JP2003229096A - 赤色を呈するランプバルブの製造方法 - Google Patents

赤色を呈するランプバルブの製造方法

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JP2003229096A
JP2003229096A JP2002036412A JP2002036412A JP2003229096A JP 2003229096 A JP2003229096 A JP 2003229096A JP 2002036412 A JP2002036412 A JP 2002036412A JP 2002036412 A JP2002036412 A JP 2002036412A JP 2003229096 A JP2003229096 A JP 2003229096A
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red
transparent
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Kazuo Goto
和生 後藤
Yoshibumi Maeda
義文 前田
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Mitsuboshi Belting Ltd
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Mitsuboshi Belting Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ランプバルブを直接着色することにより視認
性の良いランプを提供でき、ランプバルブ点灯時の発熱
に対して安定した発光特性を示し、着色膜の接着性が良
好で、耐溶剤性に優れ、また耐久性に優れた赤色を呈す
るランプバルブの製造方法を提供することにある。 【解決手段】 (A)粒径が1〜100nmの金微粒
子、(B)有機珪素化合物、(C)チタン、ジルコニ
ア、錫、鉄、そしてニッケルから選ばれた金属を有する
少なくとも1種の有機金属化合物、(D)バインダー樹
脂、(E)有機溶剤からなり、上記(B)有機珪素化合
物に含まれる珪素原子数Mと、(C)有機金属化合物
に含まれる金属原子数Mが、M/M=2〜100
の割合になるように配合した着色剤を無色透明のランプ
バルブ表面に塗布、乾燥の後、350〜800℃で焼成
して得られた赤色を呈するランプバルブの製造方法にあ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は赤色を呈するランプ
バルブの製造方法に係わり、詳しくは金微粒子、及び銀
微粒子、もしくは透明赤色無機顔料を発色源とした着色
被膜を無色透明なランプバルブ表面に形成したした赤色
を呈するランプバルブの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】赤色を呈するランプは、自動車用ストッ
プランプおよびテールランプに利用されているが、その
構造は点灯時、白色光を発するランプバルブに樹脂或い
はガラスでできた赤色のランプカバーを組み合わせるの
が一般的である。しかし、この技術はカバー自体が着色
されているため点灯時の視認性に劣るという問題があっ
た。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】この問題を解決するた
めに、ランプカバーは無色透明としランプバルブ表面に
赤色顔料を含むコート剤を塗布する方法がある。しか
し、赤色顔料が有機系材料の場合、ランプバルブ点灯時
の発熱により著しい変色を生じた。一方、無機系の赤色
顔料を使用した場合、赤色顔料に含まれる有害な金属酸
化物が廃棄物処理において問題を生じさせた。
【0004】本発明の目的は、上記した問題点を解決
し、ランプバルブを直接着色することにより視認性の良
いランプを提供でき、ランプバルブ点灯時の発熱に対し
て安定した発光特性を示し、着色膜の接着性が良好で、
耐溶剤性に優れ、また耐久性に優れた赤色を呈するラン
プバルブの製造方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本願請求項1記載の発明
は、(A)粒径が1〜100nmの金微粒子、(B)有
機珪素化合物、(C)チタン、ジルコニア、錫、鉄、そ
してニッケルから選ばれた金属を有する少なくとも1種
の有機金属化合物、(D)バインダー樹脂、(E)有機
溶剤からなり、上記(B)有機珪素化合物に含まれる珪
