JP2003226729A - ポリウレタン樹脂組成物 - Google Patents

ポリウレタン樹脂組成物

Info

Publication number
JP2003226729A
JP2003226729A JP2002030976A JP2002030976A JP2003226729A JP 2003226729 A JP2003226729 A JP 2003226729A JP 2002030976 A JP2002030976 A JP 2002030976A JP 2002030976 A JP2002030976 A JP 2002030976A JP 2003226729 A JP2003226729 A JP 2003226729A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
polyurethane resin
resin composition
molecule
compound
weight
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2002030976A
Other languages
English (en)
Inventor
Masanori Matsuda
正則 松田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sekisui Chemical Co Ltd filed Critical Sekisui Chemical Co Ltd
Priority to JP2002030976A priority Critical patent/JP2003226729A/ja
Publication of JP2003226729A publication Critical patent/JP2003226729A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Polyurethanes Or Polyureas (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 炭酸ガスの発生による硬化時の発泡を抑制で
き、硬化性及び貯蔵安定性に優れた、1液湿気硬化型接
着剤に好適なポリウレタン樹脂組成物を提供する。 【解決手段】 分子内にイソシアネート基を2個以上有
するポリウレタン樹脂100重量部、分子内にオキサゾ
リン環を1個以上有する化合物0.01〜1重量部、及
び、分子内にモルホリン環を1個以上有する化合物0.
01〜1重量部を含有することを特徴とするポリウレタ
ン樹脂組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、硬化の際に生じる
発泡を抑制でき、硬化性及び貯蔵安定性に優れたポリウ
レタン樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリウレタン樹脂組成物は、1液湿気硬
化型接着剤等に用いられており、従来、種々のものが検
討されてきたが、そのうちの多くは、イソシアネート基
と湿気(水)との反応で上記イソシアネート基の一部が
アミンとなり、生成したアミンが残りのイソシアネート
基と反応することにより硬化するものである。これらの
ポリウレタン樹脂組成物は、硬化の際に炭酸ガスの発生
を伴い発泡を生じることがあるが、硬化速度を速くする
ために金属系触媒やアミン系触媒等の硬化促進剤を併用
することにより、発泡が更に顕著になる傾向があった。
【0003】発泡を抑制する方法としては、例えば、特
開平7−289989号公報に、脂環系エナミン誘導体
からなる化合物が湿気により加水分解し、生成した活性
水素基(アミン)がイソシアネート基と反応し硬化する
ことを利用した、無発泡、かつ、硬化性に優れた湿気硬
化型ポリウレタン樹脂組成物が開示されている。ここ
で、この湿気硬化型ポリウレタン樹脂組成物の硬化速度
は、脂環系エナミン誘導体の加水分解速度により決ま
り、加水分解速度は、硬化促進剤である特定の酸性触媒
の添加量により調整される。しかしながら、この湿気硬
化型ポリウレタン樹脂組成物は、硬化速度を速めるため
