JP3961983B2 - 燃料電池の製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、正・負極間にイオン交換膜を配置し、負極の触媒に水素を接触させるとともに正極の触媒に酸素を接触させることにより発電する燃料電池の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
図7は従来の燃料電池を説明する説明図である。燃料電池100は、負極層(水素極)101と正極層(酸素極)102との間にイオン交換膜103を配置し、負極層101に含む触媒に水素分子(H)を接触させるとともに、正極層102に含む触媒に酸素分子(O)を接触させることにより、電子eを矢印の如く流すことにより、電流を発生させるものである。電流を発生させる際に、水素分子(H)と酸素分子(O)とから生成水(HO)を得る。
この燃料電池100の負極層101、正極層102、イオン交換膜103を次図で詳しく説明する。
【0003】
図8は従来の燃料電池を示す説明図である。
燃料電池は、一対の拡散層104,105の内側にそれぞれバインダー層106及びバインダー層107を備え、これらバインダー層106及びバインダー層107の内側にそれぞれ負極層101及び正極層102を備え、これら負極層101及び正極層102の間にイオン交換膜103を備える。
【0004】
この燃料電池を製造する際には、先ず拡散層104にバインダー層106用の溶液を塗布するとともに、拡散層105にバインダー層107用の溶液を塗布し、塗布したバインダー層106,107を焼成することによりバインダー層106,107を固化する。
【0005】
次に、固化したバインダー層106に負極層101の溶液を塗布するとともに、固化したバインダー層107に正極層102の溶液を塗布し、塗布した負・正極層101,102を乾燥することにより負・正極層101,102を固化する。
次いで、固化した負極層101にシート状のイオン交換膜103を載せ、続いてイオン交換膜103に正極層102が固化された拡散層105を載せて7層の多層構造を形成する。
次に、この多層構造を矢印の如く加熱圧着することにより電極構造を形成する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上述したように、燃料電池はイオン交換膜103としてシートを使用しており、加えてバインダー層106、負極層101、正極層102、バインダー層107のそれぞれの層を固化した状態で加熱圧着するので、それぞれの層の境界に密着不良部分が発生する虞がある。
燃料電池の各層に密着不良部分が発生すると、電流を効率よく発生することが難しくなり、製造ラインの検査の段階において、これらの燃料電池が廃棄処分や修復処分になり、そのことが生産性を高める妨げになっている。
【0007】
さらに、燃料電池のイオン交換膜103としてシートを使用しているので、燃料電池を加熱圧着の際に、イオン交換膜103を加熱状態で加圧することになり、イオン交換膜103の性能が低下する虞がある。これにより、検査の段階で廃棄処分や修復処分の対象となる部品が一層多くなり、そのことが生産性を高める妨げになっている。
【0008】
加えて、イオン交換膜103としてシートを使用しているので、イオン交換膜103の取扱い性を考慮するとイオン交換膜103をある程度厚くする必要がある。このため、燃料電池を薄くすることが難しく、そのことが燃料電池の小型化を図る妨げになる。
【0009】
そこで、本発明の目的は、それぞれの層の境界に密着不良部分が発生することを防ぐことができ、さらにイオン交換膜の性能低下を防ぐことができ、加えてイオン交換膜を薄くすることができる燃料電池の製造方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、それぞれの層間に密着不良部分が発生するのは、先の塗膜が固化した後に、次の溶液を塗布して、この溶液が先の塗膜に滲み込まず、結果として密着不良が発生することが、その原因であることを突き止めた。
そこで、先の塗膜が乾かないうちに、次の溶液を重ねたところ、溶液が先の塗膜に滲み込み、密着性が著しく高まることが分かった。