素原子数Mと、(C)有機金属化合物に含まれる金属
原子数Mが、M/M=2〜100の割合になるよ
うに配合した着色剤を無色透明のランプバルブ表面に塗
布、乾燥の後、350〜800℃で焼成する赤色を呈す
るランプバルブの製造方法にある。
【0006】本願請求項2記載の発明は、請求項1記載
の着色剤に(F)粒径が1〜100nmの銀微粒子を添
加し無色透明のランプバルブ表面に塗布、乾燥の後、3
50〜800℃で焼成する赤色を呈するランプバルブの
製造方法にある。
【0007】本願請求項3記載の発明は、請求項1記載
の着色剤に(G)有機銀化合物を添加し無色透明のラン
プバルブ表面に塗布、乾燥の後、350〜800℃で焼
成する赤色を呈するランプバルブの製造方法にある。
【0008】本願請求項4記載の発明は、(A’)透明
赤色無機顔料、(B)有機珪素化合物、(C)チタン、
ジルコニア、錫、鉄、そしてニッケルから選ばれた金属
を有する少なくとも1種の有機金属化合物、(D)バイ
ンダー樹脂、そして(E)有機溶剤からなる着色剤を無
色透明のランプバルブ表面に塗布、乾燥の後、200〜
500℃で焼成した赤色を呈するランプバルブの製造方
法にある。
【0009】本願請求項5記載の発明は、(A’)透明
赤色無機顔料は粒径が1〜100nmの酸化鉄微粒子か
らなり、顔料分散剤により有機溶媒中に分散させたもの
である赤色を呈するランプバルブの製造方法にある。
【0010】本願請求項6記載の発明は、請求項4記載
の着色剤にシランカップリング剤(H)を添加すること
により耐水性、耐アルカリ性等の耐久性に優れた赤色を
呈するランプバルブの製造方法にある。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明で使用する(A)金微粒子
は、1)顔料分散剤により保護され、アルコール、ケト
ン、エーテル、トルエン等の溶媒に分散可能で、粒径が
1〜100nm、好ましくは1〜50nmの金イオンを
還元させて作製された金微粒子、または2)ガス中蒸着
法により作製されるもので、粒径が1〜100nm、好
ましくは1〜50nmの金微粒子をα−テレピネオー
ル、トルエン等溶剤中に独立分散させたものであり,ま
たは3)粒径が1〜100nm、好ましくは1〜50n
mの金微粒子をアルコール、ケトン、エーテル、トルエ
ン等の溶媒に可溶な高分子あるいはオリゴマー内に分散
させたものなどを挙げることができる。
【0012】上記高分子あるいはオリゴマーとしては、
分子の末端あるいは側鎖にシアノ基(−CN)、アミノ
基(−NH2)、そしてチオール基(−SH)から選ば
れた少なくとも1種の官能基を有するものであり、上記
官能基は特に微粒子の表面の金原子と共有結合や配位結
合を形成しやすく、粒成長を抑制し、微粒子の分散性を
高めることになる。上記高分子あるいはオリゴマーの骨
格は,ポリエチレンオキサイド、ポリエチレングリコー
ル、ポリビニルアルコール、ナイロン11、ナイロン
6、ナイロン66、ナイロン6.10、ポリエチレンテ
レフタレート、ポリスチレン等からなり、その融点ある
いは軟化点は40〜100℃である。オリゴマーの平均
分子量は特に制限はないが、500〜6,000程度で
ある。
【0013】金微粒子はランプバルブ表面に形成する着
色層において発色源として作用し、着色層のマトリクス
となる有機金属化合物、および有機珪素化合物が熱分解
して形成する金属酸化物の構成成分により、青色から紫
色を呈する。
【0014】本発明で使用する(F)銀微粒子は、1)
顔料分散剤により保護され、アルコール、ケトン、エー
テル、トルエン等の溶媒に分散可能で、粒径が1〜10
0nm、好ましくは1〜50nmの銀イオンを還元させ
て作製された銀微粒子、あるいは2)ガス中蒸着法によ
り作製されるもので、粒径が1〜100nm、好ましく
は1〜50nmの金微粒子をα−テレピネオール、トル
エン等溶剤中に独立分散させたものであり、あるいは
3)アルコール、ケトン、エーテル、トルエン等に可溶
な高分子内に粒径が1〜100nm、好ましくは1〜5
0nmの銀微粒子を分散させたものである。
【0015】本発明に使用する(G)有機銀化合物は、
酢酸銀、乳酸銀、ラク酸銀、シュウ酸銀、シアン酸銀等
の有機酸塩である。
【0016】(F)銀微粒子、及び(G)有機銀化合物
は、ランプバルブ表面に形成される着色層の発色源であ
る金微粒子の発色性に影響し、具体的には、銀微粒子、
及び有機銀化合物を配合することにより、より鮮やかで
より濃い発色性を得ることができる。
【0017】本発明に使用する(B)有機珪素化合物と