には多量の酸性触媒を必要とし、その結果、貯蔵安定性
が著しく損なわれるという問題があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、硬化の際に
生じる発泡を抑制でき、硬化性及び貯蔵安定性に優れた
ポリウレタン樹脂組成物を提供することを目的とするも
のである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、分子内にイソ
シアネート基を2個以上有するポリウレタン樹脂100
重量部、分子内にオキサゾリン環を1個以上有する化合
物0.01〜1重量部、及び、分子内にモルホリン環を
1個以上有する化合物0.01〜1重量部を含有するポ
リウレタン樹脂組成物である。以下に本発明を詳述す
る。
【0006】本発明のポリウレタン樹脂組成物は、分子
内にイソシアネート基を2個以上有するポリウレタン樹
脂、分子内にオキサゾリン環を1個以上有する化合物、
及び、分子内にモルホリン環を1個以上有する化合物を
含有するものである。
【0007】上記分子内にイソシアネート基を2個以上
有するポリウレタン樹脂とは、分子内にイソシアネート
基を2個以上有するウレタンプレポリマーを意味し、単
一のウレタンプレポリマーであってもよく、2種以上の
ウレタンプレポリマーからなるものであってもよい。上
記ウレタンプレポリマーは、ポリオールとポリイソシア
ネート化合物との付加反応により得ることができる。
【0008】上記ポリオールとしては特に限定されず、
例えば、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオ
ール、ポリアルキレンポリオール、ポリカーボネートポ
リオール、ポリマーポリオール等が挙げられ、なかでも
ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、ポ
リアルキレンポリオール等が好適に用いられる。これら
のポリオールは、単独で用いられてもよく、2種以上が
併用されてもよい。
【0009】上記ポリエステルポリオールとしては特に
限定されず、例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、
1,5−ナフタル酸、2,6−ナフタル酸、コハク酸、
グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、ア
ゼライン酸、セバシン酸、デカメチレンジカルボン酸、
ドデカメチレンジカルボン酸等のようなジカルボン酸等
の多価カルボン酸と、エチレングリコール、ジエチレン
グリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパン
ジオール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリ
コール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサン
ジオール、シクロヘキサンジオール等のポリオールとの
反応により得られるポリエステルポリオール;ε−カプ
ロラクタムを開環重合することにより得られるポリ−ε
−カプロラクトンポリオール等が挙げられる。これらの
ポリエステルポリオールは、単独で用いられてもよく、
2種以上が併用されてもよい。
【0010】上記ポリエーテルポリオールとしては特に
限定されず、例えば、エチレングリコール、ジエチレン
グリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリ
コール、グリセリン、トリメチロールプロパン、グルコ
ース、ソルビトール、シュークローズ等の多価アルコー
ルの1種又は2種以上に、プロピレンオキサイド、エチ
レンオキサイド、ブチレンオキサイド、スチレンオキサ
イド等の1種又は2種以上を付加することにより得られ
るポリオール及びポリオキシテトラメチレンポリオール
等が挙げられる。これらのポリエーテルポリオールは、
単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよ
い。
【0011】上記ポリアルキレンポリオールとしては特
に限定されず、例えば、ポリブタジエンポリオール、水
