JP2003226810A - ポリアリーレンスルフィド樹脂組成物及びそれを用いた成形体 - Google Patents

ポリアリーレンスルフィド樹脂組成物及びそれを用いた成形体

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JP2003226810A
JP2003226810A JP2002029492A JP2002029492A JP2003226810A JP 2003226810 A JP2003226810 A JP 2003226810A JP 2002029492 A JP2002029492 A JP 2002029492A JP 2002029492 A JP2002029492 A JP 2002029492A JP 2003226810 A JP2003226810 A JP 2003226810A
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sulfide resin
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Kikuo Nagatoshi
喜久男 永利
Toru Iga
徹 伊賀
Nobuyuki Kojima
信之 兒島
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Idemitsu Petrochemical Co Ltd
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    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08LCOMPOSITIONS OF MACROMOLECULAR COMPOUNDS
    • C08L81/00Compositions of macromolecular compounds obtained by reactions forming in the main chain of the macromolecule a linkage containing sulfur with or without nitrogen, oxygen or carbon only; Compositions of polysulfones; Compositions of derivatives of such polymers
    • C08L81/02Polythioethers; Polythioether-ethers
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08KUse of inorganic or non-macromolecular organic substances as compounding ingredients
    • C08K3/00Use of inorganic substances as compounding ingredients
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08LCOMPOSITIONS OF MACROMOLECULAR COMPOUNDS
    • C08L2205/00Polymer mixtures characterised by other features
    • C08L2205/05Polymer mixtures characterised by other features containing polymer components which can react with one another

Abstract

(57)【要約】 【課題】 優れた表面平滑性と鏡面性を有し、かつ安定
した成形が出来るポリアリーレンスルフィド樹脂組成物
及びそれを用いた成形体を提供する。 【解決手段】 (A)ポリアリーレンスルフィド樹脂1
00重量部、(B)粒状無機充填剤20〜250重量
部、(C)ウィスカー0〜50重量部、及び(D)ポリ
エチレンワックス0.1〜5重量部を含むポリアリーレ
ンスルフィド樹脂組成物。ポリアリーレンスルフィド樹
脂組成物を成形して得られる成形体の表面に金属膜を形
成した鏡面体は、ランプリフレクター等として使用でき