しては、エトキシド、プロポキシド、ブトキシド等のア
ルコキシド類、ポリシロキサン骨格を持つシリコンオイ
ル類およびシリコンワニス類、酸化珪素超微粒子を水、
有機溶剤等に分散させたシリカゾルを挙げることができ
る。
【0018】本発明に使用する有機珪素化合物以外の他
の(C)有機金属化合物としては、チタン、ジルコニ
ア、錫、鉄、そしてニッケルから選ばれた金属を有する
少なくとも1種以上であり、有機チタン化合物はチタン
のエトキシド、プロポキシド、ブトキシド等のアルコキ
シド類、アセチルアセトナート、アミナート等のキレー
ト類、ステアレイト等の有機酸エステル類、その他グリ
コレートやアルコキシドが重縮合化したオリゴマーが挙
げられる。
【0019】有機ジルコニウム化合物としては、ジルコ
ニアのエトキシド、プロポキシド、ブトキシド等のアル
コキシド類、アセチルアセトナート等のキレート類、有
機酸エステル類、グリコレート、アルコキシドが重縮合
したオリゴマー等が挙げられる。
【0020】有機錫化合物としては、錫のエトキシド、
プロポキシド、ブトキシド等のアルコキシド類、アセチ
ルアセトナート等のキレート類、ステアレイト、オクチ
レート、ナフテネート等の有機酸エステル類があげられ
る。
【0021】有機鉄化合物としては、鉄のエトキシド、
プロポキシド、ブトキシド等のアルコキシド類、アセチ
ルアセトナート等のキレート類、ステアレイト、オクチ
レート、ナフテネート等の有機酸エステル類があげられ
る。
【0022】有機ニッケル化合物としては、ニッケルの
エトキシド、プロポキシド、ブトキシド等のアルコキシ
ド類、アセチルアセトナート等のキレート類、ステアレ
イト、オクチレート、ナフテネート等の有機酸エステル
類があげられる。
【0023】本発明に使用する(D)バインダー樹脂
は、着色剤の粘度を適度に維持してランプバルブ表面へ
の塗布、乾燥後の取扱を良好にしている。このバインダ
ー樹脂は焼成時において低温で分解することが好ましい
が、特に限定されるものではなく有機溶剤に可溶なもの
であればよい。具体的なバインダー樹脂としては、例え
ばニトロセルロース、エチルセルロース、酢酸セルロー
ス、ブチルセルロース等のセルロース類、メチルアクリ
レート等のアクリル類、ナイロン6、ナイロン11、ナ
イロン12等のポリアミド類、ポリエチレンテレフタレ
ート、ポリカプロラクトン等のポリエステル類、ポリオ
キシメチレン等のポリエーテル類、ポリカーボネート
類、ポリスチレン、ポリブタジエン、ポリイソプレン等
のポリビニル類等を挙げることができる。この添加量は
着色剤の粘度と所望する色の濃さによって決定され、制
限はない。
【0024】本発明に使用する(E)有機溶剤は、金あ
るいは銀の微粒子を凝集させずに安定に分散でき、有機
金属化合物を溶解できるものであれば特に制限はなく、
着色剤の塗布方法などにより適宜選択される。例えば、
ディッピング法により塗布する場合は、トルエン、キシ
レン、プロパノール、メチルエチルケトン、オクテン等
の比較的揮発しやすい有機溶剤が好ましい。
【0025】着色剤に配合する金微粒子もしくは銀微粒
子の量は、所望するランプバルブの色調、着色剤の塗布
方法等により適宜決定されるが、同時に配合する(C)
有機金属化合物が含有する金属原子数(M)と(A)金
微粒子もしくは(F)銀微粒子の金もしくは銀原子数
(N)がM/N=0.1〜100の範囲になるよう配合
されることが好ましい。M/Nが0.1未満なると微粒
子同士が焼結し、金属塊を形成し、本発明の目的を達成
できない。逆にM/Nが100を越えると、着色剤中の
微粒子数が著しく少なくなり、有効な着色ができなく、
本発明の目的を達成できない。
【0026】着色剤に配合する(B)有機珪素化合物と
(C)有機金属化合物は、有機珪素化合物に含まれる珪
素原子数Mと、有機金属化合物に含まれる金属原子数
が、M/M=2〜100の割合で配合されるこ
とが好ましい。M/Mが2未満の場合には、得られ
たランプバルブは紫、或いは青色を呈し本発明の目的を
達成できない。一方、M/Mが100を越えると、
ランプバルブ表面に形成される着色膜の耐薬品性が著し
く低下し、使用環境化での耐久性に問題を生じる。
【0027】作製された着色剤は、無色透明のランプバ
ルブ表面に上にスプレー、ディップ等の方法で塗布さ
れ、有機溶剤を乾燥させた後、350〜800°Cの炉
中で焼成し、冷却を経て着色ランプバルブが得られる。
【0028】着色ランプバルブの焼成条件は、350〜
800°Cの範囲で焼成することが好ましい。350°
C未満で焼成を行うと、ランプバルブ点灯時に発光特性