素化ポリブタジエンポリオール、水素化ポリイソプレン
ポリオール等が挙げられる。これらのポリアルキレンポ
リオールは、単独で用いられてもよく、2種以上が併用
されてもよい。
【0012】上記ポリカーボネートポリオールとしては
特に限定されず、例えば、ポリヘキサメチレンカーボネ
ートポリオール、ポリシクロヘキサンジメチレンカーボ
ネートポリオール等が挙げられる。これらのポリカーボ
ネートポリオールは、単独で用いられてもよく、2種以
上が併用されてもよい。
【0013】上記ポリマーポリオールとしては特に限定
されず、例えば、上記ポリエステルポリオールやポリエ
ーテルポリオールに、アクリロニトリル、スチレン、メ
チル(メタ)アクリレート等のエチレン性不飽和化合物
をグラフト重合させて得られるグラフト重合体等が挙げ
られる。これらのポリマーポリオールは、単独で用いら
れてもよく、2種以上が併用されてもよい。
【0014】上記ポリイソシアネート化合物としては特
に限定されず、例えば、トリレンジイソシアネート、ジ
フェニルメタンジイソシアネート(MDI)、MDIの
液状変性物、ヘキサメチレンジイソシアネート、キシリ
レンジイソシアネート、シクロヘキサンフェニレンジイ
ソシアネート、ナフタレン−1,5−ジイソシアネート
等が挙げられ、なかでも、安全性や反応性等に優れるM
DI及びMDIの液状変性物が好適に用いられる。これ
らのポリイソシアネート化合物は、単独で用いられても
よく、2種以上が併用されてもよい。
【0015】上記ウレタンプレポリマーの合成方法とし
ては特に限定されないが、例えば、ポリオールとポリイ
ソシアネート化合物とを、ポリオール中の水酸基(O
H)に対するポリイソシアネート化合物中のイソシアネ
ート基(NCO)の比率(NCO/OH)がモル比で
1.5〜2.5の割合で混合し、窒素気流中で、80〜
100℃程度の温度で3〜5時間程度反応させる方法が
好適である。NCO/OH(モル比)が1.5未満であ
ると、得られるウレタンプレポリマーの粘度が高くなり
過ぎて、湿気硬化型接着剤に用いることができないこと
がある。NCO/OH(モル比)が2.5を超えると、
本発明のポリウレタン樹脂組成物の硬化時に発泡が起こ
り易くなって硬化物の凝集力が低下し、充分な接着強度
を得られないことがある。
【0016】本発明のポリウレタン樹脂組成物は、分子
内に下記一般式(1)で表されるオキサゾリン環を1個
以上有する化合物を含有する。上記分子内にオキサゾリ
ン環を1個以上有する化合物は、ウレタンプレポリマー
の硬化剤としての働きを有する。
【0017】
【化1】
【0018】上記分子内にオキサゾリン環を1個以上有
する化合物としては特に限定されず、例えば、2,2’
−(1,3−フェニレン)−ビス(2−オキサゾリ
ン)、オキサゾリン環を側鎖に有するポリスチレン共重
合体、及び、オキサゾリン環を側鎖に有するポリスチレ
ン−アクリロニトリル共重合体等が挙げられる。これら
のうち市販されているものとしては、例えば、オキサゾ
リン環を側鎖に有するポリスチレン−アクリロニトリル
共重合体である日本触媒社製「エポクロス」等が挙げら
れる。これらの分子内にオキサゾリン環を1個以上有す
る化合物は、単独で用いられてもよく、2種以上が併用
されてもよい。
【0019】上記分子内にオキサゾリン環を1個以上有
する化合物の配合量は、分子内にイソシアネート基を2
個以上有するポリウレタン樹脂100重量部に対して、
下限が0.01重量部、上限が1重量部である。0.0
1重量部未満であると、配合に基づく効果が充分に得ら
れない。1重量部を超えると、本発明のポリウレタン樹
脂組成物の常温における貯蔵安定性や加熱溶融時の熱安
定性等が低下する。
【0020】本発明のポリウレタン樹脂組成物は、分子
内に下記一般式(2)で表されるモルホリン環を1個以
上有する化合物を含有するものである。
【0021】
【化2】
【0022】上記一般式(2)中、R1及びR2は、水素
原子又はアルキル基を表す。
【0023】上記分子内にモルホリン環を1個以上有す
る化合物としては特に限定されず、例えば、2,2’−
ジモルホリノジエチルエーテル、ジ(2,6−ジメチル
モルホリノエチル)エーテル、ビス{2−(2,6−ジ
