JP2004105093A - 魚卵食品 - Google Patents

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石井秀和
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Abstract

【課題】常温で保管でき、食する時に加熱しなくても、魚卵特有の半生に調理されたときの食感と風味を有する魚卵食品を提供する。
【解決手段】半生の魚卵が固形分換算で6%以上15%以下、及び油脂25%以上45%以下が混合されてなる魚卵食品であって、魚卵食品全体の水分含有率が20%以上40%以下、水分活性が0.80以上0.90未満、5℃以上35℃以下における粘度が2,000mPa・s以上500,000mPa・s以下である常温保管可能な密封容器詰め魚卵食品。
【選択図】    なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、タラ、マダラ、スケトウダラ、ニシン、飛魚、シシャモ等の腹子である魚卵をバラしたバラ卵を用いて、即席炒飯の素、パスタソース、サラダソース、パンのフィリング、ピザソース等として用いることができる密封容器詰め魚卵食品に関する。
【0002】
【従来の技術】
タラコや明太子、シシャモ等の魚卵を長期間保管可能とするために、従来は、塩蔵することが一般的に行われている。塩蔵加工したとしても、チルドや冷凍保管が必要である。常温保管する為には、塩濃度を更に高くしなくてはならず、塩抜きしなくては食べられないものである。
また、魚卵を、20℃〜35℃で1ヶ月以上の長期間保管できるパスタソースやフリカケとして用いるものには、レトルト加熱や、あるいは、魚卵の乾燥品が利用されている。レトルト加熱では、魚卵が完全に加熱変性してしまい、ツブツブとざらついた食感となり、フリーズドライ等して乾燥した乾燥魚卵だけでは、魚卵特有の風味が乾燥時に飛んでしまい、また水分が少ないことから、舌に感じる美味しさが劣るものであり、いずれにしても、魚卵の風味が充分に活かせないものである。
特開平2001−238644には、魚卵を、乾燥することなく、加熱変性させて、常温保管でき、魚卵風味の良好な魚卵食品が提案されている。しかしながら、この魚卵食品は、魚卵が加熱変性されている為に、焼き風味が良好で美味しいものの、魚卵特有の半生に調理された時の、半生の風味と食感は消失しているものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、本発明は、常温で保管でき、食する時に加熱しなくても、魚卵特有の半生に調理されたときの食感と風味を有する魚卵食品を提供することを目的としてなされた発明である。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、上記目的を達成するために種々研究した結果、本発明を完成した。
すなわち、(1)半生の魚卵が固形分換算で6%以上15%以下、及び油脂25%以上45%以下が混合されてなる魚卵食品であって、魚卵食品全体の水分含有率が20%以上40%以下、水分活性が0.80以上0.90未満、5℃以上35℃以下における粘度が2,000mPa・s以上500,000mPa・s以下である常温保管可能な密封容器詰めしてなる魚卵食品、(2)乾燥魚卵を更に5%以上20%以下含有する(1)記載の魚卵食品、(3)65℃以上80℃以下で加熱されてなる(1)又は(2)に記載の魚卵食品、である。
【0005】
【発明の実施の形態】
以下本発明を詳述する。なお、本発明において「%」の表示は「質量%」を意味するものである。また、「常温保管可能」とは、20℃〜35℃において、1ヶ月以上保管しても、腐敗などせず、食することができることを意味するものである。
【0006】
本発明の魚卵食品とは、半生の魚卵及び油脂が混合されてなる食品のことをいい、バラ状の魚卵が油脂中に分散しているものである。その他ガム類、澱粉類、蛋白質類、糖類、塩類、調味料、あるいは野菜、畜肉、魚介類等の副原料が添加混合されていてもよい。
【0007】