同様に、シート状のイオン交換膜に溶液を塗布した場合にも、溶液がシート状のイオン交換膜に滲み込まず、結果として密着不良が発生することが、その原因であることを突き止めた。
【0011】
そこで、請求項1は、燃料電池を構成する正電極層用に、電極粒及びバインダーを、通常の質量比1:1と比較して前記バインダーが少量となる質量比1:(0.7〜0.9)混入した溶液を準備する工程と、得られた溶液を、シート状の拡散層の上面に塗布して電極層を形成する工程と、この電極層が未乾燥のうちに、この電極層の上面にイオン交換膜用の溶液を塗布してイオン交換膜を形成するとともに、塗布した溶液の一部を重力の影響で浸透させる工程と、このイオン交換膜が未乾燥のうちに、このイオン交換膜の上面に負電極層用の溶液を塗布して電極層を形成する工程と、これら正負の電極層及びイオン交換膜のそれぞれの溶液を荷重をかけないで乾燥することにより、正負の電極層及びイオン交換膜を固化する固化工程と、からなり、前記各工程を実施することにより、前記正電極層に生成水を排出するための空隙を確保することを特徴とする。
【0012】
イオン交換膜に溶液を採用し、電極用の溶液及びイオン交換膜用の溶液をそれぞれ未乾燥の状態で塗布すれば、境界で混合が発生する。
これにより、正負の電極層及びイオン交換膜の各層の境界に密着不良部分が発生することを防ぐことができるので、イオン交換膜における反応効率を良好に保つことができる。
【0013】
ここで、イオン交換膜にシートを使用した場合、シート状イオン交換膜の取扱い性を好適に保つためにはイオン交換膜をある程度厚くする必要がある。このため、燃料電池を薄くすることが難しく、そのことが燃料電池の小型化を図る妨げになる。
そこで、請求項1においてイオン交換膜を溶液とし、イオン交換膜を溶液の状態で取扱いできるようにした。イオン交換膜を溶液とすることで、取扱いの際にイオン交換膜の厚さを規制する必要はない。このため、イオン交換膜を薄くすることが可能になり、燃料電池を薄くすることができる。
【0014】
ところで、燃料電池を使用して電流を発生させる際に、水素分子(H)と酸素分子(O)とが反応して燃料電池内に生成水(HO)を生成する。この生成水は側拡散層(カーボンペーパー)を透過させて燃料電池の外部に排出する。
しかし、未乾燥の電極層上にイオン交換膜用の溶液を塗布すると、イオン交換膜用の溶液が電極層に浸透して、浸透した溶液で電極層の空隙が減少してしまう虞がある。
【0015】
このため、燃料電池を製造する際に、電極層をイオン交換膜の下方に配置すると、イオン交換膜用の溶液で電極層の空隙が減少してしまい、発電により生成した生成水を、拡散層から燃料電池の外部に効率よく排出できないことが懸念される。
【0016】
生成水を効率よく排出することができないと、水素や酸素の反応ガスを好適に供給することが妨げられるので、濃度過電圧が高くなり、燃料電池の発電性能を良好に保つことが難しくなる。
なお、「濃度過電圧」とは、電極層における反応物質及び反応生成物の補給及び除去の速度が遅く、電極層の反応が妨害されるときに現れる電圧低下をいう。すなわち、濃度過電圧が高くなるということは電圧低下量が増すということである。
【0017】
そこで、請求項1において、電極層の電極粒とバインダーとの質量比を1:(0.7〜0.9)にして、通常の電極粒とバインダーとの質量比1:1と比較してバインダーを少なくした。
電極粒に対するバインダーの質量比が0.7未満になると、バインダーが少なすぎて電極粒を好適に結合することが難しく溶液が流れ出す虞がある。そこで、電極粒に対するバインダーの質量比を0.7以上に設定して、電極粒を好適に結合することにした。
【0018】
一方、電極粒に対するバインダーの質量比が0.9を超えると、バインダーが多すぎて電極層に必要な空隙を確保できない虞がある。そこで、電極粒に対するバインダーの質量比を0.9以下に設定して、電極層の空隙を好適に確保するようにした。
【0019】
電極層の電極粒とバインダーとの質量比を1:(0.7〜0.9)の範囲に設定し、この範囲でバインダーを好適に減らすことにより、電極粒の結合を保ちながら電極層の空隙を通常より大きく確保することができる。
