JP2003229141A - 燃料電池用電極構造の製造方法 - Google Patents
燃料電池用電極構造の製造方法Info
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Abstract
ることを防ぐことができ、さらにイオン交換膜の性能低
下を防ぐことができ、加えてイオン交換膜を薄くするこ
とができる燃料電池用電極構造の製造方法を提供する。 【解決手段】 燃料電池用電極構造の製造方法は、負極
側拡散層13上に負極層17の溶液を塗布して負極層を
形成する工程と、この負極層が未乾燥のうちに、負極層
上にイオン交換膜19の溶液を塗布してイオン交換膜を
形成する工程と、このイオン交換膜が未乾燥のうちに、
イオン交換膜上に正極層18の溶液を塗布する工程と、
これら負極層17、正極層18及びイオン交換膜19を
乾燥することにより、負極層17、正極層18及びイオ
ン交換膜19を一体に固化する工程とからなる。
Description
ン交換膜を配置し、負極の触媒に水素を接触させるとと
もに正極の触媒に酸素を接触させることにより発電する
燃料電池用電極構造の製造方法に関する。
である。燃料電池100は、負極層(水素極)101と
正極層(酸素極)102との間にイオン交換膜103を
配置し、負極層101に含む触媒に水素分子(H2)を
接触させるとともに、正極層102に含む触媒に酸素分
子(O2)を接触させることにより、電子e−を矢印の
如く流すことにより、電流を発生させるものである。電
流を発生させる際に、水素分子(H2)と酸素分子(O
2)とから生成水(H2O)が生成される。この燃料電
池10の負極層101、正極層102、イオン交換膜1
03を主要構成部材とする電極構造を次図で詳しく説明
する。
を示す説明図である。電極構造は、一対の拡散層10
4,105の内側にそれぞれバインダー層106及びバ
インダー層107を備え、これらバインダー層106及
びバインダー層107の内側にそれぞれ負極層101及
び正極層102を備え、これら負極層101及び正極層
102の間にイオン交換膜103を備える。
層104にバインダー層106用の溶液を塗布するとと
もに、拡散層105にバインダー層107用の溶液を塗
布し、塗布したバインダー層106,107を焼成する
ことによりバインダー層106,107を固化する。
層101の溶液を塗布するとともに、固化したバインダ
ー層107に正極層102の溶液を塗布し、塗布した負
・正極層101,102を乾燥することにより負・正極
層101,102を固化する。次いで、固化した負極層
101にシート状のイオン交換膜103を載せ、続いて
イオン交換膜103に正極層102が固化された拡散層
105を載せて7層の多層構造を形成する。次に、この
多層構造を矢印の如く加熱圧着することにより電極構造
を形成する。
構造はイオン交換膜103としてシートを使用してお
り、加えてバインダー層106、負極層101、正極層
102、バインダー層107のそれぞれの層を固化した
状態で加熱圧着するので、それぞれの層の境界に密着不
良部分が発生する虞がある。電極構造の各層に密着不良
部分が発生すると、電流を効率よく発生することが難し
くなり、製造ラインの検査の段階において、これらの電
極構造が廃棄処分や修復処分になり、そのことが生産性
を高める妨げになっている。
してシートを使用しているので、電極構造を加熱圧着の
際に、イオン交換膜103を加熱状態で加圧することに
なり、イオン交換膜103の性能が低下する虞がある。
これにより、検査の段階で廃棄処分や修復処分の対象と
なる部品が一層多くなり、そのことが生産性を高める妨
げになっている。
を使用しているので、イオン交換膜103のハンドリン
グ性を考慮するとイオン交換膜103をある程度厚くす
