JP4323894B2 - ペット用冷房装置 - Google Patents

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Description

本発明は犬や猫等のペット(愛玩用小動物)の暑さ対策として使用されるペット用冷房装置に関する。
犬や猫等のペットも夏になれば人間と同様、暑いのに変わりはなく、暑さ対策としてこれまで様々な機器類が提案されてきた(例えば、特許文献1,2参照)。
特開2002−199823公報(第2−4頁) 特開2000−175582公報(第1−4頁)
特許文献1の技術は、愛玩動物が使用する保冷マットにおいて、熱伝導性部材を有する愛玩動物載置部と、前記愛玩動物載置部の下部に配置された冷却含浸体と、前記冷却含浸体に風を当てる送風装置とを備えた愛玩動物用保冷マットである。
また特許文献2の技術は、ベース上に設置した熱伝導板の表面上にペットが乗るスペースを設け、熱伝導板に電子冷却ユニットを設け、電子冷却ユニットに放熱フィン、放熱フィンに送風する送風ファンを設けた小動物用冷却装置において、送風ファンから放熱フィンに通した排熱をベースの底面側に形成した通気路に流すようにした小動物用冷房装置である。
しかるに、特許文献1の技術は、冷却液タンクから冷却含浸体に冷却液を供給するが、冷却含浸体が全体に亘って均等に冷却液の供給を受けるのは難しく、冷却液タンクから遠くなればなるほど冷却含浸体に冷却液が届き難かった。送風装置からの風をまんべんなく冷却含浸体に当てるのも難しかった。風の流れのムラはそのまま保冷効率の低下につながった。
特許文献2の技術は、ペルチェユニット等の電子冷却ユニットを採用しており、製品コストが高く、また運転コストも高くなっていた。
他に、ペットの載る熱伝導板の下側に保冷剤,蓄冷剤を収納するペット用保冷マット等が提案されているが、ペットの載る熱伝導板が保冷剤,蓄冷剤の過冷却現象で冷えすぎて水滴がつくといった問題があった。
本発明は上記問題点を解決するもので、故障の少ない構造で装置コスト,ランニングコストを抑え、それでいて熱移動が円滑,効率的で、しかも受熱板が濡れずに衛生的なペット用冷房装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成すべく、請求項1に記載の発明の要旨は、上面にペット(P)を載せることのできる熱伝導性の受熱板(10)が設けられた基盤(1)と、該基盤(1)の一側で起立するように配設される放熱板(2)と、前記受熱板(10)の下面側に主部(30)を当接させる一方、該主部(30)から受熱板(10)外に延設する副部(31)を屈曲起立させその起立部分(312)を前記放熱板(2)に当接させるようにしたヒートパイプ(3)と、水溶液(L)を貯溜しその液面上方に前記放熱板(2)を突出するように配設する受槽(4)と、一部を前記水溶液(L)に浸漬させて前記放熱板(2)に被着される濡れ性のあるシート状体(5)と、一部に排気用開口(63)を設けると共にファン取付口(64)を形成し、且つ前記受槽()の上方に空間を確保して前記放熱板()に被着されるシート状体(5)を覆って取付けられるカバーケース(6)と、前記ファン取付口(64)に取着されるファン(7)と、を具備することを特徴とするペット用冷房装置にある。
ここで、「副部(31)を屈曲起立させその起立部分(312)」には、後加工で屈曲させ起立部分を形成する他、成形等で製造当初から主部に対し角度をつけた起立部分を形成するケースも含む。「副部(31)を屈曲起立させ」は副部の起立部分を屈曲起立させれば足りる。「水溶液」には水を含む。
(作用)
請求項1の発明のごとく、受熱板(10)と放熱板(2)とヒートパイプ(3)とを備え、主部(30)から受熱板(10)外に延設する副部(31)を屈曲起立させその起立部分(312)を前記放熱板(2)に当接させるようにしたヒートパイプ(3)が設けられると、ヒートパイプの配設によってペットから熱を奪う冷房機能域と熱を外部へ放出する放熱板の熱放出域とを隔てることが容易になり、ペットに快適な冷房装置になる。そして受熱板(10)の下面側に主部(30)を当接させるヒートパイプ(3)が設けられると、受熱板の角部や或いは受熱板が大きくなっても、ヒートパイプの主部の引き回しや配設本数を適当に増やせば簡単に受熱板全体に亘ってほぼ均一な保冷作用を発揮できる。