これにより、電極層にイオン交換膜を形成した際に、イオン交換膜の溶媒、すなわちバインダーが電極層に浸透しても、電極層に含むバインダーの量が適正な量を確保することができる。
このため、電極層の空隙を好適に確保することができるので、この空隙を通して生成水を良好に排出することができる。
【0020】
また、請求項2は、前記電極層用の溶液、および前記電極層用の溶液をインクジェットで塗布することを特徴とする。
インクジェットは塗布範囲を正確に絞り込むことができるので、未塗布部分にマスキング処理を施す必要がなく、溶液を有効に使用することができる。
【0021】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を添付図に基づいて以下に説明する。
図1は本発明に係る燃料電池を示す分解斜視図である。
燃料電池ユニット10は複数(2個)の燃料電池組体11,11で構成したものである。燃料電池組体11は、燃料電池12を構成するシート状の負極側拡散層13の外側に負極側流路基板31を配置し、燃料電池12を構成するシート状の正極側拡散層14の外側に正極側流路基板34を配置したものである。
【0022】
負極側拡散層13に負極側流路基板31を積層することで、負極側流路基板31の流路溝31aを負極側拡散層13で覆うことにより、水素ガス流路32を形成する。また、正極側拡散層14に正極側流路基板34を積層することで、正極側流路基板34の流路溝34aを正極側拡散層14で覆うことにより、酸素ガス流路35を形成する。
【0023】
燃料電池12は、正極側拡散層14及び負極側拡散層13の内側にそれぞれバインダーを介して正極層(正電極層)18及び負極層(負電極層)17を備え、これら正極層18及び負極層17の間にイオン交換膜16を備える。
このように、構成した燃料電池組体11をセパレータ36を介して複数個(図1では2個のみを示す)備えることで、燃料電池ユニット10を構成する。
なお、燃料電池12については図2で詳しく説明する。
【0024】
燃料電池ユニット10によれば、水素ガス流路32に水素ガスを供給することで、負極層17に含む触媒に水素分子(H)を吸着させるとともに、酸素ガス流路35に酸素ガスを供給することで、正極層18に含む触媒に酸素分子(O)を吸着させる。これにより、電子(e)を矢印の如く流して電流を発生させることができる。
なお、電流を発生させる際には、水素分子(H)と酸素分子(O)とから生成水(HO)が発生する。
【0025】
図2は本発明に係る燃料電池を示す説明図である。
燃料電池12は、負極側拡散層13及び正極側拡散層14の内側にそれぞれ負極層17及び正極層18を備え、これら負極層17及び正極層18の間にイオン交換膜19を備える。
負極側拡散層13は、負極側のカーボンペーパー13a及び負極側のバインダー層15aからなるシート材である。
また、正極側拡散層14は、正極側のカーボンペーパー14a及び正極側のバインダー層16aからなるシート材である。
【0026】
負極側のバインダー層15aを構成するバインダーは、カーボンフッ素樹脂である。また、正極側のバインダー層16aを構成するバインダーは、撥水性を備えたカーボンポリマーであり、カーボンポリマーはポリテトラフルオロエチレンの骨格にスルホン酸を導入したものが該当する。
【0027】
負極層17は、負極用の溶液に触媒(電極粒)21を混合し、溶液を塗布後に乾燥することで固化したものである。負極層17の触媒21は、炭素22の表面に触媒として白金−ルテニウム合金23を担持したものであり、白金−ルテニウム合金23に水素分子(H)を吸着させるものである。
この負極層17には、触媒21に加えて溶媒としてバインダー17aを混入し、触媒21とバインダー17aとの質量比を1:1になるようにした。
【0028】
正極層18は、正極用の溶液に触媒(電極粒)24を混合し、溶液を塗布後に乾燥することで固化したものである。正極層18の触媒24は、炭素25の表面に触媒として白金26を担持したものであり、白金26に酸素分子(O)を吸着させるものである。
この正極層18には、触媒24に加えて溶媒としてバインダー18aを混入し、触媒24とバインダー18aとの質量比を1:(0.7〜0.9)になるようにした。
