JP2003229134A - 燃料電池 - Google Patents

燃料電池

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JP2003229134A
JP2003229134A JP2002026267A JP2002026267A JP2003229134A JP 2003229134 A JP2003229134 A JP 2003229134A JP 2002026267 A JP2002026267 A JP 2002026267A JP 2002026267 A JP2002026267 A JP 2002026267A JP 2003229134 A JP2003229134 A JP 2003229134A
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hydrogen
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Susumu Ishi
軍 石
Tatsu Nagai
龍 長井
Shinsuke Shibata
進介 柴田
Hiroshi Kayano
博志 柏野
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 燃料の利用率が高く、電気容量の損失が少な
い高容量の燃料電池を提供する。 【解決手段】 水素吸蔵材料を導電性基体に固着してな
る負極と空気極からなる正極と電解質を有し、金属水素
化物を燃料源とする燃料電池において、前記水素吸蔵材
料の表面に、負極からの水素ガスの発生を抑制すること
ができる被膜を形成して燃料電池を構成する。上記被膜
は、鉄、銅、チタン、マンガン、亜鉛、マグネシウムな
どの水素発生触媒機能を持たない金属か、またはポリア
ニリンなどの導電性高分子で形成することが好ましい。
また、水素吸蔵材料としては水素吸蔵合金が好ましく、
燃料源としての金属水素化物としてはNaBH4 、KB
4 、LiAlH4 、KHまたはNaHが好ましく、電
解質としてはKOH、NaOH、LiOHなどのアルカ
リ金属の水酸化物の水溶液が好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、燃料電池に関し、
さらに詳しくは、NaBH4 、KBH4 、LiAl
4 、KH、NaHなどの金属水素化物からなる燃料源
に含まれる水素と酸素との反応を電池反応として利用す
る燃料電池に関する。
【0002】
【従来の技術】現在商品化されているニッケル−金属水
素化物電池は、種々の特長を有しているが、正極活物質
である水酸化ニッケルの充填に負極と同等の体積を要す
るため、エネルギー密度をさらに高くするという点から
はまだ不充分であった。そこで、エネルギー密度をさら
に高くするためには、燃料電池が好適な選択肢と考えら
れる。
【0003】しかしながら、燃料電池については、用い
る燃料に関して種々の問題点から最終的な決定がいまだ
なされていない。例えば、純水素の場合、インフラの解
決には時間と膨大な資金が要る。また、一般的には、水
素は取り扱いが非常に危険であると考えられる。ガソリ
ンの場合、ガソリンの改質という難題がある。メタノー
ルの場合には、改質メタノールを使用する時は、ガソリ
ンと同じような問題が生じ、ダイレクトメタノール型燃
料電池では、出力や効率が低く、燃料の電解質膜透過も
大きいという問題があった。
【0004】また、NaBH4 、KBH4 、LiAlH
4 、KH、NaHなどの金属水素化物を燃料源として用
い、水素吸蔵合金を負極に用い、KOH、NaOH、L
iOHなどのアルカリ金属の水酸化物の水溶液を電解質
として用いた燃料電池では、燃料を電解質中に高濃度に
含有させて使用すると、負極に水素ガスが発生しやす
く、エネルギー損失が大きくなるため、電池として実用
性を欠き、単なる水素発生源として使用されているのが
現状である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記のよう