る必要がある。このため、電極構造を薄くすることが難
しく、そのことが電極構造の小型化を図る妨げになる。
境界に密着不良部分が発生することを防ぐことができ、
さらにイオン交換膜の性能低下を防ぐことができ、加え
てイオン交換膜を薄くすることができる燃料電池用電極
構造の製造方法を提供することにある。
の層間に密着不良部分が発生するのは、先の塗膜が固化
した後に、次の溶液を塗布して、この溶液が先の塗膜に
滲み込まず、結果として密着不良が発生することが、そ
の原因であることを突き止めた。そこで、先の塗膜が乾
かないうちに、次の溶液を重ねたところ、溶液が先の塗
膜に滲み込み、密着性が著しく高まることが分かった。
同様に、シート状のイオン交換膜に溶液を塗布した場合
にも、溶液がシート状のイオン交換膜に滲み込まず、結
果として密着不良が発生することが、その原因であるこ
とを突き止めた。
池を構成する正・負極のいずれか一方の電極用の溶液を
塗布して一方の電極層を形成する工程と、この一方の電
極層が未乾燥のうちに、この一方の電極層上にイオン交
換膜用の溶液を塗布してイオン交換膜を形成する工程
と、このイオン交換膜が未乾燥のうちに、このイオン交
換膜上に他方の電極用の溶液を塗布して他方の電極層を
形成する工程と、これら一方の電極層、他方の電極層及
びイオン交換膜を乾燥することにより固化する工程と、
から燃料電池用電極構造の製造方法を構成した。
液及びイオン交換膜用の溶液をそれぞれ未乾燥の状態で
塗布すれば、境界で混合が発生する。これにより、一対
の電極及びイオン交換膜の各層の境界に密着不良部分が
発生することを防ぐことができるので、イオン交換膜に
おける反応効率を良好に保つことができる。
場合、シート状イオン交換膜のハンドリング性を好適に
保つためにはイオン交換膜をある程度厚くする必要があ
る。このため、電極構造を薄くすることが難しく、その
ことが電極構造の小型化を図る妨げになる。
溶液とし、イオン交換膜を溶液の状態でハンドリングで
きるようにした。イオン交換膜を溶液とすることで、ハ
ンドリングの際にイオン交換膜の厚さを規制する必要は
ない。このため、イオン交換膜を薄くすることが可能に
なり、電極構造を薄くすることができる。
うことを特徴とする。電極用の溶液及びイオン交換膜用
の溶液をそれぞれ未乾燥の状態で塗布し、それぞれの溶
液を塗布後に荷重をかけないで乾燥する。これにより、
イオン交換膜に荷重をかける必要がないので、荷重によ
りイオン交換膜の性能が低下することを防ぐことができ
る。
に、燃料電池を構成する負極用の溶液を塗布して負極層
を形成する工程と、この負極層が未乾燥のうちに、この
負極層上にイオン交換膜用の溶液を塗布してイオン交換
膜を形成する工程と、このイオン交換膜が未乾燥のうち
に、このイオン交換膜上に正極用の溶液を塗布して正極
層を形成する工程と、この正極層の未乾燥のうちに、こ
の正極層上に正極側拡散層を設ける工程と、これら負・
正極層及びイオン交換膜のそれぞれの溶液を乾燥するこ
とにより固化する固化工程とから燃料電池用電極構造の
製造方法を構成した。
することで、イオン交換膜を溶液の状態でハンドリング
できる。さらに、イオン交換膜を溶液とすることで、ハ
ンドリングの際にイオン交換膜の厚さを規制する必要は
ない。このため、イオン交換膜を薄くすることが可能に
なり、電極構造を薄くすることができる。
せる際に、水素分子(H2)と酸素分子(O2)とが反
応して燃料電池内に生成水(H2O)を生成する。この
生成水は、主に正極側拡散層(カーボンペーパー)を透
過させて燃料電池の外部に排出する。しかし、請求項1
で記載したように、未乾燥の電極層上にイオン交換膜用
の溶液を塗布すると、イオン交換膜用の溶液が重力の影
響で下方に流れ電極層に浸透する虞がある。イオン交換