【0029】
触媒24とバインダー18aとの質量比を1:(0.7〜0.9)に設定した理由は以下の通りである。
すなわち、触媒24に対するバインダー18aの質量比が0.7未満になると、バインダー18aが少なすぎて触媒24を好適に結合することが難しく負極層18の溶液が流れ出す虞がある。そこで、触媒24に対するバインダー18aの質量比を0.7以上に設定して触媒24を好適に結合することにした。
【0030】
一方、触媒24に対するバインダー18aの質量比が0.9を超えると、バインダー18aが多すぎて正極層18に必要な空隙を確保できない虞がある。そこで、触媒24に対するバインダー18aの質量比を0.9以下に設定して、正極層18の空隙を好適に確保するようにした。
【0031】
正極層18の触媒24とバインダー18aとの質量比を1:(0.7〜0.9)の範囲に設定し、この範囲でバインダー18aを好適に減らすことにより、触媒24の結合を保ちながら正極層18の空隙を通常より大きく確保することができる。
【0032】
これにより、正極層18にイオン交換膜19を形成した際に、イオン交換膜19の溶媒、すなわちバインダー19aが正極層18に浸透しても、正極層18に含むバインダー18a及びバインダー19aが適正な量を確保することができる。このため、正極層18の空隙を好適に確保することができるので、この空隙を通して生成水を良好に排出することができる。
この結果、生成水を効率よく排出することで水素や酸素の反応ガスを好適に供給することができるので、濃度過電圧を抑えて燃料電池の発電性能を良好に保つことができる。
【0033】
イオン交換膜19は、正極層18と負極層17間に溶液の状態で塗布した後、正極層18及び負極層17と一緒に乾燥することにより正極層18及び負極層17と一体に固化したものである。
このイオン交換膜19には、溶媒としてバインダー19aが混入されている。
【0034】
次に、燃料電池12の製造方法を図3〜図6に基づいて説明する。
図3(a)〜(c)は本発明に係る燃料電池の製造方法を示す第1工程説明図である。
(a)において、シート状の正極側拡散層14を配置する。すなわち、正極側拡散層14のカーボンペーパー14aをセットした後、このカーボンペーパー14a上にバインダー層16a用の溶液を塗布する。
【0035】
(b)において、バインダー層16aが未乾燥のうちに、バインダー層16aの上方にスプレー51を配置し、スプレー51を矢印▲1▼の如く移動することにより、噴射口52から正極層18用の溶液を噴霧状に塗布して正極層18を形成する。
【0036】
(c)において、正極層18は、触媒24とバインダー18aとの質量比を1:(0.7〜0.9)に設定した。
触媒24に対するバインダー18aの質量比を0.7以上に設定して触媒24を好適に結合し、質量比を0.9以下に設定して正極層18の空隙を好適に確保する。
【0037】
図4(a),(b)は本発明に係る燃料電池の製造方法を示す第2工程説明図である。
(a)において、正極層18が未乾燥のうちに、コーター54を正極層18の上面に沿って矢印▲2▼の如く移動して、コーター54で正極層18上にイオン交換膜19用の溶液を塗布してイオン交換膜19を形成する。
【0038】
具体的には、コーター54のブレード54aを正極層18の上面から上方に所定間隔離して上面に平行に配置し、このブレード54aを正極層18の上面に沿って矢印▲2▼の如く移動しながら、ブレード54aでイオン交換膜19のペースト(溶液)を一定の厚さにならすことによりイオン交換膜19を形成する。
【0039】
(b)において、正極層18上にイオン交換膜19用の溶液を塗布することにより、イオン交換膜19用の溶液が重力の影響で矢印▲3▼の如く下方に流れ正極層18の空隙18bに浸透する。
【0040】
正極層18は、触媒24とバインダー18aとの質量比を1:(0.7〜0.9)にして、バインダー18aを少量にすることで、正極層18の空隙18bを通常より大きく確保できる。
よって、イオン交換膜19の溶液、すなわちバインダー19aが正極層18の空隙に矢印▲3▼の如く浸透しても、正極層18に含むバインダー18a,19aを適正な量に確保して、正極層18の空隙を好適に確保できる。