の変化が著しくなり、一方800°Cを越える焼成をお
こなうと、金微粒子および銀微粒子の凝集が発生する。
【0029】また、本実施例では、請求項4に記載して
いるように、(A’)透明赤色無機顔料、(B)有機珪
素化合物、(C)チタン、ジルコニア、錫、鉄、そして
ニッケルから選ばれた金属を有する少なくとも1種の有
機金属化合物、(D)バインダー樹脂、そして(E)有
機溶剤からなる着色剤を使用することができる。
【0030】ここで使用する(A’)透明赤色無機顔料
は、粒径が1〜100nmの酸化鉄微粒子からなり、顔
料分散剤によりトルエン、キシレンからなる有機溶媒中
に分散させたものであり、酸化鉄微粒子の添加量は10
〜40質量%になる。
【0031】また、(B)有機珪素化合物、(C)チタ
ン、ジルコニア、錫、鉄、そしてニッケルから選ばれた
金属を有する少なくとも1種の有機金属化合物、(D)
バインダー樹脂、そして(E)有機溶剤は前述のものと
同じである。
【0032】(B)有機珪素化合物の添加量は0.1〜
20質量%、(C)有機金属化合物の添加量は0.1〜
20質量%、(D)バインダー樹脂の添加量は0.5〜
30質量%である。
【0033】また、本実施例では、請求項4に記載した
(A’)透明赤色無機顔料、(B)有機珪素化合物、
(C)チタン、ジルコニア、錫、鉄、そしてニッケルか
ら選ばれた金属を有する少なくとも1種の有機金属化合
物、(D)バインダー樹脂、そして(E)有機溶剤から
なる着色剤に、更に(H)シランカップリング剤を添加
して耐水性、耐アルカリ性等の耐久性を改善することが
できる。
【0034】ここで使用する(H)シランカップリング
剤としては、ビニルトリクロルシラン、ビニルトリメト
キシシラン、ビニルトリエトキシシラン、γ−クロロプ
ロピルトリメトキシシラン、γ−クロロプロピルメチル
ジクロロシラン、γ−クロロプロピルメチルジメトキシ
シラン、γ−クロロプロピルメチルジエトキシシラン、
γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−(β−ア
ミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラ
ン、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルメ
チルジメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメ
トキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシ
シラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシ
ラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラ
ン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラ
ン等が挙げられる。
【0035】(B)有機珪素化合物の添加量は0.1〜
20質量%、(C)有機金属化合物の添加量は0.1〜
20質量%、(D)バインダー樹脂の添加量は0.5〜
30質量%、そして(H)シランカップリング剤の添加
量は0.1〜15質量%である。
【0036】作製された着色剤は、無色透明のランプバ
ルブ表面上にスプレー、ディップ等の方法で塗布され、
有機溶剤を乾燥させた後、200〜500℃の炉中で焼
成し、冷却を経て着色ランプバルブが得られる。
【0037】着色ランプバルブの焼成条件は、200〜
500℃の範囲で焼成することが好ましい。200°C
未満で焼成を行うと、ランプバルブ点灯時に発光特性の
変化が著しくなり、耐久性も劣る。一方500℃を越え
る焼成をおこなうと、ランプバルブが変形する。
【0038】(A)粒径が1〜100nmの金微粒子の
代わりに(A’)透明赤色無機顔料を含む着色剤を使用
した場合には、色調がより鮮やかになり、高透過率で赤
色を示す。即ち、赤色ランプバルブでは、約600nm
以下の透過率をゼロにとし、600nm以上の透過率を
できるだけ高くすることが求められている。(A’)透
明赤色無機顔料を含む着色剤を使用した場合、上記特性
を満足する。
【0039】
【実施例】次に、本発明を具体的な実施例により更に詳
細に説明する。尚、着色ランプバルブの評価方法は、以
下の通りである。
【0040】1.透過色調 分光光度計により380nm〜780nmの範囲の分光
光度値を測定し、透過色調(CIE;x、y、z)を求
めた。