本発明に用いる魚卵としては、タラ、鮭、マダラ、スケトウダラ、ニシン、飛魚、シシャモ等の腹子をバラしてあるもので、タラコ、明太子、イクラ、トビコ、数の子等として用いられているものである。これらの中でもタラコ、明太子が、本発明の魚卵食品に用いると、調理加工適正があり、また、利用できるメニューも豊富で美味しく好ましい。用いる魚卵としては、生状、塩蔵、冷凍品等を用いることができる。また、これらの生状の魚卵を、保存性を付与する為に、完全に加熱変性しない程度に加熱や、アルコール添加等したものでもよい。
【0008】
本発明の半生とは、生の状態の魚卵が加熱されて、かつ、完全には加熱変性していない状態をいう。魚卵が完全に加熱変性すると、白っぽく不透明に変色し、ツブツブした硬い食感となるのに対し、半生の魚卵であると、透明感があり、プチッとして、魚卵の皮が破れて半生のトローッとした液体又は粘性を有する液体状の中味が出てくるような食感を呈し、半生の良好な風味を有するものである。半生の魚卵に対して、生魚卵のままであると、生臭味が感じられ、適度な味に調整して常温で長期間保管させるのが難しく、また、常温保管できるようにするには、アルコールや塩分を多量に使用することになり、味が濃くなってしまい、魚卵食品をそのままパスタソース等に用いる場合等に、まろやかで適度な味に調整するのが困難となる。
【0009】
半生の魚卵とするには、バラした魚卵をあらかじめ油脂と混合してから、温度調節可能な電気式加熱機や湯中で加熱すればよい。必要に応じ、糖類、塩類、調味料、その他野菜、畜肉、魚介類等の副原料を添加してから加熱してもよく、あるいは、加熱後に副原料と混合してもよい。半生の魚卵とするには、適宜好みに応じて加熱温度を設定すればよいが、例えば、魚卵食品を65℃以上80℃以下、より望ましくは68℃以上75℃以下の温度で加熱すると、生臭味が無く、魚卵の半生のプチッとした好ましい食感と風味が得られるので、より望ましい。加熱する温度が80℃を超えると、魚卵の蛋白成分が熱変性してしまい、魚卵の持つ生っぽい風味が完全に失われツブツブとしてざらついた食感となる傾向があり、また、濃すぎず適度な味に調整して常温保管可能にするには65℃未満の加熱では難しく、生臭味が感じられる傾向になる。なお、加熱時間は、配合する成分や加熱温度、仕上げる製品をどの程度半生感を持たせるかによって、適宜選択すればよく、目安としては、数秒〜60分間程度加熱するとよく、例えば、65℃の場合には10〜60分間程度、70℃で3秒〜30分間程度、75℃で1秒〜3分程度、80℃ではその温度に達すればよい。
【0010】
また、魚卵は、ほぐして、バラ卵として用いるとよい。バラ状の魚卵を油脂と混合して、バラ状の魚卵が略均一に分散している魚卵食品にすることで、各種ソースとして用いる場合に使いやすく、例えばパスタソースとして用いる場合に、パスタに綺麗に絡み、美味しく見える。魚卵は擂り潰さない程度にバラして用いればよく、例えば、魚卵の種類にもよるが、スケトウダラやシシャモの腹子の場合には、1mm目程度の網で濾してきょう雑物を取り除いて用いるとよい。なお、魚卵を擂り潰して、魚卵風味を向上させる調味液として添加してもよい。
【0011】
半生の魚卵の配合量としては、魚卵食品全体に対し、固形分換算で6%以上15%以下にするとよい。サラダ用ソース、パスタソース等として、かけるだけで、更に加熱する必要は無く、魚卵の半生の風味と食感が良好なサラダやパスタが得られる。6%未満であると、魚卵の風味が弱く、充分な風味が期待できず、15%を超えると、魚卵に含まれる水分が多い為に魚卵食品全体の水分含量が多くなり、濃すぎず適度な味に調整し、かつ常温保管できるようにするのが困難となる。なお、固形分とは、水分以外の成分のことをいい、固形分換算とは、水分以外の成分を基に計算した配合率を意味するものである。魚卵食品全体に対し、魚卵を固形分換算で6%以上15%以下配合すると、例えば、水分約65%の生タラコの場合、生タラコとしての配合量は、魚卵食品全体に対し17〜43%程度となり、業務用で市販されている水分約70%のバラタラコの場合には、バラタラコを20〜50%程度配合することになる。また、水分約50%のイクラの場合には12〜30%程度を配合することができる。
【0012】
