JP2003227185A - 遮音耐火構造 - Google Patents
遮音耐火構造Info
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Abstract
音性を得ることができる、遮音耐火構造を提供すること
を課題とする。 【解決手段】 遮音耐火構造は、鉄骨材3a、5a及び
その周囲に設けられた耐火被覆板111からなる柱10
3または梁105と、耐火被覆板と取合う遮音耐火性を
有する間仕切壁107とを備える。耐火被覆板には、鉄
骨材と間仕切壁との間の部分における間仕切壁壁厚範囲
内に対応する部分に、弾性耐火被覆材115が挿入され
ている。耐火被覆板は弾性耐火被覆材に突き付け態様で
取付けられている。また、好適には、弾性耐火被覆材は
少なくとも耐火被覆材の厚みに亙って延びている。
Description
ける柱や梁と間仕切壁との取合いにおいて、側路伝搬音
を低減した遮音耐火構造に関するものである。
は、通常、天井1から床面(図示せず)に亙ってほぼ鉛
直に延びる柱3と、天井1に面して設けられた梁5とに
跨って、間仕切壁7が設けられ、この間仕切壁7によっ
て空間が仕切られる。そして、かかる間仕切構造におい
ては、耐火性や遮音性が要求されていた。
壁の左右方向端部取合い近傍を示し、図6に同間仕切壁
の上方向端部取合い近傍を示す。図5に示されるよう
に、建築物には、天井から床面に亙ってほぼ鉛直に延長
し且つ壁9に沿うように延長した柱3が設けられてい
る。柱3は、中心をなす鉄骨材3aと、かかる鉄骨材3
aを覆う耐火被覆板11とを備える。耐火被覆板11
は、壁9と隣接する側の面を除いた、鉄骨材3aの周囲
に配置される。さらに、耐火被覆板11の外面には、高
遮音耐火構造を有する間仕切壁7の左右方向の端部が取
合う。
アの天井1の下面には、水平方向に延びる梁5が設けら
れている。梁5は、柱3と同様、鉄骨材5aと耐火被覆
板11とを備えている。耐火被覆板11は、天井1と隣
接する側の面を除いた、鉄骨材5aの周囲に配設されて
いる。梁5における下側の耐火被覆板11の外面には、
間仕切壁7の上端7aが取合っている。また、間仕切壁
7の下端7bは、建築物フロアの床面2に接続されてい
る。
来の遮音耐火構造では、間仕切壁7上部における左右の
各端部に関し、耐火構造を有する間仕切壁7の端部と耐
火被覆板11とが取合うことから、間仕切壁7により仕
切られた一方の空間から他方の空間に対して耐火性を必
要とした。また、間仕切壁7自体が吸音材などを含んだ
高遮音性を有することにより、遮音性も得られるように
企図されていた。
うに構成された従来の遮音耐火構造では、柱3や梁5を
構成する鉄骨材3a、5aと間仕切壁7との間には、比
較的比重が小さく間仕切壁よりも遮音性が劣る耐火被覆
板11が介在しているだけであるため、かかる鉄骨材と
間仕切壁との間に、図5及び図6に矢印で示されるよう
な、間仕切壁以外からの音の側路伝搬による透過音が大
きく、従って、間仕切壁自体が高い遮音性を有していて
も、柱あるいは梁と間仕切壁との取合いを含めた構造全
体では、音が一方の空間から他方の空間に伝搬してしま
い、空間遮音性能が不十分となってしまうという問題が
あった。
のような問題に対処するための技術があり、例えば実公
平8−10096号公報に開示された構造がある。しか
しながら、かかる構造では、鋼製の遮音プレートの一端
が鉄骨材に接続され、他端が間仕切壁に接続されてお
り、すなわち、鋼製の遮音プレートが柱及び梁の耐火被
覆材を貫通して配置されていた。よって、この遮音プレ
ートを介して熱が柱や梁に伝わるので、十分な耐火性能
が得られない恐れがある。
に鑑みてなされたものであり、十分な耐火性を維持しな
がらも、より高い遮音性を得ることができる、遮音耐火
構造を提供することを目的とする。
め、本発明は、鉄骨材及びその周囲に設けられた耐火被
覆板からなる柱または梁と、前記耐火被覆板と取合う遮
音耐火性を有する間仕切壁とを備えた遮音耐火構造にお
いて、前記耐火被覆板には、前記鉄骨材と前記間仕切壁
との間の間仕切壁壁厚範囲内に対応する部分に弾性耐火
被覆材が挿入されており、該耐火被覆板は該弾性耐火被
覆材に突き付け態様で取付けられていることを特徴とす
る。
火被覆材の厚みに亙って延びていると好適である。ま
た、前記弾性耐火被覆材は、好適には、セラミック繊維
フェルト、セラミック繊維マット、ロックウールフェル
ト、ロックウールマット及び無機バインダー型弾性接着