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、熱的あるいは環境
(耐薬品、耐水蒸気)的に過酷な条件下で使用される鏡
への利用が可能な成形品が得られるポリアリーレンスル
フィド樹脂組成物及びそれを用いた成形体に関する。よ
り詳細には、フォグランプ、ヘッドランプ等の自動車用
ランプリフレクター及び照明器具等の反射体(ダウンラ
イトカバー)等に用いられるポリアリーレンスルフィド
樹脂組成物及びそれを用いた成形体に関する。
【0002】
【従来の技術】自動車用ヘッドランプ等のランプリフレ
クター用成形材料として、従来、フェノール樹脂、不飽
和ポリエステル等の熱硬化性樹脂が使用されている。近
年、リサイクル等の環境問題から、これらの熱硬化性樹
脂を熱可塑性樹脂へ転換する試みがなされている。さら
に、熱硬化性樹脂組成物自体では表面平滑性に乏しく、
樹脂塗料をアンダーコートして鏡面を出しているが、工
程簡略化、コストダウンのためアンダーコートレスの熱
可塑性樹脂組成物が求められている。アンダーコートレ
スにするため、熱可塑性樹脂組成物には、極めて高い表
面平滑性が要求されると同時にランプ点灯時の高温(2
00〜230℃)に耐える耐熱性、剛性、並びに射出成
形時に安定して高い表面平滑性が得られることが求めら
れている。以上の要求を満たすには、耐熱性が高く、か
つ高い流動性が得られるポリアリーレンスルフィドが適
している。ポリアリーレンスルフィドの特性と成形体の
表面平滑性、外観との関係を追及した結果、前記の特性
を有するものが優れている。成形品の表面平滑性を出す
には、金型を鏡面仕上げにしておくことは勿論必要であ
るが、ポリアリーレンスルフィドは、本来、金型へ付着
し易い性質を持っている上に、金型表面の平滑性と相俟
ってさらに付着し易くなっており、離型時に成形品表面
の平滑性を損なうような剥離が起こり易い。
【0003】表面平滑性を維持し、かつ剛性を、ポリア
リーレンスルフィド樹脂組成物から得られる成形品に持
たせる試みは多数行われている。例えば、特開平7−1
88555号公報、特開平8−41341号公報、特開
平9−251806号公報、特開平10−237302
号公報等に記載のポリアリーレンスルフィド樹脂組成物
では、表面平滑性を出すために特定の粒径の炭酸カルシ
ウムを配合している。また、上記公報では、剛性を出す
ためにウィスカー類を配合することが記載されている。
炭酸カルシウムとウィスカー類は、成形品の表面平滑
性、剛性を両立するための好ましい成分である。
【0004】また、特開平7−188555号公報、特
開平10−237302号公報の明細書には、離型剤と
してモンタン酸及びその塩、エステル類、ポリエチレン
ワックス等を添加してもよいとの記載があるが実施例は
ない。また、特開平4−202364号公報には離型剤
として、天然ワックス等を添加してもよいとの記載があ
るが、やはり実施例はない。一方、特開平4−2721
68号公報には、離型剤としてモンタン酸の部分鹸化エ
ステルワックスを用いた実施例がある。しかし、これら
は離型剤として、離型効果は認められるが、ポリアリー
レンスルフィド樹脂組成物は、通常、成形温度が300
〜350℃であるため、鏡面として使用できる表面を得
るには、分解ガス等が発生しない耐熱性を有し、かつ相
分離等による表面の白化が起こらない離型剤を選択する
必要がある。モンタン酸の部分鹸化エステルワックスは
耐熱性に劣るため、これを用いた樹脂組成物の場合、上
記の成形温度では揮発成分が多く発生してしまい、鏡面
を有する成形品を安定して成形することに問題があっ
た。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記事情に鑑み、本発
明者等は鋭意研究を重ねた結果、ポリエチレンワックス
が、分解ガス等を発生しない優れた離型剤であることを
見出し、本発明を完成させた。従って、本発明は、優れ
た表面平滑性と鏡面性を有し、かつ安定した成形が出来
るポリアリーレンスルフィド樹脂組成物及びそれを用い
た成形体を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の第一の態様によ
れば、(A)ポリアリーレンスルフィド樹脂100重量
部、(B)粒状無機充填剤20〜250重量部、(C)
ウィスカー0〜50重量部、及び(D)ポリエチレンワ
ックス0.1〜5重量部を含むポリアリーレンスルフィ
ド樹脂組成物が提供される。
