JP2003230369A - 調味料及び魚・肉の料理方法 - Google Patents

調味料及び魚・肉の料理方法

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JP2003230369A
JP2003230369A JP2002030157A JP2002030157A JP2003230369A JP 2003230369 A JP2003230369 A JP 2003230369A JP 2002030157 A JP2002030157 A JP 2002030157A JP 2002030157 A JP2002030157 A JP 2002030157A JP 2003230369 A JP2003230369 A JP 2003230369A
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Misako Kuwana
名 美 佐 子 桑
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Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明は調味料及び魚・肉の料理方法に関する
もので、鰯の料理において、死海の海水からつくられた
塩を少量調味料として使用すれば、鰯の生臭さみが殆ど
消えることを見出した。この知見に基づいて死海の塩の
成分とこの効果の関係について、検討して魚・肉等の料
理で使用できる新しい組成を有する調味料を開発して、
提供しょうとするものである。 【解決手段】主成分が塩化ナトリウム及び、塩化マグネ
シウム、塩化カリウム、塩化カルシウムからなり、塩化
ナトリウム含有量(Na+ として) に対して、塩化マグネ
シウム (Mg++として) の含有量が 50 〜180 重量%であ
り、塩化カリウム(K+ として) の含有量が 80 〜200 重
量%であり、塩化カルシウムの含有量が (Ca++として)
1〜5重量%である組成物、またはこれらの塩化物の一
部が臭化物に置換され、塩化物含有量(Cl- として) に
対して、臭化物含有量 (Br- として) が 0.5〜5重量%
である組成物、または更に前述の成分の他に、微量の
鉄、亜鉛、マンガンの無機化合物を含む組成物からなる
調味料である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は調味料及び魚・肉の
料理方法に関するもので、更に詳しく述べると主成分と
して、塩化ナトリウム及び、塩化マグネシウム、塩化カ
リウム、塩化カルシウムからが特定の比率で含まれ、且
つこれらの塩化物の一部が臭化物に置換された成分から
なる組成物である。本発明は死海の海水からつくられた
塩の使用方法について研究した結果得られたもので、魚
・肉の料理においてこの組成物を調味料として使用すれ
ば、魚特に鰯、秋刀魚、マトン等の料理の生臭さみを消
すために顕著な効果が認められる。
【0002】
【従来の技術】死海の海水に含まれる塩分は極めて高濃
度であること及び、特異な組成を有することはよく知ら
れている。また、死海の海水からつくられた塩または海
岸に生成している岩塩は、古代から医療・美容等多くの
用途に使用されていたこともよく知られている。また古
代から中世にかけてこれらの塩が一部食塩として使用さ
れることもあった。
【0003】しかし、死海の塩には極めて多量の塩化マ
グネシウムが含まれているため、苦みが非常に強く不味
いため、近代に入ってからは調味料等として食品に添加
することは到底考えられない。従って、本発明の調味
料、魚特に鰯、秋刀魚またはマトン等の料理方法は全く
知られていない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】鰯の料理において、死
海の海水からつくられた塩を少量調味料として使用すれ
ば、鰯の生臭さみが殆ど消えることを見出した。この知
見に基づいて死海の塩の成分とこの効果の関係につい
て、検討して魚・肉等の料理で使用できる新しい組成を
有する調味料を開発して、提供しょうとするものであ
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】最近食塩としては塩化ナ
