JP2003232667A - 磁石内蔵中空フロート体の製造方法 - Google Patents

磁石内蔵中空フロート体の製造方法

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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 磁石内蔵中空フロート体と貫通する筒体の中
心が一致しないで製造される場合、電解液面位あるいは
電解液比重が変化してもフロート体がスムーズに浮沈動
しないで正確な検知ができなくなることがある。 【解決手段】中空円筒状磁石を中空フロート体内に成形
埋設する際に、該磁石を中空フロート体に偏芯すること
なく、その中心を一致させて成形埋設するため、1段目
の成形において、磁石の一部を把持して成形し、次い
で、2段目に所定外観形状の中空フロート体に成形する
製造方法とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、蓄電池に用いられ
る磁石内蔵の中空フロート体の製造方法に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】蓄電池の電解液面位や比重を監視する為
に、栓体下部の磁気感応スイッチを備える筒体に中空円
筒状磁石の全表面を樹脂で覆った磁石内蔵中空フロート
体を貫通し、これを電解液に浮かせ、電解液面位の変化
あるいは電解液比重の変化により該中空フロート体を浮
沈動させ、その中空フロート体の浮沈動により遠近する
磁石により磁気感応スイッチをオンオフさせて電解液面
位や電解液比重を検知することが知られている(実開昭
55−141050号公報、実開昭57-138272
号公報)。
【0003】これら蓄電池の電解液面位や比重を検知す
ることは、蓄電池への補液時期や充電時期を明確にする
上で有用である。殊に、最近、環境保護の目的で、トラ
ックやバスなどの自動車に、停車中にアイドリング中の
エンジンを止めるアイドルストップ機能が付加される様
になり、この時に液面位や比重が所定の範囲値でない場
合にエンジンを停止すると、自動車エンジンの再始動が
出来なくなる等のトラブルが発生する場合があるので、
電解液面位や比重の検知はますます重要となっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
磁石内蔵中空フロート体は貫通する筒体に沿ってスムー
ズに浮沈動させるため、フロート体が偏芯することの無
い様に中空円筒状磁石の中心と中空フロート体の中心が
同じになるように製造する必要があるが、従来の方法で
はしばしば偏芯したものが見られ、この偏芯した中空フ
ロート体を用いると該中空フロート体が傾き、これを貫
通する筒体に引っ掛かり電解液面位或いは比重の変化に
伴い浮沈動をしない場合が発生し、結果正確な検知が出
来なくなる等の問題があった。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は上記問題を解決
したもので、中空の磁石を中空の樹脂フロート体に埋設
するに当たり、1段目として磁石の一部、好ましくはそ
の外周面の3箇所以上をしっかりと把持して成形機に配
置し、該磁石の内周面および把持した部分を除く外周面
を樹脂で一度覆い、次いで、2段目として該磁石の樹脂
で覆われた内周面に型を通して該磁石を固定し、該磁石
の外周面に所定の外観形状となるように成形したもので
ある。
【0006】この際、1段目の成形において、該磁石の
外周面の外側にこれを囲繞するリングを形成するとその
後の2段目の成形時の気泡発生を防止し得る。更に、該
リングと磁石外周面を覆う樹脂との間に形成したブリッ
ジを所定外観形状の外面の一部を形成する様に突出させ
ることにより、2段目の成形時に該ブリッジを型の側面
に当接して成形し得より好ましい。
【0007】
【作用】結果、磁石中心とフロート体中心を一致させる
ことが出来、偏芯を無くすことが出来る。
【0008】
【発明の実施の形態】実施の形態としての1実施例を図
に基づいて説明する。
【0009】図1は本発明1実施例の1段目により成形
された仕掛かり中空フロート体を示す斜視図で、(イ)
は表面、(ロ)はその裏面を示す。
【0010】図示される通り、中空円筒状の磁石1は外
周面の一部を除きポリプロピレン樹脂2で覆われてい
る。
【0011】磁石1を樹脂2で被覆する方法は常法によ
り射出成形機で行われるも、磁石1の外周面の1部、図
示の例では3箇所をチャックにより把持固定されて成形
機の型内に入れられる。従って、図示される磁石1の地
肌が見えている部分以外の中空部3の内周面や磁石1の
外周面は成形機型内では空間となっており、該空間に樹
脂を射出することで成形されたものである。
【0012】この例では、磁石1の表面のみならず、更
にその外周面の外側に該外周面を囲繞するリング4を成
形し、磁石1の表面の樹脂層5とはブリッジ6で連結さ
れ一体に成形されている。そして該ブリッジ4は突出さ
せ、所定の外観形状の外面の一部を形成し得るようにし
た。そして該ブリッジ6は、磁石の地肌が見えている部
分、即ち把持した位置から離れる様に、互いに隣り合う
磁石を把持した位置間の中央、実施例では中間に位置す
る部分に形成した。この事により1段目の成形時の樹脂
2と2段目の成形時の樹脂2間に生じるかもしれない僅
かな隙間に電解液が滲みこみ磁石1に到達する距離を長
く出来、磁石1の電解液による腐食を長期に渡り防止し
得る。尚、図1(イ)では中空部3の内周面を被覆する
部分の樹脂も該ブリッジ6と同一高さに突出させた。
【0013】更に同図(ロ)に示される裏面は中空部3
の内周面を被覆する部分の樹脂を突出させた。
【0014】この様に、チャックにより磁石1は成形型
内でしっかり固定されるので、該型内で移動することが
なく所定の位置に固定し得、正確な芯だしが出来る。
【0015】上記1段目の成形を終了後、2段目の成形
をした。
【0016】図2は2段目の成形により所定外観形状に
成形された磁石内蔵中空フロート体の斜視図である。
【0017】図示の通り、中空部3を有したほぼ円柱扁
平状の形をしている。図面上の表面に点線で示した通
り、ブリッジ6および中空部3の内周面を被覆する部分
の突出した樹脂が見える様にし、所定外観形状の外面の
一部を形成する様にした。これはこの部分を2段目の成
形の際、型の側面に当接して配置した為で、この事によ
り、成形機の型内で、1段目で成形した仕掛かり中空フ
ロート体は、その中空部3に貫通される突起状の型と共
にしっかり固定されて移動する事はない。尚、この磁石
内蔵中空フロート体の裏面は一点鎖線示の通り中空部3
が多少突出するテーパー面に形成され、該テーパー面を
下方にして磁気感応スイッチを備える筒体に貫通され使
用されるものである。
【0018】また、内蔵される磁石は、該フロート体の
厚さ方向の中心位置と磁石の厚さ方向の中心位置を同じ
になる様に内蔵させるよりは、磁石の中心位置をフロー
ト体の中心位置より下方にずらし、該フロート体の下部
位置に内蔵した方が動作が安定しより好ましい。
【0019】尚、上記実施例では、1段目でリングを形
成したので、2段目の成形時に成形樹脂内に気泡が発生
することが全く、フロート体の比重が殊更に安定して製
造し得た。
【0020】図3は仕掛かり中空フロート体を成形する
為の1例の成形金型の断面図であり、図1(イ)に記載
される仕掛かり中空フロート体のA−A線に相当する部
分の断面図である。
【0021】図示される通り、移動型7と固定型8を組
合せ所望の空間9を形成し、該空間9に樹脂を射出して
成形されるものである。図中、10は磁石1を把持する
チャックで、磁石1を把持するL字状の把持部11とこ
れを取付ける取付部12からなり、該把持部11は取付
部12に回動自在に枢着され、取付部12との連結杆1
3にテーパー面14が形成され、取付部が図示しないシ
リンダーにより前後動されることにより、把持部11は
固定型8から前進して把持を解除され、後退して把持す
る様になっている。15は磁石1の中空部3に挿入され
る突起状の型で固定型8に一体に取付けられている。1
6は磁石1とその外側のリングとの間に形成される空間
を確保する為の突出型で移動型7に一体に中空円筒状に
形成され、ブリッジを形成する為の空間を形成する為の
切欠部を3つ有している。
【0022】そして、1段目で成形された仕掛かり中空
フロート体は、次いで中空部3に挿通される突起状の型
を有する固定型と所定外観形状の凹部をもつ移動型を組
合せ、2段目の成形が行われて所定外観形状の磁気内蔵
中空フロート体が成形される。
【0023】尚、上記実施例では、磁石1の外周面を把
持した例を示したが、中空内周面および内周面と外周面
あるいは外側面を把持しても良い。
【0024】
【発明の効果】この様に、本発明によれば磁石と中空フ
ロート体の中心を一致させることが出来、偏芯等がな
く、従って該中空フロート体を貫通する筒体に引っ掛か
ったりすることなく、正確に電解液の液面位や比重の変
化に追従して浮沈動し、正確な検知を可能にし得る効果
を奏するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 仕掛かり中空フロート体の斜視図で、(イ)
は表面(ロ)は裏面を示す。
【図2】 所定形状の磁石内蔵中空フロート体の斜視
図。
【図3】 仕掛かり中空フロート体の成形金型断面部分
図。
【符号の説明】
1…磁石 2…樹脂 3…中空部 4…リング 6…ブリッジ 7…移動型 8…固定型 10…チャック
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01M 10/48 101 H01M 10/48 101