なお、本発明の魚卵食品の風味をより良くするために、半生の魚卵の他に、更に、乾燥した魚卵を5%以上20%以下配合するとよりよい。このようにすることで、魚卵乾燥品独特の風味を付与することができ、半生の魚卵の風味と重なって魚卵食品全体の風味がより向上し、かつ、常温保管できる魚卵食品が得られる。乾燥した魚卵は、市販品でよく、フリーズドライしたもの等を用いればよい。
【0013】
本発明に用いる油脂としては、食品用油脂であれば制限は無く、ショートニングでも構わない。具体的には、菜種油、コーン油、サフラワー油、綿実油、大豆油、オリーブ油、ピーナッツ油、ヒマワリ油、ゴマ油、米油、魚油等の天然油脂、あるいは、前記天然油脂を水添して得られるもの、前記天然油脂から高融点又は低融点部分を除いたもの、前記天然油脂の低融点又は高融点部分を集めたもの、その他、必要に応じて菜種極度硬化油脂、牛脂極度硬化油脂、極度硬化ヤシ油等を用いるとよい。このような油脂の内、1種又は2種以上を併用してもよい。
【0014】
魚卵食品中の油脂の配合量としては、25%以上45%以下が好ましい。例えばパスタソースとして茹で上げたパスタに和えた場合、油脂が25%未満であると、パスタの照りが無くなり、見た目に食欲をそそらず、また、油脂によるパスタ表面のコーティングが少なくなることで、魚卵食品にその他の調味料として配合されている調味成分がパスタに吸われてしまい風味が減退しやすくなる。油脂が45%を超えると、魚卵食品全体に対する水分含量が減るため、水分中に付与できる調味及び風味成分が制限され、十分な味を作れず、また、パスタが油っぽくなり、美味しいものが得られない。
【0015】
本発明の魚卵食品全体の水分としては、20%以上40%以下が好ましい。魚卵を含む魚卵食品全体の水分が20%未満であると、水分を多く含む魚卵を十分に使用できず、魚卵風味が制限されてしまい、魚卵の風味、食感の特徴を活かせず、また、通常水分中に多くの調味成分及び風味成分が付与されるので、十分な味を作り難くなる。また、水分が40%以上であると、濃すぎず適度な味で、かつ、常温保管できるように、調整し難くなる。なお、水分は、常圧105℃乾燥法により分析した値である。
【0016】
また、本発明の魚卵食品の水分活性としては、水分活性(以下、「Aw」という)0.80以上0.90未満が好ましい。Aw0.80以下であると魚卵食品中の水分に食塩等の可溶性固形分が多くなるため、魚卵食品の味が濃くなり過ぎ、魚卵の風味が充分に活かせなくなり、Aw0.90以上であると、適度な味で、かつ、常温保管が困難となる。
【0017】
次に、本発明の魚卵食品の粘度は、5℃〜35℃における粘度が2,000mPa・s以上500,000mPa・s以下であると好ましい。粘度が2,000mPa・s未満であると、粘度がゆるい為、パスタ等にかけたときに、パスタには絡みやすいが、パスタと接する部分が多くなるため、パスタに吸収される成分が多くなり、味わいが減退してしまい、粘度が500,000mPa・sを超えると、粘度が高い為に、パスタ等にかけても、絡めるのが困難となる。なお、パスタソースとして用いる場合には、2,000mPa・s以上20,000mPa・s以下であると、特にかけやすく絡みやすいのでより好ましい。なお、粘度は常法に従い用いる油脂の種類や、その他増粘安定剤、澱粉類等を添加して適宜調整するとよい。なお、粘度は、B型粘度計を用い、常法にしたがって、示度30以上80以下を示すようにローターと回転速度を適宜選択し、No.1〜No.7のローターで2〜10rpmの回転速度を選択して測定した数値である。
【0018】
なお、本発明の魚卵食品のpHは4.6〜6.2程度がよい。pHがこの範囲であると、酸味や雑味が感じられずに良好な魚卵風味を呈するのでより望ましい。
【0019】
用いる密封容器としては、食品用に用いられ細菌等の侵入を防ぎ、密封できるものであれば、特に制限はなく、例えば、缶詰めや瓶詰め、あるいは、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)等の単層材料、より好ましくは、酸素透過性の低いエチレン−ビニルアルコール共重合体(EVOH)、塩化ビニリデン(PVDC)、アルミニウム、その他のガスバリア材料とポリエチレン(PE)又はポリプロピレン(PP)とからなる多層材料等によって製した容器を挙げることができる。また、容器形状としては、一端に蓋付きの口部を有するチューブや、小袋等とすることができる。口部の形状や大きさについても、魚卵食品を、そこに含まれる具材ごと押し出すことができる限り特に制限はない。丸型、矩形、星型等とすることができる。