メチル−4−モルホリノ)エチル}−{2−(4−モル
ホリノ)エチル}アミン、ビス{2−(2,6−ジメチ
ル−4−モルホリノ)エチル}−{2−(2,6−エチ
ル−4−モルホリノ)エチル}アミン、トリス{2−
(4−モルホリノ)エチル}アミン、トリス{2−(4
−モルホリノ)プロピル}アミン、トリス{2−(4−
モルホリノ)ブチル}アミン、トリス{2−(2,6−
ジメチル−4−モルホリノ)エチル}アミン、トリス
{2−(2,6−ジエチル−4−モルホリノ)エチル}
アミン、トリス{2−(2−エチル−4−モルホリノ)
エチル}アミン等が挙げられる。これらの分子内にモル
ホリン環を1個以上有する化合物は、単独で用いられて
もよく、2種以上が併用されてもよい。
【0024】上記分子内にモルホリン環を1個以上有す
る化合物の配合量は、分子内にイソシアネート基を2個
以上有するポリウレタン樹脂100重量部に対して、下
限が0.01重量部、上限が1重量部である。0.01
重量部未満であると、配合に基づく効果が充分に得られ
ない。1重量部を超えると、本発明のポリウレタン樹脂
組成物の常温における貯蔵安定性や加熱溶融時の熱安定
性等が低下する。
【0025】上記分子内にモルホリン環を1個以上有す
る化合物を特定量配合することにより、本発明のポリウ
レタン樹脂組成物は、硬化後の凝集力が向上し、接着強
度や耐熱性、耐クリープ性等に優れたものとなる。
【0026】本発明のポリウレタン樹脂組成物には、必
要に応じて、ウレタンプレポリマーと非相溶の熱可塑性
樹脂とが1種又は2種以上配合されていてもよい。上記
熱可塑性樹脂としては特に限定されず、例えば、スチレ
ンブタジエンスチレンブロック共重合体、スチレンイソ
プレンスチレンブロック共重合体、スチレンエチレンブ
チレンスチレンブロック共重合体、スチレンエチレンプ
ロピレンスチレンブロック共重合体等の熱可塑性ゴムや
ポリプロピレン、ポリエチレン、α−オレフィン共重合
体等のポリオレフィン樹脂等が挙げられる。これらの熱
可塑性樹脂を配合することにより、本発明のポリウレタ
ン樹脂組成物の硬化後の強度を高めることができる。ま
た、融点や軟化点が低いウレタンプレポリマーにこれら
の熱可塑性樹脂を配合してホットメルト型接着剤の使用
温度に近い融点を持たせることにより、本発明のポリウ
レタン樹脂組成物からなる接着剤にホットメルト性を付
与することもできる。ただし、これらの熱可塑性樹脂は
いずれもウレタンプレポリマーと相溶しないので多量に
使用すると、上記接着剤の接着性を低下させるおそれが
ある。
【0027】本発明のポリウレタン樹脂組成物には、更
に、必要に応じて、ホットメルト性付与樹脂、増粘剤、
軟化剤、流動性付与剤、パラフィンワックスやマイクロ
クリスタリンワックス等のワックス類、充填剤及び有機
溶剤等の添加剤が1種又は2種以上配合されていてもよ
い。
【0028】上記ホットメルト性付与樹脂、増粘剤、軟
化剤及び流動性付与剤としては、例えば、活性水素基を
持たず数平均分子量が300〜1万の低分子量極性ポリ
マーが好適に用いられる。低分子量極性ポリマーである
と、本発明のポリウレタン樹脂組成物を接着剤に用いた
場合に、溶剤や汎用可塑剤等に比べて揮発性が低く揮発
して接着剤の性状を変化させることがなく、極性ポリマ
ーであることから、ポリエチレン等の熱可塑性樹脂とは
異なりウレタンプレポリマーに溶解しやすく多量に配合
しても接着剤の接着性を低下させない。なお、活性水素
基を持たない樹脂とは、ウレタンプレポリマーが有する
イソシアネート基と反応する官能基を持たない樹脂を意
味し、例えば、水酸基、アミノ基、カルボキシル基を持
たない樹脂であり、具体的には、末端をエステル化した
ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、末端をアルキル化し
たポリエーテルポリオール等が挙げられる。
【0029】本発明のポリウレタン樹脂組成物を液状接
着剤として用いる場合には、上記低分子量極性ポリマー
のうち、上記分子内にイソシアネート基を2個以上有す
るポリウレタン樹脂よりも高粘度の液状樹脂、半固形樹
脂及び固形樹脂等は増粘剤として用いることができ、上
記分子内にイソシアネート基を2個以上有するポリウレ