な従来技術の問題点を解決し、電気容量の損失が小さい
燃料電池を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、水素吸蔵材料
を導電性基体に固着してなる負極と空気極からなる正極
と電解質を有し、金属水素化物を燃料源とする燃料電池
において、前記水素吸蔵材料の表面に、負極からの水素
ガスの発生を抑制することができる被膜を形成すること
によって、燃料の利用率を向上させ、電気容量の損失を
少なくして、高容量の燃料電池を提供し、上記課題を解
決したものである。
【0007】
【発明の実施の形態】上記水素吸蔵材料の表面に形成す
る被膜は、負極からの水素ガスの発生を抑制することが
できるものであることが必要であり、この被膜として
は、例えば、鉄、銅、チタン、マンガン、亜鉛、マグネ
シウムなどの水素発生触媒機能を持たない金属からなる
ものが好ましい。この被膜は、例えば、水素吸蔵合金粉
末の表面に湿式無電解メッキ法により形成することがで
き、水素吸蔵合金の水素分解能を抑制して水素ガスの発
生量を低減することができる。この鉄、銅、チタン、マ
ンガン、亜鉛、マグネシウムなどの被膜による被覆量
は、薄すぎると水素ガスの発生を抑制する作用が充分に
発揮されないし、また厚すぎると放電能力を低下させる
おそれがあるので、0.1〜2μmが好ましい。
【0008】上記のような水素吸蔵合金粉末の表面に形
成する被膜に使用する金属は、次のような各種金属の水
素発生触媒機能の調査結果に基づいて決定したものであ
る。
【0009】金属粉末としては、粒子径74μm以下の
鉄粉末、粒子径74μm以下の銅粉末、粒子径120μ
m以下のチタン粉末、粒子径74μm以下のマンガン粉
末、粒子径5μm以下の亜鉛粉末、粒子径149μm以
下のマグネシウム粉末、粒子径2μm以下のコバルト粉
末、粒子径8μm以下のニッケル粉末および粒子径28
μm以下の水素吸蔵合金LaNi5 粉末を用い、それら
のそれぞれについて、次に示すように水素の発生状態を
調べた。すなわち、濃度が10質量%の水酸化ナトリウ
ム水溶液100ml中にNaBH4 粉末1gを加えて溶
解し、その中に表面積が1.91m2 となるように計量
した前記の金属粉末試料を投入し、投入直後、投入5分
後、投入2時間後および投入6時間後の水素の発生状態
を観察し、それを次の基準で評価した。その評価結果を
表1に示す。
【0010】評価基準: ◎:激しく水素が発生する ○:水素が発生する △:少し水素が発生する ×:水素が発生しない
【0011】
【表1】
【0012】表1に示すように、Fe(鉄)、Cu
(銅)、Ti(チタン)、Mn(マンガン)、Zn(亜
鉛)およびMg(マグネシウム)は、Co(コバル
ト)、Ni(ニッケル)、水素吸蔵合金のLaNi5
どに比べて、水素の発生が少なく、水素発生触媒機能を
持たないか、水素発生あるいは触媒機能が著しく低いと
考えられる。
【0013】また、上記のように、水素吸蔵合金粉末の
表面に銅などの水素発生触媒機能を持たない金属の被膜
を形成するにあたっては、湿式無電解メッキ法が好適に
採用されるが、その手順を、水素発生触媒機能を持たな
い金属として銅を用いた場合を例に挙げ、図1を参照し
つつ説明すると、次の通りである。
【0014】水素吸蔵合金のインゴットを50μm以下
に微粉砕し、希塩酸、希フッ酸またはSnCl2 塩酸溶
液〔商品名:MAC−100プリデップ、奥野製薬工業
(株)製〕による表面調整とPdCl2 塩酸溶液〔商品
名:MAC−200コンディショナ、奥野製薬工業
(株)製〕による活性化処理とにより表面酸化物の除去
などの前処理を行った後、NaOH浴(ロッシェル塩タ
イプ)〔商品名:MAC−500A,MAC−500
B、奥野製薬工業(株)製〕などにより湿式の無電解メ
ッキ法によって、水素吸蔵合金粉末の表面に銅メッキを
施す。
【0015】この銅メッキによる被膜の形成は、例え
ば、質量にして約20質量%、膜厚にして1μm程度に
なされる。そして、上記メッキ後、洗浄、乾燥して表面
