JP2003232576A - 電子除湿装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 除湿水の処理を、排水通路、タンク、警報装
置、排水作業等を要さず、長期間無人で行うことがで
き、安価にする。 【解決手段】 設備箱体１５内に設けられた電子除湿器
１のケース２下部に形成された吸気口３と、ケース２内
の吸気口３上方に設けられ、ペルティエ素子４の冷却部
に接続された冷却フィン５と、冷却フィン５の上方に位
置し、導熱体７を介して素子４の発熱部に接続された放
熱フィン６と、放熱フィン６の上方に設けられた電源部
８及び排気用ファン９と、冷却フィン５の下方に設けら
れた内部水受け１１に接続され、箱体１５外部の外部水
受け１６に導出されたホース１２と、外部水受け１６に
設けられた多孔質の水受けパット２５と、上端部が導熱
体７に熱的に接続され、箱体１５を貫通し、下端部が外
部水受け１６内に位置した導熱板１７と、ケース２外部
における下端部以外の導熱板１７を覆った断熱材２６と
を備える。

Description

【発明の詳細な説明】 【０００１】 【発明の属する技術分野】本発明は、室内の設備箱体内
に設けられ設備箱体内の除湿のみを対象にした電子除湿
器の除湿水を、箱体外部で処理するようにした電子除湿
装置に関する。 【０００２】 【従来の技術】従来、設備箱体内の除湿のみを対象にし
た電子除湿器の除湿水排水処理は、電子除湿器の設置環
境により、除湿器に接続されたホースによる連続排水処
理と、除湿器内のタンクに貯水し、満水時に人により所
定の排水場所で排水するタンク排水処理とに大別され
る。 【０００３】前者の連続排水処理を適用し、主に屋外の
設備箱体に適用される電子除湿装置を、図４を参照して
説明する。同図において、１は電子除湿器、２は電子除
湿器１の縦長のケース、３はケース２の正面下部に形成
された吸気口、４はペルティエ素子、５はケース２内の
吸気口３上方に設けられ、ペルティエ素子４の冷却部に
接続された冷却フィン、６は冷却フィン５の上方に位置
し、導熱体７を介して素子４の発熱部に接続された放熱
フィン、８は放熱フィン６の上方に設けられた制御回路
を備えた電源部、９は電源部８の上方に設けられ、吸気
口３から多湿空気を吸気し、除湿された乾燥空気をケー
ス２上面の排気口１０から排気するファン、１１は冷却
フィン５の下方に設けられた内部水受け、１２は内部水
受け１１に接続されたホースであり、設備箱体の外部へ
導出されている。 【０００４】そして、ファン９により吸気口３からケー
ス２内に吸入されされた多湿空気は、ペルティエ素子４
により冷却された冷却フィン５により除湿冷却され、除
湿水が内部水受け１１からホース１２を通って設備箱体
外へ連続して排水される。冷却フィン５で除湿された空
気は、放熱フィン６で加熱されて排気口１０から排気さ
れ、排気空気は除湿のみされ、排気空気の温度は、ケー
ス２に吸入された温度と殆ど変らない。 【０００５】つぎに、タンク排水処理を、図５を参照し
て説明する。同装置は主に屋内、室内等の設備箱体に適
用され、ケース２内の下部に貯水用タンク１３が設けら
れるとともに、タンク１３の上部に内部水受け１１が設
けられ、タンク１３片側上部に設けられた排水パイプ１
４がケース２から導出されている。 【０００６】そして、ファン９によりケース２両側の吸
気口３から吸入された空気は、その上方に位置した冷却
フィン５により除湿冷却された後、放熱フィン６で加熱
され、排気口１０から排気される。そして、冷却フィン
５からの除湿水が水受け１１を通ってタンク１３に流入
し、タンク１３の満水時、人が同装置を排水し得る場所
