JP2003231401A - 自動二輪車向けタイヤ - Google Patents

自動二輪車向けタイヤ

Info

Publication number
JP2003231401A
JP2003231401A JP2002032029A JP2002032029A JP2003231401A JP 2003231401 A JP2003231401 A JP 2003231401A JP 2002032029 A JP2002032029 A JP 2002032029A JP 2002032029 A JP2002032029 A JP 2002032029A JP 2003231401 A JP2003231401 A JP 2003231401A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
tire
carcass
belt
bead
tread
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2002032029A
Other languages
English (en)
Inventor
Toshifumi Yue
敏文 湯生
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Rubber Industries Ltd
Original Assignee
Sumitomo Rubber Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Rubber Industries Ltd filed Critical Sumitomo Rubber Industries Ltd
Priority to JP2002032029A priority Critical patent/JP2003231401A/ja
Publication of JP2003231401A publication Critical patent/JP2003231401A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Tires In General (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 走行安定性と操舵性との両方に優れた自動二
輪車向けタイヤ1の提供。 【解決手段】 タイヤ1は、トレッド部3、サイドウォ
ール部5、ビード部7、カーカス部9、ベルト部11及
びインナーライナー13を備えている。カーカス部9
は、カーカスプライ23からなる。カーカスプライ23
は、本体部25と、第一巻き上げ部27と、第二巻き上
げ部29とからなる。第一巻き上げ部27は左側のビー
ド部7から始まり、タイヤ赤道面Eを越えて終端してい
る。第二巻き上げ部29は右側のビード部7から始ま
り、タイヤ赤道面Eを越えて終端している。第一巻き上
げ部27と第二巻き上げ部29との重なり幅Woのトレ
ッド幅Wtに対する比率R1は、70%以上90%以下
である。カーカスプライ23は、70°以上80°以下
の角度でタイヤ赤道面と交差するカーカスコードを含
む。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は自動二輪車向けタイ
ヤに関し、詳細にはクラウンオーバーラップ構造のカー
カス部とジョイントレス構造のベルト部とを備えた自動
二輪車向けタイヤに関するものである。
【0002】
【従来の技術】車両の旋回時には、この車両に遠心力が
働く。自動二輪車は、車両の内側への傾斜によって生じ
るキャンバースラストによって遠心力に対向しつつ、旋
回する。旋回時の操舵性の観点から、自動二輪車向けタ
イヤには高い横剛性が要求される。自動二輪車向けタイ
ヤは直進走行時の安定性にも優れる必要があり、従って
トレッド部の剛性が高いことも必要である。
【0003】特開平5−178004号公報(特許第2
628953号公報)には、カーカス部がクラウンオー
バーラップ構造とされた自動二輪車向けタイヤが開示さ
れている。このタイヤでは、カーカスプライのうち一方
のビードコアから折り返された部分が、他方のビードコ
アから折り返された部分と積層されている。両者の重な
り幅は、トレッド幅の20%以上60%以下に設定され
ている。カーカスプライのコードは、タイヤ赤道面とほ
ぼ垂直に交差する。このタイヤは、ベルトコードを備え
た帯体が螺旋巻きされることで得られたベルトプライか
らなるベルト部も備えている。このベルト部の構造は、
ジョイントレス構造と称されている。このタイヤでは、
クラウンオーバーラップ構造のカーカス部とジョイント
レス構造のベルト部とによって、直進走行時に優れた安
定性が発現される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この自
動二輪車向けタイヤでは旋回時のキャンバースラストは