【0007】好ましくは、ポリアリーレンスルフィド樹
脂(A)の溶融粘度は100〜1,500ポイズであ
る。好ましくは、粒状無機充填剤(B)の体積平均粒子
径は4μm以下である。好ましくは、ウィスカー(C)
の繊維径は7μm以下である。好ましくは、粒状無機充
填剤(B)は炭酸カルシウムである。好ましくは、ウィ
スカー(C)はホウ酸アルミニウムウィスカーである。
好ましくは、ポリエチレンワックス(D)は酸化ポリエ
チレンワックスである。
【0008】また、本発明の第二の態様によれば、上記
のポリアリーレンスルフィド樹脂組成物を成形してなる
成形体が提供される。
【0009】また、本発明の第三の態様によれば、上記
の成形体の表面に金属膜を形成してなる鏡面体が提供さ
れる。
【0010】また、本発明の第四の態様によれば、上記
の鏡面体からなるランプリフレクターが提供される。
【0011】
【発明の実施の形態】1.ポリアリーレンスルフィド樹
脂組成物 (1)ポリアリーレンスルフィド樹脂(A) 本発明で用いるポリアリーレンスルフィド樹脂(A)
は、溶融粘度が100〜1,500ポイズであることが
好ましい。溶融粘度が100ポイズ未満になると、強度
的に弱く脆い材料となるため実用的でない場合がある。
一方、1,500ポイズを越えると、流動性が低下し、
鏡面が得にくくかつフローマーク等も出易くなるため、
表面外観が悪くなる場合がある。溶融粘度は、より好ま
しくは300〜1,200ポイズであり、特に好ましく
は500〜1,000ポイズである。尚、溶融粘度は、
例えば、樹脂温度300℃、せん断速度200sec-1
の測定条件で、キャピログラフ(東洋精機社製)により
測定できる。
【0012】ポリアリーレンスルフィド樹脂(A)は、
構造式〔−Ar−S−〕(ただし、Arはアリーレン
基、Sはイオウである)を基本とする重合体で、その代
表的例は、下記一般式(1)で示される繰り返し単位を
好ましくは70モル%以上、より好ましくは80モル%
以上含有する重合体である。当該繰り返し単位が70モ
ル%未満だと、結晶性ポリマーとしての特徴である本来
の結晶成分が少なく、機械的強度が不充分となる場合が
ある。
【0013】
【化1】
【0014】(式中、R1は炭素数6以下のアルキル
基、アルコキシ基、フェニル基、カルボキシル基もしく
はその金属塩、ニトロ基、及びフッ素、塩素、臭素等の
ハロゲン原子から選ばれる置換基であり、mは0〜4の
整数である。nは平均重合度を示し、20〜100の範
囲である。)
【0015】ポリアリーレンスルフィド樹脂(A)は、
単独重合体のほか共重合体も用いることができる。その
共重合構成単位として、メタフェニレンスルフィド単
位、オルソフェニレンスルフィド単位、p,p’−ジフ
ェニレンケトンスルフィド単位、p,p’−ジフェニレ
ンスルホンスルフィド単位、p,p’−ビフェニレンス
ルフィド単位、p,p’−ジフェニレンメチレンスルフ
ィド単位、p,p’−ジフェニレンクメニルスルフィド
単位、ナフチルスルフィド単位等が挙げられる。
【0016】溶融粘度が100〜1,500ポイズのポ
リアリーレンスルフィド樹脂(A)は、例えば、特開2
000−186208号公報に記載の方法により製造で
きる。尚、ポリアリーレンスルフィド樹脂は、一般にそ
の製法により、リニアタイプ、セミリニアタイプ、架橋
タイプ等の分子構造を有するものが知られているが、本
発明で用いるポリアリーレンスルフィド樹脂(A)の分
子構造は、特に制限されない。
【0017】(2)粒状無機充填剤(B) 本発明のポリアリーレンスルフィド樹脂組成物におい
て、粒状無機充填剤(B)は、成形品の表面平滑性を発
現するために使用される。本発明で用いる粒状無機充填
剤(B)は、体積平均粒子径が4μm以下であることが
好ましい。体積平均粒子径が4μmを超えると、成形品
の表面平滑性を充分に確保することが困難となり、成形
品に金属膜を形成した場合、得られる鏡面体の写像性が
低下する場合がある。体積粒子径は、より好ましくは
3.8μm以下であり、特に好ましくは3.5μm以下
である。尚、体積平均粒子径は、例えば、レーザースキ
ャン分析法を用いた粒径分布アナライザーCIS−1
(GALAI社製)により測定できる。
【0018】粒状無機充填剤(B)の配合量は、ポリア
リーレンスルフィド樹脂(A)100重量部当たり20
〜250重量である。配合量が20重量部未満になる
と、材料強度、特に剛性が十分ではない。一方、250