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 合成樹脂製のフロート体内に中空円筒状
    の磁石を、中空部を存する様に埋設してなる磁石内蔵中
    空フロート体の製造方法において、成形の1段目に中空
    磁石の一部を把持して樹脂を成形して磁石が把持されて
    いる部分以外の中空内周面と外周面を被覆し、2段目に
    所定外観形状となるように成形することを特徴とする磁
    石内蔵中空フロート体の製造方法。
  2. 【請求項2】 磁石の把持は少なくとも3箇所以上で把
    持することを特徴とする請求項1に記載の磁石内蔵中空
    フロート体の製造方法。
  3. 【請求項3】 該1段目の成形において、把持した中空
    円筒状の磁石の該把持している部分以外の中空内面と外
    周面を被覆すると共に、該磁石の外側面と離間して該外
    周面を囲繞するリングを、磁石外周面を覆う樹脂とはブ
    リッジを介して一体に成形したことを特徴とする請求項
    1または2に記載の磁石内蔵中空フロート体の製造方
    法。
  4. 【請求項4】 該ブリッジは、互いに隣り合う磁石を把
    持した位置間の中央に位置する部分に形成したことを特
    徴とする請求項3に記載の磁石内蔵中空フロート体の製
    造方法。
  5. 【請求項5】 該ブリッジは、2段目の成形時に所定外
    観形状の外面の一部を形成する様に突出して形成される
    ことを特徴とする請求項3または4に記載の磁石内蔵中
    空フロート体の製造方法。
  6. 【請求項6】 内蔵される磁石は、所定外観形状に成形
    された中空フロート体の下部位置に内蔵されることを特
    徴とする請求項1乃至5に記載の磁石内蔵中空フロート
    体の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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