膜用の溶液が電極層に浸透すると、浸透した溶液で電極
層の空隙が減少してしまう虞がある。
際に、正・負の電極層のうちの正極層をイオン交換膜の
下方に配置すると、正極層の空隙がイオン交換膜用の溶
液で減少してしまい、発電により生成した生成水を正極
側拡散層から燃料電池の外部に効率よく排出できないこ
とが懸念される。
と、水素や酸素の反応ガスを好適に供給することが妨げ
られるので、濃度過電圧が高くなり、燃料電池の発電性
能を良好に保つことが難しくなる。なお、「濃度過電
圧」とは、電極における反応物質及び反応生成物の補給
及び除去の速度が遅く、電極の反応が妨害されるときに
現れる電圧低下をいう。すなわち、濃度過電圧が高くな
るということは電圧低下量が増すということである。
の上方に正極層を設けるようにした。正極層をイオン交
換膜の上方に配置することで、イオン交換膜用の溶液が
重力の影響で負極層に浸透することを防ぐことができ、
正極層の空隙がイオン交換膜用の溶液で減少することを
防止できる。これにより、発電により生成した生成水を
正極層から正極側拡散層に導いて、正極側拡散層の空隙
から好適に排出することができ、燃料電池に生じる濃度
過電圧を低く抑えることができる。
布することを特徴とする。ここで、正極用の溶液の塗布
圧が高い場合には、正極用の溶液を塗布する際に、イオ
ン交換膜用の溶液が正極層に浸透する虞がある。イオン
交換膜用の溶液が正極層に浸透すると、イオン交換膜用
の溶液が正極側拡散層に到達して、イオン交換膜用の溶
液で正極側拡散層の空隙が減少する虞がある。
を噴霧状態で塗布することで、イオン交換膜に余分な塗
布圧をかけることなく、すなわち正極用の溶液を最小の
塗布圧で塗布することにした。このように、イオン交換
膜に余分な塗布圧をかけないで正極用の溶液を塗布する
ことで、イオン交換膜用の溶液が正極層に浸透すること
を防ぐことができる。
空隙が減少することを防止して、正極層の空隙をより一
層好適に確保することができる。これにより、発電によ
り生成した生成水を正極層から正極拡散層まで導いて、
正極側拡散層の空隙からより一層好適に排出することが
でき、燃料電池に生じる濃度過電圧を低く抑えることが
できる。
づいて以下に説明する。図1は本発明に係る電極構造
(第1実施形態)を備えた燃料電池を示す分解斜視図で
ある。燃料電池ユニット10は複数(2個)の燃料電池
11,11で構成したものである。燃料電池11は、燃
料電池用電極構造(電極構造)12を構成する負極側拡
散層(シート)13の外側に負極側流路基板31を配置
し、電極構造12を構成する正極側拡散層14の外側に
正極側流路基板34を配置したものである。
積層することで、負極側流路基板31の流路溝31aを
負極側拡散層13で覆うことにより、水素ガス流路32
を形成する。また、正極側拡散層14に正極側流路基板
34を積層することで、正極側流路基板34の流路溝3
4aを正極側拡散層14で覆うことにより、酸素ガス流
路35を形成する。
極側拡散層14の内側にそれぞれバインダーを介して一
方の電極層としての負極層17及び他方の電極層として
の正極層18を備え、これら負極層17及び正極層18
の間にイオン交換膜19を備える。このように、構成し
た燃料電池11をセパレータ36を介して複数個(図1
では2個のみを示す)備えることで、燃料電池ユニット
10を構成する。なお、電極構造12については図2で
詳しく説明する。
流路32に水素ガスを供給することで、負極層17に含
む触媒に水素分子(H2)を吸着させるとともに、酸素
ガス流路35に酸素ガスを供給することで、正極18に
含む触媒に酸素分子(O2)を吸着させる。これによ
り、電子(e−)を矢印の如く流して電流を発生させる
ことができる。なお、電流を発生させる際には、水素分