トリウムの純度が極めて高い、海水からイオン交換膜法
でつくられた食塩が使用されている。しかし、料理の味
が従来の食塩に較べて劣ることが指摘され、その原因が
従来の食塩に含まれていた塩化ナトリウム以外の海水の
成分が、殆ど含まれていないためであるとされている。
このため高純度の食塩に少量のニガリ (塩化マグネシウ
ム) を混合した料理用食塩が販売されている。本発明者
はこの点に着目して、これらの料理用食塩よりも更にニ
ガリ (塩化マグネシウム) 等の成分を多量に含む、死海
の海水からつくられた塩の食品の分野における使用方法
について研究した。
【0006】その結果、鰯、秋刀魚等の魚の料理におい
て、この塩を少量調味料として使用すれば、鰯、秋刀魚
等の魚類またはマトン等の肉類の生臭さみを消すため
に、顕著な効果があることを見出した。これらの知見に
基づいて、死海の海水からつくられた塩に含まれる成分
とこれらの効果との関係について、検討した結果本発明
に到達した。
【0007】すなわち、主成分が塩化ナトリウム及び、
塩化マグネシウム、塩化カリウム、塩化カルシウムから
なり、塩化ナトリウム含有量(Na+ として) に対して、
塩化マグネシウム (Mg++として) の含有量が 50 〜180
重量%であり、塩化カリウム(K + として) の含有量が 8
0 〜200 重量%であり、塩化カルシウムの含有量が (Ca
++として) 1〜5重量%である組成物、またはこれらの
塩化物の一部が臭化物に置換され、塩化物含有量(Cl-
として) に対して、臭化物含有量 (Br- として)が 0.5
〜5重量%である組成物、または更に前述の成分の他
に、微量の鉄、亜鉛、マンガンの無機化合物を含む組成
物からなる調味料である。
【0008】更に、これらの組成物を調味料として使用
することを特徴とする魚・肉の料理方法も本発明に含ま
れている。ここで、魚としては鰯及び秋刀魚、鯖、鰺の
少なくとも1種を含む料理方法が好ましい。
【0009】ここで、本発明の組成物の主成分は塩化ナ
トリウム及び、塩化マグネシウム、塩化カリウム、塩化
カルシウムからなり、その塩化物の一部が臭化物に置換
されている場合もある。このため組成物の各成分の含有
率を正確に表示するため、この組成物に含まれる金属元
素は、ナトリウムイオン、マグネシウムイオン及びカリ
ウムイオンとして、また酸基は塩酸基(塩素イオン)と
臭素酸基(臭素イオン)としての重量%で表示した。こ
の組成物にはその他微量の鉄または、亜鉛、マンガンの
無機化合物が含まれることもあるが、最も多い鉄化合物
の含有量でも鉄元素として 0.001%に過ぎない程度の少
量である。更に、組成物の主成分であるこれらの金属塩
化物または臭化物にはかなり多量の結晶水が含まれてい
ることもあり、これらの金属イオン及び酸基の合計含有
率が 100%に達しないのは結晶水によるためである。以
下、本発明について詳しく説明する。
【0010】本発明の調味料の主成分は塩化ナトリウム
及び、塩化マグネシウム、塩化カリウム、塩化カルシウ
ムからなり、この塩化物の一部が臭化物に置換された組
成となっている。この組成物に含まれている化合物の種
類は、現在の食塩或いは天日製塩法によって得られた従
来の食塩とも共通である。しかし、この組成物に含まれ
る塩化ナトリウム含有量(Na+ として) に対して、塩化
マグネシウム (Mg++として) の含有量が 50 〜180 重量
%であり、塩化カリウム (K+ として) の含有量が 80
〜200 重量%であり、塩化カルシウムの含有量が (Ca++
として) 0〜5重量%である。これは塩化ナトリウム以
外の成分の含有量が著しく高いことを示していて、この
点で食塩とは著しく異なっている。
【0011】最近料理用の食塩には、海水からイオン交
換膜法でつくられた塩化ナトリウムの純度が極めて高い
食塩が使用されている。しかし、従来の入浜式或いは枝
状架式でつくられた食塩に較べて、料理の味が劣ること
が指摘され、その原因は従来の食塩に含まれていた塩化
ナトリウム以外の海水の成分が、殆ど含まれていないた
めであるとされている。
【0012】このためイオン交換膜法で得られた高純度
の食塩に、少量のニガリ (塩化マグネシウム) 等を混合
した料理用食塩が、「赤穂の天塩 (あましお)」或い