【0041】2.接着性 JIS5400に示されたクロスカット法により着色膜
とランプバルブ表面の接着性を評価点数で評価した。
尚、評価点数は10点、8点、6点、4点、2点、0点
の6段階であり、10点は全く剥れのない場合であり、
8点は剥れ面積が全体の5%以内、6点は剥れ面積が全
体の5〜15%、4点は剥れ面積が全体の15〜35
%、2点は剥れ面積が全体の35〜65%、そして0点
は剥れ面積が全体の65%以上の場合である。
【0042】3.耐沸騰水性 着色ランプバルブを沸騰水中に1時間浸漬する前後の透
過色調変化(△E)を色差計により測定し、△E=(L
2 +a2 +b21/2 の式から算出した。
【0043】4.耐溶剤性 エタノールを含浸させた綿布で着色ランプバルブの着色
膜表面を10回擦り、試験後における着色膜面の膜欠落
等の表面状態を目視により確認した。
【0044】5.耐熱性 着色ランプバルブを400℃で、300時間放置した場
合の、試験前後の透過色調変化(△E)を色差計により
測定し、△E=(L2 +a2 +b21/2 の式から算出
した。
【0045】6.耐酸性 20℃に調整された0.1N硫酸水溶液中に2時間含浸
し、塗膜の外観評価をおこなった。
【0046】7.耐アルカリ性 20℃に調整された0.1N水酸化ナトリウム水溶液中
に2時間含浸し、塗膜の外観評価をおこなった。
【0047】実施例1〜4、比較例1〜3 表1に示す配合を、50℃で30分間攪拌し、赤色ラン
プバルブ用着色剤を作製した。得られた着色剤をランプ
バルブにディップコート法(引き上げ速度:15.0m
m/秒)により塗布し、塗布後のランプバルブを熱風循
環式乾燥機で150℃で5分間乾燥した後、450℃の
マッフル炉中で10分間焼成して着色ランプバルブを作
製した。表2に、着色ランプバルブの透過色調、耐沸騰
水性、そして耐溶剤性を示す。
【0048】
【表1】
【0049】
【表2】
【0050】その結果、比較例1、比較例2では、光学
特性は、赤色を呈すものの着色膜のマトリクスを形成す
る成分が酸化珪素のみであり、耐沸騰水性と耐溶剤性に
乏しい。また、比較例3では優れた耐沸騰水性を有する
ものの着色膜のマトリクスを形成する成分の酸化チタン
の割合が多すぎるため青紫色となり、所望の赤色を得る
ことができなかった。それに対し実施例1、実施例2で
は、色調も赤色を示し、かつ耐沸騰水性にも優れた赤色
を呈するランプバルブを得ることができた。
【0051】実施例5〜6、比較例4〜7 表3に示す配合を、50℃で30分間攪拌し、赤色ラン
プバルブ用着色剤を作製した。得られた着色剤をランプ
バルブにディップコート法(引き上げ速度:15.0m
m/秒)により塗布し、塗布後のランプバルブを熱風循
環式乾燥機で150℃で5分間乾燥した後、250℃の
マッフル炉中で30分間焼成してランプバルブを作製し
た。尚、表3中、酸化鉄微粒子は予め所定量のキシレン
に分散させたものを使用し、その含有量は30質量%で
ある。表4に、着色ランプバルブの透過色調、接着性、
耐熱性、耐酸性、そして耐アルカリ性を示す。
【0052】
【表3】
【0053】
【表4】
【0054】表4より、実施例5〜6、比較例7ではx
値が0.66以上と高く非常に鮮やかな赤色を示してお
り、透過率もよく、また耐熱性、耐酸性、耐アルカリ性
などの耐久性にも優れている。ただ、比較例7では透過
率が11.1と低いため、ランプ点灯時の明るさに欠
け、耐アルカリ性にも劣る。
【0055】チタンを含有しない比較例4では、耐アル
カリ性に欠け、シリコンを含有しない比較例5では耐酸
性に欠ける。また、エチルセルロースを含有しない比較
例6ではディップコート後、はじきが発生し、平滑な着
色膜を形成することが不可能であった。
【0056】実施例7〜8、比較例8〜9 表5に示す配合を、50℃で30分間攪拌し、赤色ラン
プバルブ用着色剤を作製した。得られた着色剤をランプ
バルブにディップコート法(引き上げ速度:15.0m
m/秒)により塗布し、塗布後のランプバルブを熱風循
環式乾燥機で150℃で5分間乾燥した後、250℃の
マッフル炉中で30分間焼成してランプバルブを作製し
た。表6に、着色ランプバルブの透過色調、接着性、耐
熱性、耐酸性、そして耐アルカリ性を示す。
【0057】1.耐沸騰水性 着色ランプバルブを沸騰水中に2時間浸漬する前後の透
過色調変化(△E)を色差計により測定し、△E=(L
2 +a2 +b21/2 の式から算出した。
【0058】2.耐酸性 20℃に調整された0.1N硫酸水溶液中に24時間含
浸し、塗膜の外観評価をおこなった。