必ずしも十分ではなく、これが原因で操舵性が不十分と
なる場合がある。この傾向は、この自動二輪車向けタイ
ヤが前輪として使用された場合に特に顕著である。クラ
ウンオーバーラップ構造のカーカス部とジョイントレス
構造のベルト部とを備えた自動二輪車向けタイヤにも、
操舵性の観点から、なお改善の余地はある。
【0005】本発明はこのような実情に鑑みてなされた
ものであり、走行安定性と操舵性との両方に優れた自動
二輪車向けタイヤの提供を目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めになされた発明は、その外面がトレッド面をなすトレ
ッド部と、このトレッド部の両端から略半径方向内向き
に延びる一対のサイドウォール部と、このサイドウォー
ル部からさらに略半径方向内向きに延びる一対のビード
部と、両ビード部間に架け渡されたカーカス部と、カー
カス部とトレッド部との間に位置するベルト部とを備え
ており、このカーカス部が、70°以上80°以下の角
度でタイヤ赤道面と交差するカーカスコードを含むカー
カスプライを備えており、このカーカスプライが、一方
のビード部から他方のビード部に至る本体部と、一方の
ビード部のビードコアの周りを内側から外側に折り返さ
れて本体と積層されかつタイヤ赤道面を越えて終端する
第一巻き上げ部と、他方のビード部のビードコアの周り
を内側から外側に折り返されて第一巻き上げ部と積層さ
れかつタイヤ赤道面を越えて終端する第二巻き上げ部と
からなり、第一巻き上げ部と第二巻き上げ部との重なり
幅Woのトレッド幅Wtに対する比率が70%以上90
%以下であり、ベルト部が、長手方向に延びるベルトコ
ードを備えた帯体がタイヤ周方向に対して5°以下の角
度で巻かれることで得られるベルトプライを備えている
自動二輪車向けタイヤ、である。
【0007】この自動二輪車向けタイヤはクラウンオー
バーラップ構造のカーカス部とジョイントレス構造のベ
ルト部とを備えているので、走行安定性に優れる。この
自動二輪車向けタイヤでは、軽量化及び低コスト化が達
成されやすい。さらに、この自動二輪車向けタイヤで
は、70°以上80°以下の角度でタイヤ赤道面と交差
するカーカスコードと、トレッド幅Wtに対して70%
以上90%以下である重なり幅Woとの相乗効果によっ
て、十分なキャンバースラストが発生する。この自動二
輪車向けタイヤは、旋回時安定性及び操舵性に優れてい
る。
【0008】好ましくは、ベルト部の幅Wbと重なり幅
Woとは、下記数式(I)を具備する。 Wb≧Wo −−−(I) これにより、タイヤの横剛性が向上し、旋回時のキャン
バースラストが高められる。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、適宜図面が参照されつつ、
好ましい実施形態に基づいて本発明が詳細に説明され
る。
【0010】図1は、本発明の一実施形態に係る自動二
輪車向けタイヤ1(以下単に「タイヤ」とも称される)
の一部が示された断面図である。この図には、タイヤ1
の中心を通過しかつタイヤ赤道面Eと直交する平面に沿
った断面が示されている。この図1において上下方向が
タイヤ1の半径方向であり、左右方向がタイヤ1の軸方
向である。このタイヤ1は、トレッドパターンを除き、
タイヤ赤道面Eを中心としたほぼ左右対称の形状を呈す
る。このタイヤ1は、トレッド部3、サイドウォール部
5、ビード部7、カーカス部9、ベルト部11及びイン
ナーライナー13を備えている。
【0011】トレッド部3は架橋ゴムからなり、半径方
向外向きに凸な円弧状である。トレッド部3の外面は、
路面と接地するトレッド面を構成する。トレッド面に
は、溝部15とランド部17とからなるトレッドパター
ンが形成されている。
【0012】サイドウォール部5は、トレッド部3の両
端から半径方向内向きに延びている。このサイドウォー
ル部5も、架橋ゴムからなる。サイドウォール部5は、
撓みによって路面からの衝撃を吸収する。また、サイド
ウォール部5は、カーカス部9の外傷を防止する。
【0013】ビード部7は、ビードコア19と、このビ
ードコア19から半径方向外向きに延びるビードエーペ
ックス21とからなる。ビードコア19は環状であり、
複数本の非伸縮性ワイヤー(典型的にはスチール製ワイ
ヤー)からなる。ビードエーペックス21は、半径方向
外向きに先細りであるテーパ状であり、架橋ゴムからな
る。
【0014】カーカス部9は、1枚のカーカスプライ2
3からなる。カーカスプライ23は、トレッド部3、サ
イドウォール部5及びビード部7の内周面に沿うよう
に、両側のビード部7の間に架け渡されている。カーカ
スプライ23は、本体部25と、本体部25の左端にお
いてこの本体部25と連続する第一巻き上げ部27と、
本体部25の右端においてこの本体部25と連続する第
二巻き上げ部29とからなる。本体部25は、左側のビ
ード部7の内側から右側のビード部7の内側にまで至っ
ている。第一巻き上げ部27は、左側のビード部7のビ