槽(4)とシート状体(5)とカバーケース(6)とファン(7)とを備えると、ファンの作動でシート状体から水溶液が蒸発する際の蒸発潜熱で冷却作用が強まるので、ヒートパイプ内の受熱板側で熱を奪って放熱板に達した蒸気流の凝縮がより円滑に進む。放熱板の冷却側は水溶液が蒸発する際の蒸発潜熱を利用し、湿度が制御するので、露点より受熱板温度が下がることがなく、冷えすぎて受熱板に水滴がつくことはない。
本発明のペット用冷房装置は、ヒートパイプの主部を受熱板の下面側に当接させる一方、該主部から受熱板外に延設するヒートパイプの副部を屈曲起立させその起立部分を前記放熱板に当接させるようにしているので、ペットから受熱板に伝えられた熱はヒートパイプで低温部の放熱板に高速移動し、放熱板から熱が速やかに放出される。受熱板にペットが乗っている場合でも、受熱板の下面側に主部を当接させる一方、該主部から受熱板外に延設する副部を屈曲起立させその起立部分を前記放熱板に当接させるようにしたヒートパイプの作用で、放熱を順次安定して行うことができる。そして、受熱板と放熱板とがヒートパイプを介して分離されるので、受熱板が湿らず清潔に保たれる。
さらに、水溶液を貯溜しその液面上方に前記放熱板を突出するように配設する受槽と、一部を前記水溶液に浸漬させて前記放熱板及びヒートパイプに被着される濡れ性のあるシート状体と、一部に排気用開口を設けると共にファン取付口を形成し、且つ前記受槽の上方に空間を確保して前記放熱板及びヒートパイプに被着されるシート状体を覆って取付けられるカバーと、前記ファン取付口に取着されるファンと、を備えると、ファンによる強制風を利用し、さらに放熱に水の蒸発潜熱を利用することができ、受熱板をより効率良く冷却できる。その結果、受熱板は外気温に応じて低めの適度な温度に導かれる。湿度の高い日には水の蒸発が抑えられるので、結露が抑制され受熱板は清潔に保たれる。またヒートパイプはその内部で蒸発,移動,凝縮といった動きがあるが、ヒートパイプの自律作用であってこれに電力は要せず、ファンを使用する電力だけが必要であってランニングコストは安い。稼動部はファンだけで故障は少なく、そもそも構造自体が単純で低コストで製造できるなど数々の優れた効果を発揮する。
以下、本発明に係るペット用冷房装置について詳述する。図1〜図6は本発明のペット用冷房装置の一形態で、図1はカバーケースの上カバーを外した状態の全体斜視図、図2は図1の状態からさらにカバーケースの前ケースと基盤の受熱板とを外した全体斜視図、図3は分解斜視図、図4は受槽及び放熱板周りの斜視図、図5は時間経過に対する各測定部位の温度対比グラフ、図6は(イ)が運転状態下の時間に対する各部温度の計測結果図、(ロ)が運転停止したときの時間に対する各部温度の計測結果図を示す。
ペット用冷房装置は基盤1とヒートパイプ3と放熱板2と受槽4とシート状体5とカバーケース6とファン7と水溶液Lを具備する。
基盤1は底板13とフレーム11と保温部材12と支持部材14とフレーム11と受熱板10とを備える。方形板からなる底板13の一側寄りの上面に所定幅の長方形スペースを確保して、残りの主要部を3本のバーで構成されるフレーム11でコ字形に囲むと共に該主要部上面に文字通りパイプ状のヒートパイプ3を配設する。底板13にはゴム板やプラスチック板等からなる熱伝導度が小の断熱性部材が用いられる。底板13の主要部の上面で、コ字形フレーム11の対向するバー間に、ストレート部分のヒートパイプ主部30を複数本(ここでは3本)互いに所定間隔あけて平行に配設する。