【0020】
本発明の密封容器詰め魚卵食品は、容器から魚卵食品を出して、ご飯、サラダ、パスタ、ピザ、パン等にかけたり、和えたり、塗り広げるだけで、タラコ風味の良好な1品料理が得られるものである。タラコ炒飯やタラコのお握り等も簡便に得られるものである。これらの中でも、特にパスタソースとして用いると、茹でたパスタにかけて和えるだけで、タラコパスタが簡便に得られ、好適である。
【0021】
次に本発明の魚卵食品の代表的製造方法について説明する。
タラ、マダラ、スケトウダラ、ニシン、飛魚、シシャモ等の腹子を、必要に応じて腹子を包んでいる皮等を取り除き、ほぐした魚卵を準備する。用いる魚卵は、塩蔵品でも凍結品を用いてもよい。例えば、攪拌機付き加熱二重釜に、生魚卵(固形分6〜15%)、油脂(25〜45%)、その他、粘度(2000〜50万mPa・s)、水分活性(0.8以上0.9未満)が適宜な値を取るように必要に応じて、澱粉類、増粘多糖類、塩類、清水、調味料等の副原料を投入し、攪拌混合しながら、65℃以上に達温したら、続いて、このまま蓋付チューブ容器や、小袋等の容器に充填密封し、冷却して本発明の魚卵食品とする。
【0022】
次に本発明の実施例を詳細に説明する。
実施例1
スケトウダラの腹子を、5%の食塩水で洗浄し、目開き1mmの篩により、きょう雑物を取り除き、得られた30kgのバラタラコ(水分70%)と、菜種油30kg、水5kg、食塩3kg、粉末調味料6kg、α化でん粉0.5kgを混合した後加熱し、70℃に達温後、30秒間温度保持したところで密封容器に30gずつ充填密封し、本発明の密封容器詰め魚卵食品とした。
1ヶ月常温で保管後、開封したところ、水分活性は0.85で腐敗しておらず、pH6.0、粘度は室温で4000mPa・sであった。
これを、茹で上げたパスタにかけて絡めたところ、和え易く、パスタのツヤや照りが良く、魚卵の風味が豊かで美味しいタラコパスタであった。
また、皮を剥いて茹でたジャガイモにかけて軽くかき混ぜたところ、和え易く、食品素材に和え易い粘度であった。そして得られたタラコポテトサラダは、食したところ、魚卵の風味が豊かで、美味しかった。
【0023】
実施例2
実施例1の配合に、更に水分2.2%のフリーズドライした乾燥魚卵を10kg加え、それ以外は実施例1と同様にして本発明の密封容器詰め魚卵食品とした。
得られた魚卵食品を開封し、茹で上げたパスタにかけて絡めて食したところ、実施例1で得られた乾燥魚卵を含有していない魚卵食品よりも、実施例2で得た魚卵食品の方が、魚卵風味がより向上しており、総合的な風味のバランスがより良く感じられるものであった。
【0024】
試験1
バラタラコの配合量を下記表1のとおり変化させた以外は、実施例1と同様にして、比較例1、比較例2を調製し、常温で1ヶ月保管後の保存性と、茹で上げたパスタにかけて絡めた場合の風味の観点から、魚卵含量の適正値を評価した。結果を表1に示す。
【0025】
【表1】
Figure 2004105093
【0026】
表1より、魚卵配合率が魚卵食品全体に対し固形分換算で6%を下回ると(比較例1)、タラコの風味が弱く、逆に15%を上回ると(比較例2)、魚卵風味は充分感じられたが、保存性が劣り常温で保管できないことが理解できる。これらに対し、実施例1は魚卵風味が充分あり、かつ常温保管できることが分る。
魚卵配合率は魚卵食品全体に対し固形分換算で6%以上15%以下が適正であることが分った。
【0027】
試験2
油脂の配合量を下記表2のとおり変化させた以外は、実施例1と同様にして、比較例3、比較例4を調製し、茹で上げたパスタにかけて絡めた場合の、たらこ風味、パスタへの絡み易さ、外観(照り)の観点から、油脂含有量の適正値を評価した。結果を表2に示す。
【0028】
【表2】
Figure 2004105093
【0029】