タン樹脂よりも低粘度の液状樹脂は流動性付与剤として
用いることができる。
【0030】本発明のポリウレタン樹脂組成物をホット
メルト型接着剤として用いる場合には、上記低分子量極
性ポリマーのうち、ホットメルト型接着剤として溶融さ
せる温度において、上記分子内にイソシアネート基を2
個以上有するポリウレタン樹脂よりも高粘度のものは増
粘剤として用いることができ、上記分子内にイソシアネ
ート基を2個以上有するポリウレタン樹脂よりも低粘度
のものは軟化剤として用いることができる。
【0031】本発明のポリウレタン樹脂組成物の100
℃における粘度の好ましい下限は、2万mPa・s、上
限は10万mPa・sである。2万mPa・s未満であ
ると、成形時に厚み等の形状保持が困難なことがある。
10万mPa・sを超えると、塗工等が困難なことがあ
る。
【0032】本発明のポリウレタン樹脂組成物を製造す
る方法としては特に限定されず、分子内にイソシアネー
ト基を2個以上有するポリウレタン樹脂、分子内にオキ
サゾリン環を1個以上有する化合物、及び、分子内にモ
ルホリン環を1個以上有する化合物の各所定量と、必要
に応じて各種添加剤の各所定量を秤量し、例えば、ミキ
サー、ニーダー及び三本ロール等の加熱装置を備えた混
合機を用いて、常温下又は加熱下で予備混合を行った
後、窒素ガスのような不活性ガス雰囲気下又は減圧脱水
雰囲気下で常温脱水又は加熱脱水を行い、次いで、必要
に応じて、上記混合機を用いて均一に常温混練又は加熱
混練することにより得ることができる。
【0033】上記製造方法における各原料の混合順序と
しては特に限定されず、例えば、先ず分子内にイソシア
ネート基を2個以上有するポリウレタン樹脂を合成し、
この分子内にイソシアネート基を2個以上有するポリウ
レタン樹脂に対して、分子内にオキサゾリン環を1個以
上有する化合物、分子内にモルホリン環を1個以上有す
る化合物、及び、各種添加剤を添加して混合する方法;
分子内にイソシアネート基を2個以上有するポリウレタ
ン樹脂の原料の一方であるポリオールに対して、分子内
にオキサゾリン環を1個以上有する化合物、分子内にモ
ルホリン環を1個以上有する化合物、及び、各種添加剤
の一部又は全部をまず添加して混合した後、分子内にイ
ソシアネート基を2個以上有するポリウレタン樹脂の原
料の他方であるポリイソシアネート化合物を添加して分
子内にイソシアネート基を2個以上有するポリウレタン
樹脂を合成し、次いで、分子内にオキサゾリン環を1個
以上有する化合物、分子内にモルホリン環を1個以上有
する化合物、及び、各種添加剤の残部がある場合には、
その残部を添加して混合する方法等が挙げられる。
【0034】本発明のポリウレタン樹脂組成物は、上記
分子内にイソシアネート基を2個以上有するポリウレタ
ン樹脂に、上記分子内にオキサゾリン環を1個以上有す
る化合物、及び、上記分子内にモルホリン環を1個以上
有する化合物が配合されていることにより、硬化の際に
生じる発泡を抑制でき、優れた硬化性及び貯蔵安定性を
発揮することができる。
【0035】本発明のポリウレタン樹脂組成物を使用す
る方法としては特に限定されず、例えば、ホットメルト
型接着剤として使用する場合には、加熱装置を備えたロ
ールコーター、スプレー塗布機、ホットメルトアプリケ
ーター、ハンドガン等の通常のホットメルト塗布装置を
用いて、本発明のポリウレタン樹脂組成物を加熱溶融し
た後、対象とする被着体の一方に塗布し、次いで対象と
する被着体の他方を積層して圧着することにより被着体
同士を接着することができる。
【0036】
【実施例】以下に実施例を掲げて本発明を更に詳しく説
明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるも
のではない。
【0037】(実施例1)ポリエステルポリオール(日
本ユピカ社製、PX−2216D、融点105℃、水酸
基価32)700重量部とポリエステルポリオール(旭
電化工業社製、BPX−33、水酸基価195)300
重量部とを120℃にて加熱溶融し、1mmHg以下に
減圧した環境下で30分間脱水した。次いで、脱水後の
組成物を100℃まで加熱した後、窒素雰囲気下でジフ
ェニルメタンジイソシアネート(三菱化学社製、Iso