子(H2)と酸素分子(O2)とから生成水(H2O)
が発生する。
(第1実施形態)を示す説明図である。電極構造12
は、負極側拡散層13及び正極側拡散層14の内側にそ
れぞれ負極層17及び正極層18を備え、これら負極層
17及び正極層18の間にイオン交換膜19を備える。
負極側拡散層13は、負極側のカーボンペーパー13a
及び負極側のバインダー層15aからなるシート材(シ
ート)である。また、正極側拡散層14は、正極側のカ
ーボンペーパー14a及び正極側のバインダー層16a
からなるシート材(シート)である。
インダーは、カーボンフッ素樹脂であり、撥水性に優れ
たものである。また、正極側のバインダー層16aを構
成するバインダーは、撥水性を備えたカーボンポリマー
であり、カーボンポリマーはポリテトラフルオロエチレ
ンの骨格にスルホン酸を導入したものが該当する。
混合し、溶液を塗布後に乾燥することで固化したもので
ある。負極層17の触媒21は、炭素22の表面に触媒
として(白金−ルテニウム合金)23を担持したもので
あり、(白金−ルテニウム合金)23に水素分子
(H2)を吸着させるものである。
混合し、溶液を塗布後に乾燥することで固化したもので
ある。正極層18の触媒24は、炭素25の表面に触媒
として白金26を担持したものであり、白金26に酸素
分子(O2)を吸着させるものである。イオン交換膜1
9は、負極層17及び正極層18間に溶液の状態で塗布
した後、負極の溶液及び正極の溶液とともに一緒に乾燥
することにより負極層17及び正極層18と一体に固化
したものである。
5に基づいて説明する。図3(a)〜(c)は本発明に
係る燃料電池用の電極構造の製造方法(第1実施形態)
を示す第1工程説明図である。(a)において、シート
状の負極側拡散層13を配置する。すなわち、負極側拡
散層13のカーボンペーパー13aをセットした後、こ
のカーボンペーパー13a上にバインダー層15a用の
溶液を塗布する。
乾燥のうちに、バインダー層15a上に、負極用の溶液
を塗布して負極層17を形成する。(c)において、負
極層17が未乾燥のうちに、負極層17上にイオン交換
膜19用の溶液を塗布してイオン交換膜19を形成す
る。
池用の電極構造の製造方法(第1実施形態)を示す第2
工程説明図である。(a)において、イオン交換膜19
が未乾燥のうちに、イオン交換膜19上に正極層18用
の溶液を塗布して正極層18を形成する。(b)におい
て、正極層18が未乾燥のうちに、正極層18上に、正
極側拡散層14(図2参照)を構成するバインダー層1
6aの溶液を塗布する。
池用の電極構造の製造方法(第1実施形態)を示す第3
工程説明図である。(a)において、バインダー層16
aに正極側のカーボンペーパー14aを載せることによ
り、バインダー層16a及びカーボンペーパー14aで
シート状の正極側拡散層14を形成する。
イオン交換膜19、正極層18、バインダー層16aが
未乾燥のうちに、それぞれの層15a,17,18,1
6a及び膜19に荷重をかけないで、それぞれの層15
a,17,18,16a及び膜19を一緒に乾燥する。
極層17、イオン交換膜19、正極層18、バインダー
層16aを固化することで、バインダー層15a、負極
層17、イオン交換膜19、正極層18、バインダー層
16aを固化した状態で積層する。これにより、第1実
施形態の電極構造12の製造工程が完了する。
ンダー層15a、負極層17、イオン交換膜19、正極
層18、バインダー層16aが未乾燥の状態で、それぞ
れの上面に溶液を塗布することで、それぞれの境界にお
いて隣接する溶液同士を好適に混合させることができ
る。
との間の境界に密着不良部分が発生することを防ぐこと
ができる。また、負極層17とイオン交換膜19との間
の境界に密着不良部分が発生することを防ぐことができ
