成
長させる際にできるファセット構造の傾斜面は(1−1
0n)面になるが、面指数n=1〜7であれば、本実施
例と同等の特性を有する窒化物系半導体レーザ素子が得
られる。
【0043】本実施例ではc面を主面として有するサフ
ァイア基板を用いたが、このc面上に低温バッファ層を
形成することによって、その上にc軸に配向した良好な
結晶性を有するウルツァイト構造の窒化物系半導体層を
成長させることが可能であり、半導体レーザ素子を作製
する場合に有利である。このほかに、SiC基板やGa
N基板のc面を利用しても同様に良好な結晶性を有する
ウルツァイト構造の窒化物系半導体層を成長させること
が可能であり、これらの基板を用いてもよい。なお、基
板としてc面を主面として有するGaN基板を用いた場
合は、低温バッファ層を形成することなく窒化物系半導
体レーザの多層構造を形成でき、サファイア基板やSi
C基板に比較して、さらにレーザ素子構造の結晶性の向
上が可能である。
【0044】本発明において、バッファ層2の材質とし
ては、その上に窒化物系半導体層をエピタキシャル成長
させ得るものであればよく、GaNに限られずにたとえ
ばAlNやAlGaNの3元混晶などを用いてもよい。
【0045】n−GaNガイド層8およびp−GaNガ
イド層10は、それらのエネルギギャップが多重量子井
戸構造活性層9に含まれる量子井戸層のエネルギギャッ
プとn型第2クラッド層7およびp型クラッド層11の
エネルギギャップとの間の値を有するような材料であれ
ば、GaNに限られずにたとえばInGaNの3元混
晶、AlGaNの3元混晶、またはInGaAlNの4
元混晶などを用いてもよい。また、ガイド層全体にわた
ってドナーまたはアクセプターをドーピングする必要は
なく、多重量子井戸構造活性層9側の一部のみをノンド
ープとしてもよく、さらにはガイド層全体をノンドープ
としてもよい。その場合、ガイド層中に存在するキャリ
アが少なくなり、自由キャリアによる光の吸収が低減さ
れて、さらに発振閾値電流が低減できるという利点があ
る。
【0046】多重量子井戸構造活性層9に含まれる2層
のIn0.15Ga0.85N量子井戸層と3層のIn0.03Ga
0.97N障壁層は、必要なレーザ発振波長に応じてその組
成を設定すればよく、発振波長を長くしたい場合は量子
井戸層のIn濃度を大きくし、短くしたい場合は量子井
戸層のIn濃度を小さくする。また量子井戸層と障壁層
は、InGaNの3元混晶に小量の他の元素を含んだ4
元以上の混晶半導体であってもよい。さらに、障壁層と
しては、単にGaNを用いてもよい。さらに、量子井戸
層と障壁層の層数も本実施例に限られずに他の層数にし
てもよく、単一量子井戸構造活性層にされてもよい。
【0047】さらには、電流阻止層としてはSiO2
縁膜13に限られず、SiNなどの他の誘電体絶縁膜、
またはn型導電性もしくは半絶縁性の半導体材料を利用
することもできる。また活性領域を規定するためのスト
ライプ構造は本実施例のようなリッジ構造に限られず、
リッジを形成する際にn型層までエッチングするいわゆ
る埋め込み構造や、電流阻止層を形成した後に電流注入
を行う領域のみに電流阻止層のエッチングを行ういわゆ
る内部電流狭窄構造などの他のストライプ構造であって
もよい。
【0048】(実施例2)図4は、本発明の実施例2に
よる窒化物系半導体レーザ素子を示す模式的断面図であ
る。このレーザ素子は、(0001)面(c面)を主面
として有するサファイア基板21、GaNバッファ層2
2、n−GaNコンタクト層23、n−In0.1Ga0.9
Nクラック防止層24、n−Al0.1Ga0.9Nn型第1
クラッド層25、エッチングにより形成された溝構造2
6、n−Al0.1Ga0.9N第2クラッド層27、n−G
aNガイド層28、2層のIn0.15Ga0.85N量子井戸
層と3層のIn0.03Ga0.97N障壁層とを含む多重量子
井戸構造活性層29、p−GaNガイド層30、p−A
0.1Ga0.9Nクラッド層31、p−GaNコンタクト
層32、電流狭窄のためのSiO2絶縁膜33、p側電
極34、およびn側電極35を含んでいる。