に持参し、排水パイプ１４から排水している。この場合
も、ケース２に吸入された空気は除湿のみされ、冷却さ
れない。 【０００７】一方、本出願人の出願に係る実公平７−１
８９４２号公報に記載の除湿冷却装置は、箱体の外壁の
透孔に、吸熱面が箱体の内側、放熱面が箱体の外側に面
した電子冷却素子が配設され、箱体内に吸熱面に接触し
た吸熱フィンが位置し、箱体外に放熱面に接触した放熱
フィンが位置し、吸熱面及び吸熱フィンを内側カバーが
覆い、内側カバーの上面に内側吸気孔が形成され、内側
カバー内の内側吸気孔の近傍に吸気用の内側補助ファン
が設けられ、内側カバーの正面の下部に内側排気孔が形
成され、放熱面及び放熱フィンを外側カバーが覆い、外
側カバーの背面の下部に外側吸気孔が形成され、外側カ
バーの上面に外側排気孔が形成され、外側カバー内の外
側排気孔の近傍に排気用の外側補助ファンが設けられ、
吸熱フィンに結露し内側カバーの底部に落下した水を、
排水管が外側カバー内に排水し、外側カバーの底部に、
排水管からの水を貯留し放熱フィンの下部が浸漬した貯
水槽が形成されたものである。 【０００８】そして、内側補助ファンにより箱体内の空
気が内側吸気孔から内側カバー内に導入され、カバー内
の吸熱フィンにより冷却され、結露水が出る。この冷却
後の低温の空気は、内側排気孔から箱体内に排出され
る。 【０００９】また、外側補助ファンにより外気が外側吸
気孔から外側カバー内に吸込まれ、放熱フィンが吸込ま
れた外気に接触して放熱する。この放熱後の温度上昇し
た空気は、外気排気孔から外部に吐き出される。 【００１０】そのため、箱体内の吸熱作用及び箱体外の
放熱作用が強制対流で効率よく行われ、熱交換効率が向
上して箱体内の冷却が効率よく迅速に行われ、除湿もさ
れる。そして、貯水槽に溜まった結露水が放熱フィンの
熱により外気蒸発が促進される。 【００１１】 【発明が解決しようとする課題】従来の図４に示す装置
の場合、排水ホース１２が設備箱体外へ導出され、連続
排水しているため、排水通路を要し、設備が高価になる
という問題点があり、この装置は、屋外の設備箱体に適
用され、室内の排水処理設備のない所に設置される設備
箱体に適用するのは困難である。 【００１２】また、図５に示す装置の場合、タンク１３
の水が満水時、人が排水可能場所に持参して排水するた
め、人手を要する上、満水を報知する警報装置を要し、
高価になり、かつ長期の無人運転が不可能であり、タン
ク１３の設置スペースも要するという問題点がある。 【００１３】一方、前記公報に記載の装置は、箱体内の
冷却を主目的とし、合わせて除湿も行う装置であり、除
湿のみを対象とし、冷却を行わない場合には適用でき
ず、さらに、貯水槽の結露水を放熱フィンにより蒸発を
促進させるため、大なるエネルギを要し、結露水の処理
効率が悪い。しかも、放熱フィンの下部を貯水槽に浸漬
させるため、放熱フィンが長大になる上、放熱フィンの
一部を切削加工せねばならず、材料上及び加工上高価に
なる。その上、貯水槽の位置も放熱フィンの下方に限定
され、任意の位置に設置できないなど、諸々の問題点が
ある。 【００１４】本発明は、前記の点に留意し、除湿水の処
理を、排水通路、タンク、警報装置、排水作業等を要さ
ず、長期間無人で行うことができる安価な電子除湿装置
を提供することを目的とする。 【００１５】 【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、本発明の電子除湿装置は、設備箱体内に設けられた
電子除湿器のケースと、前記ケースの下部に形成された
吸気口と、前記ケース内の前記吸気口上方に設けられ、
ペルティエ素子の冷却部に接続された冷却フィンと、前