各ヒートパイプ主部30の長手方向両側は長尺の支持部材14が当接し動かぬよう保持する。該支持部材14は保治具141とガイド具142とを具備する。保治具141は該ヒートパイプ径に相当する側面視U字形の屈曲部と該屈曲部の両上端が外方水平に張り出す鍔部を備え、該保治具141の鍔部上面を受熱板10の下面に当接させる。そして側面視U字形の保治具141の屈曲部内にヒートパイプ主部30を当接収納する。保治具141の両側に配されるガイド具142は側面視コ字形にして、図2のごとくガイド具142の上面もまた受熱板10の下面に当接させる。ここでの支持部材14はアルミニウムや銅等の熱伝導性に優れる金属製部材からなる。受熱板10から熱伝導で円滑に熱を受け取り、さらにこの熱をヒートパイプ3に伝え易くするためである。
ヒートパイプ3,支持部材14が埋まった部分以外の底板13上にヒートパイプ3のパイプ径に相当する厚みの盤状保温部材12を載置する。フレーム11に囲われたこれらヒートパイプ3,支持部材14,保温部材12がつくる方形面上に該方形面とほぼ同じ大きさの板状受熱板10をフレーム11の枠内に嵌るようにして載せる。受熱板10は上面にペットPを載せることのできる板状体である。受熱板10がヒートパイプ3,支持部材14,保温部材12がつくる方形面に載置されると、受熱板上面10aとフレーム11上面がほぼ面一となる。この状態で、ヒートパイプ3は受熱板10の下面に主部30を当接する一方、該主部30から一側寄りの受熱板10外に副部31が延設し、その副部31は底板13の一側寄り上面(前記長方形スペース)で屈曲起立し起立部分312を形成する。
受熱板10は平坦な上面10aにペットPを載せることのできる板状体で、且つペットPの体熱を熱移動により円滑に取り除くことのできる熱伝導性材料で造られる。具体的にはアルミニウム板,銅板,ステンレス板等の熱伝導性に優れる金属板等で造られる。アルミニウム板やステンレス鋼からなる受熱板10は熱伝導度が高く且つ衛生的に保ち易くより好ましい材料となる。
ヒートパイプ3は「アルミニウム,ステンレス鋼,銅などのパイプの内側にガラス繊維や網状の細い銅線等でつくったウイック材を張り、内部を減圧にし、フレオン,アンオニア,水等の熱媒体の蒸気の移動と蒸発潜熱の授受によって熱移動を行う装置」(JIS工業用語大辞典より引用抜粋)で、公知品である。本発明では所定長さのパイプ状体からなるヒートパイプ3を前述のごとく受熱板10の下面に主部30を当接させる一方、該主部30から受熱板10外に延設する副部31を屈曲起立させ起立部分312を形成する。起立部分312は図4のごとく横一線に並ばせ、この起立部分312に放熱板2が当接するように取付けられる。
本発明のヒートパイプ3は、内部に毛細管物質のライニング施工のない原始的で単純なヒートパイプでも適用できる。受熱板下面側にあるほぼ水平配設される主部30が高温側吸熱部で、屈曲起立させ主部30より高位置に配設される起立部分312が低温側熱放出部になっているので、熱媒体の蒸気の移動と蒸発潜熱の授受による熱移動が可能だからである。本ペット用冷房装置の低コスト化に寄与する。
放熱板2は主板20と補助板21とを備える。基盤1の一側1a(前記長方形スペース側)で起立するように放熱板2が配設される。主板20は縦がヒートパイプ3の起立部分312の垂直部長さより若干短めで、横は3本あるヒートパイプ3,3,3の両端をカバーする長さがある熱伝導性に富むアルミニウム等の板体である。主板20は図4のような長方形の形をしているが、ヒートパイプ3の当接する部分に側面視U状の窪み201を設け、ヒートパイプ3の起立部分312が該窪み201に嵌合するようになっている。この嵌合によりヒートパイプ3と主板20との当接面が増え、ヒートパイプ3から主板20への熱伝導が円滑に進む。