表2より、油脂配合率が魚卵食品全体に対し25%を下回ると(比較例3)、パスタに魚卵食品が絡み難くなり、外観上照りやツヤが劣っており、美味しそうに見えず、逆に45%を上回ると(比較例4)、油っこくなり魚卵風味が弱く感じられ、外観上も油っぽく美味しそうに見えないことが分る。これらに対し、実施例1は、パスタに絡み易く、たらこ風味も良好で、適度な照りやツヤを有し、美味しそうに見えることが理解できる。
魚卵食品全体に対し油脂配合率は25%以上45%以下であると、たらこ風味が良好に感じられ、パスタに絡み易く、適度な照りやツヤが得られ、適正であることが分った。
【0030】
試験3
水とバラタラコの配合量を下記表3のとおり変化させた以外は、実施例1と同様にして、比較例5、比較例6を調製し、常温で1ヶ月保管後の保存性と、茹で上げたパスタにかけて絡めた場合の風味の観点から、水分含有量の適正値を評価した。結果を表3に示す。
【0031】
【表3】
Figure 2004105093
【0032】
表3より、魚卵食品の水分含有率は、20%を下回ると(比較例5)、常温保管はできるが水分が少ない為に感じられる味のバランスが悪く、水分が少ないと美味しく感じ難いことが分る。逆に水分が40%を超えると(比較例6)バランスの良い味の美味しいものが得られるが、保存性が劣り、常温保管できるようにするには、配合を変える必要があることが分る。これらに対し、実施例1は、味のバランスも良く、美味しく感じられ、常温保管でき、水分は20%以上40%以下が適正であることが分った。
【0033】
試験4
加熱温度と加熱保持時間を表4のとおり変えた以外は、実施例1と同様にして、食感と保存性の観点から、適正な加熱温度を評価した。結果を表4に示す。
【0034】
【表4】
Figure 2004105093
Figure 2004105093
【0035】
表4から、食感及び保存性の評価において、加熱温度が65℃から80℃であると、半生で且つ常温保管が可能な魚卵食品を得ることができることが理解できる。
【0036】
試験5
澱粉と水の配合量を変更し、表5のように粘度を変えた以外は実施例1と同様にして、魚卵食品を調整し、茹で上げたパスタにかけて絡めた場合の、絡まり具合と外観の観点から、粘度の適正値を評価した。結果を表5に示す。
【0037】
【表5】
Figure 2004105093
【0038】
表5から、粘度がゆるいとパスタへの絡みは良いものの、パスタに吸われやすくなるため、たらこの風味が弱くなってしまい、また、粘度が高いとパスタへ絡み難くなり、味の濃いところと薄いところができ、味にバラツキができることが分る。これらに対し、2000mPa・s以上50万mPa・s以下、とりわけ2000mPa・s以上2万mPa・s以下では、たらこの風味が十分であるだけでなく、パスタへの絡みも良いことが分かる。
【0039】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明の魚卵食品は、常温保管できる製品であるにもかかわらず、魚卵が加熱変性しておらず、半生の風味を保持しており、特にパスタソースとして用いた場合には、味が濃すぎず、全体的に丁度よいバランスの味と風味を有し、また、食品素材に混ぜ易く、ツヤや照りを生じさせ、食品素材を美味しく見える外観を呈すようにすることができるものである。

Claims (3)

  1. 半生の魚卵が固形分換算で6%以上15%以下、及び油脂25%以上45%以下が混合されてなる魚卵食品であって、魚卵食品全体の水分含有率が20%以上40%以下、水分活性が0.80以上0.90未満、5℃以上35℃以下における粘度が2,000mPa・s以上500,000mPa・s以下である常温保管可能な密封容器詰めしてなる魚卵食品。
  2. 乾燥魚卵を更に5%以上20%以下含有する請求項1記載の魚卵食品。
  3. 65℃以上80℃以下で加熱されてなる請求項1又は請求項2に記載の魚卵食品。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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