【0041】
図5(a),(b)は本発明に係る燃料電池の製造方法を示す第3工程説明図である。
(a)において、イオン交換膜19が未乾燥のうちに、イオン交換膜19の上方にスプレー56を配置し、スプレー56を矢印▲4▼の如く移動することにより、噴射口57から負極層17用の溶液を噴霧状に塗布して負極層17を形成する。
(b)において、負極層17が未乾燥のうちに、負極層17上に、負極側拡散層13(図2参照)を構成するバインダー層15aの溶液を塗布する。
【0042】
図6(a),(b)は本発明に係る燃料電池の製造方法を示す第4工程説明図である。
(a)において、バインダー層15aに負極側のカーボンペーパー13aを載せることにより、バインダー層15a及びカーボンペーパー13aでシート状の正極側拡散層13を形成する。
【0043】
次に、バインダー層16a、正極層18、イオン交換膜19、負極層17、バインダー層15aが未乾燥のうちに、バインダー層16a、正極層18、イオン交換膜19、負極層17、バインダー層15aに荷重をかけないで、バインダー層16a、正極層18、イオン交換膜19、負極層17、バインダー層15aを一緒に乾燥する。
【0044】
(b)において、バインダー層16a、正極層18、イオン交換膜19、負極層17、バインダー層15aを固化することで、バインダー層16a、正極層18、イオン交換膜19、負極層17、バインダー層15aを固化した状態で一体に積層する。
これにより、燃料電池12の製造工程が完了する。
【0045】
このように、燃料電池12の製造方法によれば、バインダー層16a、正極層18、イオン交換膜19、負極層17、バインダー層15aが未乾燥の状態で、それぞれの上面に溶液を塗布することで、それぞれの境界において隣接する溶液同士を好適に混合させることができる。
【0046】
よって、バインダー層16aと正極層18との間の境界に密着不良部分が発生することを防ぐことができる。また、正極層18とイオン交換膜19との間の境界に密着不良部分が発生することを防ぐことができる。さらに、イオン交換膜19と負極層17との間の境界に密着不良部分が発生することを防ぐことができる。また、負極層17とバインダー層15aとの間の境界に密着不良部分が発生することを防ぐことができる。
これにより、燃料電池12における反応効率を良好に保つことができる。
【0047】
さらに、正極層18を構成する触媒24とバインダー18aとの質量比を1:(0.7〜0.9)にすることで、正極層18の空隙を好適に確保することができ、この空隙を通して生成水を良好に排出することができる。
この結果、生成水を効率よく排出することで水素や酸素の反応ガスを好適に供給することができるので、濃度過電圧を抑えて燃料電池の発電性能を良好に保つことができる。
【0048】
加えて、イオン交換膜19を溶液とすることで、イオン交換膜19を溶液の状態で取り扱うことができるので、取扱い性の観点からイオン交換膜19の厚さを規制する必要はない。このため、イオン交換膜19を薄くすることが可能になり、燃料電池12を薄くすることができる。
【0050】
また、前記実施形態では、バインダー層16a上やイオン交換膜19上に塗布する正極層18や負極層17の溶液をスプレー51,56を使用して噴霧状に塗布する例について説明したが、スプレーに限らないで、インクジェット方式を採用することも可能である。要は、負極層17や正極層18の溶液を噴霧状に塗布できる方式であればよい。
【0051】
ここで、スプレー及びインクジェットは溶液を噴霧状に塗布する点で同じである。スプレーは噴霧範囲が比較的広く塗布時間を短くできるが、未塗布部分を確保するためにマスキング処理が必要になる。一般に、マスキング処理部に付着した溶液は回収が難しい。
【0052】
一方、インクジェットは塗布範囲を正確に絞り込むことができるので、未塗布部分にマスキング処理を施す必要がなく、溶液を有効に使用することができる。但し、インクジェットは、塗布範囲が狭いのでスプレーと比較して塗布スピードが劣る。
【0053】