ードコア19の周りを内側から外側に折り返され、本体
部25の外周面と積層されている。第一巻き上げ部27
の端部は、トレッド部3の内側であってかつタイヤ赤道
面Eよりも右側に位置している。換言すれば、第一巻き
上げ部27は左側のビード部7から始まり、タイヤ赤道
面Eを越えて終端している。第二巻き上げ部29は、右
側のビード部7のビードコア19の周りを内側から外側
に折り返され、まず本体部25の外周面と積層され、続
いて第一巻き上げ部27の外周面と積層されている。第
二巻き上げ部29の端部は、トレッド部3の内側であっ
てかつタイヤ赤道面Eよりも左側に位置している。換言
すれば、第二巻き上げ部29は右側のビード部7から始
まり、タイヤ赤道面Eを越えて終端している。
【0015】このカーカス部9では、左側のサイドウォ
ール部5の内側において本体部25と第一巻き上げ部2
7とが積層されており、この領域にカーカスプライ23
の端部が存在していない。また、右側のサイドウォール
部5の内側において本体部25と第二巻き上げ部29と
が積層されており、この領域にカーカスプライ23の端
部が存在していない。さらに、赤道面E近傍では、本体
部25、第一巻き上げ部27及び第二巻き上げ部29
が、3層構造をなす。このようなカーカス部9の構造
は、本明細書ではクラウンオーバーラップ構造と称され
る。
【0016】ビード部7からサイドウォール部5に至る
領域は、走行時に大きな応力が加わる領域である。この
領域にカーカスプライ23の端部が存在していると、剥
離が生じやすい。前述のようにクラウンオーバーラップ
構造ではこの領域にカーカスプライ23の端部が存在し
ていないので、このタイヤ1は耐久性に優れる。
【0017】直進走行時には、トレッド面の中央近傍が
接地する。前述のように、カーカス部9の赤道面E近傍
ではカーカスプライ23が3層構造となっているので、
カーカス部9の剛性が高い。この高剛性は、直進時の走
行安定性に寄与する。特に、大型の自動二輪車では、こ
の効果が顕著である。
【0018】インナーライナー13は、カーカス部9の
内周面に接合されている。インナーライナー13も、架
橋ゴムからなる。インナーライナー13には、空気透過
性の少ないゴムが用いられる。インナーライナー13
は、タイヤ1の内圧を保持する役割を果たす。
【0019】ベルト部11は、ベルトプライ31からな
る。図2は、加硫工程前のベルトプライ31が示された
断面斜視図である。図2において矢印Aで示されている
のは、タイヤ1の周方向である。ベルトプライ31は、
カーカス部9の外周面に長尺の帯体33が螺旋状に周巻
きされることで形成されている。帯体33は、ほぼタイ
ヤ周方向に、かつタイヤ赤道面Eに対して若干傾斜して
延びる。帯体33とタイヤ赤道面Eとの交差角度は、通
常は5°(degree)以下である。本明細書では、
帯体33が周巻きされてなるベルト部11の構造は、ジ
ョイントレス構造と称される。ジョイントレス構造のベ
ルト部11は低剛性なので、旋回時にトレッド部3のシ
ョルダーが接地して高いキャンバースラストが発生する
ことを促進する。
【0020】図3は、図2のベルトプライ31の帯体3
3が示された拡大断面斜視図である。この図に示されて
いるように、帯体33は並列された2本のベルトコード
35と、トッピングゴム37とからなる。ベルトコード
35は、トッピングゴム37に埋設されている。ベルト
コード35は、帯体33の長手方向に延びている。前述
のように帯体33は螺旋状に周巻きされているので、ベ
ルトコード35も螺旋状に周巻きされている。換言すれ
ば、ベルトコード35もジョイントレスである。このベ
ルトコード35はカーカス部9を均一にタガ締めし、リ
フティングを抑制する。帯体33におけるベルトコード
35の本数は1本でもよく、3本以上でもよい。
【0021】ベルト部11は、第一巻き上げ部27と第
二巻き上げ部29との重なり部分を堅固に固定する。従
って、左側のビードコア19の周りで本体部25と第一
巻き上げ部27とが互いに相手の動きを拘束し、右側の
ビードコア19の周りで本体部25と第二巻き上げ部2
9とが互いに相手の動きを拘束する。これにより、タイ
ヤ1の横剛性が向上し、旋回時のキャンバースラストが
高められる。このベルト部11の採用により、通常のタ
イヤに比べてカーカスプライの枚数が低減されうる。カ
ーカスプライの枚数低減は、タイヤ1の軽量化及び低コ
スト化に寄与する。
【0022】ベルトコード35の材質は特には制限され
ないが、ポリアミド繊維等の有機繊維や、スチール繊維
等の金属繊維が好適に用いられうる。繊維太さは特には
制限されず、通常は940デシテックスから2100デ
シテックスのものが賞揚される。通常、ベルトコード3
5の密度(5cm当たりの本数)は、30エンズ以上6
0エンズ以下とされる。密度は、コードに対して垂直方
向の断面において測定される。2本以上の繊維が撚られ
てベルトコード35が形成されてもよい。