【0049】図4のレーザ素子は、以下のようにして作
製され得る。まず、実施例1の場合と同様にして、所定
の結晶成長炉内に配置された(0001)面を主面とし
て有する厚さ350μmのサファイア基板21上に、厚
さ35nmのGaNバッファ層22、厚さ3μmのSi
ドープn−GaNコンタクト層23、厚さ0.1μmの
Siドープn−In0.1Ga0.9Nクラック防止層24、
および厚さ1.0μmのSiドープn−Al0.1Ga0.9
N第1クラッド層25を順次成長させる。
【0050】以上の結晶成長終了後、一旦エピタキシャ
ルウエハを成長炉から取り出し、フォトリソグラフィ技
術とエッチング技術により、ウエハ表面に幅5μmで深
さ0.6μmのストライプ状の溝構造26を形成する。
本実施例では、このストライプ状溝26を<1−100
>方向に沿って形成した。
【0051】その後、再びこのエピタキシャルウエハを
成長炉内に配置し、基板温度を1050℃として、TM
G、NH3、SiH4、およびTMAを用いてSiドープ
n−Al0.1Ga0.9N第2クラッド層27を成長させ
る。この時、ウエハ表面に設けられたストライプ状の溝
構造26の効果として、溝構造の傾斜面上にファセット
構造を生じる。本実施例では、溝構造26のストライプ
を<1−100>方向に沿って形成したので、このファ
セット構造の傾斜面となるファセット面は(11−2
m)面になるが、本実施例では(11−29)面(すな
わち、m=9)が形成されている。
【0052】次に、原料ガスからTMAを削除して、基
板温度は1050℃のままで厚さ0.1μmのSiドー
プn−GaNガイド層28を成長させる。続けて、基板
温度を750℃に下げて、TMGとNH3とTMIを原
料に用いて、In0.03Ga0.9 7N障壁層(厚さ5n
m)、In0.15Ga0.85N量子井戸層(厚さ3nm)、
In0.03Ga0.97N障壁層(厚さ5nm)、In0.15
0.85N量子井戸層(厚さ3nm)、およびIn0.03
0.97N障壁層(厚さ5nm)を順次成長させることに
より多重量子井戸構造活性層(トータル厚さ21nm)
29を形成する。この時、InGaNからなる多重量子
井戸構造活性層29は、ファセット構造の傾斜面である
(11−29)面上に形成されることになる。
【0053】次に、再び基板温度を1050℃に上げ
て、TMG、NH3、およびCp2Mgを用いて、厚さ
0.1μmのMgドープp−GaNガイド層30を成長
させる。これに続けてTMAを原料ガスに加えて、基板
温度は1050℃のままで厚さ1.0μmのMgドープ
p−Al0.1Ga0.9Nクラッド層31を成長させる。そ
の後、原料ガスからTMAを削除して、基板温度は10
50℃のままで厚さ0.1μmのMgドープp−GaN
コンタクト層32を成長させて、窒化物系エピタキシャ
ルウエハを完成させる。
【0054】その後、このウエハを800℃の窒素ガス
雰囲気中でアニールして、Mgドープのp型層を低抵抗
化する。
【0055】続いて、フォトリソグラフィとドライエッ
チング技術を用いて、1.5μm幅のストライプ状にリ
ッジ構造を形成するように、p−GaNコンタクト層3
2とp−Al0.1Ga0.9Nクラッド層31をエッチング
する。この時、ファセット面である(11−29)面に
対して垂直な方向にドライエッチングを行うことによっ
て、図4に示されているように多重量子井戸構造活性層
29に対して垂直なリッジ構造を形成できた。
【0056】その後、同様のフォトリソグラフィとドラ
イエッチング技術を用いて、200μm幅のストライプ
状にn−GaNコンタクト層23が露出するまでエッチ
ングを行って、メサ構造を作製する。続いて、リッジ構
造の側面とリッジ以外のp型層表面を覆うように厚さ2
00nmのSiO2絶縁膜33を電流阻止層として形成
する。さらに、このSiO2絶縁膜33とp−GaNコ
ンタクト層32の表面を覆うようににニッケルと金の積
層からなるp側電極34を形成する。また、エッチング
により露出したn−GaNコンタクト層23の表面にチ
タンとアルミニウムの積層からなるn側電極35を形成