【0059】3.耐アルカリ性 20℃に調整された0.1N水酸化ナトリウム水溶液中
に24時間含浸し、塗膜の外観評価をおこなった。
【0060】
【表5】
【0061】
【表6】
【0062】表6より、実施例7〜8ではx値が0.6
7以上と非常に鮮やかな赤色を示しており、透過率もよ
く、また耐熱性、耐酸性、耐アルカリ性などの耐久性に
も優れている。それに対し、比較例8〜9では耐沸騰水
性、耐アルカリ性に劣る。また、比較例9では透過率が
低下し、着色ランプバルブ点灯時の明るさに欠ける。
【0063】
【発明の効果】以上のように本願請求項1〜3記載の発
明では、粒径が1〜100nmの金微粒子、(B)有機
珪素化合物、(C)チタン、ジルコニア、錫、鉄、そし
てニッケルから選ばれた金属を有する少なくとも1種の
有機金属化合物、(D)バインダー樹脂、(E)有機溶
剤からなり、上記(B)有機珪素化合物に含まれる珪素
原子数Mと(C)有機金属化合物に含まれる金属原子
数Mが、M/M=2〜100の割合になるように
配合した着色剤を無色透明のランプバルブ表面に塗布、
乾燥の後、350〜800℃で焼成することにより、色
調も赤色を示し、かつ着色膜の接着性も良好で、耐溶剤
性に優れ、また耐久性にも優れた赤色を呈するランプバ
ルブを得ることができる。
【0064】本願請求項4〜5記載の発明では、
(A’)透明赤色無機顔料、(B)有機珪素化合物、
(C)チタン、ジルコニア、錫、鉄、そしてニッケルか
ら選ばれた金属を有する少なくとも1種の有機金属化合
物、(D)バインダー樹脂、そして(E)有機溶剤から
なる着色剤を無色透明のランプバルブ表面に塗布、乾燥
の後、200〜500℃で焼成することにより、非常に
鮮やかな赤色を示しており、透過率もよく、また耐熱
性、耐酸性、耐アルカリ性などの耐久性にも優れている
耐久性にも優れた赤色を呈するランプバルブを得ること
ができる。
【0065】本願請求項6記載の発明では、請求項4記
載の着色剤にシランカップリング剤(H)を添加するこ
とにより耐水性、耐アルカリ性に優れた赤色を呈するラ
ンプバルブを得ることができる。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)粒径が1〜100nmの金微粒
    子、(B)有機珪素化合物、(C)チタン、ジルコニ
    ア、錫、鉄、そしてニッケルから選ばれた金属を有する
    少なくとも1種の有機金属化合物、(D)バインダー樹
    脂、そして(E)有機溶剤からなり、上記(B)有機珪
    素化合物に含まれる珪素原子数Mと、(C)有機金属
    化合物に含まれる金属原子数Mが、M/M=2〜
    100の割合になるように配合した着色剤を無色透明の
    ランプバルブ表面に塗布、乾燥の後、350〜800℃
    で焼成することを特徴とする赤色を呈するランプバルブ
    の製造方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の着色剤に(F)粒径が1
    〜100nmの銀微粒子を添加し無色透明のランプバル
    ブ表面に塗布、乾燥の後、350〜800℃で焼成する
    ことを特徴とする赤色を呈するランプバルブの製造方
    法。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の着色剤に(G)有機銀化
    合物を添加し無色透明のランプバルブ表面に塗布、乾燥
    の後、350〜800℃で焼成することを特徴とする赤
    色を呈するランプバルブの製造方法。
  4. 【請求項4】 (A’)透明赤色無機顔料、(B)有機
    珪素化合物、(C)チタン、ジルコニア、錫、鉄、そし
    てニッケルから選ばれた金属を有する少なくとも1種の
    有機金属化合物、(D)バインダー樹脂、そして(E)
    有機溶剤からなる着色剤を無色透明のランプバルブ表面
    に塗布、乾燥の後、200〜500℃で焼成することを
    特徴とする赤色を呈するランプバルブの製造方法。
  5. 【請求項5】 (A’)透明赤色無機顔料は粒径が1〜
    100nmの酸化鉄微粒子からなり、顔料分散剤により
    有機溶媒中に分散させたものである請求項4記載の赤色
    を呈するランプバルブの製造方法。
  6. 【請求項6】 請求項4記載の着色剤に(H)シランカ
    ップリング剤を添加する赤色を呈するランプバルブの製
    造方法。
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