【0023】図2に示されるように、周巻きの際、帯体
33の一部は隣接する帯体33と重ねられるのが好まし
い。これにより、ベルトプライ31の位置ズレが確実に
防止される。
【0024】図4(a)は図1のタイヤ1のカーカスプ
ライ23の一部が示された平面図であり、図4(b)は
図4(a)のB−B線に沿った拡大断面図である。図4
(a)における上下方向はタイヤ周方向であり、左右方
向はタイヤ軸方向である。図4(b)に示されているよ
うに、カーカスプライ23は並列する多数のカーカスコ
ード39とトッピングゴム41とから構成されている。
カーカスコード39は、トッピングゴム41に埋設され
ている。
【0025】図4(a)において両矢印θで示されてい
るのは、カーカスコード39とタイヤ赤道面Eとの交差
角度(degree)である。このタイヤ1では、交差
角度θは70°以上80°以下に設定されている。この
交差角度θは、前述の特開平5−178004号公報に
開示されたタイヤ1の交差角度に比べて小さい。小さな
交差角度θは、旋回時のキャンバースラストの増加に寄
与する。このタイヤ1は、旋回時安定性及び操舵性に優
れる。この観点から、交差角度θは78°以下が特に好
ましい。交差角度θが上記範囲未満であると、ラジアル
タイヤとしてのの特性が損なわれ、タイヤ1の転がり抵
抗が大きくなったり、耐摩耗性が低下するおそれがあ
る。この観点から、交差角度θは72°以上がより好ま
しい。
【0026】カーカスコード39の直径(図4(b)に
おいて両矢印Dで示されている)は、通常は0.5mm
以上1.5mm以下、特には0.7mm以上1.3mm
以下に設定される。カーカスプライ23の厚み(図4
(b)において両矢印Tで示されている)は、通常は
0.6mm以上1.6mm以下、特には0.8mm以上
1.4mm以下に設定される。
【0027】カーカスコード39の材質は特には制限さ
れず、ポリアミド繊維、レーヨン繊維、ポリエステル繊
維、アラミド繊維等が好適に用いられうる。繊維太さは
特には制限されず、通常は940デシテックスから21
00デシテックスのものが賞揚される。通常、カーカス
コード39の密度(5cm当たりの本数)は30エンズ
以上55エンズ以下とされる。密度は、コードに対して
垂直方向の断面において測定される。2本以上の繊維が
撚られてカーカスコード39が形成されてもよい。この
場合、10cm当たりの撚り数は、30回以上55回以
下とされる。
【0028】第一巻き上げ部27と第二巻き上げ部29
との重なり幅(図1において両矢印Woで示されてい
る)のトレッド幅(図1において両矢印Wtで示されて
いる)に対する比率R1は、70%以上90%以下に設
定されている。この比率R1は、前述の特開平5−17
8004号公報に開示されたタイヤ1における重なり幅
の比率に比べて大きい。換言すれば、このタイヤ1で
は、重なり幅Woが大きく設定されている。大きな重な
り幅Woは、旋回時のキャンバースラストの増大に寄与
する。このタイヤ1は、旋回時安定性及び操舵性に優れ
る。この観点から、比率R1は75%以上がより好まし
く、80%以上が特に好ましい。この比率R1が上記範
囲を超えると、タイヤ1の耐久性が不十分となるおそれ
がある。この観点から、比率R1は87%以下が特に好
ましい。トレッド幅Wt及び重なり幅Woの値は、上記
範囲の比率R1が達成される範囲で適宜設定される。
【0029】ベルト部11の幅(図1において両矢印W
bで示されている)のトレッド幅Wtに対する比率R2
は、85%以上95%以下が好ましい。比率R2が上記
範囲未満であると、トレッドショルダー近傍におけるタ
ガ効果が不十分となることがある。この観点から、比率
R2は87%以上が特に好ましい。比率R2が上記範囲
を超えると、タイヤ1の耐久性が不十分となり、しかも
タイヤ1の製造に困難を伴うことがある。この観点か
ら、比率R2は93%以下が特に好ましい。
【0030】ベルト部11によって第一巻き上げ部27
と第二巻き上げ部29との重なり部分全体が覆われるの
が好ましい。換言すれば、ベルト部11の幅Wbと重な
り幅Woとが下記数式(I)を具備するのが好ましい。 Wb≧Wo −−−(I) これにより、タイヤ1の横剛性が向上し、旋回時のキャ
ンバースラストが高められる。
【0031】重なり幅Wo、トレッド幅Wt及びベルト
部11の幅Wbは、タイヤ1が正規リムに組み込まれ、
正規内圧となるように空気が充填された状態で測定され
る。本明細書において正規リムとは、タイヤ1が依拠す
る規格を含む規格体系において定められたリムを意味す
る。JATMA規格における「標準リム」、TRA規格
における「Design Rim」、及びETRTO規格における
「Measuring Rim」は、正規リムである。本明細書にお
いて正規内圧とは、タイヤ1が依拠する規格を含む規格
体系において定められた内圧を意味する。JATMA規
格における「最高空気圧」、TRA規格における「TIRE