補助板21は主板20とほぼ同形の熱伝導性に富むアルミニウム等の長方形板であるが、主板20のような窪み201はない。主板20と補助板21とがヒートパイプ3を挟んで該ヒートパイプ起立部分312のメイン312bに固定される。起立部分312の基端から所定長さの基部312aを除いたメイン312bに放熱板が取着される。ヒートパイプ3に固定された放熱板2は、図2のごとく基盤1の一側1aの側縁に沿ってこれと並行して起立する。符号202は主板20と補助板21とをビス等で固定するための透孔を示す。ヒートパイプ3の主部30を出てから起立部分312のメイン312bに至るまでのつなぎ箇所311は熱ロスがないよう断熱部材8で覆われる。ここでは、主板20と補助板21を単なる板状体とするが、フィンを適宜設け熱放散速度を高めるようにすることもできる。
受槽4は基盤1の一側に配置され、貯溜タンク(又はパン)40に水溶液Lを貯溜しその液面上方に前記放熱板2が突出するように配設される設備である。貯溜タンク40の底板13から上方へヒートパイプ3の起立部分312のメイン312bが突き抜けるように配される。貯溜タンク40は上面開口の箱型容器で、ヒートパイプ3と底板13の接合部はシールされ、所定量の水溶液Lを溜めることができる。受槽4に水溶液Lを溜めたときには、液面Lより前記放熱板2が上方にあるよう設定される。起立部分312の基部312aが水溶液に浸かる。符号41は貯溜タンク40を基盤1に固定するサポート部を示す。
ここでいう水溶液Lは水(水道水)または水に滅菌,防腐剤等が添加された溶液である。
シート状体5は一部を前記水溶液Lに浸漬させて前記放熱板2(及びヒートパイプ3)に被着される濡れ性のあるシート状のものである。シート状体5は具体的には紙,繊維素材等によって織物,編物,不織布等の所定大きさのシート状(布状)に仕立てられる。そしてこのシート状体5は、液体が固体表面から気体を押しのけて広がる濡れ性(濡れ現象)を有する。例えば縦糸と横糸を組み合わせた織物からなるシート状体5にあって、シート状体5の一端を水溶液Lに浸漬すれば、その縦糸と横糸の織りなす固体表面及びこれらがつくる隙間に水溶液Lが浸透する。この浸透によってシート状体5の本体5aのほぼ全域を濡らすことができる。
ここでのシート状体5の大きさは、図示のごとく横幅が放熱板2の横長さにほぼ等しく、縦長さは放熱板2に被せたときに該放熱板2の両面に密着して、さらに先端部分(一部)5bが水溶液Lの液中に浸かる長さがある。シート状体5は、図1のごとくシート状体5の先端部分5bを水溶液Lに浸漬させて、ヒートパイプ3を挟着した放熱板2に被着される。
カバーケース6は、前記受槽4の上方に所定空間を設けて前記ヒートパイプ3が取付けられた放熱板2を包み込むおおいである。カバーケース6は前ケース60と後ケース61と上カバー62に分割構成されている。前ケース60は図3のごとく前板部60aと側板部60bと上板部60cとからなり、各部は互いに直角になるよう曲げられている。上板部60cには放熱板2が突き出せるよう切欠き60cを形成している。後ケース61は後板部61aと側板部61bとからなり、側板部61bが後板部61aに対し直角に曲げられている。底板13の一側寄り上面(前記長方形スペース)で該後ケース61と前ケース60とを組み付けると、図1のように受槽4を覆って受槽4内の液面から上方に放熱板2が起立する格好になる。底板13と前ケース60と後ケース61とで放熱板2が起立する部分が開口する方形のボックス体ができる。該ボックス体の上に後ケース61の側板部61bが載り、後板部61aが上に突き出した姿態になるが、さらに上カバー62を組み付ければ、受槽4の上方に空間を確保して放熱板2及びこれに被着されるシート状体5を覆うカバーケース6が完成する。上カバー62は上面板部62aと傾斜板部62bと垂直板部62cとからなり、上カバー62が組みつけられると、その周縁が前ケース60及び後ケース61の周縁に一致し、見栄えの良いカバーケース6が出来上がる。
本実施形態では、後ケース61の両側板部にファン取付口64を設け、また上カバー62の垂直部62c及び後ケース61に係る後板部61aの上カバー上面62a寄りにスリット状排気用開口63を設ける。なお、換気用開口63を後ケース61の後板部61aのみにすれば、熱を奪って換気用開口から放出される風が受熱板10の方に侵入し難くなるため、受熱板10に載るペットPにとってより好ましくなる。また場合によっては、換気用開口63から放出される風をペットPに当て、風による冷房効果を求めることもできる。