に銅メッキによる銅被膜を形成した水素吸蔵合金粉末を
得る。
【0016】上記のように、水素吸蔵合金の粒子表面に
銅の被膜を形成する場合には、メッキ反応が水素ガスの
発生を伴うため、形成される銅被膜は本質的に多孔質と
なる。このような無電解メッキ法は、ほとんどすべての
合金種に適用でき、また、多層被膜にすることができ
る。水素吸蔵合金用に調製されたメッキ液は奥野製薬工
業(株)からMACシリーズとして市販されているの
で、上記例示では、それを用いた例を示したが、水素吸
蔵合金がニッケルを含有している場合は、ニッケルがメ
ッキ反応の触媒となるので、上記MAC−100,20
0などによる活性化処理は必ずしも必要でない。
【0017】また、水素吸蔵合金粉末の表面に形成する
被膜としては、前記鉄、銅、チタン、マンガン、亜鉛、
マグネシウムなどの水素発生触媒機能を持たない金属以
外に、導電性高分子により形成したものでもよい。
【0018】この水素吸蔵合金粉末の表面に被膜として
形成するための導電性高分子としては、例えば、ポリア
ニリン、ポリアセチレン、ポリフラン、ポリアセン、ポ
リピロール、ポリチオフェン、ポリフェニレンなどを用
い得るが、特にポリアニリンが好ましい。
【0019】上記導電性高分子による被膜の形成は、例
えば、導電性高分子を溶剤に溶解させた導電性高分子の
含有溶液を調製し、その導電性高分子の含有溶液に水素
吸蔵合金粉末を浸漬するか、または上記導電性高分子含
有溶液を水素吸蔵合金粉末に塗布し、その後、乾燥する
ことによって行われる。ただし、導電性高分子による被
膜の形成は、上記例示の方法により限られることなく、
他の方法によってもよい。
【0020】上記導電性高分子含有溶液の調製にあたっ
ては、例えば、ポリアニリンなどの導電性高分子をN−
メチル−2−ピロリドンなどの溶剤に溶解させる方法が
採用されるが、その導電性高分子含有溶液中の導電性高
分子の濃度としては2〜7質量%が好ましい。導電性高
分子の濃度を上記範囲にすることによって、導電性高分
子の被膜による水素吸蔵合金の水素分解触媒機能を適正
に抑制できるとともに、導電性高分子のゲル化の度合い
が大きくなりすぎて均一な被膜を形成することが困難に
なるのを防止することができる。
【0021】導電性高分子含有溶液を塗布または含浸後
の乾燥は、真空乾燥によって行うことが適しているが、
その真空乾燥は、溶剤を完全に除去でき、かつ導電性高
分子のガラス転移点(ポリアニリンの場合は120〜1
30℃)を超える温度で行うことが好ましい。これは、
ポリアニリンなどの導電性高分子の粘性率を低下させ、
できるかぎり均一かつ広範囲に導電性高分子の被膜を形
成させるという理由によるものである。
【0022】上記導電性高分子の被膜は、水素吸蔵合金
粉末の形状が不規則なので、その厚みとして具体的数値
を挙げることが難しいが、その被覆量としては、水素吸
蔵合金粉末1gに対して導電性高分子が3〜60mgが
好ましく、水素吸蔵合金粉末に対する導電性高分子の被
覆量を上記範囲内にすることによって、導電性高分子の
被膜による水素吸蔵合金の水素分解触媒機能を適正に抑
制できるようにすると共に、導電性高分子のゲル化の度
合いが大きくなりすぎて均一な被膜を形成することが困
難になるのを防止することができる。
【0023】水素吸蔵材料としては、水素吸蔵合金やナ
ノチューブなどの炭素材料のうち少なくとも1種を用い
ることが適しているが、特に水素吸蔵合金が適してい
る。その水素吸蔵合金としては、特に限定されることは
ないものの、例えば、LaNi 5 で代表されるAB5
水素吸蔵合金、ZnMn2 もしくはその置換体で代表さ
れるAB2 型水素吸蔵合金、Mg2 Niもしくはその置
換体で代表されるマグネシウム系のA2 B型水素吸蔵合
金、固溶体V基水素吸蔵合金などを用い得るが、そらら
の中でも、ミッシュメタルを用い、かつNiの一部をC
oなどで置換したMmNi5 系のAB5 型水素吸蔵合金
が特に好適に用いられる。
【0024】負極の導電性基体としては、水素発生触媒
機能を持つニッケル製のものやニッケルメッキしたもの