LOAD LIMITS AT VARIOUS PRESSURE」に掲載された「最
大値」、及びETRTO規格における「INFLATION PRES
SURE」は、正規内圧である。
【0032】このタイヤ1では1枚のカーカスプライ2
3が用いられているが、複数枚のカーカスプライからカ
ーカス部が構成されてもよい。複数枚のカーカスプライ
が用いられる場合、これらのうちの少なくとも1枚にお
いて、70%以上90%以下の比率R1が達成される必
要がある。
【0033】
【実施例】以下、実施例によって本発明の効果が明らか
にされるが、この実施例の記載に基づいて本発明が限定
的に解釈されるべきではない。
【0034】[実施例1]図1から図4に示された構造
を備えた、自動二輪車の前輪用のタイヤを製作した。こ
のタイヤのサイズは120/70ZR17であり、トレ
ッド幅Wtは120mmである。カーカスコードはポリ
アミド繊維からなり、その寸度は1400dtex/2
であり、タイヤ赤道面との交差角度θは75°であり、
密度は51エンズである。第一巻き上げ部と第二巻き上
げ部との重なり幅Woは、102mmである。従って、
重なり幅Woのトレッド幅Wtに対する比率R1は、8
5%である。ベルトコードはアラミド繊維からなり、そ
の寸度は1670dtex/2であり、密度は50エン
ズである。ベルト部の幅Wbは、110mmである。
【0035】[実施例2及び5並びに比較例2]カーカ
スコードの交差角度θを下記表1に示されるように変更
した他は実施例1と同様にして、実施例2及び5並びに
比較例2のタイヤを得た。
【0036】[実施例3及び4並びに比較例1]第一巻
き上げ部と第二巻き上げ部との重なり幅Woを下記表1
に示される値とし、比率R1を下記表1に示されるよう
に変更した他は実施例1と同様にして、実施例3及び4
並びに比較例1のタイヤを得た。
【0037】[従来例]カーカスコードの交差角度θ、
第一巻き上げ部と第二巻き上げ部との重なり幅Wo、及
び比率R1を下記表1に示されるように変更した他は実
施例1と同様にして、従来例のタイヤを得た。このタイ
ヤは、特許第2628953号に係る発明の技術的範囲
に含まれるものである。
【0038】[実用評価]上記タイヤを、排気量が75
0cmであるスポーツタイプの自動二輪車の前輪に装
着した。この自動二輪車を熟練ライダーに運転させ、高
速周回路における260km/hまでの速度での運転
時、及び操舵性テストコースでの運転時の、直進安定
性、旋回安定性、操舵応答性、リーン特性及び剛性感を
評価させた。従来例のタイヤの評価を100としたとき
の指数が、下記の表1に示されている。
【0039】[コーナリングパワーの測定]フラットベ
ルト式タイヤ6分力測定装置を用い、下記の測定条件で
コーナリングパワーを測定した。 使用リム:MT3.50 内圧:250kPa 荷重:1.5kN 速度:30km/h キャンバー角:0° スリップ角:1° 従来例のタイヤのコーナリングパワーを100としたと
きの指数が、下記の表1に示されている。
【0040】[縦剛性及び横剛性の評価]下記の条件に
て、タイヤの縦バネ定数及び横バネ定数を測定した。 使用リム:MT3.50 内圧:250kPa 荷重:1.5kN 従来例のタイヤのバネ定数を100としたときの指数
が、下記の表1に示されている。
【0041】
【表1】
【0042】表1に示されているように、各実施例のタ
イヤは、直進安定性、旋回安定性、操舵応答性、リーン
特性、剛性感、コーナリングパワー、縦剛性及び横剛性
の全てにおいて、従来例及び各比較例のタイヤよりも優
れている。これらの評価結果より、本発明の優位性は明
らかである。
【0043】
【発明の効果】以上説明されたように、本発明の自動二
輪車向けタイヤは、走行安定性と操舵性との両方に優れ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の一実施形態に係る自動二輪車
向けタイヤの一部が示された断面図である。
【図2】図2は、加硫工程前のベルトプライが示された
断面斜視図である。
【図3】図3は、図2のベルトプライの帯体が示された
拡大断面斜視図である。
【図4】図4(a)は図1のタイヤのカーカスプライの
一部が示された平面図であり、図4(b)は図4(a)
のB−B線に沿った拡大断面図である。
【符号の説明】
1・・・自動二輪車向けタイヤ(タイヤ) 3・・・トレッド部 5・・・サイドウォール部 7・・・ビード部 9・・・カーカス部 11・・・ベルト部 13・・・インナーライナー 15・・・溝部 17・・・ランド部 19・・・ビードコア 21・・・ビードエーペックス 23・・・カーカスプライ 25・・・本体部 27・・・第一巻き上げ部 29・・・第二巻き上げ部 31・・・ベルトプライ 33・・・帯体 35・・・ベルトコード 37・・・トッピングゴム 39・・・カーカスコード 41・・・トッピングゴム E・・・タイヤ赤道面 Wb・・・ベルト幅 Wo・・・重なり幅 Wt・・・トレッド幅