剤から一種類または二種類以上選択されたものからな
る。
付図面に基づいて説明する。図1及び図2にそれぞれ、
本発明の実施の形態に係る遮音耐火構造における間仕切
壁の左右方向端部取合い近傍及び上方向端部取合い近傍
の一例を示す。図1に示されるように、柱103は、建
築物の壁9に沿うようにして、フロアの天井から床面に
亙ってほぼ鉛直に延びている。この柱103は、横断面
がH字状の鉄骨材3aと、複数の耐火被覆板111とを
備える。
けられた4つの耐火被覆取付用下地113a及び後述す
る間仕切壁と対向するように設けられた1つの耐火被覆
取付用下地113bを介して、複数の耐火被覆板111
が設けられている。これら耐火被覆取付用下地113
a、113bは、鉄骨材3aの長手方向に沿って延長し
ており、例えば軽量鋼製下地より形成されている。ま
た、耐火被覆板111は、鉄骨材3aにおける壁9と隣
接する側の面を除いた3面に横断面コ字状に配設されて
おり、各面に関して二層構造を成すように配設されてい
る。各耐火被覆板111は、例えば石膏ボードやけい酸
カルシウム板等より形成されている。なお、耐火被覆板
111は、各面に二層設けられていることに限定され
ず、一層あるいは三層以上設けられていてもよい。ま
た、耐火被覆取付用下地113bは、1つに限定されず
2つ以上設けられていてもよく、例えば、後述する弾性
耐火被覆材の対応位置の両側に振り分けるように2つ配
置されていてもよい。
外面には、間仕切壁107の左右方向の端部107cが
取合っている。間仕切壁107は、高遮音耐火構造を備
えている。その具体的な構造の一例として、間仕切壁1
07は、表裏面を構成する一対の窯業系不燃板と、それ
ら不燃板の間に空気層又は/及び可撓性を有する断熱吸
音材からなる断熱吸音層とを備えるものである。なお、
各窯業系不燃板は、単層構造でも複層構造でもよい。
は、鉄骨材3aと間仕切壁107との間の間仕切壁壁厚
範囲内に対応する部分において、弾性耐火被覆材115
が挿入されている。すなわち、間仕切壁107側の耐火
被覆板111は、鉄骨材3aの長手方向すなわち上下方
向に縁切りされており、分断された耐火被覆板111部
分の間に、弾性耐火被覆材115が配設されている。弾
性耐火被覆材115は、鉄骨材3aの長手方向に延長す
る板状部材であり、セラミック繊維フェルト、セラミッ
ク繊維マット、ロックウールフェルト、ロックウールマ
ット及び無機バインダー型弾性接着剤から一種類または
二種類以上選択されたものからなる。また、耐火被覆板
111は、突き付け態様すなわち押し付けるようにし
て、弾性耐火被覆材115に接続されている。弾性耐火
被覆材115の間仕切壁107と逆側の端部は耐火被覆
取付用下地113bに覆われている。弾性耐火被覆材1
15は、耐火被覆板111の厚みに亙って延びており、
それにより、両端が耐火被覆取付用下地113b及び間
仕切壁107に当接している。なお、図1では本発明の
一例として、柱の片側に間仕切壁が取合い、柱の他の側
には壁9が設けられた構造を示したが、柱を挟んでその
両面に間仕切壁が取合う場合や、柱の三面または四面に
間仕切壁が取合う構造においても本発明を適用できるこ
とは言うまでもない。
方向端部取合い近傍の構成について説明する。建築物フ
ロアのコンクリートスラブの天井1下面には、水平方向
に延びる梁105が設けられている。梁105は、柱1
03と同様、鉄骨材5aと、複数の耐火被覆板111と
を備える。耐火被覆板111は、天井1と隣接する側の
面を除いて、柱103の場合と同様な5つの耐火被覆取
付用下地113a及び113bを介して、鉄骨材5aの
周囲に設けられている。
11の外面には、間仕切壁107の上端部107aが取
合っている。間仕切壁107側の耐火被覆板111に
は、柱103の場合と同様な弾性耐火被覆材115が挿
入されている。すなわち、間仕切壁107側の耐火被覆
板111は、鉄骨材5aの長手方向すなわち水平方向に
縁切りされており、分断された耐火被覆板111部分の
間に、弾性耐火被覆材115が突き付け態様で挿入され
ている。弾性耐火被覆材115は、耐火被覆板111の
厚みに亙って延びており、それにより、両端が耐火被覆
取付用下地113b及び間仕切壁107に当接してい
る。また、間仕切壁107の下端107bは、建築物フ
ロアのコンクリートスラブの床面2に接続されている。
火構造の作用について説明する。遮音耐火構造を構成す
る間仕切壁107は、柱103、梁105及び床面2に