さらに、前記実施形態では、負極層17の上面にコーター54を用いてイオン交換膜19用の溶液を塗布する例について説明したが、その他の塗布手段でイオン交換膜19用の溶液を塗布することも可能である。
【0054】
【発明の効果】
本発明は上記構成により次の効果を発揮する。
請求項1は、イオン交換膜に溶液を採用し、電極層用の溶液及びイオン交換膜用の溶液をそれぞれ未乾燥の状態で塗布すれば、境界で混合が発生する。これにより、正負の電極層及びイオン交換膜の各層の境界に密着不良部分が発生することを防ぐことができるので、イオン交換膜における反応効率を良好に保つことができる。
この結果、燃料電池の品質を安定させることができるので、生産性を高めることができる。
【0055】
加えて、イオン交換膜を溶液とすることで、イオン交換膜を溶液の状態で取り扱うことができるので、取扱い性の観点からイオン交換膜の厚さを規制する必要はない。このため、イオン交換膜を薄くすることが可能になり、燃料電池を薄くすることができるので、燃料電池の小型化を図ることができる。
【0056】
また、電極層の電極粒とバインダーとの質量比を1:(0.7〜0.9)にした。このように、電極層の電極粒とバインダーとの質量比を1:(0.7〜0.9)の範囲に設定することで、この範囲でバインダーを好適に減らすことにより、電極粒の結合を保ちながら電極層の空隙を通常より大きく確保することができる。
これにより、電極層にイオン交換膜を形成した際に、イオン交換膜の溶媒、すなわちバインダーが電極層に浸透しても、電極層に含むバインダーの量が適正な量を確保することができる。
【0057】
このため、電極層の空隙を好適に確保することができるので、この空隙を通して生成水を良好に排出することができる。
この結果、生成水を効率よく排出することで水素や酸素の反応ガスを好適に供給することができるので、濃度過電圧を抑えて燃料電池の発電性能を良好に保つことができる。
【0058】
また、請求項2は、電極層用の溶液、および電極層用の溶液をインクジェットで塗布する。インクジェットは塗布範囲を正確に絞り込むことができるので、未塗布部分にマスキング処理を施す必要がなく、溶液を有効に使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る燃料電池を示す分解斜視図
【図2】 本発明に係る燃料電池を示す説明図
【図3】 本発明に係る燃料電池の製造方法を示す第1工程説明図
【図4】 本発明に係る燃料電池の製造方法を示す第2工程説明図
【図5】 本発明に係る燃料電池の製造方法を示す第3工程説明図
【図6】 本発明に係る燃料電池の製造方法を示す第3工程説明図
【図7】 従来の燃料電池を説明する説明図
【図8】 従来の燃料電池を構成する燃料電池を示す説明図
【符号の説明】
12…燃料電池、13…負極側拡散層(シート)、14…正極側拡散層、17…負極層(電極層)、18…正極層(電極層)、19…イオン交換膜、21、24…触媒。

Claims (2)

  1. 燃料電池を構成する正電極層用に、電極粒及びバインダーを、通常の質量比1:1と比較して前記バインダーが少量となる質量比1:(0.7〜0.9)混入した溶液を準備する工程と、
    得られた溶液を、シート状の拡散層の上面に塗布して電極層を形成する工程と、
    この電極層が未乾燥のうちに、この電極層の上面にイオン交換膜用の溶液を塗布してイオン交換膜を形成するとともに、塗布した溶液の一部を重力の影響で浸透させる工程と、
    このイオン交換膜が未乾燥のうちに、このイオン交換膜の上面に負電極層用の溶液を塗布して電極層を形成する工程と、
    これら正負の電極層及びイオン交換膜のそれぞれの溶液を荷重をかけないで乾燥することにより、正負の電極層及びイオン交換膜を固化する固化工程と、からなり、
    前記各工程を実施することにより、前記正電極層に生成水を排出するための空隙を確保することを特徴とする燃料電池の製造方法。
  2. 前記電極層用の溶液、および前記電極層用の溶液をインクジェットで塗布することを特徴とする請求項1記載の燃料電池の製造方法。
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