重量部を超えると、成形品の表面平滑性を充分に確保す
ることが困難となり、成形品に金属膜を形成した場合、
得られる鏡面体の写像性が低下する。粒状無機充填剤
(B)の配合量は、好ましくは50〜200重量部であ
り、より好ましくは60〜150重量部である。
【0019】粒状無機充填剤(B)の種類は、特に制限
されず、ポリアリーレンスルフィド樹脂組成物用として
通常用いられるものはすべて使用できる。粒状無機充填
剤(B)の例としては、炭酸カルシウム、硫酸カルシウ
ム、燐酸カルシウム、炭酸マグネシウム、酸化マグネシ
ウム、燐酸マグネシウム、タルク、マイカ、シリカ、ア
ルミナ、シリカアルミナ、カオリン、ベントナイト、モ
ンモリロナイト、クレー、グラファイト、カーボンブラ
ック、ガラスビーズ、酸化チタン、酸化ジルコニウム、
窒化珪素、ハイドロタルサイト、水酸化アルミニウム等
が挙げられる。このうち、特に炭酸カルシウムが、品質
が安定して容易に入手可能であるから好ましい。
【0020】(3)ウィスカー(C) 本発明のポリアリーレンスルフィド樹脂組成物におい
て、ウィスカー(C)は成形品の剛性を高めるために使
用される。本発明で用いるウィスカー(C)は、繊維径
が7μm以下であることが好ましい。繊維径が7μmを
超えると、成形品の表面平滑性を充分に確保することが
困難となり、成形品に金属膜を形成した場合、得られる
鏡面体の写像性が低下する場合がある。繊維径は、より
好ましくは5μm以下であり、特に好ましくは2μm以
下である。ここで、繊維径とは、繊維状物の長径及び短
径のうち、短径の大きさを意味する。尚、繊維径は、例
えば、顕微鏡法により測定できる。
【0021】ウィスカー(C)は、成形品に剛性が必要
な場合に配合され、その配合量は、ポリアリーレンスル
フィド樹脂(A)100重量部当たり0〜50重量部で
ある。ただし、配合量が50重量部を超えると、成形品
の表面平滑性を充分に確保することが困難となり、成形
品に金属膜を形成した場合、得られる鏡面体の写像性が
低下する。ウィスカー(C)の配合量は、好ましくは0
〜40重量部であり、より好ましくは0〜35重量部で
ある。
【0022】尚、粒状無機充填剤(B)及びウィスカー
(C)の合計配合量はポリアリーレンスルフィド樹脂
(A)100重部当たり250重量部を超えないことが
好ましい。250重量部を超えると、上記と同様の理由
により写像性が低下する。
【0023】ウィスカー(C)の種類は、特に制限され
ない。ウィスカー(C)の例としては、チタン酸カリウ
ムウイスカー、硼酸アルミニウムウイスカー、炭酸カル
シウムウイスカー、珪酸カルシウムウイスカー(ワラス
トナイト)、珪酸カルシウムウイスカー(ゾノトライ
ト)、炭化珪素ウイスカー、窒化珪素ウイスカー、酸化
亜鉛ウイスカー、アルミナウイスカー、グラファイトウ
イスカー等が挙げられる。これらの中でも特に硼酸アル
ミニウムウイスカーがよい。
【0024】(4)ポリエチレンワックス(D) 本発明のポリアリーレンスルフィド樹脂組成物におい
て、ポリエチレンワックス(D)は、鏡面を有する成形
品を安定して成形するための離型剤として使用する。ポ
リエチレンワックス(D)の配合量は、ポリアリーレン
スルフィド樹脂(A)100重量部当たり0.1〜5重
量部である。配合量が0.1未満になると、成形品の離
型性が悪くなり、成形品の表面に剥離痕が出たり、白化
物が付着するため、表面外観を著しく損なう。また、成
形品が金型に付着して成形サイクルが安定しない等の問
題が生じる。一方、5重量部を超えると、表面にブリー
ドして、表面外観を阻害する。即ち、ポリエチレンワッ
クス(D)の配合量を0.1〜5重量部にすることによ
り、これらの問題が解消され、安定した連続成形が可能
となる。ポリエチレンワックス(D)の配合量は、好ま
しくは0.3〜2重量部であり、より好ましくは0.5
〜1.5重量部である。
【0025】ポリエチレンワックス(D)の種類は特に
制限されないが、好ましくは酸化ポリエチレンワックス
である。酸化ポリエチレンワックスは、耐熱性に優れ、
相分離による白化現象も起こりにくいため、特に優れた
離型剤である。また、酸化ポリエチレンワックスのう
ち、特に、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー
(GPC)で測定した重量平均分子量(Mw)が5,0
00〜8,000と大きいものは、揮発成分が少なく、