亙って延びており、それにより、建築物内の空間を仕切
っている。ここで、間仕切壁107によって仕切られた
一方の空間で、例えば火災が発生した場合、間仕切壁1
07自体が高遮音耐火構造を備えているので、熱は、間
仕切壁107を介して他方の空間へ伝達することが防止
されている。また、鉄骨材3a、5aの周囲には耐火被
覆板111が配設されているので、熱が鉄骨材3a、5
aを介して他方の空間へ伝達することも防止されてい
る。また、音に関しては従来、柱や梁の鉄骨材を被覆す
る耐火被覆板を介しての側路伝搬音が大きいという問題
が存在していたが、本発明では、柱103と間仕切壁1
07の取合いにおいて、鉄骨材3a、5aを被覆する耐
火被覆材111には、鉄骨材と間仕切壁との間の間仕切
壁壁厚範囲内に対応する部分に、弾性耐火被覆材115
が配設されているため、耐火被覆板と間仕切壁との取合
い部における側路伝搬音が防止され、高い遮音性が確保
されている。また、弾性耐火被覆材115を挿入すべく
耐火被覆板111が縁切りされているが、単に耐火被覆
材を縁切りする方法では、縁切りされた耐火被覆板同士
の接続において、微細な隙間を生じ耐火性能が低下する
ため好ましくない。このため、本発明では、弾性耐火被
覆材115を用いることにより前記の微細な隙間を生ず
ることなく、耐火被覆板の縁切りを行うことができる。
従って、耐火性能を低下させることなく、音の側路伝搬
経路を絶縁し、十分な遮音性を得ることができる。
態様で耐火被覆板111により挟持されているため、単
なる挿入態様よりも耐火被覆板の縁切り部における耐火
性、遮音性が高く維持される。また、突き付け態様は、
弾性耐火被覆材115が弾性を有することとも相俟っ
て、高い耐火性、遮音性をもたらしている。さらに、弾
性耐火被覆材115が耐火被覆板111の厚みに亙って
延びていることも、鉄骨材3a、5aと間仕切壁107
との間の耐火性の維持及び遮音性の向上の効果を高めて
いる。
耐火性能と遮音性能について、図5及び図6に示した従
来の遮音耐火構造と比較して説明する。鉄骨材に被覆し
た耐火被覆板は無機繊維強化石膏ボード(商品名サムラ
イト)で厚さは21mmの二層張りである。間仕切壁
は、両面ともリブ付繊維混入押出成形板を下張りとし上
張りを繊維混入石膏板(厚さ5mm)とした中空二重壁
の構成であり、中空部には可撓性を有する断熱吸音材で
あるグラスウール(厚さ25mm、密度24kg/
m3)が挿入されている。また、使用した弾性耐火被覆
材は、ロックウールフェルト(厚さ4mm、密度200
kg/m3)である。耐火性能については、建設省告示
第2999号に基づいた柱・梁の耐火性能試験を行った
ところ、本実施の形態に係る遮音耐火構造は、従来の遮
音耐火構造と同様に、柱及び梁のそれぞれに関し、耐火
2時間による加熱曲線の加熱に対して構造部分の許容温
度を満足した結果が得られた。
1416の試験方法による音響透過損失結果を表1に示
す。
音耐火構造は、従来のものより中心周波数500ヘルツ
付近から遮音性が向上している結果が得られており、特
に、中心周波数1000〜4000ヘルツにかけての範
囲では、従来のものと比較し5デシベル以上の音響透過
損失低減効果を発揮している。かかる低減効果は、単な
る学術的な数値差に留まらず、人間の聴感上で感じる尺
度でも明確に分かる違いであり、良好な遮音性能居住空
間を提供する。また、表1に点線で示したJIS A
1419による空気遮断性能評価基準曲線からも、従来
の構造が音響透過損失性能Rr−50を備えているのに
対し、本実施の形態の構造では音響透過損失性能Rr−
55を実現し、1ランク向上していることが分かる。以
上のように、本実施の形態に係る遮音耐火構造によれ
ば、構造耐力上主要な柱、梁の耐火性能は損なうこと無
く、遮音性を高めて良好な遮音性能居住空間を提供する
ことが可能となっている。
仕切壁との関係に関しては、例えば、図3の(a)に示
されるように、1本の梁及び2本の柱からなる下向きコ
字状の骨組み構造と床面とによって形成される空間に間
仕切壁を設ける構造や、図3の(b)に示されるよう
に、1本の梁及び1本の柱からなる上下逆L字状の骨組
み構造と、壁面と、床面とによって形成される空間に間
仕切壁を設ける構造が考えられ、さらに、他の構造に適
用することも可能である。また、弾性耐火被覆材115
は、図1及び図2に示したように間仕切壁117の厚み
方向に関する中央に配置されていることに限定されるも