る。さらに、イオン交換膜19と正極層18との間の境
界に密着不良部分が発生することを防ぐことができる。
加えて、正極層18とバインダー層16aとの間の境界
に密着不良部分が発生することを防ぐことができる。こ
れにより、電極構造12における反応効率を良好に保つ
ことができる。
イオン交換膜19、正極層18、バインダー層16aが
未乾燥の状態で、それぞれの溶液を塗布し、それぞれの
溶液を塗布後に荷重をかけないで乾燥する。これによ
り、イオン交換膜19を固化する際に、イオン交換膜1
9に荷重をかける必要がないので、イオン交換膜19の
性能が荷重の影響で低下することを防ぐことができる。
とで、イオン交換膜19を溶液の状態でハンドリングす
ることができるので、ハンドリング性の観点からイオン
交換膜19の厚さを規制する必要はない。このため、イ
オン交換膜19を薄くすることが可能になり、電極構造
12を薄くすることができる。
2実施形態でより具体的に説明する。なお、第1実施形
態と同一部材については同一符号を付して説明を省略す
る。図6(a)〜(c)は本発明に係る燃料電池用の電
極構造の製造方法(第2実施形態)を示す第1工程説明
図である。(a)において、シート状の負極側拡散層1
3を配置する。すなわち、負極側拡散層13のカーボン
ペーパー13aをセットした後、このカーボンペーパー
13a上にバインダー層15a用の溶液を塗布する。
乾燥のうちに、バインダー層15aの上面に沿ってスプ
レー55を矢印の如く移動しながら噴射口56から負極
層17用の溶液を噴霧状に噴射することにより、バイン
ダー層15a上に負極層17用の溶液を塗布して負極層
17を形成する。
ちに、負極層17の上面に沿ってコーター57を矢印の
如く移動しながら、負極層17上にイオン交換膜19用
の溶液を塗布してイオン交換膜19を形成する。具体的
には、コーター57のブレード57aを負極層17の上
面から上方に所定間隔離して上面に平行に配置し、この
ブレード57aを負極層17の上面に沿って矢印の如く
移動しながら、ブレード57aでイオン交換膜19のペ
ースト(溶液)を一定の厚さにならすことによりイオン
交換膜19を形成する。
を塗布することにより、イオン交換膜19用の溶液が重
力の影響で矢印の如く下方に流れ、負極層17に浸透す
る虞がある。これにより、負極層17の空隙が減少する
虞があるが、負極層17の空隙はある程度減少しても燃
料電池の性能に影響を与える虞はない。
池用の電極構造の製造方法(第2実施形態)を示す第2
工程説明図である。(a)において、イオン交換膜19
が未乾燥のうちに、イオン交換膜19の上面に沿ってス
プレー58を矢印の如く移動しながら噴射口59から正
極層18用の溶液を噴霧状に噴射することにより、イオ
ン交換膜19上に正極層18用の溶液を塗布して正極層
18を形成する。なお、イオン交換膜19の上面に正極
層18用の溶液をスプレー58を用いて塗布した理由に
ついては後述する。
ちに、正極層18上に、正極側拡散層14(図2参照)
を構成するバインダー層16aの溶液を塗布してバイン
ダー層16aを形成する。
16aに正極側のカーボンペーパー14aを載せること
により、バインダー層16a及びカーボンペーパー14
aでシート状の正極側拡散層14を形成する。次に、バ
インダー層15a、負極層17、イオン交換膜19、正
極層18、バインダー層16aが未乾燥のうちに、それ
ぞれの層15a,17,18,16a及び膜19に荷重
をかけないで、それぞれの層15a,17,18,16
a及び膜19を一緒に乾燥する。
層15a、負極層17、イオン交換膜19、正極層1
8、バインダー層16aを固化することで、バインダー
層15a、負極層17、イオン交換膜19、正極層1
8、バインダー層16aを固化した状態で一体に積層す