は、「伯方(はかた)の塩」等の名称で数多く販売され
ている。これらの塩に含まれる成分は、塩化ナトリウム
(Na+ として) が 35.0 〜37.0%に対して、ニガリ (塩
化マグネシウム、Mg++として) 、0.5 %以下であり、最
も多い場合でも 1.0%以上は極めて稀である。また、塩
化カリウム(K+ として) は 0.2〜0.5 %であり1%に達
するものはない。従って、これらの塩も海水に含まれて
いる塩化ナトリウム以外の成分の中、ごく一部を補った
ものに過ぎない。
【0013】一方、死海の海水からつくられた塩には、
通常の海水に含まれる塩化ナトリウム以外の成分が遙に
多量含まれている。例えば、塩の主要成分である塩化ナ
トリウム及び塩化マグネシウム、塩化カリウムの含有量
を、死海の塩及び、通常の海水からイオン交換膜法でつ
くられた塩、通常の海水から入浜式或いは枝状架式等、
従来の天日製塩法でつくられた塩について示すと、表1
の示す通りである。尚、ここで塩化ナトリウム及び塩化
マグネシウム、塩化カリウムの含有量の関係をより明ら
かに示すため、結晶水及び塩化マグネシウムの汐解性に
より含まれている水分は除外して示した。
【0014】
【表1】
【0015】この表から分かる様に、現在食塩として市
販されている通常の海水からイオン交換膜法でつくられ
た塩は、塩化ナトリウムの純度が非常に高く、それ以外
の塩化マグネシウム及び、塩化カリウムは僅かに含まれ
ているのみである(0.02〜 0.1 %) 。また、通常の海
水から入浜式或いは枝状架式でつくられ、従来食塩とし
て使用されていた天日製塩は、大部分が塩化ナトリウム
であるが、塩化マグネシウム及び、塩化カリウムの含有
量はそれぞれ 1.7%及び 0.1%で、イオン交換膜法でつ
くられた食塩より遙に多量含まれている。
【0016】更に、死海の塩の塩化マグネシウムまたは
塩化カリウムの含有率は、塩化ナトリウムの含有率より
遙に高い値を示している。この様に、極めて多量の塩化
マグネシウムを含むので、苦みが非常に強く口に入れた
場合は不味いため、死海の塩を調味料等として食品に添
加することは従来全く考えられなかった。
【0017】しかし、死海の塩は海水に含まれる塩化ナ
トリウム以外の成分を多量に含む点に注目して、種々の
食材の料理において死海の塩と通常の食塩を対比して使
用し、死海の塩の料理の臭気、味、風味等に及ぼす効果
を調べた。尚、死海の塩は多量に含まれる塩化マグネシ
ウムのため苦みが非常に強いから、通常の料理において
食塩の代わり同程度の量を使用することは出来ない。従
って、使用量には限度があるが、比較的少量の調味料程
度の量を使用してその効果を調べた。本発明の組成物は
死海の塩の成分と、調味料としての作用・効果を更に臭
化物も含めて、検討した結果に基づいて定められたもの
である。
【0018】この様にして定めた本発明の組成物と、現
在食塩として使用されているイオン交換膜法でつくられ
た塩を、調味料として同一条件で使用して、鰯のつみれ
鍋の生臭さみ、味、風味を比較した。鰯は通常よく食べ
られる魚の中、生臭さみが最も強い魚であり、つみれ鍋
は鰯の生臭さみが最もよく分かる料理の一つだからであ
る。その結果、本発明の組成物を調味料として使用した
場合には、驚く程鰯の生臭みがなくなっていた。このた
めそのままで充分旨く食べられ、薬味を添えて食べる必
要性が全く感じられなかった。一方、通常の食塩を使用
した場合には生臭さみが強く感じられ、旨く食べるため
には薬味は是非必要であった。
【0019】更に、前記の組成物及び本発明に含まれる
が前記とは異なる組成物を使用して、その他多く使用さ
れる鰯の料理である、鰯のつみれ揚げ、煮魚及び、鰯の
天ぷらについても試験して、同様な効果を示すことを確
かめた。更に、鰯と同様に生臭さみが強い青魚である、
秋刀魚、鯖及び鰺についても本発明の組成物を調味料に
使用した場合には、同様な効果を示すことを確かめた。
【0020】その他、最も臭みが気になる料理の一つで
あるマトンのジンギスカン鍋についても、本発明の組成
物を調味料として使用した場合には、イオン交換膜法で
つくられた食塩と比較して前述と同様に顕著な臭みを消
す効果があることが認められた。これらの試験の結果、
本発明の組成物は魚料理のみならず肉料理においても臭