記冷却フィンの上方に位置し、導熱体を介して前記素子
の発熱部に接続された放熱フィンと、前記放熱フィンの
上方に設けられた電源部と、前記電源部の上方に設けら
れ、前記吸気口から多湿空気を吸気し、除湿された乾燥
空気を排気口から排気するファンと、前記冷却フィンの
下方に設けられた内部水受けと、前記内部水受けに接続
され、前記箱体外部の外部水受けに導出されたホース
と、前記外部水受けに設けられた多孔質の水受けパット
と、上端部が前記導熱体に熱的に接続され、前記箱体を
貫通し、下端部が前記外部水受け内に位置した導熱板
と、前記ケース外部における前記下端部以外の前記導熱
板を覆った断熱材とを備えたものである。 【００１６】前記のように構成された本発明の電子除湿
装置は、吸気口の形成された電子除湿器ケース内に、ペ
ルティエ素子、冷却フィン、導熱体、放熱フィン、電源
部、ファン及び内部水受けが設けられ、設備箱体外部の
外部水受けに内部水受けからのホースが導出され、上端
部が導熱体に接続された導熱板が、設備箱体を貫通し、
導熱板の下端部が多孔質の水受けパットの設けられた外
部水受けに位置し、ケース外部における導熱板下端部以
外の導熱板が断熱材で覆われているため、ペルティエ素
子の発生する熱が、断熱材により保温されて放熱せず、
導熱板の下端部に伝達され、外部水受けの水受けパット
に滴下した除湿水は、水受けパットが多孔質であり、導
熱板下端部の熱により水受けパットに吸水された除湿水
の蒸発が促進され、従来のような排水通路、タンク、警
報装置、排水作業等を要さず安価であり、長期間無人で
排水処理ができ、保守作業が不要であり、かつ、外部水
受け、即ち除湿水の蒸発処理位置を任意に決定すること
ができる。 【００１７】 【発明の実施の形態】本発明の実施の１形態を図１ない
し図３を参照して説明する。それらの図において、図４
と同一符号は同一もしくは相当するものを示し、図１と
異なる点はつぎの通りである。 【００１８】電子除湿器１が設置された設備箱体１５の
外部に、外部水受け１６が設けられ、電子除湿器１の内
部水受け１１に接続されたホース１２が、箱体１５を貫
通して外部水受け１６に導出されている。 【００１９】縦長の導熱板１７が設けられ、導熱板１７
の上端部側方に延設部１８が形成され、その延設部１８
に、４個のねじ孔１９と２個のカラー挿通孔２０が透設
されている。 【００２０】放熱フィン６の背面側の導熱体７とケース
２との接続部のケース２背面に、延設部１８が導熱グリ
ース等を介して当接し、ねじ孔１９に挿入されケース２
に螺合したねじ２１により、延設部１８がケース２背面
に締付けられ固着されている。 【００２１】取付金具２２の一片２２ａが設備箱体１５
の内面に取付けられ、カラー挿通孔２０に断熱カラー２
３が挿通され、取付金具２２の他片２２ｂに挿通された
ステンレス製または断熱性樹脂製ボルト２４が、断熱カ
ラー２３を通ってケース２に螺合し、取付金具２２の他
片２２ｂにケース２が固着されている。 【００２２】導熱板１７の上部は箱体１５を貫通して導
出され、導熱板１７の下端折曲部１７ａは、外部水受け
１６内に位置し、折曲部１７ａの下面は、外部水受け１
６底面上の下水受けパット２５ａに当接し、折曲部１７
ａの周面は中水受けパット２５ｂにより囲まれ、折曲部
１７ａの上面は、導熱板１７が貫通した上水受けパット
２５ｃにより覆われ、折曲部１７ａが各パット２５ａ、
２５ｂ、２５ｃからなる水受けパット２５により完全に
覆われ、水受けパット２５は多孔質からなる。さらに、
導熱板１７のケース２との当接部と折曲部１７ａ以外
は、断熱材２６により覆われている。 【００２３】従って、ペルティエ素子４の発生する熱が