る。これにより、第2実施形態の製造工程が完了する。
様の効果を得ることができる。さらに、第1、第2実施
形態によれば、イオン交換膜19の上方に正極層18を
設けることで、正極層18をイオン交換膜19の上方に
配置することができる。よって、イオン交換膜19用の
溶液が正極層18に浸透することを防ぐことができ、正
極層18の空隙がイオン交換膜19用の溶液で減少する
ことを防止できる。
を、正極層18の空隙を通して正極側拡散層14まで導
き、正極側拡散層14から好適に排出することができる
ので、燃料電池に生じる濃度過電圧を低く抑えることが
できる。
8を形成する際に、正極層18用の溶液をスプレー法で
塗布することで、イオン交換膜19や正極層18に余分
な塗布圧をかけることなく、すなわち正極層18用の溶
液を最小の塗布圧で塗布することができる。このよう
に、イオン交換膜19や正極層18に余分な塗布圧をか
けないで正極層18用の溶液を塗布することで、イオン
交換膜19用の溶液が正極層18に浸透することを防ぐ
ことができる。
層18の空隙が減少することを防いで、正極層18の空
隙をより一層好適に確保することができる。これによ
り、発電により生成した生成水を、正極層18の空隙を
通して正極側拡散層14まで導き、正極側拡散層14の
空隙からより一層好適に排出することができるので、燃
料電池に生じる濃度過電圧を低く抑えることができる。
膜19の上面に正極層18用の溶液をスプレー58を用
いて塗布したが、正極層18用の溶液の塗布はスプレー
58に限らないで、インクジェット方式を採用すること
も可能である。要は、正極層18用の溶液を噴霧状に塗
布できる方式であればよい。
液を噴霧状に塗布する点で同じである。スプレーは噴霧
範囲が比較的広く塗布時間を短くできるが、未塗布部分
を確保するためにマスキング処理が必要になる。一般
に、マスキング処理部に付着した溶液は回収が難しい。
絞り込むことができるので、未塗布部分にマスキング処
理を施す必要がなく、溶液を有効に使用することができ
る。但し、インクジェットは、塗布範囲が狭いのでスプ
レーと比較して塗布スピードが劣る。
インダー層15aの上面にスプレー55を用いて負極層
17用の溶液を塗布する例について説明したが、その他
の塗布手段で負極層17用の溶液を塗布することも可能
である。さらに、前記第2実施形態では、負極層17の
上面にコーター57を用いてイオン交換膜19用の溶液
を塗布する例について説明したが、その他の塗布手段で
イオン交換膜19用の溶液を塗布することも可能であ
る。
料電池用電極構造12を製造する際に、負極層17を下
方に配置し、正極層18を上方に配置した例について説
明したが、これに限らないで、正極層18を下方に配置
し、負極層17を上方に配置することも可能である。
する。請求項1は、イオン交換膜に溶液を採用し、電極
用の溶液及びイオン交換膜用の溶液をそれぞれ未乾燥の
状態で塗布すれば、境界で混合が発生する。これによ
り、一対の電極及びイオン交換膜の各層の境界に密着不
良部分が発生することを防ぐことができるので、イオン
交換膜における反応効率を良好に保つことができる。こ
の結果、電極構造の品質を安定させることができるの
で、生産性を高めることができる。
で、イオン交換膜を溶液の状態でハンドリングすること
ができるので、ハンドリング性の観点からイオン交換膜
の厚さを規制する必要はない。このため、イオン交換膜
を薄くすることが可能になり、電極構造を薄くすること
ができるので、電極構造の小型化を図ることができる。
膜用の溶液をそれぞれ未乾燥の状態で塗布し、それぞれ
の溶液を塗布後に荷重をかけないで乾燥する。これによ
り、イオン交換膜に荷重をかける必要がないので、荷重
によりイオン交換膜の性能が低下することを防ぐことが