高温条件(例えば、230℃、24時間)のヘイズ試験
におけるヘイズ値が0.5%未満と著しく低くなる。酸
化ポリエチレンワックスの重量平均分子量は、好ましく
は2,000〜8,000であり、より好ましくは4,
000〜6,000である。従って、これを用いた樹脂
組成物から得られる成形品をランプリフレクターとして
使用したときには、ランプ点灯時の高温状態(〜230
℃)に曝されても、揮発成分によるレンズの曇りを生じ
ない。尚、酸化ポリエチレンワックスとは、ポリエチレ
ン主鎖上に、カルボキシル基等の極性基を有するポリエ
チレンワックスと定義される。また、酸化ポリエチレン
ワックスは、好ましくは酸価が3以上である。酸価が3
未満になると、離型性が不十分になる場合がある。酸化
ポリエチレンワックスの酸価は、より好ましくは10以
上であり、特に好ましくは15以上である。ここで、酸
価とは、ワックス1gを中和するために必要な水酸化カ
リウムのmg数を意味する。
【0026】(5)その他 本発明のポリアリーレンスルフィド樹脂組成物には、本
発明の効果を損なわない範囲で、必要に応じてシランカ
ップリング剤、酸化防止剤、熱安定剤、滑剤、可塑剤、
導電性付与剤、着色剤、顔料等各種の添加剤をさらに配
合してもよい。
【0027】2.ポリアリーレンスルフィド樹脂組成物
の製造方法 本発明のポリアリーレンスルフィド樹脂組成物の製造方
法は特に制限されないが、例えば、上記ポリアリーレン
スルフィド樹脂(A)、粒状無機充填剤(B)、ウィス
カー(C)及びポリエチレンワックス(D)を、リボン
タンブラー、ヘンシェルミキサー、バンバリミキサー、
ドラムタンブラー、単軸スクリュー押出機等により溶融
混練する方法が挙げられる。この場合、混練温度は、通
常300〜350℃が適当である。
【0028】3.成形品 本発明のポリアリーレンスルフィド樹脂組成物は、射出
成形、射出圧縮成形等の成形方法を用いて成形すること
ができる。特に、射出成形で得られる成形品は、表面平
滑性に優れており、高温に長時間(例えば、230℃、
24時間)曝しても、外観不良となる表面白化及び/又
はフローマーク等の表面外観の変化が少なく、かつ、揮
発成分が少ないため、ヘイズが極めて小さい。また、こ
のような成形品は、射出成形時の離型性に優れているた
め、表面に剥離痕がない。従って、鏡面性の高い状態で
長時間安定して成形できる。
【0029】このような成形品は、例えば、表面にアル
ミニウム等の金属膜を形成することにより鏡面体とする
ことができ、フォグランプ、ヘッドランプ等の自動車用
ランプリフレクター及び照明器具等の反射体(ダウンラ
イトカバー)等として使用することができる。
【0030】
【実施例】実施例1〜11、比較例1〜5 (1)成形品の製造 表1〜4に示す配合割合で、ポリアリーレンスルフィド
樹脂組成物を、スーパーフロータ(振動式拡販混合機)
を用いて均一に混合した後、二軸押出機(東芝機械製、
TEM 35B)で300〜350℃で溶融混練し、ペ
レットを製造した。得られたペレットを50トン射出成
形機(JSW製、J50E−P)に取付けた鏡面仕上げ
の平板(80×80×2mm)用金型で平板を成形し
た。尚、表1〜4中、ポリアリーレンスルフィド樹脂組
成物を構成する各成分の配合量の単位は重量部であり、
PPSの溶融粘度、炭酸カルシウムの体積平均粒子経、
ホウ酸アルミニウムウィスカーの繊維経及び酸化ポリエ
チレンワックスの重量平均分子量(Mw)は、上述した
測定方法で測定した。
【0031】(2)成形品の評価 得られた平板成形品について、剥離性、表面外観、写像
性、曲げ弾性率及びヘイズを測定し、評価した。結果を
表1〜4に示す。 (i)離型性:平板成形品が金型から離れる時の様子
(成形品が金型に付着して突き出しピンで押したとき、
反ったり、離型時に音がする)及び表面状態を以下の基
準で目視により判定した。 ○:型離れがスムーズでかつ表面に剥離痕等の異常がな
い。 ×:型離れがスムーズでなく、表面に剥離痕が見られ
る。 (ii)表面外観:以下の基準で目視により判定した。 良:平板成形品の表面に白化、フローマークがない。 不良:平板成形品の表面に白化、フローマークがある。 (iii)写像性 平板成形品の表面にアルミを真空蒸着(膜厚約100n
m)し、写像性試験機(スガ試験機(株)製)で測定し
た。測定原理は、光源の反射像が反射板の反射性能によ
って拡散した像(鏡面反射像より大きなボンヤリした