そして、両ファン取付口64にそれぞれファン7が取着される。両ファン7,7は放熱板2を真中にして相対向するよう配設され、ファン7が回ることによって放熱板2に被着させたシート状体5へ風を強制的に送ることができる。その風は、水溶液Lが浸透して濡れた状態にあるシート状体5から水の蒸発を促す。蒸発した水すなわち飽和蒸気を含んだ風は排気用開口63から外へ放出される。ファン7は押込みファンのみならず吸引ファンを採用することもできる。
次に、上記構成のペット用冷房装置について、冷房時の熱移動の様子を説明する。貯溜タンク40に水溶液Lを満たしファン7を回した状態にして受熱板10にペットPを載せると、ペットPの体熱は受熱板10へと伝わる。受熱板10に伝わった熱は熱伝導で受熱板10の下面側に設けたヒートパイプ主部30に円滑に伝わる。ヒートパイプ3に伝わった熱はヒートパイプ3のその優れた機能でもって移動し、受熱板10の下面に位置するヒートパイプ主部30から、放熱板2に当接する副部31の起立部分312へと高速熱移動する。すなわち、受熱板10の下面側に在るヒートパイプ主部30にはペットPから奪った受熱板10の熱が熱伝導で伝わるが、主部30のパイプ内ではフレオン,アンオニア,水等の熱媒体の作動液が蒸発し、蒸気流となって低温部の起立部分312へと高速移動する。起立部分312では水溶液Lで濡れたシート状体5にファン7の強制風が当たって、水の蒸発潜熱によりシート状体5,放熱板2が冷やされており、主板20と補助板21に挟着されたヒートパイプ3の起立部分312のパイプ内では前記蒸気流が凝縮して熱を直ちに放出することになる。放出された熱はファン7の風を受けてシート状体5から水が蒸発する際の蒸発潜熱の形に変えて排気用開口63から外へ放散する。前記起立部分312のパイプ内で凝縮した凝縮液は起立部分312を重力落下(場合によってはさらに毛細管現象)によってヒートパイプ主部30へと戻っていく。そして主部30に戻った熱媒体の作動液は再び前記受熱板10から熱を奪い蒸発し、蒸気流となって起立部分312へ高速移動し、奪い取った熱を放熱板2,シート状体5を介して排気用開口63外へ順次放出する動作を繰り返す。ペットPの体熱は受熱板10からヒートパイプ3、放熱板2、シート状体5を濡らした水溶液Lの蒸発へと連続的にしかも効率良く取り除かれていく。
図5は本ペット用冷房装置を用い、ファン7を起動させた後の外気温,受熱板10,放熱板2,水溶液L温度の経時変化を調べた測定結果である。符号Tは外気温度,Tは受熱板温度,Tは水溶液の温度,Tは放熱板の温度[℃]を示す。受熱板10に適度の冷たさがあり、ペット用冷房装置として優れたものであることが判った。人が受熱板10に載ると受熱板10が敏感に反応して熱を奪い取る様子が読み取れる。人(又はペットP)が受熱板10に載ることによって受熱板10は温度上昇する。ここでは人が10分ほど坐ってから立ち退いた。前述の受熱板10からヒートパイプ3、放熱板2、シート状体5、シート状体5を濡らした水溶液Lの蒸発へと熱移動が円滑に行われるのが確認できた。
図6(イ)は運転状態下で、受熱板10に人が載ったときの時間に対する各部温度の計測結果図、図6(ロ)は運転停止したときの時間に対する各部温度の計測結果図を示す。Tは〜Tは図5と同様の各部温度である。運転状態下においては、ペットP(ここでは人)が載っても受熱板10の温度が低く保たれ、ペットPの冷房装置として有用なのが判る。