みを消すために有効であることが分かった。
【0021】前述の調味料に使用できる本発明の組成物
は、死海の海水からつくられた塩に着目して開発された
ものであるが、死海の海水からつくられた塩に限定され
るものではない。本発明の請求項に含まれる組成を有す
るものは、後述の実施例1〜9に具体的に示す様に、調
味料として使用した場合総て本発明の効果が認められ
る。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、実施例を挙げて本発明を更
に具体的に説明する。
【0023】(実施例1〜3、比較例1)鰯のつみれ鍋
を4人分つくるため、下記の表2のAに示したつみれの
材料に、調味料として表のB1に示した組成を有する、
死海の海水から得られた塩 1 gを加えてサラダボールに
入れ、手でよく混ぜ合わせ、直径約2〜3cmの、丸いボ
ール型のつみれを作る。
【0024】次に表のCに示しただし汁を鍋に入れ、表
のDに示した野菜、豆腐を加えて加熱し、更につみれを
入れてつみれが浮いてくるまで煮る。この様にしてつく
られたつみれを碗にとって、ポン酢でつみれを食べて鰯
の生臭さみ、味、風味を調べたが、その評価方法は料理
方法を知らない5人のパネラーの判断による(実施例
1)。
【0025】
【表2】
【0026】比較のため、前述の鰯のつみれ鍋の料理方
法において調味料として、表のB2に示したイオン交換
膜法で得られた塩化ナトリウムの純度が高い食塩を使用
した他は、前述の料理法と同様にして鰯のつみれ鍋をつ
くり、前述と同様にして食べて、鰯の生臭さみ、味、風
味を調べた(比較例1)。尚鰯のつみれを食べる場合、
通常はさらしねぎ、もみじおろし等の薬味を加えて食べ
ることが多いが、鰯の生臭さみを敏感に感じることがで
きる様に、薬味なしで食べて比較した。
【0027】更に調味料として、表1のB3(実施例
2)またはB4(実施例3)に示した組成物を使用した
他は、前述と同様な方法で鰯のつみれ鍋をつくり、鰯の
生臭さみ、味、風味を調べた(比較例1)。ここで、実
施例2の組成物は実施例1の調味料(死海の塩)より、
微小成分である鉄及び、亜鉛、マンガンを含まない組成
物を新たに調整したものであり、実施例3は更に実施例
1に含まれている臭化物を総て塩化物に置換した組成物
を新たに調整して使用したものである。
【0028】通常のつみれ鍋の料理方法である比較例1
は鰯特有な生臭さみが強く感じられたが、実施例1では
この生臭さみが全く感じられなかった。生臭さみがなく
なったことにもよるが、味、風味も比較例1に較べてよ
いと評価された。実施例2は実施例1とほぼ同様な結果
であり、実施例3は比較例1に較べると鰯の生臭さみが
殆どなくなっているが、実施例1に較べると極僅かであ
るが感じられ、味、風味にも微妙な違いがあるとの結果
が得られた。
【0029】(実施例4、比較例2)鰯のつみれ揚げを
4人分つくるため、下記の表3のAに示した材料に、調
味料として表3のB1に示した組成を有する、塩 1 gを
加えてサラダボールに入れ、手でよく混ぜ合わせ、直径
約2〜3cmの、丸いボール型のつみれをつくった。尚、
この塩も死海の海水からつくられたものである。しか
し、前述の表1のB1とは組成が異なっているが、本発
明の特許請求の範囲に含まれる組成を有するものであ
る。
【0030】
【表3】
【0031】次に、丸いつみれに片栗粉(薄力粉等)を
まぶし、フライパンに約 500 ml の油を入れ、約 170℃
の油で揚げる。つみれが浮いてくれば、出来上がりとな
る。これに適量の食塩をつけて食べ、鰯の生臭さみ、
味、風味を前述の実施例1の方法で調べた(実施例
4)。
【0032】比較のため、前述の鰯のつみれ揚げの料理
方法において調味料として、表2のB2に示した組成を
有するイオン交換膜法で得られた、塩化ナトリウムの純
度が高い食塩を使用した他は、前述の料理法と同様にし
て鰯のつみれ揚げをつくり、前述と同様にして食べて、
鰯の生臭さみ、味、風味を調べた(比較例2)。
【0033】その結果、通常の食塩を使用したつみれ揚
げである比較例2は、鰯特有な生臭さみがあるが、実施
例1ではこの生臭さみが全く感じられない。また、味、
風味も比較例1に較べて微妙な違いがあり、良好と感じ
られた。
【0034】(実施例5、比較例3)下記の表4のAに