し、これによって窒化物系半導体レーザ素子ウエハが完
成する。
【0057】その後、このウエハのサファイア基板21
の裏面を研磨してウエハ厚さを50μmにする。その薄
くされたウエハをリッジストライプに対して垂直な面で
劈開することによりレーザの共振器端面を形成し、リッ
ジストライプに沿ったレーザ共振器を形成する。ここで
は、共振器の長さを500μmとした。さらにこの共振
器端面に、SiO2とTiO2が交互に各3層ずつ積層さ
れたλ/4誘電体多層反射膜を形成し、共振器端面の反
射率を60%とする。
【0058】続いて、このレーザ素子バーを個々のレー
ザ素子チップに分割する。そして、サファイア基板21
を下にして素子チップをステムにマウントし、ワイヤー
ボンディングにより各電極とリード端子とを接続して、
窒化物系半導体レーザ素子を完成させる。
【0059】このようにして作製された窒化物系半導体
レーザ素子の発振波長は410nmで、発振閾値電流は
30mAであり、良好なレーザ特性が得られた。また、
このレーザ素子においては、発光特性の劣化も見られ
ず、信頼性が大幅に改善された。このように低い発振閾
値電流値と高い信頼性を有する窒化物系半導体レーザ素
子が得られるのは、In原子とGa原子の表面移動を量
子井戸層上のある一方向のみに限定する結晶成長を用い
てInGaN多重量子井戸構造活性層29を形成したの
で、原子が等方的に移動できる場合に比べて、実効的に
拡散が促進されて組成の均一化の効果が増大し、In濃
度の空間的な揺らぎが抑えられたことによると考えられ
る。
【0060】また、本実施例ではエッチングにより形成
した溝構造26の表面に直接に多重量子井戸構造活性層
29を形成するのではなくて、n−Al0.1Ga0.9N第
2クラッド層27とn−GaNガイド層28とを成長さ
せて清浄化された表面上に形成しているので、レーザ素
子の信頼性が低下することはなかった。
【0061】なお本実施例では、多重量子井戸構造活性
層29を形成する下地面としてn−GaNガイド層28
の(11−29)面を使用しているが、この下地面が一
般に(11−2m)面(ただし、m=1〜13)であれ
ば、本実施例と同等の特性を有する窒化物系半導体レー
ザ素子が得られる。また本実施例では、ストライプ状溝
構造26を<1−100>方向に沿って形成したが、<
11−20>方向に沿って形成されてもよい。その場
合、Siドープn−Al0.1Ga0.9N第2クラッド層2
7を成長させる際にできるファセット構造の傾斜面とな
るファセット面は(1−10n)面になるが、面指数n
=1〜7であれば、本実施例と同等の特性を有する窒化
物系半導体レーザ素子が得られる。
【0062】また本実施例では、エッチングにより形成
した溝構造26を用いたが、これとは逆に表面に形成し
た凸構造を用いることも可能である。この場合、溝構造
の傾斜面上と同様に、凸構造の側面にある傾斜面上にフ
ァセット構造が形成される。このファセット面上に多重
量子井戸構造活性層29を形成すれば、本実施例と同等
の特性を有する窒化物系半導体レーザ素子が得られる。
【0063】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、発振閾
値電流密度が低くかつ信頼性が向上した窒化物系半導体
レーザ素子を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例1による窒化物系半導体レー
ザ素子を示す模式的断面図である。
【図2】 本発明の実施例1による窒化物系半導体レー
ザ素子におけるInGaN多重量子井戸構造活性層9の
結晶成長中の断面を表わす模式図である。
【図3】 本発明の実施例1に係る窒化物系半導体レー
ザ素子における発振閾値電流値の面指数m依存性を示す
グラフである。
【図4】 本発明の実施例2による窒化物系半導体レー
ザ素子を示す模式的断面図である。
【図5】 従来の窒化物半導体レーザ素子の一例を示す
模式的断面図である。
【符号の説明】
1、21 サファイア基板、2、22 GaNバッファ
層、3、23 n−GaNコンタクト層、4、24 n