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 その外面がトレッド面をなすトレッド部
    と、このトレッド部の両端から略半径方向内向きに延び
    る一対のサイドウォール部と、このサイドウォール部か
    らさらに略半径方向内向きに延びる一対のビード部と、
    両ビード部間に架け渡されたカーカス部と、カーカス部
    とトレッド部との間に位置するベルト部とを備えてお
    り、 このカーカス部が、70°以上80°以下の角度でタイ
    ヤ赤道面と交差するカーカスコードを含むカーカスプラ
    イを備えており、 このカーカスプライが、一方のビード部から他方のビー
    ド部に至る本体部と、一方のビード部のビードコアの周
    りを内側から外側に折り返されて本体と積層されかつタ
    イヤ赤道面を越えて終端する第一巻き上げ部と、他方の
    ビード部のビードコアの周りを内側から外側に折り返さ
    れて第一巻き上げ部と積層されかつタイヤ赤道面を越え
    て終端する第二巻き上げ部とからなり、 第一巻き上げ部と第二巻き上げ部との重なり幅Woのト
    レッド幅Wtに対する比率が70%以上90%以下であ
    り、 ベルト部が、長手方向に延びるベルトコードを備えた帯
    体が5°以下の角度でタイヤ赤道面と交差するように周
    巻きされてなるベルトプライを備えている自動二輪車向
    けタイヤ。
  2. 【請求項2】 上記ベルト部の幅Wbと重なり幅Woと
    が下記数式(I)を具備する請求項1に記載の自動二輪
    車向けタイヤ。 Wb≧Wo −−−(I)
JP2002032029A 2002-02-08 2002-02-08 自動二輪車向けタイヤ Pending JP2003231401A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002032029A JP2003231401A (ja) 2002-02-08 2002-02-08 自動二輪車向けタイヤ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002032029A JP2003231401A (ja) 2002-02-08 2002-02-08 自動二輪車向けタイヤ