示した材料を使用して、鰯の煮物を4人分つくった。先
ず、酒を鍋に入れて煮立てアルコール分を蒸発させた
後、表4のBに示した塩1gを加えた。この塩は表2の
B1に記載した塩と同一の組成を有するものである。次
に、鰯を鍋に入れて煮立つ迄加熱した後弱火にして醤
油、味りんを加えて味付けし、更に弱火で約5分ほど煮
ると鰯の煮物が出来上がる。この間にあくが出ればあく
を掬い取って捨てる。この様にしてつくられた鰯の煮物
を食べて、前述の実施例1と同様にして鰯の生臭さみ、
味、風味を調べた(実施例5)。
【0035】
【表4】
【0036】比較のため、前述の鰯の煮物をつくる時調
味料として、表2のB2に示した組成を有する、イオン
交換膜法で得られた塩化ナトリウムの純度が高い食塩を
使用した。その他は前述の料理法と同様にして鰯の煮物
をつくり、前述と同様にして食べて、鰯の生臭さみ、
味、風味を調べた(比較例3)。
【0037】その結果、通常の食塩を使用した鰯の煮物
である、比較例3は鰯特有な生臭さみがあるが、実施例
5の鰯の煮物ではこの生臭さみが全く感じられなかっ
た。また、味、風味も比較例3に較べてよいと感じられ
た。その他、鰯の他生臭みがある秋刀魚、鯖、鰺の様な
青魚についても、同様に試験した結果、本発明の組成物
は鰯の場合と同様に、これらの煮魚の生臭みを消す効果
を有することが確かめられた。
【0038】(実施例6〜8、比較例4〜6)下記の表
5のAに示した薄力粉と水及び、調味料とし表5のB1
に示した塩1gを、サラダボールに入れてよく混合して
天ぷらの衣を調製した。表5のB1に示した塩は表3の
B1の塩と同一の組成を有するものである。次に表5C
に示したイカを適宜の大きさに切って、天ぷらの衣をま
ぶし、約 170℃に熱した約 500mlの油を入れたフライパ
ンに入れて、イカを天ぷらに揚げた。この様にしてつく
られた天ぷらを薬味を入れない天つゆを付けて食べ、前
述の実施例1と同様にして味、風味を調べた(実施例
6)。
【0039】
【表5】
【0040】比較のため、前述のイカの天ぷらを揚げる
方法において、調味料として表のB2に示した組成を有
する、イオン交換膜法で得られた塩化ナトリウムの純度
が高い食塩を使用した他は、前述の方法と同様にしてイ
カの天ぷらを揚げ、前述と同様にして食べて、味、風味
を調べた(比較例4)。
【0041】実施例6で得られた天ぷらは、通常の料理
方法でつくられた比較例4の天ぷらに較べて、冷えても
身が柔らかく噛んでいるとイカ本来の旨味が出て、コク
がある味であった。これは前述の鰯の生臭みを消す効果
とは明らかに異なる、本発明の調味料の効果である。
【0042】更に天ぷらの身として表のC2に示した、
1束のネギを適宜の大きさに切って衣をまぶした他は同
様な方法で天ぷらに揚げた。その際調味料として使用し
た塩の組成はそれぞれ表2のB1(実施例7)及びB2
(比較例5)に示したものと同じである。
【0043】実施例7で得られた天ぷらは、通常の料理
方法でつくられた比較例5の天ぷらの味に較べて、ネギ
の甘味が強く出て旨い味となり、ネギ本来の風味を充分
に味わえる。これも前述の実施例6及び比較例4述べた
と同様に、鰯の生臭みを消す効果とは明らかに異なる、
本発明の調味料の効果があらわれている。
【0044】更に天ぷらの身としてC3に示した、頭及
び内蔵を取り除いて鰯に衣をまぶしたものを使用した他
は、同様な方法で天ぷらを揚げた。その際調味料として
使用した塩の組成はそれぞれ表2のB1(実施例8)及
びB2(比較例6)に示したものである。
【0045】実施例8で得られた天ぷらは、通常の料理
方法でつくられた比較例6の天ぷらの味に較べて、鰯の
生臭みが殆ど消える他、身が剥がれ易く身のくずれない
ことが分かった。
【0046】(実施例9、比較例7)サラダボールに 1
50ccの水を入れ、前記表3のB1と同じ組成を有する塩
1gを溶解する。この液中に冷凍マトン肉を解凍したも
の 100gを、1分間漬ける。取り出して水気を切ってタ
レに漬け込んだ後、取り出して鉄板焼きをしてジンギス
カン料理として食べた。
【0047】比較のため、前述のマトンを鉄板焼きをし
てジンギスカン料理において、調味料として、表2のB
2に示した組成を有する、イオン交換膜法で得られた塩
化ナトリウムの純度が高い食塩を使用した他は、前述の