のではなく、間仕切壁117の厚み範囲内の位置に設け
てあればよい。
構造によれば、耐火被覆板に、鉄骨材と間仕切壁との間
の部分において弾性耐火被覆材を挿入し、耐火被覆板を
弾性耐火被覆材に突き付け態様で接続するため、十分な
耐火性を維持しながらも、より高い遮音性を得ることが
可能となった。
ける間仕切壁の左右方向端部取合い近傍を示す。
ける間仕切壁の上方向端部取合い近傍を示す。
耐火構造における、天井、柱、梁、壁、床及び間仕切壁
の関係を例示する図である。
示す図である。
方向端部取合い近傍を示す。
向端部取合い近傍を示す。
…間仕切壁、111…耐火被覆板、115…弾性耐火被
覆材。
Claims (3)
- 【請求項1】 鉄骨材及びその周囲に設けられた耐火被
覆板からなる柱または梁と、前記耐火被覆板と取合う遮
音耐火性を有する間仕切壁とを備えた遮音耐火構造にお
いて、 前記耐火被覆板には、前記鉄骨材と前記間仕切壁との間
の間仕切壁壁厚範囲内に対応する部分に弾性耐火被覆材
が挿入されており、該耐火被覆板は該弾性耐火被覆材に
突き付け態様で取付けられていることを特徴とする遮音
耐火構造。 - 【請求項2】 前記弾性耐火被覆材は、少なくとも前記
耐火被覆材の厚みに亙って延びていることを特徴とする
請求項1に記載の遮音耐火構造。 - 【請求項3】 前記弾性耐火被覆材は、セラミック繊維
フェルト、セラミック繊維マット、ロックウールフェル
ト、ロックウールマット及び無機バインダー型弾性接着
剤から一種類または二種類以上選択されたものからなる
請求項1または2に記載の遮音耐火構造。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002025500A JP3908046B2 (ja) | 2002-02-01 | 2002-02-01 | 遮音耐火構造 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2002025500A JP3908046B2 (ja) | 2002-02-01 | 2002-02-01 | 遮音耐火構造 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003227185A true JP2003227185A (ja) | 2003-08-15 |
JP3908046B2 JP3908046B2 (ja) | 2007-04-25 |
Family
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Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002025500A Expired - Fee Related JP3908046B2 (ja) | 2002-02-01 | 2002-02-01 | 遮音耐火構造 |
Country Status (1)
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---|---|
JP (1) | JP3908046B2 (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007126849A (ja) * | 2005-11-02 | 2007-05-24 | Ncn:Kk | 木造建築の耐火構造 |
JP2012041695A (ja) * | 2010-08-17 | 2012-03-01 | Takenaka Komuten Co Ltd | ボード部材取付構造 |
-
2002
- 2002-02-01 JP JP2002025500A patent/JP3908046B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2007126849A (ja) * | 2005-11-02 | 2007-05-24 | Ncn:Kk | 木造建築の耐火構造 |
JP2012041695A (ja) * | 2010-08-17 | 2012-03-01 | Takenaka Komuten Co Ltd | ボード部材取付構造 |
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---|---|
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