も用い得るが、それらに代えて、鉄、銅、チタン、マン
ガン、亜鉛、マグネシウムなどの水素発生触媒機能を持
たない金属製のものやそれらの水素発生触媒機能を持た
ない金属でメッキしたものを用いることによって、負極
からの水素ガスの発生をより低減させることができるの
で好ましい。
【0025】負極は、前記のように、その表面に鉄、
銅、チタン、マンガン、亜鉛、マグネシウムなどの水素
発生触媒機能を持たない金属や導電性高分子で被膜を形
成した水素吸蔵材料を、例えばポリテトラフルオロエチ
レンやカルボキシメチルセルロースなどのバインダーで
導電性基体に固着させることによって作製される。
【0026】本発明においては、正極に空気極を用いる
が、その空気極は、特に特定のものに限られることな
く、従来同様のものを用いることができ、例えば、銀、
白金、ルテニウム、酸化イリジウム、希土類酸化物など
の触媒金属もしくはその合金の粉末、または炭素、ニッ
ケルなどの担体の粉末に触媒金属をメッキするかもしく
は担持させた粉体を空気極触媒とするものが用いられ
る。
【0027】本発明において、電解質としては、液状の
ものであればいずれも用い得るが、特にアルカリ水溶液
が好適に用いられる。このアルカリ水溶液について詳し
く説明すると、電解質としてのアルカリ水溶液として
は、例えば、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸
化リチウムなどのアルカリ金属の水酸化物を濃度20〜
40質量%程度に溶解したものが好ましく、それらの混
合液も用いることができる。
【0028】本発明において、燃料源としては金属水素
化物が用いられるが、その金属水素化物としては、特に
限定されることはないものの、例えば、NaBH4 、K
BH 4 、LiAlH4 、KH、NaHなどが好適に用い
られ、特にNaBH4 が好適に用いられる。そして、こ
れらの燃料源は、電池組立にあたって、通常、電解質中
に含有させた状態で使用される。
【0029】ここで、本発明に係る燃料電池の一例を図
2に基づいて説明する。ただし、この図2は本発明に係
る燃料電池の一例を模式的に示す断面図であって、電池
の構成にあたって必要な部材のうちの一部を示したもの
にすぎず、また、断面より後方の輪郭線を一部省略して
いる。この図2に示す燃料電池において、正極1は、空
気極からなり、その一方の側はポリテトラフルオロエチ
レンシート3を介して前方部6と対向しており、その前
方部6には電池外部から電池内部に空気を取り入れるた
めの空気取入口6aが設けられている。そして、正極1
の他方の側はポリテトラフルオロエチレン製の撥水性網
状物からなるセパレータ4に対向している。
【0030】負極2は、前記のように水素吸蔵材料を導
電性基体に固着してなり、その水素吸蔵材料には負極か
らの水素ガスの発生を抑制することができる被膜が形成
さているが、この図2では、その被膜の図示を省略して
いる。そして、負極2の一方の側はスルホン化ポリプロ
ピレン不織布からなるセパレータ5に対向し、負極2の
他方の側は後方部7に対向し、このスルホン化ポリプロ
ピレン不織布からなるセパレータ5は前記ポリテトラフ
ルオロエチレン製の撥水性網状物からなるセパレータ4
と共に正極1と負極2との間に配置されている。
【0031】そして、正極1からは正極側のリード線8
が引き出され、負極2からは負極側のリード線9が引き
出されている。10はO−リングを示しており、この図
2では、O−リング10と前方部6や後方部7との間に
隙間を設けて図示されているが、実際には隙間がなく、
O−リング10と前方部6および後方部7とで構成され
る電池容器の空間内に燃料源を含有させた電解質が正極
1、負極2、ポリテトラフルオロエチレン製の撥水性網
状物からなるセパレータ4、スルホン化ポリプロピレン
不織布からなるセパレータ5などと共に収容されてい
る。なお、この図2に示す電池では、セパレータとして
ポリテトラフルオロエチレン製の撥水性網状物からなる
セパレータ4とスルホン化ポリプロピレン不織布からな
るセパレータ5とを併用しているが、必ずしも2種併用