断熱材２６に保温されて放熱せず、導熱板１７の下端部
の折曲部１７ａに伝達され、内部水受け１１、ホース１
２から水受けパット２５上に滴下した除湿水の蒸発が促
進され、排水通路、タンク、警報装置、排水作業等を要
さず安価であり、長期間の無人排水ができ、保守作業が
不要である。 【００２４】なお、冷却フィン５により除湿され冷却さ
れた空気は、放熱フィン６で加熱されるため、排水口１
０からの排水空気は、除湿のみされた乾燥空気で、冷却
されることはない。 【００２５】 【発明の効果】本発明は、以上説明したように構成され
ているので、以下に記載されるような効果を奏する。吸
気口３の形成された電子除湿器ケース２内に、ペルティ
エ素子４、冷却フィン５、導熱体７、放熱フィン６、電
源部８、ファン９及び内部水受け１１が設けられ、設備
箱体１５外部の外部水受け１６に内部水受け１１からの
ホース１２が導出され、上端部が導熱体７に接続された
導熱板１７が、設備箱体１５を貫通し、導熱板１７の下
端部が水受けパット２５の設けられた外部水受け１６に
位置し、ケース２外部における導熱板１７下端部以外の
導熱板１７が断熱材２６で覆われているため、ペルティ
エ素子４の発生する熱が、断熱材２６により保温されて
放熱せず、導熱板１７の下端部に伝達され、外部水受け
１６の水受けパット２５に滴下した除湿水は、水受けパ
ット２５が多孔質であり、導熱板１７下端部の熱により
水受けパット２５に吸水された除湿水の蒸発が促進さ
れ、従来のような排水通路、タンク、警報装置、排水作
業等を要さず安価であり、長期間無人で排水処理がで
き、保守作業を不要にすることができ、かつ、外部水受
け１６、即ち除湿水の蒸発処理位置を任意に決定するこ
とができる。

【図面の簡単な説明】 【図１】本発明の実施の１形態の切断側面図である。 【図２】図１の切断平面図である。 【図３】図１の一部の切断右側面図である。 【図４】従来例の切断側面図である。 【図５】他の従来例の切断正面図である。 【符号の説明】 １ 電子除湿器 ２ ケース ３ 吸気口 ４ ペルティエ素子 ５ 冷却フィン ６ 放熱フィン ７ 導熱体 ８ 電源部 ９ ファン １０ 排気口 １１ 内部水受け １２ ホース １５ 設備箱体 １６ 外部水受け １７ 導熱板 ２５ 水受けパット ２６ 断熱材

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 老田 祐司 京都市右京区梅津高畝町47番地 日新電機 株式会社内 Ｆターム(参考） 4D052 AA09 BA06 BB01 FA02

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 【請求項１】 設備箱体内に設けられた電子除湿器のケ
   ースと、 前記ケースの下部に形成された吸気口と、 前記ケース内の前記吸気口上方に設けられ、ペルティエ
   素子の冷却部に接続された冷却フィンと、 前記冷却フィンの上方に位置し、導熱体を介して前記素
   子の発熱部に接続された放熱フィンと、 前記放熱フィンの上方に設けられた電源部と、 前記電源部の上方に設けられ、前記吸気口から多湿空気
   を吸気し、除湿された乾燥空気を排気口から排気するフ
   ァンと、 前記冷却フィンの下方に設けられた内部水受けと、 前記内部水受けに接続され、前記箱体外部の外部水受け
   に導出されたホースと、 前記外部水受けに設けられた多孔質の水受けパットと、 上端部が前記導熱体に熱的に接続され、前記箱体を貫通
   し、下端部が前記外部水受け内に位置した導熱板と、 前記ケース外部における前記下端部以外の前記導熱板を
   覆った断熱材とを備えたことを特徴とする電子除湿装
   置。