できる。従って、電極構造の品質を安定させることがで
きるので、生産性の向上を図ることができる。
換膜を溶液とすることで、イオン交換膜を溶液の状態で
ハンドリングできる。さらに、イオン交換膜を溶液とす
ることで、ハンドリングの際にイオン交換膜の厚さを規
制する必要はない。このため、イオン交換膜を薄くする
ことが可能になり、電極構造を薄くすることができる。
に正極層を設けることで、イオン交換膜用の溶液が重力
の影響で正極層に浸透することを防ぐことができ、正極
層の空隙がイオン交換膜用の溶液で減少することを防止
できる。従って、発電により生成した生成水を正極層か
ら正極側拡散層に導いて、正極側拡散層の空隙から好適
に排出することができ、燃料電池に生じる濃度過電圧を
低く抑えて、燃料電池の発電性能を良好に保つことがで
きる。
布することで、イオン交換膜に余分な塗布圧をかけるこ
となく、すなわち正極用の溶液を最小の塗布圧で塗布す
ることにした。このように、イオン交換膜に余分な塗布
圧をかけないで正極用の溶液を塗布することで、イオン
交換膜用の溶液が正極層に浸透することを防ぐことがで
きる。
空隙が減少することを防止して、正極層の空隙をより一
層好適に確保することができる。従って、発電により生
成した生成水を正極層から正極拡散層まで導いて、正極
側拡散層の空隙からより一層好適に排出することがで
き、燃料電池に生じる濃度過電圧を低く抑えて、燃料電
池の発電性能をより一層良好に保つことができる。
た燃料電池を示す分解斜視図
形態)を示す説明図
(第1実施形態)を示す第1工程説明図
(第1実施形態)を示す第2工程説明図
(第1実施形態)を示す第3工程説明図
(第2実施形態)を示す第1工程説明図
(第2実施形態)を示す第2工程説明図
図
造)、13…負極側拡散層、14…正極側拡散層、17
…負極層(一方の電極層)、18…正極層(他方の電極
層)、19…イオン交換膜。
4)
インダーは、カーボンフッ素樹脂である。また、正極側
のバインダー層16aを構成するバインダーは、撥水性
を備えたカーボンポリマーであり、カーボンポリマーは
ポリテトラフルオロエチレンの骨格にスルホン酸を導入
したものが該当する。
Claims (4)
- 【請求項1】 シート上に、燃料電池を構成する正・負
極のいずれか一方の電極用の溶液を塗布して一方の電極
層を形成する工程と、 この一方の電極層が未乾燥のうちに、この一方の電極層
上にイオン交換膜用の溶液を塗布してイオン交換膜を形
成する工程と、 このイオン交換膜が未乾燥のうちに、このイオン交換膜
上に他方の電極用の溶液を塗布して他方の電極層を形成
する工程と、 これら一方の電極層、他方の電極層及びイオン交換膜を
乾燥することにより固化する工程と、からなることを特
徴とする燃料電池用電極構造の製造方法。 - 【請求項2】 前記乾燥は、荷重をかけずにおこなうこ
とを特徴とする請求項1記載の燃料電池用電極構造の製
造方法。 - 【請求項3】 シート状の負極側拡散層上に、燃料電池
を構成する負極用の溶液を塗布して負極層を形成する工
程と、 この負極層が未乾燥のうちに、この負極層上にイオン交
換膜用の溶液を塗布してイオン交換膜を形成する工程
と、 このイオン交換膜が未乾燥のうちに、このイオン交換膜
上に正極用の溶液を塗布して正極層を形成する工程と、 この正極層の未乾燥のうちに、この正極層上に正極側拡
散層を設ける工程と、 これら負・正極層及びイオン交換膜のそれぞれの溶液を
乾燥することにより固化する固化工程と、からなる燃料
電池用電極構造の製造方法。 - 【請求項4】 前記正極用の溶液を噴霧状態で塗布する
ことを特徴とする請求項4記載の燃料電池用電極構造の
製造方法。
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