nate125M)340重量部を添加した。2時間溶
融混合した後、更に、モルホリン環を有する化合物(サ
ンアプロ社製、U−cat651M)0.5重量部とオ
キサゾリン環を有する化合物(住化バイエルウレタン社
製、ハードナーOZ)0.3重量部とを添加して720
mmHgに減圧した環境下で20分間攪拌して脱泡を行
い、窒素下で冷却して常温で固形の結晶性固体のポリウ
レタン樹脂組成物を得た。
【0038】(実施例2)モルホリン環を有する化合物
の添加量を1重量部としたこと以外は実施例1と同様に
してポリウレタン樹脂組成物を作製した。得られたポリ
ウレタン樹脂組成物は常温で固形の結晶性固体であっ
た。
【0039】(実施例3)オキサゾリン環を有する化合
物の添加量を10重量部としたこと以外は実施例1と同
様にしてポリウレタン樹脂組成物を作製した。得られた
ポリウレタン樹脂組成物は常温で固形の結晶性固体であ
った。
【0040】(比較例1)オキサゾリン環を有する化合
物の添加量を20重量部としたこと以外は実施例1と同
様にしてポリウレタン樹脂組成物を作製した。得られた
ポリウレタン樹脂組成物は常温で固形の結晶性固体であ
った。
【0041】(比較例2)モルホリン環を有する化合物
の添加量を5重量部とし、オキサゾリン環を有する化合
物を添加しなかったこと以外は実施例1と同様にしてポ
リウレタン樹脂組成物を作製した。得られたポリウレタ
ン樹脂組成物は常温で固形の結晶性固体であった。
【0042】(比較例3)モルホリン環を有する化合物
及びオキサゾリン環を有する化合物を添加しなかったこ
と以外は実施例1と同様にしてポリウレタン樹脂組成物
を作製した。得られたポリウレタン樹脂組成物は常温で
固形の結晶体であった。
【0043】(評価)実施例1、2、3及び比較例1、
2、3で作製されたポリウレタン樹脂組成物をウレタン
接着剤として用いた。すなわち、125μm厚のPET
フィルム(東レ社製、ルミラーE28G)2枚の間にウ
レタン接着剤を約600μm厚になるように積層した試
験片を作製した。この試験片を20℃、65%RHの雰
囲気下で硬化し、硬化に要した日数、及び、発泡の発生
の有無を確認した。硬化の完了の確認は、20℃、65
%RHの雰囲気下に投入した後の試験片を100℃のオ
ーブンで30分間加熱した後に目視で行い、発泡が起こ
っていなければ硬化が完了しているとした。更に、ポリ
ウレタン樹脂組成物の貯蔵安定性を評価するため、ポリ
ウレタン樹脂組成物を120℃で2時間加熱する前後で
B型粘度計により粘度の測定を行い、増粘の有無を評価
した。以上の評価の結果を表1に示した。
【0044】
【表1】
【0045】表1に示したように、実施例1、2及び3
で作製されたウレタン接着剤は、硬化剤として、モルホ
リン環を有する化合物及びオキサゾリン環を有する化合
物を添加してなかった比較例3で作製されたウレタン接
着剤に比べて硬化速度が格段に向上し、かつ、発泡も見
られなかった。比較例1及び2で作製されたウレタン接
着剤では硬化速度の向上は見られたが、比較例1で作製
されたウレタン接着剤は貯蔵安定性に劣り、比較例2で
作製されたウレタン接着剤は発泡を抑制できなかった。
【0046】
【発明の効果】本発明によれば、硬化の際に生じる発泡
を抑制でき、硬化性及び貯蔵安定性に優れたポリウレタ
ン樹脂組成物を提供することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4J034 BA03 BA08 CE04 DC02 DC50 DF01 DF02 DF15 DF16 DF20 DF21 DF22 DG03 DG04 DG05 DP02 DP13 DP18 DP19 GA06 GA33 HA07 HA11 HC03 HC12 HC13 HC17 HC22 HC52 HC64 HC67 HC71 HC73 JA41 JA42 KD11 RA08

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 分子内にイソシアネート基を2個以上有
    するポリウレタン樹脂100重量部、分子内にオキサゾ
    リン環を1個以上有する化合物0.01〜1重量部、及
    び、分子内にモルホリン環を1個以上有する化合物0.