このように構成したペット用冷房装置は、受熱板10と放熱板2とをヒートパイプ3で連結して熱移動を行っているので、ヒートパイプ3の優れた特性をいかんなく発揮しペットPの体熱を取り除くことが出来る。すなわち、受熱板10の上に載ったペットPの体熱は、受熱板10の下面側に在るヒートパイプ主部30に係るパイプ内の作動液の蒸発によって吸収され、その吸収された熱は放熱板2に挟着,当接された他端側の起立部分312で蒸気の凝縮によって極めて円滑に放出される。本実施形態は受熱板10とヒートパイプ3の当接による熱伝導に加え、支持部材14を介して受熱板10からヒートパイプ3への熱伝達がなされるので、受熱板10からヒートパイプ3への熱移動がより円滑に進む。加えて、起立部分312で水に濡れたシート状体5にファン7の強制風が当たり放熱板2が冷やされるので、温度落差が一段と大きくなり熱移動がより一層進むことになる。放熱板2に被着されたシート状体5からの水の蒸発は、外気温度が高いほど蒸発し易いことから、暑い日にはより快適な環境をペットPに提供できる。かといって、シート状体5からの水の蒸発潜熱を利用し湿気がコントロールするので、受熱板10が冷えすぎるといった不具合は発生しない。ヒートパイプを用いていることから受熱板10に局部的な冷えも起こらず、ペットPにとって優しい冷房装置となる。
さらにヒートパイプ3の採用に伴い、その長さを適宜調整することによって、ペットPの熱を奪い取る受熱板10の場所と放熱板2の場所を切り離すことができる。したがってペットPが載る受熱板10の所を快適な環境にすることができる。
しかも、ペルチェユニット等の高額部品がいらず、構造がシンプルで製造コストは従来品に比べ安く設定できる。ファン7を除けば駆動部がなく、装置本体の分解も可能であり、掃除,メンテナンス管理が楽になり、衛生的に保ち易い。電力が必要なのはファン7だけであり、ランニングコストはさほど要しないなど、数々のメリットがある。
尚、本発明においては、前記実施形態に示すものに限られず、目的,用途に応じて本発明の範囲で種々変更できる。基盤1,放熱板2,ヒートパイプ3,受槽4,シート状体5,カバーケース6,ファン7等の形状,大きさ,材質等は用途に合わせて本発明の範囲内で適宜選択できる。例えば、犬小屋の下部に、放熱板2,受槽4の部位を犬小屋の外に出すようにして受熱板10側の基盤1を嵌入できる横穴を設け、夏場は横から基盤1を該横穴内に挿入,設置することで、犬小屋本体にセット化されるペット用冷房装置とすることもできる。ペット用冷房装置いらないときは抜いておけば、犬小屋として四季を通じ支障なく使用できる。着脱自在の冷房装置付き犬小屋となる。
本発明に係るペット用冷房装置の一形態で、カバーケースの上カバーを外した状態の全体斜視図である。 図1の状態からさらにカバーケースの前ケースと基盤の受熱板とを外したペット用冷房装置の全体斜視図である。 ペット用冷房装置の分解斜視図である。 受槽及び放熱板周りの斜視図である。 時間経過に対する各測定部位の温度対比グラフである。 (イ)が運転状態下の時間に対する各部温度の計測結果図、(ロ)が運転停止したときの時間に対する各部温度の計測結果図である。
符号の説明
1 基盤
10 受熱板
2 放熱板
3 ヒートパイプ
30 主部
31 副部
312 起立部分
4 受槽
5 シート状体
5b 先端部分(一部)
6 カバーケース
64 ファン取付口
7 ファン

Claims (1)

  1. 上面にペット(P)を載せることのできる熱伝導性の受熱板(10)が設けられた基盤(1)と、該基盤(1)の一側で起立するように配設される放熱板(2)と、前記受熱板(10)の下面側に主部(30)を当接させる一方、該主部(30)から受熱板(10)外に延設する副部(31)を屈曲起立させその起立部分(312)を前記放熱板(2)に当接させるようにしたヒートパイプ(3)と、水溶液(L)を貯溜しその液面上方に前記放熱板(2)を突出するように配設する受槽(4)と、一部を前記水溶液(L)に浸漬させて前記放熱板(2)に被着される濡れ性のあるシート状体(5)と、一部に排気用開口(63)を設けると共にファン取付口(64)を形成し、且つ前記受槽()の上方に空間を確保して前記放熱板()に被着されるシート状体(5)を覆って取付けられるカバーケース(6)と、前記ファン取付口(64)に取着されるファン(7)と、を具備することを特徴とするペット用冷房装置。
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