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2003231401A true JP2003231401A (ja) 2003-08-19

Family

ID=27775262

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002032029A Pending JP2003231401A (ja) 2002-02-08 2002-02-08 自動二輪車向けタイヤ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2003231401A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007083703A (ja) * 2005-08-22 2007-04-05 Sumitomo Rubber Ind Ltd タイヤの製造方法

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007083703A (ja) * 2005-08-22 2007-04-05 Sumitomo Rubber Ind Ltd タイヤの製造方法
JP4700548B2 (ja) * 2005-08-22 2011-06-15 住友ゴム工業株式会社 タイヤの製造方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3943506B2 (ja) 空気入りタイヤ
JP4723310B2 (ja) 空気入りタイヤ
JP5138923B2 (ja) 自動二輪車用タイヤ
JP5075688B2 (ja) 自動二輪車用タイヤ
JP4956049B2 (ja) 自動二輪車用空気入りタイヤ
EP2610075A1 (en) Two-wheeled automotive vehicle tire
EP2261060B1 (en) Motorcycle tire
JP5399535B2 (ja) 二輪自動車用タイヤ
JP4912668B2 (ja) 自動二輪車用空気入りタイヤ
JP4452135B2 (ja) 自動二輪車用空気入りタイヤ
JP6458120B2 (ja) 二輪自動車用空気入りタイヤ
JP4583891B2 (ja) 自動二輪車用タイヤ
EP1642752A1 (en) Radial tyre for motorcycle
JP4528240B2 (ja) 自動二輪車用タイヤ
JP4758248B2 (ja) 自動二輪車用タイヤ
JP2007182098A (ja) 自動二輪車用タイヤ
JP4675710B2 (ja) 自動二輪車用タイヤ
JP5350749B2 (ja) 二輪自動車用タイヤ対
JP2003231401A (ja) 自動二輪車向けタイヤ
JP5541614B2 (ja) 空気入りタイヤ
JP2008195360A (ja) 空気入りタイヤ
JP2009101719A (ja) 自動二輪車用空気入りタイヤ
JP4515124B2 (ja) 空気入りタイヤ
JP4851244B2 (ja) 自動二輪車用空気入りタイヤ
JP2009107508A (ja) 二輪自動車用空気入りタイヤ

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20041217

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20061117

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20061205

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20070403