    01〜1重量部を含有することを特徴とするポリウレタ
    ン樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 100℃における粘度が2万〜10万m
    Pa・sであることを特徴とする請求項1記載のポリウ
    レタン樹脂組成物。
JP2002030976A 2002-02-07 2002-02-07 ポリウレタン樹脂組成物 Withdrawn JP2003226729A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002030976A JP2003226729A (ja) 2002-02-07 2002-02-07 ポリウレタン樹脂組成物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002030976A JP2003226729A (ja) 2002-02-07 2002-02-07 ポリウレタン樹脂組成物

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2003226729A true JP2003226729A (ja) 2003-08-12

Family

ID=27750419

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002030976A Withdrawn JP2003226729A (ja) 2002-02-07 2002-02-07 ポリウレタン樹脂組成物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2003226729A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5597397B2 (ja) 貼合せ用ポリウレタン接着剤
US7025853B2 (en) Reactive hot-melt adhesive compositions with improved green strength
CN102741321B (zh) 聚醚嵌段共聚物及可由其得到的组合物
JPH02140284A (ja) 湿気硬化性ホットメルト型接着剤組成物
CN102549099B (zh) 反应性热熔粘合剂组合物
TW200303335A (en) Thermoplastic polyurethane composition and process for producing the same
DK2917254T3 (en) REACTIVE LIQUID CAUTION OF BLOCKED ISOCYANATE TERMINATED PREPOLYMERS WITH GLYCOL CATCHERS
WO1992017556A1 (en) Moisture-curable hot-melt adhesive composition
JPH08157801A (ja) 湿気硬化性ウレタンシーラント組成物
JP2003327647A (ja) 1液湿気硬化型ポリウレタン樹脂組成物
JP3623149B2 (ja) 湿気硬化型接着剤組成物
JP2004143314A (ja) ポリエステルポリエーテルポリオールおよびそれを用いたウレタンプレポリマー
JPH05263059A (ja) ポリウレタン系接着剤
JP2004123833A (ja) 湿気硬化型ポリウレタンホットメルト接着剤
JP4477738B2 (ja) 湿気硬化型ウレタン系ホットメルト接着剤
JP4327006B2 (ja) 湿気硬化型接着剤組成物
JP2003226729A (ja) ポリウレタン樹脂組成物
JP2006348232A (ja) ポリウレタン接着剤及び貼り合わせ型光メディアの製造方法
JP2005036128A (ja) 湿気硬化型ポリウレタンホットメルト接着剤
JP2021116390A (ja) 湿気硬化型反応性ホットメルト組成物
JP2005002286A (ja) ポリウレタン接着剤
JP2019182938A (ja) 湿気硬化型反応性ホットメルト接着剤組成物
JPH09286837A (ja) 湿気架橋型ウレタンホットメルト組成物
JPH09125042A (ja) 湿気硬化型ホットメルト接着剤組成物
JP2000302833A (ja) ウレタンプレポリマー湿気硬化用触媒および一液湿気硬化型ウレタン系ホットメルト接着剤組成物

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20041221

A761 Written withdrawal of application

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A761

Effective date: 20060123