−In0.1Ga0.9Nクラック防止層、5、25n−Al
0.1Ga0.9N第1クラッド層、6 SiO2誘電体マス
ク、7、27n−Al0.1Ga0.9N第2クラッド層、
8、28 n−GaNガイド層、9、29 多重量子井
戸構造活性層、10、30 p−GaNガイド層、1
1、31p−Al0.1Ga0.9Nクラッド層、12、32
p−GaNコンタクト層、13、33 SiO2絶縁
膜、14、34 p側電極、15、35 n側電極、2
6 溝構造。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板上においてウルツァイト構造の窒化
    物系半導体からなるn型層とp型層とに挟まれていてI
    nとGaとを含む窒化物系導体からなる量子井戸構造活
    性層を含み、 前記量子井戸構造活性層はその下地層の結晶学的(1−
    10n)面(ただし、n=1〜7)または(11−2
    m)面(ただし、m=1〜13)に接して形成されてい
    ることを特徴とする窒化物系半導体レーザ素子。
  2. 【請求項2】 前記(1−10n)面または前記(11
    −2m)面からなる表面を有する窒化物系半導体層は、
    前記基板の(0001)主面上において傾斜面を生じる
    結晶成長により形成されていることを特徴とする請求項
    1に記載の窒化物系半導体レーザ素子。
  3. 【請求項3】 前記(1−10n)面または(11−2
    m)面からなる表面を有する窒化物系半導体層は、前記
    基板の主面上において誘電体マスクにより選択的に設け
    られたストライプ状結晶成長領域上に形成されるファセ
    ット構造を有することを特徴とする請求項1または2に
    記載の窒化物系半導体レーザ素子。
  4. 【請求項4】 前記(1−10n)面または(11−2
    m)面からなる表面を有する窒化物系半導体層は、前記
    基板の主面上に設けられたストライプ状凹凸構造上に形
    成されるファセット構造を有することを特徴とする請求
    項1または2に記載の窒化物系半導体レーザ素子。
  5. 【請求項5】 ウルツァイト構造を有する下地の窒化物
    系半導体層の結晶学的(1−10n)面(ただし、n=
    1〜7)または(11−2m)面(ただし、m=1〜1
    3)に接して、InとGaとを含む窒化物系半導体から
    なる量子井戸構造活性層を気相成長させる工程を含むこ
    とを特徴とする窒化物系半導体レーザ素子の製造方法。
  6. 【請求項6】 基板の(0001)主面上で前記(1−
    10n)面または前記(11−2m)面からなる表面を
    有する前記下地の窒化物系半導体層を気相成長させる工
    程を含むことを特徴とする請求項5に記載の窒化物系半
    導体レーザ素子の製造方法。
  7. 【請求項7】 前記基板の(0001)主面上において
    誘電体マスクにより選択的にストライプ状結晶成長領域
    を設ける工程と、 前記ストライプ状結晶成長領域上においてファセット構
    造の発生による前記(1−10n)面または前記(11
    −2m)面からなる表面を有する前記下地の窒化物系半
    導体層を気相成長させる工程とを含むことを特徴とする
    請求項5または6に記載の窒化物系半導体レーザ素子の
    製造方法。
  8. 【請求項8】 前記基板の(0001)主面にストライ
    プ状凹凸構造を形成する工程と、 前記ストライプ状凹凸構造上においてファセット構造の
    発生による前記(1−10n)面または前記(11−2
    m)面からなる表面を有する前記下地の窒化物系半導体
    層を気相成長させる工程とを含むことを特徴とする請求
    項5または6に記載の窒化物系半導体レーザ素子の製造
    方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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