してなくてもよい。また、この図2では、正極1、セパ
レータ4、セパレータ5、負極2との間が隙間があるか
のように図示されているが、実際には、それらの間に電
解質(図示していない)が存在していることを除いて
は、密接している。そして、この図2に示す電池では、
酸素を大気中の空気から取り入れる場合以外にも、圧縮
空気または純酸素の導入により酸素を取り入れられるこ
とができるように構成されており、そのため、前方部6
に導入口6bが形成されており、また、前方部6には過
剰に導入された圧縮空気や酸素を排出するための排出口
6cが形成されている。そして、上記のように酸素を圧
縮空気または純酸素の導入により供給する場合には、前
方部6の前に蓋板11を取り付けることができるように
構成されている。さらに、後方部7の上部には、液もれ
を防ぐと共に発生した水素ガスを通させるためのポリテ
トラフルオロエチレン管およびポリテトラフルオロエチ
レンシート7aが設けられている。
【0032】
【実施例】つぎに、実施例を挙げて本発明をより具体的
に説明する。ただし、本発明はそれらの実施例のみに限
定されるものではない。なお、以下の実施例などにおい
て、溶液や分散液などの濃度を示す%や水素吸蔵合金の
組成を表す際の%は、特にその基準を付記しないかぎり
質量%である。
【0033】実施例1 この実施例1では、負極の作製にあたって、表面に銅メ
ッキを施した水素吸蔵合金粉末を用いる。その銅メッキ
は自己触媒型無電解メッキ法で行うが、その手順を以下
に説明する。水素吸蔵合金としては、組成がMmNi
3.48Co0.74Mn 0.4 Al0.3 (ここで、MmはLa:
33%、Ce:47%、Pr:5%、Nd:15%を含
有するミッシュメタル)で表されるものを用いた。この
水素吸蔵合金インゴットを20μm程度に微粉砕してお
き、SnCl2 塩酸溶液〔商品名:MAC−100ブリ
テップ、奥野製薬工業(株)製〕による表面調整とPd
Cl 2 塩酸溶液〔商品名:MAC−200コンディショ
ナ、奥野製薬工業(株)製〕による活性化処理とにより
表面酸化物の除去などの前処理を行った後、質量にして
約20質量%、膜厚にして1μm程度の銅メッキを施
す。メッキ法自体は自己触媒型湿式無電解メッキ法と基
本的に同じであり、NaOH浴(ロッシェル塩タイプ)
〔商品名:MAC−500A,MAC−500B、奥野
製薬工業(株)製〕中で酒石酸ナトリウムカリウムから
なる錯化剤の存在化にホルムアルデヒドで銅イオンを水
素吸蔵合金粉末の表面に還元析出させ、その後、洗浄
し、乾燥した。
【0034】上記のようにして銅メッキした水素吸蔵合
金粉末20gにカルボキシメチルセルロース2.55g
と60%ポリテトラフルオロエチレン水性分散液0.5
6gを添加し、さらに純水2ml以上を加え、充分に混
合した。得られた水素吸蔵合金粉末含有ぺーストを空孔
率95容量%の銅発泡体からなる多孔質基体に塗布、充
填し、60℃で充分に乾燥した。得られた負極の面積は
2cm×2cmであった。
【0035】また、正極を構成する空気極は次に示すよ
うにして作製した。60ml以上の純水に0.5gのカ
ーボンBP−2000(商品名、CABOT社製)を添
加してから、10分間攪拌し、さらに0.36gの60
%ポリテトラフルオロエチレン分散液を添加して20分
間攪拌した。続いて16mlのn−ブタノールを入れて
20分間攪拌した。その後、200℃まで加熱しながら
20分間攪拌した。冷却後ある程度練ってからこのぺー
ストを厚さが0.5mm、面積が2cm×2cmの枠で
鉄製網に均一に塗布した後、882N/cm2 の圧力で
30秒間プレスした。得られた電極体を300℃、10
分間加熱した。次いでポリテトラフルオロエチレンシー
ト上に配置し、1764N/cm2 の圧力で30秒間プ
レスした。得られた空気極の面積は2cm×2cmであ
った。
【0036】電解質としては30質量%の水酸化カリウ
ム水溶液を用いた。
【0037】燃料源としてはNaBH4 を用い、これを
上記水酸化カリウム水溶液からなる電解質100mlに