料理法と同様にしてマトンを鉄板焼きしたジンギスカン
料理として食べた。
【0048】その結果、通常のマトンのジンギスカン料
理である、比較例7のマトンの肉にはジンギスカン料理
特有のマトンの臭気が強く感じられたが、調味料として
本発明に記載した組成を有する塩を使用した、ジンギス
カン料理ではその臭気が殆ど感じられなかったため美味
であった。これによって本発明の組成物を肉に使用した
場合でも、肉の臭気を消す作用を有することが分かる。
【0049】
【発明の効果】死海の海水からつくられた塩は多量のニ
ガリ(塩化マグネシウム)を含み、ニガリは苦味が強く
不味いため従来から通常は食品に使用されることがなか
った。しかし、鰯の料理の際この塩を少量を調味料とし
て加えると、鰯特有の生臭みを消す顕著な効果があるこ
とを発見した。更に、同様な組成物は鰯と同様な生臭さ
みを有する秋刀魚、鯖、鰺等の青魚の料理総てに有効で
あることが分かった。また、この組成物はマトン等の肉
料理にも臭気を消すために広く適用できる。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】主成分が塩化ナトリウム及び、塩化マグネ
    シウム、塩化カリウム、塩化カルシウムからなり、塩化
    ナトリウム含有量(Na+ として) に対して、塩化マグネ
    シウム (Mg++として) の含有量が 50 〜180 重量%であ
    り、塩化カリウム(K+ として) の含有量が 80 〜200 重
    量%であり、塩化カルシウムの含有量が(Ca++として)
    0〜5重量%である組成物からなる調味料。
  2. 【請求項2】主成分が塩化ナトリウム及び、塩化マグネ
    シウム、塩化カリウム、塩化カルシウムからなり、塩化
    ナトリウム含有量(Na+ として) に対して、塩化マグネ
    シウム (Mg++として) の含有量が 50 〜180 重量%であ
    り、塩化カリウム(K+ として) の含有量が 80 〜200 重
    量%であり、塩化カルシウムの含有量が(Ca++として)
    0〜5重量%であり、且つ塩化物の一部が臭化物に置換
    され、塩化物含有量(Cl- として) に対して、臭化物含
    有量 (Br- として) が 0.5〜5重量%である組成物から
    なる調味料。
  3. 【請求項3】主成分が塩化ナトリウム及び、塩化マグネ
    シウム、塩化カリウム、塩化カルシウムからなり、塩化
    ナトリウム含有量(Na+ として) に対して、塩化マグネ
    シウム (Mg++として) の含有量が 50 〜180 重量%であ
    り、塩化カリウム(K+ として) の含有量が 80 〜200 重
    量%であり、塩化カルシウムの含有量が(Ca++として)
    0〜5重量%であり、且つ塩化物の一部が臭化物に置換
    され、塩化物含有量(Cl- として) に対して、臭化物含
    有量 (Br- として) が 0.5〜5重量%であり、その他微
    量の鉄、亜鉛、マンガンの無機化合物を含む組成物から
    なる調味料。
  4. 【請求項4】主成分が塩化ナトリウム及び、塩化マグネ
    シウム、塩化カリウム、塩化カルシウムからなり、塩化
    ナトリウム含有量(Na+ として) に対して、塩化マグネ
    シウム (Mg++として) の含有量が 50 〜180 重量%であ
    り、塩化カリウム(K+ として) の含有量が 80 〜200 重
    量%であり、塩化カルシウムの含有量が(Ca++として)
    0〜5重量%である組成物、または該組成物に含まれる
    塩化物の一部が臭化物に置換され、塩化物含有量(Cl-
    として) に対して、臭化物含有量(Br- として) が 0.5
    〜5重量%である組成物、または更に微量の鉄、亜鉛、
    マンガンの無機化合物を含む組成物を、調味料として使
    用することを特徴とする魚または肉の料理方法。
  5. 【請求項5】魚として鰯及び秋刀魚、鯖、鰺からなる群
    より選ばれた、少なくとも1種の魚を含む、請求項4記
    載の魚の料理方法。
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