像)が見えるので、光学スリット(一定の格子縞のパタ
ーンで作成)を介して観測される受光量の大小(像が拡
散すれば、格子で遮られる光量が大きい)で、鏡面との
相対値(C値)を測定する。即ち、光源の入射角が45
度になるように試験片をセットし、その反射角45度の
方向に直角に光学スリット(光学くし巾1.0mm)を
セットする。さらにその先に受光器をセットして、光学
スリット上に光源の像を写し出し、スリットをセット方
向に移動して、スリットを介して受光器に感知する最小
の光量を最大反射率Mとし、最大の光量を最小反射率m
として、写像性(C値)を(M−m)/(M+m)×1
00(%)で表す。 (iv)曲げ弾性率:ASTM D790に則って測定し
た。 (v)ヘイズ:透明ガラス板の上蓋を乗せたビーカに平
板成形品約10cm3を入れ、マントルヒータに装着し
て、230℃、24時間加熱し、ガラス板の曇りをJI
S−K−7105に則ってヘイズ値(%)を測定した。
【0032】
【表1】
【0033】
【表2】
【0034】
【表3】
【0035】
【表4】
【0036】
【発明の効果】本発明によれば、優れた表面平滑性と鏡
面性を有し、かつ安定した成形が出来るポリアリーレン
スルフィド樹脂組成物及びそれを用いた成形体が提供で
きる。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F21V 7/00 C08L 23:06 17/00 F21M 3/02 E //(C08L 81/02 23:06) Fターム(参考) 3K042 AB04 BB00 4F071 AA15 AA62 AA71 AB21 AE17 AF20 AF30 AH12 BA01 BB05 BC03 4J002 BB032 BB252 CN011 DA026 DA027 DA036 DE076 DE096 DE107 DE136 DE146 DE147 DE187 DE236 DE237 DE286 DG056 DH046 DJ006 DJ007 DJ016 DJ036 DJ046 DJ056 DL006 FA067 FA086 GN00 GQ00

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)ポリアリーレンスルフィド樹脂1
    00重量部、(B)粒状無機充填剤20〜250重量
    部、(C)ウィスカー0〜50重量部、及び(D)ポリ
    エチレンワックス0.1〜5重量部を含むポリアリーレ
    ンスルフィド樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 前記ポリアリーレンスルフィド樹脂
    (A)の溶融粘度が100〜1,500ポイズである請
    求項1に記載のポリアリーレンスルフィド樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 前記粒状無機充填剤(B)の体積平均粒
    子径が4μm以下である請求項1又は2に記載のポリア
    リーレンスルフィド樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 前記ウィスカー(C)の繊維径が7μm
    以下である請求項1〜3のいずれか一項に記載のポリア
    リーレンスルフィド樹脂組成物。
  5. 【請求項5】 前記粒状無機充填剤(B)が炭酸カルシ
    ウムである請求項1〜4のいずれか一項に記載のポリア
    リーレンスルフィド樹脂組成物。
  6. 【請求項6】 前記ウィスカー(C)がホウ酸アルミニ
    ウムウィスカーである請求項1〜5のいずれか一項に記
    載のポリアリーレンスルフィド樹脂組成物。
  7. 【請求項7】 前記ポリエチレンワックス(D)が酸化
    ポリエチレンワックスである請求項1〜6のいずれか一
    項に記載のポリアリーレンスルフィド樹脂組成物。
  8. 【請求項8】 請求項1〜7のいずれか一項に記載のポ
    リアリーレンスルフィド樹脂組成物を成形してなる成形
    体。
  9. 【請求項9】 請求項8に記載の成形体の表面に金属膜
    を形成してなる鏡面体。
  10. 【請求項10】 請求項9に記載の鏡面体からなるラン
    プリフレクター。
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