0.2gの割合で添加し、混合して電解質中に含有させ
ておいた。
【0038】そして、上記正極、負極、電解質、燃料源
などを用いて、図2に示す構造の燃料電池を作製した。
【0039】実施例2 この実施例2では、負極の作製にあたって、表面をポリ
アニリンで被覆した水素吸蔵合金を用いる。その水素吸
蔵合金の表面への被膜の形成は、次に示すように行っ
た。
【0040】水素吸蔵合金としては、実施例1と同様に
組成がMmNi3.48Co0.74Mn0. 4 Al0.3 (ここ
で、MmはLa:33%、Ce:47%、Pr:5%、
Nd:15%を含有するミッシュメタル)で表されるも
のを用いた。この水素吸蔵合金粉末20gにカルボキシ
メチルセルロース2.55gと60%ポリテトラフルオ
ロエチレン水性分散液0.56gを添加し、さらに純水
2ml以上を加え、充分に混合した。そして、その混合
液中に7%ポリアニリンNMP溶液〔ポリアニリンをN
MP(N−メチル−2−ピロリドン)に濃度が7%にな
るように溶解させた溶液〕5gを加え、充分に混合し
て、水素吸蔵合金含有ぺーストを調製した。
【0041】得られた水素吸蔵合金含有ぺーストを空孔
率95容量%のニッケル発泡体からなる多孔質基体に塗
布、充填し、100℃で10分間予備乾燥した後、さら
に、7%ポリアニリンNMP溶液を電極体表面から含浸
させ、150℃で5時間真空乾燥して水素吸蔵合金の表
面にポリアニリンの被膜を形成した水素吸蔵合金電極か
らなる負極を得た。上記水素吸蔵合金の表面に形成した
ポリアニリン被膜によるポリアニリンの被覆量は水素吸
蔵合金1gに対して47mgであり、この水素吸蔵合金
電極からなる負極の面積1cm2 に対するポリアニリン
の被覆量は7.6mgであった。また、負極の面積は2
cm×2cmであり、負極に使用された水素吸蔵合金は
0.84gであった。
【0042】正極を構成する空気極としては実施例1と
同様のものを用い、電解質としては実施例1と同様に3
0%水酸化カリウム水溶液を用い、燃料源としては実施
例1と同様にNaBH4 を用い、これを実施例1と同様
に電解質中に添加し、攪拌して電解質中に含有させてお
いた。
【0043】そして、上記負極、正極、電解質、燃料源
などを用いた以外は、実施例1と同様に燃料電池を作製
した。
【0044】比較例1 実施例1と同様の組成を有する水素吸蔵合金粉末20g
にカルボキシメチルセルロース2.55gと60%ポリ
テトラフルオロエチレン水性分散液0.56gを添加
し、さらに純水2ml以上を加え、充分に混合して水素
吸蔵合金粉末含有ぺーストを調製した。得られた水素吸
蔵合金粉末含有ぺーストを実施例2と同様のニッケル発
泡体からなる多孔質基体に塗布、充填し、100℃で1
0分間予備乾燥した後、150℃で5時間真空乾燥して
水素吸蔵合金電極からなる負極を得た。
【0045】そして、上記負極を用いた以外は、実施例
1と同様に燃料電池を作製した。
【0046】上記実施例1〜2および比較例1の電池に
ついて放電容量を測定した。その結果を表2に示す。な
お、実施例1〜2の電池、比較例1の電池とも、燃料の
理論容量はいずれも1128mAhであり、放電容量の
測定は、各電池をそれぞれ放電電流100mAで電池電
圧が0.5Vに低下するまで放電することによって行っ
た。
【0047】
【表2】
【0048】表2に示すように、実施例1〜2の電池
は、比較例1の電池に比べて、放電容量が大きく、した
がって、実施例1〜2では、燃料の利用率が高く、電気
容量の損失が少ない高容量の燃料電池を提供することが
できた。
【0049】
【発明の効果】以上説明したように、本発明では、燃料
の利用率が高く、電気容量の損失が少ない高容量の燃料
電池を提供することができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】水素吸蔵合金粉末の表面に銅メッキにより銅被
膜を形成する手順の一例を模式的に示す図である。
【図2】本発明に係る燃料電池の一例を模式的に示す断
面図である。
【符号の説明】
1 正極 2 負極 4 ポリテトラフルオロエチレンの撥水性網状物からな
るセパレータ 5 スルホン化ポリプロピレン不織布からなるセパレー
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01M 8/06 H01M 8/06 Z (72)発明者 柴田 進介 大阪府茨木市丑寅一丁目1番88号 日立マ クセル株式会社内 (72)発明者 柏野 博志 大阪府茨木市丑寅一丁目1番88号 日立マ クセル株式会社内 Fターム(参考) 5H018 AA03 AS02 BB07 BB08 EE02 EE05 EE10 EE17 HH05 5H026 AA03 BB04 CX04 EE02 EE05 EE08 EE18 HH05 5H027 AA03 BA14

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水素吸蔵材料を導電性基体に固着してな
    る負極と空気極からなる正極と電解質を有し、金属水素
    化物を燃料源とする燃料電池であって、前記水素吸蔵材
    料の表面に、負極からの水素ガスの発生を抑制すること
    ができる被膜を形成したことを特徴とする燃料電池。
  2. 【請求項2】 導電性基体の表面に、負極からの水素ガ
    スの発生を抑制することができる被膜を形成したことを
    特徴とする請求項1記載の燃料電池。
  3. 【請求項3】 被膜が、鉄、銅、チタン、マンガン、亜
    鉛またはマグネシウムからなることを特徴とする請求項
    1または2記載の燃料電池。
  4. 【請求項4】 被膜が、導電性高分子からなることを特
    徴とする請求項1または2記載の燃料電池。
  5. 【請求項5】 導電性高分子が、ポリアニリンであるこ
    とを特徴とする請求項4記載の燃料電池。
  6. 【請求項6】 被膜によるポリアニリンの被覆量が、水
    素吸蔵材料1gに対して3〜60mgであることを特徴
    とする請求項5記載の燃料電池。
  7. 【請求項7】 水素吸蔵材料が、水素吸蔵合金またはナ
    ノチューブなどの炭素材料のうちの少なくとも1種から
    なることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の
    燃料電池。
  8. 【請求項8】 負極の導電性基体が、水素発生触媒機能
    を持たない鉄、銅、チタン、マンガン、亜鉛、マグネシ
    ウムまたはそれらの金属をメッキしたものからなること
    を特徴とする請求項1記載の燃料電池。
  9. 【請求項9】 燃料源の金属水素化物が、NaBH4
    KBH4 、LiAlH4 、KHおよびNaHよりなる群
    から選ばれる少なくとも1種からなることを特徴とする
    請求項1〜8のいずれかに記載の燃料電池。
  10. 【請求項10】 電解質が、KOH、NaOHおよびL
    iOHよりなる群から選ばれる少なくとも1種のアルカ
    リ金属の水酸化物の水溶液からなることを特徴とする請
    求項1〜9のいずれかに記載の燃料電池。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007066750A (ja) * 2005-08-31 2007-03-15 Toyota Motor Corp 燃料電池用ガス拡散体、燃料電池用セパレータ及び燃料電池
JP2007507852A (ja) * 2003-10-02 2007-03-29 ヒューレット−パッカード デベロップメント カンパニー エル.ピー. 一体型の燃料電池スタック及び触媒燃焼器装置、アセンブリ、及び使用方法
CN100347892C (zh) * 2004-11-19 2007-11-07 南开大学 碱金属配位氢化物储氢材料与制备方法及其应用
JP2017010619A (ja) * 2015-06-16 2017-01-12 古河電池株式会社 金属空気電池

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